JP6606367B2 - 鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法 - Google Patents

鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法 Download PDF

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本発明は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法に関する。
上水源となる河川水や地下水等には溶解性鉄や溶解性マンガンが含まれている場合がある。このような鉄/マンガン含有水中の溶解性鉄や溶解性マンガンを除去する方法としては、接触マンガン砂ろ過法が知られている。接触マンガン砂ろ過法は、原水をマンガン砂の充填槽中を下向流で通過させる間に、溶解性マンガンを酸化析出させ、マンガン砂に捕捉させる方法である。
また、鉄/マンガン含有水の高速処理を行う方法として、原水に塩素を添加しながら、酸化マンガン触媒が充填された酸化処理槽に例えば1,000m/日以上の高線速の上向流で通水して、原水中の鉄およびマンガンを酸化析出させ、後段のろ過膜で酸化析出物を除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、接触マンガン砂ろ過法に比べて、高線速で原水を通水できるため、設備を小型化することができるうえ、原水中の濁質による閉塞が少ないため、酸化処理槽の洗浄頻度も少なくできるという利点を持つ。
このような装置において鉄/マンガンの処理能力が低下した場合には、例えば特許文献1に示されているように、通常運転時の線速を超え2000〜3500m/日のさらに高線速の上向流として通水して洗浄し、酸化マンガン触媒への付着物を取り除くことが一般的である。
しかし、このような洗浄方法では、通常運転時の処理と比べて、高流速で通水しなければならないため、水回収率が下がってしまうという問題がある。また、通水と洗浄をどちらも同じ原水ポンプで行うため、ポンプ容量を洗浄用に合わせて高揚程のものとし、さらに流量調整用のインバータを設置し、その都度流量を合わせる等、制御が複雑となってしまうという問題もある。さらに原水中にシリカ、硬度成分、鉄等が高濃度に含まれる場合は、通水を継続することによって酸化マンガン触媒上にこれらの物質が析出し、高流速洗浄を行っても、触媒性能が回復しないという問題もある。
特許第3786888号公報
本発明の目的は、酸化触媒の触媒性能を効率的に回復することができる鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、前記酸化剤が添加された酸化剤添加水が上向流で通水され、前記酸化剤添加水を酸化処理する、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽と、前記酸化処理した酸化処理水を膜ろ過する膜ろ過装置と、pH0.5以上4以下の酸含有液を用いて前記酸化触媒を再生する触媒再生手段と、を備え、前記触媒再生手段は、LV250m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液するものである鉄/マンガン含有水の処理装置である。
前記鉄/マンガン含有水の処理装置において、前記酸含有液のpHが、1以上3以下の範囲であることが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理装置において、前記触媒再生手段は、LV500m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液するものであることが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理装置において、前記鉄/マンガン含有水を貯留する原水槽と、前記酸化処理槽に通液された酸含有液を前記原水槽に循環する循環手段と、をさらに有することが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理装置において、前記酸含有液は、酸として無機酸を含有することが好ましい。
また、本発明は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加工程と、前記酸化剤が添加された酸化剤添加水を、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽に上向流で通水して酸化処理する酸化処理工程と、前記酸化処理された酸化処理水を膜ろ過装置に通水して膜ろ過する膜ろ過工程と、pH0.5以上4以下の酸含有液を用いて前記酸化触媒を再生する触媒再生工程と、を含み、前記触媒再生工程において、LV250m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液する鉄/マンガン含有水の処理方法である。
前記鉄/マンガン含有水の処理方法において、前記酸含有液のpHが、1以上3以下の範囲であることが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理方法における前記触媒再生工程において、LV500m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液することが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理方法において、前記酸化処理槽に通液された酸含有液を循環して、前記鉄/マンガン含有水に混合することが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理方法において、前記酸含有液は、酸として無機酸を含有することが好ましい。
本発明では、酸含有液を用いて酸化触媒を再生することにより、触媒性能を効率的に回復することができる鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明の実施形態に係る鉄/マンガン含有水の処理装置の一例を示す概略構成図である。 実施例で用いた鉄/マンガン含有水の処理装置を示す概略構成図である。 実施例1−1〜1−4および比較例1における洗浄方法の違いによる処理水のマンガン濃度(mg/L)を示す図である。 実施例1−4,2−1〜2−4における洗浄水のpHの違いによる処理水のマンガン濃度(mg/L)を示す図である。 実施例1−4,3および比較例1における洗浄方法の違いによる処理水のマンガン濃度(mg/L)を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。鉄/マンガン含有水処理装置1は、二酸化マンガンを含む酸化触媒が充填された酸化処理槽12と、膜ろ過装置14とを備える。鉄/マンガン含有水処理装置1は、原水槽10と、処理水槽16とを備えてもよい。
図1の鉄/マンガン含有水処理装置1において、原水槽10の原水入口には原水配管30が接続され、原水槽10の出口と酸化処理槽12の酸化剤添加水入口とはポンプ22を介して原水供給配管32により接続されている。酸化処理槽12の酸化処理水出口と膜ろ過装置14の入口とは酸化処理水配管34により接続され、膜ろ過装置14の膜ろ過水出口と処理水槽16の入口とは膜ろ過水配管36により接続されている。処理水槽16の処理水出口には処理水配管38が接続されている。また、処理水槽16の逆洗水出口と膜ろ過水配管36の途中とはポンプ28を介して逆洗水配管44により接続されている。原水供給配管32のポンプ22の下流側には、酸貯槽18の出口がポンプ24を介して酸添加配管40により接続され、さらにその下流側には、酸化剤貯槽20の出口がポンプ26を介して酸化剤添加配管42により接続されている。原水供給配管32における酸添加配管40との接続点の下流側には、pH測定手段として、pH測定装置48が接続されている。酸化処理槽12の再生排水出口と原水槽10の再生排水入口とは循環手段としての循環配管46により接続されている。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理方法および鉄/マンガン含有水処理装置1の動作について説明する。
原水である、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水は、原水配管30を通して、必要に応じて原水槽10に貯留される。鉄/マンガン含有水は、ポンプ22によって原水供給配管32を通して酸化処理槽12に送液されるが、原水供給配管32の途中において酸化剤貯槽20から酸化剤がポンプ26によって酸化剤添加配管42を通して鉄/マンガン含有水に添加され(酸化剤添加工程)、酸化剤添加水として酸化処理槽12に送液される。この場合、酸化剤貯槽20、ポンプ26および酸化剤添加配管42が酸化剤添加手段として機能する。
酸化処理槽12において、酸化剤添加水は上向流で通水され、充填された二酸化マンガンを含む酸化触媒により酸化処理される(酸化処理工程)。鉄/マンガン含有水に酸化剤が添加されながら、二酸化マンガンを含む酸化触媒が充填された酸化処理槽12に通水されることにより、溶存鉄および溶存マンガンが酸化析出される。
酸化処理された酸化処理水は、酸化処理槽12の出口から酸化処理水配管34を通して膜ろ過装置14へ送液され、膜ろ過装置14において、酸化析出された析出物が膜ろ過される(膜ろ過工程)。
膜ろ過装置14の膜ろ過水は、膜ろ過水配管36を通して必要に応じて処理水槽16へ送液され、貯留される。処理水槽16に貯留された処理水の所定の量が処理水配管38を通して排出される。
膜ろ過装置14の膜の洗浄が必要となった場合、処理水槽16に貯留された処理水の少なくとも一部がポンプ28によって逆洗水配管44を通して膜ろ過水出口側から膜ろ過装置14へ供給され、ろ過膜の逆洗が行われる(逆洗工程)。この場合、処理水槽16、ポンプ28および逆洗水配管44が逆洗手段として機能する。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置1において、酸化処理槽12における鉄/マンガンの処理能力が低下した場合には、酸含有液を用いて酸化触媒が再生される(触媒再生工程)。
酸化触媒の再生は、例えば、酸化処理槽12に上向流または下向流で酸含有液を予め定めた通液量で通液して行ってもよいし、酸化処理槽12から取り出した酸化触媒を酸含有液に予め定めた時間、浸漬して行ってもよい。酸化触媒の触媒性能をより効率的に回復することができる等の点から、酸化処理槽12に上向流で酸含有液を通液することが好ましい。例えば、図1に示すように、原水供給配管32の途中において酸貯槽18から酸がポンプ24によって酸添加配管40を通して原水である鉄/マンガン含有水に添加され、酸含有液として、ポンプ22により酸化処理槽12に上向流で通液して、酸化触媒を再生すればよい。この場合、酸貯槽18、ポンプ24および酸添加配管40が触媒再生手段として機能する。
鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加しながら、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽12に通水することにより溶存鉄および溶存マンガンのうち少なくとも1つを酸化析出させ、その酸化処理水を膜ろ過する鉄/マンガン含有水処理装置1において、酸化触媒の性能が劣化した場合に、酸含有液を用いて触媒の再生が行われる。これにより、酸化触媒の触媒性能を効率的に回復することができる。原水である鉄/マンガン含有水中にシリカ、硬度成分、鉄等が高濃度に含まれる場合は、通水を継続することにより酸化触媒上にこれらの物質が析出し、高線速洗浄を行っても、触媒性能が回復しにくくなることがあるが、酸含有液を用いた洗浄を行うことにより触媒性能は初期とほぼ同程度まで回復可能となる。また、この洗浄を行う際の線速(LV)は特許文献1に示されているように、2000〜3500m/日の高線速でなくてもよく、通常運転時の通水線速と同等以下でも十分であるため、ポンプ容量を洗浄用に合わせて高揚程のものとしなくてもよい。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置1により、シリカ、硬度成分、鉄等が含まれ、触媒劣化が起こりやすいような原水に対しても安定した鉄/マンガンの処理が可能となる。また、洗浄の際には、高線速での通液を行わなくてもよく、従来システムと比較して低コストでコンパクトな装置とすることができる。
酸化触媒の再生は、上記の通り、原水を用いてもよいし、別途、水槽およびポンプ等を設け、原水以外の水に酸を添加して酸化処理槽12に通液してもよい。処理水量をできるだけ増加させないという観点からは、原水に酸を添加して酸化処理槽12に通液することが好ましい。
酸含有液のpHは、4未満であることが好ましく、0.5以上3.5以下の範囲であることがより好ましく、1以上3以下の範囲であることがさらに好ましい。酸含有液のpHが1未満であると、酸化触媒の劣化が生じる場合があり、3を超えると、触媒性能の回復が十分ではない場合がある。酸含有液のpHは、pH測定装置48により測定される。
酸化処理槽12に上向流で酸含有液を通液する場合の通液量は、LV250m/日以上であることが好ましく、LV500m/日以上であることがより好ましく、LV500m/日以上2000m/日未満の範囲であることがさらに好ましく、LV500m/日以上1200m/日以下の範囲であることが特に好ましい。LV500m/日未満であると、触媒性能の回復が十分ではない場合があり、LV1200m/日を超えると、水回収率が低下する場合があり、高揚程のポンプが必要となる場合がある。
酸含有液に含まれる酸としては、原水等のpHを酸性に調整できるものであればよく、特に制限はないが、塩酸、硫酸等の無機酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。これらのうち、酸化処理槽12内の有機物濃度の上昇を抑制する、排水中の有機物濃度の上昇を抑制する等の点から、無機酸が好ましく、汎用性やコスト面等の点から塩酸、硫酸がより好ましい。
触媒再生工程において再生後の酸含有液は、再生排水として循環配管46を通して酸化処理槽12から原水槽10へ循環されて、原水槽10において原水である鉄/マンガン含有水に混合されてもよい。この場合、pH測定装置48は、循環配管46に設置されてもよい。再生排水を循環することにより、水使用量を低減することができる。また、触媒再生工程後、原水槽10内の水(再生排水)を原水槽10から排水した後、再び酸化処理工程に入ってもよい。また、触媒再生工程は、通水速度と同等またはそれ以上の線速で原水を上向流で酸化処理槽12に通水して、酸化触媒への付着物等を取り除く洗浄(通常洗浄)を数回程度繰り返した後で実施してもよい。例えば、通常運転(酸化剤添加工程、酸化処理工程および膜ろ過工程)に対し、数日〜数週間に1回の間隔で通常洗浄を行い、数か月〜1年に1回の間隔で触媒再生工程を行ってもよい。
処理対象となる鉄/マンガン含有水は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含み、少なくともマンガンを含むことが好ましく、通常は鉄およびマンガンの両方を含む。鉄/マンガン含有水中の溶解性マンガンの含有量は、例えば0.01〜5mg/Lの範囲である。また、鉄/マンガン含有水がシリカ、硬度成分(カルシウム塩、マグネシウム塩)、鉄等を高濃度に含む場合に、酸含有液による再生効果がより発揮される。鉄/マンガン含有水中のシリカの含有量は、例えば、1mg/L以上400mg/L以下の範囲であり、硬度成分の含有量は、例えば、1mg/L以上1000mg/L以下の範囲であり、鉄の含有量は、例えば、0.1mg/L以上20mg/L以下の範囲である。
処理対象となる鉄/マンガン含有水としては、例えば、河川水、地下水、湖沼水等が挙げられる。
酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、さらし粉、過マンガン酸カリウム、二酸化塩素等が挙げられ、ランニングコスト、汎用性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
酸化剤の添加量は、例えば、鉄/マンガン含有水中の溶解性鉄に対しては、鉄の含有量1モルに対して0.5モル以上2モル以下の範囲、溶解性マンガンに対しては、マンガン含有量1モルに対して1モル以上4モル以下の範囲である。酸化剤の添加量が上記の値未満であると、反応が不十分となる場合があり、過剰に入れすぎると、コスト面で不利となる上に、トリハロメタン生成量が増大する場合がある。
酸化処理槽12で用いられる二酸化マンガンを含む酸化触媒としては、例えば、二酸化マンガンが粒状、固形状となった酸化触媒や、マンガン砂等が挙げられる。また、二酸化マンガンとしては、特に制限はなく、α型、β型、ε型、γ型、λ型、δ型およびR型の結晶構造を有する二酸化マンガンが挙げられ、これらのうち、反応性等の点から、β型の結晶構造を有する二酸化マンガンが好ましい。
酸化処理槽12では、二酸化マンガンを含む酸化触媒は上向流で原水が触媒層に通水されることにより、流動状態となり膨張床が形成される。
二酸化マンガンを含む酸化触媒の密度は、2.8g/cm以上であることが好ましい。二酸化マンガンを含む酸化触媒の密度が2.8g/cm未満であると、高速で通水した場合に触媒が展開し、酸化処理槽12の槽高が高くなる場合がある。
二酸化マンガンを含む酸化触媒の粒径は、0.4mm〜2.0mmの範囲であることが好ましい。二酸化マンガンを含む酸化触媒の粒径が0.4mm未満であると、触媒の展開率が上がり、粒径の小さいものが流出する場合があり、2.0mmを超えると、触媒表面積が減り、反応効率が低下する場合がある。
酸化処理槽12における上向流による通水流速は、例えば、1,000m/日〜3,600m/日の範囲の高線速であり、1,200m/日〜2,400m/日の範囲であることが好ましい。酸化処理槽12における上向流による通水流速が1,000m/日未満であると、触媒が略均一に流動せず、片流れが生じる場合があり、3,600m/日を超えると、触媒の展開率が上がり、酸化処理槽12の槽高が高くなる場合がある。
酸化処理槽12における反応温度は、例えば、1℃〜50℃の範囲である。
膜ろ過装置14において用いるろ過膜は、酸化析出された鉄およびマンガン等の析出物をろ過できるものであればよく、特に制限はないが、例えば、UF膜、MF膜等が挙げられ、二酸化マンガンを含む酸化触媒から剥離した微細なマンガン粒子(例えば、0.1μm未満)等を除去できる等の点から、UF膜が好ましい。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置および処理方法は、例えば、浄水処理場、地下水の用水処理等において好適に適用可能である。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1,2、比較例1>
図2に示す鉄/マンガン含有水処理装置3を用いて鉄/マンガン含有水(鉄濃度:0.7(4.8)mg/L、マンガン濃度:0.1(1.0)mg/L、カルシウム濃度:60(73)mg/L、マグネシウム濃度:45(51)mg/L、シリカ濃度:47(56)mg/L(値はいずれも約9ヶ月間の平均値(( )内は最大値))を約9ヶ月間連続通水し、活性の劣化した酸化マンガン触媒をサンプリングした。この活性の劣化した酸化マンガン触媒について、カラム実験機にて異なる洗浄方法(参考例1−1、実施例1−2〜1−4、比較例1)および異なる洗浄pH(実施例2−1〜2−4)で洗浄、再生後、それぞれ模擬原水を通水したときの処理性能を確認した。酸化マンガン触媒として、粒径0.5mm、比重4.0の触媒粒子を用いた。洗浄方法確認実験の条件を表1に、洗浄pH確認実験の条件を表2に、それぞれの触媒洗浄後のカラム通水実験の条件を表3に示す。また洗浄方法確認実験の結果を図3に、洗浄pH確認実験の結果を図4に示す。
約9ヶ月間連続通水を行うことにより、酸化マンガン触媒の顕著な性能劣化が確認された。この触媒の表面をSEM(日立製作所製、SU1510型)・EDX(堀場製作所製、X−Max20型)により観察したところ、鉄やシリカ等が触媒表面にコーティングされている様子が観察された。
この活性の劣化した触媒に対して、比較例1では、特許文献1に示されているように、純水(pH7)を用いて通常運転時の線速を超える3500m/日の高線速で上向流洗浄を行ったが、触媒の性能回復はほとんど見られなかった。そこで、実施例1−1では、純水に硫酸を添加してpH2に調整した酸含有液を用い、20℃で12時間の浸漬洗浄を行った。その結果、初期の新品触媒と比較すると処理性は十分ではなかったが、比較例1に比べて性能の回復が見られた。硫酸による洗浄が性能回復に効果的であることが分かったので、実施例1−1と同様に純水に硫酸を添加してpH2に調整した酸含有液を用い、循環による洗浄を行った。その結果、実施例1−2では、LV250m/日の循環洗浄を行うことにより、実施例1−1の浸漬洗浄の場合と比べて触媒性能は回復した。実施例1−3、実施例1−4では、さらに循環洗浄時のLVを500m/日、1200m/日とすることで触媒は初期とほぼ同等の状態まで回復した。このように、酸含有液を用いて触媒の再生を行うことにより、触媒性能を効率的に回復することができた。特に、LV500m/日以上の循環洗浄を行うことにより、触媒性能が効率的に大幅に回復することがわかった。
なお、実施例1−3、実施例1−4で洗浄、再生した酸化マンガン触媒の表面をSEM・EDXにより観察したところ、触媒表面のコーティングはほとんど除去されている様子が観察された。
また、循環洗浄に用いる酸含有液のpHを0.5(実施例2−1),1(実施例2−2),2(実施例1−4)、3(実施例2−3),4(実施例2−4)に変えた実験でも、性能の回復が見られた。特に、pHが1以上3以下の範囲であれば、触媒性能が初期とほぼ同等まで回復することがわかった。
<実施例3>
実施例3では、純水に硫酸を添加してpH2に調整した酸含有液を用い、通水LV1200m/日で、30分間の循環による洗浄を行い、比較例1、実施例1−4との比較を行った。洗浄方法確認実験の条件を表4に、洗浄方法確認実験の結果を図5に示す。
このように、通水LV1200m/日で30分間の循環でも、比較例1に比べて、性能の回復が見られ、初期とほぼ同等の状態まで回復した。
以上のように、酸含有液を用いて酸化触媒を再生することにより、触媒性能を効率的に回復することができた。
1,3 鉄/マンガン含有水処理装置、10 原水槽、12 酸化処理槽、14 膜ろ過装置、16 処理水槽、18 酸貯槽、20 酸化剤貯槽、22,24,26,28 ポンプ、30 原水配管、32 原水供給配管、34 酸化処理水配管、36 膜ろ過水配管、38 処理水配管、40 酸添加配管、42 酸化剤添加配管、44 逆洗水配管、46 循環配管、48 pH測定装置。

Claims (10)

  1. 鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
    前記酸化剤が添加された酸化剤添加水が上向流で通水され、前記酸化剤添加水を酸化処理する、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽と、
    前記酸化処理した酸化処理水を膜ろ過する膜ろ過装置と、
    pH0.5以上4以下の酸含有液を用いて前記酸化触媒を再生する触媒再生手段と、
    を備え
    前記触媒再生手段は、LV250m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液するものであることを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  2. 請求項1に記載の鉄/マンガン含有水の処理装置であって、
    前記酸含有液のpHが、1以上3以下の範囲であることを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の鉄/マンガン含有水の処理装置であって、
    前記触媒再生手段は、LV500m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液するものであることを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄/マンガン含有水の処理装置であって、
    前記鉄/マンガン含有水を貯留する原水槽と、
    前記酸化処理槽に通液された酸含有液を前記原水槽に循環する循環手段と、
    をさらに有することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉄/マンガン含有水の処理装置であって、
    前記酸含有液は、酸として無機酸を含有することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  6. 鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加工程と、
    前記酸化剤が添加された酸化剤添加水を、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽に上向流で通水して酸化処理する酸化処理工程と、
    前記酸化処理された酸化処理水を膜ろ過装置に通水して膜ろ過する膜ろ過工程と、
    pH0.5以上4以下の酸含有液を用いて前記酸化触媒を再生する触媒再生工程と、
    を含み、
    前記触媒再生工程において、LV250m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理方法。
  7. 請求項6に記載の鉄/マンガン含有水の処理方法であって、
    前記酸含有液のpHが、1以上3以下の範囲であることを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理方法。
  8. 請求項6または7に記載の鉄/マンガン含有水の処理方法であって、
    前記触媒再生工程において、LV500m/日以上1200m/日以下の上向流で前記酸含有液を前記酸化処理槽に通液することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の鉄/マンガン含有水の処理方法であって、
    前記酸化処理槽に通液された酸含有液を循環して、前記鉄/マンガン含有水に混合することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の鉄/マンガン含有水の処理方法であって、
    前記酸含有液は、酸として無機酸を含有することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理方法。
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