JP6618070B2 - 天ぷら粉、及びそれを用いた天ぷら - Google Patents

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Description

本発明は、天ぷらの製造に用いる天ぷら粉に関し、特に小麦由来成分を含まない天ぷら粉に関する。
天ぷら粉は、天ぷらの製造に用いるバッターを調製するためのバッターミックスであり、一般に、小麦粉を主成分とし、澱粉、卵黄粉、膨張剤等を含む粉状品である。一方で、従来から、小麦に含まれるグルテンは、食物アレルギーの原因となるアレルゲンとして知られている。また、近年、グルテンの摂取に起因し、小腸内の上皮組織が、自己免疫系によって攻撃されて炎症を起こし、様々な症状を生じるセリアック病も問題になっている。
そのため、最近、一般的に小麦粉を使用するパンや菓子類、揚げ物用衣等において、小麦由来成分、特にグルテンを含まない、種々のグルテンフリー食品が、開発されている。例えば、特許文献1には、グルテンを含まない小麦アレルギー症のヒトでも安心して食することのできる汎用性のある食品素材を提供することを目的とした、ホワイトソルガム粉と、豆粉及び豆由来のたん白質から選ばれる少なくとも1種とからなる食品素材で、[ホワイトソルガム粉]:[豆粉及び豆由来のたん白質から選ばれる少なくとも1種]の配合割合が99.5:0.5〜50:50(質量比)である食品素材が開示されている。また、特許文献2には、小麦等のアレルギー特定原材料を含まない揚げ物用衣を提供することを目的とした、米を必須成分として、粉末油脂および/又は小糖類を含む組成物をスクリュー式押出機に供給し、加熱・加圧の条件下で、押出成形し、その成形加工物を乾燥、整粒及び/又は粉砕することで製造される揚げ物用衣が開示されている。
特開2007−202524号公報 特開2007−37449号公報
しかしながら、特に天ぷらの場合は、天ぷら特有のサクサクとした食感を得るためには、衣に含まれる小麦由来のグルテンが重要な役割を果たしているため、小麦粉を含まない天ぷら粉を用いて、通常の天ぷらと同等のサクサクとした歯切れのよい食感を有し、衣付きの良好な天ぷらを得ることは困難であった。特許文献1の食品素材は、汎用性を謳っているものの、実施例においては、パンケーキ等の焼き菓子のみで試験され、天ぷら粉等の揚げ物用のバッターミックスに使用した場合の実施例は一切なく、揚げ物の食感についても具体的には一切記載されていない。また、特許文献2の揚げ物用衣は、これを製造するために、押出機、乾燥機等の大規模な装置、及び煩雑な操作が必要であり、コスト的に極めて不利である。
したがって、本発明の目的は、小麦由来成分を含まない天ぷら粉であって、天ぷら特有のサクサクとした食感を有する天ぷらを製造できる天ぷら粉を低コストで提供することにある。また、本発明の目的は、その天ぷら粉を用いた天ぷらを提供することにある。
本発明者らは、小麦由来成分を使用せずに、良好な食感の天ぷらを製造することができる天ぷら粉の配合について種々検討した結果、ホワイトソルガム粉、とうもろこし由来の粉末、澱粉、及びその他の材料を使用し、その配合バランスを適正化することで、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、上記目的は、天ぷらの製造に用いる天ぷら粉であって、小麦由来成分を含まず、(A)ホワイトソルガム粉、(B)とうもろこし由来の粉末、及び(C)澱粉を含み、前記ホワイトソルガム粉(A)の、前記とうもろこし由来の粉末(B)に対する質量比(A:B)が、1:1〜5:1であり、前記澱粉(C)の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて30〜70質量%であることを特徴とする天ぷら粉によって達成される。この配合の天ぷら粉であれば、小麦由来成分を使用しなくても、天ぷら特有のサクサクとした食感を有する天ぷらを製造することができる。
本発明の天ぷら粉の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記ホワイトソルガム粉(A)、とうもろこし由来の粉末(B)及び澱粉(C)の合計の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて90質量%以上である。
(2)前記とうもろこし由来の粉末(B)が、コーングリッツ粉砕物、及びとうもろこし粉からなる群から選択される1種以上の粉末である。これにより、さらに食感が良好な天ぷらを製造することができる。
(3)前記とうもろこし由来の粉末(B)の損傷澱粉含有量が、15質量%以上である。これにより、さらに食感が良好で、且つ具材への衣の付き具合(以下、衣付きともいう)が良好な天ぷらを製造することができる。
(4)前記澱粉(C)が、タピオカ澱粉、及び/又はワキシーコーンスターチである。これにより、さらに食感が良好な天ぷらを製造することができる。
(5)卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤からなる群から選択される1種以上の材料をさらに含む。これにより、さらに食感が良好で、且つ衣付き、及び花チリ(天ぷらの見栄えを良くする細かい凹凸の針状の衣)が良好な天ぷらを製造することができる。また、バッターを調製した際に、特にバッター調製後時間が経過しても沈殿が生じ難く、ハンドリング性に優れる天ぷら粉が得られる。
また、上記目的は、本発明の天ぷら粉を、水と混合して調製した天ぷら用バッターを、具材に付着させた後、油ちょうすることにより得られた天ぷらによって達成される。
本発明の天ぷら粉を用いることにより、小麦由来成分を使用しなくても、天ぷら特有のサクサクとした食感を有する天ぷらを製造することができる。さらに、本発明の天ぷら粉は、特に大規模な装置や煩雑な操作の必要はなく、低コストで調製することができる。
本発明の天ぷら粉は、天ぷらの製造に用いるバッターを調製するためのバッターミックスである。そして、本発明の天ぷら粉は、食物アレルギーやセリアック病の原因となり得る小麦由来成分を含んでおらず、その代わりに、(A)ホワイトソルガム粉、(B)とうもろこし及び/又は米由来の粉末、並びに(C)澱粉を含み、前記ホワイトソルガム粉(A)の、前記とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)に対する質量比(A:B)が、1:1〜5:1であり、前記澱粉(C)の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて30〜70質量%に調整されている。後述する実施例に示す通り、小麦粉由来成分を含まない天ぷら粉において、小麦粉の代わりに、ホワイトソルガム粉や、コーングリッツ粉砕物、とうもろこし粉、米粉等の穀粉を、単独、又は組み合わせて用いただけでは、良好な食感の天ぷらを製造することはできないが、上記の配合バランスで、(A)ホワイトソルガム粉、並びに(B)とうもろこし及び/又は米由来の粉末と、澱粉(C)とを含む天ぷら粉であれば、小麦由来成分を使用しなくても、天ぷら特有のサクサクとした食感を有する天ぷらを製造することができる。なお、天ぷら粉において、これらの材料を含んでいても、その配合比又は含有量の範囲を外れると、良好な食感の天ぷらを製造することができない。
本発明の天ぷら粉は、後述するように、ホワイトソルガム粉(A)、前記とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)、並びに澱粉(C)以外に、その他の材料を含んでいても良いが、さらに良好な食感の天ぷらを製造するためには、ホワイトソルガム粉(A)、とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)並びに澱粉(C)の合計の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて90質量%以上であることが好ましい。上記(A)、(B)及び(C)の合計の含有量は、前記天ぷら粉の総質量に基づいて93質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
本発明の天ぷら粉において、ホワイトソルガム粉(A)は、イネ科のモロコシ(Sorghum bicolor)の一種のホワイトソルガムの種子を製粉したものである。市販のホワイトソルガム粉を適宜用いることができる。また、本発明の天ぷら粉において、とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)は、とうもろこしの胚乳部分及び/又は米を乾式で粉砕して粉末にしたものを意味する。とうもろこしの胚乳部分は、硬く砕けにくい角質胚乳と柔らかく砕けやすい粉質胚乳がある。そのため、とうもろこしを乾式で粉砕し、篩分けを行うと、角質胚乳由来の粗粒(コーングリッツ)と、粉質胚乳由来の細粒(とうもろこし粉)が得られ、コーングリッツは、さらに粉砕して細粒にしたコーングリッツ粉砕物とすることができる。とうもろこし由来の粉末としては、これらの粉末を用いることができる。また、米由来の粉末としては、うるち米、又はもち米の玄米を、必要に応じて精米し、常法により製粉した米粉を用いることができる。本発明においてはうるち米由来の粉末が好ましい。これらのとうもろこし及び/又は米由来の粉末を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明において、さらに食感が良好な天ぷらを製造するためには、とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)として、コーングリッツ粉砕物、とうもろこし粉及び米粉からなる群から選択される1種以上の粉末を用いることが好ましい。市販のコーングリッツ粉砕物、とうもろこし粉、及び米粉を適宜用いることができる。本発明の天ぷら粉において、ホワイトソルガム粉(A)、並びにとうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)の平均粒径に特に制限はなく、通常の天ぷら粉に用いられる材料の平均粒径のものを用いることができる。他の材料と均一に混合しやすい点で、ホワイトソルガム粉(A)、並びにとうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)の平均粒径は、好ましくは200μm以下であり、さらに好ましくは1〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。
また、本発明の天ぷら粉において、とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)の損傷澱粉含有量には、特に制限はないが、後述する実施例に示す通り、損傷澱粉含有量は、15質量%以上が好ましい。これにより、さらに食感が良好で、且つ衣付きが良好な天ぷらを製造することができる。この要因は明らかでないが、損傷澱粉含有量が高い場合、とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)の、水との親和性が向上するためと考えられる。とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)の損傷澱粉含有量は、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、28質量%以上が特に好ましい。なお、本発明において、損傷澱粉含有量は、AACC(American Association of Cereal Chemists)Method76−31に従って測定したものである。具体的には、試料中の損傷澱粉をカビ由来α−アミラーゼでマルトサッカライドと限界デキストリンに分解し、次いで、アミログルコシダーゼでグルコースに分解し、精製されたグルコースを定量する。市販の分析キット(例えば、Starch Damage Assay Kit(MegaZyme社製))を用いて測定することができる。
本発明において、澱粉は、植物から抽出した天然澱粉、及びこれらに加工を施した加工澱粉を意味する。したがって、本発明の天ぷら粉における澱粉(C)としては、小麦由来成分である小麦澱粉以外であれば、特に制限はなく、例えば、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等の澱粉が挙げられる。また、これらの澱粉を原料として、加工を施した加工澱粉が挙げられる。加工を施した加工澱粉としては、無水酢酸または酢酸ビニルで処理をした酢酸澱粉や、次亜塩素酸ナトリウムで処理をした酸化澱粉が好ましい。澱粉は、1種を単独で、又は複数種を混合して使用することができる。さらに食感が良好な天ぷらを製造するためには、澱粉(C)は、特にタピオカ澱粉、及び/又はワキシーコーンスターチが好ましい。本発明の天ぷら粉において、澱粉(C)は、天ぷら粉の総質量に基づいて、30〜70質量%であるが、さらに食感が良好な天ぷらを製造するためには、50〜70質量%がさらに好ましく、60〜70質量%が特に好ましい。
本発明の天ぷら粉においては、ホワイトソルガム粉(A)、前記とうもろこし及び/又は米由来の粉末(B)、並びに澱粉(C)に加えて、その他の材料を配合することもできる。特に、卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤からなる群から選択される1種以上の材料をさらに含むことが好ましい。これらの材料を添加することにより、さらに食感が良好な天ぷらを製造することができ、さらに衣付き、及び花チリが良好な天ぷらを製造することができ、且つバッターを調製した際に、沈殿が生じ難く、ハンドリング性に優れる天ぷら粉とすることができる。乳化剤としては、特に制限はなく、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン類等を用いることができる。本発明の天ぷら粉において、上記材料の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はない。通常、上記材料の総含有量は、天ぷら粉の総質量に基づいて、0.01〜10質量%が好ましい。また、卵白粉、及び大豆たん白については、0.1〜5質量%がさらに好ましく、0.5〜3質量%が特に好ましい。乳化剤については、0.01〜0.5質量%がさらに好ましく、0.05〜0.3質量%が特に好ましい。
本発明の天ぷら粉においては、上記材料以外のその他の材料は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限は無く、通常の天ぷら粉に配合される材料を使用することができる。例えば、デキストリン、オリゴ糖、糖類等の糖質;重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム等の膨張剤;膨張剤を組み合わせて用いる酒石酸、酒石酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸性剤;グアガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等の増粘剤;その他、かぼちゃ粉、色素、香料、卵黄粉、食塩、調味料等が挙げられる。
本発明の天ぷらは、本発明の天ぷら粉を、水と混合して調製した天ぷら用バッターを、具材に付着させた後、油ちょうすることにより得られる天ぷらである。本発明の天ぷらを製造するには、常法に従って、実施することができる。例えば、まず、本発明の天ぷら粉を水と混合して天ぷら用バッターを調製する。加水量(天ぷら粉100質量部に対して加える水の質量部)は、本発明の天ぷら粉の配合によって異なるが、一般に天ぷら粉100質量部に対して100〜500質量部であり、好ましくは100〜300質量部、さらに好ましくは100〜200質量部である。次いで、調製した天ぷら用バッターに、野菜類、魚介類、畜肉類等を必要に応じて加工成形した具材を、必要に応じて打ち粉を付着させた後に浸漬する、又はバッターを、必要に応じて打ち粉を付着させた具材に塗布する等によりバッターを具材に付着させた後、適当な温度(通常160〜200℃)の油に投入し、適当な時間(通常1〜5分)油ちょうすることによって、本発明の天ぷらを製造することができる。本発明の天ぷらは、小麦由来成分を使用しなくても、天ぷら特有のサクサクとした食感を有する天ぷらである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.天ぷら粉の調製
以下の表に示した配合で、各材料を混合して、天ぷら粉を調製した。なお、コントロールとして、小麦粉を用いた天ぷら粉を調製した。
2.天ぷら用バッターの調製
調製した各天ぷら粉100質量部に対して、表に示した加水量で冷水を加えて撹拌し、天ぷら用バッターを調製した。加水量は、コントロールと同等の生地感が得られるように調整した。なお、生地感とは、バッターを混合する時や具材に付着させるときの生地の触感のことである。
3.天ぷらの調製
海老に、打ち粉を付着させた後、各天ぷら用バッターに浸漬して、バッターを付着させ、170〜180℃の油中に投入し、2分30秒間油ちょうした。なお、打ち粉は、1.で調製した各天ぷら粉を用いた。
4.評価方法
各天ぷら粉について、以下の各項目を各評価基準で評価した。評価結果は、10名のパネラーによる評価点の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示した。
(1)天ぷらの食感
油ちょう後の天ぷらを試食し、食感を、コントロール(小麦粉を用いた天ぷら粉)と比較して評価した。
(評価基準)
1:コントロールよりも大幅に劣る。
2:コントロールよりも劣る。
3:コントロールよりもやや劣るが許容できる範囲である。
4:コントロールよりも僅かに劣るが、ほとんど遜色がない。
5:コントロールと同等である。
(2)天ぷらの衣付き
天ぷら用バッターをえびに付着させた時の付き具合を、コントロール(小麦粉を用いた天ぷら粉)と比較して評価した。
(評価基準)
1:コントロールよりも大幅に劣る。
2:コントロールよりも劣る。
3:コントロールよりもやや劣るが許容できる範囲である。
4:コントロールよりも僅かに劣るが、ほとんど遜色がない。
5:コントロールと同等である。
(3)天ぷらの花チリ
油ちょう後の天ぷらの外観を観察し、天ぷらの花チリの状態を、コントロール(小麦粉を用いた天ぷら粉)と比較して評価した。
(評価基準)
1:コントロールよりも大幅に劣る。
2:コントロールよりも劣る。
3:コントロールよりもやや劣るが許容できる範囲である。
4:コントロールよりも僅かに劣るが、ほとんど遜色がない。
5:コントロールと同等である。
(4)バッター沈殿量
天ぷら用バッターを調製後、30分間静置し、沈殿量を目視にて評価した。
(評価基準)
1:沈殿量が非常に多い。
2:沈殿が多い。
3:沈殿はあるが、許容できる範囲である。
4:沈殿が少ない。
5:沈殿がほとんどない。
5.評価結果
(1)小麦粉代替材料の選定
小麦粉の代替材料を選定するため、コントロールの天ぷら粉の配合における小麦粉を種々の穀粉類と置き換えて試験を行なった。表1に示した通り、いずれの材料も単独でも、複数を組み合わせても、コントロールと比較して食感が大幅に劣っていた。しかしながら、衣付き、花チリ、沈殿量の評価においては、ホワイトソルガム粉、コーングリッツ粉砕物、米粉を用いることで、コントロールに近づく可能性が示唆された。なお、評価項目にはないが、コーングリッツ粉砕物やとうもろこし粉単独では、とうもろこしの風味がやや強く感じられ、コントロールの天ぷら粉とは大きく異なる風味であった。コーングリッツ粉砕物とホワイトソルガム粉を組み合わせることで、とうもろこしの風味が低減し、コントロールの天ぷら粉に近い風味の天ぷらが得られた。
Figure 0006618070
(2)澱粉の種類の検討
上記(1)の結果から、小麦粉代替材料として、コーングリッツ粉砕物、及びホワイトソルガム粉の混合物を選定し、澱粉の種類を検討した。表2に示す通り、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチを用いることで、良好な食感の天ぷらが得られる可能性が示唆された。
Figure 0006618070
(3)澱粉含有量等の検討
以上の試験から、澱粉として、タピオカ澱粉を選定し、良好な食感及び外観の天ぷらが得られる天ぷら粉の配合について、澱粉及びホワイトソルガム粉の含有量や、とうもろこし又は米由来の粉末の種類、及び配合比率を検討した。結果を表3に示す。
Figure 0006618070
表3に示す通り、(A)ホワイトソルガム粉、(B)とうもろこし及び/又は米由来の粉末として、コーングリッツ粉砕物、とうもろこし粉、又は米粉、並びに(C)澱粉としてタピオカ澱粉を含み、(A)の(B)に対する質量比(A:B)が、1:1〜5:1であり、澱粉(C)の含有量が30〜70質量%である実施例1〜9、及び参考例1〜4の天ぷら粉は、食感の評価が3点以上の良好な天ぷらが得られた。一方、澱粉含有量が10質量%である比較例1、ホワイトソルガム粉のコーングリッツ粉砕物に対する比率が低い比較例2及び比較例4、並びにホワイトソルガム粉の比率が高過ぎる比較例3の天ぷら粉では、食感の評価が低かった。また、損傷澱粉含有量が15質量%のコーングリッツ粉砕物を用いた実施例8と、損傷澱粉含有量が8質量%のとうもろこし粉を用いた実施例を比較すると、実施例8の方が、衣つきの評価がやや良く、さらに、損傷澱粉含有量が28質量%のコーングリッツ粉砕物を用いた実施例6と、損傷澱粉含有量が15質量%のコーングリッツ粉砕物を用いた実施例8を比較すると、実施例6の方が、食感、衣付き、沈殿量の評価が良く、損傷澱粉含有量が7質量%の米粉を用いた参考例1と、損傷澱粉含有量がそれぞれ22質量%、33質量%、42質量%の参考例2を比較すると、参考例2の方が食感、衣付きの評価が良く、参考例3は花チリ、沈殿量の評価も良かった。したがって、とうもろこし及び/又は米由来の粉末の損傷澱粉含有量は、15質量%以上が好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましいことが認められた。
(4)その他の材料の検討
さらに食感が良好な天ぷらを製造できる天ぷら粉を得るため、その他の材料を検討した。表4に示す通り、(A)ホワイトソルガム粉、(B)コーングリッツ粉砕物、並びに(C)澱粉としてタピオカ澱粉を上記の配合比率、又は含有量で含み、さらに卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤の何れかを配合した実施例1012の天ぷら粉は、衣付きに加えて、食感、花チリ、沈殿量の何れかの評価で、小麦粉を用いたコントロールの天ぷら粉と同等である評価であった。また、(A)ホワイトソルガム粉、(B)コーングリッツ粉砕物、並びに(C)澱粉としてタピオカ澱粉を上記の配合比率、又は含有量で含み、さらに卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤を組み合わせて配合した実施例13の天ぷら粉は、食感、衣付き、花チリ、沈殿量のすべての評価で、小麦粉を用いたコントロールの天ぷら粉と同等である評価であった。
Figure 0006618070
以上により、本発明の天ぷら粉を用いることにより、小麦由来成分を使用しなくても、天ぷら特有のサクサクとした食感を有する天ぷらを製造することができることが示された。さらに、本発明の天ぷら粉の好ましい実施形態によれば、天ぷらの衣付き、及び花チリが良好な天ぷらを製造することができ、天ぷら用バッターを調製した際に沈殿し難く、ハンドリング性に優れた天ぷら粉が得られることが示唆された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明の天ぷら粉を用いることにより、食物アレルギーやセリアック病の原因となり得る小麦由来成分を使用しなくても、天ぷら特有のサクサクとした食感を有する天ぷらを製造することができる。さらに、本発明の天ぷら粉は、特に高価な装置や煩雑な操作の必要はなく、低コストで調製することができる。

Claims (7)

  1. 天ぷらの製造に用いる天ぷら粉であって、
    小麦由来成分を含まず、
    (A)ホワイトソルガム粉、(B)とうもろこし由来の粉末、及び(C)澱粉を含み、
    前記ホワイトソルガム粉(A)の、前記とうもろこし由来の粉末(B)に対する質量比(A:B)が、1:1〜5:1であり、
    前記澱粉(C)の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて30〜70質量%であることを特徴とする天ぷら粉。
  2. 前記ホワイトソルガム粉(A)、前記とうもろこし由来の粉末(B)及び澱粉(C)の合計の含有量が、前記天ぷら粉の総質量に基づいて90質量%以上である請求項1に記載の天ぷら粉。
  3. 前記とうもろこし由来の粉末(B)が、コーングリッツ粉砕物、及びとうもろこし粉からなる群から選択される1種以上の粉末である請求項1又は2に記載の天ぷら粉。
  4. 前記とうもろこし由来の粉末(B)の損傷澱粉量が15質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の天ぷら粉。
  5. 前記澱粉(C)が、タピオカ澱粉、及び/又はワキシーコーンスターチである請求項1〜4のいずれか1項に記載の天ぷら粉。
  6. 卵白粉、大豆たん白、及び乳化剤からなる群から選択される1種以上の材料をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の天ぷら粉。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の天ぷら粉を、水と混合して調製した天ぷら用バッターを、具材に付着させた後、油ちょうすることにより得られた天ぷら。
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