JP2021161198A - 粘性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマーを含有する水溶液組成物であって、経時的粘度低下が抑制された組成物の提供。【解決手段】(A)水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマー、並びに(B)ペンテト酸、ペンテト酸塩、及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、水溶液組成物。【選択図】なし
Description
本開示は、粘性を有する組成物等に関する。
水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマーは、例えば化粧料用の増粘剤として有用であることが知られている(例えば特許文献1)。
本発明者らは、水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマーを含有する水溶液組成物は、長期間保存すると、経時的に粘性が失われるおそれが高いことを見いだした。上記の通り、当該組成物は化粧料等として用い得るところ、その粘性が経時的に失われることは好ましく無い。
このため、本発明者らは、前記ポリマーを含有する水溶液組成物であって、経時的粘度低下が抑制された組成物を提供する手法を見いだすべく、さらに検討を行った。
本発明者らは、前記ポリマーに加えて特定の成分を含有する水溶液組成物は、経時的な粘度低下が抑制される可能性を見いだし、さらに改良を重ねた。
本開示は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
(A)水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマー、並びに
(B)ペンテト酸、ペンテト酸塩、及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種
を含む、水溶液組成物。
項2.
(A)における水溶性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の組成物。
項3.
(A)における水溶性ショ糖アリルエーテルの量が、前記水溶性不飽和カルボン酸単量体100質量部に対して0.01〜1質量部である、項1又は2に記載の組成物。
項4.
製造直後から50℃で保存したとき30日目までの粘度保持率が80%以上である、項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項1.
(A)水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマー、並びに
(B)ペンテト酸、ペンテト酸塩、及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種
を含む、水溶液組成物。
項2.
(A)における水溶性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の組成物。
項3.
(A)における水溶性ショ糖アリルエーテルの量が、前記水溶性不飽和カルボン酸単量体100質量部に対して0.01〜1質量部である、項1又は2に記載の組成物。
項4.
製造直後から50℃で保存したとき30日目までの粘度保持率が80%以上である、項1〜3のいずれかに記載の組成物。
水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマーを含有し、且つ経時的な粘度低下が抑制された水溶液組成物が提供される。
以下、本開示に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。本開示は、水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマーを含有し、且つ経時的な粘度低下が抑制された水溶液組成物、及びその用途、並びにその製造方法等を好ましく包含するが、これらに限定されるわけではなく、本開示は本明細書に開示され当業者が認識できる全てを包含する。
本開示に包含される組成物は、(A)水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマー(本明細書では「ポリマー(A)」ということがある)、並びに(B)ペンテト酸、ペンテト酸塩、及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種(本明細書では「成分(B)」ということがある)を含む、水溶液組成物である。本開示に包含される当該組成物を「本開示の組成物」ということがある。なお、水溶液組成物ということからも分かるように、本開示の組成物は水も含む。
ポリマー(A)は、前記の通り、水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマーである。当該ポリマーは、例えば、水溶性不飽和カルボン酸単量体を、水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下で懸濁重合法により重合させる工程を含む方法により得ることができる。懸濁重合法のなかでも、水溶性不飽和カルボン酸単量体、水溶性ショ糖アリルエーテル及び水を含む水相の液滴を疎水性溶媒中に分散させながら重合反応を行う逆相懸濁重合法が好ましい。なお、当該重合において、水溶性ショ糖アリルエーテルは水溶性架橋剤としてはたらき得る。
水溶性不飽和カルボン酸単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸などが挙げられる。中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。水溶性不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性ショ糖アリルエーテルのエーテル化度は、好ましくは1.8〜3.5、より好ましくは2.0〜3.2である。このエーテル化度は、ショ糖に対するアリルエーテル基のモル比の平均値である。エーテル化度は、ショ糖アリルエーテル中に残存する水酸基を、ピリジン中で無水酢酸と反応させ、このとき消費される無水酢酸の量から算出することができる。
水溶性ショ糖アリルエーテルは、例えば、ショ糖水性液に触媒の水酸化ナトリウムを加え、ショ糖をアルカリショ糖に転化した後、臭化アリルを滴下してエーテル化を行う方法により得ることができる。このとき、臭化アリルの量を、ショ糖に対して2〜6倍モル、好ましくは2〜5倍モルの範囲に調整することにより、効率的に水溶性ショ糖アリルエーテルを得ることができる。エーテル化の反応温度は、例えば80℃程度である。通常、臭化アリルの滴下後3時間程度で反応が完結する。反応液から分離した水相にアルコールを添加し、析出する塩類を濾別した後、余分なアルコールと水分を留去させることにより、水溶性ショ糖アリルエーテルを回収することができる。
逆相懸濁重合に用いられる疎水性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる石油系炭化水素溶媒が用いられる。脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等が挙げられる。脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。特に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種の疎水性溶媒が、工業的な汎用溶媒として好適に使用される。疎水性溶媒の比率は、水溶性不飽和カルボン酸単量体等を含む水相100質量部に対して、例えば100〜200質量部である。
逆相懸濁重合の際、水溶性不飽和カルボン酸単量体等を含む水相、又は前記疎水性溶媒は、界面活性剤及びラジカル開始剤等の他の成分を含んでいてもよい。
界面活性剤は、主に重合中の懸濁状態を安定化させるために用いられる。界面活性剤は、逆相懸濁重合において通常用いられるものであれば特に限定されない。好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、変性ポリエチレンワックス、変性ポリプロピレンワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロースエーテル(ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース等)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤が用いられる。
界面活性剤の量は、水溶性不飽和カルボン酸単量体に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。界面活性剤の量が少ないと重合の際の懸濁状態の安定性に問題が生じる可能性が若干あり、界面活性剤の量が多いと経済的に不利となる傾向がある。
ラジカル開始剤は、通常のラジカル重合に用いられるものであれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及びアゾ系開始剤などが好適に使用される。例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩をラジカル開始剤として用いることができる。
ラジカル開始剤の量は、水溶性不飽和カルボン酸単量体に対して好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.02〜0.2質量%である。ラジカル開始剤の量がこの範囲内にあると、重合反応がより効率的に進行し、また得られるポリマーを親水性増粘剤として用いた際の増粘性により優れる。
逆相懸濁重合の際、水溶性不飽和カルボン酸単量体等を含む液滴のサイズは、得られるポリマー粒子のサイズと密接な関係がある。反応容器及び製造スケール等の条件により異なるが、例えば2Lのフラスコを反応容器として用いた場合、撹拌速度800〜1000回転/分の条件で逆相懸濁重合を行うことにより、適当なサイズのポリマー粒子を得ることができる可能性が高い。このように、重合反応時の撹拌速度を調整し、ポリマー粒子(樹脂粒子)のサイズを制御することで、得られる樹脂粒子の中位粒子径を調整することができる。例えば、5〜30μmの樹脂粒子を得ることができる。このようにして得られたポリマー粒子の形状は球状であり、化粧品等の水性液又は粘性物中においても保持されるため、これを用いた化粧料において、種々の特性や触感・使用感によい影響を及ぼすものと考えられる。
なお、当該粒子の中位粒子径は、当該粒子をn−ヘキサン中に分散させ、レーザー回折法により測定した体積平均粒径の中位粒子径である。当該方法による測定装置(レーザー回折式粒度分布測定装置)として、例えばSALD−2000A(島津製作所製)を用いることができる。
当該粒子の中位粒子径は、好ましくは5〜30μmであり、より好ましくは5〜25μmであり、さらに好ましくは6〜20μmである。
重合反応のその他の諸条件、例えばラジカル開始剤の量、重合反応温度、反応時間等も適宜調整される。重合反応温度は、例えば50〜80℃であり、反応時間は、例えば30分〜3時間である。例えば2Lのフラスコを反応容器として用いる場合、その浴温を60℃に調整して重合反応を開始させることができる。この場合、重合反応の開始は、反応容器内の温度が重合熱で70℃程度に上昇することから確認できる。その後、30分〜3時間程度の熟成反応を行うことで、通常は重合反応が完結する。熟成時間が、それより短いと反応が充分に完了せず、残存する水溶性不飽和カルボン酸単量体が多くなることがある。熟成反応後、浴温を上昇させて反応容器内の水及び石油系炭化水素溶媒を留去させることで、生成物を取得することができる。
なお、水溶性不飽和カルボン酸のカルボキシル基をアルカリにより中和することにより、ポリマーの中和度を容易に調整することができる。ここでの中和度とは、水溶性不飽和カルボン酸のカルボキシル基の総モル数に対する中和された基のモル数の割合を言う。中和に用いられるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、等が挙げられる。中和の方法としては特に限定されず、例えば、予め水溶性不飽和カルボン酸単量体を中和する方法、重合により得られたポリマーを中和する方法等が挙げられる。
ポリマー(A)の中和度は、特に制限されるわけではないが、例えば70%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、40%以下がさらに好ましい。
水溶性ショ糖アリルエーテルの使用量は、特に制限されないが、例えば水溶性不飽和カルボン酸単量体100質量部に対して0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.8質量部がより好ましく、0.1〜0.6質量部がさらに好ましい。
なお、特に制限はされないが、ポリマー(A)の粒子は、本開示の組成物において、吸水して膨潤するため、その中位粒子径が配合前に比べて好ましくは約8〜10倍になる。吸水した当該粒子の中位粒子径は、40〜300μm程度であることが好ましく、50〜250μm程度であることがより好ましい。なお、当該中位粒子径は、レーザー回折法により測定した体積平均粒径の中位粒子径である。当該方法による測定装置(レーザー回折式粒度分布測定装置)として、例えばSALD−2000A(島津製作所製)を用いることができる。
本開示の組成物は、さらに(B)ペンテト酸、ペンテト酸塩、及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種を含む。ペンテト酸塩としては、金属塩が好ましく、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩がより好ましい。より具体的には、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩が挙げられる。より具体的には、例えばペンテト酸5ナトリウムが好ましく挙げられる。
本開示の組成物は、例えば化粧料組成物として有用である。
本開示の組成物は、効果を損なわない範囲で上記成分以外の成分を含有していてもよく、例えば化粧品分野で公知の成分を含有していてもよい。例えば、効果を損なわない範囲で、増粘剤を含有していてもよい。増粘剤としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等の多糖類系水溶性高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。またさらに、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤)、保湿剤、水溶性高分子、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を含有していてもよい。
本開示の組成物を化粧品分野において用いる場合、例えば、本開示の組成物をそのまま、あるいは原料として、化粧水、乳液、美容液、クリーム(薬用クリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、ジェルクリーム等)、ジェル(クレンジングジェル、ヘアーセッティングジェル、保湿ジェル、スタイリングジェル等)、クリームパック、洗顔フォーム、日焼け止め、アイライナー、マスカラ、口紅及びファンデーション等に利用することができる。
本開示の組成物は、例えば公知の方法又は公知の方法から容易に想到できる方法により調製することができる。特に制限されないが、例えば、水、ポリマー(A)、及び成分(B)、並びに必要に応じてその他の成分を混合することで調製することができる。
本開示の組成物においてポリマー(A)は、好ましくは0.01〜3質量%程度含まれる。当該範囲の上限又は下限は、例えば、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、又は2.9質量%であってもよい。例えば、0.02〜2.5質量%程度であってもよい。
また、本開示の組成物において、成分(B)は、効果が奏される範囲であれば特に制限されないが、ポリマー(A)100質量部に対して0.1〜200質量部程度含まれることが好ましい。特に、成分(B)としてフェノキシエタノールが含まれる場合には、ポリマー(A)100質量部に対し例えば50〜200質量部程度含まれることが好ましい。当該範囲の上限または下限は、例えば、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、又は190質量部であってもよい。例えば、60〜180質量部程度含まれてもよい。また、成分(B)としてペンテト酸及び/又はペンテト酸塩が含まれる場合には、ポリマー(A)100質量部に対し例えば0.1〜2質量部程度含まれることが好ましい。当該範囲の上限又は下限は、例えば、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、又は1.9質量部であってもよい。例えば、0.2〜1.8質量部程度含まれてもよい。
より具体的には、成分(B)としてフェノキシエタノールが含まれる場合には、例えば、0.1〜2質量%程度含まれることが好ましい。当該範囲の上限または下限は、例えば0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、又は1.9質量%であってもよい。例えば、当該範囲は0.2〜1.5質量%程度であってもよい。また、成分(B)としてペンテト酸及び/又はペンテト酸塩が含まれる場合には、例えば、0.0005〜0.02質量%程度含まれることが好ましい。当該範囲の上限又は下限は、例えば、0.001、0.0015、0.002、0.0025、0.003、0.0035、0.004、0.0045、0.005、0.0055、0.006、0.0065、0.007、0.0075、0.008、0.0085、0.009、0.0095、0.01、又は0.015質量%であってもよい。例えば、当該範囲は0.001〜0.015質量%であってもよい。
本開示の組成物の粘度は、例えば10000mPa・s以上であることが好ましく、11000、12000、13000、14000、又は15000mPa・s以上であることがより好ましい。また、粘度の上限は特に制限はされないが、例えば30000mPa・s以下が好ましく例示され、29000、28000、27000、26000、又は25000mPa・s以下がより好ましく例示される。
なお、本開示の組成物の粘度は、BH型回転粘度計を用いて測定される。具体的には、スピンドルローターの回転速度を毎分20回転として、25℃において、ローターの回転を開始してから1分後の粘度の値を読み取ることで測定される。なお、ローターは粘度に応じて適宜設定でき、目安として、2000mPa・s未満の場合はローターNo.3、2000mPa・s以上5000mPa・s未満の場合はローターNo.4、5000mPa・s以上15000mPa・s未満の場合はローターNo.5、15000mPa・s以上40000mPa・s未満の場合はローターNo.6、40000mPa・s以上の場合はローターNo.7である。また、必要に応じて、当該粘度測定の前に、各粘性組成物を遠心する(例えば2000rpm×10〜20分)ことで脱泡してから測定に用いることもできる。
本開示の組成物は、経時的な粘度保持率に優れる。例えば、製造後50℃で保管した時に、30日目までの粘度保持率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。なお、当該粘度保持率は、製造0日目の粘度、及び50℃で30日保管したときの粘度を測定し、製造0日目の粘度100%としたときの保管30日目の粘度の相対値である。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、本開示は、本明細書に説明した構成要件を任意の組み合わせを全て包含する。
また、上述した本開示の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本開示に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本開示には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
以下、例を示して本開示の実施形態をより具体的に説明するが、本開示の実施形態は下記の例に限定されるものではない。
ポリマーの調製
1000mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。この中で、水144gに水酸化ナトリウム48gを溶解した。次いで、ショ糖136.8gを加え、70〜85℃で120分間撹拌して、アルカリショ糖水溶液を得た。得られたアルカリショ糖水溶液に、臭化アリル145.2gを70〜85℃で1.5時間かけて滴下し、その後、80℃で3時間反応して、ショ糖をアリルエーテル化した。冷却後、水440gを添加し、分液ロートで余分な油分を分離して、粗ショ糖アリルエーテル水溶液を得た。得られた粗ショ糖アリルエーテルに塩酸を加えてpHを6〜8に調整した後、ロータリーエバポレーターを用いて、水溶液の質量が480gになるまで水分を除去した。次いで、エタノール200gを添加して副生成物の臭化ナトリウム等の塩類を析出させ、析出物を濾別により水溶液から除去した。さらに、エバポレーターを用いて水溶液から余分な水分を除去し、エーテル化度2.4のショ糖アリルエーテル166gを得た。
1000mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。この中で、水144gに水酸化ナトリウム48gを溶解した。次いで、ショ糖136.8gを加え、70〜85℃で120分間撹拌して、アルカリショ糖水溶液を得た。得られたアルカリショ糖水溶液に、臭化アリル145.2gを70〜85℃で1.5時間かけて滴下し、その後、80℃で3時間反応して、ショ糖をアリルエーテル化した。冷却後、水440gを添加し、分液ロートで余分な油分を分離して、粗ショ糖アリルエーテル水溶液を得た。得られた粗ショ糖アリルエーテルに塩酸を加えてpHを6〜8に調整した後、ロータリーエバポレーターを用いて、水溶液の質量が480gになるまで水分を除去した。次いで、エタノール200gを添加して副生成物の臭化ナトリウム等の塩類を析出させ、析出物を濾別により水溶液から除去した。さらに、エバポレーターを用いて水溶液から余分な水分を除去し、エーテル化度2.4のショ糖アリルエーテル166gを得た。
500mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。この中にアクリル酸72g及び水を入れ、80質量%のアクリル酸水溶液90gを調製した。アクリル酸水溶液を冷却しながら、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液54gを滴下して、中和度40%のアクリル酸中和水溶液を調製した。次いで、上で得たショ糖アリルエーテル0.32gと、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製「V−50」)0.04gを加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を調製した。
これとは別に、撹拌機、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を取り付けた2000mL容のセパラブルフラスコにn−ヘプタン330gを入れ、さらに無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)1.0g、及び、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS−370)1.0gを加え、これをn−ヘプタンに分散及び溶解させた。次いで、先に調製したエチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を加えた。反応容器内の雰囲気、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んで系内を窒素置換しながら、浴温を60℃に保持して、撹拌回転数を1000回転/分で撹拌して、1時間反応を行った。反応終了後、水およびn−ヘプタンを留去して、アクリル酸及びそのナトリウム塩の重合体を得た。以下、当該重合体をポリマー1と表記することがある。
<各種成分を用いた水溶液組成物の粘度低下抑制効果の検討>
各種検討成分(表2参照)を含有する水溶液組成物を、次のようにして調製した。
各種検討成分(表2参照)を含有する水溶液組成物を、次のようにして調製した。
1L容のプラスチックビーカーにイオン交換水594gを計り取り、スリーワンモーター(平板羽根3枚)を400rpmの速さで撹拌し、そこへポリマー1を6g加え、1時間撹拌した。その後ハンドミキサーでさらに2分間撹拌してポリマー1の1質量%水分散組成物を得た。
これとは別に、100ml容のポリ瓶に精密天秤を用いて各種検討成分(表1参照)の濃度が0.1%となるように各種検討成分とイオン交換水を測り取り、スターラーを用いて均一になるまで撹拌し、各種検討成分0.1質量%水溶液組成物を得た。但し、検討物質がフェノキシエタノールである場合だけは、1質量%水溶液組成物とした。
得られたポリマー1の水分散組成物と各種検討成分水溶液組成物とをスターラーを用いて均一になるまで撹拌して、検討用水溶液組成物を得た。なお、検討用水溶液組成物における各種検討成分の濃度が、フェノキシエタノールは0.5質量%、キレート剤は25ppm、その他の成分は17ppmとなるよう調製した。
得られた各検討用水溶液組成物を50℃で保管し、0日目と30日目に粘度を測定した。また、粘度から粘度保持率(0日目の粘度を100%としたときの、30日目の粘度の相対値)を算出した。粘度は、BH型回転粘度計を用いて測定した。スピンドルローターの回転速度を毎分20回転として、25℃において、ローターの回転を開始してから1分後の粘度の値を読み取った。ローターNo.5、No.6又はNo.7を使用した。なお、当該粘度測定の前に、各粘性組成物を遠心する(2000rpm×10〜20分)ことで脱泡してから用いた。
粘度保持率が80%以上を○、70%以上80%未満を△、70%未満を×と評価した。当該評価も、表2に併せて示す。
なお、検討成分としてフェノキシエタノール、ペンテト酸、フィチン酸、エチドロン酸、クエン酸、ペンテト酸5ナトリウム、又はヘキサメタリン酸ナトリウムを用いて調製した検討用水溶液組成物については、0日目及び30日目だけではなく、数日おきに粘度を測定した。また、粘度から粘度保持率(0日目の粘度を100%としたときの、30日目の粘度の相対値)を算出した。結果を図1に示す。
以上の結果から、水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマーを含有する水溶性組成物であっても、さらにペンテト酸、ペンテト酸塩、又はフェノキシエタノールを含有する組成物であれば、経時的な粘度低下が好ましく抑制されることが分かった。
Claims (3)
- (A)水溶性ショ糖アリルエーテルの存在下に水溶性不飽和カルボン酸単量体を重合して得られるポリマー、並びに
(B)ペンテト酸、ペンテト酸塩、及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種
を含む、水溶液組成物。 - (A)における水溶性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の組成物。
- (A)における水溶性ショ糖アリルエーテルの量が、前記水溶性不飽和カルボン酸単量体100質量部に対して0.01〜1質量部である、請求項1又は2に記載の組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024049246A1 (ko) * | 2022-09-02 | 2024-03-07 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 증점제 분산액, 이를 포함하는 음극 슬러리, 음극 및 리튬 이차전지 |
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2020
- 2020-03-31 JP JP2020063036A patent/JP2021161198A/ja active Pending
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