JP6607559B2 - 二重管掘削機 - Google Patents
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Description
図9において符号410は油圧モータ411を含む回転駆動源、符号420は送り出し機構、符号430は図示しないケーシング(アウターロッド及びインナーロッド)のクランプ機構を示している。
図10で示すように、二重管掘削機械400は、傾斜角度を調整するピストンリンク機構600を有して基台500に設置される場合がある。
その様な場合には、スライドベース(図9の長さL2)を可能な限り短くする必要があるが、従来の二重管掘削機械400のスライドベースの長さL2(図9)は1500mm程度である。
そして従来の二重管掘削機械400では、図9の長さL1、L2方向における回転駆動源410の長さが750mm程度であり、ケーシング440(アウターロッドとインナーロッド)のクランプ機構430やその他の付属品の長さを考慮すると、有効フィード長L3(図9)が500mm程度となる。
図10においてケーシング440が周囲と分離した状態(いわゆる「浮いた」状態)で表現されているのは、ケーシングを設置する機構を図示する煩雑さを避けるためである。
しかし、従来の二重管掘削機400では有効フィード長L3が500mm程度しかないので、使用頻度が高い長さ500mmのケーシングを使用することが出来ない。
これに対して、回転駆動源を小さくして有効フィード長L3を確保することも考えられるが、回転駆動源を小さくしてしまうと、二重管掘削に必要な回転トルクを確保できないという問題が生じる。
しかし、この従来技術(特許文献1)は、浚渫した土砂と水分を効率良く分離するための技術であり、狭隘地で所定の長さのケーシングが使用できない、掘削に必要なトルクが得られない、という上述の問題は解決出来ない。
ここで、動力源(1:例えば油圧モータ)の出力軸には歯数の少ない(小型の)歯車(2:ピニオン)が固定され、当該(小型の)歯車(2:ピニオン)は、回転部材(4)に固定され且つ歯数の多い(大型の)歯車(3:大ギヤ)と噛み合っている。
すなわち、駆動源(10:薄型回転駆動装置)は動力源(1:例えば油圧モータ)と、(小型の)歯車(2:ピニオン)と、歯数の多い(大型の)歯車(3:大ギヤ)から構成されており、動力源からの動力を伝達する主たる構成要件である歯車(2、3)は平坦な形状であり、長手方向寸法である厚さ寸法が比較的小さいので、スピンドル等を有する従来の駆動装置に比較して、長手方向の寸法を小さくすることが出来る。
そのため、動力源(1:例えば油圧モータ)が小型化されても、二重管掘削に必要な回転トルクを確保することが出来る。
したがって、二重管掘削機(100)により、狭隘地においても所定の長さのケーシングを用いて二重管掘削を行うことが出来る。
図1において、全体を符号100で示す二重管掘削装置は、二重管(インナーロッド及びアウターロッド:図1では図示せず)に接続して回転駆動する二重管回転駆動機構200と、基台部300を有している。
二重管回転駆動機構200は、駆動源である薄型回転駆動装置10と、二重管接続装置20を備えており、二重管接続装置20は薄型回転駆動装置10により回転し且つ二重管と接続する。
図1において、符号1は回転駆動源としての油圧モータを示し、符号40は図示しない二重管(インナーロッドとアウターロッド)のクランプ機構を示している。
図示の実施形態では、薄型回転駆動装置10の動力源として油圧モータ1を例示しているが、薄型回転駆動装置10の動力源として、電動モータ、内燃機関、その他の動力源を用いることも可能である。
図2において、二重管50が周囲から離隔して(いわゆる「浮いた」状態で)表現することにより、二重管50を支持する構成を図示することによる図示の煩雑化を防止している。
薄型回転駆動装置10及び二重管接続装置20の具体的な構成、油圧モータ1の回転が二重管50に伝達される態様については、図4、図5を参照して後述する。
掘削に際して、二重管50を回転して地盤を掘削し、或いは二重管同士を接続するに際しては、ロッド送り機構60を作動して、二重管回転駆動機構200を切羽側(図2では左側)に送り出す。また二重管50を引き抜く際には、二重管回転駆動機構200を切羽側と反対側(図2では右側)に移動する。
薄型回転駆動装置10の切羽側(図3では左側)に隣接して、二重管接続装置20が配置されている。
油圧モータ1の回転は二重管接続装置20に伝達され、インナーロッド接続部材21(図4、図5参照)、アウターロッド接続部材22(図4、図5参照)を介して図示しない二重管(インナーロッド、アウターロッド)に伝達される。油圧モータ1の回転が二重管(インナーロッド、アウターロッド)に伝達される態様については、図4、図5を参照して後述する。
また符号9Aは、掘削に際に発生する水や土壌を排水する排水装置9(排水側スイベル)の排水用ポートである。排水側スイベル9についても図4、図5を参照して後述する。
大ギヤ3及び大ギヤ3と一体に形成された回転部材4の内周部には軸受12が介装され、軸受12は大ギヤ3及び回転部材4を回転自在に支持している。
明確には図示されていないが、2台の油圧モータ1は同期しており、同一の回転速度で回転する様に構成されている。但し、同期しておらず、異なる回転数で回転する2台のモータ1に変速手段を設けて、大ギヤ3に対して同一方向且つ同一回転速度で回転を伝達する様に構成することも可能である。
図示の実施形態では、回転部材4と一体の第1のフランジ5と、第1のフランジ5と結合する第2のフランジ6と、第2のフランジ6と一体の中空部材7により、回転伝達機構を構成している。
換言すると、本明細書では、第1のフランジ5と、第2のフランジ6と、中空部材7を総称して、「回転伝達機構」と記載する場合がある。
二重管側接続部7Aは、二重管接続装置20におけるインナーロッド接続部材21と接続される。一方、中空部材7のウォータースイベル側接続部7Bは、回転部材4、軸受12を貫通して延在して水供給用ウォータースイベル8に接続される。
上述した様に、油圧モータ1のトルクがさほど大きくなくてもピニオン2及び大ギヤ3の歯数の比率に応じて大きな回転トルクが発生する。そのため、図示しないインナーロッド、アウターロッドには、回転掘削に必要なトルクが伝達される。
中空部材7のウォータースイベル側接続部7Bは水供給用ウォータースイベル8と相対回転可能に接続している。水供給用ウォータースイベル8には掘削水供給系統8Lが接続されており、掘削水供給系統8Lを介して図示しない掘削水供給源から掘削水が供給される。
上述した様に、中空部材7には油圧モータ1の回転が伝達されるが、水供給用ウォータースイベル8により、中空部材7の回転は掘削水供給系統8Lには伝達されず、掘削水供給系統8Lが回転して捻じ切れてしまうことが防止される。
インナーロッド接続部材21の中空部材係合部21Aの内周部には雌ネジ21Bが形成され、中空部材7の雄ネジ7Cと螺合している。そしてインナーロッド接続部材21の中空部材係合部21Aの外周部には雄ネジ21Eが形成され、雄ネジ21Eがアウターロッド接続部材22との係合部となる。
インナーロッド接続部材21のインナーロッド係合部21Cの内周部には雌ネジ21Dが形成されており、雌ネジ21Dによりインナーロッドと接続する。
アウターロッド接続部材22のインナー係合部22Aの内周部には雌ネジ22Bが形成され、雌ネジ22Bはインナーロッド接続部材21の外周に形成された雄ネジ21Eと螺合する。
明確には図示されていないが、インナーロッド接続部材21、アウターロッド接続部材22における上述した種々のネジは、掘削時の回転により緩まない様に構成されている。
アウターロッド接続部材22の中空部とインナーロッド接続部材21の外周部の間の空間22Eは、地盤掘削時、図示しないインナーロッドとアウターロッドの間の隙間を介して地上側に戻る掘削土砂を含む排水F2の流路を構成している。
排水側スイベル9の軸方向の概略中央には排水用ポート9Aが形成されている。図5において、排水用ポート9Aは円周方向の1箇所のみ形成されているが、円周方向に複数箇所形成することも可能である。
図5において、インナーロッドとアウターロッドの間の隙間を介して地上側に戻る掘削土砂を含む排水F2は、空間22Eを通過して、排水側スイベル9の排水用ポート9Aから二重管接続装置20外に排出される。そして、図示しない排出配管により地上側の掘削水処理施設に排出される。
図6において、基台部300は、ロッド(二重管)送り機構60、基台70、ロッド送り機構60の基台70に対する傾斜角度を調整するピストンシリンダ機構80を備える。
ピストンシリンダ機構80のシリンダ81を作動させ、ピストンロッド82を適宜伸長することにより、基台70に対してロッド送り機構60が傾斜する。そしてピストンロッド82の伸長量を調節することにより、基台70とロッド送り機構60との為す傾斜角度θを自在に調節することが出来る。
図7はロッド送り機構としてスプロケットとチェーンを用いた例を示しており、ロッド送り機構60のケーシング61内にはチェーン63、チェーン63を駆動する駆動側スプロケット64、従動側スプロケット65が収容されている。
駆動側スプロケット64、従動側スプロケット65はケーシング61に回動自在に固定されている。
二重管回転駆動機構200が移動する際に、二重管回転駆動機構200を固定した固定部材62は、ケーシング61に設けられた図示しない軌道上を移動する(送られる)。
二重管を掘削時と逆方向に引き戻す際は、駆動側スプロケット64を矢印R2の方向に回転し、二重管回転駆動機構200をチェーン63により矢印D2(切羽側と反対の方向、図8では右側)方向に戻す。
図8において、ロッド送り機構60Aのケーシング61A内には第1のジャッキ62Aが、第1の固定部材66Aを介してケーシング61Aに固定されている。第1のジャッキ62Aは、矢印D3、D5方向に伸縮自在な第1のシリンダ63Aを有している。
第1のシリンダ63Aにおける切羽側(図8では左側)の先端部近傍には、第2の固定部材67Aを介して第2のジャッキ64Aが固定されている。第2のジャッキ64Aは、矢印D7、D8方向に伸縮自在な第2のシリンダ65Aを有している。
第2のシリンダ65Aにおける切羽側(図8では左側)の先端部近傍は、第3の固定部材68Aに固定される。そして第3の固定部材68Aには二重管回転駆動機構200(薄型回転駆動装置10、二重管接続装置20を含む)が固定されている。
すなわち、二重管回転駆動機構200は、第1のシリンダ63Aの伸長分と第2のシリンダ65Aの伸長分を合算した距離だけ、切羽側(矢印D4方向:図8では左側)に移動する
図8において、ロッド送り機構60Aにおける第1のジャッキ62Aを、掘削現場において二重管回転駆動機構200を掘削の初期位置に移動させるために使用し、第2のジャッキ64Aを、二重管50を回転して地盤掘削のため切羽側に送り出し、或いは、収容時に地上側に引き戻すために使用することが可能である
油圧モータ1を駆動すると共に、水供給用ウォータースイベル8を介して掘削水を供給し、排水側スイベル9から掘削後の水を排出しつつ、薄型回転駆動装置10及び二重管接続装置20を切羽側(地中側:図7、図8では左側)に送り出せば良い。
その結果、図示の実施形態では、例えば長さ500mmの二重管(ケーシング)を使用するために必要な有効フィールド長L3を確保して、狭隘地においても所定の長さのケーシングを用いて二重管掘削を行うことが可能である。
ことが出来る。
そのため、油圧モータ1が小型化されても、二重管掘削に必要な回転トルクを確保することが出来る。
ロッド送り機構60として第1及び第2のジャッキ62A、64Aとシリンダ63A、65Aを組合せて用いた場合も同様である。
2・・・ピニオン
3・・・大ギヤ
4・・・回転部材
5・・・第1のフランジ
6・・・第2のフランジ
7・・・中空部材
8・・・水供給用ウォータースイベル(給水装置)
9・・・排水側スイベル
9A・・・排水用ポート
10・・・薄型回転駆動装置1
11・・・ケーシング
12、14・・・軸受
13・・・固定手段(植え込みボルト)
20・・・二重管接続装置
21・・・インナーロッド接続部材
22・・・アウターロッド接続部材
40・・・クランプ機構
50・・・二重管
60、60A・・・ロッド送り機構
61、61A・・・ケーシング
62・・・固定部材
63・・・チェーン
64・・・駆動側スプロケット
65・・・従動側スプロケット
62A・・・第1のジャッキ
63A・・・第1のシリンダ
64A・・・第2のジャッキ
65A・・・第2のシリンダ
70・・・基台
80・・・ピストンシリンダ機構
81・・・シリンダ
82・・・ピストンロッド
100・・・二重管掘削装置
200・・・二重管回転駆動機構
300・・・基台部
Claims (2)
- 基台(70)と駆動源(10)と二重管接続装置(20)とロッド送り機構(60)を含み、駆動源(10)は動力源(1)を有し、動力源(1)の出力軸には歯数の少ない歯車(2)が固定され、当該歯車(2)は歯数の多い歯車(3)と噛み合っており、歯数の多い歯車(3)は回転部材(4)に固定されており、回転部材(4)の回転を二重管接続装置(20)へ伝達する回転伝達機構(5、6、7)を有しており、二重管(50)の進行方向及びロッド送り機構(60)の長手方向は水平方向或いは水平方向に対して傾斜した方向であり、ロッド送り機構(60)の基台(70)に対する傾斜角度(θ)を調整する機構(80)を備えていることを特徴とする二重管掘削装置。
- 前記回転伝達機構は、回転部材における第1のフランジと、第1のフランジと結合する第2のフランジを有する中空部材を有しており、
中空部材は給水装置と相対回転可能に接続しており、
二重管接続装置に対して回転自在な排水装置が設けられている請求項1の二重管掘削装置。
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