JP6606343B2 - ジェル状制汗剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明はジェル状制汗剤組成物に関する。さらに詳しくは、エタノール含量が少なくても十分な清涼感とさっぱりした使用感を有し、安定性に優れたジェル状制汗剤組成物に関する。
人に不快感を与える脇臭は、汗が皮脂と混ざり、皮膚常在菌によって分解されることにより生じる。従来、この不快な脇臭を防止するため、制汗剤を含むデオドラント剤が用いられている。また、上記デオドラント剤は、ジェル、クリーム、ローション、エアゾールスプレー、ミスト及びスティックなどの様々なタイプで用いられている。
特許文献1には、メントールまたはその誘導体、ジ長鎖型カチオン性界面活性剤、パラフェノールスルホン酸亜鉛を配合した組成物に、エタノールおよび粘土鉱物を配合し、清涼感、制汗効果に優れ、安定性にも優れた液状制汗用組成物が開示されている。
また、特許文献2には、エタノール、制汗剤、増粘剤として疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとを含み塗布時に垂れ落ちを抑えた、デオドラント組成物が開示されている。
しかし、これらの特許文献の処方では、タレ落ちないようなジェル状の粘性を得ることは困難で、エタノール含量が50%以下となると、白色析出物を発生する問題を生じた。
国際公開第2014/50487号 特開2014−70022号公報
本発明の目的は、少ないエタノール配合量で、十分な清涼感とさっぱりした使用感を有し、安定性の良好なジェル状の制汗剤組成物を提供することにある。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、メントールまたはその誘導体、カチオン性界面活性剤、パラフェノールスルホン酸亜鉛及びエタノールを配合した制汗剤組成物に、水溶性架橋剤によって架橋されたエチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体を増粘成分として配合し、特定の粘度とすることによって、エタノール含量の少ない制汗剤においても、さっぱりした使用感、経時安定性の良好な適度の粘性を有するジェル状の制汗剤組成物が得られることを見出し、さらに検討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A):メントールまたはその誘導体
(B):カチオン性界面活性剤
(C):パラフェノールスルホン酸亜鉛
(D):エタノール
(E):水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体
を含有し、BH型粘度計を用いて、回転数20rpm、測定温度25℃で測定したときの粘度が1000〜40000mPa・sであるジェル状制汗剤組成物に関する。
本発明によれば、十分な清涼感とさっぱりした使用感を有し、安定性に優れたジェル状制汗剤組成物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るジェル状制汗剤組成物は、(A)メントールまたはその誘導体、(B)カチオン性界面活性剤、(C)パラフェノールスルホン酸亜鉛、(D)エタノールを含み、さらに増粘成分として(E)水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体を含有する。
以下、各成分について詳述する。
本発明に用いられる成分(A)のメントールまたはその誘導体としては、通常外用剤に配合可能な成分を配合することができる。
例えば、l−メントール、dl−メントール等のメントール、乳酸メンチル、l−メンチルグリセリルエーテル、l−メンチルグルコシド、l−メンチルヒドロキシブチレート、メントキシプロパンジオール、メントキシフラン等のメントール誘導体が挙げられる。
成分(A)の配合量は、組成物全体の0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。配合量が0.001質量%未満の場合、清涼感を感じにくい場合がある。また、成分(A)の配合量は3質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましい。配合量は多くても構わないが、敏感肌の人への刺激が強すぎる場合がある。
成分(B)のカチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ベンザルコニュウム液が使用される。成分(B)の配合量は、組成物全体の0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましい。配合量が0.001質量%未満の場合、清涼感に満足できない場合がある。また、成分(B)の配合量は1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。配合量は多くても構わないが、効果の上昇が見られない場合がある。
成分(C)のパラフェノールスルホン酸亜鉛の配合量は、組成物全体の0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。配合量が0.01質量%未満の場合、制汗効果に満足できない場合がある。また、成分(C)の配合量は3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。配合量は多くても構わないが、効果の上昇が見られない場合がある。
成分(D)のエタノールの配合量は組成物全体の10〜40質量%が好ましい。配合量が10質量%未満の場合、白色析出物が発生し、安定した制汗剤を調製できないおそれがある。40質量%を超えると成分(D)の添加の効果が薄れ、肌への刺激性が強くなる。
本発明に用いる成分(E)の、水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体は、吸水性であることが好ましく、吸水性樹脂であり得る。つまり、成分(E)は、好ましくは水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体を含む吸水性樹脂であり、より好ましくは当該重合体からなる吸水性樹脂である。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、水溶性エチレン性不飽和カルボン酸単量体が好ましく、具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が好ましく挙げられる。エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においてはエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基をアルカリにより中和することにより、得られる重合体の中和度を容易に調整することができる。本発明において、中和度とはエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基の総モル数に対する中和された基のモル数の割合を言う。中和に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、アンモニア、等が挙げられる。中和の方法としては特に限定されず、例えば、予めエチレン性不飽和カルボン酸単量体を中和する方法、重合により得られた重合体を中和する方法等が挙げられる。
また、水溶性架橋剤としては、重合性不飽和基及び/又は反応性官能基を2個以上有する化合物が好ましく挙げられる。反応性官能基は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体が有するカルボキシル基と反応して、架橋構造を形成し得る官能基である。その具体例としては、グリシジル基、イソシアネート基が挙げられる。2個以上のグリシジル基を有する水溶性架橋剤の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。2個以上の重合性不飽和基を有する水溶性架橋剤の例としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート及び水溶性ショ糖アリルエーテルが挙げられる。水溶性架橋剤は1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。中でも水溶性ショ糖アリルエーテルが好ましく用いられる。
水溶性架橋剤として用いる水溶性ショ糖アリルエーテルのエーテル化度は、好ましくは2.0〜3.5、より好ましくは2.2〜3.2である。水溶性ショ糖アリルエーテルのエーテル化度が低いと、架橋反応に関わる官能基であるアリル基が不足して、架橋反応が効果的に進行し難くなる傾向がある。水溶性ショ糖アリルエーテルのエーテル化度が高いと、水に対する溶解性が低下するため、水相中においてショ糖アリルエーテルとエチレン性不飽和カルボン酸単量体との架橋反応が進行し難くなる傾向がある。このエーテル化度は、ショ糖に対するアリルエーテル基のモル比の平均値である。エーテル化度は、ショ糖アリルエーテル中に残存する水酸基を、ピリジン中で無水酢酸と反応させ、このとき消費される無水酢酸の量から算出することができる。
水溶性ショ糖アリルエーテルは、例えば、ショ糖水性液に触媒の水酸化ナトリウムを加え、ショ糖をアルカリショ糖に転化した後、臭化アリルを滴下してエーテル化を行う方法により得ることができる。このとき、臭化アリルの量を、ショ糖に対して好ましくは2〜6倍モル、より好ましくは2〜5倍モルの範囲に調整することにより、効率的に水溶性ショ糖アリルエーテルを得ることができる。エーテル化の反応温度は、例えば80℃程度である。通常、臭化アリルの滴下後3時間程度で反応が完結する。反応液から分離した水相にアルコールを添加し、析出する塩類を濾別した後、余分なアルコールと水分を留去させることにより、水溶性ショ糖アリルエーテルを回収することができる。
水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体は、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を、水溶性架橋剤の存在下で懸濁重合法により重合させる工程を含む方法により得ることができる。懸濁重合法のなかでも、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、水溶性架橋剤及び水を含む水相の液滴を疎水性溶媒中に分散させながら重合反応を行う逆相懸濁重合法が好ましい。
逆相懸濁重合に用いられる疎水性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種の石油系炭化水素溶媒が用いられる。脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等が挙げられる。脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。特に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種の疎水性溶媒が、工業的な汎用溶媒として好適に使用される。疎水性溶媒の比率は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体等を含む水相100質量部に対して、例えば100〜200質量部である。
逆相懸濁重合の際、エチレン性不飽和カルボン酸単量体等を含む水相、又は前記疎水性溶媒は、界面活性剤及びラジカル開始剤等の他の成分を含んでいてもよい。
界面活性剤は、主に重合中の懸濁状態を安定化させるために用いられる。界面活性剤は、逆相懸濁重合において通常用いられるものであれば特に限定されない。好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、変性ポリエチレンワックス、変性ポリプロピレンワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロースエーテル(ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース等)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤が用いられる。
界面活性剤の量は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。界面活性剤の量が少ないと重合の際の懸濁状態の安定性に問題が生じる可能性があり、界面活性剤の量が多いと経済的に不利となる傾向がある。
ラジカル開始剤は、通常のラジカル重合に用いられるものであれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及びアゾ系開始剤などが好適に使用される。例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩をラジカル開始剤として用いることができる。
ラジカル開始剤の量は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に対して好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.02〜0.2質量%である。ラジカル開始剤の量が少ないと重合反応が進行し難くなったり、反応に長時間が必要となったりする傾向がある。ラジカル開始剤の量が多くなると、生成する重合体の鎖長が短くなって、吸水性樹脂の水性液の粘度が低下する傾向がある。
逆相懸濁重合の際、エチレン性不飽和カルボン酸単量体等を含む液滴のサイズは、得られるポリマー粒子のサイズと密接な関係がある。反応容器及び製造スケール等の条件により異なるが、例えば2Lのフラスコを反応容器として用いた場合、撹拌速度800〜1000回転/分の条件で逆相懸濁重合を行うことにより、適当なサイズのポリマー粒子を得ることができる可能性が高い。このように、重合反応時の撹拌速度を調整することで、ポリマー粒子のサイズを制御することができる。このようにして、好ましくは中位粒子径5〜30μm程度の吸水性樹脂粒子を得ることができる。このようにして得られたポリマー粒子の形状は球状であり、化粧品等の水性液中においても保持されるためこれを用いた化粧料において、種々の特性や触感・使用感によい影響を及ぼすと考えられる。
重合反応のその他の諸条件、例えばラジカル開始剤の量、重合反応温度、反応時間等も適宜調整される。重合反応温度は、例えば50〜80℃であり、反応時間は、例えば30分〜3時間である。例えば2Lのフラスコを反応容器として用いる場合、その浴温を60℃に調整して重合反応を開始させることができる。この場合、重合反応の開始は、反応容器内の温度が重合熱で70℃程度に上昇することから確認できる。その後、30分〜3時間程度の熟成反応を行うことで、通常は重合反応が完結する。熟成時間が、それより短いと反応が充分に完了せず、残存するエチレン性不飽和カルボン酸単量体が多くなることがある。熟成反応後、例えば浴温を上昇させて反応容器内の水及び石油系炭化水素溶媒を留去させることで、生成物を取得することができる。
成分(E)の配合量は組成物全体の1〜2質量%程度が好ましく、1.1〜1.7質量%程度がより好ましく、1.2〜1.5質量%程度がさらに好ましい。成分(E)を配合することにより、白色析出物を抑制し、タレ落ちを防ぐ適度な粘度を与え、少ないエタノール配合量でも安定性に優れた組成物を得ることができる。
なお、本明細書において、本発明の組成物が含む各成分についての含有量、含有割合の数値は、吸水性の成分に関しては吸水していないときの値(乾燥質量換算値)を表す。
制汗剤組成物を製造するに当たっては、通常制汗剤に用いられる公知の成分をさらに用いることができる。
本発明に係る制汗剤組成物は、成分( D )の エタノール以外の溶媒を含んでいてもよい。該溶媒としては、グリセリン、プロピレングリコール、1 , 3 − ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びジグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。
本発明に係る制汗剤組成物は、例えば、界面活性剤、保湿剤、殺菌剤、オイル成分、金属イオン封鎖剤、防腐剤、清涼剤、抗炎症剤、植物エキス及び香料等を含んでいてもよい。
上記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤等が挙げられる。上記保湿剤としては、ソルビトール等が挙げられる。また、グリセリンも保湿剤として使用可能である。上記オイル成分としては、エステル類、炭化水素類及びシリコーン等が挙げられる。
本発明に係る制汗剤組成物の粘度は、BH型粘度計を用いて、回転数20rpm、測定温度25℃で測定したとき、1000m P a ・s〜 40000mPa・sであり、好ましくは1500m P a ・s〜38000mPa・sである。上記粘度が1000mPa・s以上あると塗布時の垂れ落ちが抑えられ、塗布性が良好になり、上記粘度が40000mPa・s以下の場合さっぱりした使用感が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<水溶性ショ糖アリルエーテルの合成>
(製造例1)
1000mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中で、水144gに水酸化ナトリウム48g(1.2モル)を溶解した。そこにショ糖136.8g(0.4モル)を加え、70〜85℃で120分間撹拌して、アルカリショ糖水溶液を調製した。このアルカリショ糖水溶液に対して、臭化アリル145.2g(1.2モル)を、70〜85℃で1.5時間かけて滴下し、その後、80℃で3時間熟成して、ショ糖をアリルエーテル化した。冷却後、水440gを添加し、分液ロートで余分な油分を分離して、粗ショ糖アリルエーテル水溶液を得た。この粗ショ糖アリルエーテル水溶液に塩酸を加えてpHを6〜8に調整した後、ロータリーエバポレーターを用いて、水溶液の質量が480gになるまで水分を除去した。そして、エタノール200gを添加して副生成物の臭化ナトリウム等の塩類を析出させ、析出物を濾別により水溶液から除去した。さらにエバポレーターを用いて水溶液から余分な水分を除去し、エーテル化度2.4の精製された水溶性ショ糖アリルエーテル166gを得た。
<水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体(吸水性樹脂)の合成>
(製造例2)
500mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中にアクリル酸72g及び水を入れ、80質量%のアクリル酸水溶液90gを調製した。アクリル酸水溶液を冷却しながら、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液54gを滴下して、水溶液を中和した。さらにイオン交換水56gと、架橋剤として製造例2の水溶性ショ糖アリルエーテル0.32g(アクリル酸水溶液に対して0.35質量%)と、開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V−50)0.04gとを加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を調製した。
これとは別に、撹拌機、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を取り付けた2Lのセパラブルフラスコにn−ヘプタン330gを入れ、さらに界面活性剤であるソルビタンモノステアレート(日油株式会社製、ノニオンSP-60R)2.7gを加え、これをn−ヘプタンに分散及び溶解させた。そこに、先に調製したエチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を加えた。反応容器内の雰囲気、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んで系内を窒素置換しながら、浴温を60℃に保持して、撹拌速度1000回転/分で撹拌して、1時間かけて逆相懸濁重合法により重合を行った。重合終了後、水およびn−ヘプタンを留去して、アクリル酸及びそのナトリウム塩の重合体であって、水溶性ショ糖アリルエーテルによって架橋された重合体である吸水性樹脂の粉末90gを得た。
<カルボキシビニルポリマーの合成>
(製造例3)
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管及び冷却管を取り付けた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.27g、ノルマルヘキサン150g及び2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んで、反応液を調製した。反応液を撹拌して各原料を均一に混合した後、反応容器の上部空間、原料及び溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、反応液を60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマル−ヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のカルボキシビニルポリマー42gを得た。
<ジェル状制汗剤の調製>
(実施例1)
以下に示す成分を各割合で含有するジェル状制汗剤を調製した。すなわち、成分2)、3)を一部の精製水に溶解させ、あらかじめ溶解した吸水性樹脂の水溶液を所定量添加し、エタノールに溶解した成分1)を添加して均一に混合し、粘度1450mPa・sのジェル状制汗剤を得た。
1.L−メントール 0.5%
2.塩化ベンザルコニウム液(50%) 0.05%
3.パラフェノールスルホン酸亜鉛 0.35%
4.エタノール 15%
5.吸水性樹脂(製造例2で調製したもの) 1.0%
6.精製水 残余
(実施例2〜7)
エタノールの添加量及び吸水性樹脂の添加量を以下の表1に示した割合に変更した以外は実施例1と同様にしてジェル状制汗剤を得た。
(比較例1)
実施例1に於いて、エタノールの添加量を20質量%に変更した以外は実施例1と同様にしてジェル状制汗剤を得た。
(比較例2)
実施例5に於いて、エタノールの添加量を5質量%に変更した以外は実施例5と同様にしてジェル状制汗剤を得た。
(比較例3)
実施例2に於いて、吸水性樹脂を製造例3で得られたカルボキシビニルポリマーに変更した以外は実施例2と同様してジェル状制汗剤を得た。
(比較例4)
比較例3に於いて、エタノールの添加量を20質量%に変更した以外は比較例3と同様にしてジェル状制汗剤を得た。
(比較例5)
実施例1に於いて、エタノールの添加量を30質量%、吸水性樹脂を0質量%に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例6)
実施例1に於いて、エタノールの添加量を50質量%、吸水性樹脂を0質量%に変更した以外は実施例1と同様に行った。
実施例1〜7及び比較例1〜6で得られた組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<ジェル状制汗剤の評価>
(粘度)
東機産業製BH型粘度計、回転数20rpm
測定温度:25℃
(遠心分離後の安定性)
遠心分離機で2000rpm、20分処理後の安定性を評価した。
分離せず安定:○
一部僅かに分離:△
(50℃保存安定性)
50℃恒温層で7日間保存後の安定性を評価した。
分離せず安定:○
分離した:×
(清涼感)
男女各5人計10人の試験者によって、塗布時の清涼感について、以下の基準で1〜5点の5段階評価を行い、評価は10人の平均とした。
非常に良い 5点
良い 4点
普通 3点
やや悪い 2点
悪い 1点
(さっぱりした使用感)
男女各5人計10人の試験者によって、塗布後のさっぱりした使用感について、以下の基準で1〜5点の5段階評価を行い、評価は10人の平均とした。
非常に良い 5点
良い 4点
普通 3点
やや悪い 2点
悪い 1点
(総合評価)
評価の基準を以下に示す。
◎:安定性が良好で清涼感、さっぱり感の合計が9点以上、且つ粘度が5000 mPa・s以上。
○:安定性が良好で清涼感、さっぱり感の合計が7点以上〜9点未満、且つ粘度 が5000mPa・s以上。
△:清涼感、さっぱり感は良好であるが、粘度が5000mPa・s未満と低く 安定性がやや悪い。
×:安定性が悪い、あるいは粘度が1000mPa・s未満または40000m Pa・sを超える。
Figure 0006606343
表1に示すように、吸水性樹脂を使用した実施例1〜7は、少ないエタノール配合量でも安定であり、適度な粘性を有し、使用感の良好なジェル状制汗剤が得られた。吸水性樹脂の添加の効果が明確に制汗剤に反映されていることが判る。

Claims (4)

  1. (A):メントールまたはその誘導体
    (B):カチオン性界面活性剤
    (C):パラフェノールスルホン酸亜鉛
    (D):エタノール
    (E):水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体を含有し、
    BH型粘度計を用いて、回転数20rpm、測定温度25℃で測定したときの粘度が1000〜40000mPa・sであり、
    前記エタノールの配合量が10〜30質量%であるジェル状制汗剤組成物。
  2. 成分(E)の含有量が、1〜2質量%である請求項1に記載のジェル状制汗剤組成物。
  3. 水溶性架橋剤が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート及び水溶性ショ糖アリルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2に記載のジェル状制汗剤組成物。
  4. エチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選
    ばれた少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のジェル状制汗剤組成物。
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