JP6613552B2 - 超解像観察装置及び超解像観察方法 - Google Patents

超解像観察装置及び超解像観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6613552B2
JP6613552B2 JP2014169493A JP2014169493A JP6613552B2 JP 6613552 B2 JP6613552 B2 JP 6613552B2 JP 2014169493 A JP2014169493 A JP 2014169493A JP 2014169493 A JP2014169493 A JP 2014169493A JP 6613552 B2 JP6613552 B2 JP 6613552B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
excitation light
super
frequency
resolution observation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014169493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015072462A (ja
Inventor
文宏 嶽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2014169493A priority Critical patent/JP6613552B2/ja
Publication of JP2015072462A publication Critical patent/JP2015072462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6613552B2 publication Critical patent/JP6613552B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Description

本発明は、超解像観察装置及び超解像観察方法に関する。
光学系の解像限界を超えた解像度で標本を観察する超解像光学顕微鏡の一種に、誘導放出過程を利用したSTED(STED:Stimulated Emission Depletion)顕微鏡がある。
STED顕微鏡は、励起光の照射領域と誘導光(STED光)の照射領域とを標本上で部分的に重複させ、励起光の照射領域のうちSTED光の照射されていない領域で発生した蛍光のみを検出対象とすることで超解像を実現している。
特に、特許文献1に記載のSTED顕微鏡は、励起光の単体に起因して生じた蛍光をSTED光の単体に起因して生じた蛍光から分離して検出するために、励起光の強度を時間方向にかけて変調すると共に、標本で発生した蛍光のうち励起光と同じ周波数で変化する成分のみをロックイン検出している。これによって解像度を高く維持することができる。
因みに、特許文献1に記載のSTED顕微鏡のように、励起光の単体に起因して生じた蛍光をSTED光の単体に起因して生じた蛍光から分離できる場合、STED光の光周波数に関する自由度が高まるという利点もある。例えば、STED光の光周波数を高めに設定することにより、誘導放出効率を維持しながらSTED光の照射強度を抑え、標本に含まれる細胞のダメージを軽減することもできる。
米国特許第8399857号明細書
本発明の目的は、STED顕微鏡の更なる性能向上にある。
本発明を例示する超解像観察装置は、物体に含まれる物質をn(nは2以上の整数)光子励起するための励起光を前記物体に向けて集光し、励起中の前記物質を誘導放出するための誘導光を、前記励起光の集光領域と部分的に重複する領域に向けて集光する照明光学系と、前記物体へ向かう前記励起光の特性を時間方向にかけて変調する変調部と、前記物体が発する蛍光を検出する光検出部と、前記光検出部が検出する蛍光から前記変調の周波数のN(但し、Nは1〜nの整数)倍周波数で時間変化する第1〜第n成分の各々抽出することにより、前記光検出部が検出する蛍光から前記励起光の照射により生じる蛍光を抽出する検出部とを備える。
本発明を例示する超解像観察方法は、物体に含まれる物質をn(nは2以上の整数)光子励起するための励起光を前記物体に向けて集光、励起中の前記物質を誘導放出するための誘導光を、前記励起光の集光領域と部分的に重複する領域に向けて集光する照明手順と、前記物体へ向かう前記励起光の特性を時間方向にかけて変調する変調手順と、前記物体が発する蛍光を検出する光検出手順と、前記光検出手順により検出する蛍光から前記変調の周波数のN(但し、Nは1〜nの整数)倍周波数で時間変化する第1〜第n成分の各々抽出することにより、前記光検出手順により検出する蛍光から前記励起光の照射により生じる蛍光を抽出する検出手順とを備える。
本発明によれば、STED顕微鏡の更なる性能向上が可能である。
第1実施形態のSTED顕微鏡の構成図である。 標本20における励起光及びSTED光のPSFを示す図である。 励起光源111から射出する励起光強度の時間変化波形、STED光源112から射出するSTED光強度の時間変化波形を説明する図である。 標本20に入射する励起光強度の時間変化波形、標本20に入射するSTED光強度の時間変化波形を説明する図である。 時間変化波形の別の例(パルス変調)を説明する図である。 時間変化波形の更に別の例(連続波)を説明する図である。 第3実施形態のSTED顕微鏡の構成図である。 第3実施形態における励起光のPSF変調を説明する図である。 第4実施形態のSTED顕微鏡の構成図である。 第4実施形態における励起光強度及びSTED光強度の時間変化波形を説明する図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態としてSTED顕微鏡を説明する。
図1は、本実施形態におけるSTED顕微鏡の構成図である。図1に示すとおりSTED顕微鏡には、励起光源111と、STED光源112と、レンズ121、122と、ミラーM1、M2、M3、M4、M5と、強度変調器131と、変調器駆動回路132と、位相板14と、ダイクロイックミラー151、152と、光スキャナ17と、1/4波長板18と、対物レンズ19と、標本20と、フィルタ21と、レンズ22と、光検出器23と、光路長調整機構29と、制御装置30と、パーソナルコンピュータなどの演算装置40とが配置される。
このうち制御装置30には、信号発生器(FG:Function Generator)24、周波数混合器(MIXER)25、バンドパスフィルタ(BPF:Band-Pass Filter)26、ロックインアンプ(LIA:Lock-In Amplifier)27などが配置され、光スキャナ17には、可動式の主走査ミラー171、可動式の副走査ミラー172などが配置され、光路長調整機構29には、可動のミラーM2、M3などが配置される。以上のSTED顕微鏡における観察対象は、標本20である。
標本20は、例えば培養液と共に培養容器に収容された生体細胞であり、この生体細胞の特定の部位は蛍光物質(蛍光色素)で予め染色されている。この蛍光物質の電子を1光子吸収過程により励起準位へ励起するための励起光の光周波数をωex’とおくと、この蛍光物質の電子を2光子吸収過程(3次非線形光学効果の一種)により励起準位へ励起するための励起光の光周波数ωexは、ωex=ωex’/2で表される。光周波数ωexを波長に換算すると、800nm〜1200nmの範囲内の何れかの値、例えば1060nmである。また、励起中の電子を誘導放出過程により基底準位へ移行させるための誘導光(後述するSTED光)の光周波数をωSTとおくと、光周波数ωSTは、蛍光物質から発せられる蛍光の光周波数帯域内の何れかの値であればよい。光周波数ωSTを波長に換算すると、例えば660nmである。なお、光周波数ωex’、ωST、ωexにはωex’>ωST>ωexの関係が成り立つ。
以下、STED顕微鏡の基本動作を説明する。
先ず、励起光源111から射出した光(励起光)は、レンズ121により平行光束となり、強度変調器131を介してダイクロイックミラー151へ向かい、ダイクロイックミラー151を透過する。
一方、STED光源112から射出した光(STED光)は、レンズ122により平行光束となり、ミラーM1、M2、M3、M4を順に反射してから位相板14を通過し、ミラーM5を反射する。ミラーM5を反射したSTED光は、ダイクロイックミラー151を反射し、ダイクロイックミラー151を透過した励起光と合波(光路が統合)される。
合波された励起光及びSTED光は、ダイクロイックミラー152を透過した後、主走査ミラー171、副走査ミラー172を順に反射すると、1/4波長板18を介して対物レンズ19の瞳側へ入射する。瞳側から対物レンズ19へ入射した励起光及びSTED光は、対物レンズ19の先端から射出すると、標本20において集光する。
標本20に向かう励起光及びSTED光の偏光状態は、1/4波長板18の通過により、直線偏光から円偏光へと変換されているので、標本20における励起光及びSTED光のPSF(点像分布関数)からは偏光依存性が排除されている。よって、標本20に励起光及びSTED光が形成する光スポットの状態は、光軸の周りに等方的(光軸に関して回転対称)である。なお、光スポットの詳細は、後述する。
標本20の光スポットでは、蛍光が発生する。この蛍光は、先端側から対物レンズ19へ入射すると、対物レンズ19の瞳側から平行光束となって射出し、1/4波長板18、副走査ミラー172、主走査ミラー171を順に介してダイクロイックミラー152へ入射する。
ダイクロイックミラー152へ入射した蛍光は、ダイクロイックミラー152を反射すると、フィルタ21、レンズ22を順に介して光検出器23へ入射し、光検出器23において電気信号に変換される。なお、フィルタ21には、励起光と同じ波長の光をカットし、かつ、STED光と同じ波長の光をカットし、かつ、蛍光と同じ波長帯域の光の大部分を透過するような特性が付与されている。
光検出器23は、フォトダイオードや光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)などで構成され、入射した蛍光の強度に応じて電気信号を生成し、その電気信号を制御装置30のロックインアンプ27へ与える。
ロックインアンプ27は、与えられた電気信号から必要な信号成分をロックイン検出(同期検波)すると、その信号成分を演算装置40へ与える。なお、ロックイン検出の詳細は、後述する。
光スキャナ17は、主走査ミラー171及び副走査ミラー172により光の進行方向を制御するガルバノメータスキャナなどの光スキャナである。制御装置30から与えられる駆動信号に応じて光スキャナ17が主走査ミラー171及び副走査ミラー172を適切なパターンで姿勢変化させると、対物レンズ19の光軸と垂直な面方向にかけて光スポットが標本20を二次元走査する。よって、二次元走査中にロックインアンプ27が順次に検出した信号成分は、対物レンズ19の焦点面における蛍光強度分布を表す。なお、光スキャナ171の配置先は、対物レンズ19の瞳の近傍又は対物レンズ19の瞳と共役な面の近傍である。
演算装置40は、二次元走査中にロックインアンプ27が検出した信号成分を適切に配列することで標本20の蛍光画像を作成し、不図示のメモリへ格納すると共に、不図示の表示装置へ表示させる。
以下、STED顕微鏡の超解像原理を説明する。
先ず、STED光の単独光路に配置された位相板14には、位相遅延量分布が付与されている。周方向に亘る位相板14の位相遅延量分布は、周位置が180°ずつズレた2つの位置の間の位相差が「π」となるような分布である。この場合、励起光の単体が標本20に形成する光スポット(励起光スポット)の形状は円形であるのに対して、STED光の単体が標本20に形成する光スポット(STED光スポット)の形状は、輪帯状(ドーナツ状)となる。励起光スポットの中心と、STED光スポットの中心とは、何れも対物レンズ19の光軸上にある。
ここで、円形の励起光スポット(図2の符号Aex)の輪郭と、ドーナツ状のSTED光スポット(図2の符号AST)の内輪郭は、本来的には何れも対物レンズ19の解像限界に相当するサイズとなるはずである。但し、STED顕微鏡では、STED光の強度を十分に高く設定することにより、STED光スポット(図2の符号AST)における誘導放出を飽和させ、STED光スポット(図2の符号AST)の内輪郭を励起光スポット(図2の符号Aex)の輪郭よりも実質的に狭める。そのために、例えばSTED光の単独光路に挿入された不図示のNDフィルタの透過率が高めに設定される。
この場合、標本20における励起光のPSF及びSTED光のPSFは、例えば図2に示すとおりになる。図2では、光軸と垂直なx方向に亘るPSF(一次元PSF)のみを描いたが、光軸と垂直な別の方向に亘るPSFも同様である。図2に示すとおりSTED光スポットASTは、励起光スポットAexに対して部分的に重複し、励起光スポットAexのうちSTED光スポットASTのピーク(図2における外側の2つのピーク)は、励起光スポットAexの周縁部に位置する。
したがって、STED顕微鏡では、先ず、標本20に励起光が照射されると、励起光スポットAexに位置していた蛍光物質の電子が励起され(但し、励起確率は励起光スポットAexの中央部ほど高い。)、続いて、蛍光寿命の経過前に標本20にSTED光が照射されると、励起光スポットAexの周縁部に近い励起中の電子は、光周波数ωSTの誘導放出光を発生させるのに対して、励起光スポットAexの中央部に近い励起中の電子は、誘導放出光を発生させることなく、蛍光寿命の経過後に自然放出光(蛍光)を発生させる。
したがって、STED顕微鏡では、励起光スポットAexの周縁部では誘導放出の分だけ蛍光の発生が抑制されるのに対して、励起光スポットAexの中央部では蛍光の発生が抑制されない。STED顕微鏡では、この蛍光を検出対象とすることで超解像効果を得る。
以下、本実施形態における励起光及びSTED光に必要な条件を説明する。
先ず、本実施形態における励起光の光周波数は、蛍光物質の電子を2光子励起するための光周波数ωexに設定される。また、励起光は、励起光スポットAexの中央部にて2光子励起確率が十分に高まるよう、パルス幅の狭いパルス光に設定される。そのために、励起光源111としては例えばフェムト秒パルスレーザ光源などのパルスレーザ光源が使用される。励起光源111のパルス幅ΔTexは、例えば数百fs(フェムト秒)に設定され、励起光源111の繰り返し周波数frepは、例えば80MHzに設定される。よって、横軸を時間、縦軸をパルス強度として、励起光源111から射出する励起光の波形を示したならば、例えば図3(a)に示すとおりとなる。
一方、STED光の光周波数は、励起中の電子を誘導放出するための光周波数ωSTに設定される。また、STED光は、誘導放出確率が適度に高まるよう、パルス幅の適度に狭いパルス光に設定される。そのために、STED光源112としてはピコ秒パルスレーザ光源などのパルスレーザ光源が使用される。STED光源112のパルス幅ΔTSTは、例えば数ps(ピコ秒)〜数百ps(ピコ秒)に設定され、STED光源112の繰り返し周波数frepは、励起光源111の繰り返し周波数と共通に設定される。よって、横軸を時間、縦軸をパルス強度として、STED光源112から射出するSTED光の波形を示したならば、例えば図3(b)に示すとおりとなる。
ここで、本実施形態のSTED顕微鏡では、標本20に励起光のパルスが到達するタイミングよりも、標本20にSTED光のパルスが到達するタイミングの方が、若干遅延していることが望ましい。このため、標本20に向かう励起光の光路長と、標本20に向かうSTED光の光路長との関係は、予め調整されていると仮定する。図1の光路長調整機構29は、この調整を行うために設けられた機構である。光路長調整機構29は、STED光の単独光路に配置されたミラーM2、M3を適切な方向へ移動させるステージなどで構成される。標本20の観察前、STED顕微鏡のオペレータは、光路長調整機構29によりSTED光の光路長を調整し、標本20に励起光のパルスが到達するタイミングから標本20にSTED光のパルスが到達するタイミングまでの時間(ディレイ時間Δ)を調整する。
図3(c)は、ディレイ時間Δを説明する図である。図3(c)においてパルス幅の狭い方が励起光パルスを示しており、図3(c)ではパルス幅の広い方がSTED光パルスを示している。図3(c)に示すとおり標本20に励起光パルスが到達するタイミングからSTED光パルスが到達するイミングまでのディレイ時間Δは、蛍光物質の蛍光寿命より短く、かつ、励起光パルスとSTED光パルスとが時間的に重複しない範囲内で最も短い時間に設定される。なお、ディレイ時間Δの調整方法の詳細は、後述する。
以下、本実施形態のSTED顕微鏡におけるロックイン検出の原理を説明する。
図1に示した光検出器23には、励起光の単体に起因して生じた「必要な蛍光」だけでなく、STED光の単体に起因して生じた「余分な蛍光」も混入している。この余分な蛍光を必要な蛍光から分離するために、本実施形態のSTED顕微鏡では、励起光とSTED光とのうち励起光のみを、変調周波数fで時間方向にかけて強度変調する。よって、必要な蛍光は時間変化するのに対して、余分な蛍光は時間変化しない。このうち必要な蛍光の時間変化を、数式で説明する。
先ず、励起光の変調周波数をfとおき、励起光の強度平均値をIとおき、時間をtとおくと、励起光強度の時間変化波形Iexは、以下の式(1)で表される。
Figure 0006613552
また、比例係数をαとおくと、励起光の単体に起因して生じた必要な蛍光、すなわち、励起光による2光子吸収過程で発生する蛍光の強度ITPFは、以下の式(2)で表される。
Figure 0006613552
この式(2)の右辺を見ると、励起光の単体に起因して生じた必要な蛍光には、時間変化しないDC成分(第1項)と、励起光の変調周波数fと同じ周波数で時間変化する成分(第2項)と、励起光の変調周波数fの2倍周波数で時間変化する成分(第3項)とが含まれていることがわかる。
一方、数式では示さなかったが、STED光は変調されないので、STED光の単体に起因して生じた余分な蛍光には、DC成分しか含まれない。
したがって、2光子吸収過程を利用した本実施形態のSTED顕微鏡では、光検出器23の生成する電気信号のうち、時間変化しないDC成分には、必要な蛍光と余分な蛍光との双方が反映されるが、周波数f又は2fで変化する成分には、必要な蛍光と余分な蛍光とのうち前者のみが反映される。
そこで、本実施形態のSTED顕微鏡では、光検出器23の生成する電気信号から、周波数fで変化する成分と、周波数2fで変化する成分とを、ロックイン検出する。これによって、余分な蛍光を検出対象から外すことができる。
以下、本実施形態のSTED顕微鏡におけるロックイン検出の動作を説明する。
図1に示した信号発生器24、変調器駆動回路132、強度変調器131、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、ロックインアンプ27は、ロックイン検出のために搭載された要素である。
信号発生器24は、励起光の変調周波数fと同じ周波数で時間変化するリファレンス信号を、変調器駆動回路132、周波数混合器25、ロックインアンプ27の各々へ与える。但し、信号発生器24は、周波数混合器25に対しては、周波数fで時間変化する2つのリファレンス信号を並行して与える。
変調周波数fは、繰り返し周波数frepより低く、f≦frep/2である。また、変調周波数fは、ノイズの1/f特性と系の検出感度とを考慮して適切な値に設定されることが望ましく、例えば数MHz程度に設定される。
変調器駆動回路132は、リファレンス信号fと同じ周波数で時間変化する駆動信号を、励起光の単独光路へ配置された強度変調器131へ与える。
強度変調器131は、音響光学変調器(AOM:Acousto-Optic Modulator)などの光強度変調器であり、与えられた駆動信号に応じて励起光の強度を時間方向にかけて変調周波数fで変調する。よって、強度変調器131から射出する励起光の強度は、例えば図4(a)に示すとおりに時間変化する。ここでは、図4(a)に点線で示すとおり励起光強度の変調波形を正弦波形と仮定する。
図1に示す周波数混合器25は、周波数fで時間変化する2つのリファレンス信号をミキシングすることにより、周波数2fで時間変化する電気信号と、周波数ゼロで時間変化する電気信号とを生成し、それら2つの電気信号をバンドパスフィルタ26へ与える。
バンドパスフィルタ26は、電気的バンドパスフィルタであって、周波数2fで時間変化する電気信号と、周波数ゼロで時間変化する電気信号とのうち、周波数2fで時間変化する電気信号のみを選択してロックインアンプ27へ与える。
したがって、ロックインアンプ27には、周波数2fで時間変化するリファレンス信号と、周波数fで時間変化するリファレンス信号とが並行して与えられる。以下、周波数fで時間変化するリファレンス信号を「第1リファレンス信号」と称し、周波数2fで時間変化するリファレンス信号を「第2リファレンス信号」と称す。
ロックインアンプ27は、光検出器23の出力する電気信号から、第1リファレンス信号と同じ周波数(=f)で時間変化する成分(以下、「第1信号成分」と称す。)をロックイン検出して演算装置40へ与えると共に、光検出器23の出力する電気信号から、第2リファレンス信号と同じ周波数(=2f)で時間変化する成分(以下、「第2信号成分」と称す。)をロックイン検出して演算装置40へ与える。
このうち、第1信号成分には、光検出器23へ入射した蛍光のうち、励起光の変調周波数(=f)と同じ周波数で時間変化する成分(式(2)の第2項)が反映され、時間変化しない成分は反映されない。つまり、第1信号成分には、必要な蛍光が反映され、余分な蛍光は反映されない。
また、第2信号成分には、光検出器23へ入射した蛍光のうち、励起光の変調周波数(=f)の2倍周波数で時間変化する成分(式(2)の第3項)が反映され、時間変化しない成分は反映されない。つまり、第2信号成分には、必要な蛍光が反映され、余分な蛍光は反映されない。
そして、図1の演算装置40は、ロックインアンプ27から並行して与えられる第1信号成分と第2信号成分との和又は平均を信号成分として求め、その信号成分により標本20の蛍光画像を作成する。このように、演算装置40が第1信号成分と第2信号成分との和又は平均をとれば、蛍光画像のSN比が高まる。
以下、本実施形態のSTED顕微鏡の効果を説明する。
本実施形態のSTED顕微鏡では、蛍光物質の電子の励起に2光子吸収過程を利用するので、検出対象である蛍光の発光元を、光スポット中央の極めて狭い領域のみに制限することができる。
したがって、本実施形態のSTED顕微鏡は、1光子吸収過程を利用する場合よりも、高い超解像効果を得ることができる。
また、本実施形態のSTED顕微鏡では、2光子吸収過程を利用するので、検出対象である蛍光は、対物レンズ19の焦点面近傍のみにおいて発生する。よって、本実施形態のSTED顕微鏡は、蛍光の発生元を光軸方向にかけても狭めることができる。
したがって、本実施形態のSTED顕微鏡では、標本20の深部の蛍光画像を高コントラストで取得することができる。また、標本20のうち対物レンズ19の焦点面から外れた面の退色を避けることもできる。
また、本実施形態のSTED顕微鏡は、励起光の変調周波数と同じ周波数で時間変化する第1信号成分と、励起光の変調周波数の2倍周波数で変化する第2信号成分との双方をロックイン検出するので、余分な蛍光の影響を受けずに、必要な蛍光を漏れなく検知することができる。
したがって、本実施形態のSTED顕微鏡は、蛍光画像を高画質に取得することができる。
[第1実施形態の補足]
なお、第1実施形態のSTED顕微鏡では、励起光強度の変調波形を図4に示すとおり正弦波形としたが、図5に示すとおり矩形波としてもよい。
また、第1実施形態のSTED顕微鏡では、STED光をパルス光としたが、STED光を連続光としてもよい。その場合、例えば、STED光源112としてパルスレーザ光源の代わりに連続発振レーザ光源を使用すればよい。
因みに、励起光をパルス光、STED光を連続光とし、かつ、励起光の強度を正弦波で変調した場合は、図6に示すとおりとなる。
また、第1実施形態のSTED顕微鏡では、光路長調整機構29の設け先をSTED光の単独光路としたが、励起光の単独光路であってもよいし、励起光の単独光路とSTED光の単独光路との双方であってもよい。
また、第1実施形態のSTED顕微鏡において、STED光をパルス光とした場合、ディレイ時間Δの調整が必要となるが、STED光を連続光とした場合は、ディレイ時間の調整は不要なので、光路長調整機構29を省略することが可能である。
また、第1実施形態のSTED顕微鏡では、励起光の強度を時間方向に変調するための強度変調器131としてAOMを使用した。以下、強度変調器131として使用されるAOMを詳しく説明する。
AOMは、超音波の媒質と、媒質を振動させる圧電素子とを備え、圧電素子は、印加電圧(駆動信号)に応じて媒質を振動させることにより、媒質内に超音波を発生させる。媒質内に超音波が発生すると、媒質内に格子状の屈折率分布が生じ、回折格子としての機能がAOMへ付与される。例えば、超音波の周波数がMHzオーダーに設定されると、AOMではブラック回折が支配的となり、AOMへ入射した励起光は、主に0次回折光及び1次回折光の2種類に分岐される。標本20へ導光される励起光は、0次回折光及び1次回折光のうち、1次回折光のみである。AOMに与えられる駆動信号の振幅が時間方向にかけて変調周波数fで変調されると、1次回折光の強度が時間方向にかけて変調周波数fで変調される。このように、標本20へ導光される励起光として1次回折光を選択すれば、0次回折光を選択した場合と比べて励起光の強度変調のコントラストを高くすることができる。
なお、AOMを通過する励起光には分散が発生し、励起光のパルス幅が広がる傾向にあるので、AOMを使用する場合は、この分散を補償するための逆の分散が、AOMへ入射する前の励起光に対して予め付与されることが望ましい。逆の分散を励起光に付与する光学素子としては、例えば、1対のプリズムやチャープミラーなどを使用することができる。
また、第1実施形態のSTED顕微鏡では、強度変調器131として例えばAOMを使用したが、例えばEOM(EOM:Electro-Optic Modulator)及び偏光子の組み合わせを使用したり、機械的なチョッパーを使用したりすることもできる。因みに、EOMと偏光子との組み合わせによると、光の偏光と位相との組み合わせが可変なので、所望の変調波形による光の強度変調が実現する。
[第2実施形態]
以下、第1実施形態におけるディレイ時間Δ(図3(c)参照)の調整方法を、第2実施形態として説明する。
前述したとおり励起光のパルス幅ΔTexはおよそ数百fsに設定され、STED光のパルス幅ΔTSTは数ps〜数百psに設定される。そして、両者のディレイ時間Δは、励起光パルスとSTED光パルスとが時間的に重複しない範囲内でなるべく短いことが望ましい。
なぜなら、励起光とSTED光とが標本20へ同時に照射されている期間が存在しなければ、励起光とSTED光との同時照射による非線形相互作用の発生を回避することができるので、余分なノイズ光となる和周波光や4光波混合光の発生を回避することができるからである。また、励起光とSTED光とが標本20へ同時に照射されている期間が存在しなければ、励起光とSTED光との同時照射による標本20のダメージを回避することもできる。
そこで、本実施形態では、ディレイ時間Δの調整を以下の手順(1)〜(3)で行う。
(1)標本20の位置をシフトさせ、標本20における蛍光物質の分布領域を対物レンズ19の焦点面から外す。このとき、対物レンズ19の焦点面には例えば標本20のカバーガラスのみが存在する。
(2)フィルタ21の代わりに校正用フィルタを配置する。校正用フィルタには、4光波混合光と同じ波長の光を透過し、かつ、励起光と同じ波長の光をカットし、かつ、STED光と同じ波長の光をカットするような特性が付与される。この状態で光検出器23に入射できる光は、基本的に4光波混合光のみとなる。因みに、励起光の波長をλex=1060nmとおき、STED光の波長をλST=660nmとおくと、4光波混合光の波長λFWMは、式(3)のとおり表される。
Figure 0006613552
(3)光検出器23の出力する電気信号の振幅を監視しながら、STED光の光路長が延長される方向へと光路長調整機構29を移動させ、電気信号の振幅が最大となった後、さらに光路長調整機構29を同じ方向に移動させ、電気信号のレベルがノイズレベルまで低下した時点で、光路長調整機構29の移動を終了する。この時点で、ディレイ時間Δは最適値となる(以上、手順(3))。
[第2実施形態の補足]
なお、第2実施形態では、励起光パルスとSTED光パルスとの時間的重複を検知するために、4光波混合光の発生の有無を検知したが、和周波光の発生の有無を検知してもよい。その場合、校正用フィルタには、和周波光と同じ波長の光を透過し、かつ、励起光と同じ波長の光をカットし、かつ、STED光と同じ波長の光をカットするような特性が付与される。因みに、励起光の波長をλex=1060nmとおき、STED光の波長をλST=660nmとおくと、和周波光の波長λSHGは、およそ407nmとなる。
また、第2実施形態では、手順(1)〜(3)の一部又は全部をオペレータが手動で行ってもよいし、STED顕微鏡が自動で行ってもよい。
また、第2実施形態では、手順(1)、(2)の実行順序は、反対であってもよい。
[第3実施形態]
以下、第1実施形態の変形例として第3実施形態を説明する。
ここでは第1実施形態との相違点のみを説明する。第1実施形態では、励起光の特性のうち「強度」を変調対象としたが、本実施形態では、励起光のPSFを変調対象とする。
図7は、本実施形態におけるSTED顕微鏡の構成図である。第1実施形態のSTED顕微鏡(図1)との相違点は、強度変調器131の代わりに空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)50が備えられた点にある。
空間光変調器50は、変調器駆動回路132から与えられる駆動信号に応じて、通過光束の位相遅延量分布を時間変化させる位相板であり、例えば液晶などで構成される。
空間光変調器50の配置先は、強度変調器131と同様に励起光の単独光路であるが、不図示のリレーレンズによって対物レンズ19の瞳とほぼ共役に結ばれている必要がある。つまり、空間光変調器50の配置先は、瞳共役面又はその近傍である。
空間光変調器50の位相遅延量分布は、図8(a)に示す第1状態と、図8(b)に示す第2状態との間で切り換わる。この切り換え(スイッチング)の周波数は、第1実施形態の変調周波数fと同じである。
図8(a)に示す第1状態は、瞳共役面の全体に亘って位相遅延量が一様(位相遅延量がゼロ)な状態である。
図8(b)に示す第2状態は、光軸を含む平面で瞳共役面を分割してなる一方の領域の位相遅延量と他方の領域の位相遅延量との差が「π」となった状態である。
空間光変調器50の位相遅延量分布が第1状態(図8(a))であるときには、標本20における励起光のPSFは、図8(a’)に示すとおり、光軸上にピークを有した「通常のPSF」となる。
空間光変調器50の位相遅延量分布が第2状態(図8(b))であるときには、標本20における励起光のPSFは、図8(b’)に示すとおり、光軸に関して対称な2つの位置にピークを有した「ふた山形状のPSF」となる。
一方、標本20におけるSTED光のPSFは、図8(a”)、(b”)で示すとおり時間変化しない。
したがって、本実施形態のSTED顕微鏡において、励起光及びSTED光からなる光スポットの中央(光軸近傍)に着目すると、第1実施形態のSTED顕微鏡と同様、STED光の強度は時間変化しないのに対して励起光の強度のみが周波数fで時間変化することがわかる。
したがって、本実施形態のSTED顕微鏡も第1実施形態のSTED顕微鏡と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態の補足]
なお、第3実施形態のSTED顕微鏡では、空間光変調器50の位相遅延量分布を第1状態と第2状態との2状態の間で離散的に変化させた(すなわち励起光PSFの変調波形をパルス波形に設定した)が、空間光変調器50の位相遅延量分布を第1状態と第2状態との間で連続的に変化させても(励起光PSFの変調波形を例えば正弦波形に設定しても)よい。
また、第3実施形態のSTED顕微鏡では、標本20に向かう励起光のPSFを変調対象としたが、標本20に向かう励起光の他の特性(例えば、位相、偏光状態、波長など)を変調対象としてもよい。
例えば、標本20に向かう励起光の波長を時間方向にかけて変調すれば、標本20に向かう励起光の強度を時間方向にかけて変調した場合と同様の効果が期待できる。
また、例えば、標本20に向かう励起光の偏光方位を時間方向にかけて変調すると共に、変調された励起光の光路のうち標本20の上流側に検光子を配置したならば、標本20に向かう励起光の強度を時間方向にかけて変調した場合と同様の効果が期待できる。
[第4実施形態]
以下、第1実施形態の変形例として第4実施形態を説明する。
ここでは第1実施形態との相違点のみを説明する。
図9は、本実施形態におけるSTED顕微鏡の構成図である。第1実施形態のSTED顕微鏡(図1)との主な相違点は、強度変調器131、変調器駆動回路132、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26の代わりに、信号発生器を内蔵したコントローラ31が備えられた点にある。ここでは、コントローラ31を制御装置30の一部とする。
コントローラ31は、励起光源111の繰り返し周波数frepexと、STED光源112の繰り返し周波数frepSTとを個別に制御し、繰り返し周波数frepex、frepSTの間に差異を設ける。繰り返し周波数frepexは、第1実施形態の変調周波数fの1/M倍(Mは2以上の整数)に設定され、繰り返し周波数frepSTは、第1実施形態の変調周波数fと同じに設定される。ここでは、frepex=f/2、frepST=fに設定されたと仮定する。
この場合、標本20に照射される励起光強度の時間変化波形、標本20に照射されるSTED光強度の時間変化波形は、図10に示すとおりとなる。
ここで、図10の上段に示すとおり、本実施形態における励起光の波形は、繰り返し周波数f/2の単純なパルス波形であるが、このような励起光の波形は、「繰り返し周波数fのパルス光の強度を、周波数f/2の矩形波で変調した場合」と同様の波形である。
よって、図10の上段及び下段に示すとおり、本実施形態における励起光及びSTED光の波形は、「励起光とSTED光との双方を繰り返し周波数fのパルス光とし、かつ、励起光のみの強度を、周波数f/2の矩形波で変調した場合」と同様の波形である。
したがって、本実施形態のSTED顕微鏡でも第1実施形態のSTED顕微鏡と同様の現象が標本20で発生する。
なお、本実施形態のコントローラ31は、周波数f/2で時間変化する第1リファレンス信号と、周波数fで時間変化する第2リファレンス信号とを、ロックインアンプ27へ並行して与える。
また、本実施形態のロックインアンプ27は、与えられた第1リファレンス信号及び第2リファレンス信号に応じて、第1実施形態のロックインアンプ27と同様に第1信号成分及び第2信号成分をロックイン検出する。
したがって、本実施形態のSTED顕微鏡は、強度変調器131を使用しないにもかかわらず、第1実施形態のSTED顕微鏡と同様の効果を得ることができる。
しかも、本実施形態のSTED顕微鏡は、強度変調器131を使用しない(AOMを使用しない)ので、AOMの通過により励起光に発生する分散の問題、ひいては励起光のパルス幅に発生する拡がりの問題を、回避することもできる。
[第5実施形態]
以下、第4実施形態における励起光源111及びSTED光源112の繰り返し周波数の制御方法を、第5実施形態として詳しく説明する。
先ず、励起光源111、STED光源112の各々のパルス発生原理が、連続発振レーザ光源による直接変調法である場合、繰り返し周波数frepの制御は、連続発振レーザを駆動するための電気信号の周波数の制御により行うことができる。したがって、コントローラ31は、電気信号の周波数を制御することで、繰り返し周波数frepを制御することができる。
一方、励起光源111、STED光源112の各々のパルス発生原理が、レーザ共振器によるモード同期法である場合、繰り返し周波数frepの制御は、レーザ共振器の共振器長Lの調整により行うことが可能である。したがって、コントローラ31は、共振器長Lを制御することで、繰り返し周波数frepを制御することができる。
因みに、光速をcとおくと、繰り返し周波数frepと、共振器長Lとは、以下の式(4)で表される。
Figure 0006613552
したがって、共振器長Lにより繰り返し周波数frepを制御することができることは明らかである。
なお、共振器長Lを制御可能とするためには、レーザ共振器の中に電気光学変調器(EOM:Electro-Optic Modulator)を挿入しておけばよい。EOMは、例えばニオブ酸リチウム、あるいはKTP結晶等の基板に電圧印加用の電極を設けた素子であり、与えられた電圧に応じて結晶の屈折率を変化させる。結晶の厚みをdとおき、結晶の屈折率をnとおくと、結晶を透過する光の光路長はndで表されるので、結晶の屈折率nを制御することで共振器長Lを制御することができる。よって、コントローラ31は、EOMに与える電圧を制御することで、繰り返し周波数frepを制御することができる。
[各実施形態の補足]
上述した各実施形態のSTED顕微鏡は、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象を、励起光の変調周波数の1倍周波数(=f)で時間変化する第1信号成分と、励起光の変調周波数の2倍周波数(=2f)で時間変化する第2信号成分との双方としたが、蛍光画像の画質向上よりも演算負荷軽減を重視するのであれば、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象を、第1信号成分と第2信号成分との一方のみとしてもよい。
因みに、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象を第1信号成分のみとする場合、ロックインアンプ27に与えられるリファレンス信号は、周波数fで時間変化する第1リファレンス信号のみでよく、演算装置40は、ロックインアンプ27がロックイン検出した第1信号成分のみを蛍光画像の作成に使用すればよい。
また、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象を第2信号成分のみとする場合、ロックインアンプ27へ与えられるリファレンス信号は、周波数2fで時間変化する第2リファレンス信号のみでよく、演算装置40は、ロックインアンプ27がロックイン検出した第2信号成分のみを蛍光画像の作成に使用すればよい。
また、上述した各実施形態のSTED顕微鏡には、第1信号成分及び第2信号成分の双方をロックイン検出するモードと、第1信号成分のみをロックイン検出するモードと、第2信号成分のみをロックイン検出するモードとのうち、少なくとも2つのモードが搭載されてもよい。
また、上述した各実施形態のSTED顕微鏡では、2光子吸収過程を利用したが、3光子吸収過程を利用してもよい。3光子吸収過程を利用する場合、励起光の光周波数ωexは、ωex=ωex’/3に設定される。
また、3光子吸収過程を利用する場合、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象は、励起光の変調周波数と同じ周波数(=f)で時間変化する第1信号成分と、励起光の変調周波数の2倍周波数(=2f)で変化する第2信号成分と、励起光の変調周波数の3倍周波数(=3f)で変化する第3信号成分とのうち、少なくとも1つとされる。
例えば、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象を、第3信号成分のみとする場合、ロックインアンプ27へ与えられるリファレンス信号は、周波数3fで時間変化する第3リファレンス信号のみでよく、演算装置40は、ロックインアンプ27がロックイン検出した第3信号成分のみを蛍光画像の作成に使用すればよい。
また、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象を第2信号成分及び第3信号成分の2つとする場合、ロックインアンプ27へ与えられるリファレンス信号は、周波数2fで時間変化する第2リファレンス信号と、周波数3fで時間変化する第3リファレンス信号との2つとなり、演算装置40は、ロックインアンプ27がロックイン検出した第2信号成分及び第3信号成分の和又は平均をとることにより、蛍光画像の高画質化を図ればよい。
また、ロックインアンプ27によるロックイン検出の対象を第1信号成分及び第2信号成分及び第3信号成分の3つとする場合、ロックインアンプ27へ与えられるリファレンス信号は、周波数fで時間変化する第1リファレンス信号と、周波数2fで時間変化する第2リファレンス信号と、周波数3fで時間変化する第3リファレンス信号との3つとなり、演算装置40は、ロックインアンプ27がロックイン検出した第1信号成分及び第2信号成分及び第3信号成分の和又は平均をとることにより、蛍光画像の高画質化を図ればよい。
また、3光子吸収過程を利用する場合、上述した各実施形態のSTED顕微鏡には、第1信号成分及び第2信号成分及び第3信号成分の3つをロックイン検出するモードと、第1信号成分及び第2信号成分のみをロックイン検出するモードと、第1信号成分及び第3信号成分のみをロックイン検出するモードと、第2信号成分及び第3信号成分のみをロックイン検出するモードと、第1信号成分のみをロックイン検出するモードと、第2信号成分のみをロックイン検出するモードと、第3信号成分のみをロックイン検出するモードとのうち、少なくとも2つのモードが搭載されてもよい。
要するに、M光子吸収過程を利用する場合(Mは2以上の整数)、上述した各実施形態のSTED顕微鏡は、励起光の光周波数ωexをωex=ωex’/Mに設定し、第1信号成分〜第M信号成分のうち少なくとも1つをロックイン検出し、検出した1又は複数の信号成分で蛍光画像を作成すればよい。但し、ここでいう「第M信号成分」とは、周波数Mfで変化する成分のことである。
また、M光子吸収過程を利用する場合(Mは2以上の整数)、上述した各実施形態のSTED顕微鏡には、ロックイン検出の対象の異なる少なくとも2つのモードが搭載されてもよい。但し、2つのモードの各々におけるロックイン検出の対象は、第1信号成分〜第M信号成分のうち1又は複数の信号成分である。
また、上述した各実施形態のSTED顕微鏡では、複数の信号成分を並行してロックイン検出するために、1台のロックインアンプ27を使用したが、複数台のロックインアンプを使用してもよい。
また、上述した各実施形態のSTED顕微鏡では、励起光及びSTED光を生成するために2台のレーザ光源を使用したが、1台のレーザ光源と1台の光パラメトリック発振器との組み合わせ、或いは、1台のレーザ光源と2台の光パラメトリック発振器との組み合わせを使用してもよい。
また、上述した各実施形態のSTED顕微鏡では、標本20を光スポットで走査する手法として、光スキャナ17によるスキャン(光スキャン)を採用したが、不図示の標本ステージによるスキャン(ステージスキャン)を採用してもよい。ステージスキャンは、光軸と垂直なxy方向に標本20を移動させることによって行われる。因みに、光スキャンの方がステージスキャンよりもスキャンの高速化が容易である。
また、上述した各実施形態のSTED顕微鏡では、標本20へ同時に形成される光スポットの個数を単数としたが、複数としてもよい。光スポットの個数を複数化すれば、標本20をスキャンするのに要する時間を短縮することができる。
また、上述した各実施形態のSTED顕微鏡は、標本20の照明タイプとして落射型を採用したが、透過型を採用してもよいことは言うまでもない。
[各実施形態のまとめ]
上述した各実施形態のSTED顕微鏡は、物体(標本20)に含まれる物質(蛍光物質)を多光子励起するための励起光を物体(標本20)に向けて集光すると共に、励起中の前記物質(蛍光物質)を誘導放出するための誘導光(STED光)を、励起光の集光領域(励起光スポットAex)と部分的に重複する領域(STED光スポットAST)に向けて集光する照明光学系(レンズ121、122、位相板14、ダイクロイックミラー151、1/4波長板18、対物レンズ19)と、物体(標本20)へ向かう励起光の特性を時間方向にかけて変調する変調部(強度変調器131、変調器駆動回路132、空間光変調器50、コントローラ31)と、励起光及び誘導光(STED光)の集光領域(光スポット)に存在する物質(標本20)が自然放出した蛍光のうち、変調の周波数(f)のN倍周波数(N×f)で時間変化する成分(信号成分)を検出する検出部(光検出器23、ロックインアンプ27、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、コントローラ31)とを備える(但し、Nは1以上の整数)。
また、多光子励起は、2光子励起であり、検出部(光検出器23、ロックインアンプ27、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、コントローラ31)は、変調の周波数(f)の1倍周波数(f)で時間変化する第1成分(第1信号成分)と、変調の周波数の2倍周波数(2f)で時間変化する第2成分(第2信号成分)とのうち、少なくとも1つを検出する。
また、検出部(光検出器23、ロックインアンプ27、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、コントローラ31)は、変調の周波数(f)の1倍周波数(f)で時間変化する第1成分(第1信号成分)と、変調の周波数の2倍周波数(2f)で時間変化する第2成分(第2信号成分)との各々を検出する。
また、検出部(光検出器23、ロックインアンプ27、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、コントローラ31)は、第1成分(第1信号成分)と第2成分(第2信号成分)との和又は平均を求める。
また、多光子励起は、3光子励起であり、検出部(光検出器23、ロックインアンプ27、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、コントローラ31)は、変調の周波数の1倍周波数(f)で時間変化する第1成分(第1信号成分)と、変調の周波数の2倍周波数(2f)で時間変化する第2成分(第2信号成分)と、変調の周波数の3倍周波数(3f)で時間変化する第3成分(第3信号成分)とのうち、少なくとも1つを検出する。
また、検出部(光検出器23、ロックインアンプ27、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、コントローラ31)は、変調の周波数の1倍周波数(f)で時間変化する第1成分(第1信号成分)と、変調の周波数の2倍周波数(2f)で時間変化する第2成分(第2信号成分)と、変調の周波数の3倍周波数(3f)で時間変化する第3成分(第3信号成分)との各々を検出する。
また、検出部(光検出器23、ロックインアンプ27、信号発生器24、周波数混合器25、バンドパスフィルタ26、コントローラ31)は、第1成分(第1信号成分)と第2成分(第2信号成分)と第3成分(第3信号成分)との和又は平均を求める。
また、励起光の前記特性は、励起光の強度である。或いは、前記変調部は、前記励起光のPSFを変化させることにより、前記励起光の強度を変調する。
また、物体(標本20)に照射される励起光は、パルス光であり、物体(標本20)に照射される誘導光(STED光)は、パルス光である。
また、物体(標本20)に照射される励起光のパルスと誘導光(STED光)のパルスとの間には、互いのパルスが時間的に重複しないようディレイ時間(Δ)が設けられている。
また、ディレイ時間は、物質(蛍光物質)の蛍光寿命よりも短く設定される。
また、励起光の集光領域(励起光スポットAex)の形状は、円形であり、誘導光の集光領域(STED光スポットAST)の形状は、輪帯状であり、励起光の集光領域(励起光スポットAex)の中心と誘導光(STED光)の集光領域(STED光スポットAST)の中心とは一致する。
また、上述した実施形態のSTED顕微鏡は、励起光及び誘導光(STED光)の集光領域(光スポット)で物体(標本20)を走査する走査部(光スキャナ17、標本ステージ)を更に備える。
[その他の補足]
上述した各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
111…励起光源、112…STED光源、121、122…レンズ、M1〜M5…ミラー、131…強度変調器、132…変調器駆動回路、14…位相板、151、152…ダイクロイックミラー、17…光スキャナ、18…1/4波長板、19…対物レンズ、20…標本、21…フィルタ、22…レンズ、23…光検出器、29…光路長調整機構、30…制御装置、40…演算装置、50…空間光変調器、31…コントローラ

Claims (12)

  1. 物体に含まれる物質をn(nは2以上の整数)光子励起するための励起光を前記物体に向けて集光し、
    励起中の前記物質を誘導放出するための誘導光を、前記励起光の集光領域と部分的に重複する領域に向けて集光する照明光学系と、
    前記物体へ向かう前記励起光の特性を時間方向にかけて変調する変調部と、
    前記物体が発する蛍光を検出する光検出部と、
    前記光検出部が検出する蛍光から前記変調の周波数のN(但し、Nは1〜nの整数)倍周波数で時間変化する第1〜第n成分の各々抽出することにより、前記光検出部が検出する蛍光から前記励起光の照射により生じる蛍光を抽出する検出部と、
    を備える超解像観察装置。
  2. 請求項に記載の超解像観察装置において、
    前記検出部は、
    前記第1成分前記第分の和又は平均を求め
    解像観察装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載の超解像観察装置において、
    前記特性は、前記励起光の強度であ
    解像観察装置。
  4. 請求項に記載の超解像観察装置において、
    前記変調部は、前記励起光のPSFを変化させることにより、前記励起光の強度を変調す
    解像観察装置。
  5. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の超解像観察装置において、
    前記物体に照射される前記励起光は、パルス光であり、
    前記物体に照射される前記誘導光は、パルス光であ
    解像観察装置。
  6. 請求項5に記載の超解像観察装置において、
    前記励起光のパルス光の繰り返し周波数と、前記誘導光のパルス光の繰り返し周波数とは同じである
    超解像観察装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の超解像観察装置において、
    前記変調の周波数は、前記励起光のパルス光の繰り返し周波数の1/2以下である
    超解像観察装置。
  8. 請求項5〜請求項7の何れか一項に記載の超解像観察装置において、
    前記物体に照射される前記励起光のパルスと前記誘導光のパルスとの間には、互いのパルスが時間的に重複しないようディレイ時間が設けられてい
    解像観察装置。
  9. 請求項5〜請求項8の何れか一項に記載の超解像観察装置において、
    前記ディレイ時間は、前記物質の蛍光寿命よりも短く設定され
    解像観察装置。
  10. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の超解像観察装置において、
    前記励起光の集光領域の形状は、円形であり、
    前記誘導光の集光領域の形状は、輪帯状であり、
    前記励起光の集光領域の中心と前記誘導光の集光領域の中心とは一致す
    解像観察装置。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の超解像観察装置において、
    前記励起光及び前記誘導光の集光領域で前記物体を走査する走査部を更に備え
    解像観察装置。
  12. 物体に含まれる物質をn(nは2以上の整数)光子励起するための励起光を前記物体に向けて集光し、
    励起中の前記物質を誘導放出するための誘導光を、前記励起光の集光領域と部分的に重複する領域に向けて集光する照明手順と、
    前記物体へ向かう前記励起光の特性を時間方向にかけて変調する変調手順と、
    前記物体が発する蛍光を検出する光検出手順と、
    前記光検出手順により検出する蛍光から前記変調の周波数のN(但し、Nは1〜nの整数)倍周波数で時間変化する第1〜第n成分の各々抽出することにより、前記光検出手順により検出する蛍光から前記励起光の照射により生じる蛍光を抽出する検出手順と、
    を備える超解像観察方法。
JP2014169493A 2013-09-09 2014-08-22 超解像観察装置及び超解像観察方法 Active JP6613552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014169493A JP6613552B2 (ja) 2013-09-09 2014-08-22 超解像観察装置及び超解像観察方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013185813 2013-09-09
JP2013185813 2013-09-09
JP2014169493A JP6613552B2 (ja) 2013-09-09 2014-08-22 超解像観察装置及び超解像観察方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015072462A JP2015072462A (ja) 2015-04-16
JP6613552B2 true JP6613552B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=53014834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014169493A Active JP6613552B2 (ja) 2013-09-09 2014-08-22 超解像観察装置及び超解像観察方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6613552B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016117096C5 (de) * 2015-09-22 2023-11-30 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Verfahren zum hochaufgelösten lokalen Abbilden einer Struktur in einer Probe
CN108780045B (zh) * 2016-03-07 2021-10-29 马克斯-普朗克科学促进学会 用于高分辨率地局部成像样品中的结构的方法
CN106841149B (zh) * 2017-03-17 2021-05-28 王富 受激辐射损耗显微装置
JP2019086529A (ja) * 2017-11-01 2019-06-06 株式会社ニコン 顕微鏡、照明装置、及び観察方法
JP6923161B2 (ja) * 2017-12-26 2021-08-18 オリンパス株式会社 試料分析装置
CN108957720B (zh) 2018-09-26 2019-12-10 中国科学院化学研究所 受激辐射损耗光学显微镜及其照明系统
DE102019100915A1 (de) * 2019-01-15 2020-07-16 Leica Microsystems Cms Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung von Amplitude und/oder Phase einer ausgewählten Frequenzkomponente in einem detektierten Messsignal
CN112485230B (zh) * 2019-09-11 2022-03-18 复旦大学 基于主动时间调制混频激发照射的超分辨显微成像方法及装置
CN114527629B (zh) * 2022-04-21 2022-08-05 之江实验室 一种基于双暗斑联合抑制的超分辨光刻方法及光刻胶

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10056382B4 (de) * 2000-11-14 2004-07-01 Leica Microsystems Heidelberg Gmbh Scanmikroskop
WO2006061947A1 (ja) * 2004-12-08 2006-06-15 Osaka University 蛍光顕微鏡及び観察方法
DE102006046369A1 (de) * 2006-09-29 2008-04-03 Carl Zeiss Microimaging Gmbh Auflösungsgesteigerte Lumineszenzmikroskopie
JP5086765B2 (ja) * 2007-10-17 2012-11-28 オリンパス株式会社 顕微鏡
JP2009229715A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Olympus Corp 顕微鏡
JP2011145487A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Institute Of Physical & Chemical Research 多光子励起顕微鏡
WO2011099269A1 (ja) * 2010-02-10 2011-08-18 国立大学法人大阪大学 顕微鏡及び観察方法
WO2012127907A1 (ja) * 2011-03-18 2012-09-27 独立行政法人理化学研究所 非線形光学顕微鏡および非線形光学顕微鏡法
CN103562702A (zh) * 2011-05-20 2014-02-05 独立行政法人理化学研究所 生物材料用透明化试剂、及其利用
DE102011086230B4 (de) * 2011-11-11 2023-02-23 Leica Microsystems Cms Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Beleuchtung und Detektion in der RESOLFT-Mikroskopie
US20150168703A1 (en) * 2012-05-18 2015-06-18 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York System, method and computer-accessible medium for providing fluorescence attenuation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015072462A (ja) 2015-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6613552B2 (ja) 超解像観察装置及び超解像観察方法
US8675699B2 (en) Laser pulse synthesis system
US8681331B2 (en) Systems and methods providing efficient detection of back-scattered illumination in modulation transfer microscopy or micro-spectroscopy
US8027032B2 (en) Microscopy imaging system and method employing stimulated raman spectroscopy as a contrast mechanism
US9104030B2 (en) Laser illumination systems and methods for dual-excitation wavelength non-linear optical microscopy and micro-spectroscopy systems
JP5697584B2 (ja) 誘導ラマン散乱計測装置および誘導ラマン散乱計測方法
JP5649828B2 (ja) レーザ顕微鏡装置
US8064053B2 (en) 3-color multiplex CARS spectrometer
US20120287428A1 (en) Nonlinear raman spectroscopic apparatus, microspectroscopic apparatus, and microspectroscopic imaging apparatus
US8159663B2 (en) Laser microscope apparatus having a frequency dispersion adjuster
EP3152806A1 (en) A system and method for inducing and detecting multi-photon processes in a sample
US20110049337A1 (en) Photodetection device and photodetection method, and microscope and endoscope
US9634454B1 (en) Laser illumination systems and methods for dual-excitation wavelength non-linear optical microscopy and micro-spectroscopy systems
JP6365662B2 (ja) 超解像観察装置及び超解像観察方法
US8816302B2 (en) Optical arrangement and method for examining or processing an object
JP2017187465A (ja) スーパーコンティニウム光生成光源、スーパーコンティニウム光生成方法、多光子励起蛍光顕微鏡及び多光子励起方法
JP2022518161A (ja) 2色共焦点共局在化顕微鏡法
JP6453487B2 (ja) 光計測装置及び光計測方法
JP5160372B2 (ja) レーザ顕微鏡装置
WO2019200112A1 (en) Frequency-shifted pulsed swept laser apparatus
JP5917664B2 (ja) 誘導ラマン散乱計測装置および誘導ラマン散乱計測方法
JP5655434B2 (ja) 観察装置及び観察方法
WO2023243052A1 (ja) 光源
JP6643896B2 (ja) 光パルス列同期装置、光学顕微鏡及び光パルス列同期方法
Khorkov et al. INVESTIGATION OF FEMTOSECOND FILAMENTATION IN TRANSPARENT MEDIA

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20170323

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170323

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6613552

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250