JP6606702B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウム二次電池に関し、特にアイドリングストップシステム向けのエンジンスターター用鉛電池を代替する電源として使用されるリチウム二次電池に関する。
リチウムイオンの吸蔵、放出が可能な材料を用いたリチウム二次電池は、携帯電話などのモバイル用民生型電池として市場投入されてきた。近年、このリチウム二次電池はハイブリッドカーや電気自動車などの車載動力用電源用途に開発されている。一方、車載用途としてアイドリングストップシステム向けのエンジンスターター用鉛電池を代替する電源としてリチウム二次電池を使用する動きもある。
アイドリングストップシステムまたはストップアンドゴーシステム(以下、ISSという)向けリチウム二次電池は、リチウム二次電池が鉛電池に対して劣る−30℃近傍でのエンジン作動を可能とする20ItA以上の大電流放電能力を有し、かつ鉛電池では困難な制動時での大電流充電回生で50ItA以上が必要とされる。この目的を達成するために、従来は、(1)電池抵抗を下げる、(2)Liイオンの負極でのインターカレーション反応で金属リチウムの析出を抑えることが考えられている。
上記(1)については、正、負極電極板の厚さを薄くすること、またアルミ集電箔上にカーボンを塗着して電極抵抗を下げることや(特許文献1)、電極内の導電材を増加させて抵抗を下げること、さらにはセパレータの厚さや空孔径を制御して抵抗を下げることなどが提案されている。一方、上記(2)については正、負極活物質の粒子径を小さくして反応面積を増加させ、充放電電流密度を低減することや負極活物質を黒鉛材から非晶質炭素材に、またチタン酸リチウムに変更することなどが検討されている。
リチウム二次電池として、正極材は、少なくとも表面にグラフェン相およびアモルファス相から選ばれた少なくとも1つの相を有する炭素被覆オリビン形リチウム金属燐酸化物と、他の炭素材との表面相同士を融合結合させた正極材であり、負極材は、表面に非晶質炭素材を被覆した黒鉛系炭素材(ソフトカーボン)粒子を含む負極材であり、有機電解液は、支持電解質として六フッ化リン酸リチウムが有機溶剤に溶解されたものであり、セパレータは、樹脂製の織布や不織布、またガラス繊維やセルロース繊維製のセパレータであるリチウム二次電池が知られている(特許文献2)。
リチウム二次電池の集電箔に突出部を有する貫通孔を設けることが知られている(特許文献3)。
また、非水電解液の電解質として、リチウムイミド塩類と、六フッ化リン酸リチウム(以下、LiPF6という)化合物とを混合して用いることが知られている(特許文献4)。
しかしながら、上記(1)および(2)の工夫によって大電流充放電は可能となるが、−30℃、20ItA以上での放電、かつ50ItA以上での充電を満足することは困難であった。特に上記(2)の負極活物質を黒鉛材から非晶質炭素材に変更することは高容量化に対して不利でISS用として重要な軽量化という観点から困難であった。これらの目標値はISS用のリチウム二次電池のみならず、HEV、PHEV、EV等の電動駆動で走行する距離を稼ぐために大容量または高容量な電池に対して、電池重量を増加をすることなく、走行距離を伸ばすための技術ともなりうる。
国際公開WO2011/049153号公報 国際公開WO2012/140790号公報 特開平6−314566号公報 特開2014−7052号公報
本発明は以上のような問題に対処するためになされたもので、−30℃での放電および25℃での急速充電が可能なリチウム二次電池、具体的には、−30℃、20ItA以上での放電、かつ50ItA以上での充電が可能なISS用のリチウム二次電池の提供を目的とする。
本発明は、金属箔表面に正極材が形成された正電極と金属箔表面に負極材が形成された負電極との間にセパレータを介して、捲回または積層してなる電極群に有機電解液を浸透または浸積させてリチウムイオンの吸蔵・放出を繰返し行なうことにより、−30℃での放電および25℃での急速充電が可能なリチウム二次電池である。
このリチウム二次電池における正極材は、非晶質炭素材が粒子表面に被覆されたリチウム含有金属リン酸化合物粒子と導電性炭素材との表面炭素原子同士が化学的に結合してなる正極材である。また、負極材は、比表面積が6m2/g以上の黒鉛粒子、およびソフトカーボン粒子から選ばれる少なくとも1つの粒子を含み、上記黒鉛粒子および上記ソフトカーボン粒子は非晶質炭素が被覆され、該粒子の表面炭素原子同士が化学的に結合してなる負極材である。
上記リチウム二次電池における、金属箔は、該金属箔を貫通し、かつ少なくとも一方の箔面側に突出部を有する複数の貫通孔を有する金属箔であることを特徴とする。
上記有機電解液は混合電解質を有機溶媒に溶解させた有機電解液であり、上記有機溶媒が混合炭酸エステルであり、上記混合電解質がLiPF6およびリチウムビスフロロスルホン酸イミド(以下、LiSFIという)を含む混合電解質であることを特徴とする。また、上記セパレータは、親水基および酸化物セラミックの少なくとも1つを表面に有する繊維状不織布であることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池は、突出部のある複数の貫通孔を有する金属箔に特定の正・負極材が形成された正・負極、特定の有機電解液、および特定のセパレータを組み合わせたので、従来電池に対して−30℃、20ItA以上での放電、かつ50ItA以上での充電が可能となり、さらにはISS用鉛電池の寿命に対して約2倍の長寿命となった。
複数の貫通孔を備えた金属箔の断面図である。
本発明のリチウム二次電池に使用される各部材の一例について説明する。
正極材は、リチウムイオンの吸蔵・放出を行なう材料であり、非晶質炭素材が粒子表面に被覆されたリチウム含有金属リン酸化合物粒子と導電性炭素材とが配合され、これらの表面炭素原子同士が化学的に結合してなる正極材である。
非晶質炭素材は、グラフェン相およびアモルファス相から選ばれた少なくとも1つの相を表面層として有する炭素材である。ここで、グラフェン相とはsp2結合炭素原子の平面6員環構造一層をいい、アモルファス相とはこの6員環構造が3次元的に構成されたものをいう。このグラフェン相またはアモルファス相は、導電性炭素材表面に形成されている。表面炭素原子同士が化学的に結合するとは、グラフェン相および/またはアモルファス相の乱れによって相互に結合することをいう。
リチウム含有金属リン酸化合物粒子表面に非晶質炭素材を被覆する方法としては、リチウム含有金属リン酸化合物粒子を炭化水素を含んだガスまたは液体で処理した後に、この処理物を還元性雰囲気で焼成することにより得られる。非晶質炭素材は、リチウム含有金属リン酸化合物粒子の表面に密接している。非晶質炭素材の被覆層の厚さは1〜10nm、好ましくは2〜5nmである。10nm以上となると、表面被覆層が厚く電池反応部位である活物質の表面へのリチウムイオンの拡散が低下し、その結果、高出力特性が低下する。
リチウム含有金属リン酸化合物としては、LiFePO4、LiCoPO4、LiMnPO4などが挙げられる。これらの中で、電気化学特性、安全性やコスト面で、リチウム含有金属リン酸化合物としてのオリビン形リチウム金属リン酸化物であるLiFePO4を用いることが好ましい。
導電性炭素材としては、グラフェン相等を少なくとも表面に有する、導電性カーボン粉体および導電性カーボン繊維から選ばれた少なくとも1つの導電性炭素材であることが好ましい。
導電性カーボン粉体としては、具体的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、および黒鉛結晶を含む粉体から選ばれた少なくとも1つの導電性カーボン粉体であることが好ましい。
導電性カーボン繊維としては、具体的にはカーボン繊維、グラファイト繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブのうちの少なくとも1種類であることが好ましい。カーボン繊維の繊維径としては5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜100nmであることがより好ましい。また、繊維長が100nm〜50μmであることが好ましく、1μm〜30μmであることがより好ましい。
また、導電性炭素材の配合割合は、正極材構成材料全体を100質量%として、導電性炭素材は1〜12質量%、好ましくは4〜10質量%配合することができる。
非晶質炭素材が粒子表面に被覆されたリチウム含有金属リン酸化合物粒子および導電性炭素材が配合された混合物における、表面炭素原子同士の化学的結合は、混合物を還元性雰囲気下にて焼成することによりなされる。
負極材は、リチウムイオンの吸蔵・放出を行なう材料であり、(1) 比表面積が6m2/g以上の黒鉛粒子、(2)ソフトカーボン粒子、または(3)これらの組み合わせからなる負極材であり、これら粒子の表面に非晶質炭素材層が形成され、さらに活性炭層が形成される場合がある負極材である。
比表面積が6m2/g以上の黒鉛粒子としては、人造黒鉛、または天然黒鉛を含む黒鉛系炭素材が挙げられる。
ソフトカーボン粒子は、不活性雰囲気または還元性雰囲気中で加熱処理を施したとき、炭素原子が構成する六角網平面、いわゆるグラフェン相が規則性をもって積層した構造である黒鉛構造を表面に発達させやすい炭素粒子である。
活性炭としては、おがくず、木材チップ、木炭、ヤシガラ炭、石炭、フェノール樹脂、レーヨンなどを原料として製造される炭化物を約1000℃近い高温で加熱処理して得られる。本発明で使用できる活性炭としては、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましい。特に比表面積が1500〜2200m2/gであることが好ましい。なお、比表面積はBET3点法を使い測定された値である。
使用できる活性炭の市販品としては、クレハケミカル社製のMSP−20N品番(比表面積が2100m2/g)、フタムラ化学社製の太閤活性炭Cタイプ(比表面積が1680m2/g)が例示できる。
負極材の平均粒子径は5〜10μmであることが好ましく、負極材構成材料の配合比で60〜95質量%、好ましくは70〜80質量%配合することができる。
負極材は、上述した導電性カーボン粉体および導電性カーボン繊維を併用することが好ましく、配合割合としては、質量比で[導電性カーボン粉体/導電性カーボン繊維=(2〜8)/(1〜3)]であることが好ましい。
また、負極材構成材料の配合割合で、導電材は1〜12質量%、好ましくは2〜8質量%配合することができる。
また、負極材の表面に活性炭層を形成する場合、その厚さは10μm以下、好ましくは5μm以下である。より好ましくは1〜3μmである。
負極材を構成する粒子の表面炭素原子同士の化学的結合は、混合物を還元性雰囲気下にて焼成することによりなされる。
集電体となる金属箔は、当該箔を貫通し、かつ少なくとも一方の箔面側に突出部を有する複数の貫通孔を有する金属箔である。金属箔の一例を図1に示す。
図1は突出部を有する複数の貫通孔を備えた金属箔の断面図である。
金属箔1は、貫通孔3周囲に突出部2が設けられている。なお、貫通孔3は、金属箔1の全面にわたって形成されていても、また一部に非突出面の平坦な箔部を残して一部分に形成されていてもよい。好ましくは電池製造上の集電箔の強度の関係で、一部に形成されている方がよりよい。特に、集電箔の両幅部分には貫通孔3を形成することなく、貫通孔3のない平坦な箔部分を残すことが好ましい。
上記貫通孔3の箔断面形状は、多角錐、円柱状、円錐状等また、これら形状の組み合わせなどいずれの形状でも使用可能である。加工速度や加工治具の加工ショットライフ、さらには突出孔先端部の加工後の箔の切り粉や剥離粉の発生可能性から、円錐状がより好ましい。
また、この貫通孔3は、金属箔1を突き破って形成されることが集電効果を向上させるので好ましい。金属箔1を突き破って形成される貫通孔3は、金属箔1にパンチング加工で形成される、突出部のない貫通孔またはエンボス加工で形成される凹凸に比較して、リチウム二次電池としたときの大電流充放電に優れ、サイクル時の内部短絡等の耐久性に優れる。
貫通孔3の直径t2が50〜150μmの円孔であり、突出部2の高さt1が50〜400μmであり、隣接する貫通孔3との距離t3が300〜2000μmである。貫通孔分布を上記範囲に設けることにより、貫通孔形成面が全体として面圧を受けることになり、例えば直接貫通孔形成面に接して巻き取りロールで巻き取っても貫通孔が塞がれることがない。
有機電解液は、有機溶媒に支持電解質が溶解されている。
有機溶媒としては複数の炭酸エステルを混合した混合炭酸エステルであることが好ましい。また、−30℃、20ItA以上での放電が可能となるリチウム二次電池を構成できる混合炭酸エステルであることが好ましい。
炭酸エステル類としては、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)が挙げられる。混合炭酸エステルとしては−30℃で凍結しない配合の混合炭酸エステルが好ましい。より好ましくは、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジメチル(DMC)、および炭酸メチルエチル(MEC)の3成分からなる混合炭酸エステルが挙げられる。
上記支持電解質は、LiPF6およびLiFSIが混合された混合電解質である。
混合電解質は上記有機溶媒に溶解されている。LiPF6およびLiFSIの配合比率としては(LiPF6/LiFSI=(1/0.2)〜(0.4/0.8))であることが好ましい。また、支持電解質総濃度は1.0〜1.3molとすることが好ましい。
LiPF6へLiFSIを添加する場合、LiFSI添加量を変化させたときの電池特性を調査した。電池は3.4V−500mAhラミネートセルを用いて、電解液をLiPF6単独、LiPF6/LiFSI=1/0.2、LiPF6/LiFSI=1/0.6の3水準とする以外、他の仕様はすべて同一として、直流抵抗、容量を測定した。結果を表1に示す。なお、LiPF6単独のイオン伝導度(ms/cm)は8.0であり、LiFSI単独のイオン伝導度(ms/cm)は10.0であった。また、LiPF6単独の粘度(cP)は30であり、LiFSI単独の粘度(cP)は20であった。
Figure 0006606702
表1に示すように、LiPF6にLiFSIを添加することにより、直流抵抗を低下させると共に、低温での電池容量を向上させることが分かった。
セパレータは、正電極および負電極を電気的に絶縁して電解液を保持するものである。セパレータは200℃以上の耐熱性を有することが好ましい。また、親水基を表面に有することが好ましく、親水基としては−OH基、−COOH基が挙げられる。また、第3および第4族元素酸化物等のセラミックを有する繊維状不織布が好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、上記正電極および負電極、これら電極を構成する上記電極材および導電材、上記集電体となる金属箔、上記有機電解質、上記セパレータが組み合わされて、ISS用のリチウム二次電池としての性能を満足できる。
実施例1
本発明のリチウム二次電池に使用できる正電極を以下の方法で製造した。
非晶質炭素が表面に被覆されたオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を正極活物質とした。この正極活物質84.6質量部に、導電剤としてアセチレンブラック7.52質量部および直径が15nmのカーボンナノチューブ1.88質量部とを混合して、還元性雰囲気下、750℃にて1時間焼成して正極材を得た。この正極材に結着剤として6質量部のポリフッ化ビニリデンを添加した。これに分散溶媒として、N−メチル−2−ピロリドンを添加し、混練して、正極合剤(正極スラリー)を作製した。
上記正極スラリーを20μm厚さのアルミニウム箔に両面凸高さで100μmの突出部を作製し、その貫通孔径は80μmとなるように加工した箔で両面に100g/m2ずつの塗工量で塗布、乾燥した。その後、プレス、裁断してリチウム二次電池用の正電極を得た。アルミニウム箔の両面に正極スラリーを塗布・乾燥後、プレスした時の正電極の総厚さは120μmであった。
本発明のリチウム二次電池に使用できる負極を以下の方法で製造した。
表面に非晶質炭素材が被覆された比表面積が8m2/gの天然黒鉛粒子を91.2質量部に、非晶質炭素材被覆を施したソフトカーボン粒子を4.8質量部混合して、さらにアセチレンブラック1質量部、ケッチェンブラック0.5質量部、およびカーボンナノチューブ0.5質量部を添加して、還元性雰囲気下、1100℃で1時間焼成し負極材を得た。この負極材にバインダーのSBR/CMCエマルジョン溶液を2質量部添加してスラリーを作製した。次ぎに10μm厚さの銅箔に当該スラリーを片面46g/m2となるように両面塗工して乾燥を行なった。続いてプレスを行ない総厚さが72μmとなるように調整して裁断して負電極とした。
前述で作製した正電極および負電極を用いて、セパレータにはセルロース繊維製の厚さ20μmの不織布を介在させて、正電極8枚、負電極9枚の3.4V-500mAhのアルミラミネートフィルムパック式リチウム二次電池を作製した。電解液にはEC、MEC、DMC溶媒を混合した溶液中に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を0.6mol/lとリチウムビスフロロスルホン酸イミド(LiSFI)0.6mol/lとを溶解したものを用いた。
実施例1で得られたリチウム二次電池の初充電と容量確認後、電池の充電量(SOC)50%時の放電および充電DCR値を測定した。測定方法は室温(25℃)にて各測定毎にSOC50%状態に電池を調整し、開路の状態から各1ItA、 5ItA、10ItAの電流で放電して10秒目の電池電圧を測定し、開路電圧からの各放電時の電圧降下分を各電流に対してプロットし、最小2乗法直線化したグラフの傾きを10秒目の放電DCR値とした。充電の場合は逆にSOC50%に調整した電池の同電流で充電した際の開路電圧からの充電電圧上昇分を各充電電流に対してプロットしたグラフから10秒目の充電DCR値を算出した。つぎに−30℃で各電池容量に対する20ItAおよび30ItAの電流で2.5Vまでの放電持続時間を測定した。さらに回生充電能力を比較するために、1ItA定電流2.0Vまでの放電容量を確認後、各々30ItA、50ItA、80ItAのそれぞれ電流値で4.0Vまでの定電流充電を行ない、1ItA放電容量に対する回生回復充電容量の比率を充電効率として算出し、この効率をもって回生充電能力の比較とした。上記それぞれの結果を表2、3および4にまとめた。
実施例2
実施例1で得られた負極材の表面にさらに活性炭層を形成した。形成方法としては該負極材に比表面積1000m2/gの活性炭とPVDF粉末を混合して、PVDFが溶融分解する350℃で焼成した。
上記負極材を用いる以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。この電池も目標の−30℃、20ItA以上での放電、かつ50ItA以上での充電可能となり実施例1と同じ効果が得られた。また、実施例1と同様の評価を行なった結果を表2、3および4にまとめた。
比較例1
非晶質炭素が表面に被覆されたオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を正極活物質とし、この正極活物質84.6質量部に、導電剤としてアセチレンブラックが7.52質量部および直径が15nmのカーボンナノチューブ1.88質量部とを混合して、焼成することなく、正極材を得た。この正極材に結着剤として6質量部のポリフッ化ビニリデンを添加した。これに分散溶媒として、N−メチル−2−ピロリドンを添加し、混練して、正極合剤(正極スラリー)を作製した。
上記正極スラリーを20μm厚さのアルミニウム箔の両面に100g/m2ずつの塗工量で塗布、乾燥した。その後、プレス、裁断してリチウム二次電池用の正電極を得た。アルミニウム箔の両面に正極スラリーを塗布・乾燥後、プレスした時の正電極の総厚さは120μmであった。
大電流放電や充電時の負極活物質上での金属リチウム析出を考慮して、非晶質炭素が表面に被覆されていない負電極材を準備した。比表面積が8m2/gで平均粒子径約5μmの天然黒鉛粒子を91.2質量部に、ソフトカーボン粒子を4.8質量部混合して、さらにアセチレンブラック1質量部、ケッチェンブラック0.5質量部、およびカーボンナノチューブ0.5質量部を添加し、バインダーのSBR/CMCエマルジョン溶液を2質量部添加してスラリーを作製した。次ぎに10μm厚さの銅箔に当該スラリーを片面46g/m2となるように両面塗工して乾燥を行なった。続いてプレスを行ない総厚さが72μmとなるように調整して裁断して負電極とした。
前述で作製した正電極と負電極とを用いる以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。実施例1と同様の評価を行なった結果を表2、3および4にまとめた。
比較例2
実施例1のリチウム二次電池において、電解液の支持電解質が1.2M−LiPF6単独を使用する以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。実施例1と同様の評価を行なった結果を表2、3および4にまとめた。
比較例3
実施例1のリチウム二次電池において、セパレータを20μm厚のポリエチレン製フィルムを使用する以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。実施例1と同様の評価を行なった結果を表2、3および4にまとめた。
Figure 0006606702
表2より、実施例1および2では各比較例に対して極めて抵抗値が低くなるが、活性炭の有無による効果は充電側で少し見られるが大きな差異は見られなかった。一方、各比較例はいずれも効果の差こそあるが、正電極および負電極、これら電極を構成する電極材および導電材、集電体となる金属箔、有機電解質、セパレータの総てが組み合わされていないので、実施例1および2には及ばないことが分かった。
Figure 0006606702
表3より、実施例1および2では20ItAならびに30ItAともに放電可能であり−30℃でのアイドリングストップシステム用の鉛電池代替が可能と分かる。しかし比較例1、2や3は僅かに改善するが、代替としての−30℃低温下電池動作が不可能であることがわかった。
Figure 0006606702
表4より、実施例1および2のリチウム二次電池は室温(25℃)下で1分以内(80ItA時)の超急速充電が可能であることがわかった。これは、実施例1および2のリチウム二次電池全体の電気抵抗が低くなったことに加えて、電気化学的な機構としては正極の非晶質炭素材部や、特に負極表面の非晶質炭素部分の大比表面積化や活性炭層でリチウムイオンがキャパシタのように先ずはイオン吸着され、金属リチウムの析出を起こさず、続いて充電電流に見合った反応速度とは関係なく、徐々に固体内拡散にて内部の活物質黒鉛炭素層間に挿入していったためと考える。それが比較例1のリチウム二次電池では充電反応速度とリチウムイオンの受け手である特に負極黒鉛表面でのインターカレーション速度が合わずに、固体内拡散律速となって分極してしまい、結果として充電電圧が4.0Vに早期に達して充電負荷となったものと考える。一方比較例2や3のリチウム二次電池では正・負極は実施例と同様であるが、リチウムイオンの支持電解質の違いによる拡散能力が低かったためと、セパレータの保液能力不足によるリチウムイオンの電極界面での絶対量不足により、比較例1のリチウム二次電池と同様に分極したためと考えられる。
本発明のリチウム二次電池は、−30℃でも20ItA以上の放電が可能でアイドリングストップシステム用の鉛電池代替の電池としての能力を有し、さらには50ItA以上の回生充電が可能で、鉛電池を凌ぐ性能を有することが分かった。したがって、本発明の電池はアイドリングストップシステムの電源のみならず、HEV、PHEV、EV用の駆動電源としても低温下で作動し、かつ電池容量、容積や重量を増やすことなく、回生能力で電力走行距離を伸ばして燃費向上に有効な能力を持った車載等の産業用電池への展開が可能となった。
1 金属箔
2 突出部
3 貫通孔

Claims (3)

  1. 金属箔表面に正極材が形成された正電極と金属箔表面に負極材が形成された負電極との間にセパレータを介して、捲回または積層してなる電極群に有機電解液を浸透または浸積させてリチウムイオンの吸蔵・放出を繰返し行なうことにより、−30℃での放電および25℃での急速充電が可能なエンジンスターター用リチウム二次電池であって、
    前記正極材は、非晶質炭素材が粒子表面に被覆されたリチウム含有金属リン酸化合物粒子と導電性炭素材との表面炭素原子同士が化学的に結合してなる正極材であり、
    前記負極材は、比表面積が6m2/g以上の黒鉛粒子、およびソフトカーボン粒子から選ばれる少なくとも1つの粒子を含み、前記黒鉛粒子および前記ソフトカーボン粒子は非晶質炭素が被覆され、該粒子の表面炭素原子同士が化学的に結合してなる負極材であり、
    前記金属箔は、該金属箔を貫通し、かつ少なくとも一方の箔面側に突出部を有する複数の貫通孔を有する金属箔であり、
    前記有機電解液は混合電解質を有機溶媒に溶解させた有機電解液であり、前記混合電解質は、六フッ化リン酸リチウムおよびリチウムビスフロロスルホン酸イミドを含む混合電解質であり、
    前記有機溶媒は、炭酸エチレン、炭酸メチルエチル、および炭酸ジメチルを含む混合炭酸エステルであり、
    前記混合電解質中の六フッ化リン酸リチウムおよびリチウムビスフロロスルホン酸イミドの配合比率が(六フッ化リン酸リチウム/リチウムビスフロロスルホン酸イミド)=(1/0.2)〜(0.4/0.8)であり、
    前記セパレータは、親水基を表面に有するセルロース繊維状不織布であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記負極材は活性炭が配合されて、該活性炭および前記負極材を構成する粒子の表面炭素原子同士が化学的に結合してなることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 前記表面炭素原子同士の化学的結合は、各炭素材をフッ素樹脂と混合して、該フッ素樹脂が溶融分解する温度以上で焼成することによりなされることを特徴とする請求項記載のリチウム二次電池。
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