JP2007268359A - 膜分離方法 - Google Patents

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Naoki Matsutani
直樹 松渓
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Abstract

【課題】簡単な装置構成で、十分に溶解性マンガンが除去可能で、且つ、高い回収率で膜
分離処理しても膜差圧の増大を抑制可能な膜分離方法を提供することを目的とする。
【解決手段】溶解性マンガンを含有する水へ二酸化マンガン粒子の存在下に酸化剤を添加
して、被処理水中の溶解性マンガンを酸化析出させる酸化析出工程と、酸化析出工程から
の二酸化マンガン粒子を含有水を濾過膜を透過させて膜透過水を処理水として得る膜分離
工程と、加圧ガス及び/又は清浄水で膜分離洗浄工程からの洗浄排水の少なくとも一部を
該酸化析出工程に返送するとともに、残りの少なくとも一部を系外へ排出する膜分離方法
であって、透過水の流量をQ、系外へ排出する洗浄排水の流量をCとしたときの回収率、
100×(Q−C)/Q(%)が99%以上とすることを特徴とする膜分離方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶解性マンガン含有水を膜分離処理する方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、溶解性マンガン含有水を塩素系酸化剤存在下に二酸化マンガン粒子と接触させる
ことで溶解性マンガンを酸化析出させ、その後に膜分離処理する膜分離方法に関する。
上水道や各種用水は、その原水として河川水や地下水などが用いられているが、殆どの
地下水にはマンガンが含有され、また、河川水においてもマンガンが含有されている場合
がある。
一般にマンガンは溶解した状態で水中に存在しており、このような溶解した状態で存在
するマンガンの除去技術として除マンガンろ過塔が知られている。除マンガンろ過塔は、
ろ過塔内部にマンガン砂(二酸化マンガン結晶によって表面を覆われた砂ろ材)が充填さ
れており、この充填層に次亜塩素酸ナトリウムを添加した原水を通水することで、原水中
の溶解性マンガンがろ材の触媒反応によって不溶化、ろ材表面に析出してマンガンが原水
中から分離される。
除マンガンろ過塔へ内へ原水は上向流で通水されることもあるが、一般には下向流で通
水され、いずれの通水方式においてもろ材に付着する二酸化マンガン粒子又は原水中の他
の濁質成分などによってろ層の通水抵抗は次第に増加していくため、逆洗手段を設けたり
、前段に凝集沈殿設備などを設けるなどの対策が必要であった。更に、このような設備を
設けても原水の通水速度は大きくとることはできなかった。
また、浄水処理などでクリプトスポリジウム等の病原性微生物を除去するためには、上
記の除マンガンろ過塔によるろ過では十分ではなく、別途、精密ろ過膜や限外ろ過膜を備
えた膜ろ過装置によって処理する必要があるが、このような場合には除濁設備が二段に設
置されることになり、効率が悪くなる。
このような問題を解決するマンガン除去技術として、マンガン含有水に塩素系酸化剤を
注入後、二酸化マンガンを含むスラリーが浮遊する反応槽を通過させ、溶存マンガンを酸
化析出させた後に、膜ろ過装置で処理することが特開平7−39872号に開示されてい
る。しかし、この方法では上述した除マンガンろ過塔によるマンガン除去方法に比較して
マンガンの除去率が悪く、高濃度の溶解性マンガンを含有する原水を処理した場合には、
十分にマンガン濃度を低減することはできなかった。
一方、膜分離処理では、膜分離処理での操作圧が予め設定した所定の圧力になった時点
及び/又は予め設定した所定期間毎に、加圧気体又は清浄水を膜分離装置に供給し、膜面
に堆積或いは付着した汚染物を洗浄除去して、洗浄排水を系外へ排出するすることが行わ
れている。このような膜分離方法では、回収率はせいぜい90〜95%程度であり、十分
に水を回収することができないという問題を有していた。
特開平7−39872号
特開平7−39872号に開示された方法は、上述した除マンガンろ過塔によるマンガ
ン除去方法に比較してマンガンの除去率が悪く、高濃度の溶解性マンガンを含有する原水
を処理した場合には、十分にマンガン濃度を低減することはできなかった。また、このよ
うな方法では、十分に回収率を高めることができず、回収率を95%以上にするためには
、原水の膜分離手段とは別に、洗浄排水を膜分離するための第二の膜分離手段を設けるな
どする必要があった。
そこで、本発明は、簡単な装置で、且つ、十分にマンガンが除去可能で更に十分に回収
率を高い膜分離方法を提供することを目的としている。
請求項1の膜分離方法は、溶解性マンガンを含有する被処理水へ二酸化マンガン粒子の
存在下に酸化剤を添加して、被処理水中の溶解性マンガンを酸化析出させる酸化析出工程
と、酸化析出工程からの二酸化マンガン粒子を含有する流出水を濾過膜に透過させて膜透
過水を処理水として得る膜分離工程と、膜分離処理での操作圧が予め設定した所定の圧力
になった時点及び/又は予め設定した所定期間毎に、加圧ガス又は清浄水で該濾過膜を洗
浄する洗浄工程とを有し、洗浄工程からの洗浄排水の少なくとも一部を該酸化析出工程に
返送するとともに残りの少なくとも一部を系外へ排出する膜分離方法であって、透過水の
流量をQ、系外へ排出する洗浄排水の流量をCとしたときの回収率、100×(Q−C)
/Q(%)が99%以上とすることを特徴とする。
請求項2の膜分離方法は、請求項1において、前記被処理水が表流水であって、前記酸
化析出工程の前段に、被処理水に凝集剤を添加し攪拌後に固液分離処理する凝集固液分離
工程を設けることを特徴とする。
請求項3の膜分離方法は、請求項1又は2において、被処理水の懸濁物濃度及び/又は
溶解性有機物濃度を測定し、その測定値が予め設定した値を超えた場合に、回収率が99
%未満となるよう膜分離処理することを特徴とする。
請求項4の膜分離方法は、請求項1から3いずれかにおいて、前記酸化析出工程は、2
以上の反応室が直列に連結された反応手段で被処理水を塩素系酸化剤の存在下に浮遊する
二酸化マンガン粒子と接触させて二酸化マンガンを酸化析出させるものであることを特徴
とする。
請求項1に係わる膜分離方法にあっては、二酸化マンガン粒子の存在下に被処理水中に
酸化剤を添加するとともに、濾過膜の洗浄工程で排出される洗浄排水の少なくとも一部を
酸化析出工程へ返送するようにしたことで、被処理水中での二酸化マンガン粒子濃度を高
く維持することが可能となり、その結果、溶解性マンガンの除去率を高めることが可能と
なる。更に、このような構成とすることで、膜差圧の増大を抑制(膜差圧を安定に維持)
することが可能となり、透過水の流量をQ、系外へ排出する洗浄排水の流量をCとしたと
きの回収率、100×(Q−C)/Q(%)が99%以上となるよう膜分離処理しても差
圧の上昇を十分に抑制することができる。
膜差圧の増大を抑制する作用機構の詳細は不明であるが、二酸化マンガン粒子には、濾
過助剤としての作用があり、被処理水に二酸化マンガン粒子を添加して膜分離処理するこ
とで、膜差圧を安定させる効果があるもの考えられる。
また、請求項2に係わる膜分離方法にあっては、前記被処理水が表流水であっても、前
記酸化析出工程の前段で、被処理水を凝集固液分離処理することで、被処理水中の溶存有
機物や濁質など膜分離工程の前段で処理することができるため、回収率99%以上となる
よう処理しても、膜分離処理を長期間安定に維持することが可能となる。
そして、請求項3に係わる膜分離方法にあっては、被処理水の懸濁物濃度及び/又は溶
解性有機物濃度を測定し、その測定値がアラカ見目設定した値を超えた場合に、膜分離処
理の回収率を99%以下となるよう膜分離処理することで、被処理水の水質が悪化した場
合にも、回収率を下げることで、膜分離処理の差圧の上昇を防止することが可能となる。
更に、請求項4に係わる膜分離方法にあっては、酸化析出工程を、2以上の反応室が直
列に連結された反応手段で、被処理水を酸化剤の存在下に浮遊する二酸化マンガン粒子と
接触させて二酸化マンガン粒子を酸化析出させるものであるため、簡易な装置で十分に溶
解性マンガンを除去することが可能となる。
以下に本発明を実施するための形態を図1を用いて詳細に説明する。図1は本発明の膜
分離方法を実施するための処理装置を示しており、同図において処理装置は酸化析出工程
が行われる反応手段4と膜分離装置7とを有しており、反応手段4には溶解性マンガン含
有水1が導入されるとともに、酸化剤添加手段2と膜分離装置7からの洗浄排水返送管3
とが付設されている。
このような溶解性マンガン含有水の処理装置において、処理対象となる溶解性マンガン
を含有する被処理水1は、溶解性マンガンが含有されていれば特に限定されるものではな
いが、溶解性マンガン濃度として0.05〜1.0mg/L、特に0.1〜0.5mg/
L含有されている被処理水の処理に好適に用いることができる。このような被処理水とし
ては地下水や河川水などがある。
また、反応手段4に供給される被処理水は、溶解性有機物濃度及び懸濁物質濃度が低い
ものであることが好ましく、例えば溶解性有機物濃度としては波長260nmの紫外線の
吸光度(E260)を指標とすることができ、E260が0.08abs.以下であるこ
とが好ましい。また、懸濁物質濃度は濁度として1度以下であることが好ましい。これは
、溶解性有機物濃度及び/又は懸濁物質濃度が高い場合には、膜分離処理の回収率を99
%以上と高くすると、膜の差圧上昇速度を低く維持することが困難となるためである。
なお、被処理水の溶解性有機物濃度や懸濁物質濃度が高い場合には、溶解性有機物や懸
濁物質を除去するための前処理装置を設けることが好ましい。前処理装置としては、溶解
性有機物や懸濁物質を除去できるものであれば特に限定されないが、溶解性有機物と懸濁
物質の両方が除去可能な凝集固液分離手段を好適に用いることができる。凝集処理で原水
に添加する凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム塩や、塩
化第二鉄等の鉄塩等の無機凝集剤を用いることができ、これらは1種を単独で用いても良
く、2種以上を併用しても良い。また、固液分離手段としては、加圧浮上装置や沈殿装置
及び濾過装置などが用いられこれらを2以上(例えば沈殿装置と濾過装置)組合せて用い
てもよい。
本発明において、反応手段4は、直列に連結された反応室4−1、4−2及び4−3か
ら構成されている。反応室の数は複数ではなく一つでもよいが、直列に連結される反応室
の数は2以上であることが好ましく、更に2〜5、特に3〜4であることが好ましく、本
実施の形態では3つの反応室が連結されている。また、本実施例においては、反応室はそ
れぞれ別々の反応槽として設けられているが、一つの処理槽内に仕切りを入れて反応室を
分割するようにしてもよい。そして、反応室4−1、4−2、4−3の容積は被処理水の
流量や溶解性マンガンの濃度によって異なるが、各反応室における被処理水の滞留時間が
5〜30分、好ましくは10〜20分程度となるように設計されることが好ましい。なお
、各反応室には二酸化マンガン粒子を浮遊させて被処理水と二酸化マンガン粒子との接触
効率を高め、完全混合状態で反応させるために撹拌手段5が設けることが好ましい。本実
施の形態では撹拌手段としては撹拌羽根を供えた撹拌機であるが、散気手段を設けて曝気
によって撹拌するようにしてもよい。
反応室4−1には被処理水に酸化剤を添加するための酸化剤添加手段2が設けられてい
る。酸化剤添加手段2で添加される酸化剤としては次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系酸
化剤を好適に用いることができる。そして、被処理水への塩素系酸化剤添加手段2による
塩素系酸化剤の添加量は、被処理水の溶解性マンガン濃度によって異なるが、後述する膜
分離装置7の膜分離水出口での有効塩素濃度が0.1〜0.5mg/Lとなるように添加
することが好ましい。0.1mg/L未満だと溶解性マンガンの酸化が十分となり、0.
5mg/Lを超えると塩素系酸化剤が過剰となり、水道水などの飲料水に利用する場合に
は異臭味の原因となる。
反応手段4内を浮遊する二酸化マンガン粒子としては、二酸化マンガン粒子の粒径1〜
100μmの二酸化マンガン粉末を好適に用いることができ、1μm未満であると取扱性
が困難となり、100μmを超えると二酸化マンガン粒子と溶解性マンガンとの接触効率
が悪くなる。なお、反応室4内は、二酸化マンガンスラリー濃度が10〜1000mg/
L、特に50〜500mg/Lの範囲で維持されるよう、後述する返送管3によって反応
室4から流出した二酸化マンガン粒子が返送される。
次亜塩素酸ナトリウムが添加された被処理水は、反応室4−1、4−2及び4−3で順
次処理される間に、各反応室内を浮遊する二酸化マンガン粒子と接触することで、被処理
水中の溶解性マンガンが二酸化マンガンの触媒作用によって容易に酸化析出される。本発
明においては、2以上の反応室を連結した反応手段4を用いることで、1の反応室からな
る反応槽によって処理する場合に比較して効率的にマンガンを酸化析出させることができ
、短い反応時間で、反応室4−3からの流出水中の溶解マンガン濃度を0.01mg/L
以下にまでに低下させることが可能となる。
反応室4−3からの流出水はポンプ6によって加圧された状態で膜分離装置7に供給さ
れ、流出水中に含有する二酸化マンガン粒子及びその他の濁質成分と清澄な膜透過水とに
分離され、透過水は処理水11として系外へ流出する。
反応室4−3からの流出水を膜分離する分離膜としては、精密濾過膜(MF膜)、限外
濾過膜(UF膜)、ナノ濾過膜(NF膜)などが例示される。膜分離装置は、本実施の形
態では全量濾過方式を図示しているが、クロスフロー濾過を採用しても良い。
クロスフロー方式の場合には、二酸化マンガン粒子を効率良く回収するために反応室4
−1又はその前段に返送することが好ましいが、特に限定されるものではなく、反応室4
−3と膜分離装置7との設置された図示しない給水ポンプの給水側に返送するようにして
もよい。
反応室4−3から流出して膜分離装置7に供給される膜分離供給水中には、反応室4−
1、4−2及び4−3内の二酸化マンガン濃度とほぼ同じ濃度の二酸化マンガン粒子が含
有されている。このような高濃度の二酸化マンガン粒子が含有された状態で膜分離処理さ
れるため、本願発明においては、膜分離における差圧の上昇を効果的に抑制できるものと
考えられる。
すなわち、濾過の進行に伴い、膜面には二酸化マンガン粒子のケーク層が形成される。
そして、この二酸化マンガン粒子のケーク層に保護された状態で、有機物や他の汚濁物質
が膜分離装置7内に堆積していく。しかし、二酸化マンガン粒子のケーク層は容易に剥離
するため、加圧ガスや清澄水で膜分離装置7内を洗浄することで、二酸化マンガン粒子ケ
ーク層の剥離とともに他の汚濁物も容易に除去することが可能となり、効果的に膜の差圧
上昇を抑制することが可能となると考えられる。
そして、このように効果的に膜の差圧上昇を抑制することが可能となったことで、本願
発明では透過水の流量をQ、系外へ排出する洗浄排水の流量をCとしたときの回収率、1
00×(Q−C)/Q(%)が99%以上となるよう洗浄排水のほとんどを反応手段4に
返送し、一部を系外へ排出するようにする。回収率は設定する膜の透過流束や反応手段4
に供給される被処理水の水質によって異なるが、特に99%以上、より好ましくは99.
9%以上であることが好ましく、上限は特にないが、およそ99.999%程度となる。
膜分離装置7を加圧ガス又は清澄水で洗浄する方法としては、
(1) 通常の逆洗(薬品を添加しない洗浄水(処理水(脱透過水)や市水、工水等)や
加圧ガスを膜の二次側から供給し、分離膜を透過させて一次側から排出させるもの)
(2) フラッシング洗浄(膜の一次側に洗浄水や加圧ガスをフラッシングするもの)
などが挙げられ、これら洗浄は、通常、30秒から6時間、好ましくは5分〜3時間、特
に好ましくは10分〜3時間に1回の割合で実施される。
上記洗浄によって、洗浄排水として膜分離装置7から排出される二酸化マンガン粒子及
びその他の濁質成分のほとんどは、そのまま返送管3によって、第1番目の反応室である
反応室4−1へ返送され、反応室内に保持される二酸化マンガン粒子として活用される。
返送する洗浄排水はその全量を反応室4−1へ返送することが好ましいが、他の反応室に
その一部或いは全量を返送してもよい。
洗浄排水の全量を反応手段4に返送すると、反応手段4内の濁質や二酸化マンガンが蓄
積して、これら濁質の濃度が増大してくる。したがって、定期的或いは反応手段4内の懸
濁物質濃度が所定値を超えた段階で、洗浄排水を系外へ排出してこれら蓄積を抑制する。
洗浄排水の系外への排出は、反応手段4への供給水中の懸濁物質や溶解マンガン濃度によ
っても異なるがおよそ1〜30日に1回、好ましくは3〜10日に1回程度である。この
ようにすることで回収率を99%以上に維持することが可能となる。
被処理水の水質が大きく変動する場合には、被処理水の懸濁物質濃度測定手段及び/又
は溶解性有機物濃度測定手段を設け、その測定値が予め設定した値を超えた場合に、回収
率が99%未満となるように膜分離処理することもできる。
この場合、懸濁物質濃度測定手段としては好適には濁度計を用いることができ、溶解性
有機物濃度測定手段としては、前述したE260を好適に用いることができるが、TOC
計やCOD計によっても測定することはでき、これら測定手段は反応手段4の前段に配置
され、反応手段4に供給される被処理水の水質が測定される。
そして、懸濁物質濃度測定手段及び/又は溶解性有機物濃度測定手段の測定値が予め設
定した所定値、例えば濁度が1度以上及び/又はE260が0.08abs.以上となっ
た場合に、系外へ排出する洗浄排水量Cを増大させる。具体的には、系外へ排出する洗浄
排水の頻度を多くしてもよいが、返送管3に沈殿分離槽を設け、比重差によって比重の重
い二酸化マンガン粒子と他の比重の軽い濁質成分とを分離し、分離された二酸化マンガン
粒子を返送し、他の比重の軽い濁質成分を系外へ排出するようにしてもよい。なお、沈殿
分離槽の代わりに二酸化マンガン粒子を他の濁質と比重差によって分離できるものであれ
ばサイクロンなども利用できる。なお、このような場合には回収率はおよそ90〜99%
、好ましくは92〜97%程度となる。
このように回収率を99%未満とした場合には、返送される二酸化マンガン粒子のみで
は反応手段4内で浮遊する二酸化マンガン粒子量を十分に確保できないため、返送される
二酸化マンガン粒子とは別に別途二酸化マンガン粒子が添加されることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によ
りなんら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した反応手段4および膜分離装置7を用い、以下の条件で溶解性マンガン含有
水の処理を行った。なお、被処理水としては、河川水をPACで凝集攪拌処理した後に、
沈殿分離し、その上澄みを更に砂ろ過処理したものを用いた。
被処理水
溶解性マンガン濃度:0.25mg/L
水温:20℃
濁度:1度未満
E260:0.08未満
次亜塩素酸ナトリウム添加量(膜分離水の有効塩素濃度):0.5mg/L
反応槽4−1、4−2及び4−3での二酸化マンガンスラリー濃度:370mg/L
各反応室の反応容積:70L
膜分離装置:PVDF製精密濾過膜、孔径0.1μm
処理水量:10m3/日
膜透過流束:2.2m/日
洗浄条件:膜透過水による逆洗と加圧ガスによるフラッシングとを同時に行う物理洗浄を
15分に1回の頻度で30秒間実施
回収率 :99.99%(洗浄排水を10日に1回系外へ排出し、残りは全量反応手段4 に返送)
[比較例1]
反応槽4−1、4−2及び4−3での二酸化マンガンスラリー濃度を0mg/Lとした
ことは以外は実施例1と同じ条件で膜分離処理を行った。
それぞれで1ヶ月膜分離処理したところ、実施例1では膜差圧の上昇速度は0.267kPa/日であったが、比較例1では差圧の上昇速度は0.4kPa/日と高いものであった。
[参考例1]
実施例1の3つの反応室を直列に連結したもののかわりに、反応容積210Lの反応槽
一つを用いて後は実施例1と同じ条件で溶解性マンガン含有水の処理を行った。反応槽か
らの流出水及び膜分離水の水質を実施例1の反応槽及び膜分離水の水質とともに併せて表
1に示す。
Figure 2007268359
表1に示すとおり、2以上の反応室を直列に連結することによって同じ滞留時間でも処
理水のマンガン濃度を大きく低下させることが可能であった。
本発明の膜分離方法によれば、簡易な装置で十分に溶解性マンガンを除去できるととも
に、高い膜透過流束を安定維持した状態で地下水や河川水などを水源とする上水、工業用
水及び産業用水の造水を99%以上の回収率で利用可能である。更に、浄水処理などの飲
料水の処理に利用した場合にはクリプトスポリジウム等の病原性微生物も除去可能となり
、上水の製造に好適に利用可能となる。
本発明装置の一態様の説明図である。
符号の説明
1 溶解性マンガン含有水
2 酸化剤添加手段
3 洗浄排水返送管
4 反応手段
4−1、4−2、4−3 反応室
5 撹拌手段
6 給水ポンプ
7 膜分離装置
8 排水
9 処理水(膜分離水)



Claims (4)

  1. 溶解性マンガンを含有する被処理水へ二酸化マンガン粒子の存在下に酸化剤を添加して
    、被処理水中の溶解性マンガンを酸化析出させる酸化析出工程と、
    酸化析出工程からの二酸化マンガン粒子を含有する流出水を濾過膜に透過させて膜透過
    水を処理水として得る膜分離工程と、
    膜分離処理での操作圧が予め設定した所定の圧力になった時点及び/又は予め設定した
    所定期間毎に、加圧ガス又は清浄水で該濾過膜を洗浄する洗浄工程とを有し、
    洗浄工程からの洗浄排水の少なくとも一部を該酸化析出工程に返送するとともに、残り
    の少なくとも一部を系外へ排出する膜分離方法であって、
    透過水の流量をQ、系外へ排出する洗浄排水の流量をCとしたときの回収率、100×
    (Q−C)/Q(%)が99%以上とすることを特徴とする膜分離方法。
  2. 請求項1において、前記被処理水が表流水であって、前記酸化析出工程の前段に、被処
    理水に凝集剤を添加し攪拌後に固液分離処理する凝集固液分離工程を設けることを特徴と
    する膜分離方法。
  3. 請求項1又は2において、被処理水の懸濁物濃度及び/又は溶解性有機物濃度を測定し
    、その測定値が予め設定した値を超えた場合に、回収率が99%未満となるよう膜分離処
    理することを特徴とする膜分離方法。
  4. 請求項1から3いずれかにおいて、前記酸化析出工程は、2以上の反応室が直列に連結
    された反応手段で被処理水を塩素系酸化剤の存在下に浮遊する二酸化マンガン粒子と接触
    させて二酸化マンガンを酸化析出させるものであることを特徴とする膜分離方法。
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