JP6617738B2 - ヘッドクリーニング機構およびそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents

ヘッドクリーニング機構およびそれを備えたインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、用紙のような記録媒体にインクを吐出するインク吐出口を有する記録ヘッドを含むヘッドクリーニング機構およびそれを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンターのような記録装置として、インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が、高精細な画像を形成できることから広く用いられている。
このようなインクジェット記録装置では、画像記録のためのインク滴と共に吐出される微小なインク滴(以下、ミストと称する)や、インク滴が記録媒体に付着した際に発生する跳ね返りミストが、記録ヘッドのインク吐出面に付着して固化する。インク吐出面のミストが徐々に増加しインク吐出口に重なると、インクの直進性の悪化(飛翔曲がり)や不吐出等が発生して記録ヘッドの印字性能が低下する。
そこで、記録ヘッドのインク吐出面を清浄化するために、インク吐出面のうちの複数のインク吐出口が開口するインク吐出領域の外側(ワイパーのワイピング方向上流側)の部分に、クリーニング液供給口を複数個設けたインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置では、クリーニング液供給口からクリーニング液を供給した後、ワイパーをクリーニング液供給口よりも外側からインク吐出面に沿って移動させることによって、ワイパーでクリーニング液を保持しながらインク吐出面を拭くことができる。このようにして、記録ヘッドの回復処理を行うことができる。
なお、記録ヘッドのインク吐出面にクリーニング液供給口を複数個設けたインクジェット記録装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2007−83496号公報
しかしながら、上記従来のインクジェット記録装置では、記録ヘッドの回復処理を行う度にワイパーがクリーニング液供給口上を通過するため、クリーニング液供給口の縁部によってワイパーの先端に傷が生じるという問題点がある。なお、ワイパーの先端の傷が大きくなりワイパーの先端に欠けが生じると、ワイパーの拭き取り性能は著しく低下し、拭き残しが生じる。
また、上記従来のインクジェット記録装置では、インク吐出面に対するワイパーの食い込み量(オーバーラップ量)が約1mmになるように、ワイパーをインク吐出面に対して圧接させる。このため、ワイパーをインク吐出面に対して垂直に圧接させる場合、ワイパーをインク吐出面に圧接させる際の負荷が大きくなってしまう。
そこで、ワイパーをインク吐出面よりもワイピング方向の上流側の位置で上昇させ、その位置からワイパーを水平方向(ワイピング方向)に移動させる方法が考えられる。これにより、ワイパーの先端部はワイピング方向と反対方向に撓んだ状態でインク吐出面に圧接されるので、ワイパーをインク吐出面に圧接させる際の負荷が大きくなるのを抑制することができる。
しかしながら、この方法では、ワイパーをワイピング方向に移動させることによりワイパーが記録ヘッドの側面に接触した際に、ワイパーの先端部に付着しているインクやクリーニング液が記録ヘッドのコーナー部(側面とインク吐出面との接続部)で掻き落とされ、記録ヘッドのコーナー部にインクやクリーニング液が付着する。そして、次回のワイピング動作時には、インクやクリーニング液がさらに付着する。これを繰り返し、インクやクリーニング液が徐々に増加すると、インクやクリーニング液が記録媒体に接触することで記録媒体に付着したり、記録媒体や記録媒体搬送部に落下したりするという問題点がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ワイパーが損傷するのを抑制しながら、インク吐出面を清浄化するとともに、記録ヘッドに付着したインクやクリーニング液が記録媒体に接触することで記録媒体に付着したり落下したりするのを抑制することが可能なヘッドクリーニング機構およびそれを備えたインクジェット記録装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面のヘッドクリーニング機構は、記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出口が開口するインク吐出領域が設けられたインク吐出面を含む記録ヘッドと、インク吐出面を所定方向に拭くワイパーと、を備える。記録ヘッドは、インク吐出面に対してインク吐出面をワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側に配置され、ワイピング方向の下流側に向かって下方に傾斜するとともに、ワイピング動作時にワイパーの先端が圧接される傾斜面を含む。傾斜面は、ワイピング動作時にワイパーによる圧接が開始される圧接開始位置よりもワイピング方向の上流側に配置され、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口と、圧接開始位置よりもワイピング方向の上流側の位置から下流側の位置まで設けられ、水に対する接触角が90°以上である撥水性領域と、を有する。
本発明の第1の局面のヘッドクリーニング機構によれば、記録ヘッドは、インク吐出面に対してワイピング方向の上流側に配置され、ワイピング方向の下流側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含み、傾斜面は、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口を有する。これにより、クリーニング液供給口からクリーニング液を供給すると、クリーニング液は、傾斜面をワイピング方向の下流側に向かって流れる。クリーニング液が傾斜面の下流端に到達した後、ワイパーを傾斜面の圧接開始位置からインク吐出面に沿って移動させることによって、ワイパーでクリーニング液を保持しながらインク吐出面を拭くことができる。このため、インク吐出面を清浄化することができる。
また、傾斜面の圧接開始位置よりもワイピング方向の上流側に、クリーニング液供給口が設けられている。これにより、記録ヘッドの回復動作を行う際に、ワイパーはクリーニング液供給口の縁部に接触しない。このため、ワイパーの先端がクリーニング液供給口の縁部と擦れることがないので、ワイパーの先端が損傷するのを抑制することができる。
また、傾斜面に撥水性領域を設けることによって、クリーニング液供給口から供給され傾斜面を下流端に向かって流れるクリーニング液が傾斜面の途中に留まるのを抑制することができる。
また、ワイパーを傾斜面の下方で上昇させ、その位置からワイパーをワイピング方向に移動させることによって、ワイパーの先端部はワイピング方向と反対方向に撓んだ状態でインク吐出面に圧接されるので、ワイパーをインク吐出面に対して垂直に圧接させる場合と異なり、ワイパーをインク吐出面に圧接させる際の負荷が大きくなるのを抑制することができる。
また、傾斜面は、圧接開始位置よりもワイピング方向の上流側の位置から下流側の位置まで設けられ、水に対する接触角が90°以上である撥水性領域を有する。これにより、ワイピング動作時にワイパーから傾斜面に付着(移動)したインクやクリーニング液は、傾斜面を圧接開始位置よりもワイピング方向の下流側の位置まで流れる。傾斜面を流れたインクやクリーニング液は、次回のワイピング動作時にワイパーによって拭き取られる。このため、記録ヘッドの表面のインクやクリーニング液が徐々に増加するのを抑制することができるので、インクやクリーニング液が記録媒体に接触することで記録媒体に付着したり、記録媒体や記録媒体搬送部に落下したりするのを抑制することができる。
本発明の一実施形態の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の構造を示す図 図1に示すインクジェット記録装置の第1搬送ユニット及び記録部を上方から見た図 記録部のラインヘッドを構成する記録ヘッドの図 記録ヘッドをインク吐出面側から見た図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材を斜め下方から見た図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材を下方から見た図 クリーニング液供給部材の下面と親水性領域との境界付近においてクリーニング液が親水性領域に保持される様子を示す図 クリーニング液供給部材の構造を示す図 ワイパーがインク吐出面に圧接された状態で矢印A方向に移動している状態を示す図 ワイパーがクリーニング液供給部材の傾斜面に圧接された状態で矢印A方向に移動している状態を示す図 ワイプユニットを記録部の下方に配置した状態を示す図 クリーニング液供給口から供給されたクリーニング液が傾斜面をワイピング方向の下流側に向かって流れている状態を示す図 クリーニング液供給口から供給されたクリーニング液が親水性領域に保持されている状態を示す図 ワイパーを記録ヘッドの下方に配置した状態を示す図 図14の状態からワイパーを上昇させクリーニング液供給部材に圧接させた状態を示す図 図15の状態からワイパーをクリーニング液供給部材に圧接させた状態で矢印A方向に移動させた状態を示す図 前回のワイピング動作時にワイパーの先端部に付着したインクやクリーニング液が残っていた場合において、ワイパーを傾斜面に圧接させた状態を示す図 図17の状態からワイパーをクリーニング液供給部材に圧接させた状態で矢印A方向に移動させた状態を示す図 図18の状態からワイパーをクリーニング液供給部材に圧接させた状態でさらに矢印A方向に移動させた状態を示す図 図16の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた状態を示す図 図20の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた後、ワイパーを下降させインク吐出面から離間させた状態を示す図 本発明の第1変形例の記録ヘッドのクリーニング液供給部材を斜め下方から見た図 本発明の第2変形例の記録ヘッドのクリーニング液供給部材を斜め下方から見た図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態のインクジェット記録装置100の左側部には用紙S(記録媒体)を収容する給紙トレイ2が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された用紙Sを、最上位の用紙Sから順に一枚ずつ後述する第1搬送ユニット5へと搬送給紙するための給紙ローラー3と、給紙ローラー3に圧接され従動回転する従動ローラー4とが設けられている。
用紙搬送方向(矢印X方向)に対し給紙ローラー3及び従動ローラー4の下流側(図1の右側)には、第1搬送ユニット5及び記録部9が配置されている。第1搬送ユニット5は、第1駆動ローラー6と、第1従動ローラー7と、第1駆動ローラー6及び第1従動ローラー7に掛け渡された第1搬送ベルト8とを含む構成であり、インクジェット記録装置100全体を制御する制御部110からの制御信号により第1駆動ローラー6が時計回り方向に回転駆動されることにより、第1搬送ベルト8に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9は、ヘッドハウジング10と、ヘッドハウジング10に保持されたラインヘッド11C、11M、11Y、及び11Kを備えている。これらのラインヘッド11C〜11Kは、第1搬送ベルト8の搬送面に対して所定の間隔(例えば1mm)が形成されるような高さに支持され、図2に示すように、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向(図2の上下方向)に沿って延びる1個以上(ここでは1個)の記録ヘッド17によって構成されている。
図3及び図4に示すように、記録ヘッド17のヘッド部(インク吐出ヘッド部)18のインク吐出面F1には、インク吐出口18a(図2参照)が多数配列されたインク吐出領域R1が設けられている。なお、ヘッド部18の少なくともインク吐出面F1は、例えばSUS(ステンレス鋼)によって形成されている。インク吐出面F1は、フッ素系またはシリコン系の撥水剤を塗布することにより撥水処理が施されており、ここでは水に対する接触角が113°となっている。
各ラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17には、それぞれインクタンク(図示せず)に貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクがラインヘッド11C〜11Kの色毎に供給される。
各記録ヘッド17は、制御部110(図1参照)からの制御信号により外部コンピューターから受信した画像データに応じて、第1搬送ベルト8の搬送面に吸着保持されて搬送される用紙Sに向かってインク吐出口18aからインクを吐出する。これにより、第1搬送ベルト8上の用紙Sにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。
また、記録ヘッド17には、クリーニング液を供給するクリーニング液供給部材(クリーニング液供給ヘッド部)60が設けられている。クリーニング液供給部材60は、ヘッド部18に対して後述するワイパー35のワイピング方向上流側(図3の右側)に隣接して配置されている。また、クリーニング液供給部材60は、ワイピング方向の下流側に向かって下方に傾斜する傾斜面62と、傾斜面62のワイピング方向の下流端62a(図3の下端)からインク吐出面F1に向かって延びる下面F2と、を有する。下面F2は、インク吐出面F1と略面一で平行に配置されている。
傾斜面62は、クリーニング液を供給するクリーニング液供給口60a(図5参照)が多数配列されたクリーニング液供給領域R2を含む。なお、クリーニング液供給部材60は、例えば樹脂やSUSによって形成されている。クリーニング液供給部材60の詳細構造については、後述する。
図1に戻って、用紙搬送方向に対し第1搬送ユニット5の下流側(図1の右側)には第2搬送ユニット12が配置されている。第2搬送ユニット12は、第2駆動ローラー13と、第2従動ローラー14と、第2駆動ローラー13及び第2従動ローラー14に掛け渡された第2搬送ベルト15とを含む構成であり、第2駆動ローラー13が時計回り方向に回転駆動されることにより、第2搬送ベルト15に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9にてインク画像が記録された用紙Sは第2搬送ユニット12へと送られ、第2搬送ユニット12を通過する間に用紙S表面に吐出されたインクが乾燥される。また、第2搬送ユニット12の下方にはワイプユニット19及びキャップユニット90が配置されている。後述するワイパー35による拭き取り動作(ワイピング動作)を実行する際には、第1搬送ユニット5が下降し、ワイプユニット19は、記録部9の下方に移動し、記録ヘッド17のインク吐出口18aから強制排出されたインクおよびクリーニング液供給口60aから供給されたクリーニング液を拭き取り、拭き取られたインクおよびクリーニング液を回収する。記録ヘッド17のインク吐出面F1(図3参照)をキャッピングする際には、第1搬送ユニット5が下降し、キャップユニット90は、記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッド17の下面に装着される。
また、用紙搬送方向に対し第2搬送ユニット12の下流側には、画像が記録された用紙Sを装置本体外へと排出する排出ローラー対16が設けられており、排出ローラー対16の下流側には、装置本体外へと排出された用紙Sが積載される排出トレイ(図示せず)が設けられている。
ワイプユニット19は、インク吐出面F1に沿って移動可能な複数のワイパー35(図9参照)と、複数のワイパー35が固定された略矩形状のキャリッジ(図示せず)と、キャリッジを支持する支持フレーム(図示せず)とで構成されている。キャリッジ(図示せず)は支持フレーム(図示せず)に対し矢印AA´方向に摺動可能に支持される。
ワイパー35は、各記録ヘッド17のクリーニング液供給口60a(図5参照)から供給されたクリーニング液を拭き取るための弾性部材(例えばEPDMからなるゴム製の部材)である。ワイパー35は、クリーニング液供給部材60の傾斜面62のうちのクリーニング液供給領域R2(図4参照)に対してワイピング方向下流側の所定位置(圧接開始位置Ps(図5参照))に圧接され、キャリッジ(図示せず)の移動により下面F2およびインク吐出面F1を所定方向(矢印A方向)に拭く。なお、ワイパー35を含むワイプユニット19および記録ヘッド17によって、ヘッドクリーニング機構が構成されている。
次に、クリーニング液供給部材60の構造を詳細に説明する。
図5および図6に示すように、クリーニング液供給口60aは、傾斜面62のうちのワイピング動作時にワイパー35による圧接が開始される圧接開始位置Psよりも上側(ワイピング方向の上流側)に設けられている。なお、図では、理解を容易にするために、圧接開始位置Psにハッチングを施している。また、クリーニング液供給口60aは、ワイピング方向(矢印A方向)と直交するヘッド幅方向(矢印BB´方向)に所定のピッチで複数個配置されている。なお、図では、ヘッド幅方向に沿って配置される複数のクリーニング液供給口60aからなる列を1列のみ描いているが、この列はワイピング方向(矢印A方向)に隣接して複数列設けられていてもよい。
傾斜面62には、少なくとも圧接開始位置Psよりもワイピング方向の上流側(図6の右側)の位置P1から下流側の位置P2まで撥水性領域R10が設けられている。なお、図では、理解を容易にするために、撥水性領域R10にハッチングを施している。本実施形態では、撥水性領域R10は、クリーニング液供給口60aよりもワイピング方向の上流側の位置P1から、傾斜面62のワイピング方向の下流端62a(傾斜面62と下面F2との接続部分、下流側の位置P2)まで形成されている。また、撥水性領域R10は、傾斜面62のヘッド幅方向(矢印BB´方向)の全域に亘って形成されている。
撥水性領域R10を形成する方法としては、撥水性領域R10を形成する領域に対して、フッ素系またはシリコン系の撥水剤を塗布する方法等が挙げられる。撥水性領域R10の水に対する接触角は、90°以上(ここでは95°)となっている。
また、傾斜面62のワイピング方向の下流端62aの近傍であって撥水性領域R10のワイピング方向の下流側には、親水性領域R11が設けられている。なお、図では、理解を容易にするために、親水性領域R11にハッチングを施している。親水性領域R11は、クリーニング液供給部材60の他の部分(例えば、撥水性領域R10および下面F2)に比べて水に対する濡れ性が高くなるように形成されている。本実施形態では、親水性領域R11は、下面F2に設けられており、傾斜面62と下面F2との接続部分(下流端62a)からワイピング方向の下流側に向かって所定の長さに形成されている。なお、親水性領域R11は、下流端62aの近傍であれば、傾斜面62に設けられていてもよい。
親水性領域R11は、ヘッド幅方向(矢印BB´方向)に延びるように形成されている。また、親水性領域R11は、下流端62aの近傍においてヘッド幅方向の略全域に亘って連続する帯状に形成されている。これにより、後述するように、クリーニング液供給口60aから傾斜面62にクリーニング液が供給されると、クリーニング液は、傾斜面62をワイピング方向の下流側(図5および図6の左側)に流れ親水性領域R11に到達すると、ヘッド幅方向に濡れ広がる。
親水性領域R11を形成する方法としては、親水性領域R11を形成する領域に対して、親水性のコート剤を塗布する方法、或いは粗面化する方法等が挙げられる。親水性のコート剤としては、酸化チタン系およびポリシリケート系の塗布剤等が挙げられる。親水性領域R11の水に対する接触角は、90°未満(ここでは60°)となっており、下面F2(ただし、親水性領域R11を除く)の水に対する接触角(ここでは70°)および撥水性領域R10の水に対する接触角(ここでは95°)よりも小さい。
図7に示すように、親水性領域R11の水に対する接触角が90°以上である場合、水性のクリーニング液23は表面張力によって親水性領域R11から下面F2側(インク吐出面F1側)に張り出す(図7の破線で表示)。そのため、振動や衝撃によってクリーニング液23が下面F2側(インク吐出面F1側)に流れ易くなる。後述する記録ヘッド17の回復動作を行わないときにクリーニング液23がインク吐出面F1に流れると、インク吐出ノズル18aからのインクの飛翔性に悪影響を与えるおそれがある。
一方、親水性領域R11の水に対する接触角が90°未満である場合、水性のクリーニング液23は親水性領域R11から下面F2側(インク吐出面F1側)に張り出さない(図7の実線で表示)。従って、親水性領域R11の水に対する接触角は90°未満であることが好ましい。なお、ほとんどの液体は水に比べて表面張力が小さいため、親水性領域R11の水に対する接触角を90°未満とすることで、他の液体をベースとするクリーニング液23を使用する場合においてもクリーニング液23が親水性領域R11から下面F2側(インク吐出面F1側)に流れるおそれがなくなる。
また、図8および図9に示すように、クリーニング液供給部材60は、傾斜面62のインク吐出面F1および下面F2に対する傾斜角α1(図8参照)が、インク吐出面F1をワイパー35が拭いている状態でのワイパー35の先端部のインク吐出面F1に対する圧接角α2(図9参照)よりも小さくなるように形成されている。具体的には、ワイパー35の先端部のインク吐出面F1および下面F2に対する圧接角α2は、約45°に設定されている。傾斜面62のインク吐出面F1および下面F2に対する傾斜角α1は、15°以上45°未満に設定されていることが好ましく、30°以上40°未満に設定されていることがより好ましい。
傾斜角α1を圧接角α2よりも小さく形成しているため、図10に示すように、ワイパー35をワイピング方向(図10の左方向)に移動させた際に、ワイパー35の先端のワイピング方向の下流側のコーナー部35aのみが傾斜面62に接触する。すなわち、ワイパー35のワイピング方向の下流側の側面35bは、傾斜面62に接触しない。
クリーニング液供給部材60は、クリーニング液供給路(図示せず)を介してクリーニング液23を収容するタンク(図示せず)に接続されている。クリーニング液供給路には、タンクからクリーニング液23を汲み上げてクリーニング液供給部材60に送るクリーニング液供給ポンプ(図示せず)が設けられている。
このインクジェット記録装置100では、記録ヘッド17のインク吐出面F1を清浄にするために、長期間停止後の印字開始時及び印字動作の合間には、全ての記録ヘッド17のインク吐出口18aからインクを強制的に排出し、並行して全ての記録ヘッド17のクリーニング液供給口60a(図5参照)からクリーニング液供給領域R2にクリーニング液23を供給し、ワイパー35によりインク吐出面F1を拭き取る記録ヘッド17の回復動作を実行し、次の印字動作に備える。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100における、ワイプユニット19を用いた記録ヘッド17の回復動作について説明する。なお、以下で説明する記録ヘッド17の回復動作は、制御部110(図1参照)からの制御信号に基づいて記録ヘッド17、ワイプユニット19、クリーニング液供給ポンプ等の動作を制御することによって実行される。
記録ヘッド17の回復動作を行う場合、先ず、図11に示すように、制御部110(図1参照)は記録部9の下方に位置する第1搬送ユニット5を下降させる。そして、制御部110は第2搬送ユニット12の下方に配置されたワイプユニット19を水平移動させて記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置する。この状態では、ワイプユニット19のワイパー35(図14参照)は記録ヘッド17のインク吐出面F1および下面F2(図14参照)よりも下方に配置されている。
(クリーニング液供給動作)
ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、制御部110(図1参照)からの制御信号によってクリーニング液供給ポンプ(図示せず)が駆動(オン)され、クリーニング液23が記録ヘッド17に供給される。このとき、図12に示すように、クリーニング液23は、クリーニング液供給口60aから傾斜面62に所定量だけ供給される。傾斜面62に供給されたクリーニング液23は、傾斜面62をワイピング方向の下流側(矢印A方向)に向かって流れる。そして、クリーニング液23は図13に示すように、下流端62aの近傍に設けられた親水性領域R11に到達すると、親水性領域R11をヘッド幅方向に濡れ広がり、下面F2のヘッド幅方向の略全域に広がった状態で保持される。なお、図では、理解を容易にするために、クリーニング液23にハッチングを施している。
(インク押出動作)
また、ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、図14に示すように、制御部110(図1参照)によってインク22が記録ヘッド17に供給される。供給されたインク22はインク吐出口18aから強制的に押出(パージ)される。このパージ動作により、インク吐出口18a内の増粘インク、異物や気泡がインク吐出口18aから排出される。このとき、パージインク22はインク吐出口18aの存在するインク吐出領域R1の形状に沿ってインク吐出面F1に押出される。なお、図では、理解を容易にするために、インク(パージインク)22にハッチングを施している。
(拭き取り動作)
制御部110は図15に示すように、ワイパー35を上昇させて記録ヘッド17のクリーニング液供給部材60の傾斜面62に所定の圧力で接触させる。このとき、ワイパー35の上面がインク吐出面F1および下面F2よりも高く、且つ、クリーニング液供給口60aよりも低くなるように、ワイパー35を上昇させる。これにより、ワイパー35は、クリーニング液供給口60aに接触しない。なお、ワイパー35を上昇させた時点では、ワイパー35は傾斜面62に圧接されていなくてもよい。すなわち、ワイパー35を図15よりも右側の位置で上昇させてもよい。
ワイパー35の先端がクリーニング液供給部材60の傾斜面62に圧接した状態から、制御部110はワイパー35を図16に示すように下面F2に沿ってインク吐出領域R1の方向(矢印A方向)に移動させる。これにより、ワイパー35は、クリーニング液23を保持した状態でインク吐出領域R1の方向に移動する。
このとき、図17に示すように、前回のワイピング動作時にワイパー35の先端部に付着したインク22aやクリーニング液23aが残っていた場合、ワイパー35の先端部に付着しているインク22aやクリーニング液23aは、傾斜面62の圧接開始位置Psに付着(移動)する。
ここで、図10に示すようにワイパー35が傾斜面62の下方をワイピング方向(矢印A方向)に移動する際、ワイパー35の先端のコーナー部35aのみが傾斜面62に接触するので、図18に示すように傾斜面62に付着したインク22aやクリーニング液23aの一部(ワイパー35のコーナー部35aよりもワイピング方向の下流側の部分)は、ワイパー35によって拭き取られる。
また、ワイパー35の先端部から傾斜面62に付着(移動)したインク22aやクリーニング液23aの残りは、図18に示すように、撥水性領域R10をワイピング方向の下流側(矢印A方向、下側)に向かって流れる。
その後、撥水性領域R10を流れたインク22aやクリーニング液23aは図19に示すように、親水性領域R11に到達して親水性領域R11の全域に濡れ広がった状態で保持される。親水性領域R11に保持されたインク22aやクリーニング液23aは、次回のワイピング動作時にワイパー35によって拭き取られる。
図16に示した状態の後、ワイパー35は図20に示すように、クリーニング液23およびパージインク22を保持した状態を維持しながらインク吐出面F1を左方向(矢印A方向)に移動する。このとき、クリーニング液23およびパージインク22によって、インク吐出面F1に付着して固化したインク滴(廃インク)が溶解し、ワイパー35によって拭き取られる。そして、ワイパー35は、さらに左方向(矢印A方向)に移動し、インク吐出領域R1に対してクリーニング液供給部材60とは反対側の位置に到達すると、左方向への移動が停止される。なお、ワイパー35によって拭き取られたクリーニング液23および廃インクは、ワイプユニット19に設けられたクリーニング液回収トレイ(不図示)に回収される。
(離間動作)
拭き取り動作の実行後、図21に示すように、制御部110はワイパー35を下降させてインク吐出面F1から離間させる。
最後に、制御部110は、記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置されたワイプユニット19を水平移動させて第2搬送ユニット12の下方に配置し、第1搬送ユニット5を所定の位置まで上昇させる。このようにして、記録ヘッド17の回復動作を終了する。
本実施形態では、上記のように、記録ヘッド17は、インク吐出面F1に対してワイピング方向の上流側に配置され、ワイピング方向の下流側に向かって下方に傾斜する傾斜面62を含み、傾斜面62は、クリーニング液23を供給する複数のクリーニング液供給口60aを有する。これにより、クリーニング液供給口60aからクリーニング液23を供給すると、クリーニング液23は、傾斜面62をワイピング方向の下流側に向かって流れる。クリーニング液23が傾斜面62の下流端62aに到達した後、ワイパー35を傾斜面62の圧接開始位置Psからインク吐出面F1に沿って移動させることによって、ワイパー35でクリーニング液23を保持しながらインク吐出面F1を拭くことができる。このため、インク吐出面F1を清浄化することができる。
また、傾斜面62の圧接開始位置Psよりもワイピング方向の上流側に、クリーニング液供給口60aが設けられている。これにより、記録ヘッド17の回復動作を行う際に、ワイパー35はクリーニング液供給口60aの縁部に接触しない。このため、ワイパー35の先端がクリーニング液供給口60aの縁部と擦れることがないので、ワイパー35の先端が損傷するのを抑制することができる。
また、傾斜面62に撥水性領域R10を設けることによって、クリーニング液供給口60aから供給され傾斜面62をワイピング方向の下流端62aに向かって流れるクリーニング液23が傾斜面62の途中に留まるのを抑制することができる。
また、ワイパー35を傾斜面62の下方で上昇させ、その位置からワイパー35をワイピング方向に移動させることによって、ワイパー35の先端部はワイピング方向と反対方向に撓んだ状態でインク吐出面F1に圧接されるので、ワイパー35をインク吐出面F1に対して垂直に圧接させる場合と異なり、ワイパー35をインク吐出面F1に圧接させる際の負荷が大きくなるのを抑制することができる。
また、傾斜面62は、圧接開始位置Psよりもワイピング方向の上流側の位置P1から下流側の位置P2まで設けられ、水に対する接触角が90°以上である撥水性領域R10を有する。これにより、ワイピング動作時にワイパー35から傾斜面62に付着(移動)したインク22aやクリーニング液23aは、傾斜面62を圧接開始位置Psよりもワイピング方向の下流側の位置P2まで流れる。傾斜面62を流れたインク22aやクリーニング液23aは、次回のワイピング動作時にワイパー35によって拭き取られる。このため、記録ヘッド17の表面のインク22aやクリーニング液23aが徐々に増加するのを抑制することができるので、インク22aやクリーニング液23aが用紙Sに接触することで用紙Sに付着したり、用紙Sや用紙Sの搬送部に落下したりするのを抑制することができる。
また、上記のように、撥水性領域R10は、クリーニング液供給口60aよりもワイピング方向の上流側の位置P1から圧接開始位置Psよりもワイピング方向の下流側の位置P2まで設けられている。これにより、クリーニング液供給口60aから供給されたクリーニング液23を、容易に圧接開始位置Psよりもワイピング方向の下流側の位置P2まで流すことができる。
また、上記のように、撥水性領域R10は、圧接開始位置Psよりもワイピング方向の上流側の位置P1から傾斜面62の下流端62aまで設けられている。これにより、クリーニング液供給口60aから供給され傾斜面62を流れるクリーニング液23を、容易に傾斜面62の下流端62aまで流すことができる。
また、上記のように、撥水性領域R10は、傾斜面62のヘッド幅方向の略全域に設けられている。これにより、ワイピング動作時にワイパー35から傾斜面62のヘッド幅方向の両端部に付着したインク22aやクリーニング液23aもワイピング方向の下流側に向かって流すことができる。
また、上記のように、傾斜面62の下流端62aの近傍であって撥水性領域R10に対してワイピング方向の下流側には、水に対する接触角が90°未満である親水性領域R11がヘッド幅方向に延びるように形成されている。これにより、クリーニング液供給口60aから供給され傾斜面62の下流端62aに流れたクリーニング液23は、親水性領域R11をヘッド幅方向に濡れ広がる。このため、ワイパー35によりクリーニング液23を拭き取り始めてからクリーニング液23が記録ヘッド17のヘッド幅方向全域に広がるまでの時間を短縮することができるので、インク吐出面F1のヘッド幅方向の両端部に拭き残しが生じるのを抑制することができる。
また、クリーニング液供給口60aから供給されたクリーニング液23が親水性領域R11に沿って広がって保持されるため、クリーニング液23がヘッド幅方向(矢印BB´方向)の中央部に集まって大きな液滴になりクリーニング液供給部材60から落下するのを抑制することができる。これにより、クリーニング液23のロスを低減することができる。
また、ワイピング動作時にワイパー35から傾斜面62に付着(移動)し傾斜面62の下流端62aに流れたインク22aやクリーニング液23aは親水性領域R11を濡れ広がるので、インク22aやクリーニング液23aが垂れ下がるのを抑制することができる。このため、インク22aやクリーニング液23aが用紙Sに接触することで用紙Sに付着するのをより抑制することができる。
また、ワイピング動作時にワイパー35から傾斜面62に付着(移動)したインク22aやクリーニング液23aが親水性領域R11に沿って広がって保持されるため、インク22aやクリーニング液23aがヘッド幅方向(矢印BB´方向)の中央部に集まって大きな液滴になりクリーニング液供給部材60から落下するのを抑制することができる。
また、上記のように、親水性領域R11は、下流端62aの近傍においてヘッド幅方向の略全域に形成されている。これにより、ワイパー35によりクリーニング液23を拭き取り始めてからクリーニング液23が記録ヘッド17のヘッド幅方向全域に広がるまでの時間を容易に短縮することができるので、インク吐出面F1のヘッド幅方向の両端部に拭き残しが生じるのを容易に抑制することができる。
また、親水性領域R11が下流端62aの近傍においてヘッド幅方向の略全域に形成されているので、ワイピング動作時にワイパー35から傾斜面62に付着(移動)し傾斜面62のヘッド幅方向両端部を流れたインク22aやクリーニング液23aも確実に親水性領域R11に到達させることができる。
また、上記のように、記録ヘッド17は、インク吐出面F1を有するヘッド部18と、傾斜面62および下面F2を有するクリーニング液供給部材60と、によって構成されている。これにより、ヘッド部18に傾斜面62を形成する場合と比べて、傾斜面62を容易に形成することができる。
また、記録ヘッド17におけるインク通過経路とクリーニング液通過経路とを別々の部材(ヘッド部18およびクリーニング液供給部材60)に形成することができるので、記録ヘッド17の構造が複雑になるのを抑制することができる。
また、上記のように、傾斜面62のインク吐出面F1に対する傾斜角α1は、インク吐出面F1をワイパー35が拭いている状態でのワイパー35の先端部のインク吐出面F1に対する圧接角α2よりも小さい。これにより、ワイパー35が記録ヘッド17の傾斜面62に圧接した状態でワイピング方向に移動する際にワイパー35はインク吐出面F1に対する圧接角α2以上に撓まないため、ワイパー35はコーナー部35aのみが傾斜面62に接触しながら移動する。すなわち、ワイパー35の側面35bは、記録ヘッド17の側面(傾斜面62)に接触しない。このため、クリーニング液23、インク22aおよびクリーニング液23aが傾斜面62に残るのを抑制することができる。
また、上記のように、傾斜角α1は、15°以上45°未満である。これにより、クリーニング液23、インク22aおよびクリーニング液23aを傾斜面62の下流端62aに向かって容易に流れさせることができるとともに、ワイパー35の先端のコーナー部35aのみを容易に傾斜面62に接触させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、傾斜面62およびクリーニング液供給口60aが形成されたクリーニング液供給部材60をヘッド部18とは別体で設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。クリーニング液供給部材60を設けず、傾斜面62およびクリーニング液供給口60aをヘッド部18に形成してもよい。
また、上記実施形態では、撥水性領域R10を、クリーニング液供給口60aよりもワイピング方向の上流側の位置P1からワイピング方向の下流側に向かって設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図22に示した本発明の第1変形例のように、撥水性領域R10を、クリーニング液供給口60aよりもワイピング方向の下流側で圧接開始位置Psよりもワイピング方向の上流側の位置P1から、ワイピング方向の下流側に向かって設けてもよい。また、例えば図23に示した本発明の第2変形例のように、撥水性領域R10を傾斜面62の全域に設けてもよい。
また、上記実施形態では、親水性領域R11を、下流端62aの近傍においてヘッド幅方向の略全域に亘って連続する帯状に形成した例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、親水性領域R11を、ヘッド幅方向に独立して(分断して)複数設けてもよい。このように構成すれば、クリーニング液23、インク22aおよびクリーニング液23aがヘッド幅方向(矢印BB´方向)の中央部に集まるのを容易に抑制することができる。また、親水性領域R11を、ワイピング方向に隣接して複数設けてもよい。また、親水性領域R11を、長方形状(帯状)以外の形状に形成してもよい。
また、上記実施形態では、クリーニング液23およびインク(パージインク)22を用いて記録ヘッド17の回復動作を行う例について示したが、クリーニング液23だけを用いて記録ヘッド17の回復動作を行ってもよい。すなわち、インク押出動作を行わなくてもよい。
また、上述した実施形態および変形例の構成を適宜組み合わせて得られる構成についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
17 記録ヘッド
18 ヘッド部(インク吐出ヘッド部)
18a インク吐出口
22、22a インク
23、23a クリーニング液
35 ワイパー
60 クリーニング液供給部材(クリーニング液供給ヘッド部)
60a クリーニング液供給口
62 傾斜面
62a 下流端
100 インクジェット記録装置
F1 インク吐出面
F2 下面
P1 上流側の位置
P2 下流側の位置
Ps 圧接開始位置
R1 インク吐出領域
R10 撥水性領域
R11 親水性領域
S 用紙(記録媒体)
α1 傾斜角
α2 圧接角

Claims (10)

  1. 記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出口が開口するインク吐出領域が設けられたインク吐出面を含む記録ヘッドと、
    前記インク吐出面を所定方向に拭くワイパーと、
    を備え、
    前記記録ヘッドは、前記インク吐出面に対して前記インク吐出面を前記ワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側に配置され、前記ワイピング方向の下流側に向かって下方に傾斜するとともに、ワイピング動作時に前記ワイパーの先端が圧接される傾斜面を含み、
    前記傾斜面は、
    前記ワイピング動作時に前記ワイパーによる圧接が開始される圧接開始位置よりも前記ワイピング方向の上流側に配置され、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口と、
    前記圧接開始位置よりも前記ワイピング方向の上流側の位置から下流側の位置まで設けられ、水に対する接触角が90°以上である撥水性領域と、
    を有することを特徴とするヘッドクリーニング機構。
  2. 前記撥水性領域は、少なくとも前記クリーニング液供給口から前記ワイピング方向の下流側の位置まで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドクリーニング機構。
  3. 前記撥水性領域は、前記上流側の位置から前記傾斜面の前記ワイピング方向の下流端まで設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドクリーニング機構。
  4. 前記撥水性領域は、前記傾斜面の前記ワイピング方向と直交するヘッド幅方向の略全域に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング機構。
  5. 前記傾斜面の前記ワイピング方向の下流端の近傍であって前記撥水性領域に対して前記ワイピング方向の下流側には、水に対する接触角が90°未満である親水性領域が前記ワイピング方向と直交するヘッド幅方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング機構。
  6. 前記親水性領域は、前記下流端の近傍において前記ヘッド幅方向の略全域に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のヘッドクリーニング機構。
  7. 前記記録ヘッドは、
    前記インク吐出面を有するインク吐出ヘッド部と、
    前記傾斜面と、前記傾斜面の前記ワイピング方向の下流端から前記インク吐出面に向かって延びる下面と、を有するクリーニング液供給ヘッド部と、
    によって構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング機構。
  8. 前記傾斜面の前記インク吐出面に対する傾斜角は、前記インク吐出面を前記ワイパーが拭いている状態での前記ワイパーの先端部の前記インク吐出面に対する圧接角よりも小さいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング機構。
  9. 前記傾斜角は、15°以上45°未満であることを特徴とする請求項8に記載のヘッドクリーニング機構。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング機構を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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