JP5276861B2 - 鋳型用セラミック骨材及びその製造方法、並びにそれを用いた鋳型 - Google Patents

鋳型用セラミック骨材及びその製造方法、並びにそれを用いた鋳型 Download PDF

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Description

本発明は、鋳型用セラミック骨材に係り、特に、鋳型造型に用いられる鋳物砂の一部に代えて充填せしめられ、鋳物砂の使用量の低減を有利に実現し得るセラミック骨材に関するものである。
従来より、鋳造品の製造には、有機系或いは無機系の粘結剤(バインダー)を用いた鋳型が広く用いられてきている。そして、大型の鋳造品を製造する際には、一回の鋳造で、大量の鋳物砂が使用されると共に、鋳物砂の使用に伴って、粘結剤(例えば、レジン、ベントナイト等)も多量に使用されている。より具体的には、鋳物砂重量と注湯重量の比を示す、サンドメタル比(S/M比)が、一般に、略3〜8程度となるように、鋳型の造型が行われているため、1トンの鋳造品を製造する場合には、略3〜8トンの鋳物砂が使用されているのである。また、型を保持し、鋳型の機械的強度を高めるために鋳物砂に混練される粘結剤は、鋳物砂の使用量に応じて用いられ、一般に、鋳物砂の略1〜7%程度もの量の粘結剤が、一度の鋳造で使用(消費)されているのであるが、かかる粘結剤は、消耗品であって、繰り返し使用することはできない。
一方、鋳物砂に関しては、近年、使用後の鋳物砂に再生処理(機械的再生処理又は燃焼式再生処理)を施し、得られた再生砂を鋳物砂として繰り返し利用する循環システムが構築され、採用されるようになってきている。しかし、多量の鋳物砂を処理すれば、その分、再生処理にかかる電力消費量や燃料消費量も増加する。また、再生処理時に粉砕された鋳物砂の微粉は、殆ど再利用されず、産業廃棄物(粉塵)として、処理されている。また更に、鋳物砂に付着した残留バインダーは、産業廃棄物(粉塵)として処理されたり、或いは、燃焼せしめられて、大気中に二酸化炭素等の排ガスとなって、放出されているのであり、多量の鋳物砂を処理すれば、それに応じて、残留バインダーの粉塵や排ガスも多量に排出されることとなる。このため、省資源化と環境問題改善の観点から、鋳型における鋳物砂の使用量の低減が、近年、急務となってきている。
そして、鋳物砂の使用量を低減させるために、これまで、廃プラスチックや空き缶、煉瓦屑等の不用部材が、溶湯と接することのない部位において、鋳物砂の一部と代替され、鋳型造型が行われているようである。しかし、廃プラスチックを用いる場合には、鋳造時の熱で、プラスチックが溶融、燃焼したり、ガスが発生するおそれがあり、また、空き缶を用いる場合には、鋳造時の熱で、空き缶が大きく変形するおそれがある。更に、煉瓦屑を用いる場合には、鋳造後の回収が難しく、ひいては鋳物砂の再生処理に影響が出る等の問題がある。このため、上記廃プラスチックや空き缶、煉瓦屑等の不用部材を用いた鋳型造型は、工業的な運用には発展していない。また、砂型自体に空隙を設けて、鋳物砂の使用量を低減させることも検討されてきているのであるが、湯漏れの発生、鋳型の的確な箇所に、空隙を配置することが困難であること、また、無枠造型時における鋳型強度の不足等の問題があり、工業的な運用に至っていないのが実情である。
さらに、特許文献1〜3には、鋳物砂を用いて造型して得られる鋳型における肌砂層の背後に、自硬性鋳物砂に代えて充填せしめられるボリューム増加材として、磁性材料によって磁性が付与されたセラミックス体が提案され、鋳造後、磁気分離が可能とされている。しかし、Ni−Zn系フェライト、Cu−Zn−Mg系フェライト等の磁性材料が用いられているところから、セラミックス体自体の比重が、鋳物砂の嵩密度よりも大きくなり、これにより、鋳物砂との代替量が制限され、鋳物砂の使用量を充分に低減せしめることができず、汎用性に欠けるといった問題があった。具体的には、鋳物砂の嵩密度よりも大きな比重のものを、ボリューム増加材として使用すると、鋳型の総重量が増加し、この鋳型重量の増加により、鋳型を反転させたり、離型する際に、鋳型が崩壊しやすくなる。このため、磁性材料によって磁性が付与されたセラミックス体は、鋳物砂と置換する容積の比率(以下、置換容積比率と言う。)を高めることができず、鋳物砂の使用量の低減効果を十分に得ることができなかったのである。また、そのようなセラミックス体の中でも、中心部に鉄系の磁性材料からなる芯材を入れたものは、作業中に、芯材との熱膨張差等に起因して、破損が多発し、実用的な繰り返しの利用には耐えられないといった問題を内在するものであった。
なお、セラミックス体は、一般に、多孔質にすることにより、その軽量化が図られている。例えば、木質系やスチロール系等の、焼成時に消失(燃焼・気化)する材料を用いて、その消失材料の存在位置に空間(気孔)を形成させることにより、セラミックス体の多孔質化が、行われてきている。しかしながら、そのような手法でセラミックス体を多孔質化するには、焼成温度を1000℃よりも低く抑える必要があり、このため、得られるセラミックス体は、その強度が低いものとなっている。これは、焼成温度を高くすると、焼成収縮により、セラミックス体の強度が高められるものの、上記空間(気孔)が消滅して、多孔質化、ひいては軽量化を図ることができないからである。それ故、上述の如き消失材料を用いて製造された多孔質体を、鋳物砂の一部と置換しても、耐久性が得られず、繰り返しの使用に耐えることができないのであり、そのような多孔質体の使用により、却って、造型コストの高騰を招来することとなる。従って、鋳型造型における骨材乃至は充填材としては、軽量化と高強度化とが両立して実現され得るセラミックスが、強く求められているのである。
特公平6−2302号公報 特許第2909170号公報 特開平3−86353号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、鋳型造型における鋳物砂の使用量の低減、更には、鋳物砂に混練される粘結剤の使用量の低減を図ることにあり、そして、そのために、軽量且つ高強度の鋳型用セラミック骨材とその製造方法を提供することにある。
そして、かかる課題の解決のために、本発明の要旨とするところは、鋳型造型に際して用いられる鋳物砂の一部に代えて充填せしめられるセラミック骨材にして、焼成によって骨材材質の一部を構成し、結晶構造中に微細な気孔を生成せしめる軽量化資材を用い、この軽量化資材の粉末を所定のセラミック資材の粉末に混合して造粒した造粒物を焼成することにより得られる球状の多孔質骨材から構成され、且つ前記鋳物砂の嵩密度よりも小さな比重を有していると共に、50kg/cm2 以上の圧縮強度を有していることを特徴とする鋳型用セラミック骨材にある。
なお、かかる本発明に従う鋳型用セラミック骨材の好ましい態様の一つによれば、前記軽量化資材粉末が、前記セラミック資材粉末よりも大きな粒径を有し、且つ該軽量化資材粉末の中心粒径が150μm以上とされる。
また、本発明に従う鋳型用セラミック骨材における別の好ましい態様の一つによれば、前記軽量化資材粉末として、抗火石、軽石、シラス、シラスバルーン、溶融シリカ、黒曜石、真珠岩、膨張頁岩、ゼオライト、蛭石、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の粉末が有利に用いられる。
さらに、本発明に従う鋳型用セラミック骨材における望ましい態様の一つによれば、前記軽量化資材粉末として、ガラス質粉末が有利に用いられる。
加えて、本発明に従う鋳型用セラミック骨材における別の望ましい態様の一つによれば、前記軽量化資材粉末として、嵩密度:0.1〜1.0g/cm3 の多孔質体又は中空体が有利に用いられる。
また、本発明に従う鋳型用セラミック骨材における更に別の好ましい態様の一つによれば、前記セラミック資材粉末として、SiO2 源原料、Al23源原料及びMgO源原料のうちの少なくとも1種が有利に用いられる。
さらに、本発明に従う鋳型用セラミック骨材における他の好ましい態様の一つによれば、前記セラミック資材粉末として、蛙目粘土、木節粘土、カオリン、蝋石、礬土頁岩、焦宝石、水酸化アルミニウム、仮焼アルミナ、水酸化マグネシウム、海水マグネシア、珪砂、及び珪石からなる群より選ばれる少なくとも1種の微粉末が有利に用いられる。
また更に、本発明に従う鋳型用セラミック骨材における別の好ましい態様の一つによれば、前記軽量化資材粉末を前記セラミック資材粉末に混合するに際して、前記軽量化資材粉末が20〜70重量%の割合で含有せしめられる。
加えて、本発明に従う鋳型用セラミック骨材における他の望ましい態様の一つによれば、粒径が10〜150mmであると共に、前記鋳物砂の10倍以上の大きさとされる。
そして、本発明においては、前記鋳物砂の一部に代えて、上述の如き鋳型用セラミック骨材を充填したことを特徴とする鋳型をも、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う鋳型の好ましい態様の一つによれば、前記鋳型用セラミック骨材の体積含有率が、1〜60vol%とされる。
また、本発明は、上述の如き鋳型用セラミック骨材を製造する方法であって、前記軽量化資材粉末:20〜70重量%、前記セラミック資材粉末:30〜80重量%、及び粘結剤:0〜15重量%の割合で混合して、球状の造粒物を形成した後、1400〜1800℃で焼成することを特徴とする鋳型用セラミック骨材の製造方法をも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従う鋳型用セラミック骨材においては、焼成によって骨材材質の一部を構成し、結晶構造中に微細な気孔を生成せしめる軽量化資材の粉末が用いられているところから、焼成によって消失する可燃材質の原料を用いて多孔質化を行う場合とは異なり、多数の微細な気孔が形成された高強度の焼結体となり、軽量化と高強度化とが両立して実現され得るのである。具体的には、本発明に従う鋳型用セラミック骨材は、その比重が、鋳物砂の嵩密度よりも小さく、且つ、圧縮強度が50kg/cm2 以上となっているのである。
従って、本発明に従う鋳型用セラミック骨材は、比重が小さく、軽量であるところから、鋳型重量の増加を何等招来することがなく、鋳型の軽量化を図ることができるのであり、以て、鋳型造型に際して用いられる鋳物砂との置換容積比率を効果的に向上せしめることができる。その結果、鋳物砂の使用量の低減、ひいては、鋳物砂に混練される粘結剤の使用量の低減を、有利に実現し得るのである。加えて、本発明に従う鋳型用セラミック骨材は、高い強度を有しているところから、砂ばらし等で衝撃が加えられても、破砕するようなことが有利に防止され、以て、使い捨てされることなく、何度も繰り返し使用され得るのである。
それ故、本発明に従う鋳型用セラミック骨材を用いて鋳型の造型を行えば、省資源化を図ることができるだけでなく、粉塵等の産業廃棄物の生成も抑制されて、環境問題の改善にも貢献し得る。
また、本発明に従う鋳型用セラミック骨材は、球状とされているところから、充填率や使用後の回収性が良好となるといった利点も享受され得る。
また、本発明に従う鋳型にあっては、上述の如き鋳型用セラミック骨材が、鋳物砂の一部に代えて充填されているところから、鋳型の重量増加は惹起され得ず、以て、鋳型の取扱性が悪化するようなことが回避され得ると共に、鋳型を反転させたり、離型する際に、重量増加に起因して、鋳型が崩壊するようなことも有利に防止され得るようになる。
さらに、本発明に従う鋳型用セラミック骨材の製造方法にあっては、焼成によって骨材材質の一部を構成し、結晶構造中に微細な気孔を生成せしめる軽量化資材の粉末が所定量において用いられていると共に、焼成温度として、比較的に高い温度(1400〜1800℃)が採用されているところから、上述の如き軽量且つ高強度の鋳型用セラミック骨材が有利に製造され得るのである。
また、本発明に従って製造された鋳型用セラミック骨材にあっては、鋳物砂として用いられる珪砂の耐火度と同じか、それ以上の耐火度を有しており、鋳造に十分に耐え得る耐熱性をも兼ね備えたものとなっているのである。
ところで、本発明に従う鋳型用セラミック骨材は、特定の軽量化資材の粉末を、所定のセラミック資材の粉末に混合して造粒した球状の造粒物を焼成することにより得られる。
そして、そのような特定の軽量化資材としては、軽量化及び高強度化を図る観点から、焼成によって消失する可燃材質のものではなく、焼成によって骨材材質の一部を構成し、結晶構造中に微細な気孔を生成せしめるものが用いられることとなる。このような軽量化資材としては、例えば、抗火石、軽石、シラス、シラスバルーン、溶融シリカ、黒曜石、真珠岩、膨張頁岩、ゼオライト、蛭石、炭酸カルシウム、卵殻、貝殻等を挙げることができ、これらのうちの1種が、或いは2種以上が組み合わされて用いられる。これらの中でも、SiO2 を主たる化学成分として含有するガラス質のものがより一層好適に用いられる。
なお、かかる軽量化資材は、セラミック骨材に微細な気孔を形成せしめる観点から、粉末状(粉粒状)の形態で用いられるのであり、塊状の軽量化資材にあっては、湿式粉砕法や乾式粉砕法等の公知の粉砕手法によって、粉砕せしめられて用いられることとなる。かかる軽量化資材粉末の粒径としては、特に制限されるものではないものの、後述するセラミック資材粉末よりも大きな粒径を有しているものが好適に用いられるのであり、これによって、セラミック骨材に多数の気孔が有利に形成されることとなる。より具体的には、中心粒径(D50)が、好ましくは150μm以上、より好ましくは150〜300μmの範囲内にある軽量化資材粉末が有利に用いられるのであり、これにて、セラミック骨材に、ミクロンオーダーの微細な気孔が多数形成されることとなって、気孔率の高められたセラミック骨材、換言すれば、より一層比重の軽いセラミック骨材が有利に得られるようになる。ここにおいて、上述せる如き「中心粒径(D50)」は、JIS R 1629の「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に準じて測定された粒度分布から、積算値が50%である粒度を言う。また、そのような軽量化資材粉末の中でも、セラミック骨材の軽量化をより一層効果的に実現するためには、特に、嵩密度(重装嵩密度)が、0.1〜1.0g/cm3 程度、より好ましくは0.1〜0.5g/cm3 程度の多孔質体又は中空体が、より一層有利に用いられることとなる。
一方、上述の如き軽量化資材粉末が混合せしめられるセラミック資材の粉末としては、焼成によって、SiO2 −Al23、SiO2 −MgO、SiO2 −Al23−MgO、Al23−MgO等の耐火性材料を与え得る、SiO2 源原料、Al23源原料及びMgO源原料のうちの1種又は2種以上が、上記軽量化資材粉末との組合せによって、適宜に選択されて、用いられることとなる。
具体的には、そのようなセラミック資材粉末としては、従来から公知の各種のものを用いることができるのであり、例えば、蛙目粘土、木節粘土、カオリン、蝋石、礬土頁岩、焦宝石、水酸化アルミニウム、仮焼アルミナ、リサイクル・アルミナ、水酸化マグネシウム、海水マグネシア、珪砂、珪石等の微粉末を例示することができる。そして、それらのうちの1種が単独で、或いは2種以上が組み合わされて用いられることとなる。
なお、かかるセラミック資材粉末の粒径は、特に限定されるものではなく、湿式粉砕法や乾式粉砕法等の公知の粉砕手法によって微粉砕された、従来と同様な粒径のものが用いられる。好適には、公知の粉砕手法によって、90vol%以上、好ましくは100vol%が、45μm以下に微粉砕されたもの(中心粒径:10〜30μm程度)が有利に用いられるのであり、このような微粉末を用いることによって、微細気孔以外のマトリックス部の強度を高めることが可能となる。
そして、本発明に従う鋳型用セラミック骨材は、上述の如き軽量化資材粉末とセラミック資材粉末とを用いて、以下のようにして製造されるのである。
先ず、図1のフローチャートで示されるように、別個に所定粒径の粉末形態とされた軽量化資材粉末とセラミック資材粉末とが配合せしめられて、セラミック原料組成物の配合調整が実施されることとなる。この際、軽量化資材粉末とセラミック資材粉末は、セラミック原料組成物中に、好ましくは、軽量化資材粉末:20〜70重量%、セラミック資材粉末:30〜80重量%となる割合において、より好適には、軽量化資材粉末:20〜40重量%、セラミック資材粉末:60〜80重量%となる割合において、混合されることが望ましく、このような配合割合とすることによって、軽量且つ高強度の鋳型用セラミック骨材がより一層有利に得られることとなる。
また、かかるセラミック原料組成物には、造粒性や成形性を向上させるために、必要に応じて、粘結剤(バインダ)も添加され得る。かかる粘結剤としては、公知の各種のものを用いることができ、例えば、ベントナイト、リン酸アルミニウム、リグニン類、フェノール類、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合体(アルカリ水溶性ポリマー)等を挙げることができる。そして、かかる粘結剤は、セラミック原料組成物中において、一般に、0〜15重量%の割合となるように添加されることとなる。
次いで、上述の如き軽量化資材粉末とセラミック資材粉末と共に、必要に応じて粘結剤が含有せしめられたセラミック原料組成物を常法に従って造粒することによって、球状の造粒物が形成されることとなる。具体的には、上記セラミック原料組成物に水を加えて、セラミック原料組成物中の各成分を十分に混合した後、脱水し、パン型造粒機や回転式ミキサー等の市販されている造粒機を用いて造粒することによって、球状の造粒物が形成されるのである。この際、かかる球状の造粒物の大きさは、乾燥や焼成による収縮等を考慮して、目的とする鋳型用セラミック骨材が所定の粒径となるように、適宜に調整されることとなる。ここで、鋳型用セラミック骨材の粒径としては、鋳造後の砂の回収時に、鋳物砂等との分離が良好に行われ得るように、鋳物砂の粒径よりも大きな粒径とされる。具体的には、鋳物砂の粒径の少なくとも10倍以上、好ましくは30倍以上、より好ましくは100倍以上の大きさとされることが望ましく、造型する鋳型の大きさに応じて、10〜150mm程度、好ましくは30〜100mm程度の粒径とされる。なお、鋳型用セラミック骨材の粒径が小さすぎると、鋳物砂との分離や、湯道を構成する陶管等の破砕物との分離が困難となるおそれがあるからであり、また、鋳型用セラミック骨材の粒径が、鋳型サイズを勘案して、大きすぎる場合には、鋳型用セラミック骨材の充填個数や、充填位置の制限を受けやすく、鋳物砂との置換容積比率を十分に向上させることができないおそれがある。また、造粒物の形状については、角のない球状を呈しておれば特に限定されるものではなく、楕円球状や長円球状であっても差し支えないものの、充填率や使用後の鋳型からの回収性を更に高める観点から、真球状若しくは真球状に近い球状であることがより好ましい。
そして、このようにして得られた球状造粒物を、必要に応じて乾燥した後、電気炉やシャトルキルン等の焼成装置を用いて、通常の焼成操作に従って焼成することにより、球状の多孔質骨材が得られることとなるが、この際、本発明においては、特に、焼成温度として、1400℃以上の温度、より好ましくは1400〜1800℃の範囲内の温度が採用されるのであり、このような高い焼成温度で焼成を行うことによって、軽量で、且つ繰り返しの使用にも耐え得る高強度の多孔質骨材が得られるのである。かかる焼成温度が1400℃に満たない場合には、骨材の強度が低くなって、十分な耐久性が得られなくなるおそれがある一方、1800℃を超える場合には、焼結が進行しすぎて、微細気孔をつぶし、溶融・融着して造型体が得られないおそれがある。また、かかる焼成温度で焼成を行う時間にあっては、造粒物の大きさ等に応じて適宜に設定されることとなるが、一般に3〜6時間程度とされる。
なお、上述のように、軽量で、且つ高強度の多孔質骨材が形成される理由については、未だ十分に解明されてはいないものの、本発明者の推察によれば、軽量化資材粉末が、低い温度で溶融し、セラミック資材と反応しながら発泡して、結晶構造中に微細な気孔を形成すると共に、焼成温度(略1400〜1800℃程度)において反応が進んで、高強度の結晶に成長すると考えられるのである。例えば、セラミック資材粉末として、カオリンと水酸化アルミニウムの混合粉末(Al23−SiO2 系)、軽量化資材粉末として、シラスバルーン(ガラス質:SiO2 系)を、それぞれ用いて造粒した造粒物を焼成して多孔質骨材を得る場合には、先ず、シラスバルーンが低い温度(略1000〜1200℃程度)で溶融し、その少なくとも一部が、周囲に存在するセラミック資材粉末と反応すると共に、セラミック資材粉末にしみ込み、気孔化乃至は発泡が起こる。また、高温領域(略1600℃程度)になると、セラミック資材粉末を主体として、反応が更に進んで結晶成長し、ムライト(3Al23・2SiO2 )が形成される等して、強度が高められると推察されるのである。
そして、上述のようにして製造された多孔質骨材に対して、必要に応じて、整粒が行われて、目的とする鋳型用セラミック骨材が得られることとなる。
このようにして得られた鋳型用セラミック骨材にあっては、多数の微細な気孔を有する多孔質体であり、しかも、フェライト等の比重の大きな磁性材料を必須成分として含有するものではないところから、軽量化が有利に実現され、その比重が、鋳物砂の嵩密度(重装嵩密度)よりも小さくされているのであり、これにより、鋳物砂との置換容積比率を高めることが可能となって、鋳物砂の使用量の低減、更には、鋳物砂に混練される粘結剤の使用量の低減を、より一層有利に実現することが可能となる。なお、本発明において、「嵩密度(重装嵩密度)」は、JIS R 9301−2−3の「アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−3:軽装かさ密度及び重装かさ密度」に準拠して測定され得る。
なお、かかる鋳型造型に用いられる鋳物砂の嵩密度は、鋳物砂の種類によって異なり、例えば、鋳物砂として広く用いられている珪砂は、1.5〜1.6g/cm3 程度、また、人工砂であるムライトサンドは、1.7〜1.8g/cm3 程度、更に、特殊鋼用に使用されるクロマイトサンドは、2.9〜3.0g/cm3 程度である。本発明においては、鋳型用セラミック骨材の比重が、置換対象となる鋳物砂の嵩密度より小さい値であれば、特に制限されるものではないものの、好ましくは、珪砂の嵩比重よりも小さな値(1.5g/cm3 未満)、より好ましくは0.6g/cm3 以上、1.5g/cm3 未満の範囲とされることが望ましい。これは、鋳型用セラミック骨材の比重が、0.6g/cm3 未満では、機械的強度が低下する傾向があるからであり、また、1.5g/cm3 以上であると、鋳物砂として珪砂を用いた場合に、鋳型重量の原因となって、鋳物砂との置換容積比率を効果的に高めることが不可能となるからである。
加えて、本発明に従う鋳型用セラミック骨材は、上記焼成温度で焼成されることによって、強度が効果的に高められ得ているのである。具体的には、圧縮強度が、50kg/cm2 以上とされているのである。ここで、かかる「圧縮強度」は、JIS R 2206の「耐火れんがの圧縮強さの試験方法」に準拠して測定され得る。なお、珪砂やムライトサンド等からなる鋳型の造型強度(JACT試験法HM−1に準拠)は、一般に20〜40kg/cm2 程度であり、鋳型用セラミック骨材の圧縮強度が50kg/cm2 未満である場合には、注湯後において、鋳型を解枠し、砂ばらしして砂を回収する際に、鋳型用セラミック骨材が破砕されることとなって、耐久性に欠け、繰り返しの使用に耐えることが困難となる。また、耐久性を向上せしめる観点から、鋳型用セラミック骨材の圧縮強度は、好ましくは100kg/cm2 以上、更に好ましくは150kg/cm2 以上とされることが望ましい。
また更に、上述のようにして製造された鋳型用セラミック骨材にあっては、鋳物砂として用いられる珪砂の耐火度と同じか、それ以上の耐火度を有しており、鋳造に十分に耐え得る耐熱性をも兼ね備えたものとなっているのである。具体的には、鋳型に亀裂や砂の充填不良等の欠陥が生じて、溶湯が肌砂層から裏砂層側に漏れたとしても、その溶湯の熱にも十分に耐え得るのである。
ところで、本発明に従う鋳型用セラミック骨材を用いて、鋳型の造型を行うには、例えば、以下の如き手法が採用され得る。
すなわち、図2には、上型と下型とを有して構成される鋳型のうち、下型の造型手順が概略的に示されているのであるが、先ず、かかる図2(a)に示されるように、底板10と矩形状の鋳型枠12とから構成される金枠14内に、目的とする鋳造品の成形キャビティを与える原型16が配置されることとなる。
次いで、図2(b)に示されるように、かかる金枠14内に、粘結剤が被覆された自硬性又はガス硬化性の鋳物砂が、常法に従って投入されて、原型16を覆う肌砂層18が所定の厚みにおいて形成される。なお、鋳物砂に混練される粘結剤は、特に限定されるものではなく、従来から公知のものを採用することができるのであり、例えば、フラン系樹脂やフェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の有機系粘結剤、ベントナイト等の無機系粘結剤を挙げることができる。
その後、かかる肌砂層18の上に、図2(c)に示されるように、鋳物砂の一部に代えて、粘結剤が被覆されていない鋳型用セラミック骨材20が投入される。この際、本発明に従う鋳型用セラミック骨材にあっては、その比重が鋳物砂の嵩密度より小さいところから、鋳型全体の重量増加は何等惹起され得ず、従来に比して、より一層大きな体積置換比率において、充填することができるようになっている。具体的には、鋳型用セラミック骨材20は、鋳型全体に占める鋳型用セラミック骨材の容積比率を表す体積含有率(充填率)が、1〜60vol%となる範囲において充填されるのである。かかる範囲の中でも、鋳物砂の使用量の低減を有利に実現する観点から、好ましくは、20〜60vol%となるように充填されることとなる。なお、かかる体積含有率が60%を超えると、十分な鋳型強度を確保することが困難となって、鋳型が崩壊するおそれがある。
そして、鋳型用セラミック骨材20が所定の体積含有率において充填された後、かかる鋳型用セラミック骨材20上から、図2(d)に示されるように、裏砂としての鋳物砂が投入されて、金枠14内が、鋳物砂(肌砂及び裏砂)と鋳型用セラミック骨材20で満たされる。その後、鋳物砂の常温硬化又はガス硬化が行われ、底板10と原型16が取り除かれて、図2(e)に示される如き鋳型(下型22)が得られるのである。
このようにして造型された鋳型にあっては、鋳物砂の嵩密度よりも小さな比重を有する鋳型用セラミック骨材が用いられているところから、鋳型の重量増加は惹起され得ず、以て、鋳型の取扱性が悪化するようなことが回避され得ると共に、鋳型を反転させたり、離型する際に、重量増加に起因して、鋳型が崩壊するようなことも有利に防止され得る。
また、鋳造後においては、通常、鋳型に対して、解枠、砂ばらしが行われることとなるが、この際、本発明においては、鋳型用セラミック骨材として、所定の圧縮強度を有するものが採用されているところから、鋳型用セラミック骨材が破砕してしまうようなことが、有利に防止され得ているのである。また、砂ばらし後、鋳物砂や鋳型用セラミック骨材が回収されるのであるが、本発明においては、鋳型用セラミック骨材の粒径が、鋳物砂よりも大きな粒径とされているため、篩い分け等の操作によって、鋳物砂と鋳型用セラミック骨材とが、より確実に分離、回収され得るのである。また、鋳物砂と鋳型用セラミック骨材以外に、湯道用の陶管等を使用した場合には、更に、陶管等の破砕物との分離も必要となるが、陶管等の破砕物は、球状を呈しておらず、通常、角のある多角形状を呈しているところから、破砕物と鋳型用セラミック骨材との転がり抵抗の差を利用する等の手法によって、破砕物と鋳型用セラミック骨材との分離も、有利に実施され得るのである。そして、回収された鋳型用セラミック骨材は、必要に応じて、再生処理が施された後、再び、鋳型造型に用いられるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
[鋳型用セラミック骨材]
以下のようにして、実施例1〜6に係る鋳型用セラミック骨材(焼結体)を製造し、得られた鋳型用セラミック骨材(焼結体)について、比重、圧縮強度及び耐火度を測定し、その結果を、下記表1に示した。なお、比重は、セラミック骨材の体積を、円柱状のテストピースを作製してノギスで測定(実測)し、かかる体積でセラミック骨材の重量を除算することによって求めた。また、圧縮強度は、JIS R 2206に準じて、アムスラー式万能試験機(材料試験機TYPE−MU、株式会社前川試験機製作所製)を用いて、測定した。更に、耐火度は、JIS R 2204の「耐火物及び耐火物原料の耐火度試験方法」に準じて測定した。更に、下記表1には、焼結体に含まれるSiO2 成分とAl23成分の組成を、併せて示した。
(実施例1,2)
セラミック資材粉末として、湿式粉砕法にて45μm以下に微粉砕された、蛙目粘土と仮焼アルミナとの混合物(中心粒径:20μm程度)を準備する一方、軽量化資材粉末として、中心粒径:150μmの抗火石の粉末(嵩密度:1.0g/cm3 )を準備した。そして、かかるセラミック資材粉末に対して、下記表1に示される配合割合となるように、軽量化資材粉末を配合し、更に、適量の水と、粘結剤としてのリグニンを加えて混練し、脱水後、パン型造粒機を用いて、球状に造粒成形した。得られた造粒物を、乾燥した後、電気炉を使用して、下記表1に示される焼成温度で焼成し、粒径が35mmの球状の鋳型用セラミック骨材(焼結体)を得た。また、比重測定用のテストピース及び圧縮強度測定用のテストピースには、円柱状の焼結体(圧縮強度測定用テストピースの直径:35mm)を作製した。
(実施例3,4)
セラミック資材粉末として、湿式粉砕法にて45μm以下に微粉砕された、カオリンと水酸化アルミニウムとの混合物(中心粒径:20μm程度)を準備する一方、軽量化資材粉末として、中心粒径:300μmの真珠岩(パーライト、嵩密度:0.2g/cm3 )を準備した。そして、かかるセラミック資材粉末に対して、下記表1に示される配合割合となるように、軽量化資材粉末を配合し、更に、適量の水と、粘結剤としてのベントナイト及びリグニンを加えて混練し、脱水後、パン型造粒機を用いて、球状に造粒成形した。得られた造粒物を、乾燥した後、シャトルキルンを使用して、下記表1に示される焼成温度で焼成し、粒径が35mmの球状の鋳型用セラミック骨材(焼結体)を得た。また、比重測定用のテストピース及び圧縮強度測定用のテストピースには、円柱状の焼結体(圧縮強度測定用テストピースの直径:35mm)を作製した。
(実施例5,6)
セラミック資材粉末として、湿式粉砕法にて45μm以下に微粉砕された、礬土頁岩と木節粘土とリサイクル・アルミナの混合物(中心粒径:20μm程度)を準備する一方、軽量化資材粉末として、中心粒径:300μmの黒曜石粉末の発泡体(嵩密度:0.3g/cm3 )を準備した。そして、かかるセラミック資材粉末に対して、下記表1に示される配合割合となるように、軽量化資材粉末を配合し、更に、適量の水と、粘結剤としてのベントナイトを加えて混練し、脱水後、パン型造粒機を用いて、球状に造粒成形した。得られた造粒物を、乾燥した後、シャトルキルンを使用して、下記表1に示される焼成温度で焼成し、粒径が35mmの球状の鋳型用セラミック骨材(焼結体)を得た。また、比重測定用のテストピース及び圧縮強度測定用のテストピースには、円柱状の焼結体(圧縮強度測定用テストピースの直径:35mm)を作製した。
(比較例1)
多孔質構造を有する市販の耐火断熱れんが(LBK30,イソライト工業株式会社製)を切り出し、その比重及び圧縮強度を測定し、得られた結果を、下記表1に併せて示した。
(比較例2)
多孔質構造を有する市販の耐火断熱れんが(LBK3000,イソライト工業株式会社製)を切り出し、その比重及び圧縮強度を測定し、得られた結果を、下記表1に併せて示した。
(比較例3)
粒径が35mmである市販のアルミナボール(SL,株式会社比良セラミックス製)を準備し、この比重及び圧縮強度を、下記表1に併せて示した。
Figure 0005276861
かかる表1の結果から明らかなように、実施例1〜6に係る鋳型用セラミック骨材にあっては、比重が、1.5g/cm3 未満とされ、比較例3のアルミナボールと比較しても、軽量化が有利に実現されていることがわかる。また、圧縮強度も、50kg/cm2 とされ、比較例2の多孔質構造を有する耐火断熱れんがよりも、強度が有利に高められていることがわかる。更に、耐火度については、SK28以上とされており、鋳造に耐え得る十分な耐熱性を有していることが、認められる。
[鋳型]
上記で得られた実施例1〜6に係る球状のセラミック骨材(焼結体)、比較例1,2に係る耐火断熱れんが及び比較例3に係るアルミナボールを用いて、それぞれ、自硬性鋳型を製造した。具体的には、図3に示されるように、鋳型枠(内法:500mm×500mm×500mm)に、アルカリフェノール系のバインダー(フェニックス620L,硬化剤C−10,株式会社神戸理化学工業製)が被覆された鋳物砂(嵩比重:1.7g/cm3 ,ナイガイセラビーズ60,伊藤忠セラテック株式会社製)を充填し、内方側の部位に、鋳物砂の一部に代えて、下記表2に示される充填率(体積含有率)となるように、実施例1〜6に係るセラミック骨材、比較例1,2に係る耐火断熱れんが又は比較例3に係るアルミナボールを充填し、鋳型を造型した。そして、24時間後、フロー試験機(フローテーブルMF−330,株式会社丸菱科学機械製作所製)を用いて、鋳型を5回反復落下させ、鋳型の崩壊状態を下記の基準で評価し、その結果を下記表2に示した。
(評価基準)
◎:フロー試験後崩壊せず
○:フロー試験後やや崩壊
△:フロー試験中に崩壊
×:反転直後に崩壊
Figure 0005276861
かかる表2の結果から明らかなように、実施例1〜3,5では、鋳型の60vol%まで、また実施例4,6では、鋳型の50vol%まで、鋳物砂を骨材に置換することができ、鋳物砂の使用量の低減、更には、鋳物砂に混練される粘結剤の使用量の低減を極めて効果的に実現し得ることが認められる。
これに対して、市販の耐火断熱れんがを用いた比較例1,2では、鋳型造型時にれんがが破損してしまい、鋳型自体を造型することができなかった。また、鋳物砂の嵩密度よりも大きな比重を有するアルミナボールを用いた比較例3では、鋳型重量の増加が惹起されて鋳型の崩壊が起こりやすく、鋳物砂を、鋳型の20vol%までしか置換することができない。
本発明に従う鋳型用セラミック骨材の製造工程の一例を概略的に示すフローチャートである。 本発明に従う鋳型用セラミック骨材を用いて鋳型造型を行う工程を概略的に示す断面説明図であって、(a)は、金枠内に、目的とする製品の成型キャビティを与える原型を配置した状態、(b)は、金枠内に、鋳物砂(肌砂)を投入して、肌砂層を形成させた状態、(c)は、肌砂層の上に、本発明に従う鋳型用セラミック骨材を投入した状態、(d)は、鋳型用セラミック骨材の上に、鋳物砂(裏砂)を投入した状態、(e)は、原型等が取り除かれて、反転された状態を、それぞれ、示している。 実施例において造型された鋳型を概略的に示す断面説明図である。
符号の説明
10 底板 12 鋳型枠
14 金枠 16 原型
18 肌砂層 20 鋳型用セラミック骨材
22 下型

Claims (12)

  1. 鋳型造型に際して用いられる鋳物砂の一部に代えて充填せしめられるセラミック骨材にして、焼成によって骨材材質の一部を構成し、結晶構造中に微細な気孔を生成せしめる軽量化資材を用い、この軽量化資材の粉末を所定のセラミック資材の粉末に混合して造粒した造粒物を焼成することにより得られる球状の多孔質骨材から構成され、且つ前記鋳物砂の嵩密度よりも小さな比重を有していると共に、50kg/cm2 以上の圧縮強度を有していることを特徴とする鋳型用セラミック骨材。
  2. 前記軽量化資材粉末が、前記セラミック資材粉末よりも大きな粒径を有し、且つ該軽量化資材粉末の中心粒径が150μm以上とされている請求項1に記載の鋳型用セラミック骨材。
  3. 前記軽量化資材粉末が、抗火石、軽石、シラス、シラスバルーン、溶融シリカ、黒曜石、真珠岩、膨張頁岩、ゼオライト、蛭石、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の粉末である請求項1又は請求項2に記載の鋳型用セラミック骨材。
  4. 前記軽量化資材粉末が、ガラス質粉末である請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材。
  5. 前記軽量化資材粉末が、嵩密度:0.1〜1.0g/cm3 の多孔質体又は中空体である請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材。
  6. 前記セラミック資材粉末が、SiO2 源原料、Al23源原料及びMgO源原料のうちの少なくとも1種である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材。
  7. 前記セラミック資材粉末が、蛙目粘土、木節粘土、カオリン、蝋石、礬土頁岩、焦宝石、水酸化アルミニウム、仮焼アルミナ、水酸化マグネシウム、海水マグネシア、珪砂、及び珪石からなる群より選ばれる少なくとも1種の微粉末である請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材。
  8. 前記軽量化資材粉末を前記セラミック資材粉末に混合するに際して、前記軽量化資材粉末が20〜70重量%の割合で含有せしめられる請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材。
  9. 粒径が10〜150mmであると共に、前記鋳物砂の10倍以上の大きさである請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材。
  10. 前記鋳物砂の一部に代えて、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材を充填したことを特徴とする鋳型。
  11. 前記鋳型用セラミック骨材の体積含有率が、1〜60vol%である請求項10に記載の鋳型。
  12. 請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の鋳型用セラミック骨材を製造する方法であって、
    前記軽量化資材粉末:20〜70重量%、前記セラミック資材粉末:30〜80重量%及び粘結剤:0〜15重量%の割合で混合して、球状の造粒物を形成した後、1400〜1800℃で焼成することを特徴とする鋳型用セラミック骨材の製造方法。
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