JP4094101B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N2035/00178Special arrangements of analysers
    • G01N2035/00277Special precautions to avoid contamination (e.g. enclosures, glove- boxes, sealed sample carriers, disposal of contaminated material)

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  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体外診断用の自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動分析装置としては、大きく分けて2種類があり、測定濃度領域の狭い分析項目、主に生化学的な分析項目を分析するための自動分析装置(以下、生化学的分析装置と称する。)と、測定濃度領域の広い分析項目、主に免疫学的な分析項目を分析するための自動分析装置(以下、免疫学的分析装置と称する。)とが広く知られている。
【0003】
一般に、これらの自動分析装置は、分析方法がただ異なるというわけではなく、免疫学的分析装置は、動作サイクルが20〜30秒程度と長く、十分な時間をかけた分析を行なうと共に、十分な洗浄水を用いて洗浄するようにしている。
【0004】
それに対して、生化学的分析装置は、動作サイクルが3〜4.5秒程度と短かく、洗浄も免疫学的分析に比べて洗浄水をそれほど必要とするものではなかった。
【0005】
そのため、分析対象項目に応じて生化学的分析と免疫学的分析とを使い分けられるように、検査施設には2種類の自動分析装置が購入され、管理されていた。
しかしながら、2種類の自動分析装置を購入するとなると、設備コスト、設置スペース及び作業上の負荷等といった不都合が多く発生するため、従来から生化学的分析と免疫学的分析との双方の機能を備えた自動分析装置が望まれるようになり、1台の自動分析装置で広い分析項目をカバーする取り組みが行われるようになってきた(例えば、特開平5−80059号公報,特開平6−148203号公報,特開平6−317598号公報参照)。
【0006】
免疫学的分析としては、例えば固相標識を用いて免疫反応を行った後、免疫反応後のboundとfreeとを分離/洗浄する工程を含むヘテロジニアスイムノアッセイが主流であった。また、一方では、B−F分離が不要なホモジニアスイムノアッセイもある。
【0007】
ホモジニアスイムノアッセイについては、高感度を要する分析項目に対応するようにすることが困難であったが、生化学的分析装置への適用には、それ程の困難性が無いため、一部で導入されている上に、近年では高感度化も鋭意取り組みはなされている。
【0008】
しかしながら、現状の生化学的分析装置においてホモジニアスイムノアッセイを実施する場合は、測定濃度領域の広さから試料間のキャリーオーバーの防止を格段に向上させる必要性が最も重要な課題であった。
【0009】
分注プローブの洗浄制御に関するものとしては、例えば特開昭57−39353号公報に開示される試薬用分注プローブを対象としたものがある。
これは、1つの分注プローブで複数種の試薬を連続して分注する際での試薬間のキャリーオーバーが分析に与える影響を、予め試験等でえた情報を基に予測し、特定の試薬間で使用される分注プローブのみ洗浄制御を強化するように制御するものであった。
【0010】
ところが、試料間のキャリーオーバーは、試薬間のキャリーオーバーのように予測することが困難であるため、従来の装置で上述したような洗浄制御を行なうものはなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、複数の患者の試料を順次取り扱っている自動分析装置では、一般的に、測定結果の信頼性を著しく低下させる可能性のあった試料間のキャリーオーバーを防止するために、共通に使用される試料用分注プローブを、大量の水を用いると共に十分時間をかけて洗浄するものであった。
【0012】
以上のように、生化学的分析と免疫学的分析との双方の分析が行なえる機能を統合し、洗浄に要する水と時間を効率よく用いるようにした自動分析装置を実現するには、試料用分注プローブの洗浄が大きな課題であった。
【0013】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、1台で測定濃度領域の広い分析と測定濃度領域の狭い分析とが行なえ、試料間のキャリーオーバーを防止することができる上に、洗浄に要する水を節約できると共に洗浄に要する時間を短縮することができる自動分析装置の提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1は、複数の反応容器を搬送する手段と、複数の試料を収容する試料容器を搬送する手段と、複数の試薬を収容する試薬容器を搬送する手段と、前記試料容器から反応容器に試料を分注する試料用分注手段と、前記試薬容器から反応容器に試薬を分注する試薬用分注手段と、前記反応容器内の反応液を測定する手段と、前記試料用分注手段を洗浄する洗浄手段を備えた自動分析装置において、測定濃度領域が狭い分析項目情報と測定濃度領域が広い分析項目情報とを記憶しておく第1の記憶手段と、前記試料容器の試料に対する分析項目情報を記憶しておく第2の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶されている分析項目情報と前記第2の記憶手段に記憶されている試料容器の試料に対する分析項目情報とを比較して試料間でのキャリーオーバーによる影響の有無を判別する判別手段と、前記判別手段からの情報を基に、測定濃度領域が広い分析項目のみが分析対象となっている試料の分注前に試料用分注手段に対して前記洗浄装置による洗浄力を強化した洗浄をすると共に、測定濃度領域が狭い分析項目と測定濃度領域が広い分析項目とが分析対象となっている試料については、試料内で測定濃度領域が狭い分析項目を測定濃度領域が広い分析項目より優先して分析することで前記試料用分注手段による共洗いを行った後に、測定濃度領域が広い分析項目の分析を行なうように制御を行なう制御手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る請求項の制御手段は、測定濃度領域が狭い分析項目としての生化学的分析項目の中でも、試料間のキャリーオーバーの影響が大きい項目については通常よりも洗浄力を強化した洗浄を行なうように制御することが好適である。
【0016】
本発明に係る請求項1又は2の制御手段による洗浄力を強化した洗浄は、通常の動作サイクルで水以外の洗剤、界面活性剤等の洗浄液を用いる洗浄、通常の洗浄を複数動作サイクル行なう洗浄、試料による共洗で行なう洗浄、超音波を用いた洗浄を単独又は組み合わせる制御を行なうことが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
始めに、本発明は、1つの試料について生化学的な分析項目と免疫学的な分析項目との分析を依頼する場合を考慮し、通常の分析依頼の際において、試料全てについて必ずしも生化学的分析項目と免疫学的な分析項目とで分析装置を分ける必要がないという点と、試料間における分注プローブのキャリーオーバーにおいて特に問題となるのは異なる試料間での分注初回に影響が顕著に現れているという事実と共に、同一試料内での分注時には分注プローブを必要以上に洗浄を行なう必要が無いという点とに着眼してなされたものである。
【0018】
本発明では、通常の試料用分注プローブの洗浄、例えば水による洗浄を生化学的な分析項目の分析を行なう場合の洗浄に設定しておき、免疫学的な分析項目の分析を行う場合の洗浄の時には、次試料への影響が起こらない程度の洗浄、例えば通常の水による洗浄より、さらに洗浄力を強化するといった特別な洗浄を行なわせるようにしたものである。
【0019】
特別な洗浄を行なわせるための手段としては、様々あるが、例えば出荷時にメーカーが又は使用前の初期設定として予めユーザーが分析項目毎の情報として生化学的な分析項目と免疫学的な分析項目とを第1の記憶手段、例えばメモリカードに識別して登録、記憶させておく。
【0020】
次いで、各試料毎の分析前に試料テーブルへ設置する各試料の試料分析項目情報(以下、試料情報と称する。)を試料テーブルの位置情報と共に第2の記憶手段に記憶させる。
【0021】
第1,第2の記憶手段に夫々の情報を記憶させておくことで、自動分析を行なった際に、各試料毎に分析依頼された項目が生化学的な分析項目であるか或いは免疫学的な分析項目であるかを判別し、その情報に応じた制御を中央処理装置が行い、分析中の試料用分注プローブの洗浄関連動作を制御することができる。
【0022】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について詳述することで、上述した内容を更に詳しく説明を行なう。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置のブロック図を示したものである。
【0023】
図1に示す自動分析装置は、生化学的な分析項目と免疫学的な分析項目の分析を行うことができる分析部1と、該分析部1を制御する制御部2とで構成される。
【0024】
分析部1は、複数の試料を夫々に収容した複数の試料容器3を搬送可能な試料テーブル4と、複数の分析用試薬(以下、試薬と称する。)を収容した複数の試薬容器5を搬送可能な試薬テーブル6と、複数の反応容器7を搬送可能な反応テーブル8と、該反応テーブル8の反応容器7を洗浄する容器洗浄装置9と、光源10と受光部11とからなり試料と試薬とによる反応液の光学的特性を測定する光度計12と、上記試料テーブル4側から反応テーブル8の反応容器7へ試料を所定量分注する試料用分注装置、ここでは試料用分注プローブ13と、上記試薬テーブル6側から反応テーブル8の反応容器7へ試薬を所定量分注する試薬用分注装置、ここでは試薬用分注プローブ14と、試料用分注プローブ13の洗浄を行なう洗浄槽15と、試薬用分注プローブ14の洗浄を行なう洗浄槽(不図示)と、反応容器内の反応液を攪拌する攪拌装置16と、攪拌装置16に用いられる攪拌棒の洗浄装置(不図示)とから構成される。
【0025】
一方、制御部2は、前記分析部1を構成する各ユニットを、所定のシーケンスで動作させる他、各種情報処理機能や、各試料毎の分析項目の情報を入力及び記憶する機能等を有しているものとする。
【0026】
詳述すると、制御部2は、各種情報を入力するための入力手段、例えばキーボード17と、該キーボード17から入力される生化学的分析項目の情報と免疫学的分析項目の情報とを記憶しておく第1記憶手段18と、同じくキーボード17から入力される試料情報を試料テーブル4上における試料容器3の位置情報に対応して記憶しておく第2記憶手段19と、前記第1及び第2の記憶手段18,19の各種情報を基に試料間でのキャリーオーバーによる影響の有無を判別する判別手段20と、該判別手段20により判別された情報を基に最適な試料用分注プローブ13の洗浄制御を行なわせると共に、分析部1全ての分析制御も行なう制御手段としての中央処理装置21とから構成される。
【0027】
以下に、上述した自動分析装置の操作及び動作について説明を行なう。
始めに、自動分析装置は、出荷時又は分析開始前にメーカー又はユーザーが初期設定として予めキーボード17を用いて制御部2内の第1記憶手段18に分析項目毎の情報として生化学的分析項目情報と免疫学的分析項目情報とを分類して登録、記憶させる。
【0028】
ユーザーは、通常の分析を開始するに当たり、最初に、不図示の操作部のスタートボタンを押して分析開始を指示する。
自動分析装置は、スタート信号が中央処理装置21に送出され、各ユニットのイニシャライズ動作を完了してその状態で待機する。
【0029】
次いで、ユーザーは、試料テーブル4へ設置する各試料の試料情報を、キーボード17を用いて制御部2内の第2記憶手段19に試料テーブル4の位置情報に対応させつつ登録・記憶させる。なお、各試料の分析情報は、特にキーボードによる手入力の他に、オンライン又はバーコード読取装置等によって自動化することも可能である。
【0030】
各試料毎の試料情報の登録が終了した後、以下の手順で分析は行なわれる。
始めに、中央処理装置21は、容器洗浄装置9を制御して反応容器7内の洗浄を行なう。
【0031】
そして、中央処理装置21は、容器洗浄装置9を制御して洗浄水を反応容器7に分注させた後、光度計12で水ブランク測定を行なわせる。
この測定が終了後、この測定に用いた反応容器7内の洗浄水は容器洗浄装置9で排出させる。
【0032】
次いで、試料テーブル4が回転し、吸引が行なわれる試料が試料吸引位置に位置すると回転は停止し、試料用分注プローブ13内に満たされている水を介して試料吸引位置に位置決めされた試料容器3から所定量の試料が試料用分注プローブ13に吸引される。
【0033】
同時に、反応テーブル8が回転し、試料の吐出が行なわれる試料吐出位置に反応容器7を位置決めすると、中央処理装置21の制御によって、試料用分注プローブ13に吸引されている試料を所定量分注する。
【0034】
中央処理装置21は、第1及び第2の記憶手段18,19とに記憶されている情報を基に、試薬テーブル6を回転制御して分析項目に対応する試薬を選択し、該試薬を収容する試薬容器5を試薬吸引位置に位置決めする。
【0035】
試薬吸引位置に試薬容器5が位置決めされると、試薬用分注プローブ14内に満たされている洗浄水を介して試薬分注位置に位置決めされた分析項目に対応する試薬が試薬用分注プローブ14に吸引される。
【0036】
同時に、反応テーブル8が回転し、試薬の吐出が行なわれる試薬吐出位置に反応容器を位置決めすると、中央処理装置21の制御によって、試薬用分注プローブ14に吸引されている試薬が所定量分注される。
【0037】
反応容器7内に試料と試薬とによる反応液が形成されると、反応テーブル8は回転して反応液を攪拌するための攪拌位置に位置決めされる。
反応容器7が攪拌位置に位置決めされると、攪拌装置16の攪拌棒で反応容器7内の反応液が攪拌される。
【0038】
反応液の攪拌が終了し、反応液の反応を起こさせると、反応テーブル8はさらに回転して、光源10と受光部11とによって構成され吸光度、発光量、蛍光量等、光学的特性を測定する光度計12が配置された位置まで移動して測定が行われる。
【0039】
その結果、中央処理装置21は、例えば濃度値に換算した出力情報を不図示の表示装置、例えばCRT又はプリンタ等に出力させる。
測定終了後の反応容器7は、容器洗浄装置9で反応液を吸引排出し、洗浄した後、再使用される。
【0040】
また、試料・試薬用分注プローブ13,14についても、反応容器7と同様に洗浄が行なわれた後、再使用される。
ここで、本発明の主眼である試料用分注プローブの洗浄について、図2に示す各試料毎の分析項目列のワークリストの表を参照して以下に説明を行なう。
【0041】
始めに、測定濃度領域の狭い分析項目(主に生化学的分析項目)に対応した試料用分注プローブの洗浄の場合について説明する。
先ず、制御部2の判別手段20は、第1及び第2の記憶手段18,19に記憶されている情報に基づいて、反応容器7に分注される試料の分析項目について判別する。
【0042】
ここで、判別手段20が、生化学的分析項目の分析を行なう旨の判断が行なわれると、その旨の信号が中央処理装置21に送られる。
中央処理装置21は、生化学的な分析を分析部1に行なわせると共に、使用後の試料用分注プローブ13の洗浄を通常の通りに行なわせる制御を行なう。
【0043】
これにより、図2に示すワークリストの表に対応させると、生化学的な分析項目を分析する試料番号(以下、S.No.と称する。)1,5,6,8の試料に関する試料用分注プローブ13について、中央処理装置21は、通常の通りの洗浄、ここでは3〜4.5秒程度の時間をかけた水による洗浄を行なわせる。
【0044】
次いで、免疫学的分析項目に対応した試料用分注プローブの洗浄の場合について説明する。
前述した生化学的分析項目の場合と同様に、先ず、制御部2の判別手段20は、第1及び第2の記憶手段18,19に記憶されている情報に基づいて、反応容器7に分注される試料の分析項目について判別する。
【0045】
ここで、判別手段20が、免疫学的分析項目の分析を行なう旨の判断が行なわれると、その旨の信号が中央処理装置21に送られる。
中央処理装置21は、免疫学的な分析を分析部1に行なわせると共に、免疫学的分析の試料吸引前、試料用分注プローブ13の洗浄を通常の洗浄より洗浄力を強化した洗浄を行なわせる制御を行なう。
【0046】
これにより、図2に示すワークリストの表に対応させると、免疫学的な分析項目を分析するS.No.2,3,4,7の試料の分注前に、中央処理装置21は、前試料のキャリーオーバーによる影響を考慮して試料用分注プローブの洗浄を、通常の洗浄に比べて洗浄力を強化した洗浄、例えば3〜4.5秒程度より長い20〜30秒程度の時間をかけた水による洗浄を行なわせる。
【0047】
なお、洗浄力を強化した洗浄としては、通常行なわれている水による洗浄の他に、試料の吸引前に洗剤や界面活性剤等の洗浄剤で洗浄した後、水ですすぐという洗浄もある。
【0048】
このようにすることで、生化学分析項目の分析と免疫学的分析項目の分析とを行なうことができる1台の装置で、単に試料間のキャリーオーバーを防止することができるだけでなく、洗浄に要していた水の量を分析項目に応じて使い分ける制御によって、洗浄に要する水が大幅に節約できる。
【0049】
また、1台の装置で生化学及び免疫測定ができることで、設備コストがかからず、設置スペースも少なく、操作者への負荷が大幅に軽減される。
さらに、分析項目に応じて洗浄水の水量を使い分けるようにしたので、洗浄に要していた時間も短縮させることができる。
【0050】
加えて、結果報告が短時間ででき、使用する洗浄水も大幅に削減できることで廃液量を減らし、廃液処理コスト低減できる効果もある。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について第1の実施形態でも用いた図2に示す各試料毎の分析項目列のワークリストの表を参照して以下に説明を行なう。
【0051】
なお、第2の実施形態は、中央処理装置21による分析部1での動作が第1の実施形態と異なっている他は、構成自体、第1の実施形態と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0052】
第2の実施形態の中央処理装置21は、判別手段20で予め送信されている試料毎の分析項目に関する判別信号に応じて、各試料毎の分析を進めていく上で、各試料の分析を生化学的な分析項目の分析を優先するように制御し、免疫学的な分析項目の分析だけが対象となっている試料が分注される時だけ、通常とは異なる特別な洗浄を実施するように制御するようにしたものである。
【0053】
以下に、例を用いて具体的な説明を行なう。
始めに、S.No.1の試料の場合、ワークリストの表からも明らかなように、生化学的な分析項目のみ分析を行なうことがわかる(図2参照)。
【0054】
この場合、中央処理装置21は、試料用分注プローブ13が同一試料の分注を繰り返すため、試料によるキャリーオーバーによる影響は問題なく、試料用分注プローブ13の洗浄に関しては同一試料内では洗浄を行なわない様制御をしてもよい。
【0055】
S.No.1の試料の分注が終了し、次試料(S.No.2)へ移る際、測定濃度領域が狭い生化学的分析項目へ分注動作が変るだけであるので、中央処理装置21は、試料用分注プローブ13の洗浄を通常行なわれている通り、例えば水による洗浄のみを行ない、S.No.1の試料の場合と同様に分注を行なうように制御を行なう。
【0056】
ここで、S.No.2の試料がS.No.1の試料の場合と異なるのは、生化学的な分析項目の分析を行なった後、測定濃度領域の広い免疫学的分析項目の分析を行なっている点である。
【0057】
しかしながら、この場合、試料用分注プローブ13による同じ試料間の分注である上に、初回の分注を測定濃度領域の狭い生化学的分析項目ですでに行ない、後は同一試料内で分注を繰り返している間に共洗い効果が起こるため、免疫学的分析項目へ分注する際には前試料(S.No.1の試料)の影響は無視できる程度に減少させることができるので、異なった試料間でのキャリーオーバーによる影響はほとんど問題はなくなる。
【0058】
S.No.3の試料については、S.No.2の場合と同様であるので、説明を省略する。
S.No.4の試料については、測定濃度領域の広い免疫学的分析項目のみであるため、前述した制御では試料間でのキャリーオーバーの影響が著しいことが伺える。
【0059】
その旨を判断した中央処理装置21は、S.No.3の試料からS.No.4の試料へ分注動作が変る時、試料用分注プローブ13の洗浄を通常の洗浄以外の特別な洗浄を行なうように制御する。これにより、無駄な時間を消費することなく、試料間でのキャリーオーバーの影響を問題ない程度にして分析を進めることができる。
【0060】
以下、上記と同様の動作を中央処理装置21が分析項目に応じて制御するようにする。
この実施形態では、免疫学的分析項目を分析する試料だけ対象としたが、生化学的分析項目数が所定数以下のときには洗浄強化の制御をするようにしてもよい。
【0061】
上述した第2の実施形態では、第1の実施形態の効果と同様の効果が望める他、さらに使用する洗浄水も大幅に削減及び洗浄に係る時間等を短縮することができると共に、廃液量もより減らすことができ、廃液処理コストのさらなる低減ができるといった効果が期待できる。
【0062】
また、上述した第1,2の実施形態では、生化学的分析項目と免疫学的分析項目に分析項目を分類して説明を行なったが、特にこれに限られるものではなく、単にそのように分類した狙いとして、測定濃度領域の広さの違いに着目して分類したに過ぎないため、必ずしも生化学的分析項目と免疫学的分析項目とに分類する必要はない。即ち、生化学的分析項目の中でも試料間のキャリーオーバーの影響が大きい項目がある場合には、この分析項目を別分類として登録・記憶させておき、上述した実施形態と同様な処理を行なうようにすることが可能である。
【0063】
なお、特別な洗浄としては、実施形態でも説明した大量の洗浄水を用いる洗浄の他に、洗剤等の界面活性剤を用いた洗浄や、超音波を用いた洗浄、さらには通常の洗浄動作における動作サイクルを変更し、洗浄槽における通常の洗浄を行なった後、次試料の分注を行なうことなく、再度同じ洗浄槽で洗浄を繰り返すといった洗浄もある。
【0064】
また、他にも、分析に使用する試料に余裕がある場合に有効な洗浄であるが、次試料を用いて行なわれる洗浄(共洗い)もある。これについて詳述すると、本発明で着目しているが、異なる試料間での分注初回、即ち、試料用分注プローブで分注した初回の試料(1種類の試料で行なわれる分析数に対応した反応液に関して、該反応液を作成するにあたり最初に反応容器に分注される試料)は、これより前で分注していた前試料によって影響を受け汚染されているものとみなし、初回の試料に関しては一度吸引・排出を行なうことで、一度次試料で試料用分注プローブを洗浄して前試料による影響をなくすと共に、丁度次試料で試料用分注プローブを汚染したような状態にしてから、通常の分注動作を行なうようにした洗浄のことである。
【0065】
このような洗浄を行なうことで、試料用分注プローブは常に所定量の水のみで洗浄するように構成することができる。
なお、本発明の分注装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない領域であれば種々変更することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、1台で測定濃度領域の広い分析と測定濃度領域の狭い分析とが行なえ、試料間のキャリーオーバーを防止することができる上に、洗浄に要する水を節約できると共に洗浄に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施形態の自動分析装置を示したブロック図である。
【図2】図2は、各試料毎の分析項目列のワークリストを示した表である。
【符号の説明】
1 分析部
2 制御部
3 試料容器
4 試料テーブル
5 試薬容器
6 試薬テーブル
7 反応容器
8 反応テーブル
9 容器洗浄装置
10 光源
11 受光部
12 光度計
13 試料用分注プローブ
14 試薬用分注プローブ
15 洗浄槽
16 攪拌装置
17 キーボード
18 第1記憶手段
19 第2記憶手段
20 判別手段
21 中央処理装置

Claims (3)

  1. 複数の反応容器を搬送する手段と、
    複数の試料を収容する試料容器を搬送する手段と、
    複数の試薬を収容する試薬容器を搬送する手段と、
    前記試料容器から反応容器に試料を分注する試料用分注手段と、
    前記試薬容器から反応容器に試薬を分注する試薬用分注手段と、
    前記反応容器内の反応液を測定する手段と、
    前記試料用分注手段を洗浄する洗浄手段を備えた自動分析装置において、
    測定濃度領域が狭い分析項目情報と測定濃度領域が広い分析項目情報とを記憶しておく第1の記憶手段と、
    前記試料容器の試料に対する分析項目情報を記憶しておく第2の記憶手段と、
    第1の記憶手段に記憶されている分析項目情報と前記第2の記憶手段に記憶されている試料容器の試料に対する分析項目情報とを比較して試料間でのキャリーオーバーによる影響の有無を判別する判別手段と、
    前記判別手段からの情報を基に、測定濃度領域が広い分析項目のみが分析対象となっている試料の分注前に試料用分注手段に対して前記洗浄装置による洗浄力を強化した洗浄をすると共に、測定濃度領域が狭い分析項目と測定濃度領域が広い分析項目とが分析対象となっている試料については、試料内で測定濃度領域が狭い分析項目を測定濃度領域が広い分析項目より優先して分析することで前記試料用分注手段による共洗いを行った後に、測定濃度領域が広い分析項目の分析を行なうように制御を行なう制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
  2. 上記制御手段は、測定濃度領域が狭い分析項目としての生化学的分析項目の中でも、試料間のキャリーオーバーの影響が大きい項目については通常よりも洗浄力を強化した洗浄を行なうように制御することを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  3. 上記制御手段による洗浄力を強化した洗浄は、通常の動作サイクルで水以外の洗剤、界面活性剤等の洗浄液を用いる洗浄、通常の洗浄を複数動作サイクル行なう洗浄、試料による共洗で行なう洗浄、超音波を用いた洗浄を単独又は組み合わせる制御を行なうことを特徴とする請求項1又は2記載の自動分析装置。
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