JP6610457B2 - 多軸仮締め工具 - Google Patents

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Description

本発明は、多軸仮締め工具に関し、例えば、基部に回転可能に支持された複数のソケットに夫々、ワークの被螺合部に螺合する螺合部材を係合して仮締めする多軸仮締め工具に関する。
一般的に、工具を用いてワークの被螺合部に螺合部材を本締めする前に、被螺合部に螺合部材を仮締めする。このように被螺合部に螺合部材を仮締めする際には、従来は手作業で行われていたが、仮締めの効率化を図るために、多軸仮締め工具が用いられている。
例えば、特許文献1の多軸仮締め工具は、複数の回転ローラが内周部に間隔を開けて連結された上側支持リング、複数の回転ローラに接触するゴムリングが内周部に嵌め込まれた回転リング、上側支持リングとで回転リングを挟持する下側支持リング、及び回転ローラに連結されたソケットを備えている。このような仮締め工具は、ハンドルを介して回転リングを回転させると、回転リングの駆動力がゴムリングを介して回転ローラに伝達され、螺合部材が係合されたソケットを回転させる構成とされている。
特開2013−871号公報
特許文献1の多軸仮締め工具は、螺合部材に対してソケットの配置位置がずれていると、螺合部材を良好に仮締めすることができない。また、特許文献1の多軸仮締め工具は、ソケットに螺合部材を係合するために、ハンドルを持って当該多軸仮締め工具を搬送する際に、上側支持リングと回転リングとは相対的に回転可能であるため、上側支持リングが回転リングに対して回転してしまい、ソケットに螺合部材を良好に係合することができない。そのため、特許文献1の多軸仮締め工具は、使い勝手が悪い。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、使い勝手の良い多軸仮締め工具を実現する。
本発明の一態様に係る多軸仮締め工具は、基部に回転可能に支持された複数のソケットに夫々、ワークの被螺合部に螺合する螺合部材を係合して仮締めする多軸仮締め工具であって、
前記基部に設けられ、入力部を介して入力された駆動力を前記ソケットに伝達するためのギヤ機構を備え、
前記多軸仮締め工具を搬送する際に前記入力部を持ち上げると、前記ギヤ機構がロック可能であると共に、
前記ギヤ機構が前記基部との間に遊びを有することにより、前記ソケットが首振り可能に前記基部に支持されている。
このような多軸仮締め工具は、作業者が多軸仮締め工具を搬送する際にギヤ機構がロックされることで、基部と入力部との相対的な回転が抑制され、ソケットで螺合部材を仮締めする際の当該ソケットの位置決めが容易である。
また、ソケットが首振り可能な構成とされているので、螺合部材に対してソケットの配置位置がずれていても、良好に螺合部材を仮締めすることができる。
したがって、上述の多軸仮締め工具は、使い勝手が良い。
上述の多軸仮締め工具において、前記基部の側面は、前記螺合部材が前記被螺合部に所定量で仮締めされると、前記ワークにおける前記多軸仮締め工具で同時に前記螺合部材が仮締めされる複数の被螺合部を含む領域の少なくとも一部を囲み、且つ前記被螺合部側に向かうに従って前記領域側に傾斜する内壁に接触することが好ましい。
上述の多軸仮締め工具において、前記基部は、前記ソケットに前記螺合部材を係合した状態で前記基部から前記被螺合部側に突出する突出部を備え、
前記突出部は、前記螺合部材が前記被螺合部に所定量で仮締めされると、前記基部の前記被螺合部側への移動を抑制するように前記ワークに接触することが好ましい。
上述の多軸仮締め工具において、
前記ソケットは、本体部と被係合部とを備え、
前記本体部は、前記基部側に向かうに従って縮径するテーパー部と、前記テーパー部と連続するように当該テーパー部に対して前記基部側に配置されており、前記螺合部材の少なくとも一部を収容し、前記螺合部材の少なくとも一部の対角距離より長い直径を有する収容部と、を備え、
前記被係合部は、前記収容部の周面から径方向に突出する突出部であり、前記ソケットを回転させた際に前記螺合部材の少なくとも一部の角部に係合されることが好ましい。
上述の多軸仮締め工具において、
前記ソケットは、前記螺合部材の少なくとも一部が挿入される被挿入部を備え、
前記被挿入部は、前記基部側に向かうに従って縮径するテーパー部と、前記テーパー部と連続するように当該テーパー部に対して前記基部側に配置されており、前記螺合部材の少なくとも一部を収容し、前記螺合部材の少なくとも一部の対角距離より短い直径を有する収容部と、を備え、
前記ソケットを前記螺合部材に押し込むと、前記ソケットが変形して押し広げられた前記収容部に前記螺合部材の少なくとも一部が収容され、前記収容部が前記螺合部材の少なくとも一部に密着することが好ましい。
本発明によれば、使い勝手の良い多軸仮締め工具を実現することができる。
実施の形態1の多軸仮締め工具を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具を模式的に示す平面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットを模式的に示す斜視図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットを模式的に示す断面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットを模式的に示す底面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットの首振り構造を説明するための図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具におけるソケットのz軸方向の移動を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具におけるギヤ機構の入力ギヤと中間ギヤと出力ギヤとの配置関係を示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具の入力部と入力ギヤとの連結構造を説明するための図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具が載置台に載置された状態を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具の入力部を模式的に示す平面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具の回転抑制機構を模式的に示す斜視図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具の異なる回転抑制機構を模式的に示す斜視図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される初期の状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された際のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との配置関係を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットの被係合部とボルトのボルト頭とが干渉する際のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との配置関係を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との干渉回避動作を説明するための図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される途中の状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットでボルトを仮締めする際のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との配置関係を模式的に示す底面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した直後の状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した後にソケットが最もz軸−側に移動した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具を用いてボルトの仮締めが完了した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具でワークのボルト挿入孔に傾いた状態で挿入されたボルトを仮締めする様子を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具におけるソケットがボルトに接触した状態を模式的に示す正面図である。 ソケットの傾動を許容するように中間ギヤが入力ギヤと出力ギヤとの間から逃げる様子を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケット内で傾きが矯正されたボルトを模式的に示す正面図である。 逃げた中間ギヤが入力ギヤと出力ギヤとの間に引き込まれる様子を模式的に示す図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具がボルトに対してz軸+側に配置された際のソケットの回転軸とボルトの回転軸とがずれた状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具のソケットがボルトに対して傾いて接触した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態1の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触して基部がx軸−側に移動する様子を模式的に示す正面図である。 実施の形態2の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す正面図である。 実施の形態2の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態2の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した後にソケットが基部に対して最もz軸−側に移動した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態2の多軸仮締め工具を用いてボルトの仮締めが完了した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態3の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態3の多軸仮締め工具の基部の突出部がワークに接触した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態3の多軸仮締め工具の基部の突出部がワークに接触した後にソケットが基部に対して最もz軸−側に移動した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態3の多軸仮締め工具を用いてボルトの仮締めが完了した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態4の多軸仮締め工具を載置台に載置した状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態4の多軸仮締め工具を持ち上げた状態を模式的に示す正面図である。 実施の形態4の多軸仮締め工具を模式的に示す平面図である。 実施の形態4の多軸仮締め工具の回転抑制機構の異なる爪部を模式的に示す図である。 実施の形態5の多軸仮締め工具のソケットを模式的に示す断面図である。 実施の形態6のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された状態を模式的に示す図である。 実施の形態6のソケットを模式的に示す図である。 実施の形態6のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態6のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態6のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態7のソケット内にナットが挿入された状態を模式的に示す図である。 実施の形態7のソケット内にナットが挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態7のソケット内にナットが挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態7のソケット内にナットが挿入される様子を模式的に示す図である。 実施の形態7のソケット内にナットが挿入される様子を模式的に示す図である。 異なる形態のソケットを模式的に示す底面図である。 異なる形態のソケットを模式的に示す底面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
<実施の形態1>
先ず、本実施の形態の多軸仮締め工具の構成を説明する。図1は、本実施の形態の多軸仮締め工具を模式的に示す正面図である。図2は、本実施の形態の多軸仮締め工具を模式的に示す平面図である。図3は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットを模式的に示す斜視図である。図4は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットを模式的に示す断面図である。図5は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットを模式的に示す底面図である。図6は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットの首振り構造を説明するための図である。図7は、本実施の形態の多軸仮締め工具におけるソケットのz軸方向の移動を模式的に示す図であり、左図はソケットが基部に対して最もz軸+方向に移動した状態を示し、右図はソケットが基部に対して最もz軸−方向に移動した状態を示している。図8は、本実施の形態の多軸仮締め工具におけるギヤ機構の入力ギヤと中間ギヤと出力ギヤとの配置関係を示す図である。図9は、本実施の形態の多軸仮締め工具の入力部と入力ギヤとの連結構造を説明するための図である。図10は、本実施の形態の多軸仮締め工具が載置台に載置された状態を模式的に示す図である。図11は、本実施の形態の多軸仮締め工具の入力部を模式的に示す平面図である。図12は、本実施の形態の多軸仮締め工具の回転抑制機構を模式的に示す斜視図である。図13は、本実施の形態の多軸仮締め工具の異なる回転抑制機構を模式的に示す斜視図である。なお、各図面において、図を明確にするために一部の部材を省略して示している場合がある。ここで、以下の説明では、説明を明確にするために、直交座標(xyz)系を用いて説明する。
本実施の形態の多軸仮締め工具1は、図1及び図2に示すように、複数(図示例では4個)のソケット2、基部3、ギヤ機構4、入力部5及び回転抑制機構6を備えており、ワーク7の複数の被螺合部であるネジ孔7aに夫々、螺合部材であるボルト8を同時に仮締めするために用いられる。
なお、本実施の形態の多軸仮締め工具1は、4個のソケット2を備えているが、複数個であれば個数は限定されない。また、本実施の形態では、被螺合部がネジ孔7aであり、螺合部材がボルト8であるが、被螺合部がボルト(例えば、スタッドボルト)であり、螺合部材がナットであってもよい。
ソケット2には、ボルト8のボルト頭8aが挿入されて係合される。本実施の形態のソケット2は、図3に示すように、本体部2a及び被係合部2bを備えている。本体部2aは、例えば、ワーク7に接触しても当該ワーク7への損傷を抑制でき、且つ多軸仮締め工具1の軽量化を図るために、樹脂製(但し、材料は限定されない。)である。そして、本体部2aは、柱形状(例えば、円柱形状)を基本形態としており、被挿入部2cを備えている。
被挿入部2cは、例えば、ソケット2のz軸−側の面に形成された凹部であり、図4に示すように、テーパー部2d及び収容部2eを備えている。テーパー部2dは、本体部2aのz軸−側の面からz軸+方向に延在しており、z軸+側に向かうに従って縮径し、収容部2eに連続している。収容部2eは、図5に示すように、ボルト頭8aの対角距離L1より大きな直径L2を有する円形穴であり、z軸+方向に延在している。
ここで、被挿入部2cの深さD1(図4)は、例えば、被挿入部2cにボルト頭8aが挿入された状態で、本体部2aのz軸−側の面がボルト頭8aから突出するフランジ部8bに接触し、且つ、収容部2eの底面にボルト頭8aのz軸+側の面が接触するように設定されているとよい。
被係合部2bは、図4及び図5に示すように、収容部2eの周面から径方向に突出する突出部である。本実施の形態の被係合部2bは、略円柱形状の金属製のピンから成り、z軸方向に延在するように本体部2aに固定されている。そして、被係合部2bは、被挿入部2cにボルト頭8aが挿入可能で、且つソケット2を回転させた際にボルト頭8aの角部が引っ掛けられる(係合される)ように配置されている。被係合部2bは、例えば、対向するように2箇所に配置されている。ちなみに、詳細な機能は後述するが、被係合部2bにおけるz軸−側の端部は、z軸−側に向かうに従って細くなるテーパー形状とされているとよい。
このようなソケット2は、図1及び図6に示すように、基部3に支持されている。例えば、ソケット2のz軸+側の面に棒ネジ9がねじ込まれている。棒ネジ9は、略z軸方向に延在しており、基部3に形成された貫通孔3aに軸受(図示を省略)を介して通されている。このとき、ソケット2の首振りを許容するために、軸受の内径は棒ネジ9の外径より大きい。
棒ネジ9における基部3を挟んでz軸−側の部分に第1のナット10がねじ込まれている。第1のナット10は、ソケット2のz軸+側の面に略接触するように配置されている。
一方、棒ネジ9における基部3を挟んでz軸+側の部分に第2のナット11がねじ込まれている。第2のナット11は、第1のナット10とz軸方向に所定の間隔を開けて配置されている。例えば、図7の右図に示すように、ソケット2が基部3に対して最もz軸−方向に移動して第2のナット11が基部3のz軸+側の面に接触した状態で、第1のナット10におけるz軸+側の面と基部3におけるz軸−側の面との間に、ボルト8の約2ピッチ分の間隔G1が確保されるように、第2のナット11は配置されている。これにより、ソケット2は、図6及び図7に示すように、基部3に首振り(即ち、ソケット2が傾動)可能で、且つ、z軸方向に移動可能に支持されることになる。
基部3は、板状部材である。そして、詳細は後述するが、基部3は、ソケット2でボルト8を所定量で仮締めした状態で、ワーク7における多軸仮締め工具1で同時にボルト8が仮締めされる複数のネジ孔7aを含む領域A1の少なくとも一部を囲む内壁7bに接触する形状とされている。
本実施の形態の基部3は、ワーク7の内壁7bに接触しても当該内壁7bへの損傷を抑制でき、且つ多軸仮締め工具1の軽量化を図るために、樹脂製(但し、材料は限定されない)である。そして、基部3は、z軸方向から見て略矩形状(但し、内壁7bに接触可能な形状であればよい)であり、側面がワーク7の内壁7bに対応するように傾斜している。
ギヤ機構4は、入力部5から入力された駆動力を各々のソケット2に伝達する。本実施の形態のギヤ機構4は、図2及び図8に示すように、入力ギヤ4a、出力ギヤ4b及び中間ギヤ4cを備えている。
入力ギヤ4aは、例えば、図9に示すように、樹脂製(但し、材料は限定されない)の平歯車であり、中央でz軸方向に貫通する貫通孔4dを備えている。この貫通孔4dには、基部3におけるz軸+側の面の略中央に形成されたネジ穴3bにねじ込まれたボルト12の軸部12aが軸受13を介して通されている。これにより、入力ギヤ4aは、ボルト12におけるz軸方向に延在する軸部12aを中心に回転可能となっている。
ちなみに、本実施の形態では、ボルト12の軸部12aに螺合されたナット14を基部3に押し付けて、ボルト12をナット14と基部3のネジ穴3bとのダブルナット構造で固定することで、ボルト12における基部3のネジ穴3bからの緩みを抑制している。
出力ギヤ4bは、例えば、樹脂製(但し、材料は限定されない)の平歯車であり、中央でz軸方向に貫通する貫通孔(図示を省略)を備えている。そして、出力ギヤ4bの貫通孔には、ソケット2にねじ込まれた棒ネジ9におけるz軸+側の端部が軸受(図示を省略)を介して通され、出力ギヤ4bを第2のナット11とで挟持するように棒ネジ9に第3のナット15がねじ込まれている。これにより、出力ギヤ4bは、棒ネジ9を中心に回転可能となっている。
中間ギヤ4cは、例えば、樹脂製(但し、材料は限定されない)の平歯車であり、中央で略z軸方向に貫通する貫通孔4eを備えている。そして、中間ギヤ4cは、入力ギヤ4a及び出力ギヤ4bに噛み合わされている。また、中間ギヤ4cの貫通孔4eには、基部3からz軸+方向に突出する回転軸4fが通されている。これにより、中間ギヤ4cは、回転軸4fを略中心に回転しつつ、入力ギヤ4aの駆動力を出力ギヤ4bに伝達可能となっている。
ここで、図6に示すように、ソケット2、しいては棒ネジ9が傾動した際に当該棒ネジ9と連動して出力ギヤ4bが揺動することになる。このとき、中間ギヤ4cの位置が固定されていると、出力ギヤ4bの揺動を阻害する。そこで、詳細な動作は後述するが、図8に示すように、出力ギヤ4bの揺動を阻害しないように、中間ギヤ4cの貫通孔4eの直径を回転軸4fの直径より大きくし、中間ギヤ4cがxy面と略平行に移動可能となっている。つまり、ギヤ機構4は、基部3に対してソケット2の首振りを許容する遊びを有する。
また、ソケット2が基部3に対して最もz軸+側に移動した際に出力ギヤ4bもx軸+側に移動するが、その際に出力ギヤ4bとの噛み合わせが解除されないように、中間ギヤ4cの厚さは設定されている。
入力部5は、入力ギヤ4aに駆動力を入力するために作業者によって操作される。本実施の形態の入力部5は、図9に示すように、入力ギヤ4aとボルト16を介して連結されている。詳細には、入力ギヤ4aに形成された貫通孔4gに通されたボルト16が入力部5におけるz軸−側の面に形成されたネジ穴にねじ込まれて一体化されている。
入力部5は、例えば、柱形状(図示例では、円柱形状であるが、多角形状でもよい)を基本形態としており、貫通孔5a及び摘まみ部5bを備えている。このような入力部5は、作業者の手の馴染みが良く、且つ多軸仮締め工具1の軽量化を図ることができるように、ウレタン製であるとよい。
貫通孔5aは、入力部5の中央でz軸方向に延在しており、z軸−側の小径部5c及び当該小径部5cに対してz軸+側に配置され、且つ小径部5cに対して大径の大径部5dを備えている。そして、貫通孔5aの小径部5cにボルト12の軸部12aが通され、大径部5dにボルト12のボルト頭12bが収容されている。このとき、図10に示すように、多軸仮締め工具1が載置台17に載置されて入力部5及び入力ギヤ4aが基部3に対して最もz軸+側に配置された状態で、ボルト12のボルト頭12bにおけるz軸−側の面と、貫通孔5aの小径部5cと大径部5dとの段差部と、の間に所定の間隔G2が確保される。そして、作業者が入力部5を介して多軸仮締め工具1を持ち上げると、図1に示すように、ボルト12のボルト頭12bにおけるz軸−側の面が、貫通孔5aの小径部5cと大径部5dとの段差部に接触するまで入力部5及び入力ギヤ4aがz軸+方向に移動する。このように入力部5及び入力ギヤ4aは、z軸方向に移動可能とされている、
摘まみ部5bは、図11に示すように、入力部5の周方向に所定の間隔で当該入力部5の外周面に形成された溝部である。摘まみ部5bは、z軸方向に延在しており、作業者の指を良好に引っ掛けることができるように深さや幅が設定されている。
回転抑制機構6は、多軸仮締め工具1を搬送する際にギヤ機構4をロックする。本実施の形態の回転抑制機構6は、図1に示すように、爪部6a及び支持部6bを備えている。爪部6aは、基部3に対してギヤ機構4側に配置されている。爪部6aは、例えば、図12に示すように、z軸方向から見て二等辺三角形(但し、入力ギヤ4aに噛み合わせることができる形状であればよい)を基本形態としており、支持部6bを介して基部3に連結されている。
このような爪部6aは、入力部5及び入力ギヤ4aが基部3に対して最もz軸+側に移動した状態、即ち、ボルト12のボルト頭12bにおけるz軸−側の面が、貫通孔5aの小径部5cと大径部5dとの段差部に接触した状態で、入力ギヤ4aに噛み合わされ、入力部5及び入力ギヤ4aが基部3に対して最もz軸−側に配置された状態で、入力ギヤ4aに噛み合わされない。そのため、上述の間隔G2は、少なくとも入力ギヤ4aの厚さより大きい。
但し、爪部6aは、図13に示すように、z軸と直交する方向から見てz軸−側に角部が配置される三角形を基本形態としてもよい。この場合、爪部6aの角部が入力ギヤ4aのz軸+側で当該入力ギヤ4aに噛み合わされる。
次に、本実施の形態の多軸仮締め工具1を用いてワーク7のネジ孔7aにボルト8を仮締めする流れを説明する。図14は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される初期の状態を模式的に示す正面図である。図15は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図である。図16は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された際のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との配置関係を模式的に示す図であり、上図は正面視を示し、下図は底面視を示している。図17は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットの被係合部とボルトのボルト頭とが干渉する際のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との配置関係を模式的に示す図であり、上図は正面視を示し、下図は底面視を示している。図18は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との干渉回避動作を説明するための図である。図19は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される途中の状態を模式的に示す正面図である。図20は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された状態を模式的に示す正面図である。図21は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットでボルトを仮締めする際のソケットの被係合部とボルトのボルト頭との配置関係を模式的に示す底面図である。図22は、本実施の形態の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した直後の状態を模式的に示す正面図である。図23は、本実施の形態の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した後にソケットが基部に対して最もz軸−側に移動した状態を模式的に示す正面図である。図24は、本実施の形態の多軸仮締め工具を用いてボルトの仮締めが完了した状態を模式的に示す正面図である。
ここで、本実施の形態のワーク7は、図1に示すように、ワーク7における多軸仮締め工具1を用いてボルト8が同時に螺合される複数のネジ孔7aを含む領域A1を囲む内壁7bを備えている。内壁7bは、z軸−側に向かうに従って領域A1側に近付くように傾斜する傾斜面である、
先ず、図1に示すように、ワーク7におけるネジ孔7aと連通されたボルト挿入孔7cにボルト8の軸部8cを挿入して当該ボルト8を立てておく。そして、多軸仮締め工具1が載置台17に載置された状態から作業者が入力部5を介して多軸仮締め工具1を持ち上げて、各々のボルト8の回転軸AX1とソケット2の回転軸AX2とが略同軸上に配置されるように、領域A1に対してz軸+側に多軸仮締め工具1を移動させる。
次に、図14に示すように、多軸仮締め工具1をz軸−方向に移動させて、ソケット2の被挿入部2cにボルト8のボルト頭8aの挿入を試み、入力部5及び入力ギヤ4aをz軸−方向に移動させる。このようにソケット2がボルト8に接触するまでは、入力部5及び入力ギヤ4aが基部3に対して最もz軸+側に配置され、入力ギヤ4aに回転抑制機構6の爪部6aが噛み合ってギヤ機構4がロックされる。そのため、基部3と入力部5との相対的な回転が抑制され、多軸仮締め工具1の使い勝手が良い。一方、ソケット2がボルト8に接触した後に入力部5及び入力ギヤ4aをz軸−方向に押し込むと、入力部5及び入力ギヤ4aが基部3に対して最もz軸−側に配置された状態となり、回転抑制機構6の爪部6aと入力ギヤ4aとの噛み合い状態は解除される。これにより、ギヤ機構4のロックが解除されて入力ギヤ4aは回転可能となり、ギヤ機構4を介してソケット2に駆動力が伝達可能となる。
このとき、図15に示すように、ボルト8のボルト頭8aは、ソケット2における被挿入部2cのテーパー部2dの傾斜に沿って収容部2eに導かれる。そして、図16の下図に示すように、ソケット2の被係合部2bがボルト8のボルト頭8aの角部と角部との間に配置される場合、ソケット2の被係合部2bによってボルト8のボルト頭8aにおけるソケット2の収容部2eへの挿入が阻害されないので、作業者がさらに入力部5や基部3を介してソケット2をz軸−方向に押し込むと、図16の上図及び図20に示すように、ボルト8のボルト頭8aがソケット2の収容部2eに収容される。ここで、ソケット2の被係合部2bの先端はテーパー形状とされているので、ボルト8のボルト頭8aをソケット2の収容部2eにスムーズに挿入することができる。
一方、図17に示すように、ボルト8のボルト頭8aがソケット2の被係合部2bに干渉する場合、図18に示すように、ソケット2における被係合部2bの先端はテーパー形状とされているので、ソケット2をz軸−方向に押し込むと、図19に示すように、ボルト8及びソケット2の少なくとも一方が回転し、結果として、ソケット2の被係合部2bがボルト8のボルト頭8aの角部と角部との間に配置される。そして、作業者がさらに入力部5や基部3を介してソケット2をz軸−方向に押し込むと、図16の上図及び図20に示すように、ボルト8のボルト頭8aがソケット2の収容部2eに収容される。
このとき、ソケット2の被挿入部2cにボルト8のボルト頭8aが挿入された段階では、未だ基部3の側面はワーク7の内壁7bに接触していない。そして、ソケット2が基部3に対して最もz軸+側に移動した状態で、図17の上図に示すように、ボルト8におけるボルト頭8aのz軸+側の面がソケット2における収容部2eの底面に面接触すると共に、ボルト8におけるフランジ部8bのz軸+側の面がソケット2における本体部2aのz軸−側の面に面接触する。これにより、図20に示すように、ボルト8の回転軸AX1と、多軸仮締め工具1のソケット2の回転軸AX2と、ワークのネジ孔7aの中心軸AX3と、は略同一軸上に配置され、且つ回転軸AX1、AX2及び中心軸AX3と、xz面と、は略直交する。
また、ソケット2を挟んでz軸+側の部分(即ち、棒ネジ9)は基部3の貫通孔3aに軸受を介して通され、ソケット2を挟んでz軸−側の部分(即ち、ボルト8)はワーク7のボルト挿入孔7cに挿入されているので、ソケット2がz軸方向で両持ち支持される形態となり、ソケット2の傾動を抑制することができる。
作業者が入力部5を回転させると、入力部5の駆動力が入力ギヤ4a、中間ギヤ4c及び出力ギヤ4bを介してソケット2に伝達され、ソケット2が回転する。そして、図21に示すように、ソケット2の被係合部2bがボルト8のボルト頭8aに係合され、ボルト8が回転してワーク7のネジ孔7aに螺合されていく。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク7のネジ孔7aにさらに螺合されていく。それに伴って、ボルト8と共にソケット2がz軸−方向に移動する。このとき、基部3は、第1のナット10のz軸+側の面に載置された状態であり、ソケット2のz軸−方向への移動に伴って、基部3がz軸−方向に移動し、図22に示すように、基部3の側面がワーク7の内壁7bに接触する。これにより、基部3のz軸−方向への移動が抑制される。このとき、作業者は、基部3の側面がワーク7の内壁7bに接触することで、ボルト8の仮締めの完了が間近に迫っていることを認識することができる。そのため、基部3の側面は、基部3のz軸−方向への移動を抑制する移動抑制部として機能する。
ここで、基部3の側面がワーク7の内壁7bに接触すると、作業者が入力部5を回転させた際のモーメントをワーク7の内壁7bで受けることができ、入力ギヤ4aと出力ギヤ4bとのギヤ比を大きくすることができる。そのため、ボルト8を仮締めする際に、入力部5の回転数が少なくて済む。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク7のネジ孔7aにさらに螺合されていく。それに伴って、ボルト8と共にソケット2がz軸−方向に移動し、図23に示すように、第2のナット11のz軸−側の面が基部3のz軸+側の面に接触する。これにより、ソケット2のz軸−方向への移動が抑制される。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク7のネジ孔7aにさらに螺合されていく。それに伴って、ソケット2に対してボルト8がz軸−方向に移動して、ボルト8のボルト頭8aとソケット2の被係合部2bとの係合が解除される。これにより、ボルト8のワーク7のネジ孔7aへの仮締めが完了する。このようにボルト8のボルト頭8aとソケット2の被係合部2bとの係合が解除されると、入力部5を回転させる負荷が小さくなるので、作業者はボルト8のワーク7のネジ孔7aへの仮締めが完了したことを認識することができる。
ここで、上述のように第1のナット10と基部3との間隔G1は、例えば、ボルト8の約2ピッチ分とされているので、ボルト8とワーク7のネジ孔7aとのネジ山が合わずに、ボルト8がワーク7のネジ孔7aに直ちに螺合されない場合でも、確実にボルト8をワークのネジ孔7aに螺合させることができる。
次に、本実施の形態の多軸仮締め工具1を用いて、傾いた状態でワーク7のボルト挿入孔7cに挿入されたボルト8を仮締めする流れを説明する。
図25は、本実施の形態の多軸仮締め工具でワークのボルト挿入孔に傾いた状態で挿入されたボルトを仮締めする様子を模式的に示す正面図である。図26は、本実施の形態の多軸仮締め工具におけるソケットがボルトに接触した状態を模式的に示す正面図である。図27は、ソケットの傾動を許容するように中間ギヤが入力ギヤと出力ギヤとの間から逃げる様子を模式的に示す図である。図28は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図であり、上図は正面視を示し、下図は底面視を示している。図29は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内で傾きが矯正されたボルトを模式的に示す正面図である。図30は、逃げた中間ギヤが入力ギヤと出力ギヤとの間に引き込まれる様子を模式的に示す図である。
図25に示すように、ボルト8の軸部8cがワーク7のボルト挿入孔7cに傾いて挿入されている場合、多軸仮締め工具1をz軸−方向に移動させると、図26に示すように、ソケット2の被挿入部2cにボルト8のボルト頭8aが傾いた状態で挿入される。このとき、中間ギヤ4cの貫通孔4eの直径は回転軸4fの直径より大きいので、ソケット2における被挿入孔2cのテーパー部2dにボルト8のボルト頭8aが接触して、ソケット2が傾動しようとし、出力ギヤ4bが中間ギヤ4cを押し込むと、図27に示すように、中間ギヤ4cは入力ギヤ4aと出力ギヤ4bとの間から逃げる。これにより、ソケット2の傾動が許容される。
作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具1をz軸−方向に移動させると、図28に示すように、ボルト8のボルト頭8aがソケット2の被挿入部2cのテーパー部2dに沿って収容部2eに導かれ、図29に示すように、ボルト8の傾きが矯正される。
作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具1をz軸−方向に移動させると、ソケット2の被係合部2bがボルト8のボルト頭8aの角部と角部との間に配置され、且つボルト8におけるボルト頭8aのz軸+側の面がソケット2における収容部2eの底面に面接触すると共に、ボルト8におけるフランジ部8bのz軸+側の面がソケット2における本体部2aのz軸−側の面に面接触する。
作業者が入力部5を回転させると、図30に示すように、入力部5の回転に伴って中間ギヤ4cが入力ギヤ4aと出力ギヤ4bとの間に引き込まれて入力ギヤ4aと出力ギヤ4bとに噛み合わされる。これにより、入力部5の駆動力がソケット2に伝達されて当該ソケット2が回転し、ボルト8が仮締めされる。その後のボルト8の仮締めが完了するまでの流れは、図22乃至図24と同様であり、重複する説明は省略する。
次に、本実施の形態の多軸仮締め工具1を領域A1に対してz軸+側に配置した際に、ソケット2の回転軸AX2とボルト8の回転軸AX1とがずれた状態からボルト8を仮締めする流れを説明する。
図31は、本実施の形態の多軸仮締め工具がボルトに対してz軸+側に配置された際のソケットの回転軸とボルトの回転軸とがずれた状態を模式的に示す正面図である。図32は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケットがボルトに対して傾いて接触した状態を模式的に示す正面図である。図33は、本実施の形態の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触して基部がx軸−側に移動する様子を模式的に示す正面図である。
図31に示すように、多軸仮締め工具1のソケット2の回転軸AX2がボルト8の回転軸AX1に対してずれた状態で、多軸仮締め工具1が領域A1に対してz軸+側に配置された場合、多軸仮締め工具1をz軸−方向に移動させると、図32に示すように、ソケット2にボルト8のボルト頭8aの一部が接触して、ソケット2が傾動した状態となる。このとき、ソケット2が傾動すると共に、中間ギヤ4cが入力ギヤ4aと出力ギヤ4bとの間から逃げる。
作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具1をz軸−方向に移動させると、基部3におけるソケット2の回転軸AX2がボルト8の回転軸AX1に対してずれている側(本実施の形態ではx軸+側)の側面がワーク7の内壁7bに接触して、図33に示すように、基部3、しいては多軸仮止め工具1が当該ずれている側に対して逆方向(本実施の形態ではx軸−方向)に押される。
それと共に、ボルト8のボルト頭8aがソケット2の被挿入部2cのテーパー部2dに沿って収容部2eに導かれ、ソケット2の回転軸AX2がボルト8の回転軸AX1と略同軸上に配置される。
作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具1をz軸−方向に移動させると、ソケット2の被係合部2bがボルト8のボルト頭8aの角部と角部との間に配置され、且つボルト8におけるボルト頭8aのz軸+側の面がソケット2における収容部2eの底面に面接触すると共に、ボルト8におけるフランジ部8bのz軸+側の面がソケット2における本体部2aのz軸−側の面に面接触する。
作業者が入力部5を回転させると、入力部5の回転に伴って中間ギヤ4cが入力ギヤ4aと出力ギヤ4bとの間に引き込まれて入力ギヤ4aと出力ギヤ4bとに噛み合わされる。これにより、入力部5の駆動力がソケット2に伝達されて当該ソケット2が回転し、ボルト8が仮締めされる。その後のボルト8の仮締めが完了するまでの流れは、図22乃至図24と同様であり、重複する説明は省略する。
このような多軸仮締め工具1は、作業者が多軸仮締め工具1を搬送する際に、ギヤ機構4がロックされて基部3と入力部5との相対的な回転が抑制されるので、ボルト8のボルト頭8aをソケット2の被挿入部2cに挿入する際の位置決めが容易である。しかも、多軸仮締め工具1の搬送、ソケット2の押し込み、入力部5の回転を片手で行うことが可能である。
また、ソケット2が首振り可能な構成とされているので、ソケット2の回転軸AX2がボルト8の回転軸AX1に対してずれていたり、ボルト8の軸部8cがワーク7のボルト挿入孔7cに傾いて挿入されていたり、しても良好にボルト8を仮締めすることができる。
以上より、本実施の形態の多軸仮締め工具1は、使い勝手が良い。
さらに、本実施の形態の多軸仮締め工具1は、ボルト8が所定量で仮締めされると、基部3の側面がワーク7の内壁7bに接触するので、作業者はボルト8の仮締めの完了が間近に迫っていることを認識することができる。特に、本実施の形態の多軸仮締め工具1は、最終的にソケット2の被係合部2bとボルト8のボルト頭8aとの係合が解除される。そのため、ボルト8を締め込み過ぎることがない。
また、本実施の形態の多軸仮締め工具1は、ソケット2、基部3、ギヤ機構4及び入力部5が軽量な部材で構成されているため、軽量で使い勝手が良い。
<実施の形態2>
本実施の形態では、多軸仮締め工具1を用いてボルト8を実施の形態1のワーク7と異なるワークのネジ孔に仮締めする。なお、本実施の形態は、実施の形態1と略等しいため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
図34は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す正面図である。図35は、本実施の形態の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した状態を模式的に示す正面図である。図36は、本実施の形態の多軸仮締め工具の基部の側面がワークの内壁に接触した後にソケットが基部に対して最もz軸−側に移動した状態を模式的に示す正面図である。図37は、本実施の形態の多軸仮締め工具を用いてボルトの仮締めが完了した状態を模式的に示す正面図である。なお、図34乃至図37では、図を簡略化するために回転抑制機構を省略して示している。
図34に示すように、本実施の形態のワーク21は、実施の形態1のワーク7と同様に、ワーク21における多軸仮締め工具1を用いてボルト8が同時に螺合される複数のネジ孔21aを含む領域A2を囲む内壁21bを備えている。そして、内壁21bは、z軸−側に向かうに従って領域A2側に向かって傾斜する傾斜面である。但し、本実施の形態の内壁21bは、一部分が他の部分に対して高い形状とされている。
このようなワーク21のネジ孔21aにボルト8を仮締めする場合は、先ず、図34に示すように、多軸仮締め工具1のソケット2の被挿入部2cにボルト8のボルト頭8aが挿入される。このとき、基部3は、第1のナット10におけるz軸+側の面に載置された状態となる。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク21のネジ孔21aに螺合されていき、ソケット2がz軸−方向に移動する。それに伴って、基部3もz軸−方向に移動し、図35に示すように、基部3の側面がワーク21の内壁21bにおける他の部分に対して高い部分に接触する。これにより、作業者はボルト8の仮締めの完了が間近に迫っていることを認識する。そのため、実施の形態1と同様に、基部3の側面は、基部3のz軸−方向への移動を抑制する移動抑制部として機能する。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク21のネジ孔21aにさらに螺合されていく。それに伴って、ソケット2がz軸−方向に移動し、図36に示すように、第2のナット11のz軸−側の面が基部3のz軸+側の面に接触する。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク21のネジ孔21aにさらに螺合されていき、ソケット2がz軸−方向に移動しようとする。それに伴い、第2のナット11によって基部3がz軸−方向に押し込まれ、図37に示すように、基部3がワーク21の内壁21bの傾斜に倣って当該基部3がワーク21の内壁21bに接触した側と逆方向(本実施の形態では、x軸+方向)に押し出される。その結果、ソケット2が傾動して棒ネジ9が基部3の貫通孔3aに設けられた軸受と干渉し、出力ギヤ4bの回転が渋くなり、入力部5を回転させる負荷が大きくなる。これにより、作業者はボルト8の仮締めが完了したことを認識することができる。
<実施の形態3>
実施の形態1、2では、基部3の側面をワーク7、21の内壁7b、21bに接触させることで、基部3のz軸−方向への移動を抑制しているが、基部からz軸−方向に突出する突出部をワークに接触させることで、基部のz軸−方向への移動を抑制してもよい。
図38は、本実施の形態の多軸仮締め工具のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された状態を模式的に示す正面図である。図39は、本実施の形態の多軸仮締め工具の基部の突出部がワークに接触した状態を模式的に示す正面図である。図40は、本実施の形態の多軸仮締め工具の基部の突出部がワークに接触した後にソケットが基部に対して最もz軸−側に移動した状態を模式的に示す正面図である。図41は、本実施の形態の多軸仮締め工具を用いてボルトの仮締めが完了した状態を模式的に示す正面図である。なお、図38乃至図41では、図を簡略化するために回転抑制機構を省略して示している。ここで、本実施の形態では、実施の形態2と等しいワーク21のネジ孔21aにボルト8を仮締めする。
図38に示すように、本実施の形態の基部31は、実施の形態1、2の基部3と略等しい構成とされているが、基部31からz軸−方向に突出する突出部31aを備えている。
このような基部31を備える多軸仮締め工具32を用いてボルト8を仮締めする場合、先ず、図38に示すように、ソケット2の被挿入部2cにボルト8のボルト頭8aが挿入される。このとき、第1のナット10のz軸+側の面に基部31が載置された状態となる。なお、基部31の突出部31aの先端は、ワーク21に非接触状態である。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク21のネジ孔21aに螺合されていき、ソケット2がz軸−方向に移動する。それに伴って、基部31がz軸−方向に移動し、図39に示すように、基部31の突出部31aの先端がワーク21の領域A2に接触する。これにより、基部31のz軸−方向への移動が抑制され、作業者はボルト8の仮締めの完了が間近に迫っていることを認識する。そのため、基部31の突出部31aは、基部31のz軸−方向への移動を抑制する移動抑制部として機能する。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク21のネジ孔21aにさらに螺合されていき、ソケット2がz軸−方向に移動し、図40に示すように、第2のナット11のz軸−側の面が基部3のz軸+側の面に接触する。
作業者が入力部5を回転させると、ボルト8がワーク21のネジ孔21aにさらに螺合されていき、ソケット2に対してボルト8がz軸−方向に移動して、ボルト8のボルト頭8aとソケット2の被係合部2bとの係合が解除される。これにより、ボルト8のワーク21のネジ孔21aへの仮締めが完了する。このとき、ボルト8のボルト頭8aとソケット2の被係合部2bとの係合が解除されると、入力部5を回転させる負荷が小さくなるので、作業者はボルト8のワーク21のネジ孔21aへの仮締めが完了したことを認識することができる。
<実施の形態4>
実施の形態1などでは、入力ギヤ4aに回転抑制機構6の爪部6aを噛み合わせることで、ギヤ機構4をロックしているが、出力ギヤ4bの回転を拘束することで、ギヤ機構4をロックしてもよい。
図42は、本実施の形態の多軸仮締め工具を載置台に載置した状態を模式的に示す正面図である。図43は、本実施の形態の多軸仮締め工具を持ち上げた状態を模式的に示す正面図である。図44は、本実施の形態の多軸仮締め工具を模式的に示す平面図である。図45は、本実施の形態の多軸仮締め工具における回転抑制機構の異なる爪部を模式的に示す図である。なお、図44では、図を明確にするために中間ギヤを省略している。
図42乃至図44に示すように、本実施の形態の回転抑制機構41は、多軸仮締め工具42が持ち上げられてソケット2が基部3に対して最もz軸−方向に移動した状態で、出力ギヤ4bに噛み合わされる爪部41aを備えている。爪部41aは、基部3を挟んでギヤ機構4側に配置されている。そして、爪部41aは、例えば、z軸方向から見て略二等辺三角形(但し、出力ギヤ4bに噛み合わせることができる形状であればよい)を基本形態としており、支持部41bを介して基部3に連結されている。
このような爪部41aは、図42に示すように、多軸仮締め工具42が載置台17に載置されてソケット2が基部3に対して最もz軸+方向に移動した状態で出力ギヤ4bに噛み合わない。そして、図43及び図44に示すように、多軸仮締め工具42を持ち上げてソケット2が基部3に対して最もz軸−方向に移動した状態で出力ギヤ4bに噛み合ってギヤ機構4がロックされる。これにより、基部3と入力部5との相対的な回転を抑制した状態で、多軸仮締め工具42を搬送することができ、多軸仮締め工具42の使い勝手が良い。
ここで、ソケット2の被挿入部2cにボルト8のボルト頭8aが挿入された直後の状態では、ソケット2は基部3に対して最もz軸+側に移動していることになるので、出力ギヤ4bの回転を阻害しない。一方、ボルト8を仮締めする際にソケット2が基部3に対して最もz軸−側に移動してしまうと、出力ギヤ4bに爪部41aが噛み合って当該出力ギヤ4bの回転が阻害されてしまうので、例えば、ボルト8を仮締めする際には、第2のナット11と基部3との間にスペーサーなどを介在させ、多軸仮締め工具42を搬送する際に当該スペーサーを取り除けばよい。
なお、上記実施の形態の爪部41aは、出力ギヤ4bの側方から噛み合っているが、出力ギヤ4bにz軸−側から噛み合う構成とされていてもよい。この場合、図45に示すように、爪部41aは、z軸と直交する方向から見てz軸+側に頂部が配置される三角形を基本形態とするとよい。
<実施の形態5>
実施の形態1などのソケット2の被係合部2bは、ピンをz軸方向に延在させているが、図46に示すように、向かい合うピンの間隔がz軸−側に向かうに従って広くなるように、ピンを斜めに延在させてもよい。これにより、ボルト8のボルト頭8aが先細形状(即ち、ボルト頭8aが傾斜面を有する形状)であっても、ボルト8のボルト頭8aにソケット2の被挿入部2cを良好に係合することができる。
<実施の形態6>
実施の形態1などではソケット2を用いてボルト8を仮締めしたが、異なるソケットを用いてもボルト8を仮締めすることができる。
図47は、本実施の形態のソケット内にボルトのボルト頭が挿入された状態を模式的に示す図である。図48は、本実施の形態のソケットを模式的に示す図であり、上図は正面視を示し、下図は底面視を示している。図49乃至図51は、本実施の形態のソケット内にボルトのボルト頭が挿入される様子を模式的に示す図であり、上図は正面視を示し、下図は底面視を示している。
図47及び図48に示すように、本実施の形態のソケット61は、柱形状(図示例では、円柱形状)を基本形態としており、z軸−側の面からz軸+側に延在する被挿入部61aを備えている。そして、ソケット61は、例えば、ワーク7に接触しても当該ワーク7への損傷を抑制でき、且つ多軸仮締め工具の軽量化を図ることができ、しかも、変形可能なウレタン製である。但し、ソケット61は、後述するように、変形してボルト8のボルト頭8aと良好に係合することができる材料で形成されていればよい。
被挿入部61aは、テーパー部61b及び収容部61cを備えている。テーパー部61bは、ソケット61のz軸−側の面からz軸+方向に延在しており、z軸+側に向かうに従って縮径し、収容部61cに連続している。収容部61cは、ボルト8のボルト頭8aの対角距離L1より小さい直径L3を有する円形穴であり、z軸+方向に延在している。
このようなソケット61を用いてボルト8を仮締めする場合、例えば、図49に示すように、ソケット61がボルト8に対して傾いていても、ボルト8のボルト頭8aがソケット61における被挿入部61aのテーパー部61bに沿って当該被挿入部61aに導かれる。その結果、図50に示すように、ボルト8の回転軸AX1とソケット61の回転軸AX4とは略同一軸上に配置される。
作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具をz軸−方向に移動させると、ソケット61が圧縮されて収容部61cが押し広げられる。さらに、作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具をz軸−方向に移動させると、図51に示すように、ボルト8のボルト頭8aがソケット61の収容部61cに収容される。このとき、ソケット61の収容部61cは、ボルト8のボルト頭8aに対応するようにz軸方向から見て六角形状に変形しつつ当該ボルト頭8aに密着する。これにより、ソケット61を用いてボルト8を仮締め可能な状態になる。
<実施の形態7>
実施の形態6では、ボルト8を仮締めする際にソケット61を用いているが、図52に示すように、ナット71を仮締めする際に用いることもできる。
このようにソケット61でナット71を仮締めする場合、例えば、ソケット61に挿入された棒ネジ9の先端が収容部61cの底面から突出していると、ナット71の位置決めが容易である。ちなみに、棒ネジ9の先端はナット71のネジ孔より小径とされる。つまり、棒ネジ9の先端はナット71のネジ孔に挿入可能とされている。
図53乃至図56は、本実施の形態のソケット内にナットが挿入される様子を模式的に示す図であり、上図は正面視を示し、下図は底面視を示している。
図53に示すように、ソケット61の回転軸AX4がナット71の回転軸AX5に対してずれている場合、作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具をz軸−方向に移動させると、ナット71はソケット61における被挿入部61aのテーパー部61bに沿って移動し、図54に示すように、ナット71のネジ孔71aが棒ネジ9の先端9aに導かれる。
作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具をz軸−方向に移動させると、図55に示すように、ソケット61が圧縮されて収容部61cが押し広げられる。さらに、作業者が基部3又は入力部5を介して多軸仮締め工具をz軸−方向に移動させると、図56に示すように、ナット71のネジ孔71aが棒ネジ9の先端9aに沿って移動し、ナット71がソケット61の収容部61cに収容される。これにより、ソケット61を用いてナット71を仮締め可能な状態になる。
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、実施の形態1などのソケット2の被係合部2bは、対向するように2箇所に配置しているが、図57に示すように、ソケット2の周方向に略等間隔で3箇所に配置したり、図58に示すように、ソケット2の周方向に略等間隔で6箇所に配置したり、してもよい。要するに、ソケット2の被挿入部2cへの螺合部材の挿入を阻害せず、且つソケット2を回転させた際に被係合部2bを螺合部材に係合させることができれば、被係合部2bの配置や形状は限定されない。なお、図57及び図58では、被挿入部のテーパー部や収容部を簡略化して示している。
例えば、回転抑制機構の構成は上述の限りでなく、例えば、基部に設けられたアクチュエータなどによってピンを入力ギヤなどに形成された嵌合穴に差し込むことでギヤ機構4をロックしてもよい。要するに、入力部を持ち上げて多軸仮締め工具を搬送する際に、ギヤ機構4をロックできる構成であればよい。
例えば、ソケットの構成は上述の限りでなく、一般的な電動工具で用いられるソケットなどを用いてもよい。
1 多軸仮締め工具
2 ソケット
2a 本体部
2b 被係合部
2c 被挿入部
2d テーパー部
2e 収容部
3 基部
3a 貫通孔、3b ネジ穴
4 ギヤ機構
4a 入力ギヤ、4d 貫通孔
4b 出力ギヤ
4c 中間ギヤ、4e 貫通孔、4f 回転軸
4g 貫通孔
5 入力部
5a 貫通孔、5c 小径部、5d 大径部
5b 摘まみ部
6 回転抑制機構、6a 爪部、6b 支持部
7 ワーク、7a ネジ孔、7b 内壁、7c ボルト挿入孔
8 ボルト、8a ボルト頭、8b フランジ部、8c 軸部
9 棒ネジ、9a 先端
10 第1のナット
11 第2のナット
12 ボルト
12a 軸部、12b ボルト頭
13 軸受
14 ナット
15 第3のナット
16 ボルト
17 載置台
21 ワーク、21a ネジ孔、21b 内壁
31 基部、31a 突出部
32 多軸仮締め工具
41 回転抑制機構
41a 爪部、41b 支持部
42 多軸仮締め工具
61 ソケット、61a 被挿入部、61b テーパー部、61c 収容部
71 ナット

Claims (5)

  1. 基部に回転可能に支持された複数のソケットに夫々、ワークの被螺合部に螺合する螺合部材を係合して仮締めする多軸仮締め工具であって、
    前記基部に設けられ、入力部を介して入力された駆動力を前記ソケットに伝達するためのギヤ機構を備え、
    前記ギヤ機構は、
    前記入力部と固定され、前記基部に回転可能に設けられた入力ギヤと、
    前記ソケットが一方の端部に固定され、前記基部に形成された貫通孔に軸受を介して通された棒ネジの他方の端部に固定された出力ギヤと、
    中央に形成された貫通孔に前記基部から突出する回転軸が通されて当該回転軸を中心に回転可能であって、前記入力ギヤと前記出力ギヤとに噛み合わせ可能な中間ギヤと、
    を有し、
    前記多軸仮締め工具を搬送する際に前記入力部を持ち上げると、前記ギヤ機構がロック可能であると共に、
    前記軸受の内径が前記棒ネジの外径より大きく、且つ前記中間ギヤの貫通孔の直径が前記回転軸の直径より大きく、前記中間ギヤが前記基部の表面と平行に移動可能とすることで、前記ギヤ機構が前記基部との間に遊びを有し、前記ソケットが首振り可能に前記基部に支持されている、多軸仮締め工具。
  2. 前記基部の側面は、前記螺合部材が前記被螺合部に所定量で仮締めされると、前記ワークにおける前記多軸仮締め工具で同時に前記螺合部材が仮締めされる複数の被螺合部を含む領域の少なくとも一部を囲み、且つ前記被螺合部側に向かうに従って前記領域側に傾斜する内壁に接触する、請求項1に記載の多軸仮締め工具。
  3. 前記基部は、前記ソケットに前記螺合部材を係合した状態で前記基部から前記被螺合部側に突出する突出部を備え、
    前記突出部は、前記螺合部材が前記被螺合部に所定量で仮締めされると、前記基部の前記被螺合部側への移動を抑制するように前記ワークに接触する、請求項1に記載の多軸仮締め工具。
  4. 前記ソケットは、本体部と被係合部とを備え、
    前記本体部は、前記基部側に向かうに従って縮径するテーパー部と、前記テーパー部と連続するように当該テーパー部に対して前記基部側に配置されており、前記螺合部材の少なくとも一部を収容し、前記螺合部材の少なくとも一部の対角距離より長い直径を有する収容部と、を備え、
    前記被係合部は、前記収容部の周面から径方向に突出する突出部であり、前記ソケットを回転させた際に前記螺合部材の少なくとも一部の角部に係合される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多軸仮締め工具。
  5. 前記ソケットは、前記螺合部材の少なくとも一部が挿入される被挿入部を備え、
    前記被挿入部は、前記基部側に向かうに従って縮径するテーパー部と、前記テーパー部と連続するように当該テーパー部に対して前記基部側に配置されており、前記螺合部材の少なくとも一部を収容し、前記螺合部材の少なくとも一部の対角距離より短い直径を有する収容部と、を備え、
    前記ソケットを前記螺合部材に押し込むと、前記ソケットが変形して押し広げられた前記収容部に前記螺合部材の少なくとも一部が収容され、前記収容部が前記螺合部材の少なくとも一部に密着する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多軸仮締め工具。
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