JP6606931B2 - 内燃機関の排気後処理装置 - Google Patents
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Description
一方、失活判定温度を高く設定すると排気温度が失活判定温度以下となる直前で供給された燃料成分の余剰は抑制されるが、排気後処理手段の活性状態を維持できる運転状態でも燃料成分が供給されないことになり、排気後処理手段を効率的に再生できない。
本発明は、上記実情に鑑みたものであり、排気後処理手段の活性状態を維持できない運転状態にあると判定した際に燃料成分の余剰を抑制できる内燃機関の排気後処理装置を提供することを目的とする。
前記排気通路上の排気温度を検出する排気温度検出手段と、前記昇温制御時に燃料供給量算出手段によって算出した燃料成分の供給量の供給後に、前記排気温度が所定の温度より低くなることを含む所定の条件が成立した場合に、前記排気後処理手段の活性状態を維持できない運転状態であると判定する運転状態判定手段と、前記昇温制御時に前記排気温度検出手段によって検出された前記排気温度が低くなるにつれて、該昇温制御のための前記燃料成分の供給量が多くなるように該供給量を大きな値として算出する前記燃料供給量算出手段と、前記運転状態判定手段によって、前記燃料供給量算出手段によって算出した燃料成分の供給量の供給後に前記排気後処理手段の活性状態を維持できない運転状態であると判定したときに、燃料成分の供給量を制限して減少させるために、前記昇温制御時に前記排気温度検出手段によって検出された前記排気温度が低くなるにつれて、該昇温制御のための前記燃料成分の供給量を小さな値に制限する制限燃料供給量算出手段と、前記燃料供給量算出手段が算出した供給量と前記制限燃料供給量算出手段が制限した供給量に基づいて、前記燃料供給手段によって供給する燃料成分の供給量を設定する燃料供給量設定手段と、を備え、前記燃料供給量設定手段は、前記運転状態判定手段が前記昇温制御時に前記排気後処理手段の活性状態を維持できない運転状態であると判定した際には、前記燃料供給量算出手段が算出した供給量と制限燃料供給量算出手段が制限した供給量のうち、値が小さいものを燃料成分の供給量として設定して昇温制御を継続することを特徴とする。
このようにすれば、制限燃料供給量算出手段は、内燃機関の運転状況に応じて燃料成分の供給量を補正するので、内燃機関の運転状況に応じて燃料成分の供給量を調整することができる。
このようにすれば、制限燃料供給量算出手段は排気流量検出手段で検出された排気流量に対応した流量係数で燃料成分の供給量を補正するので、排気流量の増減に応じて燃料成分の供給量を調整することができる。
このようにすれば、内燃機関が車両の原動機を構成する場合に、制限燃料供給量算出手段は車両の車速に対応する車速係数で燃料成分の供給量を補正するので、車速の増減に応じて燃料成分の供給量を調整することができる。
このようにすれば、燃料供給中止手段は、排気温度検出手段によって検出された排気温度が排気後処理手段が不活性となる排気温度より低い場合、燃料成分の供給を中止するので、排気後処理手段が不活性の場合に燃料成分の供給を中止することができる。
排気流量が大きいほど、または車速が高いほど、排気流や走行風による排気後処理手段からの熱の持ち去り量が多くなるため、車速または排気流量に応じて燃料成分の減少量を補正することによって、燃料成分の余剰を抑制することができる。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る排気後処理装置が適用される内燃機関は、コモンレール式のディーゼルエンジン1であって、エンジン本体2、燃料供給手段4、EGR装置5、ターボチャージャ6を備えて構成される。
吸気吸入量計測手段74は、吸気通路7への空気吸入量を計測するためのもので、本実施形態では、エアクリーナ71とターボチャージャ6のコンプレッサ61との間に設けられたエアフローセンサ741で構成される。
大気圧計測手段86(図3参照)は、大気圧を計測するためのもので、任意の位置に設けられた大気圧センサ861で構成される。
本実施形態に係る排気後処理装置は、燃料供給手段4からシリンダ(気筒)211内に燃料成分を供給することにより、酸化触媒811で燃料成分を燃焼させ、微粒子捕集フィルター812を再生するもので、本実施形態に係る排気後処理装置の各種制御は、図3に示す電子制御装置9により実現される。
燃料供給量算出手段92と同様に、第1排気温度センサ821で検出された第1排気温度及び第2排気温度センサ822で検出された第2排気温度を指標として燃料成分の供給量を算出する。具体的には、低噴射量条件フラグがオンの場合に、第1排気温度と燃料供給量とを関連づけた低噴射量マップ(図6参照)を用いて、第1排気温度及び第2排気温度を特定することにより燃料成分の供給量を算出する。
図6は、低噴射量マップの概略を示す。横軸に第1排気温度(℃)を示し、縦軸に低噴射量すなわち、低噴射量条件フラグがオンの状態下(酸化触媒811の活性状態を維持できない状態下)での燃料成分の供給量を示す。
補正の一例としては、排気流量が大きいほど燃料成分の減少量を大きくするように補正する。また、車速が高いほど燃料成分の減少量を大きくするように補正する。
排気流量が大きいほど、または車速が高いほど、排気流や走行風による排気後処理手段81からの熱の持ち去り量が多くなるため、車速または排気流量に応じて供給する燃料成分の減少量を補正することによって、燃料成分の余剰を抑制することができる。
図5に示すように、再生制御フラグがオン(実施)になると(図5のt1)、触媒温度昇温のためのアフター噴射(After)が追加される。アフター噴射は、主噴射(Main)の後で燃料が着火するタイミングでの燃料噴射であり、これにより、排気温度が上昇を始める(図5のA参照)。
補正の一例は、図7に示す補正係数マップを用いて補正係数を算出する。図7の補正係数マップは、排気流量または車速と補正係数との関係を示したものである。横軸に排気流量(L/min)、または車速(Km/h)を示し、縦軸に排気流量に対する補正係数(流量係数)、または車速に対する補正係数(車速係数)を示す。
流量係数のマップと車速係数のマップを別々に用意しても、1つのマップ内に排気流量と車速との両方のデータが設定されていてもよい。
排気流量または車速に対してそれぞれの補正係数(例えば0.5以上1.0未満)を求めて、該補正係数を図6で求めた低噴射量に積算することで、排気流量や車速に応じた低噴射量を算出できる。
排気流量が大きいほど、または車速が高いほど低噴射量の噴射量の制限が強められて減少量が増大するように設定される。例えば、図5のCに示すように補正される。
そして、第1排気温度及び第2排気温度が低くなるにつれて低噴射量は減少し、低噴射量と通常噴射量の大小関係が低噴射量≦通常噴射量となって逆転する(図5のt4)。これにより、低噴射量が燃料供給量(噴射量)に設定される(ステップS8)。
2 エンジン本体
21 シリンダブロック
211 シリンダ(気筒)
22 シリンダヘッド
221 吸気ポート
222 排気ポート
23 クランクシャフト
24 ピストン
241 ピン穴
242 燃焼室
25 コネクティングロッド
26 ピストンピン
27 吸気弁
28 排気弁
29 グロープラグ
31 インテークマニホールド
32 エキゾーストマニホールド
4 燃料供給手段
40 燃料噴射装置
41 インジェクター
42 コモンレール
43 高圧燃料ポンプ
5 EGR装置
51 EGR通路
52 排気側EGRバルブ
53 EGRクーラー
54 吸気側EGRバルブ
6 ターボチャージャ
61 コンプレッサ
62 排気タービン
7 吸気通路
71 エアクリーナ
72 インタークーラ
73 吸気スロットル
74 吸気吸入量計測手段
741 エアフローセンサ
75 吸気温計測手段
751 吸気温センサ
8 排気通路
81 排気後処理手段
811 酸化触媒
812 微粒子捕集フィルター
813 NOx還元触媒
813a 上流側触媒
813b 下流側触媒
82 排気温度検出手段
821 第1排気温度センサ
822 第2排気温度センサ
823 第3排気温度センサ
824 第4排気温度センサ
83 排気流量検出手段
84 差圧計測手段
841 差圧センサ
841a,841b 検出素子
85 空燃費計測手段
851 LAFS
86 大気圧計測手段
861 大気圧センサ
9 電子制御装置
91 運転状態判定手段
92 燃料供給量算出手段
93 制限燃料供給量算出手段
94 燃料供給量設定手段
95 燃料噴射制御手段
101 車速計測手段
Claims (7)
- 排気通路上に設けられた排気後処理手段と、
前記排気後処理手段に燃料成分を供給する燃料供給手段と
を備え、
前記燃料供給手段からの前記燃料成分の供給により前記排気後処理手段の昇温制御を行う内燃機関の排気後処理装置において、
前記排気通路上の排気温度を検出する排気温度検出手段と、
前記昇温制御時に燃料供給量算出手段によって算出した燃料成分の供給量の供給後に、前記排気温度が所定の温度より低くなることを含む所定の条件が成立した場合に、前記排気後処理手段の活性状態を維持できない運転状態であると判定する運転状態判定手段と、
前記昇温制御時に前記排気温度検出手段によって検出された前記排気温度が低くなるにつれて、該昇温制御のための前記燃料成分の供給量が多くなるように該供給量を大きな値として算出する前記燃料供給量算出手段と、
前記運転状態判定手段によって、前記燃料供給量算出手段によって算出した燃料成分の供給量の供給後に前記排気後処理手段の活性状態を維持できない運転状態であると判定したときに、燃料成分の供給量を制限して減少させるために、前記昇温制御時に前記排気温度検出手段によって検出された前記排気温度が低くなるにつれて、該昇温制御のための前記燃料成分の供給量を小さな値に制限する制限燃料供給量算出手段と、
前記燃料供給量算出手段が算出した供給量と前記制限燃料供給量算出手段が制限した供給量に基づいて、前記燃料供給手段によって供給する燃料成分の供給量を設定する燃料供給量設定手段と、を備え、
前記燃料供給量設定手段は、前記運転状態判定手段が前記昇温制御時に前記排気後処理手段の活性状態を維持できない運転状態であると判定した際には、前記燃料供給量算出手段が算出した供給量と制限燃料供給量算出手段が制限した供給量のうち、値が小さいものを燃料成分の供給量として設定して昇温制御を継続する
ことを特徴とする内燃機関の排気後処理装置。 - 前記制限燃料供給量算出手段は、
前記内燃機関の運転状況に応じて前記燃料成分の供給量を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気後処理装置。 - 前記排気通路の排気流量を検出する排気流量検出手段を備え、
前記制限燃料供給量算出手段は前記排気流量検出手段で検出された排気流量に対応した流量係数で前記燃料成分の供給量を補正する
ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気後処理装置。 - 前記制限燃料供給量算出手段は、前記内燃機関が搭載された車両の車速に対応する車速係数で前記燃料成分の供給量を補正する
ことを特徴とする
請求項2又は3に記載の内燃機関の排気後処理装置。 - 前記燃料供給手段による前記燃料成分の供給を中止する燃料供給中止手段を備え、
前記燃料供給中止手段は、前記排気温度検出手段によって検出された前記排気温度が前記排気後処理手段が不活性となる排気温度より低い場合に前記燃料成分の供給を中止する
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の内燃機関の排気後処理装置。 - 前記燃料成分の供給量の補正は、前記排気流量が大きいほど前記燃料成分の減少量を大きくするように補正することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の排気後処理装置。
- 前記燃料成分の供給量の補正は、前記車速が高いほど前記燃料成分の減少量を大きくするように補正することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排気後処理装置。
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