JP6611446B2 - 振動型駆動装置及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動体と被駆動体とを加圧接触させ、振動体に所定の振動を励振することにより振動体と被駆動体とを相対的に移動させる振動型駆動装置、及び、振動型駆動装置を備える撮像装置に関する。
振動体と被駆動体とを加圧接触させ、振動体に振動を励振させることによって振動体と被駆動体とを相対的に移動させる振動型駆動装置として、シャフトを回転中心軸として振動体と被駆動体とを相対的に回転移動させる構造を有するものが知られている。
例えば、特許文献1に開示された振動型アクチュエータでは、略円筒状の振動体が、シャフトに通されてシャフトのスラスト方向において加圧保持される。振動体と接触するように環状の被駆動体がシャフトに通され、被駆動体と接触するように環状の皿バネがシャフトに通される。更に、皿バネと接触するように環状の出力ギアがシャフトに通され、皿バネに所定の付勢力が生じるようにシャフトにフランジが固定される。これにより、被駆動体、皿バネ及び出力ギアは、シャフトを中心軸として回転自在な状態で、シャフトのスラスト方向において加圧保持される。特許文献1では、皿バネを出力ギア及び被駆動体と接合して、被駆動体、皿バネ及び出力ギアが一体的に回転可能な構成としている。
図10(a)は、上述した被駆動体と振動体との加圧接触部の概略構成を示す部分断面図である。環状の被駆動体91は、金属材料からなる本体部92に筒状の金属部材93が樹脂接着剤を用いて接合された構造を有する。金属部材93はスラスト方向にバネ性を有しており、金属部材93の開放側の端面(本体部92に接合されていないスラスト方向の端面)は、金属材料からなる弾性体95の端面に加圧接触している。
弾性体95は振動体において被駆動体91と加圧接触する部材であり、弾性体95には不図示の圧電素子が接合されている。圧電素子に所定の交流電圧を印加することによって弾性体95における金属部材93との接触面に所定の振動を生じさせることによって、弾性体95は金属部材93に対して被駆動体91を回転移動させる摩擦駆動力(推力)を与える。
なお、弾性体95における金属部材93との摩擦摺動面には、耐摩耗を高める処理(例えば、弾性体95がステンレス材からなる場合には、窒化処理や焼き入れ処理)が施されている。金属部材93も、例えば、マルテンサイト系ステンレスの薄板をテーパリング状にプレス成型した後に、焼き入れ等の熱処理を行うことで耐摩耗性が高められている。
特開2005−237053号公報
金属部材93における弾性体95との接触面は、弾性体95の摩擦摺動面に生じる振動の山部と接触する際に、一定の面積を持った領域で接触する。このとき、金属部材93の周方向においてバネ性にむらがあると(剛性が大きい部分と小さい部分とがあると)、金属部材93が受ける摩擦駆動力にむらが生じてしまうため、金属部材93は全周にわたって均一なバネ性を有していることが望ましい。
また、例えば、振動体での駆動振動の励振を停止したとき(被駆動体91の駆動を停止させたとき)に金属部材93に振動が残ってしまうと、目的とする停止位置と実際に停止する位置との間にずれが生じてしまうおそれがある。更に、駆動振動以外の不要な振動が駆動振動に重畳した場合には、速やかに不要な振動を減衰させる必要がある。したがって、金属部材93には、一定の振動減衰特性を備えていることが要求される。
金属部材93にバネ性の均一性と振動減衰特性を持たせるための形状面からのアプローチを考えた場合、金属部材93における摩擦摺動面を真円に近付けることが望ましい。しかしながら、金属部材93は、薄肉の部材であるため、熱処理後に変形を生じやすい。
図10(b)は、図10(a)中の矢視A−Aの断面図であり、金属部材93の変形の一例を示しており、熱処理後に金属部材93の真円度が低下して楕円環状となった状態を示している。金属部材93が楕円環状となることでバネ性が不均一になってしまい、摩擦駆動力にむらが生じてしまうことによって回転速度にむらが生じてしまう。
また、金属部材93が楕円環状となることで、樹脂接着剤からなる樹脂接着層(以下「接着層」という)97に厚さの不均一が生じる。ここで、接着層97は、樹脂からなるために、金属部材93の振動減衰特性に影響を与え、接着層97に厚さの不均一が生じていることによって、金属部材93の周方向における振動減衰特性及びバネ性(バネ定数)にばらつきが生じる。これに対して、例えば、本体部92において金属部材93と嵌合する部分の外径を大きくして接着層97が全体的に薄く形成されるようにした場合には、振動減衰効果が低下する傾向になる。逆に、本体部92において金属部材93と嵌合する部分の外径を小さくして接着層97が全体的に過剰に厚く形成されるようにすると、金属部材93のバネ性(バネ定数)が低下する方向になる。
本発明は、駆動効率の低下を抑制しつつ、均一な振動減衰特性を有する振動型駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、電気−機械エネルギ変換素子を有する振動体と、弾性体と、前記弾性体に取り付けられた金属部材を有し、前記金属部材が前記振動体と加圧接触する被駆動体と、前記振動体前記被駆動体を保持する軸部材と、を備え、前記電気−機械エネルギ変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体に励した振動によって前記振動体と前記被駆動体とを前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動させる振動型駆動装置であって、前記金属部材は、円筒形状を有し、前記弾性体は、第1の円周曲面と、第1の円周曲面よりも外径の小さい第2の円周曲面とを有し、前記第1の円周曲面で前記金属部材と嵌合し、前記第1の円周曲面と前記金属部材の間、及び、前記第2の円周曲面と前記金属部材の間に接着剤が介在していることを特徴とする振動型駆動装置である。
本発明の別の一態様は、弾性体前記弾性体に取り付けられた電気−機械エネルギ変換素子と、前記弾性体に嵌合により取り付けられた金属部材を有する振動体と、前記振動体の前記金属部材と加圧接触する被駆動体と、前記振動体前記被駆動体を保持する軸部材と、を備え、前記電気−機械エネルギ変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体に励した振動によって前記振動体と前記被駆動体とを前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動させる振動型駆動装置であって、前記金属部材は、平板環状で内径側と外径側とで厚さ方向に段差を有し、且つ、前記弾性体と嵌合する嵌合部と、前記被駆動体と接触するバネ部とを有し、前記弾性体は、前記金属部材の中心孔と嵌合する凸部と、前記凸部の外周に設けられ、前記金属部材と接触する平坦部とを有し、前記金属部材の前記バネ部と前記嵌合部の間の部分と、前記弾性体と、の間に接着剤が介在し、前記金属部材が前記弾性体と嵌合した状態では、前記金属部材の内径側が前記平坦部と接触し、前記金属部材の外径側と前記平坦部の間に前記接着剤が介在していることを特徴とする振動型駆動装置、である。
本発明の更に別の一態様は、弾性体と、前記弾性体に取り付けられた電気−機械エネルギ変換素子と、前記弾性体に嵌合により取り付けられた平板環状の金属部材とを有する振動体と、前記振動体の前記金属部材と加圧接触する被駆動体と、前記振動体と前記被駆動体を保持する軸部材と、を備え、前記電気−機械エネルギ変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体に励起した振動によって前記振動体と前記被駆動体とを前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動させる振動型駆動装置であって、前記金属部材は、前記弾性体と嵌合する嵌合部と、前記被駆動体と接触するバネ部とを有し、前記弾性体は、前記金属部材の中心孔と嵌合する凸部と、前記凸部の外周に設けられ、前記金属部材と接触する平坦部と、前記平坦部の外周に設けられた段差部とを有し、前記金属部材の前記バネ部と前記嵌合部の間の部分と、前記弾性体と、の間に接着剤が介在し、前記金属部材が前記弾性体と嵌合した状態では、前記平坦部は前記金属部材と接触し、前記平坦部の外周側の段差部と前記金属部材の間に前記接着剤が介在していることを特徴とする振動型駆動装置、である。
本発明によれば、バネ性を有する金属部材を、振動体に嵌合により取り付けて被駆動体と加圧接触させ又は被駆動体に嵌合により取り付けて振動体と加圧接触させたときに、金属部材の嵌合部とバネ部との間に樹脂接着層を均一に設けた構成とする。金属部材を嵌合により取り付けることにより金属部材の変形を矯正して、バネ性の均一性を高めることができると共に、樹脂接着層が金属部材に均一に接触することによって均一な振動減衰特性を得ることができる。これにより、駆動効率の低下を抑制しつつ、安定した回転駆動性能を得ることができる。
本発明の実施形態に係る振動型駆動装置の概略構成を示す断面図である。 図1の振動型駆動装置を構成する主要な内部構成部品の分解図である。 図1の振動型駆動装置を構成する振動体の分解図である。 図1に示す領域Aの拡大図である。 図1の振動型駆動装置を構成する第1の変形例に係る被駆動体と振動体との加圧接触部の概略構成を示す断面図である。 図1の振動型駆動装置を構成する第2の変形例に係る被駆動体と振動体との加圧接触部の概略構成を示す断面図である。 図1の振動型駆動装置を構成する振動体の変形例と被駆動体と加圧接触部の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る回転駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 図8の回転駆動装置に用いられる振動体に用いられる圧電素子の概略構成を示す分解斜視図である。 従来の振動型駆動装置を構成する被駆動体と振動体との加圧接触部の概略構成を示す部分断面図と、部分断面図に示す矢視A−Aの断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る振動型駆動装置100の概略構成を示す断面図である。図2は、振動型駆動装置100の主要な内部構成部品の分解図である。振動型駆動装置100は、大略的に、フランジ14、側面カバー15、ハウジング28a,28bからなるケースに内部構成部品が収容されて構成されている。
振動型駆動装置100は、内部構成部品として、被駆動体1A,1B、振動体2、振動体支持部材5、フレキシブル配線基板6、加圧バネ(加圧部材)7a,7b、加圧力均一化リング8a,8b、回転伝達部材9a,9b及び内部軸受け10a,10bを有する。また、振動型駆動装置100は、シャフト(軸部材)11、軸受け12a,12b、エンコーダ13、Eリング16及びスペーサ17を有する。なお、以下の説明では、シャフト11のスラスト方向(軸方向)を、単にスラスト方向と言うこととする。
振動体2は、略円環形状を有する電気−機械エネルギ変換素子である圧電素子3が、スラスト方向において略円筒形状を有する弾性体4a,4bに挟持された構造を有する。弾性体4a,4bはそれぞれ、スラスト方向において対称となる形状(実質的に同じ形状)を有しており、圧電素子3を挟持した状態で、例えば、電気抵抗溶接によりそれぞれの内径側で接合されている。振動体2は、振動体支持部材5を介して側面カバー15とハウジング28aによって保持されている。
圧電素子3には、圧電素子3への給電を行うフレキシブル配線基板6が接して配置されている。なお、フレキシブル配線基板6は、圧電素子3を駆動することによって生じる電圧を検出するための配線も有する。振動体2は、シャフト11に通される。弾性体4a側には、内部軸受け10a、被駆動体1A、加圧力均一化リング8a、加圧バネ7a及び回転伝達部材9aがこの順にシャフト11に通されている。加圧力均一化リング8aは、樹脂製で、コイルバネである加圧バネ7aの端部で生じる加圧ムラを軽減する機能を有する。内部軸受け10aにも、樹脂製のものが用いられる。
被駆動体1Aは、バネ性を有する円筒状(環状)の金属部材51と、金属部材51を嵌合保持すると共に接着保持する弾性体52とを有する。弾性体52も、金属材料からなる。金属部材51の一方の開放端面は、振動体2を構成する弾性体4aと加圧接触し、摩擦摺動するため、金属部材51における弾性体4aとの摩擦摺動面には、ラップ処理による平面化加工処理が施されている。
被駆動体1Aは、加圧力均一化リング8aを支持し、弾性体52と接着される駆動力伝達部材53を有する。図2において被駆動体1Aは、金属部材51、弾性体52及び駆動力伝達部材53が接着されて一体化された状態で示されている。
回転伝達部材9aは、被駆動体1Aの回転駆動力をシャフト11に伝達する部材であり、シャフト11に圧入され、弾性体52に回転力を伝達する機能を付与するために爪(不図示)を有している。ハウジング28aには軸受け12aが取り付けられており、軸受け12aはハウジング28aに対してシャフト11を回転自在に支持している。
弾性体4a側と弾性体4b側とでは、回転伝達部材9a,9bのそれぞれに形状の差異はあるが、これは、回転伝達部材9bには、エンコーダ反射板を貼り付ける部分が加えられているためであり、機能は上述の通りに回転伝達部材9aと同じである。軸受け12aは、ボールベアリングであって、Eリング16及びスペーサ17と回転伝達部材9aとの間に挟まれており、仮にシャフト11にスラスト力が加わってもボールベアリングで受けることで摩擦部での加圧力に変動をきたさないようになっている。そこで、弾性体4b側の構成については、以下に簡略化して説明する。
弾性体4b側には、内部軸受け10b、被駆動体1B、加圧力均一化リング8b、加圧バネ7b及び回転伝達部材9bがこの順でシャフト11に通されている。被駆動体1Bは、被駆動体1Aと同じく、金属部材51、弾性体52及び駆動力伝達部材53を有し、図2において被駆動体1Bはこれらの部品が分解された状態で示されている。
ハウジング28bには軸受け12bが取り付けられており、軸受け12bはハウジング28bに対してシャフト11を回転自在に支持している。回転伝達部材9bは、シャフト11に圧入され、且つ、被駆動体1Bに、前述の通り、爪(不図示)により回転力を伝達する。ハウジング28a,28bは、側面カバー15を介して接合される。
上記の通りに構成された振動型駆動装置100では、スラスト方向において回転伝達部材9aを一端部として、加圧バネ7aが加圧力均一化リング8aを介して被駆動体1Aを振動体2側へ押圧する。同様に、スラスト方向において回転伝達部材9bは軸受け12bに当接し、加圧バネ7bが加圧力均一化リング8bを介して被駆動体1Bを振動体2側へ押圧する。シャフト11にそれぞれ圧入固定された2つの回転伝達部材9a,9bの間に挟まれて、2つのコイルバネである加圧バネ7a,7bにより2つの被駆動体1A,1Bをそれぞれ弾性体4a,4bに加圧接触させている。つまり、被駆動体1Aを構成する金属部材51の開放端は振動体2を構成する弾性体4aにおける被駆動体1A側の面と加圧接触し、被駆動体1Bを構成する金属部材51の開放端は振動体2を構成する弾性体4bにおける被駆動体1B側の面と加圧接触する。
振動体2に後述する所定の振動を励振させることにより、被駆動体1Aの金属部材51が弾性体4aによって摩擦駆動され、回転駆動力が被駆動体1Aの金属部材51に与えられる。これにより、被駆動体1A、回転伝達部材9a、加圧バネ7a及び加圧力均一化リング8aがシャフト11を回転中心軸として一体的に、振動体2に対して相対的に回転移動する。同様に、被駆動体1Bの金属部材51が弾性体4bによって摩擦駆動され、回転駆動力が被駆動体1Bの金属部材51に与えられる。これにより、被駆動体1B、回転伝達部材9b、加圧バネ7b及び加圧力均一化リング8bがシャフト11を回転中心軸として一体的に、振動体2に対して相対的に回転移動する。
したがって、回転伝達部材9a,9bが取り付けられているシャフト11を回転させることができる。このように、2つの被駆動体1A,1Bで振動体2を挟持する構成とすることで、被駆動体が1つの振動型駆動装置(例えば、上記特許文献1に開示された超音波モータ)に比べて、2倍のトルクを発生させることができる。なお、前述したように、ハウジング28aに固定された軸受け12aの片面側には、スペーサ17を介してシャフト11の溝部にEリング16が設けられているので、シャフト11にスラスト方向に外力が作用しても、その外力が、振動体2と被駆動体1A,1Bとの加圧接触部での加圧力に影響しない構成となっている。
また、振動型駆動装置100では、加圧バネ7a,7bが被駆動体1A,1Bを振動体2に押し付ける加圧力の反力は、シャフト11の張力になっているだけで、加圧バネ7a,7bによるスラスト力は軸受け12a,12bには加わらない。そのため、加圧バネ7a,7bによるスラスト力を受け止める大きな軸受けは不要であり、シャフト11と軸受け12a,12bとの摩擦によるエネルギ損失を小さく抑えることができる。
更に、振動体支持部材5には、被駆動体1A,1Bの回転トルクに起因するねじれ反力のみが加わるため、スラスト方向の剛性は小さくても構わない。本実施形態では、振動体支持部材5自体を、スラスト方向と直交する方向で柔軟な構成とすることで、振動体2の振動を阻害しないようにしている。
なお、ハウジング28bには、回転伝達部材9bの回転角度(シャフト11の回転角度)を検出するためのエンコーダ13が取り付けられている。回転伝達部材9bにおいてスラスト方向と直交する軸受け12b側の面にはエンコーダ反射板が設けられており、エンコーダ13は、発光素子からエンコーダ反射板に測定光を照射したときの反射光を受光素子で検知する。この検知情報は、振動型駆動装置100での駆動制御に用いられる。
次に、振動体2の構成について、図3を参照して説明する。図3は、振動体2の分解斜視図である。振動体2を構成する圧電素子3は、所定の曲げ振動を発生させるための電極パターンが形成された薄板状の圧電セラミックスと電極とが一体焼成により形成された積層構造を有する。例えば、圧電板の厚さを80μmとし、積層枚数を22枚とすることができるが、これに限定されるものではない。
不図示の電源からフレキシブル配線基板6を介して圧電素子3の電極群に位相の異なる交流電界を印加することで、互いに直交する2つの曲げ振動を振動体2に励振させることができる。その際に、印加する交流電界の位相を調整することにより、2つの曲げ振動間に90度の時間的な位相差を与えることができ、その結果、合成された2つの曲げ振動は縄跳びの縄と同様の振動を発生する。これにより、弾性体4aにおける被駆動体1Aとの摩擦摺動面上と弾性体4bにおける被駆動体1Bとの摩擦摺動面上のそれぞれに楕円運動が形成され、各面に押圧された金属部材51が摩擦駆動されることでシャフト11を回転させることができる。
なお、内部軸受け10a,10bは、振動を阻害しないように振動の節となる位置(またはその近傍)に配置されており、これにより、振動体2との直接接触を避けてシャフト11との同軸性を確保することができる。
次に、被駆動体1Aと振動体2との加圧接触部の構成について詳細に説明する。図4は、図1に示す領域Aの拡大図であり、被駆動体1Aと振動体2(の弾性体4a)との加圧接触部の構成を示している。
被駆動体1Aを構成する弾性体52は、例えば、金属材料を旋盤加工することによって作製されており、そのため、高い真円度を有する。本実施形態では、弾性体52の外周面は円周曲面から構成されており、外周部に少なくとも2つの段差部が設けられることで、外径の異なる円周曲面が形成されている。本実施形態では、弾性体52は、外径が大きい方から順に、鍔部(フランジ部)52p、第1の円周曲面を有する嵌合部52q、嵌合部52qの第1の円周曲面よりも外径の小さい第2の円周曲面を有する接着層形成部52rを有するものと定義する。
金属部材51は、マルテンサイト系ステンレスの薄板をテーパリング状にプレス成型した後に、耐摩耗性を高めるために、焼き入れ処理等の熱処理を行うことで作製されている。図10(b)を参照して説明したように、金属部材51には、個々に程度は異なるが、真円から楕円等に歪むような変形が生じているものがある。
金属部材51には、振動体2側を内径側に折り曲げることによりバネ部51sが形成されており、これにより金属部材51にバネ性を持たせている。また、金属部材51において、バネ部51sの反対側には、曲げ部51pが形成されている。金属部材51における曲げ部51pからバネ部51s側への一定の範囲が金属部材51における嵌合部51qとなっており、金属部材51の嵌合部51qと弾性体52の嵌合部52qとが中間嵌めにより嵌合される。
このとき、本実施形態では、曲げ部51pを鍔部52pに当接させることで金属部材51の弾性体52への嵌め込みが完了する構成としている。したがって、鍔部52pは、金属部材51を弾性体52に嵌合させる際のストッパとして機能し、金属部材51を弾性体52に対して位置決めする。なお、金属部材51において曲げ部51pは必ずしも必要ではなく、曲げ部51pを設けずに、金属部材51における鍔部52p側の端面が鍔部52pに当接する構成としてもよい。
金属部材51の嵌合部51qと弾性体52の嵌合部52qとが中間嵌めにより嵌合される際に、金属部材51の変形は、金属部材51全体が真円に近付くように矯正される。これにより、金属部材51のバネ性が周方向において均一に近付く。また、金属部材51全体が弾性体52に対する中間嵌めによって真円に近付くように矯正されることで、金属部材51において振動体2と加圧接触するバネ部51sの開放端の形状も、スラスト方向から見たときに真円に近付く。これにより、金属部材51が振動体2から受ける摩擦駆動力に周方向でむらが生じることが抑制され、安定した回転駆動性能が得られるようになる。
弾性体52の接着層形成部52rと、金属部材51における嵌合部51qとバネ部51sとの間の部分と、の間には、樹脂接着剤(以下「接着剤」と記す)が充填された樹脂接着層(以下「接着層」と記す)55が形成されている。金属部材51全体が真円に近付くように矯正されることによって、接着層55は、スラスト方向と直交するラジアル方向において、弾性体52における嵌合部52qと接着層形成部52rとの半径差に相当する略均一な厚さの環状の形状を有する。
接着層55は、金属部材51が弾性体4aから受ける不要な振動や外部から加わる振動を減衰させる機能を有する。そのため、接着層55のラジアル方向での厚さが略均一に形成されることで、金属部材51における振動減衰機能を周方向で一定とすることができ、これにより、安定した回転駆動性能が得られるようになる。
接着層55は、例えば、弾性体52の嵌合部52qと接着層形成部52rの外周面に接着剤を塗布した後に、弾性体52に金属部材51を嵌合することによって形成することができる。この場合、弾性体52と金属部材51との間の中間嵌めの領域では、微視的に見れば接着剤が介在し、金属部材51と弾性体52とを接着すると考えられる。また、接着層55は、弾性体52に金属部材51を嵌合した後に、接着層形成部52rと金属部材51との間に接着剤を流し込んで硬化させることによって形成することもできる。この場合も、弾性体52と金属部材51との間の中間嵌めの領域で、弾性体52と金属部材51との間に隙間があると、その隙間に毛細管効果によって接着剤が流れ込み、弾性体52と金属部材51とを接着すると考えられる。
しかし、弾性体52と金属部材51との間の中間嵌めの領域において弾性体52と金属部材51との間に接着剤が存在しても、その接着剤は、接着層55の厚さよりも極めて薄いため、接着機能のみを有し、振動減衰機能を実質的に有していないため、機能面から接着層55と区別される。また、被駆動体1Aでは、金属部材51を弾性体52に対して中間嵌めにより嵌合することで金属部材51が嵌合前に有している変形を矯正する必要がある。つまり、弾性体52と金属部材51との間の中間嵌めの領域において弾性体52と金属部材51との間に接着剤が介在して金属部材51を弾性体52に接着しても、金属部材51の弾性体52に対する中間嵌めが不要になるものではない。よって、本実施形態では、弾性体52と金属部材51との間の中間嵌めの領域において金属部材51と弾性体52との間に実質的に接着機能のみを発揮し、振動減衰機能を発揮しない接着剤が存在することは、許容される。
なお、被駆動体1Bと振動体2との加圧接触部の構成は、被駆動体1Aと振動体2との加圧接触部の構成と同じであるため、説明を省略する。
<第2実施形態>
第2実施形態では、弾性体52の変形例である弾性体52Aを備える被駆動体1AAについて説明し、第1実施形態と共通する説明を省略する。
図5は、振動型駆動装置100を構成する被駆動体1AAと振動体2(の弾性体4a)との加圧接触部の概略構成を示す断面図であり、図4と同じ視点で示されている。被駆動体1AAは、金属部材51、弾性体52A及び不図示の駆動力伝達部材53から構成され、金属部材51及び駆動力伝達部材53は、第1実施形態で説明した被駆動体1Aを構成するものと同じである。
第1実施形態では、弾性体52の外周面に段差部(接着層形成部52r)を設けることによって、ラジアル方向での厚さが略均一な接着層55を形成した。これに対して、弾性体52Aには、嵌合部52qから振動体2側へ向けて連続的に外径が小さくなるようにテーパ面52r1が形成されている。よって、金属部材51と弾性体52とを中間嵌めにより嵌合したときに、弾性体52のテーパ面52r1と金属部材51との間に接着剤が充填されることにより、スラスト方向軸を含む断面で見たときの形状が三角形となる接着層56が形成される。
接着層56も、周方向で略均一に形成されるため、金属部材51に対する振動減衰機能を周方向で一定とすることができ、これにより、安定した回転駆動性能を得ることができる。なお、接着層56の形成方法は、第1実施形態で説明した接着層55の形成方法と同じであるため、説明を省略する。
<第3実施形態>
第3実施形態では、金属部材51の変形例である金属部材51Aを備える被駆動体1ABについて説明し、第1実施形態と共通する説明を省略する。
図6は、振動型駆動装置100を構成する被駆動体1ABと振動体2(の弾性体4a)との加圧接触部の概略構成を示す断面図であり、図4と同じ視点で示されている。被駆動体1ABは、金属部材51A、弾性体52及び不図示の駆動力伝達部材53から構成され、弾性体52及び駆動力伝達部材53は、第1実施形態で説明した被駆動体1Aを構成するものと同じである。
金属部材51Aには、金属部材51Aが弾性体52に嵌合されたときに弾性体52の嵌合部52qと接着層形成部52rとの境界となる段差部に対応する位置に1つ又は複数の孔部51rが設けられており、金属部材51Aのその他の構成は、第1実施形態で説明した金属部材51と同じである。金属部材51Aの嵌合部51qと弾性体52の嵌合部52qとが中間嵌めにより嵌合され、これにより、金属部材51Aに変形が生じている場合には、金属部材51Aは真円状となるように形状が矯正される。
金属部材51Aの弾性体52に対する中間嵌めは、弾性体52の嵌合部52qと接着層形成部52rの外周表面に接着剤が塗布されていない状態で行われる。そして、金属部材51Aと弾性体52とが嵌合した状態で、孔部51rから接着層形成部52rへ向けて接着剤が注入される。これにより、毛細管現象によって、弾性体52と金属部材51Aとの間に接着剤からなる接着層57が周方向に均一に形成されると共に、金属部材51Aが弾性体52に接着、固定される。
金属部材51Aの中間嵌め後に孔部51rから接着剤を注入する方法は、第1実施形態で説明した弾性体52の外周面に接着剤を塗布した後に金属部材51の中間嵌めを行う方法と比較すると、接着層57を形成するための接着剤量の管理が容易になる利点がある。即ち、弾性体52の外周面に接着剤を塗布した後に金属部材51を嵌合させた場合、弾性体52の嵌合部52qの外径と金属部材51の嵌合部51qの内径との公差が小さい部分では接着剤が多くそぎ落とされてしまう。その結果、形成される接着層55における接着剤の量が周方向で均一にならないおそれがあり、また、接着層55を形成する接着剤の量が所望する量に満たなくなるおそれがある。
これに対して、孔部51rから接着剤を注入する方法を用いた場合、所定量の接着剤を途切れることなく、弾性体52と金属部材51Aとの間の全周に行きわたらせることができる。その際、弾性体52と金属部材51Aとの間で隙間が拡大する部分(接着層形成部52rにおける振動体2側で金属部材51Aが弾性体52と対向しなくなる部分)では、接着剤の進行が停止する。よって、孔部51rに接着剤が残存して、接着層55が孔部51rの内部へ続いていることで、接着剤が欠乏していないことを確認することができる。
なお、接着剤を供給するための孔部は、弾性体52に設けてもよい。また、第2実施形態で説明した弾性体52Aに対して本実施形態で説明した金属部材51Aを組み合わせることによって被駆動体を構成してもよい。
<第4実施形態>
第1乃至第3実施形態では、被駆動体1Aにおいて振動体2と加圧接触する部分にバネ部(バネ性を有する金属部材51,51Aのバネ部51s)を設けた構成について説明した。これに対して、第4実施形態では、振動体において被駆動体と加圧接触する部分にバネ部を設けた構成について説明する。
図7(a)は、被駆動体1Cと振動体との加圧接触部の概略構成を示す断面図である。図7(a)に示す部分は、図4に示した図1中の領域Aの構成の変形例に相当し、振動型駆動装置を構成するその他の部位や部品の構成は第1実施形態と同じであるため、それらについての説明は省略する。
被駆動体1Cは、不図示の駆動力伝達部材53と、駆動力伝達部材53と接着される弾性体54から構成される。弾性体54には、振動体を構成する平板環状(ワッシャ状)の金属部材43と加圧接触する筒状の摩擦駆動部54aが設けられており、摩擦駆動部54aには、耐摩耗性を高めるための所定の処理が施されている。また、摩擦駆動部54aにおける金属部材43との加圧接触面には、ラップ処理による平面化加工処理が施されている。
振動体を構成する弾性体42は、弾性体4aに代わる部材である。弾性体42の被駆動体1C側の面には、平板環状の金属部材43が嵌合保持されると共に接着保持されている。弾性体42の被駆動体1C側の面には、隙間嵌め又は中間嵌めにより金属部材43の中心孔と嵌合する凸部42aが形成されており、凸部42aの外周側には、金属部材43を接着、固定するための平坦部42bが設けられている。そして、平坦部42bの外周側には、金属部材43の外周部を浮いた状態とすることで金属部材43にバネ性を持たせるための段差が設けられている。
金属部材43は、金属部材51と同様に、プレス成型された後に、耐摩耗性を高めるために焼き入れ等の熱処理を行うことで作製されている。金属部材43には、内径側が弾性体42の平坦部42bと接触したときに外径側が摩擦駆動部54aに近付くように、内径側と外径側とで厚さ方向に段差が設けられている。
弾性体42の平坦部42bに接着剤を塗布した後に、金属部材43の中心孔を凸部42aに嵌合させると共に、金属部材43の内径側を平坦部42bに対して接着する。これにより、金属部材43のスラスト方向(厚さ方向)での歪みをより平坦な状態へ矯正することができる。
金属部材43には段差が設けられており、平坦部42bの外周側は金属部材43と接触していないため(換言すれば、金属部材43の外周側が平坦部42bと接触していないため)、外周側にはみ出た接着剤により接着層44が形成される。金属部材43において平坦部42bと接着されていない外周部は、バネ性を有するバネ部43sとして機能する。接着層44は、金属部材43のバネ部43sと嵌合部の間の部分と弾性体42との間に形成され、金属部材43に形成された段差に起因してスラスト方向において一定の厚さを有するため、金属部材43の振動減衰特性を周方向において均一にすることができる。なお、弾性体42の平坦部42bに接着剤を塗布せずに金属部材43を弾性体42に嵌合した後に、金属部材43の外周部と平坦部42bとの間の隙間に接着剤を供給することによって接着層44を形成してもよい。
図7(b)は、被駆動体1Cと加圧接触する振動体の変形例の概略構成を示す断面図である。なお、図7(b)では、被駆動体1Cの図示を省略している。金属部材43の変形例である金属部材43Aは、厚さが略均一なワッシャ状の形状を有する。そのため、接着層45を形成するために、弾性体42の平坦部42bの外周側には、金属部材43Aと接触しない段差部が設けられている。
接着層45は、弾性体42の平坦部42bに接着剤を塗布した後に、金属部材43Aの中心孔を凸部42aに嵌合させ、その際に外周側にはみ出した接着剤により形成することができる。また、弾性体42の平坦部42bに接着剤を塗布せずに金属部材43を弾性体42に嵌合した後に、金属部材43Aと平坦部42bの外周部との間に形成される隙間に接着剤を注入することによって接着層45を形成してもよい。
不図示であるが、平坦部42bの内周側と外周側とで段差を設ける代わりに、平坦部42bの外周側にテーパ面を設けて、内径側で厚さが薄く、外径側で厚さが厚くなる接着層を設けてもよい。更に、第2実施形態で説明した接着層57と同様に、金属部材43,43Aの所定位置に孔部を設け、その孔部から接着剤を流し込むことで接着層を形成することもできる。
なお、本実施形態では、振動体を構成するバネ性を有する金属部材として平板環状の金属部材43,43Aを取り上げたが、バネ性を有する金属部材の形状はこれに限定されるものではない。後述する第5実施形態で説明するように、振動体を構成するバネ性を有する金属部材として、筒状の金属部材を用いることもできる。
第1乃至第3実施形態では、ばね性を有する金属部材のスラスト方向において、バネ部と嵌合部との間の部分と、弾性体と、の間に接着層が設けられた構成とした。これに対して、第4実施形態では、ばね性を有する金属部材のラジアル方向において、バネ部と嵌合部との間の部分と、弾性体と、の間に接着層が設けられた構成とした。このように本発明では、振動体と被駆動体との加圧接触部を基準として、バネ性を有する金属部材を有する振動体又は被駆動体へ向かって順に、金属部材のバネ部、金属部材が取り付けられた振動体の弾性体又は被駆動体の弾性体と金属部材との間に形成された接着層、振動体の弾性体又は被駆動体の弾性体と金属部材との嵌合部が設けられた構造となっている。これにより、金属部材に生じている歪みを矯正すると共に不要な振動を速やかに減衰させることができるため、駆動効率の低下を抑制すると共に安定した駆動性能を得ることができる。
<第5実施形態>
第5実施形態では、回転駆動装置について説明する。図8(a)は、回転駆動装置200の概略構成を示す斜視図である。回転駆動装置200は、内筒70、外筒72及び振動体80を備える。外筒72と内筒70とは回転自在に嵌合されており、後述するように、振動体80に所定の振動を励振させることにより、軸心を中心として相対的に回転変位させることが可能となっている。
外筒72の中空部や、外筒72とカム係合して軸方向に進退可能な不図示の部品に光学部品や配線等が設けられ、或いは流体を流通させる構成とすることができる。例えば、外筒72とカム係合して直進移動する不図示の部品にズームレンズやフォーカスレンズ等のレンズ群を保持させることにより、撮像装置のレンズ鏡筒を実現することができる。レンズ鏡筒は、レンズ群を光軸方向に移動可能な構成として、レンズ群を通過した光が撮像装置本体に設けられた撮像素子に結像するように構成される。
回転駆動装置200では、3個の振動体80(1個は不図示)が周方向において等間隔に配置されている。但し、配置される振動体80は、3個に限定されるものではなく、より少ない1個又は2個でもよく、逆に4個以上であってもよい。1個又は2個の振動体80を配置する場合、内筒70に対する外筒72のバランスを取るために、3個との差分の数だけボールベアリング等の軸受けを配置することが望ましい。
図8(b)は、振動体80を含む回転駆動装置200の軸心を含む断面図である。回転駆動装置200では、加圧バネ76を有するバヨネットリング78と外筒72との間で振動体80をスラスト方向で挟持している。バヨネットリング78は内筒70に固定されている。振動体80の中心を貫通するシャフト81は、内筒70と外筒72との間に配置された中間筒74に固定されている。本実施形態では、内筒70と外筒72は、中間筒74に対して相対的に回転可能に係合されている。
第1乃至第4実施形態では、振動体が固定されてシャフトを回転させる構成について説明したが、ここでは、シャフト81が固定されて振動体80が回転可能な構成としている。振動体80を回転させるための構成については、図8(c)及び図9を参照して後述する。
図8(c)は、図8(b)中の領域Bの拡大図である。外筒72の振動体80側には、ブチルゴム87aを介して摩擦部材88aが固定されている。同様に、バヨネットリング78の振動体80側は、加圧バネ76から振動体80側へ順に、バックアップリング77、ブチルゴム87b、摩擦部材88bが固定された構成となっている。なお、摩擦部材88bの表面には、振動体80が有する圧電素子84への給電を行うための不図示の電極パターンが設けられている。
振動体80の概略構成は、第1実施形態で説明した振動体2と同様であり、圧電素子84が弾性体83a,83bによってシャフト81のスラスト方向に挟持された構造を有する。弾性体83a,83bはそれぞれ、第1実施形態で説明した弾性体4a,4bに相当する部材である。弾性体83a,83bのそれぞれに、第1実施形態で説明した金属部材51に相当する金属部材85が中間嵌めにより嵌合され、且つ、接着剤で接着されている。加圧バネ76による加圧力によって、金属部材85の開放端は摩擦部材88a,88bと加圧接触している。振動体80は、不図示であるが、第1実施形態で説明した接着層55が弾性体83a,83bと金属部材85とのそれぞれの接合部に形成された振動減衰部を有する。
回転駆動装置200における振動体80の径方向での位置(シャフト81のスラスト方向での位置)を決めるために、シャフト81に内部軸受け86が配置されており、また、ブッシュ82がシャフト81の外側端部に取り付けられている。
圧電素子84は、第1実施形態で説明した圧電素子3とは構成と給電方法が異なる。図9は、圧電素子84の分解斜視図である。圧電素子84は、4枚の圧電体84a,84b,84c,84dと、これらの圧電体間に配置される電極板84p,84q,84rとを有する。電極板84qは、グラウンドに接続される共通電極である。電極板84qは、弾性体83a,83bと同じ電位にすることが望ましいため、振動体80を組み立てた状態で弾性体83a,83bと接触している。電極板84p,84rは、振動体80に曲げ振動を励振させるための給電に用いられる。電極板84p,84rは、振動体80の回転時にも圧電体84a〜84dへの給電を可能とするために、その外周部はバネ性を有する柔軟なリング状に形成されており、摩擦部材93bの表面に設けた電極パターンと絶えず接触している。
圧電体84a〜84dにそれぞれ示された“+”,“−”は分極方向を表している。圧電体84a,84bは、電極板84pを挟んで分極方向の同一部分が向かい合うように配置されており、同様に圧電体84c,84dも、電極板84rを挟んで分極方向の同一部分が向かい合っている。そして、圧電体84a,84bと圧電体84c,84dとは、電極板84qを挟んで位置的位相を90°ずらして配置されている。
電極板84p,84rにそれぞれ位相が90°ずれた交流電圧を印加することにより、圧電体84a,84bによる曲げ振動と圧電体84c,84dによる曲げ振動との合成により、振動体80に首振り(或いは、縄跳びの縄の運動)のような振動である進行性の屈曲モードの振動が生じる。よって、弾性体82a,82bのそれぞれに接合された金属部材85が摩擦部材93a,93bを摩擦駆動することで、内筒70及びバヨネットリング78と外筒72とを相対的に回転変位させることができる。
例えば、内筒70が固定されている場合、振動体80は中間筒74に固定されたシャフト81に対して回転することなく、中間筒74は内筒70に対して角度θだけ回転し、外筒72は中間筒74に対して角度θだけ回転する。よって、外筒72は内筒70に対して角度2θだけ回転する。但し、シャフト81と内部軸受け86及び加圧接触部(金属部材85と摩擦部材93a,93bとの加圧接触部)での摩擦力の大きさによっては、振動体80自体が回転する場合もある。また、中間筒74が固定されている場合、内筒70と外筒72とは逆方向に角度θだけ回転するため、相対的には角度2θだけ周方向での位置がずれる。
なお、内筒70が固定されている場合に、外筒72を内筒70に対して角度2θだけ外筒72を外部から手動で回転させると、中間筒74は外筒72と同じ方向に角度θだけ回転する。このとき、振動体80に振動を励振させて外筒72を回転駆動した場合とは異なり、振動体80は通常の軸受けとして機能し、回転する。
<その他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
例えば、振動型駆動装置100は、電子写真法を用いてトナーにより用紙等の媒体に画像を形成する画像形成装置における感光ドラム等の回転体の回転駆動装置として用いることができる。また、振動型駆動装置100は、ロボットアームを回転駆動させるモータとして用いることもできる。更に、ターンテーブルのような円板状部材の回転駆動させることも可能である。更に、第5実施形態では、振動体80を同一円周状に配置することにより回転駆動装置に適用した例について説明したが、1個の振動体80により又は同一直線上に配置された複数の振動体80により、振動体80と加圧接触させた被駆動体を相対的に直進移動させることも可能である。この場合、例えば、直進移動する被駆動体にフォーカスレンズやズームレンズが搭載された、撮像装置のレンズ鏡筒を実現することができる。また、例えば、顕微鏡等の光学装置において観察物を載置するステージのX−Y駆動装置を実現することができる。
1A,1B 被駆動体
2 振動体
3,84 圧電素子
4a,4b 弾性体
7a,7b 加圧バネ
9a,9b 回転伝達部材
11 シャフト
42 弾性体
44,45,55,56,57 (樹脂)接着層
43,43A,51,51A,85 金属部材
51q (金属部材の)嵌合部
51s (金属部材の)バネ部
52 弾性体
52q (弾性体の)嵌合部
52r 接着層形成部
52r1 テーパ面
100 振動型駆動装置
200 回転駆動装置

Claims (17)

  1. 電気−機械エネルギ変換素子を有する振動体と、
    弾性体と、前記弾性体に取り付けられた金属部材を有し、前記金属部材が前記振動体と加圧接触する被駆動体と、
    前記振動体前記被駆動体を保持する軸部材と、を備え、
    前記電気−機械エネルギ変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体に励した振動によって前記振動体と前記被駆動体とを前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動させる振動型駆動装置であって、
    前記金属部材は、円筒形状を有し、
    前記弾性体は、第1の円周曲面と、第1の円周曲面よりも外径の小さい第2の円周曲面とを有し、前記第1の円周曲面で前記金属部材と嵌合し、
    前記第1の円周曲面と前記金属部材の間、及び、前記第2の円周曲面と前記金属部材の間に接着剤が介在していることを特徴とする振動型駆動装置。
  2. 前記第1の円周曲面において、前記弾性体と前記金属部材とは中間嵌めにより嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載の振動型駆動装置。
  3. 前記金属部材に焼き入れ処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動型駆動装置。
  4. 前記金属部材は、前記弾性体と嵌合した状態で前記第1の円周曲面と前記第2の円周曲面の段差部に対応する位置に形成された孔部を有し、
    記接が前記孔部の内部へ続いていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  5. 第2の円周曲面連続的に外径が小さくなるように形成されたテーパ面を有し、
    前記テーパ面と前記金属部材との間に前記接着剤が介在していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  6. 前記接着剤が介在することにより、前記第2の円周曲面と前記金属部材の間に、接着層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  7. 前記振動体前記被駆動体を保持する軸部材を備え、
    前記被駆動体と前記振動体とは、前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  8. 記被駆動体と前記振動体とは、相対的に直進移動することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動型駆動装置と、
    前記振動型駆動装置により光軸方向に駆動されるレンズを有するレンズ鏡筒と、
    前記レンズを通過した光が結像する位置に設けられた撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
  10. 弾性体前記弾性体に取り付けられた電気−機械エネルギ変換素子と、前記弾性体に嵌合により取り付けられた金属部材を有する振動体と、
    前記振動体の前記金属部材と加圧接触する被駆動体と、
    前記振動体前記被駆動体を保持する軸部材と、を備え、
    前記電気−機械エネルギ変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体に励した振動によって前記振動体と前記被駆動体とを前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動させる振動型駆動装置であって、
    前記金属部材は、平板環状で内径側と外径側とで厚さ方向に段差を有し、且つ、前記弾性体と嵌合する嵌合部と、前記被駆動体と接触するバネ部とを有し、
    前記弾性体は、前記金属部材の中心孔と嵌合する凸部と、前記凸部の外周に設けられ、前記金属部材と接触する平坦部とを有し、
    前記金属部材の前記バネ部と前記嵌合部の間の部分と、前記弾性体と、の間に接着剤が介在し、
    前記金属部材が前記弾性体と嵌合した状態では、前記金属部材の内径側が前記平坦部と接触し、前記金属部材の外径側と前記平坦部の間に前記接着剤が介在していることを特徴とする振動型駆動装置。
  11. 弾性体と、前記弾性体に取り付けられた電気−機械エネルギ変換素子と、前記弾性体に嵌合により取り付けられた平板環状の金属部材とを有する振動体と、
    前記振動体の前記金属部材と加圧接触する被駆動体と、
    前記振動体と前記被駆動体を保持する軸部材と、を備え、
    前記電気−機械エネルギ変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体に励起した振動によって前記振動体と前記被駆動体とを前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動させる振動型駆動装置であって、
    前記金属部材は、前記弾性体と嵌合する嵌合部と、前記被駆動体と接触するバネ部とを有し、
    前記弾性体は、前記金属部材の中心孔と嵌合する凸部と、前記凸部の外周に設けられ、前記金属部材と接触する平坦部と、前記平坦部の外周に設けられた段差部とを有し、
    前記金属部材の前記バネ部と前記嵌合部の間の部分と、前記弾性体と、の間に接着剤が介在し、
    前記金属部材が前記弾性体と嵌合した状態では、前記平坦部は前記金属部材と接触し、前記平坦部の外周側の段差部と前記金属部材の間に前記接着剤が介在していることを特徴とする振動型駆動装置。
  12. 前記凸部において、前記弾性体と前記金属部材とは中間嵌めにより嵌合されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の振動型駆動装置。
  13. 前記金属部材に焼き入れ処理が施されていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  14. 前記接着剤が介在することにより、前記金属部材の前記バネ部と前記嵌合部の間の部分と、前記弾性体と、の間に、接着層が形成されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  15. 前記振動体と前記被駆動体を保持する軸部材を備え、
    前記被駆動体と前記振動体とは、前記軸部材を回転中心軸として相対的に回転移動することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  16. 前記被駆動体と前記振動体とは、相対的に直進移動することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
  17. 請求項10乃至16のいずれか1項に記載の振動型駆動装置と、
    前記振動型駆動装置により光軸方向に駆動されるレンズを有するレンズ鏡筒と、
    前記レンズを通過した光が結像する位置に設けられた撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
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