JP7141034B2 - 被締付部材の緊解機、及びソケット - Google Patents

被締付部材の緊解機、及びソケット Download PDF

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Description

本発明は、鉄道線路のレールを固定する際に使用されるボルト、ナット等の被締付部材の締め付け作業又は緩め作業を行う被締付部材の緊解機、及び、被締付部材に嵌合可能なソケットに関するものである。
従来、鉄道線路のレールを固定する際に使用されるボルト、ナット等の被締付部材の締め付け作業又は緩め作業を行う緊解機が公知であった。例えば、特許文献1には、鉄道線路を走行可能な搬送車に搭載される緊解機が記載されている。特許文献1に記載の緊解機は、駆動源としての電動機を有する締付工具と、被締付部材に嵌合可能であり、締付工具に装着されるソケットと、締付工具を被締付部材の軸心に沿って上下に移動する移動部とを備える。特許文献1に記載の緊解機においては、ソケットとモータとの間に自在継手が設置されており、被締付部材の軸心とソケットの軸心とが合致していなくても、被締付部材の破損等を引き起こすことなく、被締付部材の締め付け作業又は緩め作業を行うことができる。
特開2014-198940号公報
しかしながら、特許文献1に記載の緊解機においては、被締付部材にソケットを嵌合させるときに、被締付部材の軸心とソケットの軸心とが合致していなければ、被締付部材にソケットを嵌合させることができない。従って、作業者は、被締付部材の軸心とソケットの軸心とが合致するように、搬送車における締付工具の設置位置を精密に調整する必要がある。特に、被締付部材の近傍に障害物がある場合には、ソケットが障害物に干渉すると、被締付部材にソケットを嵌合させることはできない。また、障害物との衝突によって、ソケット又は締付工具が損傷することも考えられる。従って、作業者は、ソケットが障害物と干渉せず、且つ被締付部材の軸心とソケットの軸心とが合致するように、締付工具の設置作業を繰り返し行うことを余儀なくされることもあり、作業者の負担が増大する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、被締付部材の近傍に障害物がある場合にも、ソケットが障害物と干渉せず、且つ被締付部材にソケットを嵌合させることができるように、容易に締付工具の設置位置を調整することができ、作業者の負担を低減できる被締付部材の緊解機、及びソケットを提供することを目的としている。
本願に開示する被締付部材の緊解機は、締付工具と、移動部と、支持部と、ソケットとを備える。前記締付工具は、被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する。前記移動部は、前記締付工具を前記被締付部材の回転軸方向に沿って移動する。前記支持部は、前記締付工具を前記回転軸方向と交差する方向に移動可能に支持する。前記ソケットは、筒状の嵌合部、筒状の拡径部、及び複数の突部を有し、前記回転軸方向に沿って延びるように前記締付工具に装着され、前記回転力によって回転される。前記嵌合部は、前記回転軸方向に沿って延びており、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である。前記拡径部は、前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて拡径している。前記複数の突部は、前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される。また、前記複数の突部は、前記拡径部の周方向における両端面である第1端面及び第2端面を有している。前記第1端面は、前記被締付部材を締め付けるときの前記ソケットの回転方向である正回転方向側の端面であり、前記拡径部における径方向の第1外側部が前記径方向の第1内側部より前記正回転方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜している。前記第2端面は、前記径方向の第2外側部が前記径方向の第2内側部より前記正回転方向の反対方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜している。また、本願に開示する緊解機は、被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具と、前記締付工具を前記被締付部材の回転軸方向に沿って移動する移動部と、前記締付工具を前記回転軸方向と交差する方向に移動可能に支持する支持部と、前記回転軸方向に沿って延びるように前記締付工具に装着され、前記回転力によって回転されるソケットとを備え、前記ソケットは、前記回転軸方向に沿って延びており、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である、筒状の嵌合部、前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて内径及び外径が拡径している、前記嵌合部と同軸心である筒状の拡径部、及び前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される複数の突部を有する。
また、本願に開示する緊解機において、前記ソケットは、基部と、可動部と、付勢手段とを有する。前記基部は、前記締付工具に連結される。前記可動部は、前記嵌合部、前記拡径部及び前記複数の突部を含み、前記回転軸方向に沿って移動可能に前記基部と連結される。前記付勢手段は、前記可動部を前記先端方向に付勢する。
また、本願に開示するソケットは、被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具に装着されるソケットであって、前記被締付部材の回転軸方向に沿って延びるように配設され、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である、筒状の嵌合部と、前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて拡径している、筒状の拡径部と、前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される複数の突部とを備える。また、前記複数の突部は、前記拡径部の周方向における両端面である第1端面及び第2端面を有している。前記第1端面は、前記被締付部材を締め付けるときの前記ソケットの回転方向である正回転方向側の端面であり、前記拡径部における径方向の第1外側部が前記径方向の第1内側部より前記正回転方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜している。前記第2端面は、前記径方向の第2外側部が前記径方向の第2内側部より前記正回転方向の反対方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜している。
また、本願に開示するソケットは、筒状の嵌合部、前記嵌合部と同軸心である筒状の拡径部、及び複数の突部を有し、被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具に装着される。前記嵌合部は、前記被締付部材の前記回転軸方向に沿って延びるように配設され、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である。前記拡径部は、前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて内径及び外径が拡径している。前記複数の突部は、前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される。
本発明に係る被締付部材の緊解機によれば、締付工具によって、被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力が付与され、移動部によって、締付工具が被締付部材の回転軸方向に沿って移動される。また、締付工具は、支持部によって、回転軸方向と交差する方向に移動可能に支持される。ソケットは、締付工具に装着され、締付工具によって付与される回転力によって回転される。また、ソケットは、被締付部材に嵌合可能である筒状の嵌合部と、筒状の拡径部と、複数の突部とを有する。拡径部は、嵌合部の先端方向に向かって拡径している。また、複数の突部は、被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、拡径部の先端部に突設される。
以上によって、締付工具が被締付部材に向かって移動されるとき、被締付部材が拡径部における先端部の内側に位置していれば、拡径部の内周面と被締付部材とが摺接し、被締付部材に嵌合部が嵌合するように、締付工具が被締付部材の回転軸方向と交差する方向に移動される。また、被締付部材の全部が拡径部における先端部の内側に位置していなくとも、被締付部材の一部分が拡径部における先端部の内側に位置していれば、ソケットの回転によって、複数の突部のうちの一つが被締付部材に当接し、被締付部材をソケットにおける周方向に押圧する。複数の突部のうちの一つが被締付部材を周方向に押圧すると、反力によって、被締付部材の全部が拡径部における先端部の内側に入るように、締付工具が被締付部材の回転軸方向と交差する方向に移動される。
以上によって、被締付部材の近傍に障害物がある場合にも、例えば障害物の反対側にソケットの軸心をずらすように締付工具を設置することによって、障害物にソケットを干渉させず、且つ被締付部材にソケットを嵌合させ得るように、締付工具を設置することができる。従って、ソケットが障害物と干渉せず、且つ被締付部材にソケットを嵌合させることができるように、容易に締付工具の設置位置を調整することができ、作業者の負担を低減できる。
また、拡径部における先端部に複数の突部が形成されることから、拡径部における先端部に1つの突部だけが形成される場合と比較すると、拡径部のより小さい回転角度で突部を被締付部材に当接させることができ、より短い時間で被締付部材にソケットを嵌合させることができる。従って、被締付部材の緊解作業に要する時間を短縮でき、多数の被締付部材に緊解作業を行うとき、短縮される作業時間の長さは大きくなり、より効果的に作業者の負担を低減できる。
本発明の実施形態に係る被締付部材の緊解機を示す正面図である。 当該緊解機の要部を示す平面図である。 図2のA-A矢視図である。 図2のB-B矢視図である。 (a)本発明の実施形態に係るソケットを示す一部断面図である。(b)当該ソケットを示す低面図である。 (a)被締付部材にソケットを嵌合させる動作の第1段階を示す説明図である。(b)被締付部材にソケットを嵌合させる動作の第2段階を示す説明図である。(c)被締付部材にソケットを嵌合させる動作の第3段階を示す説明図である。(d)被締付部材にソケットを嵌合させる動作の第4段階を示す説明図である。 (a)被締付部材に嵌合されているソケットを示す一部断面図である。(b)被締付部材に嵌合されているソケットを示す底面図である。 本発明の実施形態に係る支持部を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る支持部を示す斜視図である。
[基本原理]
以下、図1~図5を参照して、本発明の基本原理を説明する。図1は、実施形態に係る被締付部材の緊解機を示す正面図である。図2は、当該緊解機の要部を示す平面図である。図3は、図2のA-A矢視図である。図4は、図2のB-B矢視図である。図5は、実施形態に係るソケットを示す一部断面図である。
図1に示すように、当該緊解機は、2本のレールRに沿って走行可能な搬送車10に搭載され、ボルト、ナット等の被締付部材Bの締め付け作業又は緩め作業を行う。搬送車10は、基台11と、2つの車輪部12と、各車輪部12の横ずれを防止する横ずれ防止機構13とを備える。基台11は、2つのユニット部14を支持する。2つのユニット部14は、各々当該緊解機の主要部を含んでおり、2つのレールRに対応する位置に配設される。なお、当該緊解機において、一方のレールRから他方のレールRに向かう方向、すなわち搬送車10における左右方向の一方をX方向とし、搬送車10の進行方向及び後退方向の一方をY方向とし、上方向をZ方向とする。
図1に示すように、実施形態においては、被締付部材Bは、タイプレート1をスラブMに固定するためのナットであり、スラブMに埋め込まれたT形ボルトBTに螺合される。レールRは、タイプレート1に固定されることによって、スラブMに固定される。
タイプレート1は、図3に示すように、略水平に配置される板状の本体部1aと、本体部1aの上面に突設される2つのショルダ部1bとを備える。2つのショルダ部1bは、レールRが延びる方向に沿って直線状に延びている。2つのショルダ部1bの間隔はレールRにおける底部の幅に対応している。2つのショルダ部1bの間にレールRの底部が挟まれた状態で、当該底部が2つの板バネ2によって上から押さえられることによって、レールRはタイプレート1に固定される。なお、2つの板バネ2は、実施形態の被締付部材Bとは別のボルト及びナットによって、2つのショルダ部1bに固定される。これらのボルト及びナットの締付及び緩解を当該緊解機によって行うこともできる。
2つのユニット部14は、締付工具20と、ソケット30と、移動部50と、支持部60と、ケース14aとを有する。ケース14aは、下方が開口した略八角形の角筒状であり、締付工具20と、移動部50と、支持部60とを収容する。
締付工具20は、被締付部材Bを締め付ける又は緩める際に回転力を付与する。実施形態においては、締付工具20は、衝撃式締付工具、又はナットランナであり、駆動源としての電動機を含んでいる。ソケット30は、図3に示すように、被締付部材Bの回転軸S方向に沿って延びるように締付工具20に装着され、締付工具20から付与される回転力によって回転される。
移動部50は、被締付部材Bの回転軸S方向に沿って締付工具20を移動する。実施形態においては、移動部50は、駆動源としての電動機を有しており、当該電動機の駆動力によって、締付工具20を上下に移動する。
支持部60は、図2、図4に示すように、締付工具20を被締付部材Bの回転軸S方向と交差する方向に移動可能に支持する。実施形態においては、支持部60は、締付工具20を水平方向に移動可能に支持する。
ソケット30は、図5に示すように、被締付部材Bに嵌合可能である筒状の嵌合部40、筒状の拡径部41、及び複数の突部42を有する。嵌合部40は、被締付部材Bの回転軸S方向に沿って延びており、被締付部材Bを通過可能にソケット30における先端方向Z1に開口する。実施形態においては、先端方向Z1は、下方向、すなわち上方向Zの反対方向である。また、嵌合部40における中空部の周壁は、被締付部材Bと嵌合できる形状に形成される。実施形態においては、中空部の横断面形状が、各辺の中央部が内側に凹んだ六角形になるように、嵌合部40における中空部の周壁が形成される。
拡径部41は、嵌合部40から先端方向Z1に延設されており、先端方向Z1に向かうに連れて拡径している。拡径部41は、嵌合部40と同軸心であり、基端部が嵌合部40の下端部と連続するように、嵌合部40と一体形成される。また、実施形態においては、拡径部41の先端部41aは嵌合部40の軸心に対して偏心しておらず、嵌合部40と同軸心の円環状である。
複数の突部42は、被締付部材Bにおける径方向の寸法L1より大きい間隔L2を空けて、拡径部41の先端部41aから先端方向Z1に突設される。径方向の寸法L1は、例えば被締付部材Bの回転軸Sに垂直な方向における被締付部材Bの最小の径である。例えば被締付部材Bが六角ナットであれば、平面視において、対向する2つの辺の間隔が寸法L1である。なお、実施形態においては、図6に示すように、突部42は、先端部41aに3つ設けられているが、突部42の個数は2つ以上であればよく、2つであっても、4つ以上であってもよい。また、拡径部41の先端部41aが嵌合部40と同軸心の円環状であることから、複数の突部42の全てを嵌合部40の軸心から等距離の位置に形成することができる。
また、図5に示すように、ソケット30は、基部31と、可動部32と、スプリング33とを有する。基部31は、締付工具20に連結される。可動部32は、嵌合部40、拡径部41及び複数の突部42を含み、回転軸S方向に沿って移動可能に基部31と連結される。スプリング33は、可動部42を先端方向Z1に付勢する。実施形態においては、基部31は、上部31aと、ガイド軸34とを有する。上部31aは、円柱状であり、上端部に形成された図示しない嵌合孔において、締付工具20の出力軸と連結される。ガイド軸34は、上部31aの下端部から先端方向Z1に延設されており、締付工具20の回転出力を可動部32に伝達する。
また、可動部32は、被案内部36を含む。被案内部36は、円筒状であり、下端部に、嵌合部40、拡径部41、及び複数の突部42が連設される。被案内部36の中空部は、ガイド軸34が挿通可能であり、被案内部36はガイド軸34に案内されて上下動する。また、ガイド軸34の外周面には、図示しない複数の溝が軸方向に沿って延びるように形成されている。一方、被案内部36の内周面には、ガイド軸34の複数の溝に係合する複数の突起が形成されている。ガイド軸34の複数の溝に被案内部36の複数の突起が係合することによって、可動部32は基部31に対して回転不可能、且つガイド軸34に沿って移動可能に基部31に連結される。また、ガイド軸34の複数の溝と、被案内部36の複数の突起との係合によって、可動部32のガイド軸34からの抜け落ちが阻止される。
スプリング33は、基部31の上部31aと、被案内部36の下部との間に介装されており、可動部32を先端方向Z1に付勢する。
図5(b)に示すように、突部42における周方向の両端面は、拡径部41の径方向に対して傾斜していることが好ましい。すなわち、被締付部材Bを締め付けるときのソケット30の回転方向である正回転方向W1側の端面(第1端面)は、径方向の外側部42a(第1外側部)が径方向の内側部42b(第1内側部)より正回転方向Wに位置するように、径方向に対して傾斜していることが好ましい。また、正回転方向W1の反対方向W2側の端面(第2端面)は、径方向の外側部42c(第2外側部)が径方向の内側部42d(第1内側部)より反対方向W2に位置するように、径方向に対して傾斜していることが好ましい。
次に、図5~図7を参照して、実施形態に係る緊解機の基本的な動作を説明する。図6(a)~図6(d)は、被締付部材Bにソケット30を嵌合させる動作の各段階を示す説明図である。図7(a)は、被締付部材に嵌合されているソケットを示す一部断面図、図7(b)は、被締付部材に嵌合されているソケットを示す底面図である。
図5に示すように、締付工具20によってソケット30に回転力が付与されると、ソケット30は、正回転方向W1又は反対方向W2への回転を開始する。ソケット30が回転を開始すると、締付工具20は、移動部50によって、図1、図3、図4に示す初期位置から先端方向Z1(下方向)に移動される。締付工具20が先端方向Z1(下方向)に移動するとき、図5に示すように、嵌合部40の軸心と被締付部材Bの軸心とのずれが比較的に大きいと、拡径部41の先端部41a、又は複数の突部42のうちの一つが被締付部材Bに当接する。なお、複数の突部42が全て、嵌合部40の軸心から等距離の位置にあることから、複数の突部42のうちのいずれの突部42が被締付部材Bに当接しても、以降の動作は同様である。
図6(a)に示すように、複数の突部42のうちの1つが被締付部材Bに当接すると、ソケット30の例えば正回転方向W1への回転によって、図6(b)に示すように、被締付部材Bは、複数の突部42の間に入る。そして、ソケット30が更に回転すると、図6(c)に示すように、複数の突部42のうちの1つが被締付部材Bを正回転方向W1に押圧し、反力によって、被締付部材Bが拡径部41における先端部41aの内側に入るように、締付工具20が水平方向に移動される。
図6(c)に示すように、被締付部材Bが拡径部41における先端部41aの内側に入ると、拡径部41の内周面41bと被締付部材Bとが摺接し、図6(d)に示すように、締付工具20が水平方向に移動され、被締付部材Bに嵌合部40が嵌合する。
以上、図1~図7を参照して説明したように、実施形態に係る被締付部材Bの緊解機、及びソケット30によれば、ソケット30は、被締付部材Bに嵌合可能である筒状の嵌合部40と、筒状の拡径部41と、複数の突部42とを有する。拡径部41は、嵌合部40の先端方向Z1に向かって拡径し、複数の突部42は、被締付部材Bにおける径方向の寸法L1より大きい間隔を空けて、拡径部41の先端部41aに突設される。
以上によって、締付工具20が被締付部材Bに向かって移動されるとき、被締付部材Bが拡径部41における先端部41aの内側に位置していれば、拡径部40の内周面と被締付部材Bとが摺接し、被締付部材Bに嵌合部40が嵌合するように、締付工具20が被締付部材Bの軸方向と交差する方向に移動される。
また、被締付部材Bの全部が拡径部41における先端部41aの内側に位置していなくとも、被締付部材Bの一部分が拡径部41における先端部41aの内側に位置していれば、ソケット30の回転によって、複数の突部42のうちの一つが被締付部材Bに当接し、被締付部材Bをソケットに30おける押圧する。複数の突部42のうちの一つが被締付部材Bをソケットにおける周方向に押圧すると、反力によって、被締付部材Bの全部が拡径部41における先端部41aの内側に入るように、締付工具20が被締付部材Bの軸方向と交差する方向に移動され、図7に示すように、被締付部材Bに嵌合部40が嵌合した状態となる。
以上によって、被締付部材Bの近傍にショルダ部1bなどの障害物がある場合にも、例えば当該障害物の反対側にソケット30の軸心をずらすように締付工具20を設置することによって、障害物にソケット30を干渉させず、且つ被締付部材Bにソケット30を嵌合させ得るように締付工具20を設置することができる。従って、締付工具を設置する際の位置調整が容易となり、作業者の負担を低減できる。
また、拡径部41における先端部41aに複数の突部42が形成されることから、拡径部41における先端部41aに1つの突部42だけが形成される場合と比較すると、拡径部41のより小さい回転角度で突部42を被締付部材Bに当接させることができ、より短い時間で被締付部材Bにソケット30を嵌合させることができる。従って、被締付部材Bの緊解作業に要する時間を短縮でき、多数の被締付部材Bに緊解作業を行うとき、短縮される作業時間の長さは大きくなり、より効果的に作業者の負担を低減できる。
なお、拡径部41における先端部41aに形成される突部42が1つであっても、被締付部材Bの一部分が拡径部41における先端部41aの内側に位置していれば、1つの突部42を被締付部材Bに当接させることができ、ソケット30を被締付部材Bに嵌合させることができる。従って、例えば図5において、3つの突部42のうちの2つを取り除き、拡径部41における先端部41aに1つの突部42だけが形成されている構成とした場合にも、複数の突部42が形成される構成と比較すると、作業時間を短縮できるという効果は得られないものの、締付工具を設置する際の位置調整が容易となり、作業者の負担を低減できる、という効果を得ることはできる。
また、実施形態に係る被締付部材の緊解機、及びソケット30によれば、ソケット30は、基部31と、可動部32と、スプリング33とを有する。基部31は、締付工具20に連結される。可動部32は、嵌合部40、拡径部41及び複数の突部42を含み、回転軸S方向に沿って移動可能に基部41と連結される。スプリング33は、可動部32を先端方向Z1に付勢する。以上によって、締付工具20が移動部50によって先端方向Z1に移動されるときに拡径部41が障害物に当接しても、スプリング33の緩衝作用によって、ソケット30及び締付工具20に対する衝撃を緩和できる。従って、ソケット30又は締付工具20の損傷を防止できる。
また、実施形態に係る被締付部材の緊解機、及びソケット30によれば、複数の突部42は、各々拡径部41の周方向における両端面が拡径部41の径方向に対して傾斜している。すなわち、正回転方向W1側の端面は、拡径部41における径方向の外側部42aが径方向の内側部42bより正回転方向W1に位置するように、径方向に対して傾斜している。また、正回転方向W2側の端面は、径方向の外側部42cが径方向の内側部42dより反対方向W2に位置するように、径方向に対して傾斜している。
以上によって、ソケット30の回転によって、複数の突部42のうちの1つが被締付部材Bに当接するとき、外周部42a又は外周部42cが被締付部材Bに当接する。従って、複数の突部42の両端面が径方向に対して傾斜していな場合と比較すると、ソケット30の軸心と被締付部材Bの軸心とのより大きなずれに対応して、被締付部材Bにソケット30が嵌合するように、締付工具20を水平方向に移動させることができ、締付工具20の設置位置の調整を更に容易にすることができる。
以下、ユニット部14について、更に詳細に説明する。搬送車10における基台11の上方側には、走行時における夫々のレールRの上方に位置するユニット部14と、搬送車10を操作する操作部15と、締付工具20及び駆動部50を制御する制御部16と、電源部17とが設置される。電源部17は、制御部16、締付工具20及び駆動部50等を駆動させる。
締付工具20は、ユニット部14内にて、後述する支持部60に連結されており、被締付部材Bと締付工具20の軸心相互が合致しない場合であっても、当該支持部60によって被締付部材Bが移動可能となるよう構成されている。1つのユニット部14に2台の締付工具20が設置されていることに対応して、1つのユニット部14には2台の支持部60が設置されている。
次に、図2~図5と、図8、図9を参照して、駆動部50及び支持部60をより詳細に説明する。駆動部50は、制御部16及び電源部17に接続されており、締付工具20を上下動可能とするものである。当該駆動部50は、ユニット部14内にて、締付工具20の回転時に、締付工具20の軸心を移動可能とする支持部60に設置されている。換言すると、支持部60は、ユニット部14内で駆動部50によって締付工具20とともに上下動可能となるよう構成されている。ここで、締付工具20、駆動部50及び支持部60等を収容するユニット部14について更に説明する。
ユニット部14は、図2に示すように、下方が開口した略八角形状の筒状体14aから形成されており、上下方向に配設した状態で駆動部50を支持する上方支持板14b及び下方支持板14cが上方側及び下方側に設けられている。また、上方支持板14bと下方支持板14cとの間には、複数のガイド部14dが上下方向に設置されており、複数の可動テーブル等から構成される支持部60におけるベース部61の端部にガイド部14dが設置される。また、当該ベース部61の略中央部には、駆動部50の下端部が連結される。これにより、支持部60は、駆動部50に連結されるベース部61を介して上下動可能とされる。
支持部60は、図8、図9に示すように、主に、駆動部50に連結されるベース部61に対して可動可能に固定される第1可動テーブル62と、第1可動テーブル62と相違する方向へ可動可能に固定される第2可動テーブル63とから構成される。具体的には、ベース部61と第1可動テーブル62には、ベース部61に対して、締付工具20を前後方向(Y方向)へ移動させる前後方向移動手段が設けられる。また、第1可動テーブル62と第2可動テーブル63には、ベース部61に対して、締付工具20を左右方向(X方向)へ移動させる左右方向移動手段が設けられる。これにより、締付工具20は、ベース部61に対して、前後、左右方向へと移動可能とされる。
より詳細には、ベース部61は、図8、図9に示すように、前後方向に延びて略矩形状に形成されており、前後両端部がガイド部14dに摺動可能に連結されるとともに、略中央部が駆動部50に連結されている。また、図8、図9に示すように、ベース部61における下方の左右両端部には、前後方向移動手段を介して第1可動テーブル62が設置されている。前後方向移動手段は、例えば、ベース部61の前後方向(Y方向)に沿って設けられる第1レール64と、第1レール64に摺動可能とされる第1ブロック65とから構成されるが、ベース部61に対して第1可動テーブル62が前後方向(Y方向)に直動可能となるものであれば、これに限られるものではない。
第1可動テーブル62は、図8、図9に示すように、締付工具20を配設させるスペースを確保するよう、略L字状に形成される。具体的には、第1可動テーブル62は、ベース部61の下方にて、前後方向移動手段の第1ブロック65に連結される基端部66と、当該基端部66の一端から直交するよう延設される延設部67とからなる。
また、図8、図9に示すように、第1可動テーブル62の延設部67における下方には、左右方向移動手段を介して第2可動テーブル63が設置されている。左右方向移動手段は、例えば、延設部67の左右方向(X方向)に沿って設けられる第2レール68と、第2レール68に摺動可能とされる第2ブロック69とから構成されるが、第1可動テーブル62に対して第2可動テーブル63が左右方向(X方向)に直動可能となるものであれば、これに限られるものではない。
第2可動テーブル63は、図8、図9に示すように、略中央部に締付工具20を配設させるスペースを有して略四角状に形成される。具体的には、第2可動テーブル63は、第1可動テーブル62における延設部67の下方にて、一端部が左右方向移動手段の第2ブロック69に連結されるとともに、他端部が延設部67と同方向に突出して設けられる後述のテーブル支持部70に連結される。
このようにして構成される支持部60は、同図に示すように、ベース部61を介して対称となるように設置される。また、前方側に配設される第1可動テーブル62の延設部67と、後方側にて第1可動テーブル62の下方に設置されるテーブル支持部70との間に位置する第2可動テーブル63に締付工具20を配設させることができるので、省スペース化を図ることができる。
また、これらの支持部60は、締付工具20が前後方向移動手段、左右方向移動手段によって移動した際に、移動後の締付工具20の軸心を移動前の原点位置へと復帰させる原点復帰手段を備えてなる。
原点復帰手段は、締付工具20が前後方向(Y方向)へ移動した際に、移動後の締付工具20の軸心を移動前の位置へと復帰させる前後方向原点復帰手段71と、締付工具20が左右方向(X方向)へ移動した際に、移動後の締付工具20の軸心を移動前の位置へと復帰させる左右方向原点復帰手段72とから構成される。
前後方向原点復帰手段71は、ベース部61に対する第1可動テーブル62の移動に伴って、その移動分に相当する付勢力が蓄積されるとともに、第1可動テーブル62の移動後において、当該付勢力が作用することで第1可動テーブル62を移動前の位置へと復帰させるものである。
具体的には、図8、図9に示すように、ベース部61と第1可動テーブル62とがベース部61に対して摺動可能な連結部73によって連結され、当該連結部73の前後方向(Y方向)に設けられる前方端部74と後方端部75との間に連結部73を挿通する連結軸76が設けられている。また、前方端部74、後方端部75と連結部73との間には、連結軸76に沿って前後復帰用付勢手段77となるバネ等の弾性部材が夫々設けられており、連結部73の移動に応じて、当該バネが押圧されて収縮することで付勢力を蓄積できる構成としている。これにより、第1可動テーブル62における前後方向の移動後において、当該付勢力が作用してバネが伸長し連結部73を押圧することで、連結部73とともに第1可動テーブル62が協動し、移動前の位置へと復帰することができる。
左右方向原点復帰手段72は、第1可動テーブル62に対する第2可動テーブル63の移動に伴って、その移動分に相当する付勢力が蓄積されるとともに、第2可動テーブル63の移動後において、当該付勢力が作用することで第2可動テーブル63を移動前の位置へと復帰させるものである。
具体的には、同図に示すように、テーブル支持部70が連結される側の第2可動テーブル63における前方又は後方の側面部には、当該側面部を上下側面から抱持するようにしてピッチ調整部78が摺動可能に設置されている。また、当該ピッチ調整部78には、外側方向に進退可能となるよう把持部79が設けられており、第2可動テーブル63の側面部に形成される凹部80に把持部79を係合させることで、ピッチ調整部78を第2可動テーブル63に固着している。
また、第1可動テーブル62の基端部66には、ピッチ調整部78の上端面側に向けて屈曲して形成されるアーム部81が設けられている。そして、当該アーム部81とピッチ調整部78とを左右復帰用付勢手段82となるバネ等の弾性部材で連結し、ピッチ調整部78が固着される第2可動テーブル63の移動に応じて、当該バネが伸長することで付勢力を蓄積できる構成としている。これにより、第2可動テーブル63における左右方向の移動後において、当該付勢力が作用してバネが収縮することで、ピッチ調整部78とともに第2可動テーブル63が協動し、移動前の位置へと復帰することができる。
また、ピッチ調整部78は、図9に示すように、テーブル支持部70に設けられる切欠部83内に設置されている。当該切欠部83は、第2可動テーブル63の移動に伴ってピッチ調整部78が移動することで切欠部83の両端部に当接し、これにより第2可動テーブル63の移動を規制するために設けられる。また、第2可動テーブル63の側面部には、複数個の凹部80が形成されており、凹部80に対する把持部79の係合位置を変更することでピッチ調整部78の設置位置を変更することができるよう構成している。これにより、左右方向(X方向)において、ベース部61に対する第2可動テーブル63の位置を予め調整することができる。
本実施例においては、同図に示すように、前後方向原点復帰手段71及び左右方向原点復帰手段72は、ユニット部14内における一方の締付工具20に設置されるものであったが、これに限られるものではなく、各締付工具20に対して夫々設置することができるのは勿論である。また、締付工具20に対して、前後方向原点復帰手段71と左右方向原点復帰手段72のいずれか一方のみを設置することもできる。
このようにしてユニット部14の支持部60と原点復帰手段が構成されており、図3及び図4に示すようにして、締付工具20の係合部(図示しない)を下方側に配設した状態で、締付工具20が第2可動テーブル63の貫通孔(図示しない)に挿通されて設置されるとともに、当該係合部にソケット30が連結される。
このようにして構成される被締付部材緊解機は、レールRを固定する所定位置における被締付部材Bの締め付け作業又は緩め作業の情報を入力するための作業情報入力装置(図示しない)を制御部16に備えてなる。そして、制御部16は、夫々の締付工具20、駆動部50への駆動制御情報を出力するとともに、操作パネル(図示しない)等からの作業情報を入力できるよう構成されている。
次に、被締付部材緊解機を用いて行う被締付部材Bの締め付け作業について、図1~図9に基づいて更に説明する。まず、作業員によって、所定の被締付部材B位置までレールR上の搬送車10を走行させる。
そして、搬送車10の上下方向(Z方向)において、被締付部材Bの軸心と、締付工具20の軸心とが概ね合致するように、締付工具20の初期位置の調整が行われる。被締付部材Bの軸心と、締付工具20の軸心とが概ね合致した状態で、制御部16から駆動制御情報が出力されると、締付工具20とともにソケット30が回転し、駆動部50によって両者が下降し始める。このとき、制御部16によって、複数の締付工具20を同時に下降させることもできるし、基準とする締付工具20のみを下降させることもできる。
ソケット30が回転しながら下降すると、先端部41a又は複数の突部42の1つが被締付部材Bに当接し、図6に示すように、当該回転によって、複数の突部42の間に被締付部材Bが嵌入される。
そして、複数の突部42の間に嵌入された被締付部材Bの軸心が、先端部41aより内側にある場合は、図6(a)~図6(c)に示すように、ソケット30の回転に伴って、被締付部材Bの全体が先端部41a1の内側に入るように、締付工具20が移動する。そして、被締付部材Bの全体が先端部41aの内側に入った状態において、駆動部50によって締付工具20がさらに下降することから、被締付部材Bを拡径部41の内周面41bにて下方へ押圧し、締付工具20がさらに下降することで、スプリング33の付勢力が蓄積された状態となる。このとき、ソケット30においては、ソケット先端部32を被締付部材Bに当接させてから、ソケット30を回転させることができるのは勿論である。
内周面41bにより被締付部材Bを下方に押圧すると、締付工具20に連結される前後方向移動手段及び左右方向移動手段が作用することで、締付工具20の軸心が移動し、ソケット先端部32の軸心が連動して移動する。
そして、ソケット先端部32の軸心が所定位置まで移動すると、図6(d)に示すように、被締付部材Bの外形と嵌合部40とが合致し、且つ、被締付部材Bの軸心と締付工具20の軸心とが合致した状態となる。
被締付部材Bの軸心と締付工具20の軸心とが合致した状態においては、駆動部50によって、締付工具20がさらに下降しているものの、被締付部材Bと嵌合部40が嵌合する際、一時的に拡径部41の内周面41bと被締付部材Bとの当接状態が解除される。これにより、蓄積された付勢力が作用し、ソケット先端部32を下方へと可動させて、図6に示すように、被締付部材Bと嵌合部40の上端が当接し、被締付部材Bと嵌合部40との嵌合状態を維持する。
そして、当該嵌合状態にて、駆動部50によって、締付工具20が回転しながらさらに下降することで、被締付部材Bの締め付けが行われる。そして、締付工具20が所定のトルクを検出するか、駆動部50による締付工具20の所定の下降時間を検出等することで、被締付部材Bの締め付け作業が終了する。
つまり、拡径部41の先端部41aに複数の突部42を設けることで、被締付部材Bの全体を必ずしも拡径部41に収める必要がなくなり、被締付部材Bの軸心が、凹設部42の縁より内側にあれば、ソケット30が回転に伴って被締付部材Bの位置へと移動して、容易に締付作業又は緩め作業を行うことができる。
締め付け作業終了後においては、駆動部50によって締付工具20が上方へと可動するとともに、前後方向移動手段及び左右方向移動手段の移動量に伴って、前後方向原点復帰手段71及び左右方向原点復帰手段72が作用して、締付工具20の軸心を移動前の原点位置へと復帰させる。
一方、被締付部材Bの緩め作業においては、締付工具20の回転方向、駆動部50による締付工具20の可動が相違する点を除いて、被締付部材Bの締め付け作業と略同様であるので、その説明を省略する。
以上、説明した本発明に係る被締付部材緊解機によれば、拡径部41と嵌合部40を有するソケット30と、締付工具20の軸心を移動可能とする支持部60とを備えるので、被締付部材Bの配置間隔等によって、被締付部材Bの軸心と締付工具20の軸心が合致しない場合であっても、ソケット30が回転に伴って被締付部材B位置へと移動して両者の軸心を合致させることができ、容易に締め付け作業又は緩め作業を行うことができる。これにより、作業者の負担を軽減することができ、結果として、作業員の人員削減、設備投資の削減を図ることができる。
上記実施形態において、搬送車10、ソケット30、支持部60の構造等を適宜変更して実施することが可能である。例えば、搬送車10においては、作業員によって、所定の被締付部材Bの位置までレールR上を走行させるものであったが、搬送車10に車輪部12を駆動させる車輪駆動装置、被締付部材Bの位置を検出する検出装置等を設置して、被締付部材Bの位置まで搬送車10を自走させる構成とすることもできる。
また、ソケット30においては、スプリング33を備えるものであったが、締付工具20の下降状態を制御部16によって制御することで、スプリング33を備えない構成とすることもできる。具体的には、ソケット30が被締付部材Bに当接するまで締付工具20が下降させ、当接後に当該下降を停止するよう制御するとともに、拡径部41から嵌合部40へと移動し、被締付部材Bが略嵌合した状態で締付工具20を再度下降するよう制御する。このようにして、締付工具20を段階的に下降させて、被締付部材Bの締め付け作業又は緩め作業を行うこともできる。
また、支持部60においては、ベース部61に対して前後方向(Y方向)、左右方向(X方向)に移動するものに限られることなく、斜め方向を含んだあらゆる方向へ締付工具20の軸心が移動可能となるよう、ベース部61に継手等を設置した構成とすることができるのは勿論である。係る際において、第2可動テーブル63に締付工具20が設置されるものであったが、これに限られることなく、第1可動テーブル62に設置することができるのは勿論である。
また、被締付部材緊解機は、搬送車10を用いてレールR上を走行させるものであったが、搬送車10を備えない構成とすることもできる。具体的には、ソケット30を有する締付工具20と、駆動部50と支持部60とを少なくとも備えていればよい趣旨である。これにより、自動車工場等において、ライン上に搬送されるタイヤ等の被締付部材Bに対しても、締め付け作業又は緩め作業を行うことができる。係る際において、締付工具20の可動方向を上下又は左右動可能とすることができるのは勿論である。
また、一部構成を省略することができるし、一部抽出した構成とすることができるのは勿論である。
20 締付工具
30 ソケット
31 基部
32 可動部
33 スプリング
40 嵌合部
41 拡径部
41a 先端部
42 突部
50 移動部
60 支持部
B 被締付部材
Z1 先端方向

Claims (5)

  1. 被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具と、
    前記締付工具を前記被締付部材の回転軸方向に沿って移動する移動部と、
    前記締付工具を前記回転軸方向と交差する方向に移動可能に支持する支持部と、
    前記回転軸方向に沿って延びるように前記締付工具に装着され、前記回転力によって回転されるソケット
    とを備え、
    前記ソケットは、
    前記回転軸方向に沿って延びており、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である、筒状の嵌合部、
    前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて拡径している、筒状の拡径部、及び
    前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される複数の突部を有し、
    前記複数の突部は、各々前記拡径部の周方向における両端面である第1端面及び第2端面を有しており、
    前記第1端面は、前記被締付部材を締め付けるときの前記ソケットの回転方向である正回転方向側の端面であり、前記拡径部における径方向の第1外側部が前記径方向の第1内側部より前記正回転方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜しており、
    前記第2端面は、前記径方向の第2外側部が前記径方向の第2内側部より前記正回転方向の反対方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜している 、被締付部材の緊解機。
  2. 被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具と、
    前記締付工具を前記被締付部材の回転軸方向に沿って移動する移動部と、
    前記締付工具を前記回転軸方向と交差する方向に移動可能に支持する支持部と、
    前記回転軸方向に沿って延びるように前記締付工具に装着され、前記回転力によって回転されるソケット
    とを備え、
    前記ソケットは、
    前記回転軸方向に沿って延びており、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である、筒状の嵌合部、
    前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて内径及び外径が拡径している、前記嵌合部と同軸心である筒状の拡径部、及び
    前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される複数の突部を有する、被締付部材の緊解機。
  3. 前記ソケットは、
    前記締付工具に連結される基部と、
    前記嵌合部、前記拡径部及び前記複数の突部を含み、前記回転軸方向に沿って移動可能に前記基部と連結される可動部と、
    前記可動部を前記先端方向に付勢する付勢手段
    とを有する、請求項1又は請求項2に記載の被締付部材の緊解機。
  4. 被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具に装着されるソケットであって、
    前記被締付部材の回転軸方向に沿って延びるように配設され、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である、筒状の嵌合部と、
    前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて拡径している、筒状の拡径部と、
    前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される複数の突部
    とを備え
    前記複数の突部は、各々前記拡径部の周方向における両端面である第1端面及び第2端面を有しており、
    前記第1端面は、前記被締付部材を締め付けるときの前記ソケットの回転方向である正回転方向側の端面であり、前記拡径部における径方向の第1外側部が前記径方向の第1内側部より前記正回転方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜しており、
    前記第2端面は、前記径方向の第2外側部が前記径方向の第2内側部より前記正回転方向の反対方向に位置するように、前記径方向に対して傾斜している、 ソケット。
  5. 被締付部材を締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具に装着されるソケットであって、
    前記被締付部材の回転軸方向に沿って延びるように配設され、前記被締付部材を通過可能に前記ソケットにおける先端方向に開口し、前記被締付部材に嵌合可能である、筒状の嵌合部と、
    前記嵌合部から前記先端方向に延設され、前記先端方向に向かうに連れて内径及び外径が拡径している、前記嵌合部と同軸心である筒状の拡径部と、
    前記被締付部材における径方向の寸法より大きい間隔を空けて、前記拡径部における先端部から前記先端方向に突設される複数の突部
    とを備えるソケット。
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