JP6610320B2 - 画像読取装置及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像読取装置及び半導体装置に関する。
コンタクトイメージセンサーを用いた画像読取装置(スキャナー等)や、これに印刷機能を加えたコピー機や複合プリンターなどが開発されている。画像読取装置に用いられるコンタクトイメージセンサーとしては、半導体基板に設けられたフォトダイオードを用いる構成が用いられている。
スキャナー等の画像読取装置に用いられるコンタクトイメージセンサーでは、1又は複数のフォトダイオードを有する画素部が1方向に多数並んで配置されるため、チップ形状は極めて細長い長方形となる。そして、チップの長辺の長さは画素(フォトダイオード)のサイズや数で決まってしまうため、チップサイズを小さくするにはチップの短辺を短くするしかない。チップにおいて画素部の配置領域以外の領域には、入力パッド、出力パッド、電源パッド等の各種のパッド(端子)や、入出力回路、制御回路、画素駆動回路等の各種の回路が設けられる。また、チップと回路基板とのボンディング数が少ない方が望ましく、パッドの数は必要最小限であるため、チップの長辺近傍にパッドを配置し、パッドの間の空き領域に各種の回路を配置することでチップの短辺方向を短くすることが可能である。
特許文献1では、パッドの間に回路を配置するとともに、パッドの下部にも信号配線を通すことでチップ面積を縮小可能な固体撮像装置が開示されている。
特開2012−134257号公報
ところで、コンタクトイメージセンサーの特性を向上させるためには、アナログ回路の特性を向上させるのみならず、アナログ回路の動作タイミングの精度を向上させることも重要である。しかしながら、特許文献1の固体撮像装置では、アナログ回路の動作タイミングを制御するためのタイミング信号を生成する回路の位置やタイミング信号が伝搬する配線のレイアウトについては何ら考慮されていない。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、画像読取チップにおいてアナログ回路の動作タイミングの精度を向上させることで画像を読み取る性能を高めることが可能な画像読取装置を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、アナログ回路の動作タイミングの精度を向上させることで画像を読み取る性能を高めることが可能な半導体装置を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る画像読取装置は、画像を読み取るための画像読取チップを含む画像読取
装置であって、前記画像読取チップは、前記画像からの光を受けて光電変換する受光素子を含む複数の画素部と、アナログ回路と、ロジック回路と、第1の電源電圧が供給される第1の電源パッドと、前記第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧が供給される第2の電源パッドと、を備え、前記画像読取チップは、第1辺と、前記第1辺よりも短い第2辺と、を含む形状であり、前記複数の画素部は、前記第1辺に沿う方向に列状に配置され、前記ロジック回路は、前記アナログ回路の動作タイミングを制御するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路を含み、前記タイミング信号生成回路と前記第1辺の中点との距離は、前記アナログ回路と前記第1辺の前記中点との距離よりも短い。
画像読取チップは、チップの中心から片側のみ上記構成になっていてもよいし、両側とも上記構成になっていてもよい。
本適用例に係る画像読取装置では、画像読取チップは、複数の画素部が第1辺に沿う方向に列状に配置されているため、第1辺に沿う方向の配線が長くなりやすいが、画像読取チップにおいて、ロジック回路に含まれるタイミング信号生成回路はアナログ回路よりも内側(チップの中心寄り)に配置されているので、アナログ回路の動作タイミングを制御するタイミング信号が伝搬する配線は比較的短くなる。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、タイミング信号の伝搬遅延が比較的小さくなり、アナログ回路の動作タイミングの精度を向上させることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記タイミング信号生成回路と、前記第1の電源パッドと、前記第2の電源パッドとは、前記第1辺に沿う方向に配置され、前記タイミング信号生成回路は、前記第1の電源パッドと前記第2の電源パッドとの間に配置されていてもよい。
本適用例に係る画像読取装置では、画像読取チップにおいて、タイミング信号生成回路が第1の電源パッドと第2の電源パッドとの間に配置されているので、タイミング信号生成回路には、第1の電源パッドから安定した第1の電源電圧が供給され、第2の電源パッドから安定した第2の電源電圧が供給される。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、タイミング信号生成回路の動作が安定し、生成されるタイミング信号の精度が向上するため、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記画像読取チップは、前記画像読取チップへの入力信号を入力する入力パッドと、前記画像読取チップからの出力信号を出力する出力パッドと、を備え、前記第1の電源パッドと、前記第2の電源パッドと、前記入力パッドと、前記出力パッドとは、前記第1辺に沿う方向に配置され、前記第1の電源パッドと前記第1辺の前記中点との距離及び前記第2の電源パッドと前記第1辺の前記中点との距離は、前記入力パッドと前記第1辺の前記中点との距離よりも短く、かつ、前記出力パッドと前記第1辺の前記中点との距離よりも短くてもよい。
本適用例に係る画像読取装置では、画像読取チップにおいて、第1の電源パッドは、入力パッドや出力パッドよりも内側(チップの中心寄り)に配置されているので、第1の電源パッドがチップの端寄りに配置されている場合と比較して、第1の電源パッドと第1の電源パッドから最も遠い回路との距離を短くすることができる。同様に、画像読取チップにおいて、第2の電源パッドは、入力パッドや出力パッドよりも内側(チップの中心寄り)に配置されているので、第2の電源パッドがチップの端寄りに配置されている場合と比較して、第2の電源パッドと第2の電源パッドから最も遠い回路との距離を短くすること
ができる。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、各種の回路に安定した電力供給を行うことで、画像を読み取る性能を高めることができる。
さらに、本適用例に係る画像読取装置では、画像読取チップにおいて、タイミング信号生成回路は、第1の電源パッドや第2の電源パッドよりも内側(チップの中心寄り)に配置されているので、タイミング信号が伝搬する配線が短くなる。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、タイミング信号の伝搬遅延が小さくなり、アナログ回路の動作タイミングの精度を向上させることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例4]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記アナログ回路は、前記画素部を駆動する駆動信号を生成する画素駆動回路を含み、前記ロジック回路は、前記タイミング信号に基づいて、前記画素駆動回路の動作を制御する画素駆動制御回路を含み、前記タイミング信号生成回路と、前記画素駆動回路と、前記画素駆動制御回路とは、前記第1辺に沿う方向に配置され、前記画素駆動制御回路は、前記タイミング信号生成回路と前記画素駆動回路との間に配置されていてもよい。
例えば、前記画素駆動回路と、前記画素駆動制御回路と、前記第1の電源パッドとは、前記第1辺に沿う方向に配置され、前記画素駆動回路は、前記画素駆動制御回路と前記第1の電源パッドとの間に配置されていてもよいし、前記第1の電源パッドは、前記画素駆動制御回路と前記画素駆動回路との間に配置されていてもよい。
本適用例に係る画像読取装置では、画素駆動制御回路がタイミング信号生成回路と画素駆動回路との間に配置されているので、タイミング信号生成回路から画素駆動制御回路へとタイミング信号が伝搬する配線が短くなるとともに、画素駆動制御回路から画素駆動回路へと制御信号が伝搬する配線も短くなる。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、画素駆動回路の動作タイミングの精度を向上させることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例5]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記画素駆動回路は、前記第2の電源パッドよりも前記第1の電源パッドに近い位置に設けられていてもよい。
本適用例に係る画像読取装置では、画像読取チップにおいて、タイミングが変動しやすい駆動信号を生成する画素駆動回路は、第1の電源パッドに近く、かつ、第2の電源パッドからも比較的近い。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、画素駆動回路に安定した電力供給を行うことができるので、画素部への駆動信号の供給タイミングの変動を抑止し、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例6]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記アナログ回路は、前記画素部から出力された出力信号に含まれるノイズを低減するノイズ低減回路を含み、前記ロジック回路は、前記タイミング信号に基づいて、前記ノイズ低減回路の動作を制御するノイズ低減制御回路を含み、前記タイミング信号生成回路と、前記ノイズ低減回路と、前記ノイズ低減制御回路とは、前記第1辺に沿う方向に配置され、前記ノイズ低減制御回路は、前記タイミング信号生成回路と前記ノイズ低減回路との間に配置されていてもよい。
例えば、前記ノイズ低減回路と、前記ノイズ低減制御回路と、前記第2の電源パッドとは、前記第1辺に沿う方向に配置され、前記ノイズ低減回路は、前記ノイズ低減制御回路
と前記第2の電源パッドとの間に配置されていてもよいし、前記第2の電源パッドは、前記ノイズ低減制御回路と前記ノイズ低減回路との間に配置されていてもよい。
本適用例に係る画像読取装置では、ノイズ低減制御回路がタイミング信号生成回路とノイズ低減回路との間に配置されているので、タイミング信号生成回路からノイズ低減制御回路へとタイミング信号が伝搬する配線が短くなるとともに、ノイズ低減制御回路からノイズ低減回路へと制御信号が伝搬する配線も短くなる。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、ノイズ低減回路の動作タイミングの精度を向上させることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例7]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記ノイズ低減回路は、前記第1の電源パッドよりも前記第2の電源パッドに近い位置に設けられていてもよい。
本適用例に係る画像読取装置では、画像読取チップにおいて、電源電圧によって特性が大きく変動するノイズ低減回路は、第2の電源パッドに近く、かつ、第1の電源パッドからも比較的近い。従って、本適用例に係る画像読取装置によれば、電源電圧によって特性が大きく変動するノイズ低減回路に安定した電力供給を行うことができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例8]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記画像読取チップは、前記アナログ回路と前記第1の電源パッドとを電気的に接続する第1の電源配線と、前記ロジック回路と前記第1の電源パッドとを電気的に接続する第2の電源配線と、前記アナログ回路と前記第2の電源パッドとを電気的に接続する第3の電源配線と、前記ロジック回路と前記第2の電源パッドとを電気的に接続する第4の電源配線と、を備え、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線とは、前記第1の電源パッドの位置から分岐し、前記第3の電源配線と前記第4の電源配線とは、前記第2の電源パッドの位置から分岐していてもよい。
本適用例に係る画像読取装置によれば、画像読取チップにおいて、電源電圧によって特性が変動しやすいアナログ回路は、第1の電源配線及び第3の電源配線を介して安定した電力が供給されて動作し、かつ、第1の電源配線及び第3の電源配線がそれぞれ第2の電源配線及び第4の電源配線と分離されているので、ロジック回路のスイッチング動作に起因する電源ノイズが伝搬しにくい。従って、画像を読み取る性能を高めることができる。
[適用例9]
上記適用例に係る画像読取装置において、前記画像読取チップの平面視で、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線とは、前記第2の電源パッドと重ならないように設けられ、前記第3の電源配線と前記第4の電源配線とは、前記第1の電源パッドと重ならないように設けられていてもよい。
本適用例に係る画像読取装置によれば、画像読取チップにおいて、第1の電源配線と第2の電源配線とは第2の電源パッドと重ならず、かつ、第3の電源配線と第4の電源配線とは第1の電源パッドと重ならないので、第1の電源配線、第2の電源配線、第3の電源配線及び第4の電源配線は、すべて、第1の電源パッド及び第2の電源パッドと同じ配線層で実現可能である。そして、第1の電源電圧が伝搬する第1の電源配線や第2の電源配線と、第2の電源電圧が伝搬する第3の電源配線や第4の電源配線とが重なる部分でのみ互いの配線層が異なっていればよいので、第1の電源配線、第2の電源配線、第3の電源配線、第4の電源配線、第1の電源パッド及び第2の電源パッドはすべて2つの配線層のみで実現可能である。従って、製造工程を簡素化することが可能であり、画像読取チップ
の製造コストを低減させることができる。
[適用例10]
本適用例に係る半導体装置は、第1辺と、前記第1辺よりも短い第2辺と、を含む形状の半導体装置であって、光を受けて光電変換する受光素子を含む複数の画素部と、アナログ回路と、ロジック回路と、第1の電源電圧が供給される第1の電源パッドと、前記第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧が供給される第2の電源パッドと、を備え、前記複数の画素部は、前記第1辺に沿う方向に列状に配置され、前記ロジック回路は、前記アナログ回路の動作タイミングを制御するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路を含み、前記タイミング信号生成回路と前記第1辺の中点との距離は、前記アナログ回路と前記第1辺の前記中点との距離よりも短い。
本適用例に係る半導体装置では、複数の画素部が第1辺に沿う方向に列状に配置されているため、第1辺に沿う方向の配線が長くなりやすいが、ロジック回路に含まれるタイミング信号生成回路はアナログ回路よりも内側(チップの中心寄り)に配置されているので、アナログ回路の動作タイミングを制御するタイミング信号が伝搬する配線は比較的短くなる。従って、本適用例に係る半導体装置によれば、タイミング信号の伝搬遅延が比較的小さくなり、アナログ回路の動作タイミングの精度を向上させることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
本実施形態に係る複合機を示した外観斜視図である。 スキャナーユニットの内部構造を示した斜視図である。 イメージセンサーモジュールの構成を模式的に示す分解斜視図である。 画像読取チップの配置を模式的に示す平面図である。 スキャナーユニットの機能構成を示す図である。 画像読取チップの機能ブロック図である。 ロジック回路の構成を示す図である。 画素部の構成を示す図である。 画像読取チップの各信号のタイミングチャート図である。 画像読取チップのレイアウト構成を示す図である。 図10に破線で示した領域Aの拡大図である。 画像読取チップの他のレイアウト構成を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下、添付した図面を参照して、本発明の画像読取装置を適用した複合機(複合装置)1について説明する。
1.複合機の構造
図1は、複合機1を示した外観斜視図である。図1に示すように、複合機1は、装置本体であるプリンターユニット(画像記録装置)2と、プリンターユニット2の上部に配設されたアッパーユニットであるスキャナーユニット(画像読取装置)3と、を一体に備えている。なお、以下、図1においての前後方向をX軸方向とし、左右方向をY軸方向として説明する。
一方、図1に示すように、プリンターユニット2は、枚葉の記録媒体(印刷用紙や単票紙)を送り経路に沿って送る搬送部(不図示)と、送り経路の上方に配設され、記録媒体にインクジェット方式で印刷処理を行う印刷部(不図示)と、前面に配設されたパネル形式の操作部63と、搬送部、印刷部および操作部63を搭載した装置フレーム(不図示)と、これらを覆う装置ハウジング65と、を備えている。装置ハウジング65には、印刷を終えた記録媒体が排出される排出口66が設けられている。また、図示省略するが、後面下部には、USBポートおよび電源ポートが配設されている。すなわち、複合機1は、USBポートを介してコンピューター等に接続可能に構成されている。
スキャナーユニット3は、後端部のヒンジ部4を介してプリンターユニット2に回動自在に支持されており、プリンターユニット2の上部を開閉自在に覆っている。すなわち、スキャナーユニット3を回動方向に引き上げることで、プリンターユニット2の上面開口部を露出させ、当該上面開口部を介して、プリンターユニット2の内部が露出させる。一方、スキャナーユニット3を回動方向に引き降ろし、プリンターユニット2上に載置することで、スキャナーユニット3によって当該上面開口部を閉塞する。このように、スキャナーユニット3を開放することで、インクカートリッジの交換や紙詰まりの解消等が可能な構成となっている。
図2は、スキャナーユニット3の内部構造を示した斜視図である。図1および図2に示されるように、スキャナーユニット3は、筐体であるアッパーフレーム11と、アッパーフレーム11に収容された画像読取部12と、アッパーフレーム11の上部に回動自在に支持された上蓋13と、を備えている。図2に示すように、アッパーフレーム11は、画像読取部12を収容する箱型の下ケース16と、下ケース16の天面を覆う上ケース17と、を備えている。上ケース17には、ガラス製の原稿載置板(原稿台;不図示)が広く配設されており、被読取面を下にした被読取媒体(原稿)をこれに載置する。一方、下ケース16は、上面を開放した浅い箱状に形成されている。
図2に示されるように、画像読取部12は、ラインセンサー方式のセンサーユニット31と、センサーユニット31を搭載したセンサーキャリッジ32と、Y軸方向に延在し、センサーキャリッジ32をスライド自在に支持するガイド軸33と、センサーキャリッジ32をガイド軸33に沿って移動する自走式のセンサー移動機構34と、を備えている。センサーユニット31は、X軸方向に延在したCMOS(Complementary metal−oxide−semiconductor)ラインセンサーであるイメージセンサーモジュール41を有し、モーター駆動のセンサー移動機構34により、ガイド軸33に沿ってY軸方向に往復動する。これにより、原稿載置板上の被読取媒体(原稿)の画像を読み取るようになっている。なお、センサーユニット31は、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサーであってもよい。
図3は、イメージセンサーモジュール41の構成を模式的に示す分解斜視図である。図3に示される例では、イメージセンサーモジュール41は、ケース411、光源412、レンズ413、モジュール基板414および画像を読み取るための画像読取チップ415(半導体装置)を含んで構成されている。光源412、レンズ413および画像読取チップ415は、ケース411とモジュール基板414との間に収容されている。ケース411にはスリットが設けられている。光源412は、例えば、R,G,Bの各発光ダイオード(LED:Light emitting diode)を有し、R,G,Bの各発光ダイオード(赤色LED、緑色LED、青色LED)を高速に切り換えながら順番に発光させる。光源412が発する光は当該スリットを介して被読取媒体へ照射され、被読取媒体からのは当該スリットを介してレンズ413に入力される。レンズ413は、入力された光を画像読取チップ415へと導く。
図4は、画像読取チップ415の配置を模式的に示す平面図である。図4に示されるように、複数(m個)の画像読取チップ415が、モジュール基板414上に1次元方向(図4においてはX軸方向)に並べて配置されている。各画像読取チップ415は、一列に配置された多数の受光素子を有しており(図6、図8、図10参照)、各画像読取チップ415が有する受光素子の密度が高いほど、画像を読み取る解像度が高いスキャナーユニット3(画像読取装置)を実現することができる。また、画像読取チップ415の数が多いほど、大きな画像も読み取り可能なスキャナーユニット3(画像読取装置)を実現することができる。
2.スキャナーユニット(画像読取装置)の機能構成
図5は、スキャナーユニット(画像読取装置)3の機能構成を示す機能ブロック図である。図5に示される例では、スキャナーユニット(画像読取装置)3は、制御部200、アナログフロントエンド(AFE)202、赤色LED412R、緑色LED412G、青色LED412B及びm個の画像読取チップ415(415−1〜415−m)を含んで構成されている。前述したように、赤色LED412R、緑色LED412G及び青色LED412Bは光源412に備えられており、複数の画像読取チップ415は、モジュール基板414上に並べて配置されている。赤色LED412R、緑色LED412G及び青色LED412Bは、それぞれ複数個存在してもよい。また、制御部200及びアナログフロントエンド(AFE)202は、モジュール基板414あるいはモジュール基板414とは異なる不図示の基板に備えられている。制御部200及びアナログフロントエンド(AFE)202は、それぞれ、集積回路(IC:Integrated Circuit)で実現されてもよい。
制御部200は、一定の周期Tで赤色LED412Rに対して一定の露光時間Δtだけ駆動信号DrvRを供給し、赤色LED412Rを発光させる。同様に、制御部200は、周期Tで緑色LED412Gに対して露光時間Δtだけ駆動信号DrvGを供給して緑色LED412Gを発光させ、周期Tで青色LED412Bに対して露光時間Δtだけ駆動信号DrvBを供給して青色LED412Bを発光させる。制御部200は、周期Tの間に、赤色LED412R、緑色LED412G及び青色LED412Bを排他的に1つずつ順番に発光させる。
また、制御部200は、m個の画像読取チップ415(415−1〜415−m)に対して、クロック信号CLK及び解像度設定信号RESを共通に供給する。クロック信号CLKは画像読取チップ415の動作クロック信号であり、解像度設定信号RESは、スキャナーユニット(画像読取装置)3による画像の読み取りの解像度を設定するための信号である。解像度設定信号RESがアクティブ(本実施形態ではハイレベル)の期間におけるクロック信号CLKの立ち上がりエッジの数によって、解像度が設定される。本実施形態では、解像度設定信号RESがアクティブ(ハイレベル)の期間におけるクロック信号CLKの立ち上がりエッジの数が2,4,8の場合に、それぞれ、300dpi,600dpi,1200dpiの各解像度が設定されるものとする。
各画像読取チップ415−j(j=1〜m)は、各受光素子が被読取媒体に形成されている画像からの光を受けた後、チップイネーブル信号ENjがアクティブ(本実施形態ではハイレベル)の期間、クロック信号CLKに同期して、各受光素子が受けた光に基づき、解像度設定信号RESによって設定された解像度の画像情報を有する画像信号SOを生成し、出力する。本実施形態では、制御部200は、赤色LED412R、緑色LED412G又は青色LED412Bを発光させた後、一定時間(画像読取チップ415−1が画像信号SOの出力を終了するまでの時間)アクティブ(ハイレベル)となるチップイネーブル信号EN1を生成し、画像読取チップ415−1に供給する。また、画像読取チップ415−j(j=1〜m)は、画像信号SOの出力を終了した後に一定時間(画像読取
チップ415−j+1が画像信号SOの出力を終了するまでの時間)アクティブ(ハイレベル)となるチップイネーブル信号ENj+1を生成し、画像読取チップ415−j+1に供給する。これにより、赤色LED412R、緑色LED412G又は青色LED412Bが発光した後、m個の画像読取チップ415(415−1〜415−m)が順番に画像信号SOを出力することになる。画像読取チップ415の詳細な回路構成及び動作については後述する。
アナログフロントエンド(AFE)202は、m個の画像読取チップ415(415−1〜415−m)が順番に出力する画像信号SOを受け取り、各画像信号SOに対して、増幅処理やA/D変換処理を行って、各受光素子の受光量に応じたデジタル値を含むデジタル信号に変換し、各デジタル信号を順番に制御部200に送信する。
制御部200は、アナログフロントエンド(AFE)202から順番に送信される各デジタル信号を受け取って、イメージセンサーモジュール41が読み取った画像情報を生成する。
3.画像読取チップの構成及び動作
図6は、画像読取チップ415の機能ブロック図である。図6に示される画像読取チップ415は、ロジック回路100、昇圧回路111、画素駆動回路112、n個の画素部110及び出力回路120を備えている。画像読取チップ415は、2つの電源端子VDP,VSPからそれぞれ電源電圧VDD(例えば3.3V)及び電源電圧VSS(例えば0V)が供給され、3つの入力端子IP1,IP2,IP3から入力されるチップイネーブル信号EN_I(図5のチップイネーブル信号EN1〜ENmのいずれか)、解像度設定信号RES及びクロック信号CLKと、基準電圧供給端子VRPから供給される基準電圧VREFとに基づいて動作する。
チップイネーブル信号EN_I、解像度設定信号RES及びクロック信号CLKは、それぞれ入力バッファー113,114,115を介してロジック回路100に入力される。ロジック回路100は、チップイネーブル信号EN_I、解像度設定信号RES及びクロック信号CLKに基づいて、アナログ回路である、昇圧回路111、画素駆動回路112、n個の画素部110及び出力回路120の動作や出力バッファー116の動作を制御する。具体的には、ロジック回路100は、昇圧回路111を制御する制御信号CPC、画素駆動回路112を制御する制御信号DRC、出力回路120に含まれるCDS(Correlated Double Sampling)回路121を制御する制御信号CDSC、出力回路120に含まれる増幅回路122を制御するサンプリング信号SMP、画素部110を制御する画素選択信号SEL0、リセット信号RST及び第2転送制御信号Tx2(Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2d)及び出力バッファー116を制御するチップイネーブル信号EN_Oを生成する。ロジック回路100の具体的な回路構成及び動作については後述する。
昇圧回路111は、ロジック回路100からの制御信号CPCに基づいて、電源電圧VDDを昇圧し、昇圧された電源電圧をハイレベルとする第1転送制御信号Tx1を生成する。第1転送制御信号Tx1は、露光時間Δtの間に受光素子に蓄積された電荷を転送するための制御信号であり、n個の画素部110に共通に供給される。
画素駆動回路112は、ロジック回路100からの制御信号DRCに基づいて、n個の画素部110を駆動する駆動信号Drvを生成する。n個の画素部110は1次元方向に並んで設けられており、駆動信号Drvは、駆動信号線311によってn個の画素部110に転送される。そして、i番目(iは1〜nのいずれか)の画素部110は、駆動信号Drvがアクティブ(ハイレベル)、かつ、画素選択信号SELi−1がアクティブ(ハ
イレベル)のときに、画素選択信号SELiをアクティブ(ハイレベル)にして出力信号(画素信号)を出力する。画素選択信号SELiはi+1番目の画素部110に出力される。
n個の画素部110は、被読取媒体に形成されている画像からの光を受けて光電変換する受光素子を含み、それぞれ、第1転送制御信号Tx1、第2転送制御信号Tx2、画素選択信号SEL(SEL0〜SELn−1のいずれか)、リセット信号RST及び駆動信号Drvに基づき、受光素子が露光時間Δtの間に受けた光に応じた電圧の画素信号を出力する。n個の画素部110から出力される出力信号(画素信号)は、出力信号線301によって順番に出力回路120に転送される。n個の画素部110はすべて同じ構成であり、具体的な回路構成及び動作については後述する。
出力回路120は、n個の画素部110のそれぞれが出力する画素信号に対して所定の信号処理を行って画像信号SOを生成し、出力する。本実施形態では、出力回路120は、CDS回路121及び増幅回路122を備えている。
CDS回路121には、出力信号線301を介して、n個の画素部110からそれぞれ出力される画素信号を順番に含む画像信号Voが入力され、ロジック回路100からの制御信号CDSCに基づいて動作する。CDS回路121は、n個の画素部110が有する増幅トランジスターの特性ばらつきにより発生し、画像信号Voに重畳されている雑音を、基準電圧VREFを基準とする相関二重サンプリングによって除去する。すなわち、CDS回路121は、n個の画素部110から出力された出力信号(画素信号)に含まれるノイズを低減するノイズ低減回路である。
増幅回路122は、CDS回路121によって雑音が除去された信号をサンプリング信号SMPに基づいてサンプリングし、サンプリングした信号を増幅して画像信号SOを生成する。すなわち、増幅回路122は、n個の画素部110から出力された出力信号(画素信号)を増幅する増幅回路である。前述の通り、画像信号SOは出力端子OP1を介して画像読取チップ415から出力され、アナログフロントエンド(AFE)202に供給される(図5参照)。
ロジック回路100は、チップイネーブル信号EN_Iがハイレベルからローレベルに変化すると、出力回路120に画像信号SOの出力を停止させて出力端子OP1をハイインピーダンスにするとともに、一定時間アクティブ(ハイレベル)となるチップイネーブル信号EN_O(図5のチップイネーブル信号EN2〜ENm+1のいずれか)を生成し、出力バッファー116を介して出力端子OP2から次段の画像読取チップ415に出力する。
図7は、ロジック回路100の構成を示す図である。図7に示されるように、ロジック回路100は、タイミング信号生成回路101、昇圧制御回路102、画素駆動制御回路103、CDS制御回路104、増幅制御回路105及びイネーブル制御回路106を備えている。
タイミング信号生成回路101は、アナログ回路である画素部110を制御するタイミング信号としての画素選択信号SEL0及びリセット信号RSTを生成する。また、タイミング信号生成回路101は、アナログ回路である昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121、増幅回路122の動作タイミングをそれぞれ制御するタイミング信号TMCP,TMDR,TMCDS,TMAMPを生成する。また、タイミング信号生成回路101は、出力バッファー116の動作タイミングを制御するタイミング信号TMENを生成する。
昇圧制御回路102は、タイミング信号TMCPに基づいて、昇圧回路111の動作を制御する。また、画素駆動制御回路103は、タイミング信号TMDRに基づいて、画素駆動回路112の動作を制御する。また、CDS制御回路104(ノイズ低減制御回路の一例)は、タイミング信号TMCDSに基づいて、CDS回路121の動作を制御する。また、増幅制御回路105は、タイミング信号TMAMPに基づいて、増幅回路122の動作を制御する。また、イネーブル制御回路106は、タイミング信号TMENに基づいて、出力バッファー116の動作を制御する。
具体的には、タイミング信号生成回路101は、クロック信号CLKの立ち上がりのタイミングで解像度設定信号RESをサンプリングし、サンプリングした解像度設定信号RESがハイレベルである場合、連続してハイレベルの解像度設定信号RESをサンプリングする回数をカウントする。そして、タイミング信号生成回路101は、カウント値が2であれば300dpi、カウント値が4であれば600dpi、カウント値が8であれば1200dpiの各解像度を示すビットデータを解像度設定レジスター(不図示)に保持する。
また、タイミング信号生成回路101は、チップイネーブル信号EN_Iがローレベルからハイレベルに変化すると、所定のタイミングで昇圧回路111を制御するタイミング信号TMCPを生成し、昇圧制御回路102に出力する。昇圧制御回路102は、タイミング信号TMCPを受けて昇圧回路111に制御信号CPCを出力する。
また、タイミング信号生成回路101は、昇圧制御回路102が昇圧回路111に制御信号CPCを出力した後、所定のタイミングで一定時間アクティブ(本実施形態ではハイレベル)となる画素選択信号SEL0を生成し、1番目の画素部110に出力する。
また、タイミング信号生成回路101は、画素選択信号SEL0を出力した後、所定のタイミングで、解像度設定レジスターに保持されているビットデータに基づいて、タイミング信号TMDRを生成し、画素駆動制御回路103に出力する。画素駆動制御回路103は、タイミング信号TMDRを受けて第2転送制御信号Tx2を生成する。本実施形態では、第2転送制御信号Tx2は、4つの信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dで構成されており、解像度設定レジスターに保持されているビットデータに応じて、アクティブ(本実施形態ではハイレベル)となる信号が変わる。具体的には、当該ビットデータが1200dpiの解像度を示すときは、第2転送制御信号Tx2は、クロック信号CLKの1周期において信号Tx2aのみがアクティブ(ハイレベル)となり、次の1周期は信号Tx2bのみがアクティブ(ハイレベル)となり、さらに次の1周期は信号Tx2cのみがアクティブ(ハイレベル)となり、さらに次の1周期は信号Tx2dのみがアクティブ(ハイレベル)となる。また、当該ビットデータが600dpiの解像度を示すときは、第2転送制御信号Tx2は、クロック信号CLKの1周期において2本の信号Tx2a,Tx2bのみが同時にアクティブ(ハイレベル)となり、次の1周期は2本の信号Tx2c,Tx2dのみが同時にアクティブ(ハイレベル)となる。また、当該ビットデータが300dpiの解像度を示すときは、第2転送制御信号Tx2は、クロック信号CLKの1周期において4本の信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dが同時にアクティブ(ハイレベル)となる。
また、画素駆動制御回路103は、タイミング信号TMDRを受けて、所定のタイミングで画素駆動回路112に制御信号DRCを出力する。
また、タイミング信号生成回路101は、画素選択信号SEL0を出力した後、所定のタイミングで、n個の画素部110に蓄積される電荷を初期化するリセット信号RSTを
生成する。本実施形態では、n個の画素部110には、リセット信号RSTが共通して供給される。そのため、画像読取チップ415は、n個の画素部110にリセット信号RSTを転送するための制御信号線300を備えている。
また、タイミング信号生成回路101は、画素選択信号SEL0を出力した後、所定のタイミングで、タイミング信号TMCDSを生成し、CDS制御回路104に出力する。CDS制御回路104は、タイミング信号TMCDSを受けて制御信号CDSCを生成する。
また、タイミング信号生成回路101は、画素選択信号SEL0を出力した後、所定のタイミングで、タイミング信号TMAMPを生成し、増幅制御回路105に出力する。増幅制御回路105は、タイミング信号TMAMPを受けてサンプリング信号SMPを生成する。
また、タイミング信号生成回路101は、画素選択信号SEL0を出力した後、所定のタイミングで、タイミング信号TMENを生成し、イネーブル制御回路106に出力する。イネーブル制御回路106は、タイミング信号TMENを受けてチップイネーブル信号EN_Oを生成する。
図8は、画素部110(i番目の画素部110)の構成を示す図である。図8に示されるように、画素部110は、4個の受光素子PD1,PD2,PD3,PD4を備えている。すなわち、画素部110は、4画素を含んでいる。
受光素子PD1,PD2,PD3,PD4は、光(本実施形態では、被読取媒体に形成されている画像からの光)を受けて電気信号に変換(光電変換)する。本実施形態では、受光素子PD1,PD2,PD3,PD4は、フォトダイオードで構成されており、アノードは接地されている。受光素子PD1のカソードはNMOSトランジスターM11のソースと接続され、受光素子PD2のカソードはNMOSトランジスターM12のソースと接続され、受光素子PD3のカソードはNMOSトランジスターM13のソースと接続され、受光素子PD4のカソードはNMOSトランジスターM14のソースと接続されている。
NMOSトランジスターM11のドレインはNMOSトランジスターM21のソースと接続され、NMOSトランジスターM12のドレインはNMOSトランジスターM22のソースと接続され、NMOSトランジスターM13のドレインはNMOSトランジスターM23のソースと接続され、NMOSトランジスターM14のドレインはNMOSトランジスターM24のソースと接続されている。4つのNMOSトランジスターM11,M12,M13,M14の各ゲートには、第1転送制御信号Tx1が供給される。
4つのNMOSトランジスターM21,M22,M23,M24の各ドレインは、NMOSトランジスターM3のソース、NMOSトランジスターM4のゲート及び容量C0の一端と共通に接続されている。容量C0の他端は接地されている。NMOSトランジスターM21のゲートには信号Tx2aが供給され、NMOSトランジスターM22のゲートには信号Tx2bが供給され、NMOSトランジスターM23のゲートには信号Tx2cが供給され、NMOSトランジスターM24のゲートには信号Tx2dが供給される。
NMOSトランジスターM3のドレインには電源電圧が供給され、NMOSトランジスターM3のゲートにはリセット信号RSTが供給される。
NMOSトランジスターM4のドレインには電源電圧が供給され、NMOSトランジス
ターM4のソースは、NMOSトランジスターM5のドレインと接続されている。
NMOSトランジスターM5のソースは、出力信号線301に接続され、NMOSトランジスターM5のゲートには、フリップフロップ(F/F)の出力信号(画素選択信号SELi)が供給される。
フリップフロップ(F/F)は、画素選択信号SELi−1と駆動信号Drvが入力され、駆動信号Drvの立ち上がりエッジで画素選択信号SELi−1を取り込んで遅延させた画素選択信号SELi出力する。なお、画素選択信号SELiは、不図示の遅延回路を介してフリップフロップ(F/F)の非同期リセット信号となる。そのため、画素選択信号SELiは、アクティブ(ハイレベル)になった後、所望の時間が経過後に非アクティブ(ローレベル)に戻る。
このように構成されたi番目の画素部110は、以下のように動作する。まず、露光時間Δtにおいて、第1転送制御信号Tx1、第2転送制御信号Tx2(TX2a,TX2b,TX2c,TX2d)、画素選択信号SELi−1、駆動信号Drvはすべて非アクティブ(ローレベル)であり、受光素子PD1,PD2,PD3,PD4は、受けた光に応じた電荷(負の電荷)を蓄積する。
次に、第1転送制御信号Tx1のみがアクティブ(ハイレベル)となり、4つのNMOSトランジスターM11,M12,M13,M14がすべてオンする。これにより、受光素子PD1に蓄積された電荷(負の電荷)は、NMOSトランジスターM11のドレインとNMOSトランジスターM21のソースとの接続ノードに形成された中間蓄積容量C1(不図示)に転送されて蓄積される。受光素子PD2に蓄積された電荷(負の電荷)は、NMOSトランジスターM12のドレインとNMOSトランジスターM22のソースとの接続ノードに形成された中間蓄積容量C2(不図示)に転送されて蓄積される。受光素子PD3に蓄積された電荷(負の電荷)は、NMOSトランジスターM13のドレインとNMOSトランジスターM23のソースとの接続ノードに形成された中間蓄積容量C3(不図示)に転送されて蓄積される。受光素子PD4に蓄積された電荷(負の電荷)は、NMOSトランジスターM14のドレインとNMOSトランジスターM24のソースとの接続ノードに形成された中間蓄積容量C4(不図示)に転送されて蓄積される。
次に、第1転送制御信号Tx1が非アクティブ(ローレベル)になり、画素部110に供給される駆動信号Drvは、クロック信号CLKの半周期毎に、アクティブ(ハイレベル)と非アクティブ(ローレベル)を繰り返す。
また、クロック信号CLKの1周期毎に、リセット信号RSTが一定時間アクティブ(ハイレベル)になる。これにより、NMOSトランジスターM3がオンして容量C0が初期化され、容量C0には一定量の電荷(正の電荷)が蓄積される。また、クロック信号CLKの1周期毎に、リセット信号RSTが非アクティブ(ローレベル)に戻った後、第2転送制御信号Tx2を構成する4つの信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dの少なくとも1つが一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。
具体的には、解像度が1200dpiに設定されているときは、まず、クロック信号CLKの1周期において、信号Tx2aのみが一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。次に、クロック信号CLKの1周期において、信号Tx2bのみが一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。次に、クロック信号CLKの1周期において、信号Tx2cのみが一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。次に、クロック信号CLKの1周期において、信号Tx2dのみが一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。4つの信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dはこれを繰り返す。
また、解像度が600dpiに設定されているときは、まず、クロック信号CLKの1周期において、2つの信号Tx2a,Tx2bのみが同時に一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。次に、クロック信号CLKの1周期において、2つの信号Tx2c,Tx2dのみが同時に一定時間アクティブ(ハイレベル)となり、これを繰り返す。
また、解像度が300dpiに設定されているときは、クロック信号CLKの1周期において、4つの信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dは同時に一定時間アクティブ(ハイレベル)となり、これを繰り返す。
そして、4つの信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dの少なくとも1つが一定時間アクティブ(ハイレベル)となると、4つのNMOSトランジスターM21,M22,M23,M24の少なくとも1つがオンし、容量C0に蓄積された一定量の電荷(正の電荷)が、中間蓄積容量C1,C2,C3,C4の少なくとも1つに蓄積された電荷(負の電荷)の分だけ減少する。
また、画素信号の読み出し対象の画素部110では、画素選択信号SELi−1が一定時間アクティブ(ハイレベル)となり、リセット信号RSTが非アクティブ(ローレベル)に戻った後、画素選択信号SELiが一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。
これにより、NMOSトランジスターM5がONし、容量C0に蓄積された電荷に応じて、NMOSトランジスターM4を流れる電流が変化する。これにより、NMOSトランジスターM4のソース電位が変化し、画素部110から、NMOSトランジスターM4のソース電位に応じた電圧の画素信号が出力信号線301に出力される。
一方、画素信号の読み出し対象でない画素部110では、画素選択信号SELi−1は非アクティブ(ローレベル)を維持するため、画素選択信号SELiもローレベルである。従って、NMOSトランジスターM5はオフしており、画素部110から画素信号は出力されない。
なお、4つのNMOSトランジスターM11,M12,M13,M14のゲート信号には、電荷転送を短時間で効率よく行うため、昇圧回路111の出力が用いられているが、転送効率、精度に問題が無い場合は、電源電圧での駆動でもよい。この場合、昇圧回路111は不要である。
図9は、画像読取チップ415の各信号のタイミングチャート図である。なお、図9は、スキャナーユニット(画像読取装置)3による画像の読み取りの解像度が300dpiに設定された場合のタイミングチャート図である。
図9に示されるように、まず、クロック信号CLKの2周期の間、解像度設定信号RESがハイレベルとなる。そして、露光時間Δtが経過すると、チップイネーブル信号EN_Iが一定時間アクティブ(ハイレベル)となり、以降、各画素部110には300dpiでの各種の信号が供給される。
チップイネーブル信号EN_Iがアクティブ(ハイレベル)になった後、まず、クロック信号CLKの数周期の間、第1転送制御信号Tx1がアクティブ(ハイレベル)になる。
次に、クロック信号CLKの1周期の間、画素選択信号SEL0がアクティブ(ハイレベル)になる。
次に、クロック信号CLKの半周期の間、駆動信号Drvがアクティブ(ハイレベル)となり、第1転送制御信号Tx1及び画素選択信号SEL0がともに非アクティブ(ローレベル)になる。また、少し遅れてリセット信号RSTが短い時間アクティブ(ハイレベル)となる。
次に、リセット信号RSTが非アクティブ(ローレベル)に戻った後、第2転送制御信号Tx2を構成する4つの信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dのすべてが、クロック信号CLKが次に立ち下がるまでアクティブ(ハイレベル)となる。また、画素選択信号SEL1がアクティブ(ハイレベル)となり、これにより、1番目の画素部110からの画素信号が出力信号線301に出力され、画像信号Voがこの画素信号に応じた電圧になる。この画像信号Voは、出力回路120で信号処理され、サンプリング信号SMPの立ち下がりに同期して画像信号SOが1番目の画素信号に対応する電圧となる。
次に、クロック信号CLKの半周期の間、駆動信号Drvがアクティブ(ハイレベル)となり、画素選択信号SEL1が非アクティブ(ローレベル)になる。また、少し遅れてリセット信号RSTが短い時間アクティブ(ハイレベル)となる。
次に、リセット信号RSTが非アクティブ(ローレベル)に戻った後、4つの信号Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2dのすべてが、クロック信号CLKが次に立ち下がるまでアクティブ(ハイレベル)となる。また、画素選択信号SEL2がアクティブ(ハイレベル)となり、これにより、2番目の画素部110からの画素信号が出力信号線301に出力され、画像信号Voがこの画素信号に応じた電圧になる。この画像信号Voは、出力回路120で信号処理され、サンプリング信号SMPの立ち下がりに同期して画像信号SOが2番目の画素信号に対応する電圧となる。
次に、クロック信号CLKの半周期の間、駆動信号Drvがアクティブ(ハイレベル)となり、画素選択信号SEL2が非アクティブ(ローレベル)になる。また、少し遅れてリセット信号RSTが短い時間アクティブ(ハイレベル)となる。
以降は、同様に、画像信号SOは、サンプリング信号SMPの立ち下がりに同期して、3番目〜n番目までの画素信号に応じた電圧となる。
その後、チップイネーブル信号EN_Iがアクティブ(ハイレベル)から非アクティブ(ローレベル)に変化し、出力端子OP1がハイインピーダンスになる。また、チップイネーブル信号EN_Oが一定時間アクティブ(ハイレベル)となる。
4.画像読取チップのレイアウト構成
図10は、画像読取チップ415のレイアウト構成を示す図である。図10は、画像読取チップ415の半導体基板400を平面視したときのレイアウト構成を示しており、図10では、画像読取チップ415を構成する回路ブロックとパッドのみが示されている。また図11は、図10に破線で示した領域Aの拡大図であり、図11では電源配線も示されている。
図10に示されるように、画像読取チップ415は、第1辺X1と、第1辺X1よりも短い第2辺Y1と、を含む形状である。例えば、画像読取チップ415は、第1辺X1と対向する第3辺X2とが同じ長さであり、第2辺Y1と対向する第4辺Y2とが同じ長さであり、第1辺X1と第2辺Y1とが直交する形状、すなわち、長方形であってもよい。
また、本実施形態では、イメージセンサーモジュール41はラインセンサーであるため
、図10に示されるように、画像読取チップ415において、複数(m個)の画素部110は、第1辺X1に沿う方向に列状に配置されている。従って、画像読取チップ415は、第2辺Y1に対して第1辺X1が極端に長く、細長い形状である。
画像読取チップ415は、2つの電源パッド151,152と、3つの入力パッド161,162,163と、2つの出力パッド171,172と、基準電圧供給パッド181とを含む。
2つの電源パッド151,152は、それぞれ、ボンディングワイヤー等によって図6の電源端子VDP,VSPと電気的に接続される。すなわち、電源パッド151は、第1の電源電圧である電源電圧VDDが供給される第1の電源パッドであり、電源パッド152は、第1の電圧よりも低い第2の電源電圧である電源電圧VSSが供給される第2の電源パッドである。
3つの入力パッド161,162,163は、それぞれ、ボンディングワイヤー等によって図6の入力端子IP1,IP2,IP3と電気的に接続される。すなわち、3つの入力パッド161,162,163は、それぞれ、画像読取チップ415への入力信号である、チップイネーブル信号EN_I、解像度設定信号RES及びクロック信号CLKを入力するパッドである。
2つの出力パッド171,172は、それぞれ、ボンディングワイヤー等によって図6の出力端子OP1,OP2と電気的に接続される。すなわち、2つの出力パッド171,172は、それぞれ、画像読取チップ415からの出力信号である、画像信号SO及びチップイネーブル信号EN_Oを出力するパッドである。
基準電圧供給パッド181は、ボンディングワイヤー等によって図6の基準電圧供給端子VRPと電気的に接続される。すなわち、基準電圧供給パッド181は、基準電圧VREFが供給されるパッドである。
図10に示されるように、第2辺Y1を短くしてチップ面積を縮小するために、アナログ回路(昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122)と、ロジック回路100(タイミング信号生成回路101、昇圧制御回路102、画素駆動制御回路103、CDS制御回路104、増幅制御回路105及びイネーブル制御回路106)と、入力バッファー113,114,115と、出力バッファー116と、電源パッド151,152と、入力パッド161,162,163と、出力パッド171,172と、基準電圧供給パッド181とは、第1辺X1に沿う方向に配置されている。具体的には、入力バッファー113は、入力パッド161の外側に配置されている。また、入力バッファー114は、入力パッド161と入力パッド162との間に配置されている。また、入力バッファー115は、入力パッド162と入力パッド163との間に配置されている。また、昇圧回路111は、入力パッド163と電源パッド151との間の入力パッド163側に配置されている。また、昇圧制御回路102は、入力パッド163と電源パッド151との間の電源パッド151側に配置されている。
また、画素駆動回路112、CDS回路121、タイミング信号生成回路101、画素駆動制御回路103及びCDS制御回路104は、電源パッド151と電源パッド152との間に配置されている。より詳細には、画素駆動回路112は、電源パッド151と電源パッド152との間の電源パッド151側に配置されている。CDS回路121は、電源パッド151と電源パッド152との間の電源パッド152側に配置されている。画素駆動制御回路103は、画素駆動回路112とCDS回路121との間の画素駆動回路112側に配置されている。CDS制御回路104は、画素駆動回路112とCDS回路1
21との間のCDS回路121側に配置されている。すなわち、画素駆動回路112は、画素駆動制御回路103と電源パッド151との間に配置され、CDS回路121は、CDS制御回路104と電源パッド152との間に配置されている。タイミング信号生成回路101は、画素駆動制御回路103とCDS制御回路104との間に配置されている。
また、増幅制御回路105は、電源パッド152と基準電圧供給パッド181との間に配置されている。また、増幅回路122は、基準電圧供給パッド181と出力パッド171との間に配置されている。また、イネーブル制御回路106は、出力パッド171と出力パッド172との間に配置されている。また、出力バッファー116は、出力パッド172の外側に配置されている。
そして、特に、本実施形態では、タイミング信号生成回路101と第1辺X1の中点Oとの距離は、アナログ回路(昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122)と第1辺X1の中点Oとの距離よりも短い。換言すれば、タイミング信号生成回路101は、第1辺X1の中点Oに近い位置に設けられている。従って、タイミング信号TMCP,TMDR,TMCDS,TMAMP,TMENが昇圧制御回路102、画素駆動制御回路103、CDS制御回路104、増幅制御回路105及びイネーブル制御回路106にそれぞれ伝搬する配線の長さが短くなり、配線遅延による昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121、増幅回路122及び出力バッファー116の動作タイミングのずれを小さくすることができる。その結果、画像読取チップ415の画像を読み取る性能を高めることができる。
ただし、画素駆動回路112の動作タイミングのずれは特に性能を劣化させる原因となる。そこで、本実施形態では、図10に示されるように、画素駆動制御回路103は、タイミング信号生成回路101と画素駆動回路112との間に配置されている。すなわち、タイミング信号生成回路101と画素駆動制御回路103との距離が非常に短く、かつ、画素駆動制御回路103と画素駆動回路112との距離も非常に短いので、タイミング信号TMDRや制御信号DRCの伝搬遅延が非常に小さい。従って、画素駆動回路112の動作タイミングのずれが極めて小さいので、画像読取チップ415の画像を読み取る性能を効果的に高めることができる。
同様に、CDS回路121の動作タイミングのずれも特に性能を劣化させる原因となる。そこで、本実施形態では、図10に示されるように、CDS制御回路104は、タイミング信号生成回路101とCDS回路121との間に配置されている。換言すれば、タイミング信号生成回路101とCDS制御回路104との距離が非常に短く、かつ、CDS制御回路104とCDS回路121との距離も非常に短いので、タイミング信号TMCDSや制御信号CDSCの伝搬遅延が非常に小さい。従って、CDS回路121の動作タイミングのずれが極めて小さいので、画像読取チップ415の画像を読み取る性能を効果的に高めることができる。
さらに、本実施形態では、図10に示されるように、電源パッド151と第1辺X1の中点Oとの距離は、入力パッド161,162,163と第1辺X1の中点Oとの距離よりも短く、かつ、出力パッド171,172と第1辺X1の中点Oとの距離よりも短い。同様に、電源パッド152と第1辺X1の中点Oとの距離は、入力パッド161,162,163と第1辺X1の中点Oとの距離よりも短く、かつ、出力パッド171,172と第1辺X1の中点Oとの距離よりも短い。換言すれば、画像読取チップ415において、電源パッド151,152は、入力パッド161,162,163や出力パッド171,172よりも内側(チップの中心寄り)に配置されている。そのため、電源パッド151,152と、電源パッド151,152から最も遠い回路との距離を比較的短くすることが可能である。特に、電源パッド151,152を第1辺X1の中点Oの近傍に配置すれ
ば最も遠い回路までの距離を最も短くすることができる。
ただし、本実施形態では、電源パッド151と電源パッド152との間に画素駆動回路112、CDS回路121、タイミング信号生成回路101、画素駆動制御回路103及びCDS制御回路104を配置可能な領域を確保するために、図10に示されるように、電源パッド151,152は、第1辺X1の中点Oの近傍ではなく、第2辺Y1あるいは第2辺Y1と対向する第4辺Y2から、第1辺X1の長さLの30%以上40%以下の領域に配置されている。従って、図10において画像読取チップ415の幅に合わせて図示されている電源電圧の電源降下を示す図に実線で示されるように、電源パッド151が第1辺X1の中点Oに配置された場合(一点鎖線)と比較して、CDS回路121、増幅回路122及びロジック回路100(出力パッド171,172近傍のロジック回路100)に供給される電源電圧VDDの電圧降下が少しだけ大きくなる。しかしながら、アナログ回路であるCDS回路121や増幅回路122の特性に影響を与えるほどの電圧降下は生じず、さらに、電圧降下が大きい入力バッファー113,114,115、出力バッファー116及びイネーブル制御回路106は、デジタル信号が入出力され、2値論理で動作するため誤動作することもない。電源電圧VSSの電圧上昇についても同じことが言える。
また、本実施形態では、図10に示されるように、画素駆動回路112は、電源パッド152よりも電源パッド151に近い位置に設けられ、CDS回路121は、電源パッド151よりも電源パッド152に近い位置に設けられている。同様に、昇圧回路111は、電源パッド152よりも電源パッド151に近い位置に設けられ、増幅回路122は、電源パッド151よりも電源パッド152に近い位置に設けられている。従って、画像読取チップ415は、細長い形状であるため、第1辺X1に沿う方向の電源配線が非常に長くなるが、電源パッド151や電源パッド152から昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122に至る電源配線は比較的短く、配線抵抗に起因する電源電圧VDDの降下や電源電圧VSSの上昇が小さい。そのため、アナログ回路であるため電源電圧によって特性が変動しやすい昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122は、安定した電源電圧VDD,VSSが供給されて動作するので、画像を読み取る性能を高めることができる。
さらに、本実施形態では、図11に示されるように、アナログ回路である昇圧回路111、CDS回路121及び画素駆動回路112と電源パッド151とをそれぞれ電気的に接続する電源配線131,132,133(第1の電源配線の一例)と、ロジック回路100と電源パッド151とを電気的に接続する電源配線134,135(第2の電源配線の一例)とは、電源パッド151の位置から分岐している。また、アナログ回路である画素駆動回路112及びCDS回路121と電源パッド152とをそれぞれ電気的に接続する電源配線141,142(第1の電源配線の一例)と、ロジック回路100と電源パッド152とを電気的に接続する電源配線143,144(第2の電源配線の一例)とは、電源パッド152の位置から分岐している。従って、画像読取チップ415は、大きな電力を必要とする昇圧回路111、電源電圧によって駆動信号の生成タイミングが変動しやすい画素駆動回路112や、電源電圧によって特性が変動しやすいCDS回路121が、安定した電源電圧VDD,VSSが供給されて動作し、かつ、ロジック回路100のスイッチング動作に起因する電源ノイズの影響を受けにくいので、画像を読み取る性能を高めることができる。
また、図11に示されるように、画像読取チップ415の平面視で、電源配線131,132,133(第1の電源配線の一例)と、電源配線134,135(第2の電源配線の一例)とは、電源パッド152と重ならないように設けられ、電源配線141,142(第3の電源配線の一例)と、電源配線143,144(第4の電源配線の一例)とは、
電源パッド151と重ならないように設けられている。換言すれば、電源配線131,132,133,134,135,141,142,143,144は、すべて、電源パッド151,152と同じ配線層に設けられている。そして、電源電圧VDDが伝搬する電源配線131,132,133,134,135の1つと、電源電圧VSSが伝搬する電源配線141,142,143,144の1つとが重なる部分でのみ互いの配線層が異なっていればよいので、これらの電源配線や電源パッド151,152はすべて2つの配線層のみで実現される。従って、製造工程を簡素化することが可能であり、画像読取チップ415の製造コストを低減させることができる。
さらに、本実施形態では、図10に示されるように、第2辺Y1に近い位置に入力パッド161,162,163が設けられ、第2辺Y1から遠い位置に出力パッド171,172が設けられている。さらに、入力パッド161,162,163からそれぞれ入力される信号が供給されるロジック回路100の一部が、入力パッド161,162,163の近傍に配置され、出力パッド171,172から出力される信号を生成する増幅回路122の一部やロジック回路100の一部が出力パッド171,172の近傍に配されている。換言すれば、画像読取チップ415において、入力信号、内部信号及び出力信号が伝搬する各信号配線が短くなっている。従って、画像読取チップ415は、昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122の特性を向上させ、画像を読み取る性能を高めることができる。
5.作用効果
以上に説明したように、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3では、画像読取チップ(半導体装置)415は、多数の画素部110が第1辺X1に沿う方向に列状に配置されているため、第1辺X1に沿う方向の配線が長くなりやすいが、画像読取チップ(半導体装置)415において、ロジック回路100に含まれるタイミング信号生成回路101はアナログ回路(昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122)よりも内側(チップの中心寄り)に配置されているので、アナログ回路の動作タイミングを制御するタイミング信号TMCP,TMDR,TMCDS,TMAMP,TMENがそれぞれ伝搬する配線は比較的短くなる。従って、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3及び画像読取チップ(半導体装置)415によれば、タイミング信号TMCP,TMDR,TMCDS,TMAMP,TMENの伝搬遅延が比較的小さくなり、アナログ回路の動作タイミングの精度を向上させることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
また、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3では、画像読取チップ(半導体装置)415において、タイミング信号生成回路101が電源パッド151と電源パッド152との間に配置されているので、タイミング信号生成回路101には、電源パッド151から安定した電源電圧VDDが供給され、電源パッド152から安定した電源電圧VSSが供給される。従って、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3及び画像読取チップ(半導体装置)415によれば、タイミング信号生成回路101の動作が安定し、生成されるタイミング信号TMCP,TMDR,TMCDS,TMAMP,TMENの精度が向上するため、画像を読み取る性能を高めることができる。
また、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3では、画像読取チップ(半導体装置)415において、画素駆動制御回路103がタイミング信号生成回路101と画素駆動回路112との間に配置されているので、タイミング信号生成回路101から画素駆動制御回路103へとタイミング信号TMDRが伝搬する配線が短くなるとともに、画素駆動制御回路103から画素駆動回路112へと制御信号DRCが伝搬する配線も短くなる。従って、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3及び画像読取チップ(半導体装置)415によれば、画素駆動回路112の動作タイミングの精度を向上さ
せることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
また、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3では、画像読取チップ(半導体装置)415において、CDS制御回路104がタイミング信号生成回路101とCDS回路121との間に配置されているので、タイミング信号生成回路101からCDS制御回路104へとタイミング信号TMCDSが伝搬する配線が短くなるとともに、CDS制御回路104からCDS回路121へと制御信号CDSCが伝搬する配線も短くなる。従って、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3及び画像読取チップ(半導体装置)415によれば、CDS回路121の動作タイミングの精度を向上させることができるので、画像を読み取る性能を高めることができる。
また、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3では、画像読取チップ(半導体装置)415において、昇圧回路111、画素駆動回路112及びCDS回路121に電力を供給するための電源配線131,132,133,141,142と、ロジック回路100に電力を供給するための電源配線134,135,143,144とは、電源パッド151,152の位置から分岐しているため、昇圧回路111、画素駆動回路112及びCDS回路121が、ロジック回路100の動作に起因して発生する電源ノイズの影響を受けにくい。従って、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3及び画像読取チップ(半導体装置)415によれば、画像読み取り精度を高めることができる。なお、電源配線134,135は長くなり、かつ、第2辺Y1の長さを短くするためにはパッドを迂回する部分が細くなるため、電源電圧VDDの降下が大きくなるが、入力バッファー113,114,115や出力バッファー116の論理閾値電圧を下回るほどの電圧降下は生じないので、入力バッファー113,114,115や出力バッファー116が誤動作することもない。
また、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3によれば、画像読取チップ(半導体装置)415において、アナログ回路(昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122)、ロジック回路100、入力バッファー113,114,115、出力バッファー116及びパッド(電源パッド151,152、入力パッド161,162,163、出力パッド171,172及び基準電圧供給パッド181)が第1辺X1に沿う方向に並べて配置されているので、第2辺Y1が短くなり、チップ面積を縮小することができる。
また、本実施形態のスキャナーユニット(画像読取装置)3によれば、画像読取チップ(半導体装置)415の平面視で、電源電圧VDDが伝搬する電源配線131,132,133,134,135と電源電圧VSSが供給される電源パッド152とが重ならず、かつ、電源電圧VSSが伝搬する電源配線141,142,143,144と電源電圧VDDが供給される電源パッド151とが重ならないように配置されているため、電源配線131,132,133,134,135,141,142,143,144や電源パッド151,152が2つの配線層のみで実現可能であり、製造コストを低減させることも可能である。
6.変形例
図12に示されるように、上記実施形態における図10に示される画像読取チップ415を、画素駆動制御回路103と画素駆動回路112との間に電源パッド151が配置されるように変形してもよい。同様に、図12に示されるように、図10に示される画像読取チップ415を、CDS制御回路104とCDS回路121との間に電源パッド152が配置されるように変形してもよい。このような変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、画像読取チップ415において、電源パッド151,152の一方と、ロジック回路100、昇圧回路111、画素駆動回路112、CDS回路121及び増幅回路122や電源配線131,132,133,134,135,141,142,143,144との位置関係は、上記実施形態と異なっていてもよい。すなわち、画像読取チップ415の中心から片側のみ上記位置関係になっていてもよい。
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…複合機、2…プリンターユニット、3…スキャナーユニット、4…ヒンジ部、11…アッパーフレーム、12…画像読取部、13…上蓋、16…下ケース、17…上ケース、31…センサーユニット、32…センサーキャリッジ、33…ガイド軸、34…センサー移動機構、41…イメージセンサーモジュール、63…操作部、65…装置ハウジング、66…排出口、100…ロジック回路、101…タイミング信号生成回路、102…昇圧制御回路、103…画素駆動制御回路、104…CDS制御回路、105…増幅制御回路、106…イネーブル制御回路、110…画素部、111…昇圧回路、112…画素駆動回路、113,114,115…入力バッファー、116…出力バッファー、120…出力回路、121…CDS回路、122…増幅回路、131,132,133,134,135,141,142,143,144…電源配線、151,152…電源パッド、161,162,163…入力パッド、171,172…出力パッド、181…基準電圧供給パッド、200…制御部、202…アナログフロントエンド(AFE)、300…制御信号線、301…出力信号線、311…駆動信号線、400…半導体基板、411…ケース、412…光源、412R…赤色LED、412G…緑色LED、412B…青色LED、413…レンズ、414…モジュール基板、415,415−1〜415−m…画像読取チップ、IP1,IP2,IP3…入力端子、OP1,OP2…出力端子、VDP,VSP…電源端子、VRP…基準電圧供給端子、C0,C1,C2,C3,C4…容量、PD1,PD2,PD3,PD4…受光素子、M11,M12,M13,M14…NMOSトランジスター、M21,M22,M23,M24…NMOSトランジスター、M3,M4,M5…NMOSトランジスター、CLK…クロック信号、CDSC…制御信号、CPC…制御信号、DRC…制御信号、Drv…駆動信号、DrvR,DrvG,DrvB…駆動信号、EN1〜ENm+1,EN_I,EN_O…チップイネーブル信号、RES…解像度設定信号、RST…リセット信号、SEL0〜SELn…画素選択信号、SMP…サンプリング信号、TMAMP…タイミング信号、TMCDS…タイミング信号、TMCP…タイミング信号、TMDR…タイミング信号、TMEN…タイミング信号、Tx1…第1転送制御信号、Tx2…第2転送制御信号、Tx2a,Tx2b,Tx2c,Tx2d…信号、Vo…画像信号、SO…画像信号、VDD,VSS…電源電圧、VREF…基準電圧、X1…第1辺、X2…第3辺、Y1…第2辺、Y2…第4辺

Claims (10)

  1. 画像を読み取るための画像読取チップを含む画像読取装置であって、
    前記画像読取チップは、
    前記画像からの光を受けて光電変換する受光素子を含む複数の画素部と、
    アナログ回路と、
    ロジック回路と、
    第1の電源電圧が供給される第1の電源パッドと、
    前記第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧が供給される第2の電源パッドと、
    を備え、
    前記画像読取チップは、第1辺と、前記第1辺よりも短い第2辺と、を含む形状であり、
    前記複数の画素部は、前記第1辺に沿う方向に列状に配置され、
    前記ロジック回路は、前記アナログ回路の動作タイミングを制御するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路を含み、
    前記タイミング信号生成回路と前記第1辺の中点との距離は、前記アナログ回路と前記第1辺の前記中点との距離よりも短い、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記タイミング信号生成回路と、前記第1の電源パッドと、前記第2の電源パッドとは、前記第1辺に沿う方向に配置され、
    前記タイミング信号生成回路は、前記第1の電源パッドと前記第2の電源パッドとの間に配置されている、請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記画像読取チップは、
    前記画像読取チップへの入力信号を入力する入力パッドと、
    前記画像読取チップからの出力信号を出力する出力パッドと、
    を備え、
    前記第1の電源パッドと、前記第2の電源パッドと、前記入力パッドと、前記出力パッドとは、前記第1辺に沿う方向に配置され、
    前記第1の電源パッドと前記第1辺の前記中点との距離及び前記第2の電源パッドと前記第1辺の前記中点との距離は、前記入力パッドと前記第1辺の前記中点との距離よりも短く、かつ、前記出力パッドと前記第1辺の前記中点との距離よりも短い、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記アナログ回路は、
    前記画素部を駆動する駆動信号を生成する画素駆動回路を含み、
    前記ロジック回路は、
    前記タイミング信号に基づいて、前記画素駆動回路の動作を制御する画素駆動制御回路を含み、
    前記タイミング信号生成回路と、前記画素駆動回路と、前記画素駆動制御回路とは、前記第1辺に沿う方向に配置され、
    前記画素駆動制御回路は、前記タイミング信号生成回路と前記画素駆動回路との間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  5. 前記画素駆動回路は、前記第2の電源パッドよりも前記第1の電源パッドに近い位置に設けられている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記アナログ回路は、
    前記画素部から出力された出力信号に含まれるノイズを低減するノイズ低減回路を含み、
    前記ロジック回路は、
    前記タイミング信号に基づいて、前記ノイズ低減回路の動作を制御するノイズ低減制御回路を含み、
    前記タイミング信号生成回路と、前記ノイズ低減回路と、前記ノイズ低減制御回路とは、前記第1辺に沿う方向に配置され、
    前記ノイズ低減制御回路は、前記タイミング信号生成回路と前記ノイズ低減回路との間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  7. 前記ノイズ低減回路は、前記第1の電源パッドよりも前記第2の電源パッドに近い位置に設けられている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
  8. 前記画像読取チップは、
    前記アナログ回路と前記第1の電源パッドとを電気的に接続する第1の電源配線と、
    前記ロジック回路と前記第1の電源パッドとを電気的に接続する第2の電源配線と、
    前記アナログ回路と前記第2の電源パッドとを電気的に接続する第3の電源配線と、
    前記ロジック回路と前記第2の電源パッドとを電気的に接続する第4の電源配線と、
    を備え、
    前記第1の電源配線と前記第2の電源配線とは、前記第1の電源パッドの位置から分岐し、
    前記第3の電源配線と前記第4の電源配線とは、前記第2の電源パッドの位置から分岐している、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  9. 前記画像読取チップの平面視で、
    前記第1の電源配線と前記第2の電源配線とは、前記第2の電源パッドと重ならないように設けられ、
    前記第3の電源配線と前記第4の電源配線とは、前記第1の電源パッドと重ならないように設けられている、
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像読取装置。
  10. 第1辺と、前記第1辺よりも短い第2辺と、を含む形状の半導体装置であって、
    光を受けて光電変換する受光素子を含む複数の画素部と、
    アナログ回路と、
    ロジック回路と、
    第1の電源電圧が供給される第1の電源パッドと、
    前記第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧が供給される第2の電源パッドと、
    を備え、
    前記複数の画素部は、前記第1辺に沿う方向に列状に配置され、
    前記ロジック回路は、前記アナログ回路の動作タイミングを制御するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路を含み、
    前記タイミング信号生成回路と前記第1辺の中点との距離は、前記アナログ回路と前記第1辺の前記中点との距離よりも短い、
    ことを特徴とする半導体装置。
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