JP6613024B2 - 電力増幅器用高調波キャンセル回路 - Google Patents

電力増幅器用高調波キャンセル回路 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、電力増幅器のような非線形電子デバイスの分野に関し、ここで、高調波成分は実質的に性能に影響を与える。より詳細には、本発明は、そのような効果を低減又はキャンセルするための回路に関する。
D級及びE級増幅器などのスイッチングモード電力増幅器は、その高い効率のために今日広く使用されている。しかし、高度の非線形素子のように、スイッチングモード電力増幅器はまた高調波周波数におけるエネルギーのかなりの量を発生させる。特に、シングルエンド出力を有する増幅器を使用した場合、理想的な差動出力を有する増幅器とは対照的に、偶数次高調波のトーンはキャンセルされない。次いで、高調波周波数での不要なトーンは、ETSI又はFCC標準規則機関によって定義される帯域外スプリアス放射制限に違反する。
電子増幅器は通常、例えばA級、B級、C級、D級、E級、あるいはF級などの複数の級に分類されている。それらは以下の二つのカテゴリーに分類することができる;A級,B級,C級のような線形増幅器、及びD級,E級,F級のようにスイッチングモード増幅器。線形増幅器の能動素子は、出力信号は入力信号に比例することを意味する線形領域で動作する。正弦波入力信号は結果として大きな振幅の正弦波出力を得ることができる。モード切替増幅器は異なる動作原理を採用している。通常は、それらの入力信号は、能動素子をオーバードライブする矩形波である。この場合、能動素子は、スイッチと同じように動作する;それは電流を導通するために完全にオンとされ、もしくは完全にオフとされる。このとき、出力信号はもはや入力信号に比例しない。動作原理の違いにもかかわらず、導通角は、ほぼ同じように、これら二つのカテゴリーに定義することができる。増幅器の導通角は、能動素子が電流を伝導する時間の割合に依存する。線形増幅器のための能動素子は、導通して線形領域で動作し、出力が入力に比例する。増幅器を切り替える行う際に能動素子がスイッチのように動作し、出力が入力に比例しない。以下の説明では、導通角は2αと呼ばれ、従って、αは、導通角の半分を表す。αは0からπの範囲である。A級の場合は、能動素子が常に導通しており、導通角は2πであり、従って、αはπに等しい。B級の場合は、能動素子は、入力信号の各サイクルの半分だけの間導通して、導通角はπであり、その結果、αがπ/2に等しくなる。モード増幅器を切り替えるため、入力信号は矩形波であり、導通角は、入力矩形波のデューティサイクルと等価である。デューティサイクルが50%である場合、入力電圧は、各サイクルの能動素子が導通する半周期の間ハイとなる。従って、導通角はπであり、αはπ/2に等しくなる。
切替モード増幅器の導通角は、その高調波放射性能に密接に関係している。図1に図示された広帯域抵抗性負荷を有する理想的なスイッチングモード増幅器の場合、導通角と出力電力との関係は図2に示されている。以上説明したように、導通角α2は、スイッチが閉じている期間を意味する。従って、αはπ/2に等しく、このことは、当該スイッチは入力信号の期間中の時間の半分の間閉じられていることを意味する。
αがπ/2のとき2次高調波出力電力がゼロであり、αがπ/3又は2π/3であるときに3次高調波電力がゼロになることが明らかである。従って、増幅器の導通角が十分に制御されているのであれば、ある高調波のトーンを最小化することができる。しかし、実際の増幅器の実際の導通角を測定することは困難である。例えば、WiFiシステム用増幅器は2.4GHzで動作する必要がある。2.4GHzの信号の周期は417ピコ秒である。πの導通角は、増幅器内の能動素子の導通時間が各サイクルにおいて208.5ピコ秒にすぎないことを意味する。そのように短い持続時間を直接に測定することは極めて困難である。
高調波放射の問題を解決するための明白な方法は、不要な高調波を除去するために、増幅器の出力に余分な帯域通過フィルタを追加することであろう。しかし、このようなフィルタは、無線周波数(RF)で動作しなければならない。高性能RFバンドパスフィルタは、通常、石英又はセラミックで作られており、このことは最新の半導体技術によって製造された電力増幅器と統合するためにそれらを困難にする。さらに、それは余分な電力損失を導入する。もう1つの可能な方法は、偶数次高調波を打ち消す差動出力トポロジーを使用することである。しかしながら、二つの差動ブランチの悪いマッチングのために抑制効果は限定的である。
特許文献1は、ダイナミックレンジ全体にわたって許容歪みレベルを維持しながら、効率を最大化することを目的としている。図3は、開示された回路のブロック図を示す。サンプラ14はサンプル増幅器12からの出力信号をサンプリングし、サンプリングされた信号をフィルタ16に提供する。フィルタ16は所望の信号をフィルタリングにより除外して、不要な信号(高調波又はスプリアス)のみを通過させて検出器28に出力する。検出器18は、フィルタリングされた出力信号を、フィルタリングされた出力信号の電力レベルに比例するDC信号に変換する。バイアス制御部20は、電力検出器18によって提供されるDC信号を基準信号と比較して制御信号を生成する。そのような制御ループは、歪みを所望レベルにするための最大効率のために電力増幅器を継続的に再バイアスする。
米国特許第5712593号明細書
しかし、図3の方法は、線形増幅器のためにのみ用いることができる。電力増幅器12における能動素子はその線形領域において動作させる必要があり、これにより、バイアス状態はその線形性を変化させるための帰還ループによって制御することができる。帯域除去フィルタ16は、抑制するために不要な信号を選択することにより、出力信号の非線形性を捕捉するために必要とされる。それは、抑制されなければならない不要な信号を選択し、その周波数応答は、システムの除去性能を決定する。次いで、検出器18がフィルタ16からのRF信号を、読み取り可能なDC信号に変換するために必要とされる。バンド除去フィルタ16及び検出器18の存在は提案された解決法の柔軟性を制限する。まず第一に、当該システムの高調波のキャンセルは、不要な信号がどのようにフィルタリングされているかを決定するのでBPFの周波数応答に依存する。第二に、基準電圧の値は、(i)ユーザによって定義される必要な歪みレベルに依存し、(ii)検出器18の電圧伝達関数(VTC)に依存し、このことはその基準電圧の選択を技術に依存させる。従って、適切な基準電圧を選択することは簡単ではなく、複雑な計算を必要とする。
従って、高調波成分の影響が導通角を調整することによって低減することができるように、導通角が過度の負担なしに制御することができる解決策が必要とされる。
本発明の一実施形態の目的は、当該回路に接続され、電力増幅器に与えられた高調波成分の影響を低減できる回路を提供することにある。
上記目的は、本発明に係る以下の解決策により達成される。
第一の態様において、本発明は、
正弦波入力信号を印加するための入力ポート(1)と、
上記正弦波入力信号を矩形波信号(2)に変換する第1のバッファ手段(10)と、
上記矩形波信号を電力増幅器(30)に出力するための出力ポート(3)とを備えた回路(100)であって、
上記矩形波信号は、調整可能なしきい値電圧レベルによって定義されたDCレベルを有する回路(100)において、
帰還ループは、
上記矩形波信号をフィルタリングするために設けられたローパスフィルタ手段(40)と、
上記ローパスフィルタ手段から受信されたフィルタリングされた信号のDCレベルを予め設定された基準レベルと比較するために設けられた比較手段(50)とを備え、
上記基準レベルは、ある与えられた高調波成分をキャンセルするために選択され、
上記比較手段は、第1のバッファ手段(10)の上記しきい値電圧レベルを調整するための補正信号を上記第1のバッファ手段(10)に出力するように構成されたことを特徴とする。
提案された回路は、当該回路によって出力される信号が電力増幅器(30)に印加されるときに、ある与えられた高調波成分の発生を回避することを可能にする。バッファ手段(10)は、印加された正弦波信号を矩形波に変換する。この矩形波信号のDCレベルは、電力増幅器(30)の導通角(すなわち矩形波のデューティ・サイクル)の表示を形成する。本発明によれば、矩形波信号は、帰還ループ内のローパスフィルタに適用される。このローパスフィルタは、バッファからの出力信号の全ての高周波成分をフィルタリングし、フィルタ出力信号は、電力増幅器(30)の入力信号のDC情報を含むという意味で、DC成分をそのまま通過させる。測定されたDCレベルは、典型的には二次高調波周波数であるある与えられた高調波成分をキャンセルするために選択される既知のレベルを有する電圧基準信号と比較される。比較に依存して、補正信号はバッファ手段(10)に出力されてしきい値電圧を調整するために使用され、その結果、DCレベル(及び従って導通角)は矩形波のDC成分をある値にさせるために適合され、これにより、与えられた高調波成分の影響により排除することができる。
一実施形態においては、上記第1のバッファ手段(10)から受信された上記矩形波信号(2)をバッファリングし、かつ上記バッファリングされた矩形波信号を上記出力ポート(3)を介して出力するように設けられた第2のバッファ手段(20)をさらに備える。上記第2のバッファ手段(20)は特に、上記電力増幅器(30)を駆動するための付加的な駆動能力を提供するために有用である。



ある有用な実施形態において、上記回路はシングルエンドのトポロジーを有する。
ある好ましい実施形態において、上記与えられた高調波成分は好ましくは偶数次高調波周波数の成分である。
本発明を要約し、従来技術に対する利点を要約するために、本発明の特定の目的及び利点は、本明細書において上述されている。もちろん、必ずしもすべての目的又は利点は、本発明の任意の特定の実施形態に従って達成されるわけではないことを理解されたい。従って、例えば、当業者は、必ずしも、ここで教示又は示唆され得るような他の目的又は利点を達成することなく、1つの利点又は利点のグループを最適化する方法で本明細書で教示されるように本発明が具体化され又は実施されることができることを認識するであろう。
本発明の上記及び他の態様は明らかであり、ここで説明される実施形態から、及び当該実施形態を参照して以下に記載される実施形態を参照して説明される。
ここで、本発明を、添付図面を参照しながら実施形態を参照してさらに説明する。ここで、種々の図面において同様の参照番号は同様の構成素子を示す。
理想的なスイッチングモード増幅器を示す。 導通角と出力電力との関係を示す図である。 特許文献1に示された回路の従来技術の構成図を示す。 入力信号の波形がスイッチングモード増幅器に印加されることを示す。 本発明に係る回路の実施形態を備えた方法を示す。 その入力電圧の関数としてバッファ出力電圧をプロットした電圧伝達曲線(VTC)を表す。 出力電圧にしきい値電圧を変化させる効果を示す。 しきい値電圧の制御を可能にする調整可能なバッファ回路の実装を示す。
本発明を特定の実施形態に関するある特定の図面を参照して説明する。しかし、本発明はこれに限定はなく、特許請求の範囲によってのみ限定されるものではない。
さらに、明細書及び特許請求の範囲における「第一」、「第二」の用語は、類似の要素を区別するために用いられ、必ずしもランク付け又は他の任意の方法で、空間的又は時間的にシーケンスを説明するために用いない。そのように用いられる用語は適切な状況下で交換可能であること、及び本明細書に記載の本発明の実施形態がここで説明又は図示した以外の他の順序で動作可能であることは理解されるべきである。
特許請求の範囲において用いられる「備える(comprising)」という用語は、それ以降に示される構成要素に限定して解釈されるべきではないことに留意されたい。それは他の要素又はステップを排除するものではない。これは、参照した述べられた特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定するものと解釈されるべきであり、その一つ以上の他の特徴、整数、工程、又は成分、又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。従って、「手段A及びBを備えたデバイス」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなるデバイスに限定すべきではない。これは、本発明に関して、デバイスの関連構成要素がAとBであることを意味する。
本明細書における「一実施形態」又は「実施形態」への説明は、当該実施形態に関連する特定の特徴、構造又は特性が少なくとも本発明の一実施形態において含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて種々の場所における「一実施形態において」又は「ある実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を参照する必要はないが、参照してもよい。さらに、特定の特徴、構造又は特性が、任意の適切な方法で組み合わせることができることは、1つ又は複数の実施形態において、本開示から当業者に明らかであろう。
同様に、本発明の例示的な実施形態の説明において、開示を合理化し、一つ以上の様々な発明の態様をよりの理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、又はその説明において、本発明の様々な特徴は、時々一緒にグループ化されることが理解されるべきである。しかし、この開示の方法は、請求される発明が各請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ下記請求項を反映するので、本発明の態様は、単一の前述の開示された実施形態の全ての特徴より少ない。従って、詳細な説明を添付の特許請求の範囲はそれぞれ本発明の別個の実施形態として独立する請求項を有してここに明示的にこの詳細な説明に組み込まれる。
いくつかの実施形態はいくつかの特徴を含むが、他の実施形態において含まれる他の特徴を含まない。一方、異なった複数の実施形態の特徴の組み合わせは特許請求の範囲内にあることを意味し、当業者によって理解されるように異なる実施形態を形成する。例えば、以下の請求項において、請求された具体例のいくつかは、他の組み合わせで使用することができる。
特定の本発明の特徴又は態様を説明する特定の用語の使用は、専門用語が本明細書で再定義されていることを特徴又はその用語が関連する本発明の態様のいずれかの特定の特徴を含むように制限されることを意味すると解釈されるべきではないことに留意すべきである。
本明細書で提供される説明において、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの特定の詳細なしに実施できることを理解されたい。他の例において、周知の方法、構造及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないために詳細には示されていない。
本発明においては導通角を直接的に継続時間として測定されるものではなく、電圧領域で導出される。スイッチングモード増幅器の入力DC電圧は、その実際の導通角の指標となり得る。図4に示すように、増幅器の入力信号は、この例では、振幅が1に正規化された矩形波である。導通角が2αとして示されている。フーリエ展開を適用して、入力信号を式(1)のように書くことができる。
Figure 0006613024
ここで、ωは基本周波数を表す。直流電圧はα/πに等しい。
さらに、導通角と高調波との関係を説明するために、偶数次高調波は、一例として考慮される。もしα=π/2ならば、式(1)から容易にわかるようにすべての偶数次高調波がゼロである。導通角がわずかにπからずれている場合には(すなわちαが2/πからずれるとき)偶数次高調波の振幅が無視できなくなる。βはπ/2からαのずれを表すときに、DC電圧(1/2+β/π)も1/2からずれて、式(2)に示すように、2次高調波の振幅(−2β/π)は偏移値に比例する。
Figure 0006613024
従って、DC電圧の偏移β/πが検出されるとき、βの値は既知である。実際の導通角2αを算出することができ、導通角はβをゼロにしてかつ偶数次高調波を最小限にするように調節することができる。
図5は、本発明に係る回路100を構成する方法を示す。入力ポートから電力増幅器30(PA)への2つのバッファが存在する。第1のバッファ10は正弦波を矩形波に変換する。第2のバッファ(20)はオプションであり、次のステージを駆動するための強力な駆動能力を提供する。PA30の出力は、従来のインピーダンス転送ブロックとして機能する整合回路網(ネットワーク)を介してアンテナに接続されてもよい。整合回路網は、それが帰還ループの外にあるので較正には影響しない。PA3の入力信号、すなわちバッファ手段により出力された信号は、ローパスフィルタ(LPF)40によって検出される。LPFは簡単な受動一次RCフィルタとして実装することができ、その必要条件は、図3の従来技術の解法に係るバンド除去フィルタ16に比較して大幅に緩和される。LPFの出力4は、ローパスフィルタに入力された信号3のDC情報を含む。次いで、コンパレータ50は、このDC電圧を基準電圧Vrefと比較する。式(1)及び(2)から明らかなように、PA入力電圧のDC項はただ上記導通角に関係し、従って、独立した技術である。それ故、このDC電圧のベンチマークであるべきである基準電圧がまた技術とは無関係である。基準電圧を変化させることにより、上記ループがPAの導通角を変化させ、高調波の発光エネルギーは、図2に従って変更される。例えば、基準電圧は、偶数次高調波の除去のために1/2に等しくなければならない。比較結果は、実際の導通角が最適値よりも大きいか小さいかを示している。バッファの比較結果に基づいて、バッファのしきい値電圧(又はバイアス条件)は電力増幅器の入力信号のデューティサイクルを修正するように調整することができる。従って、LPF40と比較器50は、PAの入力信号のデューティサイクルを制御する帰還ループを形成する。例として、偶数次高調波を考慮して、αは、(βが正であることを意味する)2/πよりも大きい場合、LPF出力は1/2以上の電圧である。従って、コンパレータは論理「ハイ」レベル信号を返信する。この情報を使用して、バッファのしきい値電圧は較正ループによって減少させるべきである。そして、導通角はπに戻るように変更される。このような較正ループは継続的に一定レベル以下の高調波成分を維持するために実行することができる。
図4の第2のバッファ20はオプションである。電力増幅器の入力インピーダンスが低いので、そのような低インピーダンスを駆動することは強力な駆動能力を有するバッファを必要とし、多くのエネルギーを消費する。この場合、直列接続された2つのカスケードバッファを使用することは、一つの大きなバッファを使用するよりも効率的である。この追加のバッファを提供することは、そのことが第1のバッファのサイズを低減させかつ全体の消費電力を削減することができるという点で有益である。要約すると、第1のバッファは、レール・ツー・レールレベルへの小入力振幅(スイング)をもたらし、電力増幅器を駆動する比較的小さな後続のバッファを駆動する。
図5の方法は、簡略化のため、シングルエンドのトポロジーを有する。差動アーキテクチャのために、それは別々に2つの差動ブランチに適用されることができる。各ブランチのために、図5において用いられた同じ較正ループが実装され、従って、同じ機能が達成される。基準電圧は、もし2つの差動ブランチのマッチングが悪いならば偶数次高調波を打ち消すために、電源電圧の1/2に設定することができる。それは、電源電圧の1/3に設定されているとき、3次高調波が最小化される。
図5に図示されたPAの入力の代わりに、LPFの入力ポートは、電力増幅器の出力に接続するように変更することができることを言及する価値がある。しかし、実際には、PAの出力電圧波形は、PA内の様々な他の非理想的な効果によって影響される。そこでPA入力信号は、理想的な矩形波に非常に近く、それはLPFの入力信号として使用することが良好である。一般的には、図5の構成は、より良い精度を有する。
バッファの機能はさらに図6において説明されている。バッファは、矩形波の正弦波信号を転送する。図6は、その入力電圧の関数としてバッファ出力電圧をプロットした電圧伝達曲線(VTC)を示す。VTCは、小入力電圧に対して、当該回路は、高電圧を出力することを示す一方、高い入力電圧に対して、その出力はローレベル(小さいレベル)に向かって先細りとなるように変化する。しきい値電圧は、入力に対する出力を等しくする入力電圧として定義される。図7に示すように、同じ入力信号与えられたとき、出力信号のデューティサイクルは、より高いしきい値電圧V_(t_high)に対して大きくなる。しきい値電圧がV_(t_low)として設定されている場合は、出力信号のデューティサイクルが低減される。バッファのしきい値電圧を変化させることにより、PAの入力信号のデューティサイクルは変化され、これによりPAの導通角が等価的に変更される。
例えばバイアス電流を変化させるように、バッファ10のしきい値電圧を制御するいくつかの可能な方法がある。典型的には、バッファ回路は、同一の単位バッファ回路を複数並列に接続することによって実現される。図8に示すように、単位バッファ回路は、インバータを形成する2つのトランジスタM1,M2を備え、当該2つのトランジスタM1,M2はトランジスタM0及びM3を介して電源レールGNDとVDDに接続される。単位バッファのしきい値電圧は、トランジスタM1及びM2のバイアス電流に依存する。トランジスタM1のバイアス電流はM0のゲート電圧を調整することによって制御することができる一方、トランジスタM2のバイアス電流はM3のゲート電圧によって制御される。M0及びM3のゲート電圧はそれぞれ電圧Vbn,Vbpとして図8において図示されている。両方の電圧VbnとVbpを増加させることにより、M1のバイアス電流が増加する一方、M2のバイアス電流は減少する。この場合、しきい値電圧がより低い値に設定される。反対側において、高いしきい値電圧のため、電圧Vbn及びVbpの両方が低減されるべきである。本発明において、電圧Vbn及びVbpの両方は電圧バッファしきい値電圧を調整するために、比較器によって制御することができる。
提案された制御回路は、単に比較器に印加される基準電圧を変化させることによって、ある与えられた高調波成分のための電力増幅器の導通角を調整することができるということが本発明の重要な利点である。それは、高価でかつ余分な電力損失を引き起こす複雑で余分なRFフィルタの代わりに単純な受動LPFを使用する。また、提案された回路はPAとともに実装し集積化することが容易であり、シングルエンドのトポロジー及び差動PAトポロジーに適している。
本発明は図面及び上述の明細書において詳細に図示されかつ説明したが、そのような図示及び説明は一例としての説明又は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。前述の説明は、本発明の特定の実施形態を詳述する。しかしながら、上記においていかに詳細に上記テキストで表わされるかは関係がなく、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない、ということが理解されるであろう。
開示された実施形態に対する他の変形例が、図面、開示及び添付の請求項の研究から、請求された発明を実施するときに当業者により理解されかつ影響を与えることが理解可能である。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という単語は他の構成要素又はステップ、並びに、不定冠詞「ある」又は「1つの」(「a」又は「an」)は複数を除外しないことを排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、光学記憶媒体又は他のハードウェアと共に又はその一部として供給される固体媒体のような適切な媒体に記憶/配布されてもよい。しかし、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介するような他の形態で配布することができる。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、権利範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (4)

  1. 無線周波(RF)正弦波信号を無線周波(RF)矩形波信号に増幅する無線周波(RF)電力増幅回路であって、
    RF正弦波入力信号を印加するための入力ポート(1)と、
    上記RF正弦波入力信号をRF矩形波信号(2)に変換する第1のバッファ手段(10)と、
    上記RF矩形波信号をRF電力増幅器(30)に出力するための出力ポート()とを備え、
    上記RF矩形波信号は、調整可能なしきい値電圧レベルによって定義されたDCレベルを有し、
    帰還ループは、
    上記RF矩形波信号をフィルタリングするために設けられたローパスフィルタ手段(40)と、
    上記ローパスフィルタ手段から受信されたフィルタリングされた信号のDCレベルを予め設定された基準レベルと比較するために設けられた比較手段(50)とを備え、
    上記基準レベルは、ある与えられた高調波成分を、上記無線周波電力増幅回路の出力ポート()においてキャンセルするために選択され、
    上記比較手段は、第1のバッファ手段(10)の上記しきい値電圧レベルを調整するための補正信号を上記第1のバッファ手段(10)に出力するように構成され
    上記第1のバッファ手段(10)のしきい値電圧レベルを変化することで、上記RF電力増幅器(30)に出力されるRF矩形波信号のデューティサイクルを変化させることを特徴とする無線周波電力増幅回路。
  2. 上記第1のバッファ手段(10)から受信された上記RF矩形波信号(2)をバッファリングし、かつ上記バッファリングされたRF矩形波信号を、上記出力ポート()を介して出力するように設けられた第2のバッファ手段(20)をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の無線周波電力増幅回路。
  3. 上記無線周波電力増幅回路はシングルエンドのトポロジーを有することを特徴とする請求項1又は2記載の無線周波電力増幅回路。
  4. 上記与えられた高調波成分は偶数次高調波周波数の成分であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の無線周波電力増幅回路。
JP2014224383A 2013-12-10 2014-11-04 電力増幅器用高調波キャンセル回路 Active JP6613024B2 (ja)

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