以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料や被検試料等の試料と各検査項目の試薬とを分注し、試料及び試薬の混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部10を備えている。また、分析部10の各種ユニットを駆動する駆動部31と、駆動部31を制御して分析部10の各種ユニットを作動させる分析制御部32とを備えている。また、分析部10で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データを生成するデータ処理部40を備えている。
また、自動分析装置100は、データ処理部40で生成された検量データや分析データを出力する出力部50を備えている。また、各検査項目用の試料の分注量、試薬の分注量等の分析パラメータの入力、試料や試薬を分注する分注条件として2つに区分される第1又は第2ラインを各検査項目に設定するための入力、試料毎に検査項目を設定するための入力、試料や試薬のキャリーオーバによる影響を避ける回避パラメータを設定するための入力等を行う操作部60を備えている。また、分析制御部32、データ処理部40及び出力部50を統括して制御するシステム制御部70を備えている。
図2は、分析部10の構成を示した図である。この分析部10は、各検査項目の標準試料や被検試料などの試料を収容する試料容器11と、試料が収容された複数の試料容器11を移動可能に保持する試料ラック12とを備えている。また、試料に含まれる各検査項目の成分と反応する試薬である例えば1試薬系及び2試薬系の第1試薬や、洗浄液を収容する試薬容器13aと、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬や、洗浄液を収容する試薬容器13bとを備えている。また、試薬容器13aを移動可能に保持する試薬ラック14aと、試薬容器13bを移動可能に保持する試薬ラック14bとを備えている。
また、試薬ラック14aに保持された試薬容器13a内の第1試薬を保冷する試薬庫15aと、試薬ラック14bに保持された試薬容器13b内の第2試薬を保冷する試薬庫15bとを備えている。また、円周上の互いに隣り合う位置に第1ライン用と第2ライン用として配置された複数の反応容器16と、この反応容器16を回転移動可能に保持する反応ディスク17とを備えている。
また、試料ラック12に保持された試料容器11内の試料に設定された検査項目のうち、第1ラインが設定された検査項目(第1の検査項目)用の当該試料を吸引して、第1ライン用の反応容器16内に吐出する分注を1サイクル毎に行う第1の試料分注プローブ18aを備えている。また、第1の試料分注プローブ18aを移動可能に支持する第1の移動機構19aを備えている。
また、試料ラック12に保持された試料容器11内の試料に設定された検査項目のうち、第2ラインが設定された検査項目(第2の検査項目)用の当該試料を吸引して、第2ライン用の反応容器16内に吐出する分注を1サイクル毎に行う第2の試料分注プローブ18bを備えている。また、第2の試料分注プローブ18bを移動可能に支持する第2の移動機構19bを備えている。
また、試薬ラック14aに保持された試薬容器13a内の第1の検査項目の第1試薬を吸引して、第1の試料分注プローブ18aにより試料が分注された第1ライン用の反応容器16に吐出する分注を行う第1の第1試薬分注プローブ20aを備えている。また、試薬ラック14aに保持された試薬容器13a内の第2の検査項目の第1試薬を吸引して、第2の試料分注プローブ18bにより試料が分注された第2ライン用の反応容器16に吐出する分注を行う第2の第1試薬分注プローブ20bを備えている。
また、第1の第1試薬分注プローブ20aを移動可能に支持する第1の第1試薬分注アーム21aと、第2の第1試薬分注プローブ20bを移動可能に支持する第2の第1試薬分注アーム21bとを備えている。また、反応容器16に分注された試料及び第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌ユニット22を備えている。また、試薬ラック14bに保持された試薬容器13b内の第1の検査項目の第2試薬を吸引して、第1の第1試薬分注プローブ20aにより第1試薬が分注された第1ライン用の反応容器16に吐出する分注を行う第1の第2試薬分注プローブ23aを備えている。
また、試薬ラック14bに保持された試薬容器13b内の第2の検査項目の第2試薬を吸引して、第2の第1試薬分注プローブ20bにより第1試薬が分注された第2のライン用の反応容器16に吐出する分注を行う第2の第2試薬分注プローブ23bを備えている。また、第1の第2試薬分注プローブ23aを移動可能に保持する第1の第2試薬分注アーム24aと、第2の第2試薬分注プローブ23bを移動可能に保持する第2の第2試薬分注アーム24bとを備えている。また、反応容器16に分注された試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌ユニット25を備えている。
また、第1撹拌ユニット22や第2撹拌ユニット25により撹拌が行われた混合液を収容する反応容器16に光を照射し、反応容器16内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光を検出して標準データや被検データを生成する測定部26を備えている。また、測定終了毎に反応容器16内を洗浄する洗浄ノズル27を備えている。そして、洗浄ノズル27により洗浄が行われた反応容器16は、再び試料の分注、試薬の分注及び測定に使用される。
なお、図示はしないが、各第1及び第2の第1試薬分注プローブ20a,20b及び各第1及び第2の第2試薬分注プローブ23a,23bの洗浄がそれぞれ行われる洗浄槽を備えている。そして、第1の検査項目の第1試薬の分注終了毎に第1の第1試薬分注プローブ20aの通常洗浄が行われる。また、第2の検査項目の第1試薬の分注終了毎に第2の第1試薬分注プローブ20bの通常洗浄が行われる。また、第1の検査項目の第2試薬の分注終了毎に第1の第2試薬分注プローブ23aの通常洗浄が行われる。また、第2の検査項目の第2試薬の分注終了毎に第2の第2試薬分注プローブ23bの通常洗浄が行われる。
図1に示した駆動部31は、分析部10の各種ユニットやこのユニットを駆動する機構を備えている。そして、試薬ラック14a及び試薬ラック14bをそれぞれ駆動して試薬容器13a,13bを回動移動する。また、試料ラック12を長手方向に移動する。また、反応ディスク17を駆動して反応容器16を1サイクル毎に回転移動した後、停止させる。
また、駆動部31は、第1及び第2の移動機構19a,19b、第1及び第2の第1試薬分注アーム21a,21b、並びに第1及び第2の第2試薬分注アーム24a,24bをそれぞれ駆動して、第1及び第2の試料分注プローブ18a,18b、第1及び第2の第1試薬分注プローブ20a,20b、並びに第1及び第2の第2試薬分注プローブ23a,23bを回動移動及び上下移動する。また、第1及び第2撹拌ユニット22,25及び洗浄ノズル27をそれぞれ上下移動する。
分析制御部32は、操作部60から入力された分析パラメータ、分注条件、試料に設定された検査項目、回避パラメータ等の入力情報に基づき駆動部31を制御して、分析部10の各種ユニットを作動させる。そして、試料の分注、試薬の分注、キャリーオーバの回避の洗浄、混合液の撹拌、測定等を実行させる。
データ処理部40は、演算部41及びデータ記憶部42を備えている。そして、演算部41は、分析部10で生成された各検査項目の標準データから検量データを生成し、分析部10で生成された被検データをこの検査項目の検量データを用いて分析データを生成する。また、データ記憶部42は、演算部41で生成された検量データを検査項目毎に保存し、演算部41生成された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
出力部50は、データ処理部40で生成された標準データや分析データを印刷出力する印刷部51及び表示出力する表示部52を備えている。そして、印刷部51は、プリンタなどを備え、検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷出力する。
また、表示部52は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備えている。そして、検査項目毎にこの検査項目の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。また、検査項目毎に第1ラインや第2ラインの分注条件を設定するための分注条件設定画面を表示する。また、試料毎にこの試料の検査対象となる検査項目を設定するための検査項目設定画面を表示する。
また、表示部52は、各第1及び第2の試料分注プローブ18a,18b、各第1及び第2の第1試薬分注プローブ20a,20b、各第1及び第2の第2試薬分注プローブ23a,23b並びに反応容器16を介しての試料や試薬等のキャリーオーバを回避する回避パラメータを設定するための回避パラメータ設定画面を表示する。
操作部60は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、検査項目毎に分析パラメータや、分注条件を設定するための入力、試料毎に検査項目を設定するための入力、回避パラメータを設定するための入力等を行う。
システム制御部70は、図示しないCPUと記憶回路を備えている。そして、操作部60から入力される分析パラメータ、分注条件、試料に設定された検査項目、回避パラメータ等の入力情報を記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部32、データ処理部40及び出力部50を統括して制御する。
次に、図2及び図3を参照して、分析部10の第1及び第2の移動機構19a,19bの構成の詳細を説明する。
図3は、第1及び第2の移動機構19a,19bの構成の一例を示した側面図である。
第1の移動機構19aは、第1の試料分注プローブ18aを支持する第1のプローブ支持体191aと、この第1のプローブ支持体191aを上下移動可能に支持する第1の上下動支持体192aとを備えている。また、この第1の上下動支持体192aを回動可能に支持する第1の回動軸193aを備えている。そして、第1の回動軸193aの軸中心19から距離r離れた位置に第1の試料分注プローブ18aが配置されている。
第1のプローブ支持体191aは、第1の上下動支持体192aに配置された駆動部31の例えばステッピングモータにより上下駆動される。これにより、第1の試料分注プローブ18aは下降及び上昇する。また、第1の上下動支持体192aは、駆動部31のモータによる第1の回動軸193aの矢印R1方向及びこのR1方向と反対方向の矢印R2方向への駆動により回動される。これにより、第1の試料分注プローブ18aは、軸中心19を中心とし、距離rを半径とする円弧の軌道上をR1方向及びR2方向に回動移動する。
第2の移動機構19bは、第2の試料分注プローブ18bを支持する第2のプローブ支持体191bと、この第2のプローブ支持体191bを上下移動可能に支持する第2の上下動支持体192bとを備えている。また、第1の移動機構19aの第1の回動軸193aが貫設され、第2の上下動支持体192bを回動可能に支持する第1の回動軸193aと同軸上に配置された管状の第2の回動軸193bを備えている。そして、第2の回動軸193bの第1の回動軸193aと共通する軸中心19から距離r離れた位置に第2の試料分注プローブ18bが配置されている。
このように、第1の試料分注プローブ18aを第1の移動機構19aに支持させると共に第2の試料分注プローブ18bを第2の移動機構19bに支持させ、第1及び第2の移動機構19a,19bをそれぞれ独立して駆動させることにより、第1の試料分注プローブ18a及び第2の試料分注プローブ18bをそれぞれ高速で移動させることができる。また、第1の移動機構19aの第1の回動軸193aと第2の移動機構19bの第2の回動軸193bを同軸にすることにより、第1及び第2の移動機構19a,19bを小型化することができる。
第2のプローブ支持体191bは、第2の上下動支持体192bに配置された駆動部31のステッピングモータにより上下駆動される。これにより、第2の試料分注プローブ18bは下降及び上昇する。また、第2の上下動支持体192bは、駆動部31のモータによる第2の回動軸193bのR1方向及びR2方向への駆動により回動される。これにより、第2の試料分注プローブ18bは、軸中心19を中心とし、距離rを半径とする円弧の軌道上をR1方向及びR2方向に移動する。
このように、第1の試料分注プローブ18aと第2の試料分注プローブ18bを、同一円周上の円弧の軌道上を移動させることができるため、第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bにより分注させる試料を収容する試料容器11を複数の位置に自由度高く配置することができる。これにより、分析部10の小型化を図ることができる。
次に、図2乃至図7を参照して、試料容器11内の試料の分注について説明する。
図4は、第1及び第2の試料分注プローブ18a,18b、第1及び第2の移動機構19a,19b、試料ラック12に保持された試料容器11、及び反応ディスク17に保持された反応容器16の配置を示した平面図である。
第1の試料分注プローブ18aは、図5(a)に示すように、第1試料位置S1の試料容器11上方の上停止位置、第2試料位置S2の試料容器11上方の上停止位置及び第1分注位置C1の第1ライン用の反応容器16上方の上停止位置を含む円弧の第1の軌道Tr1上を回動移動する。第1の軌道Tr1上には、同一試料の分注を終了した第1の試料分注プローブ18aの洗浄が行われる第1の洗浄槽28aが配置されている。
なお、第1の洗浄槽28aで行われる第1の試料分注プローブ18aの洗浄には、第1の洗浄槽28aに供給される洗浄水を用いて同一試料の分注終了毎に行われる通常洗浄と、回避パラメータに基づいて第1の洗浄槽28aに供給される洗浄液を用いて通常洗浄よりも強力な洗浄が行われる特別洗浄がある。
また、第1の試料分注プローブ18aは、第1又は第2試料位置S1,S2の一方の試料位置の試料容器11の上停止位置から下降して一方の試料位置の試料容器11内の試料の吸引が可能な吸引位置で停止する。また、吸引位置から上停止位置まで上昇する。また、洗浄ノズル27により洗浄が行われた後、第1分注位置C1で停止する第1ライン用の反応容器16の上停止位置から下降して、反応容器16内へ試料の吐出が可能な吐出位置で停止する。また、吐出位置から上停止位置まで上昇する。
第2の試料分注プローブ18bは、図5(b)に示すように、第1試料位置S1の試料容器11上方の上停止位置、第2試料位置S2の試料容器11上方の上停止位置及び第2分注位置C2の第2ライン用の反応容器16上方の上停止位置を含む円弧の第2の軌道Tr2上を回動移動する。
この第2の軌道Tr2は、第1の軌道Tr1の延長線上に位置し、第1試料位置S1の上停止位置と第2試料位置S2の上停止位置間で第1の軌道Tr1と重複する重複軌道を有する。そして、第2の軌道Tr2上には、同一試料の分注を終了した第2の試料分注プローブ18bの洗浄が行われる第2の洗浄槽28bが配置されている。
なお、第2の洗浄槽28bで行われる第2の試料分注プローブ18bの洗浄には、第2の洗浄槽28bに供給される洗浄水を用いて行われる通常洗浄と、回避パラメータに基づいて第2の洗浄槽28bに供給される洗浄液を用いて通常洗浄よりも強力な洗浄が行われる特別洗浄がある。
また、第2の試料分注プローブ18bは、第1又は第2試料位置S1,S2の一方の試料位置の試料容器11の上停止位置から下降して一方の試料位置の試料容器11内の試料の吸引が可能な吸引位置で停止する。また、吸引位置から上停止位置まで上昇する。また、洗浄ノズル27により洗浄が行われた後、第2分注位置C2で停止する第2ライン用の反応容器16の上停止位置から下降して反応容器16内へ試料の吐出が可能な吐出位置で停止する。また、吐出位置から上停止位置まで上昇する。
試料ラック12は、例えば5個の試料容器11を長手方向に一列に保持可能であり、駆動部31により矢印L1方向に移動される。そして、試料ラック12は、最初に進行方向の最前端である1番目の試料容器11が第1試料位置S1となり、1番目の試料容器11に隣り合う2番目の試料容器11が第1試料位置S1の隣の第2試料位置S2となる位置LK1で停止する。
ここで、第1の試料分注プローブ18aは、1サイクル毎に、位置LK1の試料ラック12に保持された第1又は第2試料位置S1,S2の試料容器11内の試料を吸引して第1分注位置C1の反応容器16内へ吐出する分注を行う。また、第2の試料分注プローブ18bは、1サイクル毎に、第1又は第2試料位置S1,S2の試料容器11内の試料を吸引して第2分注位置C2の反応容器16内へ吐出する分注を行う。
位置LK1の試料ラック12がL1方向に移動され、4番目の試料容器11内の試料の分注が終了すると、図6に示すように、最後端に保持された5番目の試料容器11が第1試料位置S1となる位置LK2で停止する。また、位置LK2の試料ラック12に後続する試料ラック12がある場合、後続する試料ラック12は、最前端の試料容器11が第2試料位置S2となるLK3の位置で停止する。
ここで、第1の試料分注プローブ18aは、位置LK2の試料ラック12に保持された第1試料位置S1の試料容器11又は位置LK3の試料ラック12に保持された第2試料位置S2の試料容器11内の試料を吸引して第1分注位置C1の反応容器16内へ吐出する分注を行う。また、第2の試料分注プローブ18bは、位置LK2の試料ラック12に保持された第1試料位置S1の試料容器11又は位置LK3の試料ラック12に保持された第2試料位置S2の試料容器11内の試料を吸引して第2分注位置C2の反応容器16内へ吐出する分注を行う。
このように、第1の試料分注プロ―ブ18aと第2の試料分注プロ―ブ18bは、1つ又は2つの試料ラック12に保持された第1及び第2試料位置S1,S2の2つの試料容器11内の試料を分注することができる。
次に、試料を分注する各第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bの移動のタイミングについて説明する。
図7は、第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bの移動のタイミングを示したタイミングチャートである。このタイミングチャートは、1サイクル毎に試料を分注する各第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bの移動のタイミングを凸で示し、各第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bの停止のタイミングを凹で示している。そして、1サイクルのサイクルタイムは時間t1である。
第1の試料分注プローブ18aは、タイミングT1の立ち上がりを試料分注の開始として、タイミングT1の時間帯に例えば第1の洗浄槽28aから第1又は第2試料位置S1,S2の一方の試料位置の上停止位置まで回動移動する。上停止位置で停止した後、タイミングT2の時間帯に一方の試料位置の試料容器11内の吸引位置まで下降する。吸引位置で試料を吸引した後、タイミングT3の時間帯に一方の試料位置の上停止位置まで上昇する。
第1の試料分注プローブ18aは、一方の試料位置の上停止位置で停止した後、タイミングT4の時間帯に第1分注位置C1の上停止位置まで回動移動する。上停止位置で停止した後、タイミングT5の時間帯に、第1分注位置C1の反応容器16の吐出位置まで下降する。吐出位置で反応容器16内に試料を吐出した後、タイミングT6の時間帯に第1分注位置C1の上停止位置まで上昇する。
第1の試料分注プローブ18aは、第1分注位置C1の上停止位置で停止した後、タイミングT7の時間帯に第1の洗浄槽28aまで回動移動する。そして、このサイクルの最後まで第1の洗浄槽28aで停止して1サイクルに行われる試料の1回の分注を終了する。なお、このサイクルの間に行われる分注が同一試料の最後の分注である場合、第1の洗浄槽28aで停止している間に通常洗浄が行われる。
一方、第2の試料分注プローブ18bは、1つ前のサイクルで吸引した試料を第2分注位置C2の反応容器16内の吐出位置で吐出した後、タイミングT2と一部が重複するタイミングT11の時間帯に第2分注位置C2の上停止位置まで上昇する。上停止位置で停止した後、タイミングT2とタイミングT3の間のタイミングT12の時間帯に第2の洗浄槽28bまで回動移動する。
第2の試料分注プローブ18bは、第2の洗浄槽28bで停止した後、タイミングT1の立ち上がりから時間t1よりも短い時間ta経過したとき、1つ前のサイクルで吸引した試料の分注を終了する。なお、このサイクルで吐出した試料が同一試料の最後の分注である場合、第2の洗浄槽28bで停止している間に通常洗浄が行われる。
第2の試料分注プローブ18bは、第2の洗浄槽28bで停止した後、2つのタイミングT4,T5の一部と重複するタイミングT13は時間ta経過した直後に立ち上がり、この立ち上がりを次の試料の分注の開始とする。そして、第1の試料分注プローブ18aが第1及び第2の軌道Tr1,Tr2の重複軌道を離れてから、タイミングT13の時間帯に第1又は第2試料位置S1,S2の一方の試料位置の上停止位置まで回動移動する。
第2の試料分注プローブ18bは、一方の試料位置の上停止位置で停止した後、タイミングT5の一部と重複するタイミングT14の時間帯に一方の試料位置の試料容器11内の試料の吸引位置まで下降する。吸引位置で試料を吸引した後、タイミングチャートT6の一部と重複するタイミングT15の時間帯に上停止位置まで上昇する。
第2の試料分注プローブ18bは、一方の試料位置の上停止位置で停止した後、タイミングチャートT7の一部と重複するタイミングT16の時間帯に第2分注位置C2の上停止位置まで回動移動する。上停止位置で停止した後、タイミングT5とタイミングT6の間に第1の試料分注プローブ18aより試料が吐出された反応容器16に隣接する第2分注位置C2の反応容器16の吐出位置まで下降する。
分析制御部32は、図7に示したタイミングチャートに基づいて、第1試料位置S1の試料容器11内の試料(第1の試料)に設定された第1及び第2の検査項目用の第1の試料の分注を1サイクル毎に行わせて、第1又は第2の検査項目用の一方の検査項目用の第1の試料の分注が先に終了すると、引き続き第2の試料に設定された一方の検査項目用の第2の試料及び残りの他方の検査項目用の第1の試料の分注を1サイクル毎に行わせる。
そして、第1の試料に設定された第1又は第2の検査項目用の一方の検査項目用の第1の試料の分注が先に終了すると、一方の検査項目用の第1の試料の分注が終了するサイクルの次のサイクルで一方の検査項目用の第2の試料の分注を行わせ、他方の検査項目用の第1の試料の分注が終了するサイクルの次のサイクルで第2の試料に設定された他方の検査項目用の第2の試料の分注を行わせる。
次に、回避パラメータについて説明する。
図8は、表示部52に表示された回避パラメータ設定画面の一例を示した図である。この回避パラメータ設定画面53は、各第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bを介しての試料のキャリーオーバを回避する回避パラメータを設定するための「試料」の欄により構成される。また、各第1及び第2の第1試薬分注プローブ20a,20b並びに各第1及び第2の第2試薬分注プローブ23a,23bを介しての試薬のキャリーオーバを回避する回避パラメータを設定するための「試薬」の欄により構成される。また、反応容器16を介しての混合液のキャリーオーバを回避する回避パラメータを設定するための「反応容器」の欄により構成される。
「試料」の欄は、「1」及び「2」等の欄と、各「1」及び「2」等の欄に影響を受ける検査項目を設定するための「受ける項目」の欄により構成される。そして、「1」及び「2」等の欄に設定される第1又は第2の検査項目の一方の検査項目が設定された試料の分注を開始するサイクルの前のサイクルで、一方の検査項目用の試料の分注が行われる第1又は第2の試料分注プローブ18a,18bの一方の試料分注プローブの特別洗浄が行われる。ここでは、「1」の欄の「受ける項目」の欄に、第1の検査項目A1乃至A7等や第2の検査項目B1乃至B6等のうち、影響を受ける検査項目として設定された第2の検査項目B4であることを示す「B4」が表示されている。
分析制御部32では、第2試料位置S2の試料容器11内の第2の試料に設定された第1又は第2の検査項目の一方の検査項目の中に、回避パラメータとして「試料」の欄に設定された検査項目が含まれている場合、第1試料位置S1の試料容器11内の第1の試料に設定された一方の検査項目用の第1の試料の分注が終了するサイクルの次のサイクルで、一方の検査項目用の第1の試料の分注が行われた第1又は第2の試料分注プローブ18a,18bの一方の試料分注プローブの特別洗浄を行わせる。そして、特別洗浄が行われた次のサイクルで一方の検査項目用の第2の試料の分注を行わせる。また、一方の試料分注プローブの特別洗浄が行われるサイクルで、他方の試料分注プローブによる分注を続行させる。
「試薬」の欄は、「1」及び「2」等の欄と、各「1」及び「2」等の欄に影響を与える検査項目を設定するための「与える項目」、「与える項目」の欄に設定された検査項目の試薬から試薬が影響を受ける検査項目を設定するための「受ける項目」、及び前記試薬を第1試薬又は第2試薬のいずれかで設定するための「種類」の欄により構成される。また、「与える項目」、「受ける項目」及び「種類」の欄に設定された検査項目の試薬を分注する第1の第1試薬分注プローブ20a、第2の第1試薬分注プローブ20b、第1の第2試薬分注プローブ23a又は第2の第2試薬分注プローブ23bのいずれかの試薬分注プローブを通常洗浄よりも強力な特別洗浄を行うサイクルの数を設定するための「回数」の欄により構成される。
「与える項目」の欄に設定された第1の検査項目の「種類」の欄に設定された第1試薬が分注されたサイクルの次のサイクルを含めて「回数」の欄に設定された数のサイクルの間、第1の第1試薬分注プローブ20aの特別洗浄が行われる。この特別洗浄は、第1の第1試薬分注プローブ20aに試薬容器13a内の洗浄液を吸引させて、洗浄槽で吐出させることにより行われる。
また、「与える項目」の欄に設定された第2の検査項目の「種類」の欄に設定された第1試薬が分注されたサイクルの次のサイクルを含めて「回数」の欄に設定された数のサイクルの間、第2の第1試薬分注プローブ20bの特別洗浄が行われる。この特別洗浄は、第2の第1試薬分注プローブ20bに試薬容器13a内の洗浄液を吸引させて、洗浄槽で吐出させることにより行われる。
また、「与える項目」の欄に設定された第1の検査項目の「種類」の欄に設定された第2試薬が分注されたサイクルの次のサイクルを含めて「回数」の欄に設定された数のサイクルの間、第1の第2試薬分注プローブ23aの特別洗浄が行われる。この特別洗浄は、第1の第2試薬分注プローブ23aに試薬容器13b内の洗浄液を吸引させて、洗浄槽で吐出させることにより行われる。
また、「与える項目」の欄に設定された第2の検査項目の「種類」の欄に設定された第2試薬が分注されたサイクルの次のサイクルを含めて「回数」の欄に設定された数のサイクルの間、第2の第2試薬分注プローブ23bの特別洗浄が行われる。この特別洗浄は、第2の第2試薬分注プローブ23bに試薬容器13b内の洗浄液を吸引させて、洗浄槽で吐出させることにより行われる。
ここでは、「1」の欄の「与える項目」の欄には、影響を与える検査項目として設定された第1の検査項目A6であることを示す「A6」が表示されている。また、「受ける項目」の欄には、影響を受ける検査項目として設定された第1の検査項目A7であることを示す「A7」が表示されている。また、「種類」の欄には、第1試薬であることを示す「R1」が表示されている。また、「回数」の欄には、特別洗浄が行われるサイクル数が2サイクルであることを示す「2」が表示されている。
また、「2」の欄の「与える項目」の欄には、影響を与える検査項目として設定された第2の検査項目B5であることを示す「B5」が表示されている。また、「受ける項目」の欄には、影響を受ける検査項目として設定された第2の検査項目B6であることを示す「B6」が表示されている。また、「種類」の欄には、第2試薬であることを示す「R2」が表示されている。また、「回数」の欄には、特別洗浄が行われるサイクル数が3サイクルであることを示す「3」が表示されている。
分析制御部32では、第1試料位置S1の試料容器11内の第1の試料又は第2試料位置S2の試料容器11内の第2の試料の一方の試料に設定された第1又は第2の検査項目の一方の検査項目の中に回避パラメータとして設定された影響を与える検査項目及び影響を受ける検査項目が含まれ、且つ、影響を与える検査項目用の一方の試料の分注の次に影響を受ける検査項目用の一方の試料の分注が行われる場合、影響を与える検査項目用の一方の試料の分注が行われるサイクルの次のサイクルを含めて回避パラメータとして設定された数のサイクルの間、一方の検査項目用の一方の試料の分注を中止させると共に他方の検査項目用の一方の試料の分注を続行させる。
「反応容器」の欄は、「1」及び「2」等の欄と、各「1」及び「2」等の欄に影響を与える検査項目を設定するための「与える項目」の欄とにより構成される。そして、各「1」及び「2」等の欄に、第1の検査項目が設定された場合、当該第1の検査項目の試薬が分注された後、洗浄ノズル27により洗浄が行われた第1ライン用の反応容器16に試料及び試薬の分注が行われずに、第1の第1試薬分注プローブ20aにより特別洗浄を行うための洗浄液が分注される。また、第2の検査項目が設定された場合、当該第2の検査項目の試薬が分注された後、洗浄ノズル27により洗浄が行われた第2ライン用の反応容器16に試料及び試薬の分注が行われずに、第2の第1試薬分注プローブ20bにより特別洗浄を行うための洗浄液が分注される。ここでは、「1」の欄の「与える項目」の欄には、設定された検査項目が第1の検査項目A6であることを示す「A6」が表示されている。
分析制御部32では、第1又は第2分注位置C1,C2の一方の分注位置の反応容器16に、洗浄ノズル27により洗浄が行われる前に分注された試薬が回避パラメータとして「反応容器」の欄に設定された検査項目の試薬である場合、一方の分注位置の反応容器16への試料及び試薬の分注を中止させ、一方の分注位置の反応容器16への分注が中止されるサイクルでは、他方の分注位置の反応容器16への分注を続行させる。
以下、図1乃至図13を参照して、自動分析装置100における各第1及び第2の検査項目用の試料の分注動作の一例について説明する。
先ず、第1及び第2の検査項目が設定された2つの試料の分注の一例について説明する。
図9は、第1及び第2の検査項目が設定された2つの試料の分注の一例を示した図である。この2つの試料P1,P2のうち、試料P1には2つの第1の検査項目A1,A2と4つの第2の検査項目B1乃至B4が設定され、試料P2には5つの第1の検査項目A1乃至A5と1つの第2の検査項目B1が設定されている。
試料P1を収容する試料容器11は第1試料位置S1で停止している。そして、第1の検査項目A1、第1の検査項目A2の順に試料P1が分注されるように設定されている。また、第2の検査項目B1、第2の検査項目B2、第2の検査項目B3、第2の検査項目B4の順に試料P1が分注されるように設定されている。
また、試料P2を収容する試料容器11は第2試料位置S2で停止している。そして、第1の検査項目A1、第1の検査項目A2、第1の検査項目A3、第1の検査項目A4、第1の検査項目A5の順に試料P2が分注されるように設定されている。また、第2の検査項目B1の順に試料P2が分注されるように設定されている。
各試料P1,P2の分注を開始する1サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A1用の試料P1を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、第1の試料分注プローブ18aから時間ta遅れて分注を開始し、第2の検査項目B1用の試料P1を吸引する。
2サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A2用の試料P1を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。その後、同一試料P1の分注の終了により、第1の洗浄槽28aで通常洗浄が行われる。第2の試料分注プローブ18bは、1サイクル目で吸引した第2の検査項目B1用の試料P1を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、第2の検査項目B2用の試料P1を吸引する。
3サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A1用の試料P2を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、2サイクル目で吸引した第2の検査項目B2用の試料P1を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、第2の検査項目B3用の試料P1を吸引する。
4サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A2用の試料P2を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、3サイクル目で吸引した第2の検査項目B3用の試料P1を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、第2の検査項目B4用の試料P1を吸引する。
第2の試料分注プローブ18bにより第2の検査項目B4用の試料P1の吸引が行われると、第1の検査項目A1,A2及び第2の検査項目B1乃至B4用の試料P1の吸引が終了する。第2の検査項目B4用の試料P1の吸引が行われた後、試料ラック12のL1方向への移動により、試料P2を収容する試料容器11は第1試料位置S1で停止する。
5サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A3用の試料P2を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、4サイクル目で吸引した第2の検査項目B4用の試料P1を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、同一試料P1の分注の終了により、第2の洗浄槽28bで通常洗浄が行われる。通常洗浄の後、第2の試料分注プローブ18bは、第2の検査項目B1用の試料P2を吸引する。
6サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A4用の試料P2を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、5サイクル目で吸引した第2の検査項目B1用の試料P2を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、同一の試料P2の分注の終了により、第2の洗浄槽28bで通常洗浄が行われる。
7サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A5用の試料P2を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。その後、同一試料P2の分注の終了により、第1の洗浄槽28aで通常洗浄が行われる。第2の試料分注プローブ18bは、第2の洗浄槽28bで停止している。
このように、第1及び第2の検査項目用の試料P1の分注を1サイクル毎に行わせて、第1の検査項目用の試料P1の分注が先に終了すると、引き続き第1の検査項目用の試料P2及び第2の検査項目用の試料P1の分注を1サイクル毎に行わせることができる。そして、第1の検査項目用の試料P1の分注が終了するサイクルの次のサイクルで第1の検査項目用の試料P2及び第2の検査項目用の試料P1の分注を行わせることができる。
また、第1の検査項目用の試料P2及び第2の検査項目用の試料P1の分注を1サイクル毎に行わせて、第2の検査項目用の試料P1の分注が先に終了すると、引き続き第1の検査項目用の試料P2及び第2の検査項目用の試料P2の分注を1サイクル毎に行わせることができる。そして、第2の検査項目用の試料P1の分注が終了するサイクルの次のサイクルで第2の検査項目用の試料P2及び第1の検査項目用の試料P2の分注を行わせることができる。
図10は、第1及び第2の検査項目が設定された2つの試料P1,P2の分注に要する時間の算出方法を説明するための図である。
第1の検査項目A1,A2用の試料P1及び第1の検査項目A1乃至A5用の試料P2を、第1の試料分注プローブ18aにより1サイクル毎に分注を行わせると、7サイクルを要する。また、第2の検査項目B1乃至B4用の試料P1及び第2の検査項目B1用の試料P2を、第2の試料分注プローブ18bにより1サイクル毎に分注を行わせると、5サイクルを要する。
このように、第1及び第2の検査項目用の試料P1を分注させ、第1又は第2の検査項目の数が少ない第1の検査項目用の試料P1の分注が先に終了すると、引き続き第1の検査項目用の試料P2及び残りの第2の検査項目用の試料P1を分注させるライン先行分注法である場合、第1の検査項目の試料P1,P2の分注に要する7サイクルで、試料P1,P2に設定された全ての検査項目用の試料を分注することになる。
なお、第1の検査項目A1,A2及び第2の検査項目B1乃至B4用の試料P1を、第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bにより1サイクル毎に分注を行わせると、4サイクルを要する。また、第1の検査項目A1乃至A5及び第2の検査項目B1用の試料P2を、第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bにより1サイクル毎に分注を行わせると、5サイクルを要する。このように、全ての第1及び第2の検査項目用の試料P1の分注を終了してから、次の試料P2を分注させるライン待ち分注法である場合、試料P1の分注に要する4サイクルと試料P2の分注に要する5サイクルを合計して9サイクルを要することになる。
このように、ライン先行分注法で第1及び第2試料位置S1,S2の試料P1,P2を分注させることにより、スループットの向上を図ることができる。
なお、第1及び第2試料位置S1,S2の2つの試料に設定された第1の検査項目と第2の検査項目の数によっては、ライン待ち分注法と同じ時間がかかる場合の例を、図11を参照して説明する。
図11は、ライン先行分注法がライン待ち分注法と同じ時間がかかる場合の一例を説明するための図である。
第1試料位置S1の試料容器11内の試料P3には2つの第1の検査項目A1,A6と4つの第2の検査項目B1乃至B4が設定され、第2試料位置S2の試料容器11内の試料P4には1つの第1の検査項目A1と5つの第2の検査項目B1乃至B5が設定されている。そして、試料P3を収容する試料容器11は第1試料位置S1で停止し、試料P4を収容する試料容器11は第2試料位置S2で停止している。
第1の検査項目A1,A6用の試料P3及び第1の検査項目A1用の試料P4の分注を1サイクル毎に第1の試料分注プローブ18aに行わせると、3サイクルを要する。また、第2の検査項目B1乃至B4用の試料P3及び第2の検査項目B1乃至B5用の試料P4の分注を1サイクル毎に第2の試料分注プローブ18bに行わせると、9サイクルを要する。このように、ライン先行分注法である場合、第2の検査項目の試料P3,P4の分注に要する9サイクルで、試料P3,P4に設定された全ての検査項目用の試料を分注することになる。
一方、第1の検査項目A1,A6及び第2の検査項目B1乃至B4用の試料P1の分注を1サイクル毎に第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bに分注を行わせると、4サイクルを要する。また、第1の検査項目A1及び第2の検査項目B1乃至B5用の試料P2の分注を1サイクル毎に第1及び第2の試料分注プローブ18a,18bに行わせると、5サイクルを要する。このように、ライン待ち分注法である場合、試料P3の分注に要する4サイクルと試料P4の分注に要する5サイクルを合計して9サイクルを要することになる。
次に、回避パラメータとして設定された検査項目を含む第1及び第2の検査項目が設定された2つの試料の分注の一例について説明する。
図12は、回避パラメータとして設定された検査項目を含む第1及び第2の検査項目が設定された2つの試料の分注の一例を示した図である。この2つの試料P5,P6のうち、試料P5には2つの第1の検査項目A6,A7と2つの第2の検査項目B1,B2が設定され、試料P6には4つの第1の検査項目A1乃至A4と4つの第2の検査項目B1,B3,B5,B6が設定されている。
試料P5を収容する試料容器11は第1試料位置S1で停止している。そして、第1の検査項目A6、第1の検査項目A7の順に試料P5が分注されるように設定されている。また、第2の検査項目B1、第2の検査項目B2の順に試料P5が分注されるように設定されている。
試料P6を収容する試料容器11は第2試料位置S2で停止している。そして、第1の検査項目A1、第1の検査項目A2、第1の検査項目A3、第1の検査項目A4の順に試料P5が分注されるように設定されている。また、第2の検査項目B1、第2の検査項目B3、第2の検査項目B5、第2の検査項目B6の順に試料P6が分注されるように設定されている。
1サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A6用の試料P5を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、第2の検査項目B1用の試料P5を吸引する。
2サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、回避パラメータとして設定された影響を与える第1の検査項目A6用の試料P5の分注を行った次のサイクルであるため、2サイクル目を含む回避パラメータとして設定された2サイクルの間、試料P5の分注を中止する。第2の試料分注プローブ18bは、1サイクル目で吸引した第2の検査項目B1用の試料P5を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、第2の検査項目B2用の試料P5を吸引する。
なお、第1の第1試薬分注プローブ20aは、1サイクル目に第1の検査項目A6用の試料P5が分注された反応容器16に第1の検査項目A6の第1試薬を分注する。2サイクル目に第1の検査項目A7用の試料P5が反応容器16に分注されると、第1の第1試薬分注プローブ20aは影響を与える第1の検査項目A6の第1試薬を分注した次のサイクルで影響を受ける第1の検査項目A7の第1試薬を分注する必要がある。しかしながら、回避パラメータに基づいて、影響を与える第1の検査項目A6の第1試薬が分注された後、影響を受ける第1の検査項目A7の第1試薬の分注を行う前に、2サイクルを利用して第1の第1試薬分注プローブ20aの特別洗浄を行わせる。このため、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A6用の試料P5を分注した後、後ほど第1の第1試薬分注プローブ20aの特別洗浄に必要となる2サイクルに亘って、試料P5の分注を中止する。
3サイクル目において、第2の試料分注プローブ18bは、2サイクル目に吸引した第2の検査項目B2用の試料P5を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、同一試料P5の分注の終了により、第2の洗浄槽28bで通常洗浄が行われる。通常洗浄の後、第2の試料分注プローブ18bは、第2の検査項目B1用の試料P6を吸引する。第1の試料分注プローブ18aは、回避パラメータに基づいて試料P5の分注を中止する。
4サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A7用の試料P5を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。その後、同一試料P5の分注の終了により、第1の洗浄槽28aで通常洗浄が行われる。第2の試料分注プローブ18bは、3サイクル目で吸引した第2の検査項目B1用の試料P6を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、第2の検査項目B3用の試料P6を吸引する。
第1の試料分注プローブ18aにより第1の検査項目A7用の試料P5の吸引が行われると、第1の検査項目A6,A7及び第2の検査項目B1,B2用の試料P5の吸引が終了する。試料P5の吸引が終了すると、第2の検査項目B3用の試料P6の吸引が行われた後、試料ラック12のL1方向への移動により、試料P6を収容する試料容器11は第1試料位置S1で停止する。
5サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A1用の試料P6を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、4サイクル目で吸引した第2の検査項目B3用の試料P6を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、第2の検査項目B5用の試料P6を吸引する。
6サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A2用の試料P6を吸引して、第1分注位置C1の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、5サイクル目で吸引した第2の検査項目B5用の試料P6を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、回避パラメータとして設定された影響を与える第2の検査項目B5用の試料P5の分注を行った次のサイクルに相当するため、6サイクル目を含む回避パラメータとして設定された3サイクルの間、試料P6の分注を中止する。
なお、第2の第2試薬分注プローブ23bは、6サイクル目に第2の検査項目B5用の試料P6が吐出された反応容器16に第2の検査項目B5の第2試薬を分注する。7サイクル目に第2の検査項目B6用の試料P6が反応容器16に吐出されると、第2の第2試薬分注プローブ23bは影響を与える第2の検査項目B5の第2試薬を分注した次のサイクルで影響を受ける第2の検査項目B6の第2試薬を分注する必要がある。しかしながら、回避パラメータに基づいて、影響を与える第2の検査項目B5の第2試薬が分注された後、影響を受ける第2の検査項目B6の第2試薬の分注を行う前に、2サイクルを利用して第2の第2試薬分注プローブ23bの特別洗浄を行わせる。このため、第2の試料分注プローブ18bは、第2の検査項目B5用の試料P5を吐出した後、後ほど第2の第2試薬分注プローブ23bの特別洗浄に必要な3サイクルに亘って、試料P6の分注を中止する。
7サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A3用の試料P6を吸引して、第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。第2の試料分注プローブ18bは、回避パラメータに基づいて試料P6の分注を中止する。
8サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、第1の検査項目A4用の試料P6を吸引して、第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、同一試料P6の分注の終了により、第1の洗浄槽28aで通常洗浄が行われる。第2の試料分注プローブ18bは、試料P6の分注を中止する。
9サイクル目において、第1の試料分注プローブ18aは、試料P6の分注を終了して第1の洗浄槽28aで停止している。第2の試料分注プローブ18bは、第2の検査項目B6用の試料P6を吸引する。
10サイクル目において、第2の試料分注プローブ18bは、9サイクル目に吸引した第2の検査項目B6用の試料P6を第2分注位置C2の反応容器16に吐出する。その後、同一試料P6の分注の終了により、第2の洗浄槽28bで通常洗浄が行われる。第1の試料分注プローブ18aは、第1の洗浄槽28aで停止している。
このように、回避パラメータに基づいて第1の検査項目A6用の試料P5の分注が行われた次のサイクルを含めて2サイクルの間、第1の試料分注プローブ18aによる試料P5の分注を中止させ、第2の検査項目B1用の試料P5及び第2の検査項目B1用の試料P6の分注を続行させることができる。また、回避パラメータに基づいて第2の検査項目B5用の試料P6の分注が行われた次のサイクルを含めて3サイクルの間、第2の試料分注プローブ18bによる試料P6の分注を中止させ、第1の検査項目A2乃至A4用の試料P6の分注を続行させることができる。
図13は、回避パラメータとして設定された検査項目を含む第1及び第2の検査項目が設定された2つの試料の分注に要する時間の算出方法を説明するための図である。
ライン先行分注法では、第1の検査項目A6,A7用の試料P5及び第1の検査項目A1乃至A4用の試料P6の分注に6サイクルを要し、更に第1の第1試薬分注プローブ20aの特別洗浄のために試料P5の分注を2サイクル中止するため、合計で8サイクルを要する。また、第2の検査項目B1,B2用の試料P5及び第2の検査項目B1,B3,B5,B6用の試料P6の分注に6サイクルを要し、更に第2の第2試薬分注プローブ23bの特別洗浄のために試料P6の分注を3サイクル中止するため、合計で9サイクルを要する。
これに対し、ライン待ち分注法では、第1の検査項目A6,A7及び第2の検査項目B1,B2用の試料P5の分注に2サイクルを要し、試料P5の分注を2サイクル中止するため、合計で4サイクルを要する。また、第1の検査項目A1乃至A4及び第2の検査項目B1,B3,B5,B6用の試料P6の分注に4サイクルを要し、試料P6の分注を3サイクル中止するため、合計で7サイクルを要する。従って、試料P5の分注に要する4サイクルと試料P6の分注に要する7サイクルを合計して11サイクルを要することになる。
従って、ライン先行分注法では、ライン待ち分注法の11サイクルよりもサイクル数の少ない第1の検査項目の試料P1,P2の分注に要する9サイクルで、試料P5,P6の分注を行うことができる。これにより、スループットの向上を図ることができる。
以上述べた実施形態によれば、第1試料位置S1の第1の試料又は第2試料位置S2の第2の試料の一方の試料に設定された第1の検査項目用の一方の試料を第1分注位置C1の反応容器16に分注する第1の試料分注プローブ18aと、第1の試料又は第2の試料の一方の試料に設定された第2の検査項目用の一方の試料を第2分注位置C2の反応容器16に分注する第2の試料分注プローブ18bとを設ける。そして、第1の試料に設定された第1及び第2の検査項目用の第1の試料の分注を1サイクル毎に行わせて、第1又は第2の検査項目用の一方の検査項目用の第1の試料の分注が先に終了すると、引き続き第2の試料に設定された一方の検査項目用の第2の試料及び他方の検査項目用の第1の試料の分注を1サイクル毎に行わせることができる。これにより、スループットの向上を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。