JP2015105197A - オートクレーブ養生軽量気泡コンクリートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート(ALC)を製造する際に、原料スラリーの型枠注入から切断成形が可能な半硬化体となるまでの時間を短縮し、高い生産性で効率良くALCを製造する方法を提供する。
【解決手段】 主原料である珪酸質原料と石灰質原料を含む固体原料の粉末に、水とアルミニウム粉末を加えてスラリーとし、型枠に注入して発泡させると共に半硬化させた後、オートクレーブで高温高圧水蒸気養生する軽量気泡コンクリートの製造方法において、フェロシリコン粉末を固体原料の合計重量に対して1〜5重量%添加する。
【選択図】 なし
【解決手段】 主原料である珪酸質原料と石灰質原料を含む固体原料の粉末に、水とアルミニウム粉末を加えてスラリーとし、型枠に注入して発泡させると共に半硬化させた後、オートクレーブで高温高圧水蒸気養生する軽量気泡コンクリートの製造方法において、フェロシリコン粉末を固体原料の合計重量に対して1〜5重量%添加する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、建築物の壁、屋根、床などに使用されるオートクレーブ養生軽量気泡コンクリートの製造方法に関する。
一般にオートクレーブ養生軽量気泡コンクリート(ALC)を製造するには、珪石等の珪酸質原料とセメントや生石灰等の石灰質原料とを主原料とし、これらの原料粉末に水とアルミニウム粉末等の発泡剤を加えてスラリーとする。この原料スラリーを型枠に注入し、アルミニウム粉末等の反応により発泡すると共に石灰質原料の反応により半硬化させ、得られた半硬化体をピアノ線で所定寸法に切断して成形した後、オートクレーブによる高温高圧水蒸気養生を行ってALCが製造されている。
このようにして製造されるALCは、アルミニウム粉末などの発泡剤の化学反応により発生した細かい気泡を内部に含むため、通常のコンクリートよりも軽量であると同時に、耐火性、断熱性、施工性に優れていることから、パネル状の建築材料として建築物の壁、屋根、床などに広く使用されている。しかし、近年においては、建築材料のコスト低減の要望に伴って、ALCについても更なる生産性の向上が求められている。
上記生産性向上の要望に対し、原料スラリーの型枠注入から切断成形が可能な半硬化体となるまでの時間を短縮する方法として、水和反応性の高いセメントや生石灰などの石灰質原料の配合割合を高めることが考えられる。しかしながら、石灰質原料の配合割合を通常の40重量%以上に高めることは、生産コストの上昇を招くうえ、原料のCa/Siモル比がトバモライトをうまく生成できない範囲となってしまう可能性がある。
また、特許文献1には、半硬化体となるまでの時間を短縮して生産性の向上を図るため、早強ポルトランドセメントと、珪酸質原料と、繰り返し原料とに水を加えた第1原料スラリーと、生石灰と石膏とに水を加えた第2原料スラリーとを、それぞれ単独のミキサーにて前水和した後、両者を混合してアルミニウム粉末を加えた原料スラリーを35〜50℃の鋳込温度で型枠に注入し、発泡硬化させる方法が記載されている。
この特許文献1に記載の方法によれば、補強鉄筋周囲での空洞の発生を無くすと同時に、型枠に注入した原料スラリーが半硬化するまでの時間を4時間程度又はそれ以下にすることができるとしている。しかし、第1原料スラリーと第2原料スラリーを別々に調製して前水和する必要があるなど、操作が複雑で面倒であるため、全体としてALCの生産性を向上することは難しく、望ましいコスト低下の達成には不十分であった。
本発明は、上記した従来の事情に鑑みてなされたものであり、オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート(ALC)を製造する際に、原料スラリーの型枠注入から切断成形が可能な半硬化体となるまでの時間を短縮し、高い生産性で効率良くALCを製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、原料スラリー中にフェロシリコンの粉末を所定量添加することによって、原料スラリーの型枠注入から切断成形が可能な半硬化体となるまでの時間(半硬化時間)を短縮できることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明が提供する軽量気泡コンクリートの製造方法は、主原料である珪酸質原料と石灰質原料を含む固体原料の粉末に、水と発泡剤を加えてスラリーとし、この原料スラリーを型枠に注入して発泡させると共に半硬化させた後、オートクレーブで高温高圧水蒸気養生する軽量気泡コンクリートの製造方法において、フェロシリコンの粉末を固体原料の合計重量に対して1〜5重量%添加することを特徴とする。
本発明によれば、オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート(ALC)を製造する際に、水和反応性の高いセメントや生石灰などの石灰質原料の配合割合を高めることなく、また従来の工程を実質的に変えることなく、原料スラリーの型枠注入から切断成形が可能な半硬化体となるまでの時間を短縮することができる。従って、ALCを高い生産性で効率良く製造することができるため、建築材料として広く使用されているALCのコスト削減を図ることができる。
オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート(ALC)は、内部に気泡あるいは細孔を含み、絶乾かさ比重が0.5程度と非常に軽量でありながら、強度が比較的高いという優れた性質を有している。このALCの強度発現に寄与するのが、オートクレーブによる高温高圧水蒸気養生であり、この養生過程において珪石等の珪酸質原料とセメントや生石灰等の石灰質原料から生成する珪酸カルシウム水和物のトバモライトである。
即ち、ALCの強度発現に寄与するトバモライトは、化学式では5CaO・6SiO2・5H2Oで表され、Ca/Siモル比の理論値は5/6=0.83である。オートクレーブ養生は珪石等の珪酸質原料のオートクレーブ中における溶解が律速する反応であり、その反応速度がトバモライトの生成に重要な影響を持つ。そのため、珪酸質原料と石灰質原料の配合が適切でないとトバモライトが良好に生成されないことから、従来からCa/Siモル比が通常0.4〜0.83の範囲となるように原料の配合割合が決定されている。
一方、ALCの工業生産では高い生産効率を求められることから、原料スラリーの型枠注入から半硬化体となるまでの時間を短縮するために、水和反応性の高いセメントや生石灰を石灰質原料として使用し、且つその配合割合は40重量%程度とされている。この石灰質原料の配合割合を増やすことによって、半硬化体となるまでの時間を一層短縮できると考えられる。しかし、石灰質原料の配合割合を増やすことは、更なる原料コストの上昇を招くうえ、トバモライトが良好に生成されないCa/Siモル比になってしまう可能性もある。
そこで、本発明においては、主原料である珪酸質原料と石灰質原料を含む固体原料の粉末に、水とアルミニウム粉末等の発泡剤を加えてスラリーとし、型枠に注入して発泡させると共に半硬化させた後、オートクレーブで高温高圧水蒸気養生する軽量気泡コンクリートの製造方法において、フェロシリコンの粉末を上記固体原料の合計重量に対し1〜5重量%の添加する。
この本発明による軽量気泡コンクリートの製造方法によれば、フェロシリコン粉末を添加することによって、石灰質原料を増量することなく、原料スラリーが半硬化体となるまでの時間を短縮することができる。本発明においてフェロシリコン粉末の添加より原料スラリーの半硬化時間が短縮される理由は明らかではないが、フェロシリコン粉末の粒度が細かいため、石灰質原料の水和反応における不均一な核生成を促進させる作用によるものではないかと考えられる。
上記フェロシリコンは珪素と鉄の合金であり、一般的に珪石と屑鉄及び還元剤のコークスを電気炉中で溶融して製造される。また、フェロシリコンの主な用途は、製鋼用脱酸剤、耐酸鋳鉄製造添加剤、鋳物製造の鋳型原料などである。本発明で用いるフェロシリコンの粉末は、原料スラリーの調製に用いる固体原料の粉末よりも細かい粒度とすること、具体的には平均粒径が2〜10μm程度であることが好ましい。
また、本発明において原料スラリーを調製する際に添加するフェロシリコンの粉末の量は、主原料である珪酸質原料と石灰質原料を含む固体原料の合計重量に対して1〜5重量%の範囲とする。上記フェロシリコン粉末の添加量が主原料である珪酸質原料と石灰質原料を含む固体原料の合計重量に対して1重量%未満では、原料スラリーが半硬化体となるまでの時間を短縮することができず、逆に5重量%を超えるとALCが濃いグレーに着色されるため避けるべきである。
尚、本発明によるオートクレーブ養生軽量気泡コンクリート(ALC)の製造方法においては、上記したように原料スラリーの調製の際にフェロシリコンの粉末を固体原料の合計重量に対して1〜5重量%添加すること以外は、一般的に行われているALCの製造方法に従って実施することができる。
珪酸質原料として予めボールミルにて粉砕し、比表面積3000ブレーンに粒度を調整した珪石を使用し、石灰質原料として生石灰、普通ポルトランドセメント及び繰り返し原料を使用した。また、フェロシリコン粉末として東洋電化工業(株)製のフェロシリコンパウダー2号(商品名;45μmアンダー)を用い、発泡剤としてはアルミニウム粉末を使用した。
まず、従来例である試料1として、珪石45重量部と、生石灰5重量部と、普通ポルトランドセメント30重量部、及び繰り返し原料20重量部を混合し、これら固体原料の合計100重量部に対して水60重量部と少量のアルミニウム粉末及び界面活性剤を加え、混練して原料スラリーを作製した。
また、試料2〜5においては、上記フェロシリコン粉末を、固体原料の合計100重量部に対して1重量部(試料2)、3重量部(試料3)、5重量部(試料4)及び7重量部(試料5)だけ加え、それぞれ繰り返し原料を同量減じた以外は上記試料1の場合と同様にして、それぞれ原料スラリーを作製した。
得られた試料1〜5の各原料スラリーは、それぞれ45℃に調整して型枠に注入し、発泡させると共に半硬化させた。半硬化途中における硬化促進度を評価するため、一定時間ごとにプッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング(株)製)で表面硬度を測定し、ピアノ線での切断による成形が可能な半硬化状態に達したと判断できる表面硬度0.2N/mm2に達するまでの時間(半硬化時間)を調べた。
試料1〜5の各原料スラリーの半硬化が完了した後、ピアノ線により所定のパネル寸法に切断して成形し、オートクレーブによる高温高圧水蒸気養生を行った。オートクレーブによる高温高圧水蒸気養生の終了後、得られた試料1〜5の各ALCパネルについて、表面の色を観察すると共に、圧縮強度(JIS A5416)を測定した。得られた結果を、固体原料の合計重量に対するフェロシリコン粉末の添加量と共に、下記表1にまとめて示した。
上記表1において、試料1は従来例のALCパネルであり、フェロシリコン粉末を添加していない一般的な原料配合により製造されている。一方、試料2〜5はフェロシリコン粉末を添加して製造され、そのうち試料2〜4は本発明によるALCパネルであって、試料5はフェロシリコン粉末の添加量が5重量%を超える比較例のALCパネルである。
具体的には、本発明による試料2(フェロシリコン粉末添加量1重量%)のALCパネルは、半硬化時間が従来例の試料1に比べて15分短縮され、パネルの色及び圧縮強度ともに良好であった。試料3(フェロシリコン粉末添加量3重量%)のALCパネルは、半硬化時間が従来例の試料1に比べて40分短縮され、パネルの色は薄いグレーになったが問題ないレベルであり、圧縮強度も良好であった。また、試料4(フェロシリコン粉末添加量5重量%)のALCパネルは、半硬化時間が従来例の試料1に比べて1時間短縮され、パネルの色は薄いグレーになったが問題ないレベルであり、圧縮強度も問題なかった。
比較例である試料5(フェロシリコン粉末添加量7重量%)のALCパネルは、半硬化時間は上記試料4と同じであり、試料4に対してフェロシリコン粉末の更なる増量による効果は得られなかった。また、パネルの色は濃いグレーとなり、製品として販売するには問題があるレベルであった。
以上に示したように、フェロシリコン粉末を固体原料の合計重量に対し1〜5重量%添加することによって、水和反応性の高い石灰質原料の配合割合を増やすことなく、石灰質原料の水和反応により原料スラリーがピアノ線での切断成形が可能な半硬化状態になるまでの時間を短縮することができる。
Claims (1)
- 主原料である珪酸質原料と石灰質原料を含む固体原料の粉末に、水と発泡剤を加えてスラリーとし、この原料スラリーを型枠に注入して発泡させると共に半硬化させた後、オートクレーブで高温高圧水蒸気養生する軽量気泡コンクリートの製造方法において、フェロシリコンの粉末を固体原料の合計重量に対して1〜5重量%添加することを特徴とする軽量気泡コンクリートの製造方法。
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JP2013247409A JP2015105197A (ja) | 2013-11-29 | 2013-11-29 | オートクレーブ養生軽量気泡コンクリートの製造方法 |
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CN110054450A (zh) * | 2019-03-28 | 2019-07-26 | 东南大学 | 一种轻质泡沫混凝土内隔墙板 |
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