JP2016023143A - 紫外線吸収剤を含有する組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】UV−A領域の紫外線吸収剤とUV−B領域の紫外線吸収剤を含有する化粧料において、乳化安定性及び滑らかさが良好で、さっぱりした軽い使用感の化粧料を提供すること。【解決手段】(A):UV−A領域の紫外線吸収剤と(B):UV−B領域の紫外線吸収剤と(C):(メタ)アクリル酸100質量部、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜5質量部、及びエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0〜0.1質量部とを重合させて得られるアルキル変性カルボキシル基含有水溶性重合体と(D):水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体とを含有する組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、紫外線吸収剤を含有する組成物に関する。より詳細には、本発明は、UV−A領域の紫外線吸収剤とUV−B領域の紫外線吸収剤を含有する組成物(特に化粧料組成物)に関する。
一般に、日焼け止め化粧料には、UV−A領域(320〜400nm)に散乱効果のある微粒子酸化チタン、酸化セリウム等の紫外線散乱剤とベンゾフェノン系化合物、パラアミノ安息香酸系化合物、ケイ皮酸系化合物等のUV−B領域(280〜320nm)の紫外線吸収剤とが配合されたもの(特許文献1参照)や、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンやジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等のUV−A領域の紫外線吸収剤とベンゾフェノン系化合物、パラアミノ安息香酸化合物、ケイ皮酸系化合物等のUV−B領域の紫外線吸収剤とが配合されたもの(特許文献2参照)等がある。
UV−A領域の有機紫外線吸収剤を配合した製品では、分散剤としてカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシポリマー等が用いられているが(特許文献2参照)、UV−A領域の有機紫外線吸収剤の多くは常温で固形又はペースト状であり、これらを含んだ日焼け止め化粧料はべたつき感を生じる場合があり、使用感の点で満足できるものではない。
本発明の目的は、UV−A領域の有機紫外線吸収剤とUV−B領域の有機紫外線吸収剤を含有する組成物において、従来のカルボキシビニルポリマーやアルキル変性カルボキシビニルポリマーを使用した場合に比べ、更に乳化安定性に優れ、さっぱりした軽い使用感の組成物を提供することにある。
本発明者らは、UV−A領域の有機紫外線吸収剤とUV−B領域の有機紫外線吸収剤を含有する組成物において、特定のアルキル変性カルボキシル基含有重合体及び水溶性架橋剤によって架橋されたエチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体を使用することによって、乳化安定性に優れ、皮膚に適用した際にさっぱりした軽い使用感を与える組成物を調製できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明に至った。
すなわち本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
(A):UV−A領域の紫外線吸収剤と
(B):UV−B領域の紫外線吸収剤と
(C):(メタ)アクリル酸100質量部、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜5質量部、及びエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0〜0.1質量部とを重合させて得られるアルキル変性カルボキシル基含有水溶性重合体と
(D):水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体と
を含有する組成物。
項2.
(C)と(D)を質量比(C):(D)=20:80〜60:40の割合で含有する項1に記載の組成物。
項3.
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が、ペンタエリトリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルおよびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1または2に記載の組成物。
項4.
エチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.
化粧料組成物である、項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項1.
(A):UV−A領域の紫外線吸収剤と
(B):UV−B領域の紫外線吸収剤と
(C):(メタ)アクリル酸100質量部、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜5質量部、及びエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0〜0.1質量部とを重合させて得られるアルキル変性カルボキシル基含有水溶性重合体と
(D):水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体と
を含有する組成物。
項2.
(C)と(D)を質量比(C):(D)=20:80〜60:40の割合で含有する項1に記載の組成物。
項3.
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が、ペンタエリトリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルおよびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1または2に記載の組成物。
項4.
エチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.
化粧料組成物である、項1〜4のいずれかに記載の組成物。
本発明の組成物であれば、乳化安定性が向上し、皮膚に適用した際に、従来のカルボキシビニルポリマーやアルキル変性カルボキシビニルポリマーを使用した場合よりも更にさっぱりした軽い使用感を与えることができる。よって、当該組成物は、例えば化粧料(特に日焼け止め化粧料)や医薬として(あるいはそれらの原材料として)有用である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る組成物は、(A)UV−A領域の紫外線吸収剤と(B)UV−B領域の紫外線吸収剤と(C)特定のアルキル変性カルボキシル基含有重合体と(D)水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体吸水性樹脂とを含有する。
(A)UV−A領域の紫外線吸収剤としては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンなどが挙げられる。中でも、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンが好ましい。これらのUV−A領域の紫外線吸収剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(B)UV−B領域の紫外線吸収剤としては、例えばオクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)モノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデン−d1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、オクチルトリアゾン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤が挙げられる。中でも、オクチル−p−メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート、4−メトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル、ともいう)が好ましい。UV−B領域の紫外線吸収剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる(C)特定のアルキル変性カルボキシル基含有重合体は、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、さらに必要に応じてエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物とを重合させて得られるものである。当該重合体は水溶性であることが好ましい。なお、当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルの炭素数は、好ましくは、16〜24、より好ましくは18〜24である。
アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクルル酸アルキルエステルとは、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が12〜24である高級アルコールとのエステルをいい、例えば、(メタ)アクリル酸とステアリルアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸とエイコサノールとのエステル、(メタ)アクリル酸とベヘニルアルコールとのエステルおよび(メタ)アクリル酸とテトラコサノールとのエステル等を挙げることができる。これらの中でも、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニルおよびメタクリル酸テトラコサニルが好適に用いられる。なお、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば日本油脂株式会社製の商品名ブレンマーVMA70等の市販品を用いてもよい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、「メタクリル酸又はアクリル酸」を示す。よって、例えば「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」は「メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸エステル」を示す。
(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの組み合わせは、それぞれ単独のものを組み合わせてもよいし、どちらか一方、または両者について2種以上のものを併用して組み合わせてもよい。つまり、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(メタ)アクリル酸100質量部に対して0.5〜5質量部であり、好ましくは1〜3質量部である。当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量比が、0.5質量部未満である場合には、得られるアルキル変性カルボキシル基含有重合体を含む組成物の増粘性が不十分になるおそれがあり、一方、5質量部を超える場合には、得られるアルキル変性カルボキシル基含有重合体を含む組成物にべたつき感が現れ、特に皮膚に適用した際の使用感を損なうおそれがある。
本発明において必要に応じて用いられるエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリトリトールジアリルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリルエーテルおよびペンタエリトリトールテトラアリルエーテル等のペンタエリトリトールアリルエーテルや、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル並びにポリアリルサッカロースが好ましい。なお、これらエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を使用する場合の使用量は、(メタ)アクリル酸100質量部に対して0質量部より多く0.1質量部以下であり、0.001〜0.1質量部が好ましく、0.01〜0.05質量部がより好ましい。
(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、さらに必要に応じてエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物とを重合させてアルキル変性カルボキシル基含有重合体を得る方法は、特に限定されず、これらの原料を不活性ガス雰囲気下、溶媒中で撹拌し、重合開始剤を用いて重合させる方法等の通常の方法を用いることができる。
重合方法は特に制限されず、通常の乳化重合、懸濁重合、分散重合、溶液重合、沈殿重合などを用いることができるが、好ましくは乳化重合、懸濁重合、分散重合法、沈殿重合である。
不活性ガス雰囲気を得るための不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスやアルゴンガス等を挙げることができる。
前記溶媒は、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を溶解するが、得られるアルキル変性カルボキシル基含有重合体を溶解しないものであって、当該反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。溶媒の具体例としては、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロペンタン、シクロケキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等が挙げられ、これらの中でもノルマルヘキサン、ノルマルヘプタンおよび酢酸エチルを好適に用いることができる。
溶媒の使用量は、撹拌操作性を向上させる観点および経済性の観点から、例えば(メタ)アクリル酸100質量部に対して、300〜5000質量部であることが好ましい。
前記重合開始剤は、例えば、ラジカル重合開始剤が好ましく、具体例としては、α,α’−アゾイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルおよび2,2‘−アゾビスメチルイソブチレート等を挙げることができる。これらの中でも、高分子量のアルキル変性カルボキシル基含有重合体が得られる観点から、2,2’−アゾビスメチルイソブチレートが好適に用いられる。
重合開始剤の使用量は、例えば、(メタ)アクリル酸1モルに対して0.00003〜0.002モルであることが望ましい。重合開始剤の使用量が0.00003モル未満の場合、反応速度が遅くなるため経済的でなくなるおそれがある。また、重合開始剤の使用量が0.002モルを超える場合、重合が急激に進行し、反応の制御が困難になるおそれがある。
反応温度は50〜90℃が好ましく、55〜75℃がより好ましい。反応温度が50℃未満の場合、重合反応を開始することができないか、反応溶液の粘度が上昇し、均一に撹拌することが困難になるおそれがある。また、反応温度が90℃を超える場合、反応が急激に進行し、反応の制御が困難になるおそれがある。反応時間は、反応温度によって異なるので一概には言えないが、通常0.5〜5時間である。
反応終了後、反応溶液を例えば80〜130℃に加熱して前記溶媒を揮散除去することにより、アルキル変性カルボキシル基含有重合体を得ることができる。
(D)水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体は、吸水性であることが好ましく、吸水性樹脂であり得る。つまり、(D)は、好ましくは水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体を含む吸水性樹脂であり、より好ましくは当該重合体からなる吸水性樹脂である。
(D)におけるエチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、水溶性エチレン性不飽和カルボン酸単量体が好ましく、具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が好ましく挙げられる。エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においてはエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基をアルカリにより中和することにより、得られる重合体の中和度を容易に調整することができる。本発明において、中和度とはエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基の総モル数に対する中和された基のモル数の割合を言う。中和に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、アンモニア、等が挙げられる。中和の方法としては特に限定されず、例えば、予めエチレン性不飽和カルボン酸単量体を中和する方法、重合により得られた重合体を中和する方法等が挙げられる。
また、(D)における水溶性架橋剤としては、重合性不飽和基及び/又は反応性官能基を2個以上有する化合物が好ましく挙げられる。反応性官能基は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体が有するカルボキシル基と反応して、架橋構造を形成し得る官能基である。その具体例としては、グリシジル基、イソシアネート基が挙げられる。2個以上のグリシジル基を有する水溶性架橋剤の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。2個以上の重合性不飽和基を有する水溶性架橋剤の例としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート及び水溶性ショ糖アリルエーテルが挙げられる。水溶性架橋剤は1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。中でも水溶性ショ糖アリルエーテルが好ましく用いられる。
水溶性架橋剤として用いる水溶性ショ糖アリルエーテルのエーテル化度は、好ましくは2.0〜3.5、より好ましくは2.2〜3.2である。水溶性ショ糖アリルエーテルのエーテル化度が低いと、架橋反応に関わる官能基であるアリル基が不足して、架橋反応が効果的に進行し難くなる傾向がある。水溶性ショ糖アリルエーテルのエーテル化度が高いと、水に対する溶解性が低下するため、水相中においてショ糖アリルエーテルとエチレン性不飽和カルボン酸単量体との架橋反応が進行し難くなる傾向がある。このエーテル化度は、ショ糖に対するアリルエーテル基のモル比の平均値である。エーテル化度は、ショ糖アリルエーテル中に残存する水酸基を、ピリジン中で無水酢酸と反応させ、このとき消費される無水酢酸の量から算出することができる。
水溶性ショ糖アリルエーテルは、例えば、ショ糖水性液に触媒の水酸化ナトリウムを加え、ショ糖をアルカリショ糖に転化した後、臭化アリルを滴下してエーテル化を行う方法により得ることができる。このとき、臭化アリルの量を、ショ糖に対して好ましくは2〜6倍モル、より好ましくは2〜5倍モルの範囲に調整することにより、効率的に水溶性ショ糖アリルエーテルを得ることができる。エーテル化の反応温度は、例えば80℃程度である。通常、臭化アリルの滴下後3時間程度で反応が完結する。反応液から分離した水相にアルコールを添加し、析出する塩類を濾別した後、余分なアルコールと水分を留去させることにより、水溶性ショ糖アリルエーテルを回収することができる。
(D)水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体は、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を、水溶性架橋剤の存在下で懸濁重合法により重合させる工程を含む方法により得ることができる。懸濁重合法のなかでも、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、水溶性架橋剤及び水を含む水相の液滴を疎水性溶媒中に分散させながら重合反応を行う逆相懸濁重合法が好ましい。
逆相懸濁重合に用いられる疎水性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種の石油系炭化水素溶媒が用いられる。脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等が挙げられる。脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。特に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種の疎水性溶媒が、工業的な汎用溶媒として好適に使用される。疎水性溶媒の比率は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体等を含む水相100質量部に対して、例えば100〜200質量部である。
逆相懸濁重合の際、エチレン性不飽和カルボン酸単量体等を含む水相、又は前記疎水性溶媒は、界面活性剤及びラジカル開始剤等の他の成分を含んでいてもよい。
界面活性剤は、主に重合中の懸濁状態を安定化させるために用いられる。界面活性剤は、逆相懸濁重合において通常用いられるものであれば特に限定されない。好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、変性ポリエチレンワックス、変性ポリプロピレンワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロースエーテル(ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース等)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤が用いられる。
界面活性剤の量は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。界面活性剤の量が少ないと重合の際の懸濁状態の安定性に問題が生じる可能性があり、界面活性剤の量が多いと経済的に不利となる傾向がある。
ラジカル開始剤は、通常のラジカル重合に用いられるものであれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及びアゾ系開始剤などが好適に使用される。例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩をラジカル開始剤として用いることができる。
ラジカル開始剤の量は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に対して好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.02〜0.2質量%である。ラジカル開始剤の量が少ないと重合反応が進行し難くなったり、反応に長時間が必要となったりする傾向がある。ラジカル開始剤の量が多くなると、生成する重合体の鎖長が短くなって、吸水性樹脂の水性液の粘度が低下する傾向がある。
逆相懸濁重合の際、エチレン性不飽和カルボン酸単量体等を含む液滴のサイズは、得られるポリマー粒子のサイズと密接な関係がある。反応容器及び製造スケール等の条件により異なるが、例えば2Lのフラスコを反応容器として用いた場合、撹拌速度800〜1000回転/分の条件で逆相懸濁重合を行うことにより、適当なサイズのポリマー粒子を得ることができる可能性が高い。このように、重合反応時の撹拌速度を調整することで、ポリマー粒子のサイズを制御することができる。このようにして、好ましくは中位粒子径5〜30μm程度の吸水性樹脂粒子を得ることができる。このようにして得られたポリマー粒子の形状は球状であり、化粧品等の水性液中においても保持されるためこれを用いた化粧料において、種々の特性や触感・使用感によい影響を及ぼすと考えられる。
重合反応のその他の諸条件、例えばラジカル開始剤の量、重合反応温度、反応時間等も適宜調整される。重合反応温度は、例えば50〜80℃であり、反応時間は、例えば30分〜3時間である。例えば2Lのフラスコを反応容器として用いる場合、その浴温を60℃に調整して重合反応を開始させることができる。この場合、重合反応の開始は、反応容器内の温度が重合熱で70℃程度に上昇することから確認できる。その後、30分〜3時間程度の熟成反応を行うことで、通常は重合反応が完結する。熟成時間が、それより短いと反応が充分に完了せず、残存するエチレン性不飽和カルボン酸単量体が多くなることがある。熟成反応後、例えば浴温を上昇させて反応容器内の水及び石油系炭化水素溶媒を留去させることで、生成物を取得することができる。
本発明の組成物に含有される上記成分(A)〜(D)の含有量については、本発明の効果を損なわない範囲で適宣設定することができる。
特に本発明の効果を好ましく発揮できるという観点から、(C)と(D)が質量比で(C):(D)=20:80〜60:40含まれることが好ましく、20:80〜50:50含まれることがより好ましい。
また、(A)及び(B)については、それぞれ紫外線吸収効果が奏される範囲で組成物に配合されればよい。例えば(A)と(B)が、質量比で(A):(B)=30:70〜70:30含まれることが好ましく、(A):(B)=40:60〜60:40含まれることがより好ましい。また、組成物全体に対して、(A)は1質量%以上含まれることが好ましく、1〜15質量%程度がより好ましく、2〜10質量%程度がさらに好ましい。組成物全体に対して、(B)は1質量%以上含まれることが好ましく、1〜15質量%程度がより好ましく、2〜10質量%程度がさらに好ましい。
なお、本明細書において、本発明の組成物が含む各成分についての含有量、含有割合の数値は、吸水性の成分に関しては吸水していないときの値(乾燥質量換算値)を表す。
また、本発明の組成物は化粧料組成物として好ましく用いられる。化粧料組成物として用いる場合、特に日焼け止め化粧料組成物として好ましく用いられる。化粧料の形態は、特に限定されないが、例えば、化粧水、乳液、美容液、クリーム、クリームパック、ジェルクリーム等が例示できる。クリーム、乳液、ジェルクリーム等の乳化系化粧料として本実施形態に係る化粧料を用いると、よれを生じることなく、さっぱり感及び軽さも付与され、メリットが特に大きい。
化粧料組成物を製造するに当たっては、通常化粧料に用いられる公知の成分をさらに用いることができる。このような成分として、例えば油性成分、保湿剤、界面活性剤、増粘剤などが挙げられる。
一般的には、水中油型乳化化粧料は、水相と油相を60℃前後に加熱溶解し、ホモミキサーで乳化した後、撹拌しながら冷却する工程で製造される。成分(C)及び(D)は水中油型乳化化粧料のレオロジーコントロール剤及び紫外線吸収剤の乳化安定剤として機能する。(C)及び(D)の合計配合量は、一般的な乳液では全成分に対し例えば0.1〜0.3質量%、一般的なクリームでは例えば0.2〜2質量%程度である。一般的に1質量%以上配合すると、べたつき、よれを生じるおそれが高まる。しかし、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、美白剤等を配合したような製品については、所望の粘性を得る観点から、成分(C)及び(D)を0.5〜2質量%配合することが好ましい。
化粧料に用いる油性成分は、特に限定されないが、肌への質感、馴染み、外観、滑り性等を考慮して、天然系オイル、シリコーン系オイル及びエステル油等であってもよい。
天然系オイルとしては、例えば、流動パラフィン等のパラフィン系炭化水素、オリーブオイル、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ホホバ油、オレンジラフィー油、ミツロウ、ラノリン、ミネラルオイル、及びスクワラン等が挙げられる。
シリコーン系オイルとしては、例えば、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状メチルシロキサン、及びシリコーンポリエーテルコポリマー等の変性シリコーンオイル等が挙げられる。
エステル油としては、各種脂肪酸エステルが挙げられる。例えば、オレイン酸、エルカ酸、ミリスチン酸、リシノレイン酸等の各脂肪酸のオクチルドデシルエステルが好適である。
これらの油性成分は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリン、マンニトール及びポリオキシエチレンメチルグリコシド等から適宣選ばれる。
界面活性剤は、ノニオン性のモノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステル等が使用されることが多い。ただし、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤を使用することもできる。
本発明の化粧料は更に、増粘剤として、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等の多糖類系水溶性高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有してもよい。
本発明の化粧料は更に、増粘剤として、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等の多糖類系水溶性高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<アルキル変性カルボキシル基含有重合体Aの合成>
(製造例1)
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてのブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製:メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有量が1質量部以下の混合物)1.35g、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.02g、ノルマルヘキサン150gおよび2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んだ。引き続き、均一に攪拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体A43gを得た。
(製造例1)
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてのブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製:メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有量が1質量部以下の混合物)1.35g、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.02g、ノルマルヘキサン150gおよび2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んだ。引き続き、均一に攪拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体A43gを得た。
<水溶性ショ糖アリルエーテルの合成>
(製造例2)
1000mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中で、水144gに水酸化ナトリウム48g(1.2モル)を溶解した。そこにショ糖136.8g(0.4モル)を加え、70〜85℃で120分間撹拌して、アルカリショ糖水溶液を調製した。このアルカリショ糖水溶液に対して、臭化アリル145.2g(1.2モル)を、70〜85℃で1.5時間かけて滴下し、その後、80℃で3時間熟成して、ショ糖をアリルエーテル化した。冷却後、水440gを添加し、分液ロートで余分な油分を分離して、粗ショ糖アリルエーテル水溶液を得た。この粗ショ糖アリルエーテル水溶液に塩酸を加えてpHを6〜8に調整した後、ロータリーエバポレーターを用いて、水溶液の質量が480gになるまで水分を除去した。そして、エタノール200gを添加して副生成物の臭化ナトリウム等の塩類を析出させ、析出物を濾別により水溶液から除去した。さらにエバポレーターを用いて水溶液から余分な水分を除去し、エーテル化度2.4の精製された水溶性ショ糖アリルエーテル166gを得た。
(製造例2)
1000mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中で、水144gに水酸化ナトリウム48g(1.2モル)を溶解した。そこにショ糖136.8g(0.4モル)を加え、70〜85℃で120分間撹拌して、アルカリショ糖水溶液を調製した。このアルカリショ糖水溶液に対して、臭化アリル145.2g(1.2モル)を、70〜85℃で1.5時間かけて滴下し、その後、80℃で3時間熟成して、ショ糖をアリルエーテル化した。冷却後、水440gを添加し、分液ロートで余分な油分を分離して、粗ショ糖アリルエーテル水溶液を得た。この粗ショ糖アリルエーテル水溶液に塩酸を加えてpHを6〜8に調整した後、ロータリーエバポレーターを用いて、水溶液の質量が480gになるまで水分を除去した。そして、エタノール200gを添加して副生成物の臭化ナトリウム等の塩類を析出させ、析出物を濾別により水溶液から除去した。さらにエバポレーターを用いて水溶液から余分な水分を除去し、エーテル化度2.4の精製された水溶性ショ糖アリルエーテル166gを得た。
<吸水性樹脂(水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体)の合成>
(製造例3)
500mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中にアクリル酸72g及び水を入れ、80質量%のアクリル酸水溶液90gを調製した。アクリル酸水溶液を冷却しながら、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液54gを滴下して、水溶液を中和した。さらにイオン交換水56gと、架橋剤として製造例2の水溶性ショ糖アリルエーテル0.32g(アクリル酸水溶液に対して0.35質量%)と、開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V−50)0.04gとを加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を調製した。
(製造例3)
500mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中にアクリル酸72g及び水を入れ、80質量%のアクリル酸水溶液90gを調製した。アクリル酸水溶液を冷却しながら、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液54gを滴下して、水溶液を中和した。さらにイオン交換水56gと、架橋剤として製造例2の水溶性ショ糖アリルエーテル0.32g(アクリル酸水溶液に対して0.35質量%)と、開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V−50)0.04gとを加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を調製した。
これとは別に、撹拌機、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を取り付けた2Lのセパラブルフラスコにn−ヘプタン330gを入れ、さらに界面活性剤であるソルビタンモノステアレート(日油株式会社製、ノニオンSP-60R)2.7gを加え、これをn−ヘプタンに分散及び溶解させた。そこに、先に調製したエチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を加えた。反応容器内の雰囲気、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んで系内を窒素置換しながら、浴温を60℃に保持して、撹拌速度1000回転/分で撹拌して、1時間かけて逆相懸濁重合法により重合を行った。重合終了後、水およびn−ヘプタンを留去して、アクリル酸及びそのナトリウム塩の重合体であって、水溶性ショ糖アリルエーテルによって架橋された重合体である吸水性樹脂の粉末90gを得た。
<カルボキシビニルポリマーの合成>
(製造例4)
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管及び冷却管を取り付けた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.27g、ノルマルヘキサン150g及び2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んで、反応液を調製した。反応液を撹拌して各原料を均一に混合した後、反応容器の上部空間、原料及び溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、反応液を60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマル−ヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のカルボキシビニルポリマー42gを得た。
(製造例4)
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管及び冷却管を取り付けた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、ペンタエリトリトールアリルエーテル0.27g、ノルマルヘキサン150g及び2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んで、反応液を調製した。反応液を撹拌して各原料を均一に混合した後、反応容器の上部空間、原料及び溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、反応液を60〜65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマル−ヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のカルボキシビニルポリマー42gを得た。
<化粧料:日焼け止めクリームの調製>
(実施例1)
以下の成分1〜3の60℃混合液に成分4〜6を添加した後、ホモミキサーで分散させながら、あらかじめ調製しておいた下記成分7〜13の60℃均一混合液を加え、ホモミキサー(13000rpm、5分)で乳化し、日焼け止めクリームを調製した。なお以下の各成分量を示す%は、調製される日焼け止めクリームを100%としたときの質量%を示す。
(実施例1)
以下の成分1〜3の60℃混合液に成分4〜6を添加した後、ホモミキサーで分散させながら、あらかじめ調製しておいた下記成分7〜13の60℃均一混合液を加え、ホモミキサー(13000rpm、5分)で乳化し、日焼け止めクリームを調製した。なお以下の各成分量を示す%は、調製される日焼け止めクリームを100%としたときの質量%を示す。
油相
1.流動パラフィン 10%
2.パルミチン酸イソプロピル 10%
3.オクチル−p−メトキシシンナメート 5%
4.4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 5%
5.アルキル変性カルボキシル基含有重合体A 0.2%
6.吸水性樹脂(製造例3で調製したもの) 0.2%
水相
7.ポリソルベート60 3%
8.グリセリン 5%
9.プロピレングリコール 5%
10.エタノール 3%
11.メチルパラベン 0.5%
12.6%水酸化ナトリウム (pH=6) 適量
13.精製水 残余
1.流動パラフィン 10%
2.パルミチン酸イソプロピル 10%
3.オクチル−p−メトキシシンナメート 5%
4.4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 5%
5.アルキル変性カルボキシル基含有重合体A 0.2%
6.吸水性樹脂(製造例3で調製したもの) 0.2%
水相
7.ポリソルベート60 3%
8.グリセリン 5%
9.プロピレングリコール 5%
10.エタノール 3%
11.メチルパラベン 0.5%
12.6%水酸化ナトリウム (pH=6) 適量
13.精製水 残余
(実施例2)
実施例1に於いて、アルキル変性カルボキシル基含有重合体Aを0.12%、吸水性樹脂を0.28%に変更したこと以外は実施例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
実施例1に於いて、アルキル変性カルボキシル基含有重合体Aを0.12%、吸水性樹脂を0.28%に変更したこと以外は実施例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
(比較例1)
実施例1に於いて、吸水性樹脂を製造例4で得られたカルボキシビニルポリマーに変更したこと以外は実施例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
実施例1に於いて、吸水性樹脂を製造例4で得られたカルボキシビニルポリマーに変更したこと以外は実施例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
(比較例2)
比較例1に於いて、アルキル変性カルボキシル基含有重合体Aを0%に変更したこと以外は比較例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
比較例1に於いて、アルキル変性カルボキシル基含有重合体Aを0%に変更したこと以外は比較例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
(比較例3)
実施例1に於いて、アルキル変性カルボキシル基含有重合体Aを0%に変更したこと以外は実施例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
実施例1に於いて、アルキル変性カルボキシル基含有重合体Aを0%に変更したこと以外は実施例1と同様の操作により、日焼け止めクリームを調製した。
<化粧料の特性評価>
実施例1、2及び比較例1〜3で得られた日焼け止めクリームについて、乳化安定性、滑らかさ、触感、及び粘度を以下の方法により評価した。結果を表1に示した。
実施例1、2及び比較例1〜3で得られた日焼け止めクリームについて、乳化安定性、滑らかさ、触感、及び粘度を以下の方法により評価した。結果を表1に示した。
<乳化安定性>
調製したクリームを室温で放置し、1ヶ月後の安定性を目視により評価した。
○:室温1ヶ月以上安定。
×:室温1ヶ月後、分離。
調製したクリームを室温で放置し、1ヶ月後の安定性を目視により評価した。
○:室温1ヶ月以上安定。
×:室温1ヶ月後、分離。
<滑らかさ>
男女各5人計10人の試験者によって、滑らかさを以下の通り評価した。適量の化粧料を手の甲に塗付し、目視により相対評価した。
○:10名中7名以上がツヤ、きめの細かさが良いと回答した。
×:10名中0〜6名がツヤ、きめの細かさが悪いと回答した。
男女各5人計10人の試験者によって、滑らかさを以下の通り評価した。適量の化粧料を手の甲に塗付し、目視により相対評価した。
○:10名中7名以上がツヤ、きめの細かさが良いと回答した。
×:10名中0〜6名がツヤ、きめの細かさが悪いと回答した。
<触感>
男女各5人計10人の試験者によって、触感を以下の通り評価した。適量の化粧料を手の甲に塗付し、指で伸ばした時のさっぱり感および軽さを質感として以下の基準で評価した。
○:10名中7名以上がさっぱり感、軽さが良いと回答した。
×:10名中0〜6名がさっぱり感、軽さが悪いと回答した。
男女各5人計10人の試験者によって、触感を以下の通り評価した。適量の化粧料を手の甲に塗付し、指で伸ばした時のさっぱり感および軽さを質感として以下の基準で評価した。
○:10名中7名以上がさっぱり感、軽さが良いと回答した。
×:10名中0〜6名がさっぱり感、軽さが悪いと回答した。
<粘度>
以下の測定条件でレオメーターによる定常流粘度測定を行ない、せん断速度4[1/s]の粘度を測定した。(B型粘度計 20rpm相当のせん断速度。)
測定条件
レオメーター:TAインスツルメント製AR−2000ex
ジオメトリー:60mm パラレルプレート
ギャップ:300μm
せん断速度:0.001〜1000 [1/s]
測定温度:25℃
結果を表1に示す。なお、表1の「増粘剤」欄の括弧内の数値は、増粘剤として用いた各成分の質量比を表す。
以下の測定条件でレオメーターによる定常流粘度測定を行ない、せん断速度4[1/s]の粘度を測定した。(B型粘度計 20rpm相当のせん断速度。)
測定条件
レオメーター:TAインスツルメント製AR−2000ex
ジオメトリー:60mm パラレルプレート
ギャップ:300μm
せん断速度:0.001〜1000 [1/s]
測定温度:25℃
結果を表1に示す。なお、表1の「増粘剤」欄の括弧内の数値は、増粘剤として用いた各成分の質量比を表す。
表1に示すように、アルキル変性カルボキシル基含有重合体と吸水性樹脂を併用した実施例1、2によれば、UV−A領域の紫外線吸収剤とUV−B領域の紫外線吸収剤とを含有する化粧料においても、乳化安定性及び滑らかさが良好でさっぱりした軽い触感の良好な日焼け止め化粧料が得られた。アルキル変性カルボキシル基含有重合体と吸水性樹脂の併用の効果が明確に化粧料に反映されていることが判る。
Claims (5)
- (A):UV−A領域の紫外線吸収剤と
(B):UV−B領域の紫外線吸収剤と
(C):(メタ)アクリル酸100質量部、アルキル基の炭素数が12〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜5質量部、及びエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物0〜0.1質量部とを重合させて得られるアルキル変性カルボキシル基含有水溶性重合体と
(D): 水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体と
を含有する組成物。 - (C)と(D)を質量比(C):(D)=20:80〜60:40の割合で含有する請求項1に記載の組成物。
- エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が、ペンタエリトリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルおよびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1または2に記載の組成物。
- エチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 化粧料組成物である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
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---|---|---|---|
JP2014146374A JP2016023143A (ja) | 2014-07-17 | 2014-07-17 | 紫外線吸収剤を含有する組成物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022138481A1 (ja) * | 2020-12-25 | 2022-06-30 | 住友精化株式会社 | ポリマー含有o/w型エマルジョン組成物 |
WO2022138482A1 (ja) * | 2020-12-25 | 2022-06-30 | 住友精化株式会社 | ポリマー含有o/w型エマルジョン組成物 |
WO2022138480A1 (ja) * | 2020-12-25 | 2022-06-30 | 住友精化株式会社 | ポリマー含有o/w型エマルジョン組成物 |
-
2014
- 2014-07-17 JP JP2014146374A patent/JP2016023143A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022138481A1 (ja) * | 2020-12-25 | 2022-06-30 | 住友精化株式会社 | ポリマー含有o/w型エマルジョン組成物 |
WO2022138482A1 (ja) * | 2020-12-25 | 2022-06-30 | 住友精化株式会社 | ポリマー含有o/w型エマルジョン組成物 |
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