JP6883501B2 - 被処理水の処理方法および陽イオン交換樹脂の逆洗方法 - Google Patents
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Description
この場合、処理装置中のイオン交換樹脂を取り出し洗浄を行ない、懸濁物質を除去することも考えられる。しかしイオン交換樹脂を取り出してから洗浄を行ない、さらに再度処理装置中にイオン交換樹脂を充填するのは、時間や労力を多く要する問題がある。そのため処理装置中にイオン交換樹脂を充填したまま、逆洗を行なうことにより懸濁物質を除去する方法がある。しかし単に水や空気により逆洗を行なうのは、懸濁物質が除去されにくく、処理装置中に懸濁物質が残存しやすい問題がある。
また逆洗工程後に、弱酸性陽イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹脂の順に通水させ、弱酸性陽イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹脂を水洗する水洗工程をさらに含むことが好ましい。
さらに水逆洗工程と水洗工程との間に、弱酸性陽イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹脂を静置させる沈静工程をさらに含むことが好ましい。
またさらに逆洗工程は、強酸性陽イオン交換樹脂および弱酸性陽イオン交換樹脂から被処理水に含まれる懸濁物質を除去する工程であるようにすることができる。
またさらに空気逆洗工程、空気・水併用逆洗工程、水逆洗工程および沈静工程の4工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なうようにすることができる。
そして空気逆洗工程、空気・水併用逆洗工程および水抜き工程の3工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水張り工程を行なうようにすることができる。
また空気逆洗工程および空気・水併用逆洗工程の2工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水抜き工程および水張り工程を順に行なうようにすることができる。
本実施の形態で製造される純水は、上述の通り製造業の製造工程等において洗浄などの用途に使用される。ただし、本実施の形態において製造される純水は、洗浄で使用される場合に限らず、例えば、ボイラへの給水、薬品の製造や食品の製造等においても使用可能である。
本実施の形態では、被処理水は、特に限られるものではないが、例えば、井水、河川水、工業用水、水道水等を原水とし、これを後述する前処理手段で処理された後で生成される水である。ただしこれに限られるものではなく、原水をそのまま被処理水とする場合もある。また被処理水は、前処理手段以外の手段で処理された後の水でもよい。例えば、被処理水は、排水回収装置で処理された後の水等であってもよい。
本実施の形態で使用される弱酸性陽イオン交換樹脂としては、特に限られるものではないが、例えば、カルボキシル基(−COOH)を交換基とするものが挙げられる。またカルボキシル基の対イオンである水素イオン(H+)の替わりに、金属イオン、アンモニウムイオン(NH4 +)等の陽イオンとなっていてもよい。より具体的には、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンWK40L等を用いることができる。
本実施の形態で使用される強酸性陽イオン交換樹脂は、特に限られるものではないが、例えば、スルホン基を持つ酸性イオン交換樹脂が挙げられる。また本実施の形態で使用する陽イオン交換樹脂を架橋度または多孔度で分類した場合には、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型等が挙げられるが、いずれも使用可能である。
具体的には、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンUBK10等を用いることができる。
図1は、本実施の形態が適用される純水の製造装置について説明した図である。
図示する純水製造ユニット1は、この純水の製造装置の一例である。この純水製造ユニット1は、原水槽10と、前処理手段20と、ろ過水槽30と、脱塩手段40と、純水槽50とを備える。そして純水製造ユニット1は、これらを直列で接続する配管Hを備える。
次に陽イオン交換樹脂塔41についてさらに詳細に説明を行なう。
図2は、陽イオン交換樹脂塔41および陽イオン交換樹脂塔41に接続される配管について示した図である。
図示するように仕切り部414には、上下に貫通する円形形状の穴部414aが複数設けられる。そしてこの穴部414aには、被処理水を陽イオン交換樹脂から分離して通過させる分離手段としてのストレーナ414bが配されている。
次に陽イオン交換樹脂塔41の動作について説明する。
陽イオン交換樹脂塔41は、被処理水中の陽イオン成分を除去する通常の処理工程(A)と、陽イオン交換樹脂である弱酸性陽イオン交換樹脂K1および強酸性陽イオン交換樹脂K2の逆洗を行なう逆洗工程(B)とを含む。即ち、前処理手段20において、原水に含まれる懸濁物質を取り除くが、懸濁物質が前処理手段20において除去しきれないときは、陽イオン交換樹脂塔41に懸濁物質が到達し、陽イオン交換樹脂塔41内に捕捉される。この懸濁物質の一部は、陽イオン交換樹脂の再生を行なう際に陽イオン交換樹脂塔41外に排出されるが、一部は排出されずに残存して、徐々に蓄積されていく。そして懸濁物質が所定の量以上蓄積すると、陽イオン交換樹脂塔41における圧力損失が過大となり、通水流量の低下を招く。
まず第1の実施形態について説明を行なう。
第1の実施形態の逆洗工程(B)では、排出部413から洗浄用の空気および/または水を導入し、強酸性陽イオン交換樹脂K2および弱酸性陽イオン交換樹脂K1の順に通過させ、導入部412から排出する。即ち、逆洗工程(B)では、上向流通水にて逆洗を行なう。さらに詳しくは、逆洗工程(B)は、空気単独で逆洗を行なう空気逆洗工程(B1)と、空気および水を併用して逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程(B2)とを含む。
表1は、第1の実施形態における逆洗工程(B)および水洗工程(C)を含む陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を示した表である。
次に第2の実施形態について説明を行なう。
第2の実施形態の逆洗工程(B)では、空気逆洗工程(B1)、空気・水併用逆洗工程(B2)および水抜き工程(B5)の3工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水張り工程(D)を行なう。
水抜き工程(B5)は、陽イオン交換樹脂塔41内の水を、例えば、5%〜10%抜き出すことにより行なう。
表2は、第2の実施形態における逆洗工程(B)および水張り工程(D)を含む陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を示した表である。
次に第3の実施形態について説明を行なう。
第3の実施形態の逆洗工程(B)では、空気逆洗工程(B1)および空気・水併用逆洗工程(B2)の2工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水抜き工程(B4)および水張り工程(D)を順に行なう。
表3は、第2の実施形態における陽イオン交換樹脂塔41の実際の動作例を示した表である。
実施例1では、第1の実施形態による方法で、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。実施例1では、図2に示した陽イオン交換樹脂塔41を用い、以下の表4で示した逆洗工程(B)および水洗工程(C)からなる処理により、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。なお表4に示した処理は、表1に示したものと工程は同一であり、使用される流体も同一であるが、時間およびLVについて所定の値に定めたものである。
実施例2では、第2の実施形態による方法で、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。実施例2では、図2に示した陽イオン交換樹脂塔41を用い、以下の表5で示した逆洗工程(B)および水張り工程(D)からなる処理により、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。なお表5に示した処理は、表2に示したものと工程は同一であり、使用される流体も同一であるが、時間およびLVについて所定の値に定めたものである。
実施例3では、第3の実施形態による方法で、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。実施例3では、図2に示した陽イオン交換樹脂塔41を用い、以下の表6で示した逆洗工程(B)および水張り工程(D)からなる処理により、陽イオン交換樹脂の処理を行なった。なお表6に示した処理は、表3に示したものと工程は同一であり、使用される流体も同一であるが、時間およびLVについて所定の値に定めたものである。
Claims (9)
- 被処理水を、仕切り部の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂に通水した後に、当該仕切り部の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂に通水することで処理を行なう処理工程と、
空気単独で逆洗を行なう空気逆洗工程と、空気および水を併用して逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程とを含み、洗浄用の空気および/または水を、前記強酸性陽イオン交換樹脂、前記弱酸性陽イオン交換樹脂の順に通過させることで、当該強酸性陽イオン交換樹脂および当該弱酸性陽イオン交換樹脂の逆洗を行なう逆洗工程と、
を含み、
前記逆洗工程は、空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう被処理水の処理方法。 - 前記逆洗工程は、前記空気逆洗工程および前記空気・水併用逆洗工程の前および/または後に水単独で逆洗を行なう水逆洗工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の被処理水の処理方法。
- 前記逆洗工程後に、前記弱酸性陽イオン交換樹脂および前記強酸性陽イオン交換樹脂の順に通水させ、当該弱酸性陽イオン交換樹脂および当該強酸性陽イオン交換樹脂を水洗する水洗工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の被処理水の処理方法。
- 前記水逆洗工程と前記水洗工程との間に、前記弱酸性陽イオン交換樹脂および前記強酸性陽イオン交換樹脂を静置させる沈静工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の被処理水の処理方法。
- 前記逆洗工程は、前記強酸性陽イオン交換樹脂および前記弱酸性陽イオン交換樹脂から前記被処理水に含まれる懸濁物質を除去する工程であることを特徴とする請求項4に記載の被処理水の処理方法。
- 前記空気逆洗工程、前記空気・水併用逆洗工程、前記水逆洗工程および前記沈静工程の4工程を、前記懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なうことを特徴とする請求項5に記載の被処理水の処理方法。
- 前記空気逆洗工程、前記空気・水併用逆洗工程および水抜き工程の3工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水張り工程を行なうことを特徴とする請求項1に記載の被処理水の処理方法。
- 前記空気逆洗工程および前記空気・水併用逆洗工程の2工程を、懸濁物質の蓄積量に応じて1回または複数回行なった後に、水抜き工程および水張り工程を順に行なうことを特徴とする請求項1に記載の被処理水の処理方法。
- 洗浄用の空気を単独で、仕切り部の下部に充填された強酸性陽イオン交換樹脂に通過させた後に、当該仕切り部の上部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂に通過させることで逆洗を行なう空気逆洗工程と、
洗浄用の空気および水を併用して、前記強酸性陽イオン交換樹脂に通水した後に、前記弱酸性陽イオン交換樹脂に通水することで逆洗を行なう空気・水併用逆洗工程と、
を含み、
空気を使用するときは線速度(LV)が1m/h以上7m/h以下で行ない、水を使用するときは線速度(LV)が10m/h以上15m/h以下で行なう陽イオン交換樹脂の逆洗方法。
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