JP2022136602A - 振動型アクチュエータ及びそれを有する雲台、電子機器 - Google Patents

振動型アクチュエータ及びそれを有する雲台、電子機器 Download PDF

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Abstract

Figure 2022136602000001
【課題】 本発明は、従来技術よりも、硬化処理された接触面の端部にクラックや欠けが発生し難い振動型アクチュエータを提供することを目的とする。
【解決手段】 弾性体と、電気-機械エネルギー変換素子と、を有する第1の部材と、弾性体と接触し、電気-機械エネルギー変換素子に印加された交流電圧により発生した振動により、振動体に対して相対的に移動する第2の部材と、を備え、第2の部材は、第1の部材と接触する、硬化処理された接触面と、接触面と接続し、接触面に対して傾斜する傾斜面と、を有し、傾斜面には、被膜が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、振動型アクチュエータ及びそれを有する雲台、電子機器に関するものである。
振動型アクチュエータは、低速・大トルク駆動可能などの特徴から、例えば一眼レフカメラの撮影レンズにおけるオートフォーカスの駆動用モータとして実用化されている。また、近年はカメラ以外のさまざまな電子機器への適用も期待されている。例えば、ロボットアームの関節駆動やロボットハンドの回転駆動、監視カメラなどの撮像装置の雲台の回転駆動、画像形成装置の感光体ドラムの回転駆動への振動型アクチュエータの適用が期待されている。
このようなレンズ駆動用途以外の用途においては、一般的に、レンズ駆動用途よりも頻繁に駆動することから、振動型アクチュエータの耐久性の向上が求められている。
特許文献1には、振動型アクチュエータにおいて、振動体と接触し、振動体に対して相対的に移動する接触体(移動体)が開示されている。また、振動体と接触する接触面(摺動部)に、硬化処理(窒化処理)された表層(接触面)を形成し、耐摩耗性を向上させる技術が開示されている。
特開2006-211755号公報
しかし、硬化処理することにより、硬度と共に脆性も増す。したがって、特許文献1に記載された振動型アクチュエータは、硬化処理しない場合と比較し、耐摩耗性が向上する一方で、硬化処理された表層(接触面)の端部にクラックや欠けが発生し易くなるという問題がある。
そこで、本発明は、従来技術よりも、硬化処理された接触面の端部にクラックや欠けが発生し難い振動型アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の振動型アクチュエータは、弾性体と、電気-機械エネルギー変換素子と、を有する第1の部材と、前記弾性体と接触し、前記電気-機械エネルギー変換素子に印加された交流電圧により発生した振動により、前記振動体に対して相対的に移動する第2の部材と、を備え、前記第2の部材は、前記第1の部材と接触する、硬化処理された接触面と、前記接触面と接続し、前記接触面に対して傾斜する傾斜面と、を有し、前記傾斜面には、被膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の振動型アクチュエータは、弾性体と、電気-機械エネルギー変換素子と、を有する第1の部材と、前記弾性体と接触し、前記電気-機械エネルギー変換素子に印加された交流電圧により発生した振動により、前記振動体に対して相対的に移動する第2の部材と、を備え、前記第1の部材は、前記第2の部材と接触する、硬化処理された接触面と、前記接触面と接続し、前記接触面に対して傾斜する傾斜面と、を有し、前記傾斜面には、被膜が形成されていることを特徴とする。
上記発明により、従来技術よりも、硬化処理された接触面の端部にクラックや欠けが発生し難い振動型アクチュエータを提供することができる。
本発明の実施例1に係る振動型アクチュエータの構成を概略的に示す断面図である。 図1における接触体の構成を概略的に示す、(a)断面図、(b)拡大断面図である。 図1における接触体の製造方法を示す工程図である。 図1における接触体の第1の変形例の構成を概略的に示す拡大断面図である。 図1における接触体の第2の変形例の構成を概略的に示す、(a)断面図、(b)拡大断面図である。 図1における接触体の第3の変形例の構成を概略的に示す、(a)断面図、(b)拡大断面図である。 本発明の実施例2に係る振動型アクチュエータの構成を概略的に示す分解斜視図である。 図7における振動体の構成を概略的に示す、(a)断面図、(b)拡大断面図である。 本発明の実施例3に係る振動型アクチュエータの構成を概略的に示す、(a)上面図、(b)C-C断面の断面図、(c)C-C断面の拡大断面図である。 本発明の実施例に係る振動型アクチュエータを搭載した雲台と、雲台に搭載された撮像装置の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施例に係る振動型アクチュエータを搭載した撮像装置の構成を概略的に示す上面図である。 本発明の実施例に係る振動型アクチュエータを搭載したMRI診断装置の構成を概略的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る振動型アクチュエータ10の構成を概略的に示す断面図である。振動型アクチュエータ10における振動体20および接触体300(移動体、被駆動体)および加圧機構40などの機械的構成は、例えば特開2017-108615号公報に記載の振動型アクチュエータと機能的には同等である。
本実施例の振動型アクチュエータ10は、弾性体21および電気-機械エネルギー変換素子22を有する振動体20(第1の部材)と、振動体20と接する接触体300(第2の部材)を備えている。加えて、電気-機械エネルギー変換素子22に給電する給電部材(フレキシブルプリント基板)50を備えている。
図1において、振動型アクチュエータ10は、環状に形成された振動体20(第1の部材)、環状に形成された接触体300(第2の部材)、および加圧機構40を備える。また、振動型アクチュエータ10は、シャフト、ハウジング、ベアリング、ねじを備える。
振動体20(第1の部材)は、弾性体21と、弾性体21に接合された電気-機械エネルギー変換素子である圧電素子22と、圧電素子22に接合されて圧電素子22に交流電圧である駆動電圧を印加するための給電部材50を有する。
加圧機構40は制振ゴム41、加圧ばね受け部材42、加圧ばね受けゴム43、加圧ばね44(加圧部材)及び加圧ばね固定部材45を有する。振動体20(第1の部材)及び接触体300(第2の部材)はシャフトを中心軸として同心円状に配置され、シャフトに固定された加圧機構40によってシャフトのスラスト方向に関して互いに加圧接触(摩擦接触)する。具体的には、シャフトに固定された加圧ばね固定部材45によって移動を規制された加圧ばね44(加圧部材)が、制振ゴム41、加圧ばね受け部材42及び加圧ばね受けゴム43を介して接触体300(第2の部材)をスラスト方向に押圧する。このように構成されることにより、接触体300(第2の部材)と振動体20(第1の部材)は安定的に接触する。
振動型アクチュエータ10では、給電部材50を通して圧電素子22へ交流電圧である駆動電圧を印加することにより、振動体20(第1の部材)に駆動振動を励起させる。駆動振動の態様は圧電素子22が有する複数の電極の数や配置形態に依存するが、励起される駆動振動が振動体10の周方向に進むn次の進行波となるように、圧電素子22が設計される。なお、n次の駆動振動とは振動体20(第1の部材)の周方向における波数がn個となる曲げ振動である。圧電素子22に発生した駆動振動は振動体20(第1の部材)に生じた進行波によって、接触体300(第2の部材)をシャフト回りの周方向へ駆動する。すなわち、接触体300(第2の部材)は振動体20(第1の部材)と同心を保ったまま、相対的に回転運動する。接触体300(第2の部材)に発生した回転力は加圧機構40とシャフトを通して外部へ出力される。
図1に描かれている本実施形態の振動型アクチュエータ10は、例えばハウジングを所望の部材に固定し、シャフトにカメラなどの可動対象を固定することで、可動対象を自由に回転駆動させることができる。他方で、シャフトを固定してハウジングを回転駆動させることも可能である。
図2(a)は、接触体300(第2の部材)の構成を概略的に示す断面図である。接触体300(第2の部材)は、基底となる本体部301(基底部)と、本体部301(基底部)から内径方向に環状に延在し、加圧ばね44(加圧部材)による加圧方向にばね性を有するばね部302を有する。ばね部302の端部には、振動体20(第1の部材)と加圧接触する接触面303を有する。
ばね部302が延在する方向は、加圧ばね44(加圧部材)による、接触体300(第2の部材)及び振動体20(第1の部材)を加圧接触させる加圧方向と交差している。そして、ばね部302は、加圧ばね44(加圧部材)による加圧方向にばね性を有する(加圧部材による加圧力に対してばね性を有する)厚みで形成されている。これにより、振動体20(第1の部材)に対して接触体300(第2の部材)を安定して接触させることが可能となっている。
図2(b)は、接触体300(第2の部材)のばね部302の構成を概略的に示す断面図である。本体部301(基底部)とばね部302は、基材304が、オーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料で構成されている。基材が鉄系材料で構成されているのは、硬化処理(窒化処理)するためである。振動体20(第1の部材)との接触面303には窒化層306が形成され、接触面303を除いた表面には、鉄系材料以外の金属系材料から構成されている被膜305が形成されている。被膜が鉄系材料以外の金属系材料から構成されているのは、硬化処理(窒化処理)されないようにするためである。
ばね部302は、振動型アクチュエータの駆動時にばね部302がばね性を持って繰り返し荷重を受けて変形するため、被膜305にクラックや欠けが発生したり、基材304に対して剥離したりする虞がある。クラックや欠け、剥離によって、ばね部302のばね定数と共振周波数が変化し、振動型アクチュエータの駆動時の鳴き・異音が発生するため、被膜305のクラックや欠けの対策、被膜305の剥離の対策は重要である。
窒化層306の外径側には、接触面303と接続し、接触面303に対して傾斜する第1の傾斜面307が形成され、窒化層306が被膜305によって覆われている。つまり、第1の傾斜面307には、被膜305が形成されている。窒化層306の内径側には、接触面303と接続し、接触面303に対して傾斜する第2の傾斜面307が形成され、窒化層306が被膜305によって覆われている。つまり、第2の傾斜面308には、被膜305が形成されている。第1の傾斜面307の接触面303に対する傾斜角θoutと、第2の傾斜面308の接触面303に対する傾斜角θinはともに120度であり、鈍角である。したがって、窒化層306の内外径の幅は、接触面303から深さ方向に広がる構成となっている。
振動型アクチュエータの駆動時に接触面303は、振動体20(第1の部材)との間に摩擦力を受ける。摩擦力によって、接触面303と被膜305の界面で剥離が発生する虞がある。しかし、接触面303と接続し、接触面303に対して傾斜する、第1の傾斜面307と第2の傾斜面308が形成されていることにより、摩擦力の被膜305に対して垂直な成分が小さくなり、被膜305の剥離が抑制される。
被膜305の厚さは、ばね部302のばね定数への影響を小さくし、被膜の内部応力によるクラックや欠けの発生を抑制するために、薄く構成されている。被膜305の厚さは、1μm以上、ばね部302の最小厚さの10%以下であることが好ましい。被膜の厚さが1μm未満だと、被膜に欠陥が生じ、窒化工程での基材への窒化層の形成を抑制することができないので、好ましくないからである。また、被膜の厚さが、ばね部の最小厚さの10%より大きいと、ばね部のばね定数に対する被膜の影響が大きくなり、被膜の厚さムラ・バラツキによるばね定数のムラ・バラツキが大きくなるので、好ましくないからである。
具体的には、ばね部302の最小厚さは数100μm~数mm、被膜305の厚さは数10μm以下であり、さらに好ましくは被膜305の厚さは10μm以下である。なお、本実施例の図では、ばね部305の構成の理解が容易になるように被膜305の厚さは誇張している。
図3は、接触体の製造方法を示す工程図であり、ばね部302を拡大して示している。第1の工程である切削工程(不図示)では、ばね部305を含む接触体300(第2の部材)の基材304が切削加工で製造される。ばね部302の先端には凸部が形成され、凸部の外径と凸部の内径にそれぞれ、接触面303と接続し、接触面303に対して傾斜する、第1の傾斜面307と第2の傾斜面308が形成される。基材304には、オーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料が用いられる。
第2の工程であるめっき工程では、ばね部302を含む接触体300(第2の部材)にめっき処理により被膜305が形成される。めっき処理は電気めっき、無電解めっきのどちらでもよい。被膜305の主成分は、銅、ニッケル、錫、銀、クロムなどであり、鉄系材料でなければよく、第4の工程である窒化工程での基材304への窒化層の形成を抑制することができる材質であればよい。
第3の工程である研磨工程では、接触面303の被膜305を研磨により除去し、基材304を露出させる。研磨時の摩擦力によって、被膜305と接触面303の界面での被膜305が剥離する虞があるが、第1の傾斜面307、第2の傾斜面308によって摩擦力が分散され、被膜305が剥離する力を小さくでき、被膜305の剥離を抑制することができる。
振動型アクチュエータの駆動時の鳴き・異音の抑制には、接触面303の平面度を高精度に仕上げること有効である。研磨工程では、被膜305を除去した後に、基材304を研磨することで接触面303の平面度を向上させる。これにより、第4の工程である窒化工程の後の平面度を向上させる研磨やラップなどの工程の簡略化したり廃止したりしても、接触面303の平面度を高精度に仕上げることができる。
第4の工程である窒化工程では、接触体300(第2の部材)を窒化炉に入れて窒化処理(硬化処理)を施す。基材304が露出した接触面303には窒素が侵入し、窒化層306が形成される。被膜305が形成されている面は、被膜305によって基材304への窒素の侵入が抑制され、基材304の窒化層の形成が大幅に抑制される。また、窒化処理は400~600℃の熱処理であるため、被膜305は基材304と熱拡散して密着性が向上し、振動型アクチュエータの駆動時の被膜305の剥離が抑制される。
窒化工程では、基材304に窒素の侵入するため窒化層306の形成過程で体積膨張し、窒化層306と接触する被膜305が変形し、剥離する虞がある。窒素は基材304が露出している接触面303から侵入するため、第1の傾斜面307、第2の傾斜面308の被膜305の裏側である領域A0には窒素の侵入が少なくなり、体積膨張が小さくなる。そのため、被膜305の変形と被膜305の剥離が抑制される。
窒化工程後の被膜305は、めっき工程で形成されためっき被膜と基材304が拡散した材質であるが、めっき被膜には鉄系材料を使用していないため、被膜305では、めっき被膜の材質が主成分となる。例えば、めっき工程でニッケルめっきを使用すれば、被膜305をEDXなどの元素分析を行うと、鉄含有量(質量%)よりもニッケル含有量(質量%)が多く検出される。銅めっき、クロムめっきなどを用いた場合も同様である。
本実施例の構成では、接触体300(第2の部材)の基材304に非磁性材料であるオーステナイト系ステンレス鋼を用いている。これにより、マルテンサイト系ステンレス鋼などの強磁性材料を用いる場合と比較し、接触体300(第2の部材)の磁性を低減することができる。
また、接触体300(第2の部材)に形成された鉄系材料の窒化層306は磁性を有するため、被膜305によって接触面303を除いた面に窒化層が形成されることを防止している。これにより、接触体の全面に窒化層を形成した場合と比較し、接触体の磁性を低減することができる。なお、被膜345に非磁性材料を用いることが好ましい。
さらには、振動型アクチュエータ10を構成する全ての部品に非磁性材料で構成することで、振動型アクチュエータ10を非磁性化することができる。例えば、弾性体21には窒化処理(硬化処理)を施したオーステナイト系ステンレス鋼、シャフトにはオーステナイト系ステンレス鋼、加圧ばね44(加圧部材)にはリン青銅を用いることができる。
図4は、本実施形態における接触体の第1の変形例の構成を概略的に示す断面図であり、接触体310(第2の部材)のばね部312の構成を概略的に示す断面図である。本体部311(基底部)とばね部312は、基材314がオーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料で構成されている。振動体20(第1の部材)との接触面313には窒化層316が形成され、接触面313を除いた表面には被膜315が形成されている。
窒化層316の外径側には、接触面313と接続し、接触面313に対して傾斜する第1の傾斜面317が形成され、窒化層316が被膜315によって覆われている。つまり、第1の傾斜面317には、被膜315が形成されている。窒化層316の内径側には、傾斜面が形成されていない。第1の傾斜面317の接触面313に対する傾斜角θoutは120度であり、鈍角である。本変形例の構成であれば、製造時に内径側の傾斜面の切削加工を省略することができる。なお、傾斜面を内径部だけに形成し、外径部には形成しない構成でもよい。本変形例の構成でも本実施例と同様の効果を得ることができる。振動型アクチュエータの駆動時と製造時の研磨工程で接触面313にかかる摩擦力を第1の傾斜面317で分散し、被膜315の剥離を抑制することができる。また、窒化工程で第1の傾斜面317により、被膜315の裏側の領域A1の膨張を抑制し、被膜315の剥離を抑制することができる。
図5(a)は、本実施形態における接触体の第2の変形例の構成を概略的に示す断面図である。本実施形態ではばね部は片持ち梁構成を説明したが、本変形例ではばね部が両持ち梁構成である。接触体320(第2の部材)は、本体部321(基底部)とばね部322を備える。本体部321(基底部)は、同心状に配置されたで第1の本体部321-1と(第1の基底部)第2の本体部321-2(第2の基底部)を備える。ばね部322は、第1と第2の本体部から径方向に延在して2つの本体部(基底部)を連結する。ばね部322の径方向の中央付近には、振動体20(第1の部材)と加圧接触する接触面323を有する。ばね部322が延在する方向は、接触体320(第2の部材)と振動体20(第1の部材)の加圧方向と交差しており、加圧力に対してばね性を有する厚みで形成されている。これにより、振動体20(第1の部材)に対して接触体320(第2の部材)を安定して接触させることが可能となっている。
図5(b)は、第2の変形例における接触体320(第2の部材)のばね部322の構成を概略的に示す断面図である。本体部322(基底部)とばね部322は、基材324がオーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料で構成されている。振動体20(第1の部材)との接触面323には窒化層326が形成され、接触面323を除いた表面には被膜325が形成されている。窒化層326の外径側には、接触面323と接続し、接触面323に対して傾斜する第1の傾斜面327が形成され、窒化層326が被膜325によって覆われている。つまり、第1の傾斜面327には、被膜325が形成されている。窒化層326の内径側には、接触面323と接続し、接触面323に対して傾斜する第2の傾斜面328が形成され、窒化層326が被膜325によって覆われている。つまり、第2の傾斜面328には、被膜325が形成されている。第1の傾斜面327の接触面323に対する傾斜角θoutと、第2の傾斜面の接触面323に対する傾斜角θinはともに110度であり、鈍角である。傾斜面は内外径のどちらか一方でもよい。本変形例の構成でも本実施例と同様の効果を得ることができる。振動型アクチュエータの駆動時と製造時の研磨工程で接触面323にかかる摩擦力を第1の傾斜面327、第2の傾斜面328で分散し、被膜325の剥離を抑制することができる。また、窒化工程で第1の傾斜面327、第2の傾斜面328により、被膜325の裏側の領域A1の膨張を抑制し、被膜325の剥離を抑制することができる。
図6(a)は、本実施形態における接触体の第3の変形例の構成を概略的に示す断面図である。本実施形態では、ばね部と本体部(基底部)が同一材料からの切削加工で製造された一体部品である構成を説明したが、本変形例では、ばね部と本体部(基底部)が別部品であり、2部品が接着・接合された構成を説明する。
接触体330(第2の部材)は、本体部材331とばね部材339を備える。本体部材331とばね部材339は同心状に配置され、嵌合して接着・接合されている。本体部材331は、真鍮、アルミ合金などの快削材料を切削加工して製造された部品であり、ばね部材339はオーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料をプレス加工して製造した部品である。ばね部332は、本体部材331との嵌合部分から軸方向に延在し、途中から内径方向に向かってななめに折れ曲がり、先端に振動体20(第1の部材)と加圧接触する接触面333を有する。嵌合部分と接触面333の間がばね部332である。ばね部332が延在する方向は、接触体330(第2の部材)と振動体20(第1の部材)の加圧方向と交差しており、加圧力に対してばね性を有する厚みで形成されている。これにより、振動体20(第1の部材)に対して接触体330(第2の部材)を安定して接触させることが可能となっている。
図6(b)は、第3の変形例における接触体330(第2の部材)のばね部332の構成を概略的に示す断面図である。ばね部332は、基材334がオーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料で構成されている。振動体20(第1の部材)との接触面333には窒化層336が形成され、接触面333を除いた表面には被膜335が形成されている。窒化層336の外径側には、接触面333と接続し、接触面333に対して傾斜する第1の傾斜面337が形成され、窒化層336が被膜335によって覆われている。つまり、第1の傾斜面337には、被膜335が形成されている。窒化層336の内径側には、接触面333と接続し、接触面333に対して傾斜する第2の傾斜面338が形成され、窒化層336が被膜335によって覆われている。つまり、第2の傾斜面338には、被膜335が形成されている。第1の傾斜面337の接触面333に対する傾斜角θoutは135度であり、鈍角である。第2の傾斜面338の接触面333に対する傾斜角θinは45度であり、鋭角である。
本変形例の構成でも本実施例と同様の効果を得ることができる。振動型アクチュエータの駆動時と製造時の研磨工程で接触面333にかかる摩擦力を第1の傾斜面337、第2の傾斜面338で分散し、被膜335の剥離を抑制することができる。また、窒化工程で第1の傾斜面337により、被膜335の裏側の領域A2の膨張を抑制し、被膜335の剥離を抑制することができる。
本実施例では、傾斜面の接触面に対する傾斜角の具体的な値を示したが、摩擦力による被膜の剥離を抑制するためには、垂直でなければよい。窒化層の膨張による被膜の剥離を抑制するには鈍角又は鋭角である必要があり、5度以上80度以下、又は、100度以上175度以下であることが好ましい。
これら範囲から外れ、80度より大きくなったり、100度未満になると、摩擦力を分散し、被膜の剥離を十分に抑制することができず、硬化処理された接触面の端部にクラックや欠けを発生し難くするという被膜の効果が低下するので、好ましくないからである。また、これら範囲から外れ、5度未満になったり、175度より大きくなると、接触体と振動体が接触する面積において占める、接触面と振動体が接触する面積以外の面積(被膜と振動体が接触する面積)が広くなる。そして、その結果、意図しない接触状態となり、所望の駆動特性が得られないので、好ましくないからである。
本実施例では、ばね部の接触面を除いた面の全ての面に被膜を形成したが、この構成に限定されない。ばね部の一部に被膜が形成されていれば本実施例の効果を得ることができる。
(実施例2)
図7は、本発明の実施例2に係る振動型アクチュエータの構成を概略的に示す分解斜視図である。図7に示す振動型アクチュエータ400は、リニア駆動が可能な装置であり、相対移動する振動体32(第1の部材)と接触体33(第2の部材)を備える。
振動体32(第1の部材)は、弾性体32bと、弾性体32bの一方の面に設けられた2つの突起部32dと、突起部32dが設けられている面の反対側の面に設けられた圧電素子32aとを有する。なお、突起部32dは、少なくとも1つあれば接触体33(第2の部材)の駆動は可能である。
圧電素子32aは、接着剤によって弾性体32bに接着されている。圧電素子32aは、板状の圧電セラミックスの両面に所定の形状の電極が形成された構造を有する。圧電素子32aの電極に所定の周波数の駆動電圧(交流電圧)を印加して、振動体32(第1の部材)に2つの振動モードの振動を励起し、2つの突起部32dを結ぶ方向と突起部32dの突出方向とを含む面内での楕円運動を突起部32dに生じさせる。これにより、突起部32dは接触体33(第2の部材)を摩擦駆動し、接触体33(第2の部材)と振動体32(第1の部材)とを相対的にリニア駆動させることができる。なお、振動体32(第1の部材)に楕円運動を生じさせる原理は周知であるので、ここでの詳細な説明を省略する。
振動体32(第1の部材)は支持部材119に保持され固定されている。また、支持部材119は、図6中のX方向と平行に配置される2本の案内部材であるガイドバー122に、X方向に案内され移動可能となっている。2本のガイドバー122は、ボトムプレート121に固定された2つの被駆動体保持部材123、124に挟持された状態で固定されている。
振動体32(第1の部材)は、支持部材119に設けられた固定部119dに保持部材109を介してねじ固定されている。これにより、支持部材119と振動体32(第1の部材)とは一体となってX方向に移動することが可能となっている。
支持部材119と振動体32(第1の部材)との間には、板ばね形状を有し、Z方向に撓むことでばね力を発生する加圧手段である加圧ばね125が配置されている。加圧ばね125は、その自由端が振動体32(第1の部材)に接触しており、振動体32(第1の部材)を接触体33(第2の部材)に押圧している。ここで、所望の加圧接触状態を実現するためには、振動体32(第1の部材)と接触体33(第2の部材)とがZ方向に相対的に変位可能となっている必要がある。本実施例では、保持部材109の一部が弾性変形することにより、振動体32(第1の部材)と接触体33(第2の部材)とがZ方向において相対的に変位可能となっている。
振動型アクチュエータ400では、振動体32(第1の部材)と一体となってX方向にスライド移動する支持部材119を出力手段として駆動力(または変位)を取り出すことにより、任意の機器を駆動することができる。
図8(a)は、本実施例における振動体の構成を概略的に示す断面図である。弾性体32bは、本体部341(基底部)と、本体部341(基底部)に備えられた2つの円筒状の突起部32dの先端に円板状のばね部342を有する。ばね部342の中央には、接触体33(第2の部材)と加圧接触する円状の接触面343を有する。ばね部342が延在する方向は、接触体33(第2の部材)と弾性体32bの加圧方向と交差しており、加圧力に対してばね性を有する厚みで形成されている。これにより、弾性体32bに対して接触体33(第2の部材)を安定して接触させることが可能となっている。
図8(b)は、本実施例における振動体32(第1の部材)のばね部342の構成を概略的に示す断面図である。本体部341(基底部)とばね部342は、基材344がオーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料で構成されている。振動体32(第1の部材)との接触面343には窒化層346が形成され、接触面343を除いた表面には、鉄系材料以外の金属系材料からなる被膜345が形成されている。
窒化層346の周囲には、円周状に、接触面343と接続し、接触面343に対して傾斜する第1の傾斜面347が形成され、窒化層346が被膜345によって覆われている。つまり、第1の傾斜面347には、被膜345が形成されている。第1の傾斜面347の接触面343に対する傾斜角θは150度であり、鈍角である。したがって、窒化層346の直径は、接触面333から深さ方向に大きくなる構成となっている。
被膜345の厚さは、ばね部342のばね定数への影響が小さくし、被膜の内部応力によるクラックや欠けの発生を抑制するために、薄く構成されている。ばね部342の厚さに対して、被膜345の厚さが10%以下することが好ましい。具体的には、ばね部342の厚さは数100μm~数mm、被膜345の厚さは数10μm以下であり、さらに好ましくは被膜345の厚さは10μm以下である。なお、図8では、ばね部345の構成の理解が容易になるように被膜345の厚さは誇張している。
本実施例の弾性体32bは、実施例1で説明した接触体の製造方法と同じ方法を用いることができる。本変形例では、基材341を形成する第1の工程に、オーステナイト系ステンレス鋼板のプレス加工を用いることができる。第2の工程であるめっき工程、第3の工程である研磨工程、第4の工程である窒化工程は実施例1と同じである。窒化工程の後に、弾性体32bの圧電素子32aとの接着面の被膜345を研磨により除去することで、圧電素子32aを強固に接着することができる。
本変形例の構成でも本実施例と同様の効果を得ることができる。振動型アクチュエータの駆動時と製造時の研磨工程で接触面323にかかる摩擦力を第1の傾斜面347で分散し、被膜345の剥離を抑制することができる。また、窒化工程で第1の傾斜面347により、被膜345の裏側の領域A3の膨張を抑制し、被膜345の剥離を抑制することができる。
本実施例の構成では、弾性体32bの基材344に非磁性材料であるオーステナイト系ステンレス鋼を用いたことで、マルテンサイト系ステンレス鋼などの強磁性材料を用いた場合と比較し、弾性体32bの磁性を低減することができる。また、弾性体32bに形成された鉄系材料の窒化層346は磁性を有するため、被膜345によって接触面343を除いた面に窒化層が形成されることを防止している。これにより、接触体の全面に窒化層を形成した場合と比較し、接触体の磁性を低減することができる。なお、被膜345に非磁性材料を用いることが好ましい。さらには、振動型アクチュエータ400を構成する弾性体32b以外の部品に非磁性材料で構成することで、振動型アクチュエータ10を非磁性化することができる。例えば、接触体33(第2の部材)には窒化処理(硬化処理)を施したオーステナイト系ステンレス鋼、ガイドバー122にはオーステナイト系ステンレス鋼、加圧ばね125にはリン青銅を用いることができる。
本実施例では、傾斜面の接触面に対する傾斜角の具体的な値を示したが、摩擦力による被膜の剥離を抑制するためには、垂直でなければよい。窒化層の膨張による被膜の剥離を抑制するには鈍角である必要があり、100度以上175度以下であることが好ましい。この範囲から外れ、100度未満になると、摩擦力を分散し、被膜の剥離を十分に抑制することができず、硬化処理された接触面の端部にクラックや欠けを発生し難くするという被膜の効果が低下するので、好ましくないからである。また、この範囲から外れ、175度より大きくなると、接触体と振動体が接触する面積において占める、接触面と振動体が接触する面積以外の面積(被膜と振動体が接触する面積)が広くなる。そして、その結果、意図しない接触状態となり、所望の駆動特性が得られないので、好ましくないからである。
本実施例では、ばね部342の接触面343を除いた面の全ての面に被膜345を形成したが、この構成に限定されない。ばね部342の一部に被膜345が形成されていれば本実施例の効果を得ることができる。
(実施例3)
図9は、本発明の実施例3に係る振動型アクチュエータの接触体の構成を概略的に示す、(a)上面図、(b)C-C断面の断面図、(c)C-C断面の拡大断面図である。
本実施形態の振動型アクチュエータは、実施例1で説明した振動型アクチュエータにおいて、接触体の構成だけが異なり、その他の構成及び駆動原理は、実施例1に記載されたものと同じである。実施例1の接触体は、ばね部の一部に振動体との接触面が形成されている構成を説明したが、本実施例の接触体では、ばね部の先端に摩擦部材(接触部材)が接着(嵌合)されており、摩擦部材(接触部材)の一部が、振動体との接触面である構成である。
接触体360は、本体部351(基底部)及びばね部352を有する本体部材350と、摩擦部材359(接触部材)で構成される。本体部351(基底部)とばね部352は、アルミニウム合金などの快削材料で構成され、切削加工などで製造される。
摩擦部材359(接触部材)は、断面が略L字形状であり、ばね部352に接着又は接合され、摩擦部材359(接触部材)は、振動体20(第1の部材)と加圧接触する接触面353を有する。摩擦部材359(接触部材)は、基材354がオーステナイト系ステンレス鋼などの鉄系材料で構成されている。プレス加工や切削加工などで製造される。図9では摩擦部材359(接触部材)は、本体部351(基底部)及びばね部352を備える本体部材350に対して、断面が傾斜して2か所で接しているが、傾斜せずに面で接していてもよい。
ばね部352は、本体部351(基底部)から径方向に延在する。ばね部322が延在する方向は、接触体360と振動体20(第1の部材)の加圧方向と交差しており、加圧力に対してばね性を有する厚みで形成されている。これにより、振動体20(第1の部材)に対して接触体360を安定して接触させることが可能となっている。
摩擦部材359(接触部材)の振動体20(第1の部材)との接触面353には窒化層356が形成され、接触面353を除いた表面には、被膜355が形成されている。
窒化層356の外径側には、接触面353と接続し、接触面353に対して傾斜する第1の傾斜面357が形成され、窒化層356が、被膜355によって覆われている。つまり、第1の傾斜面357には被膜355が形成されている。
窒化層356の内径側には、接触面353と接続し、接触面353に対して傾斜する第2の傾斜面358が形成され、窒化層356が被膜355によって覆われている。つまり、第2の傾斜面358には被膜355が形成されている。
第1の傾斜面357の接触面353に対する傾斜角θoutは175度、第2の傾斜面の接触面353に対する傾斜角θinは155度であり、鈍角である。傾斜面は内外径のどちらか一方でもよい。
本実施形態の構成でも、実施例1と同様の効果を得ることができる。振動型アクチュエータの駆動時と製造時の研磨工程で接触面353にかかる摩擦力を第1の傾斜面357、第2の傾斜面358で分散し、被膜355の剥離を抑制することができる。また、窒化工程で第1の傾斜面357、第2の傾斜面358により、被膜355の裏側の領域(図4の領域A1に相当する領域)の膨張を抑制し、被膜355の剥離を抑制することができる。
なお、実施例1,2,3では、硬化処理として窒化処理を用いたが、硬化処理としては、窒化処理に他に、浸炭処理を用いても良い。
(実施例4)
実施例4では、実施例1で説明した振動型アクチュエータ10を備える装置の一例としての監視カメラなどの撮像装置の雲台の構成について説明する。
本実施形態では、回転台(基台)と、回転台(基台)に設けられた振動型アクチュエータを備える雲台を以下説明する。
図9は、雲台800と、雲台800に搭載された撮像装置840の構成を概略的に示す図である。雲台800は、ベース820と、2つの振動型アクチュエータ870、880を備えるヘッド810と、撮像装置840を固定するためのLアングル830を備える。パン軸に設けられた振動型アクチュエータ880は、ヘッド810とLアングル830と撮像装置840を、ベース820に対してパン軸まわりに回転させるためのアクチュエータである。また、チルト軸に設けられた振動型アクチュエータ870は、Lアングル830と撮像装置840を、ヘッド810に対してチルト軸まわりに回転させるためのアクチュエータである。
雲台800に2つの振動型アクチュエータ870、880を用いることにより、撮像装置840の向きを高速、高応答、静粛、高精度に変える事が可能となる。また、振動型アクチュエータは無通電時でも高い保持トルクを持つため、撮像装置840のチルト軸まわりの重心ずれがあっても振動型アクチュエータの電力を消費することなく撮像装置40の向きを維持することができる。
その他、本発明の利用者が所望する部材と、その部材に設けられた振動型アクチュエータを備える電子機器を提供することができる。
(実施例5)
実施例5では、実施例2で説明したリニア型の振動型アクチュエータを備える装置の一例としての撮像装置の構成について説明する。
図10は、実施例2のリニア型の振動型アクチュエータを備える撮像装置500の概略構成を示す上面図である。撮像装置500は、撮像素子(不図示)を有する撮像装置本体501と、撮像装置本体501に対して着脱自在なレンズ鏡筒502を有する。レンズ鏡筒502は、複数のレンズ群503と、フォーカス調整用レンズ504と、振動型アクチュエータ510を含む。フォーカス調整用レンズ504を保持する不図示のレンズ保持枠は、振動型アクチュエータ510における接触体に連結されている。振動型アクチュエータ510を駆動することにより、フォーカス調整用レンズ504を光軸方向に駆動して、被写体にピントを合わせることができる。
なお、振動型アクチュエータ510は、レンズ鏡筒502にズーム用レンズが配置されている場合に、ズーム用レンズを光軸方向に移動させる駆動源として用いることもできる。更に、レンズ鏡筒502に像ブレ補正レンズが配置されている場合に、振動型アクチュエータ510は、像ブレ補正レンズを光軸と直交する平面内で駆動する駆動源として用いることができる。
(実施例6)
実施例6では、非磁性材料で構成した実施例1の回転型の振動型アクチュエータの回転軸を、ニードルに連結させた生体検査用穿刺装置について説明する。ここでは、穿刺装置を医用システムであるMRI診断装置に適用した例について説明する。
図11は、穿刺装置660を備えるMRI診断装置600の概略構成を示す斜視図である。
MRI診断装置600では高磁場を発生させるため、磁石を使用する電磁モータをはじめとして、磁性を帯びる材質を用いた装置を設置する場合には、診断画像への影響が生じないように予防措置を施す必要がある。これに対して、振動型アクチュエータは、磁石を使用しておらず、振動体及び接触体をオーステナイト系ステンレス鋼で形成したため、MRI診断装置600の近傍又は内部に設置することができる。
MRI診断装置600によって被検者の画像情報を取得しながら、穿刺装置660の先端に装着されたニードルが生体を抽出する。
具体的には、穿刺装置660は、ドーナツ型のMRI診断装置600の近傍に配置されている。MRI診断装置600は、環状に構成された磁場発生部601と、被験者が入る円筒部分であるボア602と、被検者604を横たわらせる処置台603と、処置台603をボア602に対して接近/離間させる支持台605とを有する。穿刺装置660は、ニードルをボア602に挿入可能な位置に配置されている。
MRI診断装置600により取得した画像情報に基づき、穿刺装置660が駆動されて、ニードルによる生体抽出が行われる。
支持台605にも、処置台603を移動するための駆動源として振動型アクチュエータが装備されている。前述の通り、振動型アクチュエータは磁石を使用していないため、磁場発生部601の近傍に配置することが可能であり、よって、処置台603の設計の自由度を上げることが可能である。
ここでは、ドーナツ型のMRI診断装置600のボア602内にニードルを挿入する例を示したが、MRI診断装置の構成はドーナツ型に限定されるものではない。
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施例は本発明の一実施例を示すものにすぎず、各実施例を適宜組み合わせることも可能である。
10、400 振動型アクチュエータ
20、32 振動体(第1の部材)
21、32b 弾性体
22、32a 圧電素子(電気-機械エネルギー変換素子)
50 給電部材
300、310、320、330、33、360 接触体(第2の部材)
301、311、321、331、341、351 本体部(基底部)
302、312、322、332、342、352 ばね部
303、313、323、333、343、353 接触面
304、314、324、334、344、354 基材
305、315、325、335、345、355 被膜
307、317、327、337、347、357 第1の傾斜面(傾斜面)
308、328、338、358 第2の傾斜面(傾斜面)
359 接触部材

Claims (17)

  1. 弾性体と、電気-機械エネルギー変換素子と、を有する第1の部材と、
    前記弾性体と接触し、前記電気-機械エネルギー変換素子に印加された交流電圧により発生した振動により、前記振動体に対して相対的に移動する第2の部材と、を備え、
    前記第2の部材は、
    前記第1の部材と接触する、硬化処理された接触面と、
    前記接触面と接続し、前記接触面に対して傾斜する傾斜面と、を有し、
    前記傾斜面には、被膜が形成されていることを特徴とする振動型アクチュエータ。
  2. 弾性体と、電気-機械エネルギー変換素子と、を有する第1の部材と、
    前記弾性体と接触し、前記電気-機械エネルギー変換素子に印加された交流電圧により発生した振動により、前記振動体に対して相対的に移動する第2の部材と、を備え、
    前記第1の部材は、
    前記第2の部材と接触する、硬化処理された接触面と、
    前記接触面と接続し、前記接触面に対して傾斜する傾斜面と、を有し、
    前記傾斜面には、被膜が形成されていることを特徴とする振動型アクチュエータ。
  3. 前記第2の部材は、基底部を有し、
    前記傾斜面は、前記接触面及び前記基底部の間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  4. 前記第1の部材は、基底部を有し、
    前記傾斜面は、前記接触面及び前記基底部の間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の振動型アクチュエータ。
  5. 前記振動型アクチュエータは、前記第1の部材及び前記第2の部材を加圧接触させる加圧部材を備え、
    前記第1の部材又は前記第2の部材は、前記接触面及び前記基底部の間に、前記加圧部材による加圧方向と交差する方向に、前記基底部から延在するばね部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  6. 前記第1の部材又は前記第2の部材は、前記ばね部と嵌合する接触部材を有し、
    前記接触部材は、
    前記接触面と、
    前記傾斜面と、を有することを特徴とする請求項5に記載の振動型アクチュエータ。
  7. 前記傾斜面の前記接触面に対する傾斜角は、100度以上175度以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  8. 前記傾斜面の前記接触面に対する傾斜角は、5度以上80度以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  9. 前記硬化処理は、窒化処理であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  10. 前記硬化処理は、浸炭処理であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  11. 前記被膜の厚さは、1μm以上、前記ばね部の最小厚さの10%以下であることを特徴とする請求項5に記載の振動型アクチュエータ。
  12. 前記接触面及び前記傾斜面は、鉄系材料に形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  13. 前記被膜は、前記鉄系材料以外の金属系材料からなることを特徴とする請求項12に記載の振動型アクチュエータ。
  14. 前記鉄系材料は、オーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項12に記載の振動型アクチュエータ。
  15. 前記鉄系材料以外の金属系材料は、銅、ニッケル、錫、銀又はクロムを主成分とする材料であることを特徴とする請求項13に記載の振動型アクチュエータ。
  16. 基台と、
    前記基台に設けられる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
    前記振動型アクチュエータにより、前記基台に対して相対的に移動する被駆動体と、を有することを特徴とする雲台装置。
  17. 部材と、
    前記部材に設けられ、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
    前記振動型アクチュエータにより、前記部材に対して相対的に移動する被駆動体と、を有することを特徴とする電子機器。
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