JP2016044137A - 尿素含有組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高濃度の尿素を配合し、且つ高い粘性を有しながら、使用感(さらさら感)に優れている尿素含有組成物を提供すること。
【解決手段】尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む尿素含有組成物。
【選択図】なし
【解決手段】尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む尿素含有組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、尿素含有組成物に関する。さらに詳しくは、尿素を高濃度に含有し、高粘性でありながら、使用感(さらさら感)に優れる尿素含有組成物に関する。
尿素は皮膚上にある天然保湿因子(NMF成分)の一つであり、角質層の水分保持能力に合わせて、角質溶解作用、抗菌作用があると言われ、肌荒れの防止や保湿剤の目的で、これまで化粧品、医薬部外品や医薬品等、広く使用されている。また、この尿素は使用目的によって、尿素の濃度を調整して使用されていて、強い効き目の肌荒れ防止等には尿素を20質量%配合したものが、ケラチナミンと呼ばれている。このケラチナミンにおいて、クリームや保湿ジェルといった粘性の高いものについては、水溶性の高分子であるカルボキシビニルポリマーを使用した組成物(特許文献1参照)や、カルボキシビニルポリマーと高濃度の多価アルコールを配合した組成物(特許文献2参照)等が知られている。
しかし、これらの尿素配合の組成物は、増粘剤としてカルボキシビニルポリマーを用いているために、使用時にベタついた感じがある。更に多価アルコールにもベタついた感じがあるので、多価アルコールを多量に使用するとベタつき感が増幅される。また、尿素自体にもベタつき感があるため、高濃度の尿素を配合した組成物を使用する場合は、更に強いベタつき感を感じる。よって、ベタつき感のない尿素配合の組成物が要望されている。
したがって、本発明の目的は、尿素含有組成物として、高濃度に尿素を配合し、且つ高い粘性を有しながら、皮膚に塗布した際に使用感(さらさら感)が優れている尿素含有組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討した結果、尿素(A)、吸水性樹脂(B)、及びアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む組成物が、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む尿素含有組成物。
項2.
尿素(A)の含有量が、組成物全体の0.1〜40質量%である項1に記載の尿素含有組成物。
項3.
吸水性樹脂(B)が、水溶性エチレン性不飽和単量体を水溶性架橋剤の存在下に重合させて得られる樹脂である、項1または2に記載の尿素含有組成物。
項4.
吸水性樹脂(B)が、乾燥させヘキサンに分散させた際の中位粒子径が5〜40μmの吸水性樹脂である項1〜3のいずれかに記載の尿素含有組成物。
項5.
アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)が、(メタ)アクリル酸100質量部と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜6質量部と、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0.1〜0.5質量部とを重合させて得られる共重合体である、項1〜4のいずれかに記載の尿素含有組成物。
項6.
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が、ペンタエリトリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、およびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、項5に記載の尿素含有組成物。
項7.
吸水性樹脂(B)及びアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む、尿素含有組成物用増粘剤。
項1.
尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む尿素含有組成物。
項2.
尿素(A)の含有量が、組成物全体の0.1〜40質量%である項1に記載の尿素含有組成物。
項3.
吸水性樹脂(B)が、水溶性エチレン性不飽和単量体を水溶性架橋剤の存在下に重合させて得られる樹脂である、項1または2に記載の尿素含有組成物。
項4.
吸水性樹脂(B)が、乾燥させヘキサンに分散させた際の中位粒子径が5〜40μmの吸水性樹脂である項1〜3のいずれかに記載の尿素含有組成物。
項5.
アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)が、(メタ)アクリル酸100質量部と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜6質量部と、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0.1〜0.5質量部とを重合させて得られる共重合体である、項1〜4のいずれかに記載の尿素含有組成物。
項6.
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が、ペンタエリトリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、およびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、項5に記載の尿素含有組成物。
項7.
吸水性樹脂(B)及びアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む、尿素含有組成物用増粘剤。
本発明により、高濃度に尿素を含有し、且つ高い粘性を有しながら、使用感(さらさら感)にも優れた尿素含有組成物が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の尿素含有組成物は、尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含有する。
本発明に用いる尿素としては特に限定はなく、例えば、ハンドクリーム、乳液等の化粧品、医薬部外品や医薬品の皮膚外用剤に配合されている、工業的に合成された尿素、又は尿から精製された尿素等、いずれも好適に用いることができる。
尿素(A)の含有量は、本発明の組成物全体の0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜35質量%、さらに好ましくは5〜30質量%、よりさらに好ましくは10〜25質量%である。尿素の含有量が40質量%以下の場合、皮膚への刺激が少なく、好ましい。
吸水性樹脂(B)としては、例えば、水溶性エチレン性不飽和単量体を水溶性架橋剤の存在下に重合させて得られる樹脂(架橋重合体)を好ましく用いることができる。特に、吸水性樹脂として汎用されるポリアクリル酸塩架橋物(樹脂)をより好ましく用いることができる。
水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸〔本明細書では「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。つまり、例えば、「(メタ)アクリル酸」との記載は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」との記載と同義である。〕、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のノニオン性単量体;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和単量体またはその四級化物等が挙げられる。アルカリ金属塩におけるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が例示される。中でも、(メタ)アクリル酸またはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましい。なお、水溶性エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水溶性架橋剤としては、好ましくは重合性不飽和基及び反応性官能基からなる群より選択される基を少なくとも合計2個以上有する化合物が挙げられる。反応性官能基は、水溶性エチレン性不飽和単量体が有するカルボキシル基等の官能基と反応して、架橋構造を形成し得る官能基である。その具体例としては、グリシジル基、イソシアネート基が例示される。2個以上のグリシジル基を有する水溶性架橋剤の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。2個以上の重合性不飽和基を有する水溶性架橋剤の例としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート及び水溶性ショ糖アリルエーテルが挙げられる。
より具体的には、本発明に用いられる水溶性架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;前記ポリオール類とマレイン酸、フマール酸等の不飽和酸とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、ショ糖アリルエーテル、N,N’,N’’−トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を2個以上有する化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル〔「(ポリ)」とは「ポリ」の接頭語がある場合とない場合を意味する。つまり、例えば「(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル」との記載は、「エチレングリコールジグリシジルエーテル及び/又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル」との記載と同義である。〕、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物等が挙げられる。水溶性架橋剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも(ポリ) エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、水溶性ショ糖アリルエーテル、及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドが好ましい。
本発明に用いる吸水性樹脂は、(メタ)アクリル酸またはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性エチレン性不飽和単量体を、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、水溶性ショ糖アリルエーテル、及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性架橋剤の存在下に重合させたものが特に好ましい。そのなかでも、(メタ)アクリル酸またはそのアルカリ金属塩を、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、及び水溶性ショ糖アリルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性架橋剤の存在下に重合させたものが特に好ましい。
本発明に用いる好ましい吸水性樹脂である、水溶性エチレン性不飽和単量体を水溶性架橋剤の存在下に重合させて得られる樹脂は、例えば、水溶性エチレン性不飽和単量体を、水溶性架橋剤の存在下で、懸濁重合法により重合させる工程を含む方法により得ることができる。懸濁重合法のなかでも、水溶性エチレン性不飽和単量体、水溶性架橋剤及び水を含む水相の液滴を疎水性溶媒中に分散させながら重合反応を行う逆相懸濁重合法が好ましい。逆相懸濁重合法により得られる吸水性樹脂は、ほぼ全ての粒子が球状となるため、本発明に特に好ましく用いることができる。
逆相懸濁重合に用いられる疎水性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる石油系炭化水素溶媒が用いられる。脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等が挙げられる。脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。特に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種の疎水性溶媒が、工業的な汎用溶媒として好適に使用される。疎水性溶媒の比率は、水溶性エチレン性不飽和単量体等を含む水相100質量部に対して、例えば100〜200質量部である。
水溶性エチレン性不飽和単量体等を含む水相、又は前記疎水性溶媒は、界面活性剤及びラジカル開始剤等の他の成分を含んでいてもよい。
界面活性剤は、主に重合中の懸濁状態を安定化させるために用いられる。界面活性剤は、逆相懸濁重合において通常用いられるものであれば特に限定されない。好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、変性ポリエチレンワックス、変性ポリプロピレンワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロースエーテル(ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース等) 、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が例示できる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の量は、水溶性エチレン性不飽和単量体に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
ラジカル開始剤は、ラジカル重合に通常用いられるものであれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及びアゾ系開始剤などが好適に使用される。例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩をラジカル開始剤として用いることができる。
ラジカル開始剤の量は、水溶性エチレン性不飽和単量体に対して好ましくは0.01〜0 .5質量% 、より好ましくは0.02〜0.2質量%である。
逆相懸濁重合において、水溶性エチレン性不飽和単量体等を含む液滴のサイズは、得られるポリマー粒子のサイズと密接な関係がある。反応容器及び製造スケール等の条件により異なるが、例えば2Lのフラスコを反応容器として用いた場合、攪拌速度600〜1000回転/分(rpm)の条件で逆相懸濁重合を行うことにより、本発明に用いるのに適したサイズ及び形状の樹脂粒子を好ましく得ることができる。また、添加する水溶性架橋剤の量により、架橋重合体(すなわち、得られる樹脂)の分子量及び架橋度を調整できる。このように、重合反応時の撹拌速度及び水溶性架橋剤の添加量を調整し、樹脂粒子のサイズ、分子量及び架橋度を制御することで、樹脂の親水性や増粘剤としての特性を調整することができる。
重合反応のその他の諸条件、例えばラジカル開始剤の量、重合反応温度、反応時間等も適宜調整することができる。重合反応温度は、例えば50〜80℃であり、反応時間は、例えば30分〜3時間である。例えば2Lのフラスコを反応容器として用いる場合、その浴温を60℃に調整して重合反応を開始させることができる。この場合、重合反応の開始は、反応容器内の温度が重合熱で70数℃程度まで上昇することから確認できる。その後、30分〜3時間程度の熟成反応を行うことで、通常は重合反応が完結する。熟成反応後、浴温を上昇させて反応容器内の水及び石油系炭化水素溶媒を留去させることで、吸水性樹脂が取得できる。
上記のようにして得られた吸水性樹脂(B)は、中位粒子径が5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。なお、当該中位粒子径は、吸水性樹脂をヘキサンに分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。当該装置としては、SALD−2000A(島津製作所社製)を用い得る。つまり、当該中位粒子径は、吸水性樹脂を乾燥させヘキサンに分散させてレーザー回折散乱法で測定した値である。なお、中位粒子径が5μm未満の場合、微粉であるため取り扱いが難しい。また、中位粒子径が40μmを超える場合、得られる尿素含有組成物の塗布時の肌へのなじみが若干悪くなるおそれがある。
吸水性樹脂(B)の配合量は乾燥質量換算で尿素含有組成物全体の0.3〜1.5質量%であることが好ましく、0.4〜1質量%であることがより好ましい。吸水性樹脂が0.3質量%以上であると、使用感に優れた効果が得られる。また、1.5質量%以下であると、組成物が使用するのに硬くなりすぎず好ましい。
本発明に用いられるアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)は、(メタ)アクリル酸100質量部と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜6質量部と、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0.1〜0.5質量部とを重合させて得られる共重合体である。
(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸を単独で又は2種組み合わせて用いることができる。2種組み合わせて用いる際の(メタ)アクリル酸の質量部は、これら2種の合計の質量部をいう。
アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が12〜24である高級アルコールとのエステルをいい、例えば、(メタ)アクリル酸とステアリルアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸とエイコサノールとのエステル、(メタ)アクリル酸とベヘニルアルコールとのエステルおよび(メタ)アクリル酸とテトラコサノールとのエステル等を挙げることができる。これらの中でも、本発明の組成物に電解質(塩)が配合された場合における粘度安定性が好ましく高くなり得るという観点から、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニルおよびメタクリル酸テトラコサニルが好適に用いられる。なお、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば日本油脂株式会社製の商品名ブレンマーVMA70等の市販品を用いてもよい。
(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの組み合わせは、それぞれ単独のものを組み合わせてもよいし、どちらか一方、または両者について2種以上のものを併用して組み合わせてもよい。つまり、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、前記の通り(メタ)アクリル酸100質量部に対して0.5〜6質量部であり、好ましくは1〜4質量部、より好ましくは1.5〜3.5質量部である。
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン性不飽和基がアリル基である化合物が好ましく、これらの中でも、ペンタエリトリトールジアリルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリルエーテルおよびペンタエリトリトールテトラアリルエーテル等のペンタエリトリトールアリルエーテルや、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル並びにポリアリルサッカロースがさらに好ましい。特にペンタエリトリトールアリルエーテルが好ましい。なお、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を併用してもよい。
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物の使用量は、前記の通り(メタ)アクリル酸100質量部に対して0.1〜0.5質量部であり、好ましくは0.15〜0.45質量部であり、より好ましくは0.2〜0.4質量部である。
(メタ)アクリル酸100質量部と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜6質量部と、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0.1〜0.5質量部とを重合させてアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体を得る方法は、特に限定されず、これらの原料を不活性ガス雰囲気下、溶媒中で攪拌し、重合開始剤を用いて重合させる方法等の通常の方法を用いることができる。
重合方法は特に制限されず、通常の乳化重合、懸濁重合、分散重合、溶液重合、沈殿重合などを用いることができるが、好ましくは乳化重合、懸濁重合、分散重合、沈殿重合である。
不活性ガス雰囲気を得るための不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスやアルゴンガス
等を挙げることができる。
等を挙げることができる。
前記溶媒は、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルやエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を溶解するが、得られるアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体を溶解しないものであって、当該反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。溶媒の具体例としては、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロペンタンおよびシクロヘキサン等が挙げられ、これらの中でもノルマルヘキサンおよびノルマルペプタンが好適に用いられる。
溶媒の使用量は、攪拌操作性を向上させる観点および経済性の観点から、(メタ)アクリル酸100質量部に対して、例えば300〜5000質量部であることが好ましい。
前記重合開始剤は、例えば、ラジカル重合開始剤が好ましく、具体例としては、α,α’−アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルおよび2,2’−アゾビスメチルイソブチレート等を挙げることができる。これらの中でも、高分子量のアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体が得られる観点から、2,2’−アゾビスメチルイソブチレートが好適に用いられる。
重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル酸1モルに対して0.00003〜0.002モルであることが望ましい。重合開始剤の使用量が0.00003モル未満の場合、反応速度が遅くなるため経済的でなくなるおそれがある。また、重合開始剤の使用量が0.002モルを超える場合、重合が急激に進行し、反応の制御が困難になるおそれがある。
反応温度は、50〜90℃が好ましく、55〜75℃がより好ましい。反応温度が50℃未満の場合、反応溶液の粘度が上昇し、均一に攪拌することが困難になるおそれがある。また、反応温度が90℃を超える場合、反応が急激に進行し、反応の制御が困難になるおそれがある。反応時間は、反応温度によって異なるので一概にはいえないが、通常、0.5〜5時間である。
反応終了後、反応溶液を例えば80〜130℃に加熱して前記溶媒を揮散除去することにより、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体を得ることができる。
アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)の配合量は尿素含有組成物全体の0.05〜0.6質量%であることが好ましく、0.1〜0.4質量%であることがより好ましい。アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体合計の配合量が0.05質量%以上であると、耐塩性に優れ、肌への馴染みが良くなる。また、0.6質量%以下であると、べたついた使用感が好ましく低減され、また、組成物も硬くなりにくく、使用に好適である。
なお、本発明の組成物には、吸水性樹脂(B)100質量部に対して、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)が5〜100質量部含まれることが好ましく、10〜65質量部含まれることがより好ましい。
また、本発明の組成物に含まれる(B)及び(C)の合計質量を1とした場合に、尿素(A)の質量比が15〜35となることが好ましく、20〜30となることがより好ましく、22.5〜27.5となることがさらに好ましい。
本発明の尿素含有組成物は、上記のようにして得られた尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)、並びに必要に応じてその他の成分を混合して得られる。混合方法としては、公知の方法を採用すればよく、特に限定されない。たとえば、プロペラミキサー、ハイスピードミキサー、ホモジナイザー等を用いて混合することができる。
本発明の尿素含有組成物に含まれるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、化粧品や外用医薬品、医薬部外品に配合される公知の成分であれば特に制限はされないが、例えば、水、粉体、液体油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、キレート剤、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、色素等が挙げられる。
本発明の尿素含有組成物は、特に外用組成物として好適に用いることができ、より具体的には化粧品や外用医薬品、医薬部外品等に好適に用いることができる。
また、特に制限はされないが、本発明の尿素含有組成物は、B型粘度計を用い、ローターはNo.6を使用し、回転数は20rpm、測定温度は25℃で、粘度測定を行ったときに、粘度が、好ましくは30000mPa以上、より好ましくは35000mPa以上、さらに好ましくは40000mPa以上である。
本発明は、また、尿素含有組成物用増粘剤をも包含する。当該増粘剤は、上記吸水性樹脂(B)及び上記アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含有する。含有割合としては、吸水性樹脂(B)100質量部に対して、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)が5〜100質量部含まれることが好ましく、10〜65質量部含まれることがより好ましい。当該増粘剤及び尿素、並びに必要に応じてその他の成分(例えば上述した「本発明の尿素含有組成物に含まれるその他の成分」と同様のもの)を混合することで、尿素含有組成物を製造することができる。混合割合としては、尿素含有組成物用増粘剤に含まれる(B)及び(C)の合計質量を1とした場合に、尿素の質量比が15〜35となることが好ましく、20〜30となることがより好ましく、22.5〜27.5となることがさらに好ましい。なお、特に制限はされないが、本発明の尿素含有組成物用増粘剤は、B型粘度計を用い、ローターはNo.6を使用し、回転数は20rpm、測定温度は25℃で、粘度測定を行ったときに、粘度が、好ましくは30000mPa以上、より好ましくは35000mPa以上、さらに好ましくは40000mPa以上となる尿素含有組成物を製造するにあたり特に好適である。
このようにして製造された尿素含有組成物は、上述の通り、高濃度に尿素を含有し、且つ高い粘性を有しながら、使用感(さらさら感)にも優れており、本発明の尿素含有組成物用増粘剤を用いることで、このような優れた尿素含有組成物を得ることができる。また、本発明は、このような尿素含有組成物の製造方法をも包含する。なお、上述した製造方法は、尿素含有組成物用増粘剤と尿素とを混合する工程を含むものであるが、本発明は、上記の尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を、上述した含有量や含有割合で混合する工程を有する方法も包含している。
以下に、製造例、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発
明は、これら実施例に限定されるものではない。
明は、これら実施例に限定されるものではない。
製造例1−1:吸水性樹脂の製造
500mL容の三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液90gを加え、外部よりフラスコを冷却しながら30質量%の水酸化ナトリウム水溶液94gを滴下して水溶液を中和した。さらにイオン交換水56g、架橋剤として低置換度の水溶性ショ糖アリルエーテル0.36g(アクリル酸水溶液に対して0.4質量%)、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V−50)0.064gを加えてアクリル酸中和物水溶液を調製した。これとは別に、撹拌機、還流冷却管、滴下ロート、窒素ガス導入管を取り付けた2L容の四つ口セパラブルフラスコにn−ヘプタン330gを加え、さらに界面活性剤としてショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製 S−370)2.7gを分散及び溶解させた。そこに、先に調製したアクリル酸中和物水溶液(水溶性エチレン不飽和単量体水溶液)を加え、攪拌速度1200rpmで攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に浴温を60℃ に保持して、1時間、逆相懸濁重合法により重合を行った。重合終了後、水およびn−ヘプタンを留去して吸水性樹脂の粉体103gを得た。得られた吸水性樹脂は球状であり、その中位粒子径は11μmであった。
500mL容の三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液90gを加え、外部よりフラスコを冷却しながら30質量%の水酸化ナトリウム水溶液94gを滴下して水溶液を中和した。さらにイオン交換水56g、架橋剤として低置換度の水溶性ショ糖アリルエーテル0.36g(アクリル酸水溶液に対して0.4質量%)、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V−50)0.064gを加えてアクリル酸中和物水溶液を調製した。これとは別に、撹拌機、還流冷却管、滴下ロート、窒素ガス導入管を取り付けた2L容の四つ口セパラブルフラスコにn−ヘプタン330gを加え、さらに界面活性剤としてショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製 S−370)2.7gを分散及び溶解させた。そこに、先に調製したアクリル酸中和物水溶液(水溶性エチレン不飽和単量体水溶液)を加え、攪拌速度1200rpmで攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に浴温を60℃ に保持して、1時間、逆相懸濁重合法により重合を行った。重合終了後、水およびn−ヘプタンを留去して吸水性樹脂の粉体103gを得た。得られた吸水性樹脂は球状であり、その中位粒子径は11μmであった。
なお、吸水性樹脂の中位粒子径は、吸水性樹脂0.1gをヘキサン5mlに分散させ、これを粒子径分布測定装置(株式会社島津製作所 SALD2000 フローセル使用)を用いて測定した値である。以下も同様である。
製造例1−2:吸水性樹脂の製造
攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた1L容の四つ口円筒型丸底フラスコにn−ヘプタン550mLを加えた。これにHLBが13.1のヘキサグリセリルモノベヘレート(界面活性剤;日本油脂株式会社製のノニオンGV−106)を1.38g添加して分散させ、50℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後30℃まで冷却した。
攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた1L容の四つ口円筒型丸底フラスコにn−ヘプタン550mLを加えた。これにHLBが13.1のヘキサグリセリルモノベヘレート(界面活性剤;日本油脂株式会社製のノニオンGV−106)を1.38g添加して分散させ、50℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後30℃まで冷却した。
一方、500mL容の三角フラスコを別に用意し、これに80質量%のアクリル酸水溶液92gを加えた。これに、外部から冷却しつつ20.1質量%の水酸化ナトリウム水溶液152.6gを滴下して75モル%の中和を行い、その後、過硫酸カリウム0.11gと、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.019gとを、さらに加えて溶解させた。これによりアクリル酸部分中和物水溶液(水溶性エチレン不飽和単量体水溶液)を調製した。
次に、得られたアクリル酸部分中和物水溶液の全量を前記四つ口円筒型丸底フラスコに回転数1500rpmの条件で加えて分散させ、系内を窒素で置換した後に昇温し、浴温を70℃に保持して3時間かけて逆相懸濁重合法により重合反応を行った。
重合反応終了後、得られたスラリーを、120℃で2時間乾燥してポリアクリル酸塩架橋物(吸水性樹脂)191.2gを得た。得られた吸水性樹脂は球状であり、その中位粒子径は20μmであった。
製造例2:アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体の製造
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてのブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製:メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有量が1質量部以下の混合物)1.125g、ノルマルヘキサン150gおよび2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)に加えて、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.135gを仕込んだ。引き続き、均一に攪拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃ に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに、110℃ 、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体43gを得た。
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてのブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製:メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有量が1質量部以下の混合物)1.125g、ノルマルヘキサン150gおよび2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)に加えて、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.135gを仕込んだ。引き続き、均一に攪拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃ に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに、110℃ 、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体43gを得た。
製造例3:カルボキシビニルポリマーの製造
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管及び冷却管を取り付けた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.27g、ノルマルヘキサン150g及び2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んで、反応液を調製した。反応液を撹拌して各原料を均一に混合した後、反応容器の雰囲気、原料及び溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、反応液を60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のカルボキシビニルポリマー42gを得た。
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管及び冷却管を取り付けた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.27g、ノルマルヘキサン150g及び2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んで、反応液を調製した。反応液を撹拌して各原料を均一に混合した後、反応容器の雰囲気、原料及び溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、反応液を60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のカルボキシビニルポリマー42gを得た。
実施例1
表1に示した尿素含有組成物の配合割合に従って、配合成分1〜5をそれぞれの割合で混合して70℃に加熱して攪拌し、均一な混合液とした。また、表1に示した尿素含有組成物の配合割合に従って、配合成分6〜11をそれぞれの割合で混合して70℃に加熱して攪拌し、均一な混合液とした。そして、配合成分1〜5の混合液と、配合成分6〜11の混合液とを、あわせて攪拌して、乳化型の尿素含有組成物(クリーム)を調製した。なお、表1に示す配合量は質量部である。得られた尿素含有組成物について、下記の方法により粘度、使用感を評価した。結果を表1にあわせて示す。
表1に示した尿素含有組成物の配合割合に従って、配合成分1〜5をそれぞれの割合で混合して70℃に加熱して攪拌し、均一な混合液とした。また、表1に示した尿素含有組成物の配合割合に従って、配合成分6〜11をそれぞれの割合で混合して70℃に加熱して攪拌し、均一な混合液とした。そして、配合成分1〜5の混合液と、配合成分6〜11の混合液とを、あわせて攪拌して、乳化型の尿素含有組成物(クリーム)を調製した。なお、表1に示す配合量は質量部である。得られた尿素含有組成物について、下記の方法により粘度、使用感を評価した。結果を表1にあわせて示す。
<粘度>
B型粘度計を用い、ローターはNo.6を使用し、回転数は20rpm、測定温度は25℃で、粘度測定を行った。
B型粘度計を用い、ローターはNo.6を使用し、回転数は20rpm、測定温度は25℃で、粘度測定を行った。
<使用感の官能評価>
尿素含有組成物の使用感を、10名の評価パネラーが両手に塗布し、そのときの使用感(さらさら感)について良いと感じたパネラーの人数を集計し、以下の基準で評価した。評価基準は次の表示で表すことにする。
○;良い(良いと感じた人数が6人以上)
×;悪い(良いと感じた人数が5人以下)
尿素含有組成物の使用感を、10名の評価パネラーが両手に塗布し、そのときの使用感(さらさら感)について良いと感じたパネラーの人数を集計し、以下の基準で評価した。評価基準は次の表示で表すことにする。
○;良い(良いと感じた人数が6人以上)
×;悪い(良いと感じた人数が5人以下)
実施例2及び比較例1〜4
表1に示した尿素含有組成物の配合割合に従って、実施例1と同様にして尿素含有組成物を調製し粘度、使用感を評価した。結果を表1にあわせて示す。なお、表1の「層分離」とは、配合成分1〜5の混合液と、配合成分6〜11の混合液とを撹拌しても、十分に混ざらず、二層に分離してしまうことを示す。また、配合成分10のトリエタノールアミンの量が各組成物で若干異なるのは、尿素はpH7付近にて安定であることから、pH調整のために適切な量を選択したためである。
表1に示した尿素含有組成物の配合割合に従って、実施例1と同様にして尿素含有組成物を調製し粘度、使用感を評価した。結果を表1にあわせて示す。なお、表1の「層分離」とは、配合成分1〜5の混合液と、配合成分6〜11の混合液とを撹拌しても、十分に混ざらず、二層に分離してしまうことを示す。また、配合成分10のトリエタノールアミンの量が各組成物で若干異なるのは、尿素はpH7付近にて安定であることから、pH調整のために適切な量を選択したためである。
Claims (7)
- 尿素(A)、吸水性樹脂(B)及び、アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む尿素含有組成物。
- 尿素(A)の含有量が、組成物全体の0.1〜40質量%である請求項1に記載の尿素含有組成物。
- 吸水性樹脂(B)が、水溶性エチレン性不飽和単量体を水溶性架橋剤の存在下に重合させて得られる樹脂である、請求項1または2に記載の尿素含有組成物。
- 吸水性樹脂(B)が、乾燥させヘキサンに分散させた際の中位粒子径が5〜40μmの吸水性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の尿素含有組成物。
- アルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)が、(メタ)アクリル酸100質量部と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜6質量部と、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0.1〜0.5質量部とを重合させて得られる共重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の尿素含有組成物。
- エチレン性不飽和基を2 個以上有する化合物が、ペンタエリトリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、およびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項5に記載の尿素含有組成物。
- 吸水性樹脂(B)及びアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体(C)を含む、尿素含有組成物用増粘剤。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023190349A1 (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-05 | 住友精化株式会社 | 粘性組成物及びそれに用いられる重合体 |
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2014
- 2014-08-21 JP JP2014168531A patent/JP2016044137A/ja active Pending
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