以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照し、パチンコ機1の機械的構成について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ機1の上下方向、左右方向、および表裏方向については、特に断りがない場合、遊技盤2の盤面の向きを基準とする。即ち、ホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向き(図1に示されるパチンコ機1の向き)が基準となる。以下では便宜上、図1紙面の表裏方向をパチンコ機1の前後方向として説明を行う。また、パチンコ機1に使用される装置や部品についても、パチンコ機1に組み付けられた場合の向きを基準に、上下方向、左右方向、および前後方向を規定するものとする。
図1、図2に示すように、パチンコ機1の上段側には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は略正方形であり、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護される。遊技盤2の下段側には上皿5と下皿6が設けられる。上皿5は遊技盤2の下部に設けられ、遊技球発射装置(図示略)に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられる。本実施形態の操作ボタン9は、平面視、略円形である。操作ボタン9は、例えば、大当たり判定の結果を報知する際の演出において、遊技者による操作の入力を受け付ける。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。発射ハンドル7は、遊技者による回転操作を受け付ける。遊技者が発射ハンドル7を操作すると、遊技球発射装置は、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で遊技球を発射する。また、前面枠10の上部で左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられる。
遊技盤2の前面には、一部がガイドレール3に囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に設けられる。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられる。遊技球発射装置によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4は、左領域4L、中領域4C、右領域4Rの3つの領域を含む。
左領域4Lは、遊技領域4のうち、センター飾り8の左側において遊技球が流下可能な領域である。所定の強度未満で発射された遊技球は、例えば図2の矢印21に示すように、左領域4Lを流下する。以下、矢印21に示すように、遊技球が左領域4Lを流下するように強度に調整して遊技球を発射することを「左打ち」という。右領域4Rは、遊技領域4のうち、センター飾り8の右側において遊技球が流下可能な領域である。所定の強度以上で発射された遊技球は、例えば図2の矢印22に示すように、右領域4Rを流下する。なお、矢印22に示すように、遊技球が右領域4Rを流下するように強度に調整して遊技球を発射することを「右打ち」という。中領域4Cは、遊技領域4のうち、センター飾り8の内側において遊技球が流下可能な領域である。
センター飾り8は、表示画面28、通路部材18、ステージ部32、変動メータ100、大入賞口16を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部略中央に配置される。表示画面28は、3個の7セグメント表示器を左右方向に並べて配置した構成であり、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、特に、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄(図示略)を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す演出図柄の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す3個の演出図柄による組合せである。また、大当たり判定の結果がはずれであることを示す演出図柄の組合せは、「767」「143」等、同じ数字を示す演出図柄が3個揃わない組合せである。
通路部材18は、センター飾り8において表示画面28の左下方に設けられる。通路部材18は、ワープ通路31と連絡通路33を備える。ワープ通路31と連絡通路33は、左打ちされて左領域4Lを流下する遊技球の一部を、センター飾り8の外側から内側へ案内するための通路である。ワープ通路31と連絡通路33は、遊技盤2の盤面よりも後側に設けられる。左領域4Lの略中央には、遊技盤2の盤面の前方に突出する球受部80が設けられる。球受部80には、ワープ通路31の入口であるワープ入口311と、連絡通路33の入口である進入口331,332が、左右方向に並んで形成される。ワープ通路31の出口であるワープ出口313は、ステージ部32の左端上部後壁寄りの位置に接続される。ワープ通路31は、通路を通過した遊技球をステージ部32内に排出する。連絡通路33の出口である放出口333は、中領域4Cの左上角部分に接続される。連絡通路33は、通路を通過した遊技球を中領域4Cへ向けて排出する。
ステージ部32は、ワープ通路31を通過した遊技球を左右方向と前後方向に転動可能な転動面326を備える。ステージ部32は、中領域4Cの上側に設けられ、遊技盤2の前面から後側に奥まった位置に配置される。ワープ通路31からステージ部32内に排出された遊技球は、転動面326上を左右方向に往復転動しながら前側に寄り、前部中央から中領域4Cに排出される。
変動メータ100は、LEDによる照明が可能な部分を7セグメントディスプレイのように7つの部分に分け、数字の「8」をかたどった電飾部材である。変動メータ100は、センター飾り8の略中央に配置される。変動メータ100の上半分の部分は、表示画面28を取り囲む位置に設けられる。変動メータ100の下半分の部分は、ステージ部32と中領域4Cを取り囲む位置に設けられる。変動メータ100の詳細な構成については後述する。
大入賞口16は、センター飾り8において表示画面28の右下方に設けられる。大入賞口16は、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材16Aを備える。遊技球は、開閉部材16Aが開放された開放状態の場合にのみ、大入賞口16に入賞できる。大入賞口16の内部には、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材(図示略)を備える特定領域16Bが設けられる。遊技球は、開閉部材16Aが開放された開放状態の場合にのみ、特定領域16Bを通過できる。大入賞口16に入賞した遊技球は、特定領域16Bまたは大入賞口16の内部に設けられた非特定領域(図示略)を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
中領域4Cの略中央には、第一始動口14が設けられる。第一始動口14には、左領域4Lから連絡通路33またはワープ通路31とステージ部32を介して中領域4Cに案内された遊技球の一部が入賞できる。第一始動口14の下方には、左アウト口34と右アウト口35が設けられる。左アウト口34と右アウト口35は、それぞれ、中領域4Cの下端部の左右両側に配置される。第一始動口14に入賞せずに中領域4Cを流下する遊技球は、左アウト口34または右アウト口35を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
センター飾り8の右下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。普通図柄作動ゲート12の左斜め下方には、第二始動口15が設けられる。第二始動口15は、普通電動役物としての開閉部材15Aを備える。普通電動役物は、普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物である。遊技球は、開閉部材15Aが開放された開放状態の場合にのみ、第二始動口15に入賞できる。開閉部材15Aは、ソレノイドによって電気的に開閉される。なお、第二始動口15は、開閉部材15Aが閉鎖された閉鎖状態においても遊技球の入賞が可能な構成であってもよい。この場合、第二始動口15は、開閉部材15Aが開放されることで、閉鎖状態よりも遊技球が容易に入賞できる構成であるとよい。
遊技領域4には、上記以外に、下アウト口36、各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技釘等が設けられる。左領域4Lを流下する遊技球のうち、ワープ通路31または連絡通路33を通過せず、且つその他の入賞口のいずれにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、下アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。右領域4Rを流下する遊技球のうち、第二始動口15、大入賞口16、およびその他の入賞口のいずれにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球も同様に、下アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。
遊技盤2の右下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である特別図柄保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通図柄保留球数を表示する。
図示しないが、パチンコ機1の背面側には、各種基板を備えた制御部が設けられる。制御部の各基板は、CPU、RAM、ROM等を備えており、パチンコ機1の各種動作を制御する。例えば、主基板は、普通当たり判定、大当たり判定等を行い、パチンコ機1の主制御を司る。中継基板は、主基板で行われた制御結果に基づいて、大入賞口16、第二始動口15等を開閉するソレノイドを駆動する。また、演出基板は、表示画面28の表示制御、変動メータ100等が備える電飾用のLED(図示略)等の発光制御、スピーカ48の発音制御、各種演出装置(図示略)の駆動制御等を行う。
図3〜図6を参照し、変動メータ100について説明する。変動メータ100は、枠体110、光透過部材131〜137、拡散部材151〜157、仕切部材171〜177、電飾基板191〜193を備える。枠体110は、前後方向に厚みを有し、前後方向に貫通して上下方向に並ぶ2つの略矩形の開口部118,119が形成されることによって、正面視、数字の「8」を模した形状を有する。変動メータ100が遊技盤2に組み付けられたとき、上側の開口部118内には表示画面28が配置され、下側の開口部119内にはステージ部32と中領域4Cが配置される。開口部118,119の周囲を取り囲む部分は7セグメントディスプレイの各セグメントを模し、それぞれに、開口部111〜117が形成される。開口部111〜117は、正面視、略六角形状に形成され、上下方向または左右方向に長く延びる。
開口部111は、開口部118の上側で左右方向に延びる。開口部114は、開口部119の下側で左右方向に延びる。開口部117は、開口部118と開口部119の間で左右方向に延びる。開口部112は、開口部118の右側で上下方向に延び、両端がそれぞれ開口部111の右端と開口部117の右端の近くに配置される。開口部113は、開口部119の右側で上下方向に延び、両端がそれぞれ開口部117の右端と開口部114の右端の近くに配置される。開口部115は、開口部119の左側で上下方向に延び、両端がそれぞれ開口部117の左端と開口部114の左端の近くに配置される。開口部116は、開口部118の左側で上下方向に延び、両端がそれぞれ開口部111の左端と開口部117の左端の近くに配置される。開口部111〜117内には、光透過部材131〜137を位置決めする段部120が形成される。
光透過部材131〜137は、正面視、略六角形状で、左右方向または上下方向に延びる透明な板状体である。光透過部材131〜137は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂から形成される。光透過部材131〜137は、それぞれ、開口部111〜117の形状に合わせて形成される。よって、光透過部材132,133,135,136は上下方向に長く延び、光透過部材131,134,137は左右方向に長く延びる。以下において、光透過部材131〜137のそれぞれが延びる方向を、それぞれの延伸方向と定義する。すなわち、光透過部材132,133,135,136の延伸方向は上下方向であり、光透過部材131,134,137の延伸方向は左右方向である。また、光透過部材131〜137のそれぞれの延伸方向と交差する方向を、それぞれの幅方向と定義する。なお、延伸方向と幅方向は、変動メータ100の組立時に、光透過部材131〜137のそれぞれに対応する開口部111〜117、拡散部材151〜157、仕切部材171〜177、電飾基板191〜193の方向の定義においても準用する。
光透過部材131〜137の前面には、それぞれ、複数の凸状部140が設けられる。凸状部140は、正面視、幅方向に長く延びる略平行四辺形状で、それぞれの光透過部材131〜137において、延伸方向に並べて形成される。また、光透過部材131〜137の前面で延伸方向の両端には、正面視、略三角形状の凸状部141がそれぞれ設けられる。凸状部140,141の前面は、それぞれ、後面と平行な平面部分145と、後面に対して傾斜する斜面部分146を有する。斜面部分146は、平面部分145の周囲を取り囲む。凸状部140,141の前面は、前後方向に沿う断面の形状が台形形状である(図7参照)。
変動メータ100の組立時、光透過部材131〜137は、枠体110の開口部111〜117内に、枠体110の後側から挿入される。光透過部材131〜137の凸状部140,141の周囲を取り囲む縁部142は、側方へ鍔状に張り出す。光透過部材131〜137は、開口部111〜117内の段部120に縁部142を係合し、開口部111〜117内に位置決められる。凸状部140,141は、開口部111〜117の前側に露出する。また、光透過部材131〜137の後面は、平面状に形成される。
拡散部材151〜157は、正面視、略六角形状で、左右方向または上下方向に延びる半透明な板状体である。拡散部材151〜157は、表面に設けた微細な凹凸構造によって入射光を拡散して出射し、出射光の強度分布のムラを補正するための光学部材である。変動メータ100の組立時、拡散部材151〜157は枠体110の後側から開口部111〜117内に挿入され、光透過部材131〜137の後ろに配置される。
仕切部材171〜177は、正面視、略六角形状で、左右方向または上下方向に延びる板状体である。仕切部材171〜177のそれぞれには、複数の穴部180、複数の仕切板181、リブ182,183が形成される。変動メータ100の組立時、仕切部材171〜177は、それぞれ、枠体110の後側から開口部111〜117内に挿入され、光透過部材131〜137と拡散部材151〜157の後ろに配置される。
複数の穴部180は、電飾基板191〜193に設けられる複数のLED195に対応する位置にそれぞれ形成され、厚み方向に貫通する。穴部180は、光透過部材131〜137の前面側部分の内径が、前面へ向けてテーパ状に広げられる。光透過部材131〜137の1つの凸状部140に対応する位置には、2つの穴部180が幅方向に並んで設けられる。2つの穴部180の間には、延伸方向に延びるリブ182が設けられる。光透過部材131〜137の1つの凸状部141に対応する位置には、三角形状に配置された3つの穴部180が設けられる。また、仕切部材171〜177の前面の縁部分には、前面の外周を一周するリブ183が設けられる。リブ182,183は、仕切部材171〜177を補強する。
仕切板181は、仕切部材171〜177の前面から前方に突出し、幅方向に延びる。仕切板181は、光透過部材131〜137の個々の凸状部140,141の区切り位置に対応する位置に設けられ、延伸方向に列設される。それぞれの仕切板181は、個々の凸状部140,141ごとに、穴部180の形成位置を区画分けする。仕切板181は、幅方向の断面が、前方へ向けて細くなるテーパ状に形成される。仕切板181の表面は、光が反射するときに拡散しにくくなるように、滑らかに形成される。
変動メータ100の組立時、変動メータ100内には、仕切部材171〜177の穴部180が形成された部分を後壁部とし、仕切板181を側壁部とする複数の区画室105が形成される。なお、区画室105それぞれの幅方向両端には、枠体110の開口部111〜117の内壁が配置される。区画室105の前部は、光透過部材131〜137と拡散部材151〜157によって覆われる。個々の区画室105の前部には、個々の凸状部140,141がそれぞれ配置される。
電飾基板191〜193は、前面に複数のLED195を配置した基板である。電飾基板191は、屈曲して下方と左方へ延びる略L字状に形成される。変動メータ100の組立時、電飾基板191は、枠体110の開口部111,112を後側から塞ぐ位置に設けられる。電飾基板191のLED195は、仕切部材171,172の個々の穴部180に対応する位置に設けられる。電飾基板192は、屈曲して上方と右方へ延びる略L字状に形成される。変動メータ100の組立時、電飾基板192は、枠体110の開口部116,117を後側から塞ぐ位置に設けられる。電飾基板192のLED195は、仕切部材176,177の個々の穴部180に対応する位置に設けられる。
電飾基板193は、左右方向に延びる部分の両端が屈曲してそれぞれ上方へ延びる略U字状に形成される。変動メータ100の組立時、電飾基板193は、枠体110の開口部113,114,115を後側から塞ぐ位置に設けられる。電飾基板193のLED195は、仕切部材173,174,175の個々の穴部180に対応する位置に設けられる。変動メータ100の組立時、電飾基板191〜193のLED195は、それぞれの対応する穴部180を介し、穴部180が対応する区画室105内に露出される。
また、電飾基板191〜193の前面には、変動メータ100のその他の装飾部品を照明するLEDも設けられる。電飾基板191〜193は、ねじ留めによって、枠体110に固定される。光透過部材131〜137、拡散部材151〜157、仕切部材171〜177は、それぞれが対応する開口部111〜117内に収容され、枠体110の段部120と電飾基板191〜193との間に挟まれて、位置が固定される。
パチンコ機1は、遊技状態に応じて構成の変動メータ100を用いた演出を行うとき、電飾基板191〜193の複数のLED195のうち、演出内容に応じた特定のLED195を発光させる。LED195の発するLED光は、拡散部材151〜157と光透過部材131〜137を介してパチンコ機1の前方に出射し、パチンコ機1で遊技を行う遊技者の目に届く。パチンコ機1は、個々の区画室105を1つの単位としてLED195の点灯、点滅または消灯を制御する。すなわち、変動メータ100では、光透過部材131〜137の凸状部140,141ごとの照明による光の演出が行われる。
本実施形態では、凸状部140,141の前面を、断面において台形形状となるように形成している。詳細は後述するが、光透過部材131〜137は、前面が台形形状であることにより、LED195が発するLED光によって形成される仕切板181の影を、遊技者の目に届きにくくすることができる。このため、変動メータ100は、例えば、延伸方向に連続する凸状部140,141において、同色のLED光による照明を行う場合に、隣り合う凸状部140,141を区切る区画室105の存在を分かりにくくすることができる。
図7を参照し、LED195から出射され、異なる光路を辿るLED光200〜204の進路について説明する。なお、LED光は、拡散部材152を通過する際に、一様に拡散される。故に、以下の説明では、拡散部材152によるLED光の光路の変更については、説明の便宜上、考慮しないものとする。また、光透過部材132の前面の斜面部分146は、後面に対してε度(例えば21.8度)傾斜するものとする。また、光透過部材132の空気に対する屈折率はn(例えば1.5)であるものとする。
LED195から出射され、前方へ真っ直ぐ向かう光路を進むLED光200は、区画室105を通り拡散部材152を介し、光透過部材132の後面に垂直に入射する。LED光200は、後面に入射角0度で入射するので、空気と光透過部材132との界面において屈折せず、光透過部材132内に前方へ向けて真っ直ぐ出射される。光透過部材132を直進するLED光200は、光透過部材132の前面において、後面と平行な平面部分145に垂直に入射する。LED光200は、平面部分145に入射角0度で入射するので、光透過部材132と空気との界面において屈折せず、変動メータ100の前方へ向けて真っ直ぐ光透過部材132から出射される。
LED195から出射され、前方に対してα1度(例えば20度)斜めの方向へ向かう光路を進むLED光201は、拡散部材152を介して光透過部材132の後面に入射角α1度で入射する。LED光201は、空気と光透過部材132との界面において屈折し、sin(α1)/sin(β1)=nを満たす出射角β1度(例えば13.2度)で、光透過部材132内に出射される。光透過部材132内を直進するLED光201は、光透過部材132の前面において、後面に対してε度傾斜する斜面部分146に、γ1=|β1−ε|を満たす入射角γ1度(例えば8.6度)で入射する。LED光201は、光透過部材132と空気との界面において屈折し、sin(γ1)/sin(δ1)=1/nを満たす出射角δ1度(例えば13.0度)で光透過部材132から出射される。LED光201は、変動メータ100から、前方に対して|δ1−ε|度(例えば8.8度)斜めを向く方向に出射される。
LED195から出射され、前方に対してα2度(例えば40度)斜めの方向へ向かう光路を進むLED光202は、区画室105内で仕切板181の前端部の表面に当接し、反射する。LED光202は、LED光201と同様に拡散部材152と光透過部材132を通過して、変動メータ100の前方へ向けて出射される。ところで、仮に仕切板181がなかった場合、LED光202が仕切板181の形成位置を通過して直進する仮のLED光207(一点鎖線で示す)が辿る光路上には、仕切板181の影が形成される。仮のLED光207は、LED光202を出射したLED195が配置される区画室105の隣の区画室105に進入し、拡散部材152を介して光透過部材132の後面に入射角α2度で入射する。仮のLED光207は、空気と光透過部材132との界面において屈折し、sin(α2)/sin(β2)=nを満たす出射角β2度(例えば25.4度)で、光透過部材132内に出射される。
光透過部材132内を直進する仮のLED光207は、隣の凸状部140における光透過部材132の前面の斜面部分146に、γ2=|β2+ε|を満たす入射角γ2度(例えば47.2度)で入射する。ここで、光透過部材132内を進む光が空気との界面で屈折するとき全反射を生ずる入射角の条件である臨界角θは、例えば屈折率nが1.5の場合、略41.8度である。γ2は臨界角θより大きいので、仮のLED光207は、光透過部材132と空気との界面において全反射し、変動メータ100の前方に出射されない。従って、LED光202によって形成される仕切板181の影は、変動メータ100の前方には形成されず、遊技者の目に届かない。
なお、本実施形態では、LED195から前方に対してα3度(例えば35.2度)斜めの方向に出射されるLED光203が、仕切板181の前端部の表面に接する光路を進む。LED光203は、拡散部材152を介して隣の光透過部材132の後面に、入射角α3度で入射する。LED光203は、空気と光透過部材132との界面において屈折し、sin(α3)/sin(β3)=nを満たす出射角β3度(例えば22.6度)で、光透過部材132内に出射される。光透過部材132内を直進するLED光203は、隣の凸状部140における光透過部材132の前面の斜面部分146に、γ3=|β3+ε|を満たす入射角γ3度(例えば44.4度)で入射する。γ3は臨界角θより大きいので、LED光203は、光透過部材132と空気との界面において全反射する。
上記のように、LED光203が仕切板181の前端部の表面に接する光路を進むので、仕切板181の影は、LED195から前方に対してα3度以上斜めの方向に出射されるLED光によって形成される。そして、α3度斜めの方向に出射されるLED光203が光透過部材132の前面において全反射されるので、仕切板181の影は変動メータ100の前方には形成されず、遊技者の目に届かない。
また、LED195から前方に対してα4度(例えば50度)斜めの方向に出射されるLED光204は、仕切板181の表面で反射する。仮に仕切板181がなかった場合、LED光204が仕切板181の形成位置を通過して直進する仮のLED光209(二点鎖線で示す)は、隣の区画室105に進入し、拡散部材152を介して光透過部材132の後面に入射角α4度で入射する。仮のLED光209は、空気と光透過部材132との界面において屈折し、sin(α4)/sin(β4)=nを満たす出射角β4度(例えば30.7度)で、光透過部材132内に出射される。
光透過部材132内を直進する仮のLED光209の光路上には、隣の凸状部140における光透過部材132の前面の平面部分145が位置する。平面部分145は光透過部材132の後面と平行な面なので、仮のLED光209は、入射角γ4度(=β4度)で平面部分145に入射する。仮のLED光209は、光透過部材132と空気との界面において屈折し、sin(γ4)/sin(δ4)=1/nを満たす出射角δ4度(=α4度、例えば50度)で、光透過部材132から出射される。すなわち、仮のLED光209は、変動メータ100から、前方に対して45度以上斜めを向く方向に出射され、変動メータ100の前方に位置する遊技者の目には向かわない。従って、LED光202によって形成される仕切板181の影は、たとえ全反射されなくとも遊技者の目に届きにくい。このように、仕切板181の影を遊技者の目に届きにくくするためには、仮のLED光が光透過部材132から、前方に対して45度以上斜めを向く方向に出射されるとよい。
故に、光透過部材132の平面部分145と斜面部分146の境目は、仮に仕切板181がない場合に、LED195から少なくとも45度以上の斜めの方向に出射されたLED光に基づく仮のLED光が入射される位置にあるとよい。仮のLED光が斜面部分146に入射しても、全反射によって、仕切板181の影は遊技者の目に届かない。仮のLED光が平面部分145に入射しても、もとのLED光が前方に対して45度以上斜め方向に出射されていることから、屈折しても前方に対して45度以上斜め方向へ向かうので、仕切板181の影は遊技者の目に届きにくい。
なお、上記説明では、電飾基板191に設けられた1つのLED195から出射され、仕切部材172によって形成される1つの区画室105を覆う光透過部材132の1つの凸状部140を通過するLED光200〜204の光路を例とする説明を行った。電飾基板191〜193に設けられる他のLED195から出射され、仕切部材171〜177によって形成される他の区画室105を覆う光透過部材131〜137の他の凸状部140を通過するLED光の光路についても上記同様である。
また、上記説明においては説明の便宜上、考慮しなかったが、LED195から出射されるLED光は、拡散部材151〜157を介して光透過部材131〜137に入射される。拡散部材151〜157によってLED光が一様に拡散されるので、仕切板181の影は、光透過部材131〜137を通過する前に、ある程度ぼやけた状態となる。故に、変動メータ100は、拡散部材151〜157がない場合よりも、隣り合う凸状部140,141を区切る区画室105の存在を分かりにくくすることができる。
以上説明したように、LED195から出射されるLED光は、仕切板181によって影を形成する。仕切板181の影は、LED195から出射されたLED光が仕切板181に遮られる経路で進む方向に形成される。光透過部材131〜137は、仕切板181に遮られる経路でLED195から出射され光透過部材131〜137内に進入するLED光のうち、少なくとも一部を、例えば仮のLED光207のように、前面の斜面部分146(空気との界面)において光透過部材131〜137内に全反射する。故に、仕切板181の影の少なくとも一部は、光透過部材131〜137を透過せず、変動メータ100の前方に位置する遊技者の目に届かない。変動メータ100が各区画室105内に配置したLED195の複数を同時に発光しても、遊技者は、変動メータ100が発する光の中に仕切板181の影を認識しにくい。よって変動メータ100は、遊技者に区画室105の存在を感じさせることなく、明るくきれいに発光することができる。
変動メータ100は、仕切板181の影の一部で、光透過部材131〜137の前面において平面部分145に入射し、光透過部材131〜137内に全反射しない影がある場合、例えば仮のLED光209の光路に示すように、その影を変動メータ100の斜め前方に形成する。故に、仕切板181の影の一部が光透過部材131〜137を透過しても、変動メータ100の前方に位置する遊技者の目に届きにくい。よって変動メータ100は、遊技者に区画室105の存在を感じさせることなく、明るくきれいに発光することができる。
光透過部材131〜137の前面を台形形状に形成すれば、仕切板181の影が台形形状の斜面部分146によって光透過部材131〜137内に全反射するように、斜面部分146の形状を設計する際の角度設定が容易である。故に、遊技者に区画室105の存在を感じさせることなく、明るくきれいに発光する変動メータ100を容易に設計することができる。
仕切板181の前端部の影を形成する仮のLED光が光透過部材131〜137内を通り前面に入射する角度が臨界角θより大きければ、仮のLED光は前面で全反射し、光透過部材131〜137の前方に進まないため遊技者の目に届かない。また、仕切板181の影を形成する仮のLED光が前面に入射する角度が臨界角θであれば、光は前面に沿って進み、光透過部材131〜137の前方へは進まないため遊技者の目に届かない。故に変動メータ100は、遊技者に区画室105の存在を感じさせることなく、明るくきれいに発光することができる。
隣り合う区画室105内のLED195から出射される光が拡散部材151〜157によって拡散した上で光透過部材131〜137を透過することによって、変動メータ100は、区画室105の境界部分をぼやけさせることができる。故に変動メータ100は、遊技者に区画室105の存在を感じさせることなく、明るくきれいに発光することができる。
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは言うまでもない。変動メータ100は、センター飾り8に設けたが、これに限らず、例えばパチンコ機1の台枠に設けてもよい。拡散部材151〜157はなくてもよい。
光透過部材131〜137の前面において、個々の凸状部140,141の断面形状は、台形形状に限らず、三角形状、六角形状等の多角形状であってもよいし、あるいは円弧形状であってもよい。前面の形状を設計する際に、仕切板181に接するLED光203が斜面部分146に入射する入射角γ3が臨界角θ以上となるように、斜面部分146の傾斜角度εが設定されるとよい。入射角γ3が臨界角θ未満であっても、前方に対し、例えば45度以上斜めの方向に斜面部分146からLED光203が出射されるように、傾斜角度εが設定されてもよい。また、光透過部材131〜137は、平面部分145がなく、斜面部分146のみで構成されてもよい。
特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
なお、本発明においては、パチンコ機1が「遊技機」に相当する。LED195が「光源」に相当する。仕切板181が「側壁部」に相当する。仕切部材171〜177が「区画手段」に相当する。光透過部材131〜137が「光透過手段」に相当する。変動メータ100が「演出手段」に相当する。拡散部材151〜157が「拡散手段」に相当する。