JP2012091962A - 軽量気泡コンクリートパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】150mm以上の厚いALCパネルの製造方法においてオートクレーブ養生中に発生するクラックを防止する。
【解決手段】厚さ150mmを超えるALCパネルの製造において、100〜250μmにピーク粒径をもつ粗粒アルミニウム粉末を発泡剤として使用し、鋳込んで120分経過後の生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とする。
【選択図】なし
【解決手段】厚さ150mmを超えるALCパネルの製造において、100〜250μmにピーク粒径をもつ粗粒アルミニウム粉末を発泡剤として使用し、鋳込んで120分経過後の生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、建築物の壁、屋根、床などに使用される軽量気泡コンクリート(ALC)パネルの製造方法に関するものである。
軽量気泡コンクリート(ALC)パネルは、内部に気泡と細孔を含む絶乾かさ比重が0.5程度と非常に軽量でありながら、強度も比較的高いという優れた性質を持つ。ALCパネル内部には補強用の鉄筋が埋設されている。ALCパネル厚さは100mmが標準的であり、75〜125mmが主流で、37〜50mmの住宅用の薄型パネルや150mm以上の厚いALCパネルもある。
一般にALCは、珪石や珪砂などの珪酸質原料と、セメント、生石灰などの石灰質原料とを主原料とし、これに石膏、炭酸カルシウム、繰り返し原料や界面活性剤などの添加物と、適量の水と発泡剤であるアルミニウム粉末を加えて造られる。全原料を一つの鋳込ミキサーで攪拌混合し、混錬により生成されたスラリーは、アルミニウム粉末との反応で水素ガスが発生し、気泡安定剤により球状の気泡として安定化され体積膨張する。セメントおよび生石灰が原料スラリー中の水を取り込み、水和物を生成することによって、流動性のあるスラリーから流動性が無い半硬化体へと硬化して生ケーキとなる。生ケーキとなった後、180℃、10気圧のオートクレーブにおいて6時間高温高圧水蒸気養生される。この養生過程において珪石等の珪酸質原料とセメントや生石灰等の石灰質原料から、珪酸カルシウム水和物のトバモライトが生成され、強度物性を付与している。
一般にALCは、珪石や珪砂などの珪酸質原料と、セメント、生石灰などの石灰質原料とを主原料とし、これに石膏、炭酸カルシウム、繰り返し原料や界面活性剤などの添加物と、適量の水と発泡剤であるアルミニウム粉末を加えて造られる。全原料を一つの鋳込ミキサーで攪拌混合し、混錬により生成されたスラリーは、アルミニウム粉末との反応で水素ガスが発生し、気泡安定剤により球状の気泡として安定化され体積膨張する。セメントおよび生石灰が原料スラリー中の水を取り込み、水和物を生成することによって、流動性のあるスラリーから流動性が無い半硬化体へと硬化して生ケーキとなる。生ケーキとなった後、180℃、10気圧のオートクレーブにおいて6時間高温高圧水蒸気養生される。この養生過程において珪石等の珪酸質原料とセメントや生石灰等の石灰質原料から、珪酸カルシウム水和物のトバモライトが生成され、強度物性を付与している。
ここで発泡剤として使用されるアルミニウム粉末には、過去には比表面積が5.0〜6.0m2/gで、かつ90μm篩上残分が10重量%以下、45μm篩上残分が55重量%以下のアルミニウム粉末が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このアルミニウム粉末を使用して水素ガス発生開始時間をアルミニウム粉末の添加から1〜5分とすることで、補強鉄筋の上部に空洞状のクラックがないALCパネルを得ることができるとされている。
このアルミニウム粉末を使用して水素ガス発生開始時間をアルミニウム粉末の添加から1〜5分とすることで、補強鉄筋の上部に空洞状のクラックがないALCパネルを得ることができるとされている。
また、45μmの篩通過分が65重量%未満であるアルミニウム粉末(例えば、特許文献2参照。)や、44μm篩通過分が50〜65重量%で、且つ比表面積が5.0〜6.5m2/gであり、好ましくは水面被覆面積が4500〜5000cm2/gのアルミニウム粉末などが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献2に開示されたアルミニウム粉末を使用すれば、ALCパネルの底面付近の層状はく離を防止でき、特許文献3に開示されたアルミニウム粉末を使用すれば、簡単な方法で水素ガスによる発泡過程での空洞の発生を抑制することができ、表面に空洞がなく外観的に優れると共に、内部の空洞も少なくて経年使用でのヒビ割れなどを防止することができるとされている。
特許文献2に開示されたアルミニウム粉末を使用すれば、ALCパネルの底面付近の層状はく離を防止でき、特許文献3に開示されたアルミニウム粉末を使用すれば、簡単な方法で水素ガスによる発泡過程での空洞の発生を抑制することができ、表面に空洞がなく外観的に優れると共に、内部の空洞も少なくて経年使用でのヒビ割れなどを防止することができるとされている。
150mm以上の厚いALCパネルではオートクレーブ養生中にクラックが発生する問題あった。ブロックの内外圧力差が原因と考えられるが、厚さ150mmを超えるALCパネルのクラックを抑制するALCパネルの製造方法はまだ知られていない。
本発明はオートクレーブ養生中に発生するクラックの発生を抑える手段を提供することを目的とする。
本発明はオートクレーブ養生中に発生するクラックの発生を抑える手段を提供することを目的とする。
生ケーキの高さ方向の収縮が大きいことがクラック抑制に効果的であると考えられるが、生ケーキの高さ方向に収縮する割合を調整し、オートクレーブ養生中に発生するクラックの発生を抑える手段はまだ知られていない。
本発明者は、粒度の粗いアルミニウム粉末を原料とすることが有効であり、生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とすることで、オートクレーブ養生中に発生するクラックの発生を抑えることが出来ることを見出した。生ケーキの高さ方向の収縮は余分なアルミニウム粉末発泡力の放出である。生ケーキの高さ方向の収縮が大きい場合は、生ケーキに微細な縦方向の連通孔ができ、通気性がよくなるためと思われる。
すなわち本発明では、硅酸質原料粉末、石灰質原料粉末、セメント、水を主原料とし、発泡剤としてアルミニウム粉末を添加し水蒸気養生するALCパネルの製造方法において、アルミニウム粉末として100〜250μmにピーク粒径をもつ粗い粒度のアルミニウム粉末を使用する。
本発明においては、該アルミニウム粉末の95μm篩上残量は10%未満であることが好ましい。
本発明者は、粒度の粗いアルミニウム粉末を原料とすることが有効であり、生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とすることで、オートクレーブ養生中に発生するクラックの発生を抑えることが出来ることを見出した。生ケーキの高さ方向の収縮は余分なアルミニウム粉末発泡力の放出である。生ケーキの高さ方向の収縮が大きい場合は、生ケーキに微細な縦方向の連通孔ができ、通気性がよくなるためと思われる。
すなわち本発明では、硅酸質原料粉末、石灰質原料粉末、セメント、水を主原料とし、発泡剤としてアルミニウム粉末を添加し水蒸気養生するALCパネルの製造方法において、アルミニウム粉末として100〜250μmにピーク粒径をもつ粗い粒度のアルミニウム粉末を使用する。
本発明においては、該アルミニウム粉末の95μm篩上残量は10%未満であることが好ましい。
さらに本発明は、上記に記載のアルミニウム粉末を使用して、軽量気泡コンクリートパネルを製造するにあたり、生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法である。
本発明はALCの製造方法に関するものであり、厚さ150mmを超えるALCパネルの製造において、100〜250μmにピーク粒径をもつ粗粒アルミニウム粉末を原料として、生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とすることで、ALCのオートクレーブ養生中に発生するクラックの発生を抑えることが出来るので、厚いALCパネルを確実に歩留まり良く得ることができる。
ALCパネルは、珪石、石灰質原料としての生石灰、セメント、繰り返し原料を混合し、これらの固体原料合計100重量部に対して水60重量部と発泡剤としてのアルミニウム粉末及び少量の界面活性剤を加え、混練してスラリーを作成して、該スラリーが石灰質原料の水和により硬化した後、180℃、10気圧のオートクレーブにおいて6時間程度高温高圧水蒸気養生を施して製造する。
ここで使用するアルミニウム粉末は、一般的にはたとえばアルミニウム箔をクラッシャーによりシュレッダー加工して平均粒径2〜3mmのチップ状に切り刻み、粉砕助剤として工業ガソリンであるミネラルスピリットを混合して粉砕機で粉砕した後、熱処理して粉砕助剤を分離する方法により行われている。
このようにして得られるアルミニウム粉末は、90μm篩上が10重量%以下、44μm篩下が50〜65重量%で、且つ比表面積が5.0〜6.5m2/gで、粒子の表面形状が滑らかなアルミニウム粉末である。このアルミニウム粉末の平均粒径(累積粒度分布50%となる粒径)は、100μm未満の35〜60μmである。
このようにして得られるアルミニウム粉末は、90μm篩上が10重量%以下、44μm篩下が50〜65重量%で、且つ比表面積が5.0〜6.5m2/gで、粒子の表面形状が滑らかなアルミニウム粉末である。このアルミニウム粉末の平均粒径(累積粒度分布50%となる粒径)は、100μm未満の35〜60μmである。
厚さ37〜50mmの住宅用の薄型パネルや、厚さ75〜125mmの通常のALCパネルでは欠陥の無い健全なALCパネルが得られるが、厚さ150mmを超えるALCパネルになると、オートクレーブ養生中にクラックが発生するようになる。
原料に水を加えて混練されたスラリーは、アルミニウム粉末との反応で水素ガスを発生し、気泡安定剤により球状の気泡となって安定化し体積膨張する。
アルミニウム粉末から発生する気泡は、直径約0.3mm以下の微細なものとなっているが、150mm以上の厚いパネルではブロックの内外圧力差が原因で気泡が大きく成長できないので、内部歪みが蓄積するためにクラックが発生するものと考えられる。
原料に水を加えて混練されたスラリーは、アルミニウム粉末との反応で水素ガスを発生し、気泡安定剤により球状の気泡となって安定化し体積膨張する。
アルミニウム粉末から発生する気泡は、直径約0.3mm以下の微細なものとなっているが、150mm以上の厚いパネルではブロックの内外圧力差が原因で気泡が大きく成長できないので、内部歪みが蓄積するためにクラックが発生するものと考えられる。
クラックの発生は生ケーキの高さ方向の収縮により予見することができる。生ケーキの高さ方向の収縮は、余分なアルミニウム粉末による発泡力の放出であり、生ケーキの高さ方向の収縮が大きい場合は、生ケーキに微細な縦方向の連通孔があり、通気性がよくなるものと思われる。縦方向の連通孔ができればそこで歪みが解放されるため、オートクレーブ養生中のクラック発生が抑制されることになる。
そこで生ケーキの高さ方向の収縮要因について種々検討した結果、発泡剤として使用するアルミニウム粉末の粒度が大きく影響していることを突き止めた。
すなわち、オートクレーブ養生中のクラック発生を抑制するには、粒度の粗いアルミニウム粉末を原料とすることが有効であることを見いだして本発明に至った。
従来のアルミニウム粉末のピーク粒径(粒度分布曲線の頂点が位置する粒径)は、100μm未満(たとえば、35〜60μm)であるのに対して、本発明ではピーク粒径が100〜250μmの粗粒アルミニウム粉末を原料として使用する。
すなわち、オートクレーブ養生中のクラック発生を抑制するには、粒度の粗いアルミニウム粉末を原料とすることが有効であることを見いだして本発明に至った。
従来のアルミニウム粉末のピーク粒径(粒度分布曲線の頂点が位置する粒径)は、100μm未満(たとえば、35〜60μm)であるのに対して、本発明ではピーク粒径が100〜250μmの粗粒アルミニウム粉末を原料として使用する。
ピーク粒径が100〜250μmの粗粒アルミニウム粉末を発泡剤として使用すれば、ALCパネルの製造行程で生ケーキの高さ方向に収縮する割合が5%以上となり、オートクレーブ養生中のクラック発生を抑制することができる。
100〜250μmにピーク粒径を有する粗粒アルミニウム粉末は、95μm篩上残量が10%未満であることが好ましい。
スラリーとアルミニウム粉末との反応を促進させ、細かく均一な水素ガス気泡の発生を促進させるためである。
このような粗粒アルミニウム粉末は湿式粉砕工程で、粉砕媒体と原料アルミニウム粉との混合割合、粉砕ミルの回転速度、粉砕時間等を調節して粗めの粉砕をすることにより得られる。
100〜250μmにピーク粒径を有する粗粒アルミニウム粉末は、95μm篩上残量が10%未満であることが好ましい。
スラリーとアルミニウム粉末との反応を促進させ、細かく均一な水素ガス気泡の発生を促進させるためである。
このような粗粒アルミニウム粉末は湿式粉砕工程で、粉砕媒体と原料アルミニウム粉との混合割合、粉砕ミルの回転速度、粉砕時間等を調節して粗めの粉砕をすることにより得られる。
ここで、生ケーキの高さ方向の収縮割合とは、生ケーキの最大発泡高さから鋳込後120分経過した時点の生ケーキの発泡高さの差の割合のことである。計算式を下記(1)式に示す。
(生ケーキの最大発泡高さ−鋳込後120分経過した時の生ケーキの発泡高さ)×100
(生ケーキの最大発泡高さ)
・・・・・(1)
上記(1)式で示される生ケーキの高さ方向の収縮割合が5%以上となれば、オートクレーブ養生中のクラック発生を抑制することができる。
(生ケーキの最大発泡高さ−鋳込後120分経過した時の生ケーキの発泡高さ)×100
(生ケーキの最大発泡高さ)
・・・・・(1)
上記(1)式で示される生ケーキの高さ方向の収縮割合が5%以上となれば、オートクレーブ養生中のクラック発生を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例により具体的に説明する。
珪石粉45重量部、石灰質原料として生石灰粉5重量部、セメント30重量部、繰り返し原料粉20重量部を混合し、これらの粉体原料の合計100重量部に水60重量部と、平均粒径76.7μm、ピーク粒径200μmのALC用アルミニウム粉末Aを0.06重量部、及び少量の界面活性剤を加えて、混練してスラリーを作成した。該スラリーが石灰質原料の水和により硬化した後、180℃、10気圧のオートクレーブにおいて6時間高温高圧水蒸気養生を施し、厚さ150mmのALCパネルを製造し、パネルの出来上がり状態を調べた。
さらに、平均粒径68.8μm、ピーク粒径110μmのALC用アルミニウム粉末B、平均粒径96.1μm、ピーク粒径244μmのALC用アルミニウム粉末Cを使用して同様に厚さ150mmのALCパネルを製造し、パネルの出来上がり状態を調べた。
ここで、アルミニウム粉末A、B、Cのピーク位置を示す粒度分布曲線を図2に、累積粒度分布曲線を図3に示す。
珪石粉45重量部、石灰質原料として生石灰粉5重量部、セメント30重量部、繰り返し原料粉20重量部を混合し、これらの粉体原料の合計100重量部に水60重量部と、平均粒径76.7μm、ピーク粒径200μmのALC用アルミニウム粉末Aを0.06重量部、及び少量の界面活性剤を加えて、混練してスラリーを作成した。該スラリーが石灰質原料の水和により硬化した後、180℃、10気圧のオートクレーブにおいて6時間高温高圧水蒸気養生を施し、厚さ150mmのALCパネルを製造し、パネルの出来上がり状態を調べた。
さらに、平均粒径68.8μm、ピーク粒径110μmのALC用アルミニウム粉末B、平均粒径96.1μm、ピーク粒径244μmのALC用アルミニウム粉末Cを使用して同様に厚さ150mmのALCパネルを製造し、パネルの出来上がり状態を調べた。
ここで、アルミニウム粉末A、B、Cのピーク位置を示す粒度分布曲線を図2に、累積粒度分布曲線を図3に示す。
比較のため発泡剤として平均粒径36.8μm、ピーク粒径52μmのALC用アルミニウム粉末D、平均粒径50.3μm、ピーク粒径65μmのALC用アルミニウム粉末E、平均粒径59.6μm、ピーク粒径85μmのALC用アルミニウム粉末F、及び平均粒径440μm、ピーク粒径400μmのALC用アルミニウム粉末Gを使用して、上記と同様にして厚さ150mmのALCパネルを製造し、パネルの出来上がり状態を調べた。
ここで、アルミニウム粉末D、E、F、Gのピーク位置を示す粒度分布曲線を図2に、累積粒度分布曲線を図3に併記して示す。
これらのALCパネルの製造工程で、生ケーキが高さ方向に発泡している状況をレーザー変位計にて測定し、鋳込み後120分間の発泡高さの変化の例を図1に示す。またレーザー変位計にて測定した鋳込み120分後の高さ方向の収縮率の結果及び得られたALCパネルのクラックの発生状態を、使用したアルミニウム粉末の粒径と共に表1に示す。
なお、ここで鋳込み120分後の高さ方向の収縮率は、前記の式(1)に従って算出したものである。
ここで、アルミニウム粉末D、E、F、Gのピーク位置を示す粒度分布曲線を図2に、累積粒度分布曲線を図3に併記して示す。
これらのALCパネルの製造工程で、生ケーキが高さ方向に発泡している状況をレーザー変位計にて測定し、鋳込み後120分間の発泡高さの変化の例を図1に示す。またレーザー変位計にて測定した鋳込み120分後の高さ方向の収縮率の結果及び得られたALCパネルのクラックの発生状態を、使用したアルミニウム粉末の粒径と共に表1に示す。
なお、ここで鋳込み120分後の高さ方向の収縮率は、前記の式(1)に従って算出したものである。
図1及び表1の結果から、粗いアルミニウム粉末A〜Cを発泡剤として使用した実施例1〜実施例3では、最大発泡高さは低いものの、鋳込120分後の発泡高さが低くなり、収縮率は5%以上に達する。
これに対して通常の細かいアルミニウム粉末D〜Fを発泡剤として使用した比較例1〜3では、最大発泡高さは高くなるものの鋳込120分後の発泡高さがあまり低くならず、収縮率は大きくても4.3%に留まる。
また、極端に粗いアルミニウム粉末Gを発泡剤として使用した比較例4では、生ケーキの高さ方向の収縮率は大きくなるものの、ALCの密度が384g/cm3とJIS規格(450g/cm3〜550g/cm3)外となり、ALCの特徴である軽量性が失われる(表1参照。)。このため、オートクレーブ養生中にクラックは発生しないものの、ALCパネルとしては不適当なものとなる。
これに対して通常の細かいアルミニウム粉末D〜Fを発泡剤として使用した比較例1〜3では、最大発泡高さは高くなるものの鋳込120分後の発泡高さがあまり低くならず、収縮率は大きくても4.3%に留まる。
また、極端に粗いアルミニウム粉末Gを発泡剤として使用した比較例4では、生ケーキの高さ方向の収縮率は大きくなるものの、ALCの密度が384g/cm3とJIS規格(450g/cm3〜550g/cm3)外となり、ALCの特徴である軽量性が失われる(表1参照。)。このため、オートクレーブ養生中にクラックは発生しないものの、ALCパネルとしては不適当なものとなる。
以上の通り、細かいアルミニウム粉末D〜Fを使用した比較例のパネルにはクラックが発生したが、100〜250μmにピーク粒径をもつ粗いアルミニウム粉末A〜Cを使用したパネルにはクラックは発生しなかった。よって、厚さ150mmを超えるALC製造において100〜250μmにピーク粒径をもつ粗粒アルミニウム粉末を原料として、生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とすることで、ALCのオートクレーブ養生中に発生するクラックの発生を抑えることが出来る。
本発明によれば、厚さ150mmを超えるALC製造においてクラックの発生を抑えることができるので、建築物の壁や屋根、床などに使用される厚板ALCパネルを安価に提供することが可能となる。
Claims (3)
- 硅酸質原料粉末、石灰質原料粉末、セメント、水を主原料とし、発泡剤としてアルミニウム粉末を添加し水蒸気養生するALCパネルの製造方法において、該アルミニウム粉末として100〜250μmにピーク粒径をもつ粗い粒度のアルミニウム粉末を使用することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
- 該アルミニウム粉末の95μm篩上残量が10%未満であることを特徴とする請求項1に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
- 鋳込んで120分経過後の生ケーキの高さ方向に収縮する割合を5%以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2016027238A (ja) * | 2014-07-01 | 2016-02-18 | 旭化成建材株式会社 | 軽量気泡コンクリートパネル |
CN110903047A (zh) * | 2019-12-17 | 2020-03-24 | 益阳宏伟有色金属有限公司 | 一种用油铝粉加工成的水性铝膏的制备方法 |
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