JPH0698455B2 - 有機自硬性鋳型による鋳造のための造型ライン - Google Patents

有機自硬性鋳型による鋳造のための造型ライン

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JPH0698455B2
JPH0698455B2 JP2169165A JP16916590A JPH0698455B2 JP H0698455 B2 JPH0698455 B2 JP H0698455B2 JP 2169165 A JP2169165 A JP 2169165A JP 16916590 A JP16916590 A JP 16916590A JP H0698455 B2 JPH0698455 B2 JP H0698455B2
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孝男 堀江
正一 酒井
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22CFOUNDRY MOULDING
    • B22C5/00Machines or devices specially designed for dressing or handling the mould material so far as specially adapted for that purpose

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  • Mold Materials And Core Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、有機自硬性鋳型による鋳造のための造型ライ
ンに係り、特に有機自硬性鋳型の造型工程において、鋳
物砂の硬化速度が効果的に制御され得る造型ラインに関
するものである。
(背景技術) 従来から、鋳造品のうち、工作機械部品等の製品重量が
50kg以上の、所謂中物、大物は有機自硬性鋳型を用いた
鋳造方法により製作されることが多い。そして、この有
機自硬性鋳型を用いる手法はノーベーク法等とも称さ
れ、熱を加えることなく硬化せしめて、目的とする鋳型
を得ることが出来るものであり、そのために、有機質粘
結材として多くはフラン系樹脂などの樹脂を用いて鋳型
の造型が行なわれることが多いが、一般には、分子量の
余り大きくない液状縮合物の樹脂を用い、これに酸性硬
化触媒(硬化剤)を混合して縮合反応を開始せしめ、次
第に活性を増大させて、最終的には三次元架橋により結
合力を最大と為して、目的とする鋳型として完成してい
る。そして、このような有機自硬性鋳型を用いて鋳造す
るに際しては、そのような鋳型の造型の後、その得られ
た有機自硬性鋳型に対して所定の溶湯を注湯して鋳造を
行ない、更にその後、かかる鋳型の型ばらしにより、形
成された鋳物製品を取り出す一方、鋳物砂には、それに
混入した鋳物バリ、鉄片、鉄粉等の來雑物(介在物)と
の磁気分離操作が施され、回収されて、再使用されるこ
ととなる。
ところで、このような有機自硬性鋳型を用いた鋳造法
は、(a)常温で完全に硬化するために、焼成に要する
労力、時間が不要で、造型工数が削減出来る、(b)鋳
型強度が高く、寸法精度の高い高品質な鋳物が出来る、
(c)硅砂の省資源、産業廃棄物、公害防止に貢献出来
る、(d)注湯後の砂の崩壊性が優れており、使用砂の
回収が90〜95%可能で、繰返し使用することが出来、鋳
物砂のクローズドシステムが可能となる等、の特徴を有
しており、これらの理由から、一般産業機械、工作機械
部品の鋳造において、今日多くの鋳造工場で採用されて
いるのである。
而して、このように多くの利点を有する有機自硬性鋳型
において、有機質粘結材として用いられる樹脂やその硬
化剤が高価であること等から、鋳造コストが高くなる問
題があり、そのため、そのコストダウンを図るべく、種
々の工夫が為されてきた。特に、工作機械の鋳物部品の
ように、非量産型の場合には、製品ごとに専用の鋳枠を
用いることは金枠費の増大と保管、管理が難しいことか
ら、一つの鋳枠にて代用されているが、そうすると、最
も大きな製品に対応する鋳枠が用いられることとなるた
めに、サンドメタル(S/M)比(使用する砂重量:Sと製
品重量:Mとの比)が必然的に大きくなり、これが製品コ
ストの増加に繋がっていた。
そこで、かかるサンドメタル(S/M)比を向上させるた
めに、鋳枠内の鋳物砂の充填部位において、その溶湯と
接する肌砂層を除く中間部に、セラミックスボール等の
ボリューム増加材を埋め込んで、鋳物砂の使用量の減少
を図ることが考えられている。
一方、このような有機自硬性鋳型にあっては、鋳型強度
が、鋳物砂に添加される樹脂と硬化剤による縮合反応が
もたらす三次元架橋の結合力に掛かっているのであり、
そして、該縮合反応は、温度によって反応速度が大きく
左右されるものであるところから、造型時の環境温度の
変動によって、鋳物砂の硬化速度、換言すれば鋳型の造
型に要する時間にかなりの差が生じる問題があった。
事実、鋳造工場においては、年間を通じて工場内の気温
や模型・鋳枠等の温度を一定に保っておくことが難し
く、夏期と冬期の温度差が30℃以上になることも珍しく
ないのであり、また、鋳造の操業に当たっては、非量産
型では製品毎に模型と鋳枠が変わるところから、それら
の温度変化は少ない一方、中量産型のように単時間で抜
型を行ない、すぐに同じ模型・鋳枠を用いて造型を行な
うものにあっては、模型と鋳枠の温度が次第に上昇して
行くこととなるのである。従って、かかる様々な温度変
化に起因して、鋳型の硬化時間にバラツキが生じてしま
うのであり、かかる造型サイクルの乱れは、延いては生
産サイクル全体を乱す原因となるのである。
そのため、かかる鋳型の硬化時間のバラツキを制御する
必要があり、また、同じ有機自硬性プロセスを用いる製
品であっても、製作数量、納期により一日当たりの造型
数が設定されるのであり、そうした生産速度から規定さ
れる鋳型の造型サイクルに合致させて、鋳型の硬化時間
を制御する必要もあって、従来にあっては、硬化剤(例
えば、スルホン酸に添加剤を混ぜたもの)を数種類用意
しておき、設定された鋳型の硬化時間に応じて、使用す
る硬化剤を適宜に選択し、且つその添加量を調整してい
たのである。
例えば、模型の種類と温度、枠のサイズと温度、砂の温
度、添加されるレジン及び硬化剤が一定に設定されたと
すると、夏期に10〜15分で抜型出来た鋳型が、冬期には
20分以上かかる場合があるが、そうした場合に、硬化剤
の添加量が増加され、更にその最多添加量によってもな
お硬化時間が遅い場合には、硬化剤の種類が変更され
て、夏期とほぼ同等の所要時間で抜型を行ない得るよう
にしていたのである。
而して、このような従来手法では、複数の硬化剤を使用
するところから、硬化時間の制御が複雑となり、万一間
違えた場合には、造型工程のみならず、生産プロセス全
体が狂う虞れがあった。また、多種類の硬化剤を管理す
る必要があり、管理が複雑となると共に、複数のタンク
等の設備も必要であった。更に、大物の造型にあって
は、肌砂層を均一に形成する必要があるところから、鋳
物砂の充填に10分程度を要することがあり、このため硬
化剤を多く含む場合には、充填中に硬化が始まって、作
業性の低下及び型の不良を惹き起こす懸念もあった。
一方、直接に温度を制御しようとする場合には、鋳物砂
や模型・鋳枠等を加熱しなければならず、その処理自体
が大掛かりになると共に、鋳物砂に、充填当初から熱が
かかることとなって、充填中に硬化が始まる可能性が大
きく、実用上、その採用は困難であったのである。
(解決課題) かかる状況下において、本発明の課題とするところは、
有機自硬性鋳型を用いた鋳造のための造型ラインにおい
て、鋳型の硬化時間が効果的に、簡便且つ安定的にコン
トロールされ得る造型ラインを提供することにある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題を解決するために、鋳枠
内に配置した模型の表面に形成された、有機自硬性の鋳
物砂からなる所定厚みの肌砂層の上に、セラミックスボ
ールを投入して充填し、更にその上に必要に応じて前記
鋳物砂を裏砂として投入することによって、目的とする
鋳型の造型を行ない、そしてその得られた有機自硬性鋳
型に所定の溶湯を注湯して鋳造を行なうための造型ライ
ンにおいて、(a)前記鋳型を形成する鋳物砂の硬化速
度を制御するように、前記セラミックスボールの温度を
所定の温度に調整し、鋳型の造型に供する温度調整機構
と、(b)鋳造の終了した鋳型を型ばらしして得られる
セラミックスボールと鋳物砂との混合物から、セラミッ
クスボールと鋳物砂とを分離し、その分離されたセラミ
ックスボールを前記温度調整機構に送出する分離機構
と、(c)該分離機構においてセラミックスボールから
分離された鋳物砂を再生処理し、再び鋳型の造型に供す
る砂再生機構とを、有するようにしたのである。
(具体的構成・実施例) 以下に、本発明を更に具体的に明らかにするために、本
発明の代表的な実施例を、図面を参照しつつ示すことと
する。
先ず、第1図には、有機自硬性鋳型の一例が示されてお
り、そこにおいて、製品キャビティ10を構成する上型2
と下型4のそれぞれは、鋳枠6内に鋳物砂8が充填せし
められることによって、形成されている。そして、上下
型2、4共に、キャビティ面を構成する肌砂層を除いた
部分は、耐熱性を有するセラミックスボール18によって
充填されているのである。かかる鋳型構造を採ることに
よって、鋳物砂8の使用量が効果的に低減されて、鋳型
(2、4)の硬化速度が速められると共に、コストダウ
ンが図られ得るのである。なお、図において、12は中
子、14は湯口、16は上がりである。
ところで、本発明は、このような鋳型を造型するための
造型ラインを提供するものであり、それによれば、かか
るセラミックスボール18は、所定の鋳枠6内への充填に
先立って、予め所定の温度に加熱若しくは冷却せしめら
れることとなる。
すなわち、第2図に、本発明に従って、前記の如き有機
自硬性鋳型を用いる鋳造のための造型ラインの一例が示
されている。かかるラインにおいては、セラミックスボ
ールに対して温度制御を行なう温度調整機構と、鋳造が
終了した有機自硬性鋳型を型ばらしした後、セラミック
スボールと鋳物砂とを分離すべく、それらの混合物から
所定の分離・回収装置によってセラミックスボールを取
り出す分離機構と、またこの分離機構により、セラミッ
クスボールから分離された鋳物砂を、再び鋳型の造型に
供給され得るように処理する砂再生機構とが、備えられ
ている。そして、かかる分離機構における分離・回収装
置により回収されたセラミックスボールは、温度調整機
構に移送されて、所定の温度に調整せしめられた上で、
続く造型サイクル用にストックされるのである。
より詳細には、前記分離されたセラミックスボール18
は、先ず、回収用ホッパー22から出る時に温度計測が為
されるのであり、回転型のドラム28の中を移動する間
に、バーナー等の加熱手段や冷却空気の送風機等の冷却
手段にて構成される加熱冷却装置30によって、所定の設
定温度になるように、昇温・降温されるのである。そし
て、温度調整が終了した後にストック用のホッパー24を
通じて、充填用供給装置26に移送されてストックされる
のである。なお、加熱用の熱源としては、分離直後の鋳
物砂の余熱を利用することも可能である。そして、温度
調整の各種条件、例えば加熱・冷却装置30の温度設定及
びセラミックスボール18のドラム28中での移動速度等
は、セラミックスボール18の前記測定温度や処理量、更
に設定温度等によって決定されるものであり、中間点で
の計測によるフィードバック制御も可能である。
また、第3図には、上記の造型ラインが、より詳細に明
らかにされている。
すなわち、造型−抜型−塗型−中子納め−組立の各工程
を経て形成された有機自硬性鋳型は、従来と同様な注湯
・冷却による鋳造操作を終了した後、所定のシェーカー
42により振動を加えられて型ばらしされ、以て鋳型から
鋳造品が取り出されることとなる。ここで、残された鋳
型は、クラッシャー46により或る程度圧砕されて、セラ
ミックスボール18と鋳物砂8の混合物とされ、次いで該
混合物から通常のマグネットセパレーター48により、鉄
片や鋳物バリ等の介在物が除去された後、分離手段(5
0,52)へと送られる。即ち、前記クラッシャー46により
細かく粉砕された鋳物砂8は、篩50等の適当な分離装置
によってセラミックスボール18から分離され、更に後述
の砂再生手段へ送られる。一方、残されたセラミックス
ボール18と充分に細かく粉砕されなかった塊状の砂は、
所定の分離・回収装置52へ移送され、そこで、塊状の砂
から分離されたセラミックスボール18は、温度調整装置
54に送られるべく回収用ホッパー22にて回収される一
方、塊状の砂は、より細かい鋳物砂とされるためにクラ
ッシャー46へ再度送られることとなる。このようにし
て、セラミックスボール18と鋳物砂8とは分離せしめら
れて、別々に回収されることとなるのである。
なお、セラミックスボール18としては、本発明者らが先
に提案した特願平1−40948号明細書に詳細に述べられ
ている如き、磁性材料を内在したセラミックスボールが
有利に用いられるものであるが、そのようなセラミック
スボールを使用する場合には、かかる分離・回収装置52
としては、例えば第4図に示される如き構造のものが好
適に採用される。
かかる図において、この分離・回収装置52は、ベルト70
が駆動ローラ72とマグネットプーリ74上に巻架されてな
るベルトコンベヤ64と、そのマグネットプーリ74側端部
に配置されている分別回収器76とからなるものである。
そして、篩50により篩い落とされた細かい砂62は、所定
の回収装置66を介して、砂再生手段に送られる一方、残
されたセラミックスボール18と塊状の砂80は、ホッパー
68を介して、分離・回収装置52のベルト70上に順次供給
され、次いで、かかるベルト70の矢印方向への駆動によ
り、分別回収器76へと導かれる。その際、セラミックス
ボール18は、マグネットプーリ74に磁着されているとこ
ろから、ベルト70の回転駆動により、該ベルト70の回転
駆動端において塊状の砂80は落下するものの、セラミッ
クスボール18は、マグネットプーリ74の回転と共にベル
ト70上に付着したまま移動し、そしてベルト70がかかる
プーリ74から離れて、磁着力が作用しなくなると、ベル
ト70から落下することとなる。このようにして、該分別
回収器76の中央に設けられているセパレートプレート78
を介して、塊状の砂80とセラミックスボール18とが別々
に回収されるのである。
次いで、こうして分離されたセラミックスボール18は、
その後、前述の如き、回収用ホッパー22を経て、温度調
整装置54により所定の温度に加熱若しくは冷却せしめら
れ、供給装置26へと導かれる。なお、分離・回収装置52
によりセラミックスボール18と分離された塊状の砂80
は、再びクラッシャー46に導かれ、そこで再び破砕せし
められて細かい砂とされた後、篩50を介して砂再生手段
へ送出されることとなる。
一方、上記において、セラミックスボール18及び塊状の
砂80と分離された鋳物砂62は、砂再生手段へと導かれ
る。即ち、かかる鋳物砂62は、粉砕機56により更に細か
く粉砕された後、温度調節装置58によって、必要に応じ
て冷却せしめられ、そして、ミキサー60において、所定
の硬化剤や有機質粘結材としての樹脂等が混合せしめら
れることにより、鋳物砂82として再生され、再度、造型
に供されるのである。
ところで、前記セラミックスボールの具体的な温度設定
域は、鋳物砂、型、鋳枠の温度やラインの設定サイクル
等によって決められるものであるが、例えば、全体の温
度が低い上に、造型サイクルが短い場合には、100℃程
度の高温に設定され、また一方、全体の温度が高いにも
拘わらず造型サイクルが長い場合には、50℃程度の低温
に設定される。
そして、具体的な設定温度が決定されると、第5図に示
すような操作によって、セラミックスボールの温度制御
が実行されるのである。一般に、分離直後のセラミック
スボールは、造型ラインの操業状態にも拠るが、常温か
ら200℃程度になっており、このセラミックスボールの
測定温度と、種々の条件設定因子(個々の温度、設定サ
イクル等)により設定された温度値とが比較され、セラ
ミックスボールの温度が高い場合には冷却工程が、低い
場合には加熱工程が実施されて、再度の温度チェック及
び温度調整によって、所定の温度に制御されるのであ
る。
なお、セラミックスボールは、一般には、30〜100℃の
温度域にコントロールされることとなる。そして、該セ
ラミックスボールは、特にその大きさや形状が限定され
るものではないが、蓄熱材として使用されるものである
ところから、所定容量を有することが望ましく、一般に
20mm〜40mmφ程度のものが使用されることとなり、ま
た、異なる大きさのものを組み合わせて使用することも
勿論可能である。
また、セラミックスボールの温度調整を行なう方法とし
ては、前記具体例に挙げたようなバッチ処理が、タンク
にストック出来るところから、大物の鋳造時などのよう
に一度に大量のセラミックスボールを必要とする場合に
適した方法であり、一方、小物を短いサイクルで流すよ
うなラインでは、逐次処理型のライン処理が適してい
る。このライン処理は、分離装置から造型工程へとセラ
ミックスボールを移送する移送管に対して、所定の加熱
・冷却装置を設けて、該移送管内をセラミックスボール
が通過する際に温度調整を行なうものであり、移送管
を、例えばスクリュー形状とすることにより、効果的に
行なわれ得る。そして、これらの両処理方法は、造型ラ
インで処理される品物の種類、鋳枠の大きさ、造型サイ
クル等によって適宜に選択されることとなる。
そして、本発明に従う造型ラインにおいて、このように
して所定の温度に予め加熱せしめられたセラミックスボ
ールは、鋳枠内に配置した模型表面に鋳物砂にて所定厚
みの肌砂層が形成された後に、鋳枠内へ供給されるので
ある。その際に使用される鋳物砂は、従来と同様のもの
であって、有機質粘結材としてフラン系樹脂、フェノー
ル系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が配合され、またそ
のような樹脂を硬化せしめるための硬化剤が添加せしめ
られてなるものである。但し、鋳物砂の硬化速度はセラ
ミックスボールの熱にて制御されるところから、硬化剤
の配合量は、従来に比して低く抑えられることとなる。
そのため、肌砂層の形成中に硬化が始まることが防止さ
れ得るのであり、一方、肌砂層の形成後は、温度コント
ロールの施されたセラミックスボールが投入されること
により、外気温や模型・鋳枠の温度に拘わらず、直ちに
鋳物砂の硬化が開始されるのである。そして、セラミッ
クスボールの充填の後には、必要に応じて裏砂が所定厚
さで形成され、鋳型の補強が図られることとなる。
なお、当然のことながら、それら肌砂、セラミックスボ
ール、裏砂を投入するときには、従来の砂充填作業と同
様に、振動発生機等で振動を与え、鋳物砂及びセラミッ
クスボールの充填性の向上が図られることとなる。ま
た、鋳型内の鋳物砂とセラミックスボールとの比率は、
製品の形状、寸法、重量、更には鋳枠の構造等により一
定ではないが、鋳枠内の30〜40%の容積を該セラミック
スボールにて置き換えることが可能であり、それによっ
て鋳型全体の強度を低下させることはない。
次いで、上述のようにして充填が済むと、鋳型の表面層
が硬化するのを待って、抜型が行なわれることとなる。
その際、本発明にあっては、セラミックスボールの熱に
よって、硬化時間が自由にコントロールされ得、冬場の
硬化遅延が防止されると共に、各種の温度条件のバラツ
キに起因する硬化時間のバラツキが効果的に回避される
のである。そして、抜型された模型は、次の造型に使用
され得るように、直ちに充填工程に戻される一方、得ら
れた鋳型は、必要に応じて塗型工程に移送されることと
なる。なお、この時点では、内部まで完全に縮合反応が
終わっていないことから、続く塗型工程までに所定の時
間を置く必要があるが、塗型開始までの時間を短縮する
ために、抜型時間を遅らせて充分に内部まで熱を伝達さ
せることにより、造型開始から塗型・型合わせまでの全
体の時間を短縮することも可能である。
そして、本発明に従う造型ラインにあっては、内部まで
完全に硬化するのを待って、鋳型に塗型が必要に応じて
行なわれ、型合わせされた後、常法に従って所定の溶
湯、例えば鋳鉄溶湯や溶鋼等が注湯されて、目的とする
鋳物製品の鋳造が行なわれることとなる。その後、冷却
が終了すると、鋳型が型ばらしされて、鋳型より鋳枠が
取り除かれ、かかる鋳型内に形成された鋳物製品が取り
出されるのである。得られた鋳物製品は、更にショット
ブラスト処理及びバリすりを経た後、素材完成品とされ
ることとなる。一方、型ばらしが行なわれた鋳物砂から
は、前述したように、マグネットセパレータ48によっ
て、鋳物砂に混入した鋳物バリ、鉄片、鉄粉等の介在物
が、従来と同様にして、磁気によって分離されると共
に、分離手段(50,52)によって、セラミックスボール
が分離されるのである。そして、鋳物砂は再生処理を施
された後、再使用に備えてストックされ、セラミックス
ボールは、温度調整を施された後、ストックされること
となる。
ところで、かかるセラミックスボールに対して、前述の
如く、耐熱性のみではなく、磁性をも付与せしめること
により、前記マグネットプーリ74を用いた分離装置52を
使用する他に、鋳物バリ等を除去するマグネットセパレ
ーター等をそのまま用いて、吸着するための磁力を変化
させることにより、容易に該セラミックスボールを回収
することも可能である。
このように、磁性を付与せしめ得るセラミックスボール
は、優れた強度、耐熱性、耐摩耗性を備えていることか
ら、鋳造時の熱衝撃に耐えると共に、軽量なため充填作
業性に優れており、加えて蓄熱材としても良好なもので
ある。そのため、かかるセラミックスボールは、本発明
に従う鋳造のための造型ラインにおいて、非常に適した
セラミックスボールとして使用され得、鋳型の硬化速度
を効果的にコントロールし得ると共に、鋳造・型ばらし
後には、前記分離・回収装置52や介在物除去用に設置さ
れているマグネットセパレーター等によって容易に鋳物
砂と分離することが出来、回収が容易に行なわれること
となる。
因みに、目的とする鋳物製品として、外径が1200mmφ、
厚みが50〜120mm、重量が550kg、材質がFC30からなるギ
ヤー素材を鋳造すべく、金枠寸法が1600mm×1800mm×30
0mm(上型)若しくは250mm(下型)の鋳枠を用いると共
に、鋳物砂としては、AFS40砂にフラン樹脂0.8重量%、
硬化剤24重量%(対樹脂添加量)を均一に配合したもの
を用い、更に、セラミックスボールには、コージェライ
ト(2MgO・2Al2O3・5SiO4)からなり、磁性材料であるNi
−Zn系フェライトからなる10mmφの大きさの芯部を有す
る、25mmφの大きさのもの用いて、第2図,第3図の如
き造型ラインに従って、第1図に示される如き構造の鋳
型を造型した。なお、外気温は4℃、砂温度は10℃であ
り、セラミックスボールは90℃に加熱したものを投入し
た。また、S/M比は1.63であった。
かかる鋳型は、10〜15分で硬化し、抜型することが出来
た。
これに対して、上記と同様の素材を鋳造すべく、外気温
4℃、砂温10℃の温度条件で、セラミックスボールを使
用することなく、上記と同じ鋳枠を用いて複数の鋳型の
造型を行なった。使用した鋳物砂は、AFS40砂にフラン
樹脂0.8重量%を配合したものであり、各造型で、添加
する硬化剤の量を変えて行なった。上記と同程度の硬化
時間を得るには、硬化剤を38重量%(対樹脂添加量)添
加しなければならなかった。
以上の結果から、本発明に従う鋳造方法にあっては、セ
ラミックスボールの熱によって硬化速度が良好にコント
ロールされており、非常に少ない硬化剤の添加量にて良
好な硬化速度が得られていることが判る。
以上、本発明の代表的な実施例を、図面を参照しつつ詳
細に説明してきたが、本発明は、上記実施例に何等限定
されることなく、それ以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う有機自硬
性鋳型による鋳造のための造型ラインにあっては、従来
の硬化剤の添加量の増減及びその種類の変更といった手
法に代えて、予め必要とされる温度に加熱したセラミッ
クスボールの熱によって鋳型の硬化時間を制御するよう
にしたところから、該セラミックスボールの温度調整の
みによって、鋳型の硬化時間を簡便に且つ安定的にコン
トロールすることが出来るのである。
従って、冬場の鋳型の硬化時間の長期化現象を防止し、
また、各種温度条件にて変化する鋳型の硬化時間のバラ
ツキを効果的に防止して、生産サイクルを安定的にコン
トロールすることが可能となったのである。加えて、硬
化剤を単一の種類に限定することが可能となって、造型
ラインの管理が容易となり、在庫の管理も著しく容易と
なるのである。
また、鋳造の終了した鋳型を型ばらしした後、鋳物砂と
セラミックスボールとを分離して、セラミックスボール
を前記温度調整機構に送出する分離機構と、かかるセラ
ミックスボールから分離された鋳物砂を再生処理し、鋳
型の造型に供する砂再生機構とを備えているところか
ら、鋳物砂及びセラミックスボールを使用しての造型が
連続して行なわれ得るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にて造型される有機自硬性鋳型の鋳型
構造の一例を示す縦断面説明図であり、第2図は、本発
明に従う造型ラインの一例を示す説明図であり、また第
3図は、第2図の造型ラインを更に具体的に示す説明図
であり、第4図は、かかる造型ラインに用いられるセラ
ミックスボールの分離・回収装置の一例を概略的に示す
説明図であり、また第5図は、セラミックスボールの温
度調整の処理手順を示すフローチャートである。 2:上型、4:下型 6:鋳枠、8:鋳物砂 18:セラミックスボール 26:充填用供給装置、28:ドラム 30:加熱・冷却装置、46:クラッシャー 52:分離・回収装置、54:温度調整装置 60:ミキサー、64:ベルトコンベヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳枠内に配置した模型の表面に形成され
    た、有機自硬性の鋳物砂からなる所定厚みの肌砂層の上
    に、セラミックスボールを投入して充填し、更にその上
    に必要に応じて前記鋳物砂を裏砂として投入することに
    よって、目的とする鋳型の造型を行ない、そしてその得
    られた有機自硬性鋳型に所定の溶湯を注湯して鋳造を行
    なうための造型ラインにして、 前記鋳型を形成する鋳物砂の硬化速度を制御するよう
    に、前記セラミックスボールの温度を所定の温度に調整
    し、鋳型の造型に供する温度調整機構と、 鋳造の終了した鋳型を型ばらしして得られるセラミック
    スボールと鋳物砂との混合物から、セラミックスボール
    と鋳物砂とを分離し、その分離されたセラミックスボー
    ルを前記温度調整機構に送出する分離機構と、 該分離機構においてセラミックスボールから分離された
    鋳物砂を再生処理し、再び鋳型の造型に供する砂再生機
    構とを、 有することを特徴とする有機自硬性鋳型による鋳造のた
    めの造型ライン。
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