JP2020063165A - 石膏ボードの製造方法及び石膏ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル効率が高く、かつ実用に耐えうる石膏ボードを提供する。【解決手段】石膏ボードの製造方法は、再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料、0.1重量%〜1.0重量%の減水剤、0.01重量%〜0.10重量%の発泡剤及び水を混合してスラリーを調整する工程と、前記スラリーを硬化させる工程と、を有する。前記石膏原料は、スラリーの全量から水の含有量を除外した量の90重量%以上となっている。【選択図】 図1

Description

本発明は、廃材石膏から生成される再生石膏を利用する石膏ボードの製造方法及び石膏ボードに関する。
石膏ボード廃材の発生量は、年間約110万tである。このうち約30万tは生産時や建物の新築内装工事の端材であり、石膏ボードメーカーがリサイクルを行っている。しかし、残りの約80万tは、建造物の改装・解体工事で排出されるものであり、リサイクルされずに埋め立て処分されている。石膏の埋め立ては、管理型の埋立地で行わればならず、廃棄コストが問題となる。
このように、石膏ボード廃材由来の石膏は、ほとんどが再資源化されることなく廃棄され、しかも廃棄自体の費用や廃棄場所が問題となり、廃石膏の有効な利用方法の確立が求められている。
特許文献1では、石膏ボード廃材から回収されたリサイクル石膏及び無機繊維を含む石膏コアと、当該コアを被覆する軽量石膏ボード用原紙からなる石膏ボードを提供することが提案されている。しかしながら、実施例として具体的に提供されているリサイクル石膏配合比率は20重量%に過ぎず、石膏ボードをリサイクルするという観点からは十分なものではなかった。
特開2006-95745号公報
本発明は、リサイクル効率が高く、かつ実用に耐えうる石膏ボードを提供する。
本発明の石膏ボードの製造方法は、
再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料、前記石膏原料に対して0.1重量%〜1.0重量%の減水剤、前記石膏原料に対して0.01重量%〜0.10重量%の発泡剤及び水を混合してスラリーを調整する工程と、
前記スラリーを硬化させる工程と、
を備え、
前記石膏原料が、スラリーの全量から水の含有量を除外した量の90重量%以上であってもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記スラリーを調整する工程で混合される前記減水剤は、前記石膏原料に対して0.4重量%以下で混合されてもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記スラリーを調整する工程で混合される発泡剤は、前記石膏原料に対して0.025重量%以上で混合されてもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記スラリーを調整する工程で混合される前記石膏原料は、前記スラリーの全量から前記水の含有量を除外した量の98重量%以上で混合されてもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記石膏原料は再生石膏を90重量%以上含有してもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記減水剤は有効成分としてナフタレンスルホン酸系減水剤又はポリカルボン酸系減水剤を含有してもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記減水剤は有効成分としてナフタレンスルホン酸系減水剤を含有し、
前記減水剤は前記石膏原料に対して0.3重量%以上0.4重量%以下で混合されてもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記減水剤は有効成分としてポリカルボン酸系減水剤を含有し、
前記減水剤は前記石膏原料に対して0.1重量%以上0.2重量%以下で混合されてもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
前記石膏ボードの比重が0.3以上0.7以下であってもよい。
本発明の石膏ボードの製造方法において、
混水量が80重量%以下であってもよい。
本発明の石膏ボードは、
再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料を含み、
平均粒径が400μm以上の気泡を含有し、
圧縮強度が2.5N/mm2以上であってもよい。
本発明の石膏ボードにおいて、
前記石膏原料は再生石膏を90重量%以上含有し、
前記気泡の平均粒径が500μm以上となってもよい。
本発明において、再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料、0.1重量%〜1.0重量%の減水剤、0.01重量%〜0.10重量%の発泡剤及び水を混合してスラリーを調整し、石膏原料がスラリーの全量から水の含有量を除外した量の90重量%以上である態様を採用した場合には、リサイクル効率が高く、かつ実用に耐えうる石膏ボードを提供できる。
化学石膏及び再生石膏における、比重と圧縮強度との関係を示したグラフ。 比較例4における石膏ボードのSEM画像。 実施例4における石膏ボードのSEM画像。 比較例10における石膏ボードのSEM画像。 比較例11における石膏ボードのSEM画像。 比較例12における石膏ボードのSEM画像。 比較例13における石膏ボードのSEM画像。 比較例14における石膏ボードのSEM画像。 比較例15における石膏ボードのSEM画像。 実施例5における石膏ボードのSEM画像。 実施例6における石膏ボードのSEM画像。 実施例8における石膏ボードのSEM画像。 実施例9における石膏ボードのSEM画像。 実施例10における石膏ボードのSEM画像。 実施例11における石膏ボードのSEM画像。 実施例12における石膏ボードのSEM画像。 比較例16における石膏ボードのSEM画像。 比較例17における石膏ボードのSEM画像。 化学石膏を用いた際に混水量を80重量%まで増加させた際の石膏ボードのSEM画像。 実施例14における石膏ボードのSEM画像。 実施例15における石膏ボードのSEM画像。 実施例16における石膏ボードのSEM画像。 化学石膏及び再生石膏における、粉砕時間とプレーン値との関係を示したグラフ。
本実施の形態による石膏ボードの製造方法は、再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料、減水剤、発泡剤及び水を混合してスラリーを調整する工程と、スラリーを硬化させる工程と、を有してもよい。スラリーを調整する工程において、でんぷん等のバインダーも混合されてもよい。本実施の形態における「再生石膏」とは、平均粒径が20μm以上の結晶を含有するものであり(典型的には平均粒径が60μm以下となっている。)、「廃材石膏」から再生して生成されるものであって、「廃材石膏」と比較して粒径を大きくしたものである。なお、「廃材石膏」の結晶粒径は一般的には1μm〜5μmとなっている。
石膏原料のうち再生石膏は80重量%以上含まれていることが好ましく、90重量%以上含まれることがより好ましい。廃石膏ボードをリサイクルするという観点からすると、石膏原料のうち95重量%以上が再生石膏からなることが中でも有益であり、石膏原料のうち99重量%以上が再生石膏からなることがさらに有益である。また石膏原料の100重量%が再生石膏で構成され、石膏原料が再生石膏からなることが、廃石膏ボードをリサイクルする観点からすると極めて有益である。なお、本実施の形態で示されている全ての数値は四捨五入することで当該数値になる数値を含んでいる。
本願の発明者らが確認したところ、石膏原料のうち再生石膏を70重量%以上で含有させる場合には、わずかな量の減水剤を添加するだけで強度を高めることができることを確認できた。より具体的には、スラリーを調整する工程で混合される減水剤は、石膏原料に対して(つまり石膏原料を100とした場合に)0.01重量%〜1.0重量%で混合されてもよく、0.05重量%〜0.8重量%で混合されることが好ましい。減水剤の石膏原料に対する下限値は、0.1重量%であることがより好ましく、0.2重量%であることがさらに好ましい。減水剤の石膏原料に対する上限値は、0.5重量%であることがより好ましく、0.4重量%であることがさらに好ましく、0.3重量%であることがさらにより好ましい。また、再生石膏ではバージンの石膏原料と比較して減水剤の添加量を少なくしても大きな気泡を確保でき、結果として軽量化を図れることが有益である。なお、そもそも減水剤というのは添加する水の量を少なくでき、結果としては乾燥時間を短くするために用いられるものであることには留意が必要である。本願の発明者らが鋭意検討することで、石膏原料のうち再生石膏が70重量%を超える態様において、わずかな量の減水剤を添加することで、気泡の大きさを確保できたことは驚くべき事実である。
このように加える減水剤の量を減らすためには再生石膏の含有量が増えることが有益であり、石膏原料のうち再生石膏は80重量%以上含まれていることが好ましく、90重量%以上含まれることがさらに好ましく、95重量%以上が再生石膏からなることがより好ましく、石膏原料のうち99重量%以上が再生石膏からなることがさらにより好ましい。このように減水剤の量を低減させるという観点からすると、石膏原料の100重量%が再生石膏で構成され、石膏原料が再生石膏からなることが極めて有益である。
スラリーを調整する工程で混合される発泡剤は、石膏原料に対して0.01重量%〜0.10重量%で混合されてもよい。発泡剤の含有量が少な過ぎて0.01重量%未満の場合には石膏ボード内に十分な気泡を確保できない場合があった。他方、発泡剤の含有量を一定程度増加させても軽量化の効果を見込めず、0.10重量%を超えた場合には石膏ボード内の気泡が小さくなる場合があった。後述する実験結果で示されるように、石膏ボードを軽量化するという観点からすると、発泡剤は石膏原料に対して0.025重量%以上含有されることが好ましく、石膏原料に対して0.030重量%以上含有されることがより好ましく、石膏原料に対して0.040重量%以上含有されることがさらにより好ましい。圧縮強度が下がり過ぎないように、発泡剤の上限値は石膏原料に対して0.050重量%であってもよい。
スラリーを調整する工程で混合される石膏原料は、スラリーの全量から水の含有量を除外した量の90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上で混合されてもよい。
減水剤は有効成分としてナフタレンスルホン酸系減水剤を含有してもよいし、ナフタレンスルホン酸系減水剤から構成されてもよい。また、減水剤は有効成分としてポリカルボン酸系減水剤を含有してもよいし、ポリカルボン酸系減水剤から構成されてもよい。「有効成分」とは、有効な効果を有する成分であり、例えば重量%において全体の20重量%以上を占める場合を意味する。減水剤の有効成分がナフタレンスルホン酸系減水剤であるというのは、例えば減水剤全体の20重量%以上の量のナフタレンスルホン酸系減水剤が含まれることを意味し、減水剤の有効成分がポリカルボン酸系減水剤であるというのは、減水剤全体の20重量%以上の量のポリカルボン酸系減水剤が含まれることを意味する。発明者らが確認したところによれば、石膏原料のうちの70重量%以上が再生石膏を用いた場合であって、減水剤を用いて石膏ボードを軽量化した場合には、排煙脱硫石膏等の化学石膏を使用した場合より、芯材強度が向上することが判明した(後述する図1参照)。
石膏ボードの比重は0.3以上0.7以下であってもよい。比重が小さすぎて0.3未満となると石膏ボードとしての強度が弱くなってしまうことから、硬化密度は0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらにより好ましい。石膏ボードを軽量化する観点からすると0.7以下であることが好ましい。また、後述するように、硬化密度を0.7以下とする場合には、排煙脱硫石膏等の化学石膏を使用した場合より、芯材強度をかなり強くすることができる点でも有益である。
本実施の形態による石膏ボードは、廃石膏ボードから生成される再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料を含み、平均粒径が400μm以上の気泡を含有してもよい。平均粒径が400μmの気泡を含有することで、石膏ボードの十分な軽量化を実現できる。また、平均粒径が500μm以上の気泡を含有する石膏ボードであれば、かなりの軽量化を図ることができる点で有益である。再生石膏の含有量を増加させると強度が十分ではないことも想定されるが、本実施の形態のように適量の減水剤を用い、かつ適量の発泡剤を用いることで、平均粒径が500μm以上という十分な軽量化を実現しつつ、十分な強度をもつ石膏ボードを提供できる。
最初から石膏ボードを作る際に用いるバージンの石膏原料とは異なり、廃材石膏は結晶の平均粒径が非常に小さいことが一般的である。このため、廃材石膏を石膏原料として用いて再利用するには、製造工程において石膏スラリーの流動性を確保するために、スラリーに使用する水の割合を、バージン石膏原料を用いて作られるスラリーの場合よりも多くする必要がある(例え混水量を90重量%とする必要がある。)。
しかしながら、このように水の含有量を増加させる結果、廃材石膏を用いて製造された石膏ボードはその強度が不足することが多い。石膏原料に含まれる廃材石膏の量が増加すればするほど、このような強度不足の問題が顕著となり、石膏原料が廃材石膏からなる場合(100%の再生石膏を利用する場合)には実際に石膏ボードとして利用するうえでは大きな問題となり得る。
本実施の形態によれば、廃材石膏ではなく再生石膏を石膏原料のうちの70重量%以上で用い、適量の減水剤及び発泡剤を用いることで、商業的に利用可能な石膏ボードを提供できる。
[実施例]
次に、本発明の実施例について説明する。
≪乾燥圧縮強度試験結果:石膏硬化体密度と圧縮強度の関係調査≫
焼石膏200gに水150g、発泡剤を所定量混合してスラリーを調製した(混水量75重量%)。このスラリーを50mm×50mm×50mmの型枠に装填し、硬化させた後、脱型して、40℃で恒量になるまで乾燥し、硬化体を得た。この硬化体を、オートグラフ(島津製作所社製、商品名、型番AG-10TE)に供し、荷重速度1mm/minで荷重して、硬化体が座屈したときの荷重値を硬化体面積で除した値を圧縮強度(N/mm2)とした。ナフタレンスルホン酸系減水剤は焼石膏に対して0.2重量%で添加されている。焼石膏に関しては、原料石膏が化学石膏100%、再生石膏100%、再生石膏50%+排脱石膏50%のものを試験した。この結果を表1及び図1に示す。また、再生石膏100%における粉末度はJIS R 5201セメント物理試験方法 粉末度試験:ブレーン空気透過装置で5000〜6000cm2/g(0.5〜0.6m2/g)となっていた。なお、混水量が80重量%を超えて例えば90重量%のような量になると、乾燥させるための時間及びコストがかかることも鑑み、混水量を75重量%としている。混水量は80重量%以下であることが好ましく、75重量%以下であることがより好ましい。
表1の再生石膏とは石膏原料のうちの100%が再生石膏からなるものである。再生石膏を使用した場合、発泡剤の添加率を増加させて比重を小さくするにしたがい、化学石膏と比較して圧縮強度が高くなる傾向にあった。これは発泡剤が増加した場合には、減水剤(ナフタレンスルホン酸系)の影響によって泡同士の結合が促進されるためと考えられる。
図1に示すように、再生石膏では
y(圧縮強度)=14.98x(比重)−4.8113(式1)
となり、
排脱石膏では、
y(圧縮強度)=17.46x(比重)−7.1461(式2)
となった。
これらの連立方程式を解くと、比重が0.94以下のときに再生石膏での圧縮強度が排脱石膏における圧縮強度よりも大きくなることから、比重0.94は技術的に意味のある数値である。つまり、比重0.94以下の場合には、再生石膏を用いた場合において、排脱石膏を用いた場合と比較して圧縮強度を高くすることができる。なお、再生石膏を用いる場合には、比重が0.75以下となっている場合には、比較的高い圧縮強度で軽量化を図ることができる点で優れている。このような比重を実現するためには、石膏原料のうち再生石膏を70重量%以上含有する態様において、発泡剤は0.025重量%以上含有されてもよい。表1の結果からも理解できるように、石膏ボードを軽量化するに際し、本態様によれば、後述する減水剤の量を減らすことができるだけではなく発泡剤の量を減らすことができる点でも有益である。また、単に石膏ボードを軽量化できるだけではなく、バージンの石膏ボードと比較して圧縮強度を高めることができる点でも有益である。
図2に示すSEM画像は比較例4に関するものであり、石膏原料の100%が排煙脱硫石膏(碧南火力4号品)からなるものである。図3に示すSEM画像は実施例4に関するものであり、石膏原料の100%が再生石膏からなるものである。
<<ナフタレンスルホン酸系減水剤添加率と泡径の関係>>
焼石膏200gに水150g、発泡剤0.043重量%(対焼石膏重量%)、ナフタレンスルホン酸系減水剤を所定量混合してスラリーを調製した(混水量75重量%)。このスラリーを50mm×50mm×50mmの型枠に装填し、硬化させた後、脱型して、40℃で恒量になるまで乾燥し、硬化体を得た。乾燥後、この硬化体断面をSEMにて観察し、泡の平均直径を算出した。なお、焼石膏に関しては、原料石膏が化学石膏100%、再生石膏100%、再生石膏50重量%+排脱石膏50重量%のものを試験した。この結果を表2に示す。
石膏原料の100%が化学石膏からなる態様において、ナフタレンスルホン酸系減水剤添加率と泡径との関係を調べた。図4乃至図9の各々は比較例10乃至15に対応している。このようにナフタレンスルホン酸系減水剤を0.5重量%程度添加した場合に気泡の平均粒径が最も大きくなり、ナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量が0.5重量%より少ないと気泡の平均粒径が小さくなり、同様に、ナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量が0.5重量%より多いと気泡の平均粒径が小さくなった。ナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量を増やした場合にも気泡の平均粒径が小さくなるのは、ナフタレンスルホン酸系減水剤が気泡同士の結合を促進させるためであると考えられる。
図10乃至図16の各々は実施例5、6、8乃至12に対応している。ナフタレンスルホン酸系減水剤を0.3重量%程度添加した場合に気泡の平均粒径が最も大きくなり、ナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量が0.3重量%より少ないと気泡の平均粒径が小さくなり、同様に、ナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量が0.3重量%より多いと気泡の平均粒径が小さくなった。表2で示すように、ナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量を0.30%以上0.40%以下とした場合には、少ないナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量で泡の平均直径を500μm以上として、大きくすることができる点で有益である。
図17及び図18の各々は比較例16及び17に対応している。再生石膏と化学石膏との比率を50重量%ずつとした場合には、ナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量を0.30%としても359μmの平均直径からなる気泡を有する態様しか実現できなかった。
また、含有される水の量を多くしてスラリーの流動性を高めても気泡の結合が促進されないことを確認できた。つまり、図19は化学石膏100%において、発泡剤0.043重量%及びナフタレンスルホン酸系減水剤0.2重量%を添加した状態で混水量を80重量%にしたものであるが、気泡の平均粒径は210μmとなり、気泡の平均粒径は大きくならなかった。このためナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量を調整することで気泡の平均粒径を大きくできるのは流動性が高まったことによるものではなく、ナフタレンスルホン酸系減水剤そのものの効果によるものと考えられる。
≪石膏スラリーの流動性試験結果≫
焼石膏200gに水132gを混合してスラリーを調製した。このスラリーをφ50mm×高さ50mmの型枠に装填し、すぐに型枠を引き上げ、広がったスラリーの直径を測定した。その結果を表3に示す。
再生石膏の方が化学石膏と比較して流動性が高いことを確認できた。再生石膏において流動性が高いのは、原料石膏中に含まれるナフタレンスルホン酸系減水剤の影響と思われる。
<<ポリカルボン酸系減水剤添加率と泡径の関係(再生石膏100%使用石膏)>>
減水剤としてはナフタレンスルホン酸系減水剤以外のものを用いることもでき、例えばポリカルボン酸系減水剤を用いることもできる。焼石膏200gに水150g、発泡剤0.043重量%(対焼石膏重量%)、ポリカルボン酸系減水剤を所定量混合してスラリーを調製した(混水量75重量%)。このスラリーを50mm×50mm×50mmの型枠に装填し、硬化させた後、脱型して、40℃で恒量になるまで乾燥し、硬化体を得た。乾燥後、この硬化体断面をSEMにて観察し、泡の平均直径を算出した。なお、焼石膏に関しては、原料石膏が再生石膏100%のものを試験した。その結果を表4に示す。また、図20乃至図22の各々は実施例14乃至16に対応している。
このように減水剤としてポリカルボン酸系減水剤を用いた場合には0.10重量%というわずかな添加量で泡の平均直径を500μm以上と大きくすることができ、軽量化の観点からはより小量な減水剤の添加量で足りることを確認できた。但し、ポリカルボン酸系減水剤はナフタレンスルホン酸系減水剤と比較すると価格が高いことから、添加する量が減るとはいえ、コストの観点だけを考慮すると、ナフタレンスルホン酸系減水剤を用いた方が有益ではある。
≪再生石膏の粉砕度試験≫
焼石膏2.0kgを所定時間ボールミルで粉砕。時間毎にサンプリングし、JIS R 5201 セメントの物理試験方法 粉末度試験;ブレーン空気透過装置で測定した。その結果を表6に示す。表6及び図23で示すように再生石膏の方が化学石膏よりも粉砕されやすいことを理解できる。一般に粒子を粉砕していくと、石膏中に吸着している水分子が粒子同士の凝集をさせることで徐々に粉砕されにくくなる。再生石膏において粉砕されやすくなるのは、再生石膏では粒子が界面活性剤で被覆されることとなり、この結果、凝集を抑制させていることが考えられる。
実施例では用いていないが、前述したように本実施の形態では、でんぷん等のバインダーが含まれてもよい。酸化でんぷんや酸処理でんぷん等のバインダーを用いることで、例えば紙と石膏とを効率よく接着させることができるためである。
上述した実施の形態及び実施例の記載は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎない。また、出願当初の特許請求の範囲の記載は本件特許明細書の範囲内で適宜変更することもでき、その範囲を拡張及び変更することもできる。
しかしながら、このように水の含有量を増加させる結果、廃材石膏を用いて製造された石膏ボードはその強度が不足することが多い。石膏原料に含まれる廃材石膏の量が増加すればするほど、このような強度不足の問題が顕著となり、石膏原料が廃材石膏からなる場合(100%の廃材石膏を利用する場合)には実際に石膏ボードとして利用するうえでは大きな問題となり得る。

Claims (12)

  1. 再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料、前記石膏原料に対して0.1重量%〜1.0重量%の減水剤、前記石膏原料に対して0.01重量%〜0.10重量%の発泡剤及び水を混合してスラリーを調整する工程と、
    前記スラリーを硬化させる工程と、
    を備え、
    前記石膏原料は、スラリーの全量から水の含有量を除外した量の90重量%以上である、石膏ボードの製造方法。
  2. 前記スラリーを調整する工程で混合される前記減水剤は、前記石膏原料に対して0.4重量%以下で混合される請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  3. 前記スラリーを調整する工程で混合される発泡剤は、前記石膏原料に対して0.025重量%以上で混合される請求項1又は2のいずれかに記載される石膏ボードの製造方法。
  4. 前記スラリーを調整する工程で混合される前記石膏原料は、前記スラリーの全量から前記水の含有量を除外した量の98重量%以上で混合される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の石膏ボードの製造方法。
  5. 前記石膏原料は再生石膏を90重量%以上含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の石膏ボードの製造方法。
  6. 前記減水剤は有効成分としてナフタレンスルホン酸系減水剤又はポリカルボン酸系減水剤を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の石膏ボードの製造方法。
  7. 前記減水剤は有効成分としてナフタレンスルホン酸系減水剤を含有し、
    前記減水剤は前記石膏原料に対して0.3重量%以上0.4重量%以下で混合される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の石膏ボードの製造方法。
  8. 前記減水剤は有効成分としてポリカルボン酸系減水剤を含有し、
    前記減水剤は前記石膏原料に対して0.1重量%以上0.2重量%以下で混合される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の石膏ボードの製造方法。
  9. 前記石膏ボードの比重が0.3以上0.7以下である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の石膏ボードの製造方法。
  10. 混水量が80重量%以下である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の石膏ボードの製造方法。
  11. 再生石膏を70重量%以上含有する石膏原料を含み、
    平均粒径が400μm以上の気泡を含有し、
    圧縮強度が2.5N/mm2以上である、石膏ボード。
  12. 前記石膏原料は再生石膏を90重量%以上含有し、
    前記気泡の平均粒径が500μm以上となる、請求項11に記載の石膏ボード。
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