JP6329814B2 - 鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法 - Google Patents

鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法に関する。
上水源となる河川水や地下水等には溶解性鉄や溶解性マンガンが含まれている場合がある。このような鉄/マンガン含有水中の溶解性鉄や溶解性マンガンを除去する方法としては、接触マンガン砂ろ過法が知られている。接触マンガン砂ろ過法は、原水をマンガン砂の充填槽中を下向流で通過させる間に、溶解性マンガンを酸化析出させ、マンガン砂に捕捉させる方法である。
また、鉄/マンガン含有水の高速処理を行う方法として、原水に塩素を添加しながら、酸化マンガン触媒が充填された酸化処理槽に例えば1,000m/日以上の高線速の上向流で通水して、原水中の鉄およびマンガンを酸化析出させ、後段のろ過膜で酸化析出物を除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、接触マンガン砂ろ過法に比べて、高線速で原水を通水できるため、設備を小型化することができるうえ、原水中の濁質による閉塞が少ないため、酸化処理槽の洗浄頻度も少なくできるという利点を持つ。
このような装置では一般的に例えば特許文献2,3に示されるように、酸化処理槽において酸化マンガン触媒層の下部に砂利を充填して支持層を形成して酸化マンガン触媒の下部への流出を防ぐことが行われている。しかし、高線速で酸化処理槽に通水を行うと、支持層の砂利も流動し、酸化マンガン触媒が徐々に砂利の間に落ち込んでしまうことがあった。この結果、支持層中で酸化マンガン触媒の表面に原水中のマンガン等が付着、成長、肥大化し、支持層が閉塞してしまうという問題が生じることがあった。また、砂利の粒径を大きくすることにより、高線速でも砂利自体を流動させないようにすることは可能だが、その場合、粒径0.4〜1.0mm程度の酸化マンガン触媒と砂利との粒径の差が大きくなり、やはり同様に支持層中に酸化マンガン触媒が落ち込んでしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献3のように、粒状のマンガン触媒が充填された塔本体の底部に原水が流入するチャンバー室を形成し、このチャンバー室の上面に設けた多数の分散ノズルから原水をマンガン触媒充填層に供給する上向流式マンガン接触塔が提案されている。しかし、特許文献3の装置では、装置が複雑化する上に、コストが上昇してしまうという問題があった。
特許第3786888号公報 特許第4013565号公報 特許第4599335号公報
本発明の目的は、よりシンプルな構造で、高線速で通水しても酸化マンガン触媒が支持層中に落ち込むことを抑制し、従来型システムと比べて安定運転が可能となる鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、前記酸化剤が添加された酸化剤添加水を酸化処理する、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽と、前記酸化処理した酸化処理水を膜ろ過する膜ろ過装置と、前記酸化処理槽における上向流による通水流速を、1000m/日以上、4000m/日以下に制御する流速制御手段と、を備え、前記酸化処理槽において前記酸化触媒を支持する支持層における前記酸化触媒に隣接する隣接層を構成する支持粒子として比重2.6より大きい粒子を用い、前記支持層が複数層より構成され、前記隣接層を構成する支持粒子の粒径は、1.0mmより大きく、8mm以下であり、それ以外の層を構成する支持粒子の粒径より小さい、鉄/マンガン含有水の処理装置である。
前記鉄/マンガン含有水の処理装置において、前記隣接層を構成する支持粒子が二酸化マンガン粒子を含むことが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理装置において、前記支持層を構成する支持粒子の粒径は、前記酸化触媒の粒径より大きいことが好ましい。
前記鉄/マンガン含有水の処理装置において、前記流速制御手段は、前記酸化処理槽における上向流による通水流速を、1000m/日より大きく、3600m/日以下に制御することが好ましい。
また、本発明は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加工程と、前記酸化剤が添加された酸化剤添加水を、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽に通水して酸化処理する酸化処理工程と、前記酸化処理した酸化処理水を膜ろ過装置に通水して膜ろ過する膜ろ過工程と、を含み、前記酸化処理槽において前記酸化触媒を支持する支持層における前記酸化触媒に隣接する隣接層を構成する支持粒子として比重2.6より大きい粒子を用い、前記支持層を複数層より構成し、前記隣接層を構成する支持粒子の粒径は、1.0mmより大きく、8mm以下であり、それ以外の層を構成する支持粒子の粒径より小さく、前記酸化処理槽における上向流による通水流速を、1000m/日以上4000m/日以下に制御する鉄/マンガン含有水の処理方法である。
本発明では、酸化処理槽の支持層における酸化触媒に隣接する隣接層を構成する支持粒子として比重2.6より大きい粒子を用いることにより、よりシンプルな構造で、高線速で通水しても酸化マンガン触媒が支持層中に落ち込むことを抑制し、従来型システムと比べて安定運転が可能となる鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る鉄/マンガン含有水の処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る鉄/マンガン含有水の処理装置における酸化処理槽の一例を示す概略構成図である。 実施例で用いた酸化処理槽の層構成を示す概略図である。 比較例で用いた酸化処理槽の層構成を示す概略図である。 実施例および比較例における酸化処理層の入口圧力の経時変化を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。鉄/マンガン含有水処理装置1は、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽12と、膜ろ過装置14とを備える。鉄/マンガン含有水処理装置1は、原水槽10と、処理水槽16とを備えてもよい。
図1の鉄/マンガン含有水処理装置1において、原水槽10の入口には原水配管26が接続され、原水槽10の出口と酸化処理槽12の酸化剤添加水入口とはポンプ20を介して原水供給配管28により接続されている。酸化処理槽12の出口と膜ろ過装置14の入口とは酸化処理水配管30により接続され、膜ろ過装置14の膜ろ過水出口と処理水槽16の入口とは膜ろ過水配管32により接続されている。処理水槽16の処理水出口には処理水配管34が接続されている。また、処理水槽16の逆洗水出口と膜ろ過水配管32の途中とはポンプ24を介して逆洗水配管38により接続されている。原水供給配管28のポンプ20の下流側には、酸化剤槽18の出口がポンプ22を介して酸化剤配管36により接続されている。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理方法および鉄/マンガン含有水処理装置1の動作について説明する。
原水である、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水は、原水配管26を通して、必要に応じて原水槽10に貯留される。鉄/マンガン含有水は、ポンプ20によって原水供給配管28を通して酸化処理槽12に送液されるが、原水供給配管28の途中において酸化剤槽18から酸化剤がポンプ22によって酸化剤配管36を通して鉄/マンガン含有水に添加され(酸化剤添加工程)、酸化剤添加水として酸化処理槽12に送液される。本実施形態では、酸化剤槽18、ポンプ22および酸化剤配管36が酸化剤添加手段として機能する。
酸化処理槽12において、酸化剤添加水は上向流で通水され、充填された二酸化マンガンを含む酸化触媒により酸化処理される(酸化処理工程)。鉄/マンガン含有水に酸化剤が添加されながら、二酸化マンガンを含む酸化触媒が充填された酸化処理槽12に通水されることにより、溶存鉄および溶存マンガンが酸化析出される。
酸化処理された酸化処理水は、酸化処理槽12の出口から酸化処理水配管30を通して膜ろ過装置14へ送液され、膜ろ過装置14において、酸化析出された析出物が膜ろ過される(膜ろ過工程)。
膜ろ過装置14の膜ろ過水は、膜ろ過水配管32を通して必要に応じて処理水槽16へ送液され、貯留される。処理水槽16に貯留された処理水の所定の量が処理水配管34を通して排出される。
膜ろ過装置14の膜の洗浄が必要となった場合、処理水槽16に貯留された処理水の少なくとも一部がポンプ24によって逆洗水配管38を通して膜ろ過水出口側から膜ろ過装置14へ供給され、ろ過膜の逆洗が行われる(逆洗工程)。本実施形態では、処理水槽16、ポンプ24および逆洗水配管38が逆洗手段として機能する。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置1では、鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加しながら、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽12に通水することにより溶存鉄および溶存マンガンを酸化析出させ、その酸化処理水を膜ろ過する方法を用いる。そして、本実施形態に係る方法では、図2に示すように、酸化処理槽12において、酸化触媒40を支持する支持層42における酸化触媒40に隣接する隣接層44を構成する支持粒子として比重2.6より大きい粒子を用いる。これにより、よりシンプルな構造で、高線速で通水しても酸化マンガン触媒が支持層42中に落ち込むことを抑制し、従来型システムと比べて安定運転が可能となる。例えばLV3600m/日という高線速での通水を行っても支持層42の流動が抑制され、安定運転が可能となる。また、特許文献3のような複雑なノズルを設置しなくてもよく、低コストで、よりシンプルな構造での処理が可能となる。なお、本明細書において、例えば、酸化触媒(二酸化マンガン)および支持粒子の比重は、真比重であり、表面乾燥飽和状態における測定値の平均値である。本明細書において、酸化触媒(二酸化マンガン)および支持粒子の比重Aの粒子には、比重A±A×0.05の範囲の粒子を含む場合がある。例えば、比重2.6の粒子とは、2.6±2.6×0.05=2.47〜2.73の範囲の粒子を含む場合があるが、上記測定値の平均値として比重2.6の粒子である。
支持層42は、少なくとも1層より構成され、酸化処理槽12内の流れの編流、不陸等をより抑制する等の観点から、複数層より構成されることが好ましい。図2に示す一例において、支持層42は、例えば3層より構成され、積層された層46、層48、隣接層44を有する。層46は、最下層に位置する。層48は、層46に隣接して、その上層に位置する。隣接層44は、層48および酸化触媒40に隣接して、層48の上層であって酸化触媒40の下層に位置する。
支持層42のうち酸化触媒40に隣接する隣接層44を構成する支持粒子の種類としては、比重2.6より大きく、酸化処理槽12内の流れの編流、不陸等を抑制することができるものであれば特に制限はない。隣接層44を構成する支持粒子の比重は3.5以上であることが好ましく、4.0以上であることがさらに好ましい。そのような支持粒子としては、例えば、二酸化マンガンを主成分(50重量%以上)とする二酸化マンガン粒子(比重4.0)、ガーネット粒子(比重3.5)等の無機粒子、磁鉄鉱(比重5.2)等の金属粒子等が挙げられる。それらの中でも、マンガン酸化をより促進し、処理水質をさらに良くするという観点から支持粒子としては二酸化マンガン粒子の使用が好ましい。
隣接層44を構成する支持粒子の比重が2.6以下(例えば、砂利)であると、高線速で通水すると支持層42が流動してしまい、不陸が生じる。支持粒子の比重の上限は特に制限はないが、比重10を超えるような高比重の支持粒子を用いると支持層42の支持粒子を交換する際にハンドリングが悪く不便であるから、例えば10以下である。
隣接層44以外の支持層42(例えば層46,48)を構成する支持粒子の種類としては、隣接層44を構成する支持粒子と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。隣接層44以外の支持層42(例えば層46,48)として、二酸化マンガン粒子(比重4.0)、ガーネット粒子(比重3.5)等の比重2.6より大きい粒子を用いてもよいし、砂利(比重2.6)等の比重2.6以下の粒子を用いてもよい。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置において、支持層42を構成する支持粒子の粒径は、酸化触媒の粒径より大きいことが好ましい。より具体的には例えば、支持粒子の設計最大粒径は、酸化触媒の粒径より大きいことが好ましい。隣接層44を構成する支持粒子の粒径としては1.0mmより大きいことが好ましく、1.5mm以上であることがより好ましく、2mm以上8mm以下であることがさらに好ましい。支持粒子の粒径が1.0mm未満であると支持層42が流動して不陸が生じる可能性があり、支持粒子の粒径が8mmを超えると酸化マンガン触媒が支持層42中に落ち込む場合がある。なお、本明細書において、例えば、支持粒子の粒径は日本水道協会(JWWA A103:2006)水道用ろ過砂利抄記)により定義される粒径であり、酸化触媒の粒径は有効径である。
比重2.6より大きい、好ましくは比重3.5以上、かつ粒径1.0mmより大きい、好ましくは粒径1.5mm以上の支持粒子を使用することにより、例えばLV3600m/日という高線速で通水を行っても、支持粒子の流動が抑制され、安定運転が可能となる。
支持層42の構成としては、支持層42が複数層より構成され、隣接層44を構成する支持粒子の粒径が、それ以外の層(例えば層46,48)を構成する支持粒子の粒径より小さいことが好ましい。3層以上で支持層42を構成する場合は、最下層から隣接層44に行くにしたがって粒径が小さな支持粒子で各層が構成されることが好ましい。
単層または複数層の支持層42を構成する各層の層厚は、通水流速等に応じて決めればよく、特に制限はないが、例えば、50mm以上200mm以下程度の範囲とすればよい。支持層42が複数層より構成される場合、各層の層厚は同じであっても、異なっていてもよい。
支持層42の構成を示す図2の一例において、例えば、隣接層44(上段)を構成する支持粒子の粒径を2〜4mmとし、層48(中段)を構成する支持粒子の粒径を4〜8mmとし、層46(下段)を構成する支持粒子の粒径を8〜12mmとしてもよい。そして、隣接層44、層46,48の全ての層において、比重2.6より大きい、好ましくは比重3.5以上の粒子を使用してももちろんよい。しかし、粒径4〜8mmのものは最も一般的な比重2.6程度の砂利でもLV3600m/日において流動しにくいので、層46,48に関しては一般的な比重2.6程度の砂利で問題なく、コスト的にもそちらの方がより優れている。
処理対象となる鉄/マンガン含有水は、鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含み、少なくともマンガンを含むことが好ましく、通常は鉄およびマンガンの両方を含む。鉄/マンガン含有水中の溶解性鉄の含有量は、例えば0.1〜10mg/Lの範囲であり、溶解性マンガンの含有量は、例えば0.01〜5mg/Lの範囲である。
処理対象となる鉄/マンガン含有水としては、例えば、河川水、地下水、湖沼水等が挙げられる。
酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、さらし粉、過マンガン酸カリウム、二酸化塩素等が挙げられ、ランニングコスト、汎用性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
酸化剤の添加量は、例えば、鉄/マンガン含有水中の溶解性鉄に対しては、鉄の含有量1モルに対して0.5モル以上2モル以下の範囲、溶解性マンガンに対しては、マンガン含有量1モルに対して1モル以上4モル以下の範囲である。酸化剤の添加量が上記の値未満であると、反応が不十分となる場合があり、過剰に入れすぎると、コスト面で不利となる上に、トリハロメタン生成量が増大する場合がある。
酸化処理槽12で用いられる二酸化マンガンを含む酸化触媒としては、例えば、二酸化マンガンが粒状、固形状となった酸化触媒や、マンガン砂等が挙げられる。また、二酸化マンガンとしては、特に制限はなく、α型、β型、ε型、γ型、λ型、δ型およびR型の結晶構造を有する二酸化マンガンが挙げられ、これらのうち、反応性等の点から、β型の結晶構造を有する二酸化マンガンが好ましい。
酸化処理槽12では、二酸化マンガンを含む酸化触媒は上向流で原水が触媒層に通水されることにより、流動状態となり膨張床が形成される。
二酸化マンガンを含む酸化触媒の密度は、2.8g/cm以上であることが好ましい。二酸化マンガンを含む酸化触媒の密度が2.8g/cm未満であると、高速で通水した場合に触媒が展開し、酸化処理槽12の槽高が高くなる場合がある。
二酸化マンガンを含む酸化触媒の粒径は、0.4mm〜1.0mmの範囲であることが好ましい。二酸化マンガンを含む酸化触媒の粒径が0.4mm未満であると、触媒の展開率が上がり、粒径の小さいものが流出する場合があり、1.0mmを超えると、触媒表面積が減り、反応効率が低下する場合がある。
酸化処理槽12における上向流による通水流速は、例えば、1000m/日以上4000m/日以下の高線速であり、2400m/日以上3600m/日以下の範囲の高線速であっても本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置および処理方法に適用可能である。酸化処理槽12における上向流による通水流速が1000m/日未満であると、触媒が略均一に流動せず、片流れが生じる場合があり、3600m/日を超えると、触媒の展開率が上がり、酸化処理槽12の槽高が高くなる場合がある。
酸化処理槽12における反応温度は、例えば、1℃〜50℃の範囲である。
膜ろ過装置14において用いるろ過膜は、酸化析出された鉄およびマンガン等の析出物をろ過できるものであればよく、特に制限はないが、例えば、UF膜、MF膜等が挙げられ、二酸化マンガンを含む酸化触媒から剥離した微細なマンガン粒子(例えば、0.1μm未満)等を除去できる等の点から、UF膜が好ましい。
本実施形態に係る鉄/マンガン含有水処理装置および処理方法は、例えば、浄水処理場、地下水の用水処理等において好適に適用可能である。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例および比較例>
図1の装置を用い、2本のカラム(φ125mm×2000mm)に支持粒子を充填して支持層を形成した後、β型の結晶構造を有する酸化マンガン触媒(粒径0.5mm、比重4.0)を4.8Lずつ充填して触媒層(高さ390mm)を形成し、酸化処理槽とした。それぞれの装置で処理流量1500L/h(LV3000m/日)の上向流で連続運転を行った。実施例、比較例ともに支持層の構成は上層(隣接層):粒径2〜4mm×層厚100mm、中層:粒径4〜8mm×層厚100mm、下層:粒径8〜12mm×層厚100mmとし、実施例では上層の支持粒子として比重4.0の二酸化マンガン粒子(マンガン砂利)を用い、それ以外は全て比重2.6の砂利を用いた(図3参照)。比較例では上層、中層、下層で全て比重2.6の砂利を用いた(図4参照)。酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを注入し、残留塩素濃度が0.4mg/Lとなるようにした。原水は、支持層の下層内にφ15mmの円筒状管の側面にφ6mmの吐出口を18mm間隔で7カ所に一列で設けたものを用い、その円筒状管をカラムの支持層の下層の直径方向に吐出口が下向きになるように挿入して、ポンプにより供給した。原水水質は表1のようであった。酸化処理槽の入口圧力の経時変化を図5に、処理水質を表2に示す。
支持層上層に比重4.0の二酸化マンガン粒子を使用した実施例では、実験期間中、酸化処理槽入口の圧力はほぼ一定で、安定運転できていたのに対し、上層を通常の比重2.6の砂利を使用した比較例では、目視で酸化マンガン触媒の支持層中への落ち込みが観察され、徐々に酸化処理槽入口圧力の上昇が見られるようになった。また処理水質に関しても初期においては両者に差はなかったが、酸化処理槽入口の圧力上昇後は、比較例の通常の砂利の場合、処理水質が悪化する結果となった。
上記実施例のカラムを用い、処理流量をLV1000,2400,3000,3600,4000m/日の上向流で連続運転を行った。目視で支持層の流動を確認し、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:流動なし
△:僅かに流動あり
×:流動あり
実施例のカラムでは、LV3600m/日の高線速で通水しても支持層の流動は観察されなかった。一方、比較例のカラムでは、LV2400m/日で僅かに支持層の流動が観察され、LV3000m/日では支持層の流動が観察された。
このように、実施例の装置により、よりシンプルな構造で、高線速で通水しても酸化マンガン触媒が支持層中に落ち込むことを抑制し、従来型システムと比べて安定運転が可能となった。
1 鉄/マンガン含有水処理装置、10 原水槽、12 酸化処理槽、14 膜ろ過装置、16 処理水槽、18 酸化剤槽、20,22,24 ポンプ、26 原水配管、28 原水供給配管、30 酸化処理水配管、32 膜ろ過水配管、34 処理水配管、36 酸化剤配管、38 逆洗水配管、40 酸化触媒、42 支持層、44 隣接層、46,48 層。

Claims (5)

  1. 鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
    前記酸化剤が添加された酸化剤添加水を酸化処理する、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽と、
    前記酸化処理した酸化処理水を膜ろ過する膜ろ過装置と、
    前記酸化処理槽における上向流による通水流速を、1000m/日以上、4000m/日以下に制御する流速制御手段と、
    を備え、
    前記酸化処理槽において前記酸化触媒を支持する支持層における前記酸化触媒に隣接する隣接層を構成する支持粒子として比重2.6より大きい粒子を用い
    前記支持層が複数層より構成され、前記隣接層を構成する支持粒子の粒径は、1.0mmより大きく、8mm以下であり、それ以外の層を構成する支持粒子の粒径より小さいことを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  2. 請求項1に記載の鉄/マンガン含有水の処理装置であって、
    前記隣接層を構成する支持粒子が二酸化マンガン粒子を含むことを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の鉄/マンガン含有水の処理装置であって、
    前記支持層を構成する支持粒子の粒径は、前記酸化触媒の粒径より大きいことを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の鉄/マンガン含有水の処理装置であって、
    前記流速制御手段は、前記酸化処理槽における上向流による通水流速を、1000m/日より大きく、3600m/日以下に制御することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理装置。
  5. 鉄およびマンガンのうち少なくとも1つを含む鉄/マンガン含有水に酸化剤を添加する酸化剤添加工程と、
    前記酸化剤が添加された酸化剤添加水を、二酸化マンガンを含む酸化触媒を充填した酸化処理槽に通水して酸化処理する酸化処理工程と、
    前記酸化処理した酸化処理水を膜ろ過装置に通水して膜ろ過する膜ろ過工程と、
    を含み、
    前記酸化処理槽において前記酸化触媒を支持する支持層における前記酸化触媒に隣接する隣接層を構成する支持粒子として比重2.6より大きい粒子を用い、
    前記支持層を複数層より構成し、前記隣接層を構成する支持粒子の粒径は、1.0mmより大きく、8mm以下であり、それ以外の層を構成する支持粒子の粒径より小さく、
    前記酸化処理槽における上向流による通水流速を、1000m/日以上4000m/日以下に制御することを特徴とする鉄/マンガン含有水の処理方法。
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