JP6883501B2 - 被処理水の処理方法および陽イオン交換樹脂の逆洗方法 - Google Patents

被処理水の処理方法および陽イオン交換樹脂の逆洗方法 Download PDF

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Description

本発明は、被処理水の処理装置等に関し、より詳しくは、被処理水をイオン交換樹脂に通して処理する被処理水の処理装置等に関する。
製造業の製造工程中において洗浄等の用途に純水が使用されることがある。そして純水を製造する装置において、凝集ろ過装置等の前処理手段により原水に含まれる懸濁物質を除去し、そして前処理後の被処理水に対し、イオン交換樹脂を用いた処理装置等により脱塩を行なって純水とすることがある。
特許文献1には、中間部付近に中間隔壁を設け、下部室には強型イオン交換樹脂、上部室には弱型イオン交換樹脂を充填し、各々の室にフリーボードとその上に比重1.0以下の不活性樹脂を充填した、向流式イオン交換塔の再生方法において、下記(a)〜(e)の工程を順次行う向流式イオン交換塔の再生方法が開示されている。(a)下部集水装置からの高流速逆洗により通水時に蓄積した懸濁物質を排出すると共に、イオン交換樹脂の固定層を形成する工程、(b)(a)の固定層を維持して再生剤を下部集水装置から通薬する工程、(c)固定層を維持して下部集水装置から処理水を通水する再生剤の押出工程、(d)中間隔壁の下から水を低流速で導入し、上部室のみを逆洗する工程、(e)上部集水装置から通水して、洗浄する工程。
また特許文献2には、イオン交換塔を通液可能な仕切部材によって上下に区画して、それぞれに濾過層およびイオン交換層を形成し、水/空気導入管により濾過層を独立して逆洗できるようにするとともに、イオン交換層の再生排液を濾過層に通液して濾過層を洗浄して濾過能力を回復するようにした濾過部一体型のイオン交換装置が開示されている。
さらに特許文献3には、充填層の下部より空気と水とを同時に導入しつつ、スクラビングを行ないながら(1)スクラビングにより展開している充填層の表層に設けられた充填材を通過させず、けん濁物のみを通過させる構造を有する中間集水装置から排水及び排気する工程と、(2)中間集水装置からの排水及び排気を停止し中間集水装置の上部に設けられた排気装置から排気のみを行う工程との両工程をくり返し行うことを特徴とする充填層中のけん濁物を除去する方法が開示されている。
特開平9−117677号公報 特開平8−71552号公報 特開昭60−132691号公報
しかしながら、前処理手段において懸濁物質が十分に除去されず、そのため、懸濁物質が処理装置等に蓄積され、これに起因して圧力損失が過大になることがある。
この場合、処理装置中のイオン交換樹脂を取り出し洗浄を行ない、懸濁物質を除去することも考えられる。しかしイオン交換樹脂を取り出してから洗浄を行ない、さらに再度処理装置中にイオン交換樹脂を充填するのは、時間や労力を多く要する問題がある。そのため処理装置中にイオン交換樹脂を充填したまま、逆洗を行なうことにより懸濁物質を除去する方法がある。しかし単に水や空気により逆洗を行なうのは、懸濁物質が除去されにくく、処理装置中に懸濁物質が残存しやすい問題がある。
本発明は、逆洗を行なう際に懸濁物質を除去しやすく、処理装置中に懸濁物質が残存しにくい被処理水の処理装置等を提供しようとするものである。
また本発明によれば、被処理水を、仕切り部の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂に通水した後に、仕切り部の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂に通水することで処理を行なう処理工程と、空気単独で逆洗を行なう空気逆洗工程と、空気および水を併用して逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程とを含み、洗浄用の空気および/または水を、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂の順に通過させることで、強酸性陽イオン交換樹脂および弱酸性陽イオン交換樹脂の逆洗を行なう逆洗工程と、を含み、逆洗工程は、空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう被処理水の処理方法が提供される。
ここで、逆洗工程は、空気逆洗工程および空気・水併用逆洗工程の前および/または後に水単独で逆洗を行なう水逆洗工程をさらに含むことが好ましい。
また逆洗工程後に、弱酸性陽イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹脂の順に通水させ、弱酸性陽イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹脂を水洗する水洗工程をさらに含むことが好ましい。
さらに水逆洗工程と水洗工程との間に、弱酸性陽イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹脂を静置させる沈静工程をさらに含むことが好ましい。
またさらに逆洗工程は、強酸性陽イオン交換樹脂および弱酸性陽イオン交換樹脂から被処理水に含まれる懸濁物質を除去する工程であるようにすることができる。
またさらに空気逆洗工程、空気・水併用逆洗工程、水逆洗工程および沈静工程の4工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なうようにすることができる。
そして空気逆洗工程、空気・水併用逆洗工程および水抜き工程の3工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水張り工程を行なうようにすることができる。
また空気逆洗工程および空気・水併用逆洗工程の2工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水抜き工程および水張り工程を順に行なうようにすることができる。
さらに本発明によれば、洗浄用の空気を単独で、仕切り部の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂に通過させた後に、仕切り部の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂に通過させることで逆洗を行なう空気逆洗工程と、洗浄用の空気および水を併用して、強酸性陽イオン交換樹脂に通水した後に、弱酸性陽イオン交換樹脂に通水することで逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程と、を含み、空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう陽イオン交換樹脂の逆洗方法が提供される。
本発明によれば、逆洗を行なう際に懸濁物質を除去しやすく、処理装置中に懸濁物質が残存しにくい被処理水の処理装置等を提供することができる。
本実施の形態が適用される純水の製造装置について説明した図である。 陽イオン交換樹脂塔および陽イオン交換樹脂塔に接続される配管について示した図である。 仕切り部の構造について示した図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
(純水)
本実施の形態で製造される純水は、上述の通り製造業の製造工程等において洗浄などの用途に使用される。ただし、本実施の形態において製造される純水は、洗浄で使用される場合に限らず、例えば、ボイラへの給水、薬品の製造や食品の製造等においても使用可能である。
(被処理水)
本実施の形態では、被処理水は、特に限られるものではないが、例えば、井水、河川水、工業用水、水道水等を原水とし、これを後述する前処理手段で処理された後で生成される水である。ただしこれに限られるものではなく、原水をそのまま被処理水とする場合もある。また被処理水は、前処理手段以外の手段で処理された後の水でもよい。例えば、被処理水は、排水回収装置で処理された後の水等であってもよい。
(弱酸性陽イオン交換樹脂)
本実施の形態で使用される弱酸性陽イオン交換樹脂としては、特に限られるものではないが、例えば、カルボキシル基(−COOH)を交換基とするものが挙げられる。またカルボキシル基の対イオンである水素イオン(H)の替わりに、金属イオン、アンモニウムイオン(NH )等の陽イオンとなっていてもよい。より具体的には、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンWK40L等を用いることができる。
(強酸性陽イオン交換樹脂)
本実施の形態で使用される強酸性陽イオン交換樹脂は、特に限られるものではないが、例えば、スルホン基を持つ酸性イオン交換樹脂が挙げられる。また本実施の形態で使用する陽イオン交換樹脂を架橋度または多孔度で分類した場合には、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型等が挙げられるが、いずれも使用可能である。
具体的には、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンUBK10等を用いることができる。
次に、図面に基づき、本実施の形態が適用される純水の製造装置について説明を行う。
<純水の製造装置全体の説明>
図1は、本実施の形態が適用される純水の製造装置について説明した図である。
図示する純水製造ユニット1は、この純水の製造装置の一例である。この純水製造ユニット1は、原水槽10と、前処理手段20と、ろ過水槽30と、脱塩手段40と、純水槽50とを備える。そして純水製造ユニット1は、これらを直列で接続する配管Hを備える。
原水槽10は、原水である井水、河川水、工業用水、水道水等を一時的に貯留する水槽である。また原水槽10に貯留された原水に、例えば、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を添加し、原水に含まれる細菌類を殺菌してもよい。
前処理手段20は、原水に含まれる懸濁物質を取り除く。具体的には、前処理手段20は、凝集ろ過塔等の凝集ろ過を行なう装置である。つまり原水に凝集剤を添加することで懸濁物質を凝集させて凝集物とし、ろ過により凝集物を除去する。ここで、懸濁物質は、原水に含まれる汚れであり、泥、シルト等の夾雑物やプランクトン等の水生生物などの微粒子から構成される。そしてこれらの微粒子は、凝集剤により凝集させることができ、凝集物であるフロックにすることができる。
本実施の形態で使用する凝集剤は特に限定されるものではなく、例えば無機凝集剤を使用することができる。具体的には、ポリ塩化アルミニウム(PAC:Poly Aluminum Chloride);硫酸アルミニウム(硫酸バンド);硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸第二鉄(Fe(SO)、塩化第二鉄(FeCl)、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化第二鉄等の鉄系凝集剤、などである。この無機凝集剤は、被処理水に添加することで、被処理水中に分散している粒子表面の電荷を中和し、ファンデルワールス力(分子間引力)により粒子を集合させる凝結作用により凝集を生じさせる。
また前処理手段20には、ろ過材が備えられており、凝集剤により生成されたフロックを同じ装置内でろ過をすることができる。これによりフロックが除去される。
ろ過水槽30は、前処理手段20により処理された後の被処理水を一時的に貯留する水槽である。
脱塩手段40は、前処理手段20で濁質が取り除かれた後の被処理水に対し塩類を除去する脱塩処理を行なう。脱塩手段40は、陽イオン交換樹脂塔41と、脱炭酸塔42と、陰イオン交換樹脂塔43とを備える。
陽イオン交換樹脂塔41は、被処理水の処理装置(陽イオン交換装置)の一例である。陽イオン交換樹脂塔41は、詳しくは後述するが、陽イオン交換樹脂が内部に充填されており、陽イオン交換樹脂に被処理水を通水させることで、被処理水中の陽イオン成分が除去される。陽イオン成分は、例えば、金属イオンである。
脱炭酸塔42は、被処理水中の炭酸成分を除去する。陽イオン交換樹脂塔41において被処理水中に含まれる陽イオンはHイオンに交換されるため、pHは、酸性となっている。この状態では、水に含まれる炭酸成分(CO)がガス化するため脱炭酸塔42で空気を送り込むことで炭酸成分を除去する。これにより次の陰イオン交換樹脂塔43において陰イオン交換樹脂の負担を減らし、使用する陰イオン交換樹脂量の低減を図ることができる。
陰イオン交換樹脂塔43において、陰イオン交換樹脂が内部に充填されており、陰イオン交換樹脂に被処理水を通水させることで、被処理水中の陰イオン成分が除去される。これにより純水を製造することができる。
本実施の形態では、陽イオン交換樹脂塔41、脱炭酸塔42、陰イオン交換樹脂塔43は、例えばこれらの塔から構成される2床3塔式純水製造装置(2B3T)である(2B:2Bed=陽イオン交換樹脂塔41+陰イオン交換樹脂塔43、3T:3Tower=2B+脱炭酸塔42)。ただし陽イオン交換樹脂が充填された陽イオン交換樹脂塔41、陰イオン交換樹脂が充填された陰イオン交換樹脂塔43から構成される2床2塔式純水製造装置(2B2T)を代わりに使用してもよい。
純水槽50は、脱塩手段40により処理された後の純水を一時的に貯留する水槽である。そして必要に応じて純水槽50からユースポイントに純水が供給される。
<陽イオン交換樹脂塔41の説明>
次に陽イオン交換樹脂塔41についてさらに詳細に説明を行なう。
図2は、陽イオン交換樹脂塔41および陽イオン交換樹脂塔41に接続される配管について示した図である。
また図示する陽イオン交換樹脂塔41は、外殻部411と、導入部412と、排出部413と、仕切り部414とを備える。また陽イオン交換樹脂塔41には、図示するように配管Hw1〜Hw10および配管Ha1が接続する。なお各配管の分岐部には図示しないバルブが設けられ、配管を通る流体の経路を制御することができる。
外殻部411は、陽イオン交換樹脂を充填するための空間を内部に有する。外殻部411は、材質として例えば、鋼板などからなり、接液部はゴムライニングしたものとすることができるが、これに限られるものではない。例えば、外殻部411の材質として樹脂等も使用することができる。また外殻部411の形状としては特に限られるものではないが、本実施の形態では、例えば、略円筒形状としている。
導入部412は、外殻部411に被処理水を導入する。また排出部413は、外殻部411から被処理水を排出する。つまり図示する陽イオン交換樹脂塔41では、外殻部411の上部から被処理水を導入する。そして被処理水は、外殻部411の内部を下方向に上部から下部に向け流通し、外殻部411の下部から排出される。即ち、陽イオン交換樹脂塔41では、下向流通水にて被処理水の処理を行なう。また導入部412および排出部413は、散水管となっており、多数のストレーナが取り付けられた複数の枝管が設けられる。そしてこの枝管のストレーナを通して被処理水を導入または排出する。
なお導入部412に被処理水を供給するには、配管Hw1、配管Hw2、配管Hw3を使用する。また排出部413から排出した後の処理水は、配管Hw4、配管Hw5、配管Hw6を使用して次の脱炭酸塔42に送られる。
仕切り部414は、板状の部材であり、これを外殻部411の内面と溶接等をすることで、外殻部411の内部に固定される。仕切り部414は、外殻部411内部を上下に仕切る。そして外殻部411の内部を、仕切り部414を境として、上側の上部室と下側の下部室に分ける。本実施の形態では、仕切り部414は、外殻部411の内部の上下方向中央部付近に配される。なお本実施の形態では、外殻部411は略円筒形状であるため、仕切り部414は、略円形形状をなす板状の部材となる。
外殻部411の内部に充填される陽イオン交換樹脂は、この仕切り部414の上部において、仕切り部414と直接接して充填される弱酸性陽イオン交換樹脂K1と、仕切り部414の下部において、外殻部411の底面部に接して充填される強酸性陽イオン交換樹脂K2とに分けられる。つまり被処理水を処理する処理工程のときは、導入部412から導入した被処理水を、仕切り部414の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂K1および仕切り部414の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂K2の順に通水させる。なお弱酸性陽イオン交換樹脂K1と強酸性陽イオン交換樹脂K2とを区別しない場合は、単に「陽イオン交換樹脂」と言うことがある。
また弱酸性陽イオン交換樹脂K1は、外殻部411の頂部までは、充填されず、弱酸性陽イオン交換樹脂K1と外殻部411の頂部とは接触しないように充填される。これにより弱酸性陽イオン交換樹脂K1の上面と外殻部411の頂部との間には、弱酸性陽イオン交換樹脂K1が充填されない上部空間R1が生じる。弱酸性陽イオン交換樹脂K1は、通水の際に膨潤する。よってこの上部空間R1は、弱酸性陽イオン交換樹脂K1が膨潤したときに、膨潤した体積分を受け入れるための空間である。
そして強酸性陽イオン交換樹脂K2は、仕切り部414と接する高さまでは、充填されず、強酸性陽イオン交換樹脂K2と仕切り部414とは接触しないように充填される。これにより強酸性陽イオン交換樹脂K2の上面と仕切り部414との間には、強酸性陽イオン交換樹脂K2が充填されない上部空間R2が生じる。強酸性陽イオン交換樹脂K2は、再生の際に膨潤する。よってこの上部空間R2についても、強酸性陽イオン交換樹脂K2が膨潤したときに、膨潤した体積分を受け入れるための空間である。
図示する陽イオン交換樹脂塔41は、いわゆるパックドベッド型の装置である。パックドベッド型の装置では、上部空間R1や上部空間R2が従来型の装置に対してより小さい。例えば、上部空間R1は、弱酸性陽イオン交換樹脂K1が通水の際に20%〜40%膨潤することから、弱酸性陽イオン交換樹脂K1の体積の30%〜50%としている。また上部空間R2は、強酸性陽イオン交換樹脂K2が再生の際に4%〜10%膨潤することから、強酸性陽イオン交換樹脂K2の体積の4%〜10%としている。また従来型では、弱酸性陽イオン交換樹脂K1や強酸性陽イオン交換樹脂K2を再生する際に使用する再生剤を抜き出すための中間コレクタを設けたり、弱酸性陽イオン交換樹脂K1や強酸性陽イオン交換樹脂K2を固定するための押え樹脂を充填することがあるが、パックドベッド型においては、中間コレクタは設けず、押え樹脂も使用しない。
パックドベッド型の装置では、従来型の装置に比較して、小型とすることができるため、装置コストを低減することができ、設置スペースも小さくてすむ。また陽イオン交換樹脂の再生の際の再生剤の使用量や再生時間を低減することができ、再生廃液の量も少なくすることができる。
また仕切り部414は、陽イオン交換樹脂は通過できないが、被処理水は通過できるようになっている。
図3は、仕切り部414の構造について示した図である。図3は、仕切り部414の一部を拡大した図である。
図示するように仕切り部414には、上下に貫通する円形形状の穴部414aが複数設けられる。そしてこの穴部414aには、被処理水を陽イオン交換樹脂から分離して通過させる分離手段としてのストレーナ414bが配されている。
ストレーナ414bは、仕切り部414の上部側に設けられる頭部414b1と、仕切り部414の下部側に設けられる頭部414b2と、頭部414b1と頭部414b2とを連結する連結部414b3とを備える。連結部414b3は、仕切り部414に設けられた穴部414aにはめ込まれている。
頭部414b1には、被処理水を陽イオン交換樹脂から分離するためのスリット414b4が複数設けられている。そしてスリット414b4は、固体である陽イオン交換樹脂が通過できる幅より狭く作成される。そのため陽イオン交換樹脂はスリット414b4を通過できないが、液体である被処理水は、スリット414b4を通過できる。そしてこれにより被処理水を陽イオン交換樹脂から分離することができる。なお頭部414b2についても頭部414b1と同様の構造を有し、スリット414b4を有する。
そしてストレーナ414bの頭部414b1、414b2、および連結部414b3は、内部に中空部を有し、この中空部は、互いにつながっている。即ち、頭部414b1のスリット414b4を通過した被処理水は、頭部414b1の内部の中空部に侵入し、それから連結部414b3内部および頭部414b2内部の中空部を順に通過して頭部414b2に設けられたスリット414b4から排出される。これにより被処理水は、仕切り部414の上部から下部へ通過することができ、被処理水を陽イオン交換樹脂から分離して通過させる処理を連続的に行なうことができる。
<陽イオン交換樹脂塔41の動作の説明>
次に陽イオン交換樹脂塔41の動作について説明する。
陽イオン交換樹脂塔41は、被処理水中の陽イオン成分を除去する通常の処理工程(A)と、陽イオン交換樹脂である弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2の逆洗を行なう逆洗工程(B)とを含む。即ち、前処理手段20において、原水に含まれる懸濁物質を取り除くが、懸濁物質が前処理手段20において除去しきれないときは、陽イオン交換樹脂塔41に懸濁物質が到達し、陽イオン交換樹脂塔41内に捕捉される。この懸濁物質の一部は、陽イオン交換樹脂の再生を行なう際に陽イオン交換樹脂塔41外に排出されるが、一部は排出されずに残存して、徐々に蓄積されていく。そして懸濁物質が所定の量以上蓄積すると、陽イオン交換樹脂塔41における圧力損失が過大となり、通水流量の低下を招く。
そのため上記逆洗工程(B)を入れることで懸濁物質を除去する。これにより陽イオン交換樹脂塔41における圧力損失が低下する。逆洗工程(B)は、例えば、圧力損失が通常運転時に対し例えば、0.02MPa〜0.1MPa程度増加した場合に行なう。また定期的に逆洗工程(B)を行なう場合は、2ケ月〜4ケ月に1回の頻度で行なうことが好ましい。
しかし単に水や空気を使用して逆洗を行なう水逆洗では、強酸性陽イオン交換樹脂K2が仕切り部414に押し付けられ流動状態が生じにくく、強酸性陽イオン交換樹脂K2から懸濁物質が除去されにくい。そのため本実施の形態では、以下の逆洗工程(B)とすることでこの問題の解決を図っている。
[第1の実施形態]
まず第1の実施形態について説明を行なう。
第1の実施形態の逆洗工程(B)では、排出部413から洗浄用の空気および/または水を導入し、強酸性陽イオン交換樹脂K2および弱酸性陽イオン交換樹脂K1の順に通過させ、導入部412から排出する。即ち、逆洗工程(B)では、上向流通水にて逆洗を行なう。さらに詳しくは、逆洗工程(B)は、空気単独で逆洗を行なう空気逆洗工程(B1)と、空気および水を併用して逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程(B2)とを含む。
また逆洗工程(B)は、空気および/または水を、弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2のそれぞれの相対的位置を変化させず、揺動する程度の流速で導入する。具体的には、逆洗工程(B)は、空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう。
また逆洗工程(B)は、空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)の前および/または後に水単独で逆洗を行なう水逆洗工程(B3)をさらに含むことが好ましい。
さらに逆洗工程(B)後に、導入部412から水を導入し、弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2の順に通水させ、弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2を水洗する水洗工程(C)をさらに含むことがより好ましい。即ち、水洗工程(C)では、下向流通水にて陽イオン交換樹脂の水洗を行なう。
なお水逆洗工程(B3)と水洗工程(C)との間に、弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2を静置させる沈静工程(B4)をさらに含むことより好ましい。
以下、この事項について、陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を踏まえ、説明を行なう。
表1は、第1の実施形態における逆洗工程(B)および水洗工程(C)を含む陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を示した表である。
Figure 0006883501
図示する表は、「No.」で示した1〜11の複数の工程(工程1〜工程11)で逆洗工程(B)および水洗工程(C)を行なう場合を示している。ここで「工程」は、工程1〜工程11のそれぞれの内容を示している。また「流体」は、このとき使用される流体を示している。さらに「時間」は、それぞれの工程を行なうための時間の好ましい範囲を示している。またさらに「LV」は、それぞれの工程で使用される流体の線速度(LV:Linear Velocity)の好ましい範囲を示している。なおこれらの事項は、後述する表2〜表6についても同様である。
具体的には、まず工程1において、水逆洗工程(B3)を行なう。なお表では、1番目に行なわれる水逆洗工程(B3)の意味で、「水逆洗1」と表記している。水逆洗工程(B3)では、配管Hw1、配管Hw7、配管Hw4を使用し、排出部413から被処理水を導入する。そして通水後の被処理水は、逆洗排水として導入部412から排出され、配管Hw3、配管Hw8を使用して、例えば、図示しない排水処理装置に送られる。なお水逆洗工程では、被処理水に替えて、純水製造ユニット1の処理水(純水)、脱炭酸塔42の処理水、または陽イオン交換樹脂塔41の処理水を用いてもよい。
次に工程2として、沈静工程(B4)を行なう。なお表では、1番目に行なわれる沈静工程(B4)の意味で、「沈静1」と表記している。
さらに工程3として、空気逆洗工程(B1)を行なう。なお表では、1番目に行なわれる空気逆洗工程(B1)の意味で、「空気逆洗1」と表記している。空気逆洗工程(B1)では、配管Ha1、配管Hw4を使用し、排出部413から空気を導入する。そして空気は、導入部412から排出され、配管Hw3、配管Hw8を使用して、排気される。なおこのとき空気としては、計装用空気を使用することができる。これによりブロワ等の送風装置を設けなくても空気を供給することができる。
次に工程4として、空気・水併用逆洗工程(B2)を行なう。なお表では、1番目に行なわれる空気・水併用逆洗工程(B2)の意味で、「空気・水併用逆洗1」と表記している。空気・水併用逆洗工程(B2)では、配管Hw1、配管Hw7、配管Hw4を使用し、排出部413から被処理水を導入するとともに、配管Hw4に対し配管Ha1から空気を供給する。これにより空気と水とが配管Hw4において混合し、これらは排出部413から導入される。そして空気および被処理水は、逆洗排水および排気として導入部412から排出され、逆洗排水は、配管Hw3、配管Hw8を使用して、例えば、図示しない排水処理装置に送られる。また排気についても配管Hw3、配管Hw8を使用して、排出される。なおここで使用される空気についても、計装用空気を使用することができる。また空気・水併用逆洗工程では、被処理水に替えて、純水製造ユニット1の処理水(純水)、脱炭酸塔42の処理水、または陽イオン交換樹脂塔41の処理水を用いてもよい。
そして工程5として、再度水逆洗工程(B3)を行なう。なお表では、2番目に行なわれる水逆洗工程(B3)の意味で、「水逆洗2」と表記している。
また工程6として、沈静工程(B4)を行なう。なお表では、2番目に行なわれる沈静工程(B4)の意味で、「沈静2」と表記している。
次に工程7として、空気逆洗工程(B1)を行なう。なお表では、2番目に行なわれる空気逆洗工程(B1)の意味で、「空気逆洗2」と表記している。
次に工程8として、空気・水併用逆洗工程(B2)を行なう。なお表では、2番目に行なわれる空気・水併用逆洗工程(B2)の意味で、「空気・水併用逆洗2」と表記している。
さらに工程9として、再度水逆洗工程(B3)を行なう。なお表では、3番目に行なわれる水逆洗工程(B3)の意味で、「水逆洗3」と表記している。
またさらに工程10として、沈静工程(B4)を行なう。なお表では、3番目に行なわれる沈静工程(B4)の意味で、「沈静3」と表記している。
そして工程11として、水洗工程(C)を行なう。なお表では、「水洗」と表記している。水洗工程(C)では、配管Hw1、配管Hw2、配管Hw3を使用して、導入部412から被処理水を導入する。そして通水後の被処理水は、水洗排水として排出部413から排出され、配管Hw4、配管Hw5、配管Hw9を使用して、例えば、図示しない排水処理装置に送られる。
工程1〜工程5からわかるように、逆洗工程(B)は、空気逆洗工程(B1)(工程3)と、空気・水併用逆洗工程(B2)(工程4)とを含む。この2つの工程では、陽イオン交換樹脂を揺動させて逆洗を行なうことででき、その結果、懸濁物質が陽イオン交換樹脂から剥離しやすくなる。
また工程1〜工程5からわかるように、逆洗工程(B)は、空気逆洗工程(B1)(工程3)および空気・水併用逆洗工程(B2)(工程4)の前後に水単独で逆洗を行なう水逆洗工程(B3)(工程1および工程5)をさらに含む。
このうち工程1の水逆洗工程(B3)では、下向流通水により下方に押し付けられた陽イオン交換樹脂をほぐし、この後の空気逆洗工程(B1)(工程3)および空気・水併用逆洗工程(B2)(工程4)において偏りが少ない処理を行なうことができる。
また工程5の水逆洗工程(B3)では、空気逆洗工程(B1)(工程3)および空気・水併用逆洗工程(B2)(工程4)において剥離した懸濁物質をより確実に陽イオン交換樹脂塔41外に排出することができる。
さらに第1の実施形態では、逆洗工程(B)(工程1〜工程10)後に、水洗工程(C)(工程11)をさらに含む。これにより陽イオン交換樹脂塔41内に残存する懸濁物質を陽イオン交換樹脂塔41外に排出することができる。
また水逆洗工程(B3)(工程9)と水洗工程(C)(工程11)との間に、沈静工程(B4)(工程10)をさらに含む。これにより陽イオン交換樹脂の偏りが少なくなり、次の水洗工程(C)(工程11)において、偏りが少ない状態で陽イオン交換樹脂を水洗することができる。
なお図示した例では、空気逆洗工程(B1)、空気・水併用逆洗工程(B2)、水逆洗工程(B3)および沈静工程(B4)の4工程を2回行っている(工程1〜工程4および工程5〜工程8)が、懸濁物質の蓄積量に応じてこれらの一連の工程を1回または複数回行うことができる。
さらに水逆洗工程(B3)(工程1)の後に、沈静工程(B4)(工程2)を含む。さらに水逆洗工程(B3)(工程5)の後に、沈静工程(B4)(工程6)を含む。これにより陽イオン交換樹脂の偏りが少なくなり、次の空気逆洗工程(B2)(工程3)や空気・水併用逆洗工程(B2)(工程8)において、偏りが少ない状態で空気を陽イオン交換樹脂に導入することができる。
また表1で示すように、逆洗工程(B)は、空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なっている。これにより逆洗工程(B)は、空気および/または水を、弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2のそれぞれの相対的位置を変化させず、揺動する程度の流速で導入する。
空気や水のLVがここで示した下限値未満であると、陽イオン交換樹脂がほとんど揺動せず、懸濁物質が陽イオン交換樹脂から剥離しにくくなる。また空気や水のLVがここで示した上限値を超えると、パックドベッド型の陽イオン交換樹脂塔41では、陽イオン交換樹脂の上部における上部空間R1、R2が小さいため、空気が陽イオン交換樹脂の上部に展開できない。そのため水や空気は、陽イオン交換樹脂が存在する箇所からすぐに排出されてしまい、陽イオン交換樹脂の揺動が不十分になりやすい。その結果、懸濁物質が陽イオン交換樹脂から剥離しにくくなる。
なお水洗工程(C)では水の線速度(LV)は、10m/h以上20m/h以下であることが好ましい。
なお表1では、陽イオン交換樹脂の再生処理については、言及しなかったが、表1で示した一連の工程後に、引き続き再生剤を陽イオン交換樹脂塔41中に導入し、陽イオン交換樹脂の再生を行なってもよい。なお再生剤としては、塩酸や硫酸等の酸の水溶液を用いることができる。そして再生剤を配管Hw10、Hw4を使用し、排出部413から導入する。そして通水後の再生剤は、導入部412から排出され、配管Hw3、配管Hw8を使用して、例えば、図示しない排水処理装置に送られる。
以上説明した表1で示した処理によれば、逆洗を行なう際に懸濁物質を除去しやすく、陽イオン交換樹脂塔41中に懸濁物質が残存しにくくなる。また陽イオン交換樹脂を陽イオン交換樹脂塔41から取り出して洗浄を行ない、懸濁物質を除去するのに対し、陽イオン交換樹脂の洗浄に要する時間や労力が軽減される。具体的には、上記逆洗工程(B)によれば、表1で示した工程に要する時間は、約70minである。また表1で示した工程後に、陽イオン交換樹脂の再生処理を引き続き行った場合でも、2h〜2.5hで済む。対して陽イオン交換樹脂を陽イオン交換樹脂塔41から取り出して洗浄を行なう場合は、1d〜2dを要する。また空気を使用する空気逆洗工程(B1)(工程3)および空気・水併用逆洗工程(B2)(工程4、工程8)を入れることで、逆洗工程(B)で生じる排水を低減することができる。
なお上述した逆洗工程(B)は、洗浄用の空気を単独で、仕切り部414の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂K2に通過させた後に、仕切り部414の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂K1に通過させることで逆洗を行なう空気逆洗工程と、洗浄用の空気および水を併用して、強酸性陽イオン交換樹脂K2に通水した後に、弱酸性陽イオン交換樹脂K1に通水することで逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程と、を含み、空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう陽イオン交換樹脂の逆洗方法として捉えることもできる。
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態について説明を行なう。
第2の実施形態の逆洗工程(B)では、空気逆洗工程(B1)、空気・水併用逆洗工程(B2)および水抜き工程(B5)の3工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水張り工程(D)を行なう。
空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)の内容は、第1の実施形態と同様である。
水抜き工程(B5)は、陽イオン交換樹脂塔41内の水を一部抜き出す工程である。これにより弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2を、速やかに沈静させることができる。この場合、陽イオン交換樹脂塔41の上部空間R1の内壁等に付着した弱酸性陽イオン交換樹脂K1や、上部空間R2の内壁等に付着した強酸性陽イオン交換樹脂K2をそれぞれの樹脂層に沈降させる効果も有する。
水抜き工程(B5)は、陽イオン交換樹脂塔41内の水を、例えば、5%〜10%抜き出すことにより行なう。
水張り工程(D)は、水抜き工程(B5)で抜き出した水量分の水を補い、元の満水状態に戻す工程である。満水状態にすることにより次の工程に円滑に移行することができる。
以下、第2の実施形態について、陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を踏まえ、説明を行なう。
表2は、第2の実施形態における逆洗工程(B)および水張り工程(D)を含む陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を示した表である。
Figure 0006883501
図示する表は、「No.」で示した1〜8の複数の工程(工程1〜工程8)で逆洗工程(B)および水張り工程(D)を行なう場合を示している。
具体的には、まず工程1において、空気逆洗工程(B1)を行なう。なお表では、1番目に行なわれる空気逆洗工程(B1)の意味で、「空気逆洗1」と表記している。
次に工程2として、空気・水併用逆洗工程(B2)を行なう。なお表では、1番目に行なわれる空気・水併用逆洗工程(B2)の意味で、「空気・水併用逆洗1」と表記している。
そして以下、空気逆洗工程(B1)と空気・水併用逆洗工程(B2)とを、工程3〜工程6において、さらに2回繰り返す。つまり空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)は、工程1〜工程6において、合計3回繰り返して行なわれる。なお表では、2番目に行なわれる空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)は、それぞれ「空気逆洗2」、「空気・水併用逆洗2」と表記している。また3番目に行なわれる空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)は、それぞれ「空気逆洗3」、「空気・水併用逆洗3」と表記している。
次に工程7において、水抜き工程(B5)を行なう。抜き出された水は、水洗排水として排出部413から排出され、配管Hw4、配管Hw5、配管Hw9を使用して、例えば、図示しない排水処理装置に送られる。水抜き工程(B5)では、配管Hw8、配管Hw3、を使用して、導入部412から空気を導入することによって、短時間で所定量の水を抜くことができる。
そして第2の実施形態では、工程1〜工程7の空気逆洗工程(B1)、空気・水併用逆洗工程(B2)および水抜き工程(B5)の3工程を1セットとして、これを3セット繰り返す。
この後は、工程8において、水張り工程(D)を行なう。水張り工程(D)では配管Hw1、配管Hw7、配管Hw4を使用し、排出部413から被処理水を導入する。
なお第2の実施形態において、使用する空気および水の線速度(LV)の範囲は、第1の実施形態と同じである。
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態について説明を行なう。
第3の実施形態の逆洗工程(B)では、空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)の2工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水抜き工程(B4)および水張り工程(D)を順に行なう。
空気逆洗工程(B1)、空気・水併用逆洗工程(B2)、水抜き工程(B4)、および水張り工程(D)の内容は、第1の実施形態や第2の実施形態と同様である。
以下、第3の実施形態について、陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を踏まえ、説明を行なう。
表3は、第2の実施形態における陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を示した表である。
Figure 0006883501
図示する表は、「No.」で示した1〜8の複数の工程(工程1〜工程8)で逆洗工程(B)および水張り工程(D)を行なう場合を示している。この工程1〜工程8は、第2の実施形態と同様である。ただし第3の実施形態では、工程1〜工程6で示した空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)の2工程を1セットとして、これを3セット繰り返す。そしてその後に、工程7の水抜き工程(B4)を行なうとともに、工程8の水張り工程(D)を行なう。
なお第3の実施形態において、使用する空気および水の線速度(LV)の範囲は、第1の実施形態や第2の実施形態と同じである。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、第1の実施形態による方法で、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。実施例1では、図2に示した陽イオン交換樹脂塔41を用い、以下の表4で示した逆洗工程(B)および水洗工程(C)からなる処理により、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。なお表4に示した処理は、表1に示したものと工程は同一であり、使用される流体も同一であるが、時間およびLVについて所定の値に定めたものである。
Figure 0006883501
ここでは陽イオン交換樹脂塔41の外殻部411として、内径1244mm、高さ2150mmのものを使用した。そして弱酸性陽イオン交換樹脂K1として、三菱ケミカル株式会社製ダイヤイオンWK40Lを750L使用した。このとき弱酸性陽イオン交換樹脂K1の外殻部411内部での高さ(充填層高)は、630mmとなった。また上部空間R1は、弱酸性陽イオン交換樹脂K1の体積の38%となった。
また強酸性陽イオン交換樹脂K2として、三菱ケミカル株式会社製ダイヤイオンUBK10を1225L使用した。このとき強酸性陽イオン交換樹脂K2の外殻部411内部での高さ(充填層高)は、1030mmとなった。また上部空間R2は、強酸性陽イオン交換樹脂K2の体積の5%となった。
そして表4で示した逆洗工程(B)および水洗工程(C)からなる処理を行なった結果、この処理を行なう前の圧力損失が、被処理水の線速度(LV)が34m/hのときに0.23MPaであったのに対し、上記処理を行なった後の圧力損失は、0.18MPaとなった。なお陽イオン交換樹脂塔41の通常運転時の圧力損失は、被処理水の線速度(LV)が同じである場合、0.18MPaである。つまり上述した処理により陽イオン交換樹脂塔41内から懸濁物質が十分に除去され、通常運転時の圧力損失に戻ったことが確認された。
(実施例2)
実施例2では、第2の実施形態による方法で、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。実施例2では、図2に示した陽イオン交換樹脂塔41を用い、以下の表5で示した逆洗工程(B)および水張り工程(D)からなる処理により、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。なお表5に示した処理は、表2に示したものと工程は同一であり、使用される流体も同一であるが、時間およびLVについて所定の値に定めたものである。
Figure 0006883501
実施例2で使用した陽イオン交換樹脂塔41の外殻部411の大きさや、弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2の銘柄、充填層高は、実施例1と同様である。
そして表5で示した逆洗工程(B)および水張り工程(D)からなる処理を行なった結果、この処理を行なう前の圧力損失が、被処理水の線速度(LV)が34m/hのときに0.23MPaであったのに対し、上記処理を行なった後の圧力損失は、0.18MPaとなった。なお陽イオン交換樹脂塔41の通常運転時の圧力損失は、被処理水の線速度(LV)が同じである場合、0.18MPaである。つまり上述した処理により陽イオン交換樹脂塔41内から懸濁物質が十分に除去され、通常運転時の圧力損失に戻ったことが確認された。このように実施例2は、実施例1に比較して、懸濁物質の除去についてほぼ同等の結果となった。さらに実施例2は、実施例1に比較して、全体の処理時間が短くてすむ利点がある。
(実施例3)
実施例3では、第3の実施形態による方法で、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。実施例3では、図2に示した陽イオン交換樹脂塔41を用い、以下の表6で示した逆洗工程(B)および水張り工程(D)からなる処理により、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。なお表6に示した処理は、表3に示したものと工程は同一であり、使用される流体も同一であるが、時間およびLVについて所定の値に定めたものである。
Figure 0006883501
実施例3で使用した陽イオン交換樹脂塔41の外殻部411の大きさや、弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2の銘柄、充填層高は、実施例1や実施例2と同様である。
そして表6で示した逆洗工程(B)および水張り工程(D)からなる処理を行なった結果、この処理を行なう前の圧力損失が、被処理水の線速度(LV)が34m/hのときに0.23MPaであったのに対し、上記処理を行なった後の圧力損失は、0.19MPaとなった。なお陽イオン交換樹脂塔41の通常運転時の圧力損失は、被処理水の線速度(LV)が同じである場合、0.18MPaである。つまり上述した処理により陽イオン交換樹脂塔41内から懸濁物質が十分に除去され、通常運転時の圧力損失に戻ったことが確認された。このように実施例3は、実施例2に比較して、懸濁物質の除去についてわずかに劣る結果となった。ただし実施例3は、実施例2に比較して、全体の処理時間がさらに短くてすむ利点がある。
1…純水製造ユニット、10…原水槽、20…前処理手段、30…ろ過水槽、40…脱塩手段、50…純水槽、411…外殻部、412…導入部、413…排出部、414…仕切り部、H、Hw1〜Hw10、Ha1…配管

Claims (9)

  1. 被処理水を、仕切り部の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂に通水した後に、当該仕切り部の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂に通水することで処理を行なう処理工程と、
    空気単独で逆洗を行なう空気逆洗工程と、空気および水を併用して逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程とを含み、洗浄用の空気および/または水を、前記強酸性陽イオン交換樹脂、前記弱酸性陽イオン交換樹脂の順に通過させることで、当該強酸性陽イオン交換樹脂および当該弱酸性陽イオン交換樹脂の逆洗を行なう逆洗工程と、
    を含み、
    前記逆洗工程は、空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう被処理水の処理方法。
  2. 前記逆洗工程は、前記空気逆洗工程および前記空気・水併用逆洗工程の前および/または後に水単独で逆洗を行なう水逆洗工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の被処理水の処理方法。
  3. 前記逆洗工程後に、前記弱酸性陽イオン交換樹脂および前記強酸性陽イオン交換樹脂の順に通水させ、当該弱酸性陽イオン交換樹脂および当該強酸性陽イオン交換樹脂を水洗する水洗工程をさらに含むことを特徴とする請求項またはに記載の被処理水の処理方法。
  4. 前記水逆洗工程と前記水洗工程との間に、前記弱酸性陽イオン交換樹脂および前記強酸性陽イオン交換樹脂を静置させる沈静工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の被処理水の処理方法。
  5. 前記逆洗工程は、前記強酸性陽イオン交換樹脂および前記弱酸性陽イオン交換樹脂から前記被処理水に含まれる懸濁物質を除去する工程であることを特徴とする請求項に記載の被処理水の処理方法。
  6. 前記空気逆洗工程、前記空気・水併用逆洗工程、前記水逆洗工程および前記沈静工程の4工程を、前記懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なうことを特徴とする請求項に記載の被処理水の処理方法。
  7. 前記空気逆洗工程、前記空気・水併用逆洗工程および水抜き工程の3工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水張り工程を行なうことを特徴とする請求項に記載の被処理水の処理方法。
  8. 前記空気逆洗工程および前記空気・水併用逆洗工程の2工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水抜き工程および水張り工程を順に行なうことを特徴とする請求項に記載の被処理水の処理方法。
  9. 洗浄用の空気を単独で、仕切り部の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂に通過させた後に、当該仕切り部の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂に通過させることで逆洗を行なう空気逆洗工程と、
    洗浄用の空気および水を併用して、前記強酸性陽イオン交換樹脂に通水した後に、前記弱酸性陽イオン交換樹脂に通水することで逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程と、
    を含み、
    空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう陽イオン交換樹脂の逆洗方法。
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