JP6618070B2 - 天ぷら粉、及びそれを用いた天ぷら - Google Patents
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Description
(1)前記ホワイトソルガム粉(A)、とうもろこし由来の粉末(B)及び澱粉(C)の合計の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて90質量%以上である。
(2)前記とうもろこし由来の粉末(B)が、コーングリッツ粉砕物、及びとうもろこし粉からなる群から選択される1種以上の粉末である。これにより、さらに食感が良好な天ぷらを製造することができる。
(3)前記とうもろこし由来の粉末(B)の損傷澱粉含有量が、15質量%以上である。これにより、さらに食感が良好で、且つ具材への衣の付き具合(以下、衣付きともいう)が良好な天ぷらを製造することができる。
(4)前記澱粉(C)が、タピオカ澱粉、及び/又はワキシーコーンスターチである。これにより、さらに食感が良好な天ぷらを製造することができる。
(5)卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤からなる群から選択される1種以上の材料をさらに含む。これにより、さらに食感が良好で、且つ衣付き、及び花チリ(天ぷらの見栄えを良くする細かい凹凸の針状の衣)が良好な天ぷらを製造することができる。また、バッターを調製した際に、特にバッター調製後時間が経過しても沈殿が生じ難く、ハンドリング性に優れる天ぷら粉が得られる。
1.天ぷら粉の調製
以下の表に示した配合で、各材料を混合して、天ぷら粉を調製した。なお、コントロールとして、小麦粉を用いた天ぷら粉を調製した。
2.天ぷら用バッターの調製
調製した各天ぷら粉100質量部に対して、表に示した加水量で冷水を加えて撹拌し、天ぷら用バッターを調製した。加水量は、コントロールと同等の生地感が得られるように調整した。なお、生地感とは、バッターを混合する時や具材に付着させるときの生地の触感のことである。
3.天ぷらの調製
海老に、打ち粉を付着させた後、各天ぷら用バッターに浸漬して、バッターを付着させ、170〜180℃の油中に投入し、2分30秒間油ちょうした。なお、打ち粉は、1.で調製した各天ぷら粉を用いた。
4.評価方法
各天ぷら粉について、以下の各項目を各評価基準で評価した。評価結果は、10名のパネラーによる評価点の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示した。
(1)天ぷらの食感
油ちょう後の天ぷらを試食し、食感を、コントロール(小麦粉を用いた天ぷら粉)と比較して評価した。
(評価基準)
1:コントロールよりも大幅に劣る。
2:コントロールよりも劣る。
3:コントロールよりもやや劣るが許容できる範囲である。
4:コントロールよりも僅かに劣るが、ほとんど遜色がない。
5:コントロールと同等である。
(2)天ぷらの衣付き
天ぷら用バッターをえびに付着させた時の付き具合を、コントロール(小麦粉を用いた天ぷら粉)と比較して評価した。
(評価基準)
1:コントロールよりも大幅に劣る。
2:コントロールよりも劣る。
3:コントロールよりもやや劣るが許容できる範囲である。
4:コントロールよりも僅かに劣るが、ほとんど遜色がない。
5:コントロールと同等である。
(3)天ぷらの花チリ
油ちょう後の天ぷらの外観を観察し、天ぷらの花チリの状態を、コントロール(小麦粉を用いた天ぷら粉)と比較して評価した。
(評価基準)
1:コントロールよりも大幅に劣る。
2:コントロールよりも劣る。
3:コントロールよりもやや劣るが許容できる範囲である。
4:コントロールよりも僅かに劣るが、ほとんど遜色がない。
5:コントロールと同等である。
(4)バッター沈殿量
天ぷら用バッターを調製後、30分間静置し、沈殿量を目視にて評価した。
(評価基準)
1:沈殿量が非常に多い。
2:沈殿が多い。
3:沈殿はあるが、許容できる範囲である。
4:沈殿が少ない。
5:沈殿がほとんどない。
(1)小麦粉代替材料の選定
小麦粉の代替材料を選定するため、コントロールの天ぷら粉の配合における小麦粉を種々の穀粉類と置き換えて試験を行なった。表1に示した通り、いずれの材料も単独でも、複数を組み合わせても、コントロールと比較して食感が大幅に劣っていた。しかしながら、衣付き、花チリ、沈殿量の評価においては、ホワイトソルガム粉、コーングリッツ粉砕物、米粉を用いることで、コントロールに近づく可能性が示唆された。なお、評価項目にはないが、コーングリッツ粉砕物やとうもろこし粉単独では、とうもろこしの風味がやや強く感じられ、コントロールの天ぷら粉とは大きく異なる風味であった。コーングリッツ粉砕物とホワイトソルガム粉を組み合わせることで、とうもろこしの風味が低減し、コントロールの天ぷら粉に近い風味の天ぷらが得られた。
上記(1)の結果から、小麦粉代替材料として、コーングリッツ粉砕物、及びホワイトソルガム粉の混合物を選定し、澱粉の種類を検討した。表2に示す通り、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチを用いることで、良好な食感の天ぷらが得られる可能性が示唆された。
以上の試験から、澱粉として、タピオカ澱粉を選定し、良好な食感及び外観の天ぷらが得られる天ぷら粉の配合について、澱粉及びホワイトソルガム粉の含有量や、とうもろこし又は米由来の粉末の種類、及び配合比率を検討した。結果を表3に示す。
さらに食感が良好な天ぷらを製造できる天ぷら粉を得るため、その他の材料を検討した。表4に示す通り、(A)ホワイトソルガム粉、(B)コーングリッツ粉砕物、並びに(C)澱粉としてタピオカ澱粉を上記の配合比率、又は含有量で含み、さらに卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤の何れかを配合した実施例10〜12の天ぷら粉は、衣付きに加えて、食感、花チリ、沈殿量の何れかの評価で、小麦粉を用いたコントロールの天ぷら粉と同等である評価であった。また、(A)ホワイトソルガム粉、(B)コーングリッツ粉砕物、並びに(C)澱粉としてタピオカ澱粉を上記の配合比率、又は含有量で含み、さらに卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤を組み合わせて配合した実施例13の天ぷら粉は、食感、衣付き、花チリ、沈殿量のすべての評価で、小麦粉を用いたコントロールの天ぷら粉と同等である評価であった。
Claims (7)
- 天ぷらの製造に用いる天ぷら粉であって、
小麦由来成分を含まず、
(A)ホワイトソルガム粉、(B)とうもろこし由来の粉末、及び(C)澱粉を含み、
前記ホワイトソルガム粉(A)の、前記とうもろこし由来の粉末(B)に対する質量比(A:B)が、1:1〜5:1であり、
前記澱粉(C)の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて30〜70質量%であることを特徴とする天ぷら粉。 - 前記ホワイトソルガム粉(A)、前記とうもろこし由来の粉末(B)及び澱粉(C)の合計の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて90質量%以上である請求項1に記載の天ぷら粉。
- 前記とうもろこし由来の粉末(B)が、コーングリッツ粉砕物、及びとうもろこし粉からなる群から選択される1種以上の粉末である請求項1又は2に記載の天ぷら粉。
- 前記とうもろこし由来の粉末(B)の損傷澱粉量が15質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の天ぷら粉。
- 前記澱粉(C)が、タピオカ澱粉、及び/又はワキシーコーンスターチである請求項1〜4のいずれか1項に記載の天ぷら粉。
- 卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤からなる群から選択される1種以上の材料をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の天ぷら粉。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の天ぷら粉を、水と混合して調製した天ぷら用バッターを、具材に付着させた後、油ちょうすることにより得られた天ぷら。
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JP2015112159A JP6618070B2 (ja) | 2015-06-02 | 2015-06-02 | 天ぷら粉、及びそれを用いた天ぷら |
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