JP2002059194A - 原水の処理方法 - Google Patents

原水の処理方法

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JP2002059194A
JP2002059194A JP2000252792A JP2000252792A JP2002059194A JP 2002059194 A JP2002059194 A JP 2002059194A JP 2000252792 A JP2000252792 A JP 2000252792A JP 2000252792 A JP2000252792 A JP 2000252792A JP 2002059194 A JP2002059194 A JP 2002059194A
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理 三木
Toshiro Kato
敏朗 加藤
Kimio Ito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 河川水・湖沼水・地下水から水道水または工
業用水を生成するプロセスにおいて、溶解性有機物質お
よびマンガンを効率的に削減する。 【解決手段】 鉄系凝集剤を用いて水中の溶解性有機物
質を凝集沈殿分離した後、紫外線を用いて溶解性マンガ
ンを酸化し、生成した二酸化マンガンをろ過または膜分
離により除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川水・湖沼水・
地下水等の原水から水道水および工業用水を生成するプ
ロセスにおいて、原水中の溶解性有機物、および、消毒
の結果生成する副生成物を効率的に削減するとともに、
原水中のマンガン除去も行える方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】まず、従来の河川水・湖沼水・地下水等
の原水から水道水を生成するプロセス(以下、浄水プロ
セスと述べる)について説明する。水道原水としては河
川水、ダム・湖沼水、地下水があるが、日本では、河川
水が35%前後およびダム・湖沼水も35%前後を占め
ている。特に、ダム・湖沼水の割合は、1965年が約
10%であるにもかかわらず、1994年にかけて急激
に増加している。これは水道水の使用量の増加に対応す
るため、ダム開発を積極的に進めた結果である。ただ
し、ダム湖の場合は、水道原水として直接用いられるわ
けではなく、河川にいったん放流し、河川の自流水と混
合して利用される。
【0003】現在の浄水処理プロセスは、凝集・沈殿・
急速ろか・塩素滅菌から成り立っている。すなわち、河
川水・湖沼水などの水道原水に存在する土砂・粘土等懸
濁物質を、ポリ塩化アルミニウム(PAC: Poly-alumi
num chloride)などのアルミ系凝集剤で凝集させた後、
凝集物を沈殿および急速ろか操作によって除去し、その
処理水に残存する細菌類を塩素によって滅菌するプロセ
スである。基本的には、懸濁物質除去(指標:濁度)と
微生物の消毒(指標:大腸菌郡数)が中心のプロセスで
ある。
【0004】ところが、最近、水道水源の汚濁が進み、
上記プロセスでは対応できないような課題が生じてきて
いる。すなわち、水道水源に下水、産業廃水、下水処理
水等が混入し、汚濁が進行し各種の溶解性有機物(D-TO
C: Dissolved Total Organic Carbon)の増加や藻類が
異常発生する等の課題が発生している。この結果、例え
ば、有機物の一部は、塩素滅菌の過程で、塩素と結合
し、発ガン性のあるトリハロメタン等の消毒副生成物が
生じやすい。また、湖沼等の水道水源の富栄養化の進行
に伴い、藻類が異常発生すると、凝集阻害、ろ過障害、
異臭味障害などの課題が生じる。さらに、アオコ等の藻
類の一部は、ミクロシスティン等の毒性物質を発生させ
ることがあることも知られている。
【0005】さらに、近年、畜産排水等の流入が原因と
考えられるクリプトスポリジウム等の原虫による水道水
汚染も多く報告されている。これらの原虫類は従来の塩
素滅菌では死滅しにくいという課題がある。これらの課
題を解決するため、新しい浄水高度処理プロセスとし
て、例えば、凝集・沈殿・ろかの後段に、オゾン酸化と
活性炭吸着を付加するプロセスが考案され実用化されて
いる。この方法は、従来の方法に加え、オゾンによっ
て、微量溶解性有機物質を分解し、分解副生成物は活性
炭で吸着処理しようとするものである。凝集沈殿の前段
で、オゾン処理または微生物処理を行う場合もある。さ
らに、日本の水道の場合、凝集に用いられる凝集剤とし
ては、PACや硫酸アルミニウム等のアルミニウム系凝
集剤が主流である。塩化第二鉄や硫酸第二鉄等の鉄系凝
集剤は、用いられていない。また、ポリアクリルアミド
系の有機高分子凝集剤も用いられていない。
【0006】工業用水プロセスについても、基本的に、
浄水プロセスと同様、凝集・沈殿・急速ろかから成り立
っている。塩素滅菌については必要に応じて行われてい
る。水源の汚濁の進行に伴い、浄水と同様の課題を有し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現在までに知見されて
いる河川水・湖沼水・地下水から水道水や工業用水を生
成するプロセスは、以下のような課題を有している。ま
ず、現在の主流の凝集・沈殿・ろ過プロセスは、先にも
述べたように、濁度除去と殺菌を主目的としている。水
道水の有機物の指標として、過マンガン酸カリウム消費
量が設定され、10mg/ l以下が基準とされているが、
この指標は、過マンガン酸カリウムの酸化力が弱く、必
ずしもすべての有機物量を示しているわけではない。先
にも述べたように、原水中の有機物が増大すると、塩素
との反応により、発癌性のあるトリハロメタン等の物質
が消毒副生成物として発生しやすい課題がある。また、
現在の分析技術では、特定が不可能な微量副生成物も発
生していることが予想される。
【0008】したがって、塩素注入の前に、微量溶解性
有機物は、極力、除去することが望ましいと思われる。
しかし、例えば、現在使用されているアルミニウム系凝
集剤の添加量を増やし、溶解性有機物質を除去する方法
は、除去に限界がある。また、アルミニウム系凝集剤の
添加量が増大することにより、残留するアルミニウム量
が増加する。一方、鉄系凝集剤は、有機物の除去性能が
アルミニウム系凝集剤に比べて優れているとされている
が、沈殿・ろ過操作が悪いと凝集物質が流出し、処理水
が黄色に着色しやすい課題がある。
【0009】また、湖沼等で発生する藻類の一部は、凝
集・沈殿での除去が困難であるため、ろ過装置に流入
し、ろ過閉塞をおこしやすいが、このような障害が生ず
ることを防ぐため、アルミニウム凝集剤注入率の更なる
増加、ろ過継続時間の短縮、浄水への濁度漏出などの諸
問題が現れ、対応が困難となる。次に、凝集・沈殿・ろ
過に加え、オゾンや活性炭を用いるプロセスは、溶解性
有機物を除去できるとされているが、オゾンの酸化力も
限界があり、有機物によっては二酸化炭素まで酸化分解
できないこともある。このため、オゾンにより生成した
中間生成物質を、活性炭にてさらに吸着処理する必要が
あるが、活性炭も必ずしもすべての物質を吸着できる訳
ではない。また、流入する有機物が増大すると、オゾン
消費量が増大するとともに、活性炭の再生等に要する処
理コストが増大する課題がある。したがって、オゾンや
活性炭を用いる場合でも、前段の凝集・沈殿・ろ過で有
機物を、極力除去しておくことが望ましい。
【0010】さらに、塩素消毒は、残存性があり細菌に
は有効であるが、ウィルスや原虫類には効果が小さく、
仮に混入した場合は現状の塩素消毒のままでは処理が困
難である。このように、現在の凝集・沈殿・ろか法およ
びオゾン・活性炭を用いた高度処理法では、富栄養化し
た水道原水の処理に限界がある。これに対して、本発明
者らは、河川水・湖沼水・地下水から水道水を生成する
プロセスにおいて、アルミニウム系の凝集剤ではなく、
鉄系凝集剤を用いて凝集操作を行った後、セラミック膜
を用いて凝集物と透過液を分離すれば、濁度除去はもち
ろんのこと、有機物の優れた除去性能が得られ、消毒副
生成物の生成を抑制できることを見いだしている。しか
し、一方で、鉄系凝集剤は、マンガン含有量が高い場合
があり、添加量によっては水道基準を超える可能性があ
る。過剰なマンガンは、着色や配管への付着の課題をひ
きおこすため、マンガンを除去する必要がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、河川水・湖沼水・地下水等の原水から水道水や工
業用水を生成するプロセスにおいて溶解性有機物質を効
率的に削減し、消毒副生成物生成を抑制できるととも
に、水中のマンガン濃度を容易に削減プロセスを開発す
ることにあり、次の請求の範囲(1)〜(7 )にある。 (1)被処理水に鉄系凝集剤を添加して水中の懸濁物質
および溶解性有機物を凝集させ、凝集物を除去した後
に、水中に存在する溶解性マンガンを紫外線を用いて酸
化し、続いて、ろ過池または膜分離装置を用いて二酸化
マンガンを除去することを特徴とする原水の処理方法。 (2)pHが4 から6 の領域で凝集操作を行うことを特
徴とする(1)に記載の原水の処理方法。 (3)pHが6 から8.6 の領域で紫外線酸化を行うこと
を特徴とする(1)または(2)に記載の原水の処理方
法。 (4)光触媒を用いた紫外線酸化を行うことを特徴とす
る(1)〜(3)いずれかに記載の原水の処理方法。 (5)紫外線酸化を行う際に、中圧または高圧の紫外線
ランプを用いることを特徴とする(1)〜(4)いずれ
かに記載の原水の処理方法。 (6)空気またはオゾンまたは塩素を併用して、紫外線
酸化を行うことを特徴とする(1)〜(5)いずれかに
記載の原水の処理方法。 (7)粒径が0.1 μmから1μmのセラミック膜を用い
て、凝集物および二酸化マンガンを除去することを特徴
とする(1)〜(6)いずれかに記載の原水の処理方
法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の作用を詳細に説明
する。本発明の特徴は、鉄系凝集剤による有機物の凝集
操作と同時に、または、凝集操作後の処理水に、紫外線
を照射して水中の溶解性マンガンを酸化し二酸化マンガ
ンとし、二酸化マンガンをろ過操作または膜分離で除去
して清澄水を得る点にある。
【0013】開発プロセスの処理フローを図1 に示すと
ともに、その効果について説明する。まず、鉄系凝集剤
の効果について説明する。無機系凝集剤としては、アル
ミ系凝集剤と鉄系凝集剤があるが、溶解性有機物除去能
力がアルミ系よりも優れているため、鉄系凝集剤を用い
ていることがある。鉄系凝集剤自体は、古くから広く知
見されており、凝集剤として使用される鉄塩には2価と
3価のものがあり、いずれも水中で加水分解して水酸化
物または水和酸化物を作りフロックを形成する。2価鉄
の凝集剤としては、硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2O)が、ま
た、3価鉄の凝集剤としては硫酸第二鉄(Fe2 (SO4
3 )、塩化第二鉄( FeCl3)が、また、この他にポリ硫
酸第二鉄やポリ塩化第二鉄がある。例えば、ポリ硫酸第
二鉄は、硫酸第二鉄のSO4 の一部をOH- で置き換えて、
硫酸第二鉄の網目構造に、塩基性硫酸第二鉄が入り込ん
でいる鉄系凝集剤である(特開昭49−53195号公
報)。この中で、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリ硫酸第
二鉄、ポリ塩化第二鉄は、pHが4〜11の領域で凝集
効果があるが、硫酸第一鉄は凝集pH領域が6〜8と狭
い。このため、鉄系凝集剤としては、硫酸第二鉄または
塩化第二鉄またはポリ硫酸第二鉄またはポリ塩化第二鉄
を用いることが望ましい。さらに、これらの凝集剤は、
pH が4〜6の範囲で有機物除去や濁度除去性能が最も
優れている。例として図2 に鉄系凝集剤(塩化第二鉄)
とアルミ系凝集剤(PAC:poly aluminum chloride)
のD−TOC(溶解性全有機炭素)の除去比較を示す。
従って、有機物削減の観点からは、pH が4〜6の範囲
で、鉄系凝集剤を用いた凝集操作を行うことが望まし
い。これらの鉄系凝集剤に高分子凝集剤を併用して添加
してもかまわない。
【0014】しかし、図3にpH と鉄系凝集剤およびP
ACの濃度との関係を示すが、鉄系凝集剤は、図3 に示
すように、添加量が多い場合、pHが低下するにつれ
て、水中の溶解性マンガン濃度(Mn2+)が上昇する。
マンガンは、日本の水道基準で0.05mg/ l以下と規定
されている。したがって、pHが4〜6の領域では、鉄
系凝集剤による有機物除去は優れているが、溶解性マン
ガンが残留することとなり、この対策が必要となる。
【0015】続いて、この溶解性マンガンの酸化方法に
ついて説明する。溶解性マンガンの酸化方法として以下
のような方法が知られている。溶解性マンガンは中性付
近のpHでは空気中の酸素では酸化されにくい。このた
め、塩素や過マンガン酸カリウム、又は、オゾンなどを
利用して4価に酸化し、不溶性の二酸化マンガン(Mn
2 )として除去する方法が広く知られている。
【0016】しかし、有機物に起因する消毒副生成物の
生成を抑制するという観点からは、塩素を使用しない
か、塩素使用量を抑制することが望ましい。また、塩素
は原水中のアンモニアと容易に反応するため、汚濁の進
んだ原水の場合、マンガンを酸化する効率が低下する。
さらに、オゾンや過マンガン酸カリウムはコスト上の課
題が大きい。
【0017】例えば、藤田は、原水のpHを9.6 以上に
し、アンスラサイトをろ剤とする曝気ろ過池により空気
によりマンガンを酸化、除去できることを報告してい
る。また、曝気量は溶存酸素を欠乏させない程度で過剰
に吹き込む必要はないと述べている(水道協会雑誌、VO
L.62,NO.4,31-39,1993)。本方法は、塩素を用いないと
いう利点があるが、pHを9.6以上にあげるために
は、大量のアルカリ剤が必要であり、さらに、給水の際
には水道水基準の8.6以下にする必要がある。
【0018】これに対して、発明者らは、紫外線によっ
て溶解性マンガンを容易に酸化する方法を見いだしたも
のである。この紫外線によるマンガン酸化速度に与える
影響因子として、pHおよび溶存酸素が大きな影響を及
ぼす。水温も重要である。まず、pHであるが、pHは
6〜8.6 の領域が望ましい。pHが6 未満では、紫外線
によるマンガン酸化速度は遅く実用的ではない。pHが
上昇するほど、マンガン酸化速度も向上するが、水道水
基準が8.6 であるため、8.6 を越えないことが望まし
い。例えば、pH=8、10〜30分の滞留時間、水温20℃
の条件で90〜100%の酸化が可能である。
【0019】また、曝気により原水中の溶存酸素を増加
させることにより、紫外線によるマンガン酸化速度が向
上する。溶存酸素濃度は高い程、紫外線によるマンガン
酸化速度は向上するので、飽和濃度程度あることが望ま
しい。オゾンを併用しても酸化速度が向上する。さら
に、光触媒を用いた紫外線処理を用いれば、大量に発生
するOHラジカルによって、マンガン酸化速度が向上す
る。紫外線と微量の塩素を併用しても、マンガン酸化速
度は向上する。
【0020】紫外線照射装置に装着する光源としては、
紫外線を発生する能力を備えた物であれば特に制限は無
く、例えば、低・中・高圧水銀ランプ、ブラックラン
プ、キセノンランプ等があげられる。ここで例示された
水銀ランプとは、紫外線殺菌に用いられる紫外線発生ラ
ンプであり、ランプ管内に充填した水銀蒸気圧の違いか
ら、一般的に、低圧・中圧・高圧と分類されている。こ
のうち、低圧水銀ランプは、微生物を直接殺菌する波長
254nm付近の紫外線を非常に効率よく発生する。こ
れに対して、中圧水銀ランプおよび高圧水銀ランプは、
波長254 nm付近の紫外線とともに、光触媒を活性化し
うる波長400nm以下の紫外線をも発生する性質があ
ることから、光触媒を用いる場合は中圧水銀ランプもし
くは高圧水銀ランプを用いることが特に望ましい。
【0021】最後に二酸化マンガンの除去方法について
説明する。二酸化マンガンは、水にほとんど溶解しな
い。このため、ろ過または膜分離で除去が可能である。
ろ過で分離する場合、砂、および/またはアンスラサイ
トを充填したろ過装置を用いればよい。100 〜150 m/
日のろ過速度で除去できる。膜分離の場合、用いる膜の
粒径であるが、凝集操作の結果、発生するマンガンの水
酸化物を中心としたフロックの大きさは、0.1 〜10μm
程度である。このため、0.1 μmの大きさがあれば、ほ
ぼ完全に除去が可能である。しかも、原虫類の大きさは
2〜10μm程度であるので、1μm以下であればほぼ完
全に除去できる。また、粒径が小さくなれば、除去でき
る有機物量も増加するが、0.1 μm未満になると、透過
水量が極端に低下する。したがって、浄水用に用いる膜
の粒径は0.1 〜1 μmが望ましい。さらに、膜の素材と
しては、セラミックが望ましい。セラミックを選定する
理由として、発生するマンガンの水酸化物が次第に膜表
面や内部に沈積していくことがあげられる。このような
場合、膜洗浄が必要であるが、セラミックであれば、酸
による洗浄で容易にマンガンの水酸化物を除去できる。
【0022】次に本発明の実施例を説明する。
【0023】
【実施例】本発明の方法を水道原水処理への適用を検討
した。対象とした湖沼系原水(1)は、pHが8.2 、有
機物の指標であるD−TOCを10mg/l以上含有す
る、汚濁が極めて進んだ湖沼水である。この湖沼水に本
法を適用した結果について説明する。
【0024】まず、凝集操作について説明する。鉄系凝
集剤(2)としては、塩化第二鉄水溶液を用い、原水
(1)に対して、100mg/l添加した。急速攪拌槽
(3)のpHは、鉄系凝集剤(2)の添加によって、
8.1から6.6まで低下したが、更に、pHを酸(9)
によって5−5.5に調整し、5分間の急速攪拌を行っ
た。 (8)はpH計である。
【0025】この後、沈殿池(4)により凝集沈殿物
(11)と上澄水を分離した。さらに、上澄水のpHが
7.5〜8となるように、アルカリとして水酸化ナトリ
ウム溶液(10)を添加し、さらに、有効塩素として
0.1mg/lとなるよう次亜塩素酸ナトリウム溶液
(12)を添加した。この後、中圧の紫外線ランプを用
い光触媒を反応槽内に塗布した紫外線酸化槽(5)に通
水した。水温は20℃、溶存酸素は6 mg/ lであり、紫
外線酸化槽(5)での処理時間は5分であった。
【0026】その後、処理水を砂およびアンスラサイト
をろ材とする急速ろ過池(6)に100m/日の条件で
通水した。 (7) は処理水槽である。この結果、表1に
示すように、有機物の指標であるD−TOCは、12m
g/lから1.8mg/lまで低下し、トリハロメタン
の量も大幅に低下した。また、濁度も0.1度以下であ
った。さらに、処理水中のマンガンは、0.01mg/
l以下で95%以上除去されており、問題は認められな
かった。
【0027】これらの結果から、開発プロセスは、原水
中のマンガン酸化・除去を容易に行えるとともに、溶解
性有機物削減および消毒副生成物の発生抑制に効果があ
ることが明らかになった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明により、河川水・湖沼水・地下水
から水道水または工業用水を生成するプロセスにおい
て、従来プロセスでは除去が困難な溶解性有機物質およ
びマンガンを効率的に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理フローの一例を示す図。
【図2】pHと凝集沈殿処理水中の溶解性有機物(D-
TOC)の関係を示す図。
【図3】pHと凝集沈殿処理水中の溶解性マンガン(M
2+)の関係を示す図。
【符号の説明】
1…原水槽 2…鉄系凝集剤 1…急速攪拌槽 4…沈殿池 5…紫外線酸化槽 6…急速ろ過池 7…処理水槽 8…pH計 9…塩酸 10…水酸化ナトリウム溶液 11…凝集沈殿スラッジ 12…次亜塩素酸ナトリウム溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 9/00 503 C02F 9/00 503A 4G069 504 504B 504C 504D 504E B01D 21/01 102 B01D 21/01 102 61/14 500 61/14 500 71/02 71/02 B01J 35/02 B01J 35/02 J C02F 1/32 C02F 1/32 1/44 1/44 H 1/52 1/52 Z 1/72 101 1/72 101 (72)発明者 伊藤 公夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4D006 GA07 KA02 KA03 KB04 KB13 KB30 KD08 KD21 KD24 KE02P KE12P KE13P KE15R KE16P MA22 MC03X PA01 PB04 PB05 PB27 PB70 4D015 BA04 BA19 BA24 BB05 CA14 DA13 DA16 DC02 EA03 EA06 EA13 EA17 EA19 EA32 FA02 FA16 FA17 FA24 FA28 4D037 AA01 AA05 AB02 AB05 AB08 AB14 BA18 BB01 BB02 BB09 CA02 CA03 CA06 CA08 CA11 CA12 CA14 4D050 AA02 AB03 AB07 AB19 AB55 BB01 BB02 BB06 BC04 BC09 BD06 BD08 CA09 CA13 CA15 CA16 4D062 BA04 BA19 BA24 BB05 CA14 DA13 DA16 DC02 EA03 EA06 EA13 EA17 EA19 EA32 FA02 FA16 FA17 FA24 FA28 4G069 AA03 BA48A CA05 CA07 CA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水に鉄系凝集剤を添加して水中の
    懸濁物質および溶解性有機物を凝集させ、凝集物を除去
    した後に、水中に存在する溶解性マンガンを紫外線を用
    いて酸化し、続いて、ろ過池または膜分離装置を用いて
    二酸化マンガンを除去することを特徴とする原水の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 pHが4 から6 の領域で凝集操作を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の原水の処理方法。
  3. 【請求項3】 pHが6 から8.6 の領域で紫外線酸化を
    行うことを特徴とする請求項1または2 に記載の原水の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 光触媒を用いた紫外線酸化を行うことを
    特徴とする請求項1〜3 いずれかに記載の原水の処理方
    法。
  5. 【請求項5】 紫外線酸化を行う際に、中圧または高圧
    の紫外線ランプを用いることを特徴とする請求項1 〜4
    いずれかに記載の原水の処理方法。
  6. 【請求項6】 空気またはオゾンまたは塩素を併用し
    て、紫外線酸化を行うことを特徴とする請求項1〜5 い
    ずれかに記載の原水の処理方法。
  7. 【請求項7】 粒径が0.1 μmから1μmのセラミック
    膜を用いて、凝集物および二酸化マンガンを除去するこ
    とを特徴とする請求項1 〜6 いずれかに記載の原水の処
    理方法。
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