JP6616956B2 - スラグフォーミング抑制材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄所における溶銑の前処理及び転炉操業に使用されるスラグフォーミング抑制材及びその製造方法に関する。
溶銑の前処理においては、脱珪剤としてスケール、焼結鉱等を溶銑に投入して脱珪し、溶銑中の珪素を低下させている。この作業中、溶銑の表面にスラグフォーミングが発生する。スラグフォーミングは転炉操業時にも発生し、スロッピングと称され、溶銑の前処理時のスラグフォーミングと区別されている。本明細書では、便宜上、溶銑の前処理時のスラグフォーミングと転炉操業時のスロッピングとを合わせてスラグフォーミングという。
スラグフォーミングは、溶銑中のCとスラグ中の主要成分であるFeOが反応して大量のCO,COガスが発生し、このガスがスラグ層に泡となって包含され、滞留し、スラグ層の体積を増大させる現象である。スラグフォーミングが発生すると、溶銑鍋や転炉から外側に大量に飛散するので、危険である。溶銑、溶鋼のサンプリング、測温、出鋼等の作業に支障をきたし、操業を阻害する。
従来、スラグフォーミング抑制材として、特許文献1,2に開示されているように、製鉄所から排出される産業廃棄物である転炉滓や高炉滓を、製紙工場から発生する同じく産業廃棄物であるペーパースラッジとを混合、混練後、押出し成型したものが主流となっている。
しかしながら、現在の主流であるスラグフォーミング抑制材は、スラグに対する化学的作用、化学反応も無く、ただ単にスラグ層に投入した時に生じる脱気孔によりガスを放出してフォーミングを鎮静する効果がみられるが、持続性もなく、スラグの物性を改善する化学組成となっていないため、結果としてスラグ量を増大させるだけで、スラグフォーミング抑制の効果は乏しいものである。
一方、ペーパースラッジ以外の産業廃棄物をスラグフォーミングの抑制や鎮静に使用することも提案されている。例えば、特許文献3の使用済パチンコ機の木質及びプラスチック質の回収材、特許文献4の圧延、分塊、連鋳工程で生じる含油還水スラッジ、特許文献5の生活ゴミ成形体、特許文献6の耐火物廃材、特許文献7の衛生陶器製造工程で発生する衛生陶器排水汚泥、特許文献8の廃プラスチック、建設廃棄物処理過程で発生する集塵ダスト等である。しかし、これらの産業廃棄物は入手が容易ではないうえ、スラグフォーミング抑制材の原料として使用するために処理や成形が必要である。
また、特許文献9では、フォーミング抑制材に鉄源からなる比重調整剤を混合して混合物の比重を溶銑の比重より小さくかつスラグの比重より大きくすることも提案されている。しかし、比重調整剤は原料の混合時に調整されるため、スラグフォーミング抑制材内での比重調整剤の均一な分散が困難で、重心が偏るなどの問題がある。
特開平11−050124号公報 特開2004−225108号公報 特開平09−143531号公報 特開平09−316513号公報 特開平10−183218号公報 特開2007−302951号公報 特開2009−256755号公報 特許第4324024号明細書 特開2005−200686号公報
スラグフォーミング現象を抑制することは、操業の安定化、迅速化、そして経済性に大きく影響する。そこで、本発明は、スラグの破泡と膨張を抑止することによりスラグのフォーミング現象を効率良く速やかに抑制することができるスラグフォーミング抑制材及びその製造方法を提供することを課題とする。
スラグのフォーミングを抑制するには、スラグフォーミング抑制材をスラグ中に投入したときに、瞬時にスラグ中に混入し溶融すること、スラグ中の有害成分を除去し、安定したスラグ組織を形成して、スラグの粘性、流動性を改善し、大小様々な泡を破壊することが必要である。また、破泡により、スラグ中のガスを放出、放散することでガス圧を一気に縮減することも重要である。本発明は、このような化学的反応と物理的作用を兼備したスラグフォーミング抑制材を提供するものである。
近年、再生可能エネルギーとして注目され実用化されているバイオマス発電で木屑等をボイラーで燃焼させて得られる大量の焼成灰は、主に埋め立て用土やセメントの増量材として使用されているが、さらなる有効利用が期待されているところである。本発明者は、このようなバイオマス焼成灰をスラグフォーミング抑制材として有効利用することを着想し、本発明をなし得たものである。
すなわち、本発明に係るスラグフォーミング抑制材は、バイオマス焼成灰を含む骨材10−80重量%、発熱材50重量%以下(0%を含まない)、スラグの流動性を確保する炭酸ナトリウム、弗化カルシウム、珪弗化ナトリウム、氷晶石の少なくともいずれかを含む物性調整材5−10重量%、結合材20重量%以下(0%を含まない)を含む原料を混合、混練した後、前記混練した原料全体に対して、鉄系加工品からなる比重調整材10−80重量%をインサートして成型し、前記比重調整材により、前記スラグフォーミング抑制材の比重がスラグと同等又はそれ以上の2.0以上に調整されているものである。
本発明によるスラグフォーミング抑制材は、発熱材を含むので、スラグ中への投入時に発熱材が発熱し、スラグの温度を上昇させ、スラグの流動性を向上して、フォーミングを抑制する。また、比重調整材により、スラグフォーミング抑制材の比重をスラグと同等かそれ以上にすることで、スラグへの投入時に、スラグと溶鋼の界面に瞬時に到達し、スラグを物理的に破泡してスラグ中のガスの放散を促進し、ガス圧を低下し、スラグフォーミングを抑制する。さらに、比重調整材は、成型時にインサートするので、インサートする比重調整材の重量を加減することで、得られるスラグフォーミング抑制材の製品の比重を容易に調整できる。
前記スラグフォーミング材にアルミニウムを含ませると、当該アルミニウムがスラグ中のFeOを還元し、Alとなり、スラグをCaO−SiO系からCaO−SiO−Al系の三元系に変化させて、スラグの流動性を向上させることにより、スラグ中のガスを放散させてスラグフォーミングを抑制する。このため、前記骨材は、金属アルミニウムを20−30重量%含有するアルミ灰を骨材として含有させるか、金属アルミニウムを前記発熱材として含ませる。また、成型を容易にするため、前記原料に増粘材20重量%以下(0%を含まない)をさらに含むことが好ましい。さらに、スラグフォーミング抑制材がスラグと溶鋼との界面において反応する際に固型状から粉末状になるように、前記原料に膨張材又は分解材50重量%以下(0%を含まない)をさらに含むことが好ましい。
前記比重調整材により、前記スラグフォーミング抑制材の比重がスラグと同等又はそれ以上の2.0以上に調整されていることが好ましい。重量調整されたスラグフォーミング材は、スラグに投入すると、スラグを貫通して破泡し、ガスの放散を促進しつつスラグと溶鋼の界面に容易に到達し、スラグ中のFeOとの反応を促進する。
前記スラグフォーミング抑制材の一表面から他表面に貫通する貫通孔を設けることが好ましい。貫通孔により、スラグとの反応面積が増大するとともに、貫通孔を通してスラグの破泡時に発生するガスを放出することができる。
また、前記スラグ抑制材をスラグ中に手投げする際に使用する取っ手を前記スラグ抑制材の外表面に取り付けることが好ましい。
本発明に係るスラグフォーミング抑制材の製造方法は、前記スラグフォーミング抑制材の組成からなる原料を混合する工程、前記混合した原料を混練する工程、金型に前記比重調整材としての芯金をインサートし前記混練した原料を充填して成型する工程からなる。
本発明によれば、骨材としてバイオマス焼成灰を使用しているので、バイオマス発電所で大量に発生するバイオマス焼成灰をスラグフォーミング抑制材として再利用し、産業廃棄物の有効利用に貢献できる。また、比重調整材として、鉄系加工品である芯材をインサートしているので、比重調整が容易であり、投入時にスラグを貫通して破泡しスラグと溶鋼の界面に到達せしめることができる。本発明のスラグフォーミング抑制材は、スラグのフォーミング現象を、発熱材によりスラグ中のFeOを還元させてスラグを三元系へ変化させる化学的反応と、比重調整されたスラグフォーミング抑制材のスラグ中への投入による破泡という物理的作用とにより、効率よく、速やかにスラグフォーミング抑制することができ、脱珪処理作業は勿論、脱硫、脱燐、脱炭処理作業を従来より円滑に効率良く実施でき、大きなコスト低減が可能となる。
本発明に係るスラグフォーミング抑制材である角柱状(A)、円柱状(B)及び球状(C)の製品を示す斜視図。 本発明に係るスラグフォーミング抑制材の成型状態を示す断面図。 成型により得られた角柱状のスラグフォーミング抑制材の平面図。
次に、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
[フォーミング抑制材の組成]
本発明の実施形態に係るスラグフォーミング抑制材は、
バイオマス焼成灰を含む骨材: 10−80重量%
発熱材: 50重量%以下(0を含まない)
物性調整材: 20重量%以下(0を含まない)
結合材: 20重量%以下(0を含まない)
からなる原料を混合、混練後、混練した原料全体に対して、
鉄系加工品からなる比重調整材:10−80重量%
をインサートして成型したものである。
また、必要に応じて、
増粘材: 20重量%以下(0を含まない)
膨張材又は分解材: 50重量%以下(0%を含まない)
水: 20重量%以下(0を含まない)
を含めることができる。
骨材は、スラグフォーミング抑制材の骨格となるものである。骨材としては、産業廃棄物であるバイオマス焼成灰を含む。バイオマス焼成灰は、再生可能エネルギーとして注目されているバイオマス発電において木屑などの木質燃料をボイラーで燃焼させて得られる焼成材である。このバイオマス焼成灰に加えて、火力発電所の同じく産業廃棄物である石炭灰、煙灰、アルミ灰などの産業廃棄物灰材を使用することができる。骨材としてのアルミ灰は、金属アルミニウムを20−30重量%含有するものが好ましい。骨材が10重量%未満であると、型抜き後の生強度が低く、スラグ中に投入されるスラグフォーミング抑制材としての固体が保てない。また、骨材が80重量%を超えると、強度は出るが、他の要素材を含有しにくく、スラグフォーミング抑制材としての特性が出せない。よって、骨材は10−80重量%、好ましくは30−80重量%とした。
発熱材は、スラグ中のFeOと反応してその還元を促進する役割を果たす。発熱材としては、コークス粉、黒鉛、金属アルミニウム、煉瓦屑(SiC)、カルシウムカーバード(CaC)、製紙工場の産業廃棄物であるペーパースラッジ等の可燃性粉粒材を使用することができる。発熱材が50重量%を超えると、成型が困難になり、生強度が保持できず、いずれも高価な材料であるため単価が高くなるので、発熱材は、50重量%以下(0を含まない)とした。
発熱材としての金属アルミニウムは、アルミ灰に含まれる金属アルミニウムと同様に、スラグ中のFeOを還元しAlとなり、スラグの流動性を向上する。このため、金属アルミニウムを含有するアルミ灰を骨材として含有するか、金属アルミニウム自体を発熱材として含有させるかのいずれか、あるいは両方を採用することができる。
物性調整材は、使用時にスラグの溶融点を下げ、粘度を下げて流動性を確保するもので、炭酸ナトリウム、弗化カルシウム、珪弗化ナトリウム、氷晶石を使用することができる。物性調整材が20重量%を超えると、炉壁に接触したときに耐火物の溶損が激しくなる。したがって、物性調整材は、20重量%以下(0を含まない)、好ましくは5−10重量%とした。
結合材は、スラグフォーミング抑制材の各組成成分を結合させる役割を果たす。結合材としては、パルプ廃液、フェノール樹脂、酢酸ビニル、珪酸ソーダを使用することができる。結合材が20重量%を超えると、成型が困難になるので、結合材は、20重量%以下(0を含まない)、好ましくは5−10重量%とした。
比重調整材は、スラグフォーミング抑制材の製品をスラグの比重より同等又はそれより大きい比重2.0以上、好ましくは溶鋼の比重以下として、スラグフォーミング抑制材がスラグと溶鋼の界面に到達するように、芯金として含有するものである。比重調整材としては、鉄骨、鉄板などの鉄系加工品、酸化鉄を使用することができる。比重調整材が10重量%未満であると、スラグと溶鋼の界面まで到達させることができず、80重量%を超えると、重すぎて溶鋼中に埋没されるからである。したがって、比重調整材は、10−80重量%、好ましくは10−60重量%とした。
比重調整材となる加工品は、鉄製で、円筒状、丸棒状、球状、粒状等任意の形状に加工して、製品の大きさに合わせた大きさにすることができる。
増粘材は、スラグフォーミング抑制材の各組成材料の混合、混練後の成型を容易にする役割を果たす。増粘材としては、カオリン、ベントナイトを使用することができる。増粘材が20重量%を超えると、成型不能となるので、増粘材は、20重量%以下(0を含まない)、好ましくは5−10重量%とした。
膨張材又は分解材は、スラグフォーミング抑制材がスラグと溶鋼の界面において反応する際に、スラグの熱により瞬時に反応して膨張又は分解し、スラグフォーミング抑制材を固型状から粉末状にして、スラグとの接触面積を増大させて反応を促進する役割を果たす。膨張材としては、真珠岩、蛭石、黒曜石等を使用することができる。分解材は、膨張材と同様にスラグフォーミング抑制材を分解して固型状から粉末状にする性質を有するもので、炭酸ナトリウム、硝酸カリ、硝酸ナトリウム等を使用することができる。膨張材又は分解材が30%を超えると、成型が困難になり、生強度が保持できないうえ、他の成分の割合が減少して所望の特性が出せなくなるので、膨張材は、50重量%以下(0%を含まない)、好ましくは5〜15重量%とした。
水は、スラグフォーミング抑制材の内部に水分を含有させて水蒸気圧(水蒸気爆発)によりフォーミング中のガスを放出させるのに、有効である。
成型後のスラグフォーミング抑制材の形状は、スラグ中に投入が容易な任意の形状とすることができる。図1(A)のスラグフォーミング抑制材1aは、角柱状で、矩形の貫通孔2が形成され、角筒状の比重調整材である芯金3がインサート成型されている。図1(B)のスラグフォーミング抑制材1bは、円柱状で、円形の貫通孔2が形成され、円筒状の比重調整材である芯金3がインサート成型されている。図1(C)に示すスラグフォーミング抑制材1cは、球状で、円形の貫通孔2が形成され、円筒状の比重調整材である芯金3がインサート成型された半球状の2つの半製品4,4を向かい合わせて接着したものである。
[スラグフォーミング抑制材の製造方法]
本発明の実施形態のスラグフォーミング抑制材は、上記組成の各原料(比重調整材を除く)を混合、混練した後、金型に比重調整材としての芯金をインサートして成型して得られる。混合には、リボンミキサー、ナウターミキサーを使用できる。混練には、ミックスマウラー、ロールミキサー等の混練機を使用できる。成型には、ジョルティングマシン、プレス機を用いることができる。
成型時、成形機にセットする金型は、単品取りと多数個取りのいずれでもよい。図2は、角柱状のフォーミング抑制材の単品取りの金型を示す。金型は、台座5と、ケース6と、押し蓋7とからなる。
台座5は、矩形板状で、周囲にはケース止めとなる縁8が形成され、中央には角柱状の突部9が設けられている。この突部9はスラグフォーミング抑制材1aに貫通孔2を形成するものである。突部9は型抜きが容易なように上端に向かって先細りのテーパが設けられている。突部9は台座5と一体でもよいし、別体にして台座5に取り付けてもよい。台座5は、1層でもよいし、2層にして剛性を高くしてもよい。
ケース6は、矩形筒状で、台座5の上に設置される。ケース6の上端は押し蓋7が挿入される矩形の開口部10が形成され、この開口部10から下方の内面は、型抜きが容易なように下端から上端に向かって先細りのテーパが設けられている。ケース6の内面の4つのコーナーにはアールが設け、図3に示すように製品の4角に丸面取りが形成されるようにすることが好ましい。
押し蓋7は、ケース6の開口部10に挿入される矩形の板で、中央には台座5の突部9が貫通する孔11が形成されている。押し蓋7は、1層でもよいし、2層にして剛性を高くしてもよい。
以上の構成からなる金型用いて成型するには、まず台座5とケース6をプレス機等にセットし、台座5とケース6で形成される成型空間に、矩形筒状に加工した芯金3をインサートする。芯金3には、内外を連通する孔12を設けることにより、成型時の芯金3の内外の圧力を均一にすることができる。また、芯金3の外面や内面には羽根を設けることもできる。芯金3としては、パンチングメタル、金網等も使用することができる。次に、成型空間に、混合、混練した原料を充填して芯金3が埋設されるようにし、押し蓋7でケース6の開口部10を閉鎖し、押し蓋7を加圧して、成型する。
成型後、型抜きして製品を取り出し、鋼種により必要に応じて乾燥炉で乾燥させる。スラグフォーミング抑制材の内部に水分を含有させて水蒸気圧(水蒸気爆発)によりフォーミング中のガスを放出させたい場合には、乾燥せずに成型したままとする。その必要がない場合には乾燥させる。
また、成型後の比重は、芯金3の肉厚や大きさを変更することにより、スラグの比重より重い2.0以上、好ましくは溶鋼の比重以下とし、スラグ中に投入したスラグフォーミング抑制材がスラグと溶鋼の界面に到達するようにする。
成型後の製品には、台座5又は押し蓋7の突部9によって貫通孔2が形成される。この貫通孔2は、スラグとの反応面積を増大させ、破泡時にスラグに内包しているガスの放出を容易にするものである。
スラグフォーミング抑制材は、スラグ中に投入する際に、投入装置により自動投入してもよいが、手投げすることもできる。手投げが可能なように、スラグ抑制材の外表面に取っ手を取り付け、1個当たりの重量は、1〜15kg、好ましくは5〜10kgとする。取っ手は、芯金に溶接した金具の孔又は前記貫通孔2に番線を通して締め付け、指を掛けるための50〜150mmの径の円環を形成する。成型時に番線の端を原料中に埋設しておいてもよい。
以上の製造方法は、図1(A)に示すような角柱状のスラグフォーミング抑制材の製造方法であるが、図1(B)に示すような円柱状も同様に製造することができる。図1(C)に示すような球形の場合は、半球状の2つの半製品を成型した後、接着剤で接着することにより製造することができる。
[スラグフォーミング抑制材の作用]
本発明に係るスラグフォーミング抑制材を溶銑の脱珪等の前処理作業中にスラグに向かって必要量投入すると、スラグフォーミング抑制材は比重調整材によってスラグと同等又はそれより大きい比重になっているので、スラグを容易に貫通し、スラグと溶鋼の界面に到達する。




スラグフォーミング抑制材は、スラグと溶鋼の界面で、スラグフォーミング抑制材に含まれる金属アルミアルミニウム、コークス粉、SiC、CaCがスラグ中のFeOと迅速に反応し、スラグ中のFeOを還元する。
スラグフォーミング抑制材の骨材としてのアルミ灰中の金属アルミニウム、又は発熱材としての金属アルミニウムは、スラグ中のFeOを還元した後、Alとなり、元のスラグのCaO−SiO系をCaO−SiO−Al系に組成を変化させる。この三元系スラグは、低融点、低粘度となり、スラグの流動性を向上するとともに、スラグ中に含まれるガスを放散する結果、スラグの発泡すなわちスラグフォーミングを抑制する。
スラグフォーミング抑制材の発熱材としてのコークス粉は、発熱してスラグの温度を上昇させ、スラグの流動性を向上し、金属アルミニウムと同様にスラグの物性を改善し、スラグフォーミング抑制に寄与する。
スラグフォーミング抑制材には底面から天面に貫通する貫通孔が形成されているので、スラグとの接触面積が大きく、スラグとの反応を促進し、スラグ中のFeOの速やかな還元を行わせ、スラグの破泡時にスラグに内包しているガスを容易に放出させ、スラグ層を収縮させてスラグフォーミングを抑制することができる。
実施例1、実施例2として、表1に示す組成の原料(芯金を除く)を混合、混練した後、鉄製筒状芯金をインサートして成型し、スラグフォーミング抑制材を得た。実施例1、2とも、混合、混練を容易にするため、水を7重量部含有させた。
得られた実施例1のスラグフォーミング抑制材は、底面60mm×60mm、天面50mm×50mm、高さ40mmの角柱状で、底面の孔20mm×20mm、天面の孔15mm×15mmとした。実施例2のスラグフォーミング抑制材は、底面径60mm、天面径50mm、高さ40mmの円柱状で、底面の孔の径20mm、天面の孔の径15mmとした。
1a,1b,1c スラグフォーミング抑制材
2 貫通孔
3 芯金


Claims (8)

  1. バイオマス焼成灰を含む骨材10−80重量%、発熱材50重量%以下(0%を含まない)、スラグの流動性を確保する炭酸ナトリウム、弗化カルシウム、珪弗化ナトリウム、氷晶石の少なくともいずれかを含む物性調整材5−10重量%、結合材20重量%以下(0%を含まない)を含む原料を混合、混練した後、前記混練した原料全体に対して、鉄系加工品からなる比重調整材10−80重量%をインサートして成型し、前記比重調整材により、前記スラグフォーミング抑制材の比重がスラグと同等又はそれ以上の2.0以上に調整されていることを特徴とするスラグフォーミング抑制材。
  2. 前記骨材は、金属アルミニウムを5−50重量%含有するアルミ灰を含むことを特徴とする請求項1に記載のスラグフォーミング抑制材。
  3. 前記発熱材は、金属アルミニウムを含むことを特徴とする請求項1に記載のスラグフォーミング抑制材。
  4. 前記原料に増粘材20重量%以下(0%を含まない)をさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスラグフォーミング抑制材。
  5. 前記原料に膨張材又は分解材50重量%以下(0%を含まない)をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のスラグフォーミング抑制材。
  6. 前記スラグフォーミング抑制材の一表面から他表面に貫通する貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のスラグフォーミング抑制材。
  7. 前記スラグ抑制材をスラグ中に手投げする際に使用する取っ手を前記スラグ抑制材の外表面に取り付けたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のスラグフォーミング抑制材。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の組成からなる原料を混合する工程、前記混合した原料を混練する工程、金型に請求項1に記載の比重調整材としての芯金をインサートし前記混練した原料を充填して成型する工程からなるスラグフォーミング抑制材の製造方法。
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