JP6605123B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、縫い針、かま、天秤および中押さえを備えるミシンに関する。
従来、布または革といった被縫製物を縫い針と直交する平面内で搬送させながら縫製を行うミシンにあっては、被縫製物が縫い針との間の摩擦により縫い針と共に上昇し浮き上がったり、ばたついたりするのを防止するため、縫い針の昇降時に被縫製物の針貫通部周辺を下方に押さえ付ける中押さえが設けられている。
特許文献1に開示されるミシンは、被縫製物を押圧する中押さえを縫い針と平行に上下動させる第1の駆動源とは別に、縫製中に中押さえの高さを変更する第2の駆動源を備える。第1の駆動源は、縫い針と中押さえを上下動させるものであり、第2の駆動源は、第1の駆動源の回転角度に対して正弦波の軌跡で駆動される中押さえの上下動の振幅を変更するものである。第2の駆動源は、中押さえの上死点または下死点の高さを変更する高さ可変制御を施すことにより、中押さえが上下動する際の振幅を変更することができる。
具体的に説明すると、特許文献1に開示されるミシンは、第2の駆動源にモータが使用される。中押さえの高さ可変制御は、このモータの回転を制御することにより施される。特許文献1のミシンでは、被縫製物が位置決め手段により搬送される際の台座となる滑り板の上面よりも中押さえの下死点の高さが下方となるように第1の駆動源を駆動させ、中押さえが下降して被縫製物へ当接した際にモータの出力軸にトルク外乱が加わると、第2の駆動源は中押さえが上昇するよう制御する。その結果、特許文献1のミシンでは、第1の駆動源により中押さえが下降する力と、中押さえが縫い針と同期して上下動を行う際に中押さえを常時下方に押圧するばねの弾性力と、第2の駆動源により中押さえが上昇する力と、が釣り合うことで中押さえの高さを制御することができる。
特許文献1に開示されるミシンは、縫い針を駆動する第1の駆動源であるモータの回転角度が0°から360°まで一回転する間に、縫い針の上下動が一周期となるよう設計されている。この縫い針の一周期の間に中押さえは、縫い針を駆動する第1の駆動源であるモータの回転角度が0°のとき上死点となり、180°のとき下死点となるよう駆動される。特許文献1に開示されるミシンの中押さえは、通常、中押さえが被縫製物へ当接してから縫い針が下死点へ到達するまでの期間に被縫製物を押圧する。よって、特許文献1に開示されるミシンは、通常、第1の駆動源であるモータが0°から180°まで回転する期間内で中押さえが被縫製物を押圧することとなるが、180°以降でも例えば190°程度までの範囲ならば微調整できることが示されている。
送り歯を用いる一般的なミシンにあっては、特許文献2または特許文献3に開示される布押さえ装置がある。特許文献2には、ミシンの主軸モータの回転に連動して上下動する押さえ棒と、押さえ棒の下端に押さえ棒の軸方向に摺動自在に保持された布押さえ部と、布押さえ部を台座に対して下方に付勢すべく布押さえ部に付勢力を付与する付勢手段と、少なくとも針が下死点から上動してかまの剣先が上糸を掬う時に被縫製物を押圧するよう押さえ棒を駆動する押さえ棒駆動装置と、布押さえ部を保持する高さを可変にすると共に布押さえ部への付勢力を可変とする高さ可変装置と、を備えるミシンの布押さえ装置が開示されている。特許文献2には、この布押さえ装置をサーボモータで上下方向に駆動する構成が示されている。特許文献3には、縫い針を駆動する主軸モータとは別のモータを駆動源とする布押さえ駆動機構によって、布押さえの昇降ストロークまたは縫い針に対する布押さえの昇降タイミングを変更可能とするミシンが開示されている。この布押さえ駆動機構を有するミシンでは、縫製作業の状況または被縫製物の素材の性状に応じて、布押さえを昇降させるモータの駆動を変更することで、縫製作業中の振動および騒音を低減することができる。特許文献3には、縫い針が被縫製物へ挿針される前から抜針されるまでの期間に布押さえが下死点となるよう布押さえを駆動する方式が示されている。
特開2010−148551号公報 特開平8−38763号公報 特開平11−128576号公報
特許文献1に開示されるミシンは、中押さえの下死点の高さが、滑り板の上面よりも下方となるように中押さえを下降させ、中押さえが被縫製物へ当接することで中押さえを駆動するモータの回転軸に外乱トルクが加わることを機に、中押さえが上方に移動するよう中押さえの高さを調節する。このようにすることで、特許文献1のミシンは中押さえの下死点と上死点の高さを任意に変更し、ミシンが縫製中であっても中押さえの動作振幅を変更することができる。また、中押さえの下死点の高さが、滑り板の上面よりも下方となるように中押さえを下降させることで、中押さえの高さを調節する第2の駆動源が動作する前に中押さえが上方に引き返すという事態を回避できる。
しかしながら、特許文献1に開示されるミシンは、縫い針と中押さえの両者が第1の駆動源に基づき上下動するので、例えば、縫い針が被縫製物に挿針される前から抜針されるまでの長期に渡り中押さえを被縫製物に対して押圧させ続ける、または縫い針が被縫製物から抜針された後も長期に渡り被縫製物を押圧し続ける、と言うように、縫い針の動きと位相を大幅にずらした任意のタイミングで中押さえが被縫製物を押圧するよう中押さえの上下動を変更することが困難であった。
例えば、中押さえの下死点は、縫い針を駆動する第1の駆動源であるモータの回転角度が180°以降であれば190°程度までは微調整できるが、この範囲外で中押さえの下死点を調整するには、第1の駆動源の駆動力を中押さえへ伝達する機構を機械的に調整する必要がある。このため、機械的な調整や変更を施さない限り、第1の駆動源であるモータの回転角度が190°以降では中押さえが被縫製物を押圧できない。つまり、190°以降において天秤が下死点から上死点まで上昇する間に中押さえが被縫製物を押圧できないので、特許文献1に開示されるミシンは、特に伸縮性のある被縫製物に縫い目を形成する際は天秤による縫締めの効果が一針毎に不均一となる、または不十分な場合がある、という問題があった。
特許文献2に開示されるミシンの布押さえ装置は、押さえ部を下方へ付勢すべく布押さえ部に付勢力を付与する付勢手段と、布押さえ部を保持する高さを可変にすると共に布押さえ部への付勢力を可変とする高さ可変装置を有する。このように構成することで、布押さえ部の下死点を台座表面よりも高く設定しておけば、被縫製物が硬い場合であっても台座と布押さえ部との衝突を防止することができ、縫製時の騒音を低減させることができる。また、特許文献2に開示されるミシンの布押さえ装置は、針が下死点から上動してかまの剣先が上糸を掬う時に被縫製物を押圧するので、かまの剣先が上糸を捕捉できずに縫い目が形成されない現象である目飛びの発生率を低下させることができる。しかしながら、特許文献2に開示される布押さえ装置を備えるミシンは、天秤が下死点から上死点まで上昇する間に被縫製物がばたつく可能性があるので、特許文献1と同様、天秤による縫締めの効果が一針毎に不均一となる、または不十分な場合がある、という問題があった。
特許文献3に開示される布押さえ装置を備えるミシンは、針棒上下運動の1周期において、縫い針が被縫製物へ挿針される前から抜針されるまでの期間に被縫製物を押圧する。このため、特許文献3の布押さえ装置は、前述した目飛びの発生率を低下させることができる。また、特許文献3の布押さえ装置は、縫製作業の状況または被縫製物の素材の性状に応じて、布押さえを昇降させるモータの駆動を変更することで、縫製作業中の振動および騒音を低減することができる。しかしながら、特許文献3に開示される布押さえ装置を備えるミシンは、天秤が下死点から上死点まで上昇する間に被縫製物がばたつく可能性があるため、特許文献1および2と同様に、天秤による縫締めの効果が不均一となる、または不十分な場合がある、という問題があった。以上のように上記の各特許文献に開示される中押さえは、主に目飛びの発生率を低下させる目的で使用されており、天秤による縫締めを改善する目的では使用されていなかった。また各特許文献では、縫い針とは別の駆動源を用いて中押さえの動作を変更することで、被縫製物の損傷および縫製作業中の振動および騒音が低減されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被縫製物に形成される縫い目の縫締りを改善できるミシンを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のミシンは、上糸を挿通した針孔を有し主軸モータにより駆動される縫い針と、上糸を捕捉することで上糸と下糸とを絡ませる剣先を有するかまと、上糸を挿通した小孔を有し、小孔が下死点から上死点まで上昇することにより上糸を縫製対象である被縫製物から引き上げる天秤と、縫い針の動作と独立に駆動され被縫製物の浮き上がりを防止する中押さえと、かまが上糸の捕捉を解除した後から天秤の動作にともない小孔が上昇する期間に、中押さえを一定の高さで停止させるように中押さえを駆動し、主軸モータとは独立に駆動される駆動源と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、被縫製物に形成される縫い目の縫締りを改善できるという効果を奏する。
実施の形態1に係るミシンの全体構成を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの縫い機構の構成を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの中押さえ駆動機構の構成を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの送り機構の構成を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの制御構成を示すブロック図 実施の形態1に係るミシンを従来の駆動パターンで動作させた際のタイミングチャート 実施の形態1に係るミシンを本発明の駆動パターンで動作させた際のタイミングチャート 実施の形態2に係るミシンの駆動パターンを示すタイミングチャート 実施の形態3に係るミシンの制御盤の制御構成を示すブロック図 実施の形態3に係るミシンの中押さえの動作図
以下に、本発明の実施の形態に係るミシンを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1では、布および革といった縫製素材である被縫製物を保持する保持装置を有し、保持装置により被縫製物が縫い針に対して搬送されることにより、予め指定した被縫製物の所定の位置に縫い目を形成するミシンを例に説明する。ただし、説明を簡単にするため、実施の形態1では伸縮性の無い被縫製物に縫い目を形成する場合について説明する。
まず図1から図4を用いて実施の形態1に係るミシンの構成を説明する。図1は実施の形態1に係るミシンの全体構成を示す斜視図である。図2は実施の形態1に係るミシンの縫い機構の構成を示す斜視図である。図3は実施の形態1に係るミシンの中押さえ駆動機構の構成を示す斜視図である。図4は実施の形態1に係るミシンの送り機構の構成を示す斜視図である。図1から図4では、縫い針が上下動を行う方向をZ軸方向または上下方向とし、Z軸方向と直交する方向をX軸方向とし、Z軸方向とX軸方向の両者に直交する方向をY軸方向とする。ただし、X軸方向は、後述するベッド2の長手方向である。
[全体構成]
図1に示すミシン100の主要部は、筐体機構P0、縫い機構P1と、送り機構P2と、制御装置P3と、で構成される。
[筐体機構P0]
筐体機構P0は、縫い機構P1の駆動源が設置されるアーム1と、送り機構P2の駆動源が設置されるベッド2と、ベッド2を床面から支持する支持脚3と、ベッド2の上面に固定される台座である滑り板4とを備える。筐体機構P0は、ミシン100が作動する時の衝撃による機械的な破壊に耐え得るように設計された高剛性の鋼板または鋳物といった素形材で構成される。
[縫い機構P1]
縫い機構P1は、縫い針11と、かま12と、天秤13と、駆動源である主軸モータ14と、中押さえ15と、中押さえモータ16と、糸調子器17を備え、滑り板4の上で被縫製物に対して縫い目を形成する縫製作業を行う。
[送り機構P2]
送り機構P2は、X軸モータ21と、Y軸モータ22と、X軸駆動機構23と、Y軸駆動機構24と、移動レース25と、保持装置26と、回転情報検出器27と、回転情報検出器28とを備える。
送り機構P2は、縫い針11の上下動に対し直交する水平面内において、被縫製物に対する縫い針11の挿針位置が所定の位置となるよう、送り機構P2の可動部である移動レース25に装着された保持装置26で被縫製物を保持し、滑り板4の上で被縫製物をX軸方向およびY軸方向へ搬送する搬送作業を行う。
[制御装置P3]
制御装置P3は、操作盤31と、制御盤32Aと、フットスイッチ33とを備える。操作盤31は、ミシン100の使用者が操作盤31を操作することにより作成された縫製パターンデータD1と縫製圧力データD2に基づき、ミシン100を駆動する縫製指令信号を生成して、制御盤32Aへ与える。制御盤32Aは、縫い機構P1の縫製作業の動作速度とタイミングを制御し、また送り機構P2の搬送作業の動作速度とタイミングを制御する。フットスイッチ33は、ミシン100の使用者がボタンまたはタッチパネルを押下する操作を受けて、ミシン100の制御を開始するタイミングを示す動作開始信号と、保持装置26による被縫製物の保持と不保持の切り替えを行うタイミングを示す保持信号と、を制御盤32Aへ入力する。
[縫い機構P1]
次に、図2を用いて実施の形態1に係るミシン100の縫い機構P1の詳細について説明する。図2に示すように、縫い機構P1は、針孔を有する縫い針11と、上糸を捕捉して上糸と下糸とを絡ませる剣先を有するかま12と、被縫製物に形成される縫い目の縫締めを行う天秤13と、ミシン100の第1の駆動源である主軸モータ14と、被縫製物を押圧する中押さえ15と、ミシン100の第2の駆動源である中押さえモータ16とを備える。縫い機構P1は、これらの構成要素以外にも上糸のテンションを調整する糸調子器17および回転情報検出器18といった構成要素を備えるが、本発明の効果には直接影響しないので、ここではその説明を省略する。
[縫い針11]
縫い針11は、縫い目を形成した際に上側の糸となる上糸が挿通された針孔を有し、主軸モータ14を駆動源として上下動を行う。縫い針11は、上死点から下降して被縫製物に挿針された後に下死点に達し、その後、縫い針11が下死点から上死点へ向かって上昇する間に被縫製物から抜針される。縫い針11は、下死点に到達した後、被縫製物から抜針されるまでの間にかま12と協調し、縫い目を形成した際に被縫製物の下側の糸となる下糸と上糸とを絡ませる。その後、縫い針11の針孔が被縫製物から抜針されることで、上糸は被縫製物の上面へ引き出される。
縫い針11を駆動する主軸モータ14には、モータの固定子に対する回転子の角度、角速度および角加速度といった情報を検出する回転情報検出器18が取り付けられる。実施の形態1では、回転情報検出器18が固定子に対する回転子の角度を検出する光学式エンコーダであるものとして記載する。主軸モータ14は、アーム1に固定され、主軸モータ14の回転子には、シャフト形状の上軸19の一端がカップリング110を介して連結される。上軸19の回転運動は、カップリング110が連結されていない上軸19の他端に装着されたクランク111と、針棒クランク112と、連接棒113とを介して、針棒抱き114に固定されたシャフト形状の針棒115の並進運動へと変換される。針棒115の先端には縫い針11が装着されており、針棒115の上下動にともない縫い針11が上下方向に運動する。この針棒115を駆動する機構は、周知の技術であるため、拡大図を用いた説明は省略する。
[かま12]
実施の形態1では、かま12として全回転かまを採用する場合を示すが、これに限定されない。例えば、かま12は半回転かまでも問題なく、また水平かまでも垂直かまでも良い。かま12は、剣先を有する外かまと、下糸が巻かれたボビンと、外かまからボビンが抜け落ちないようボビンを収納するボビンケースとで構成される。
上軸19の一端とカップリング110とが連結された部分の近くには、上軸19に上軸プーリ116が同心円状に装着されており、駆動側である上軸プーリ116はタイミングベルト117を介して従動側の下軸プーリ118を回転させる。下軸プーリ118は、シャフトを介して大径ギヤ119を回転させ、大径ギヤ119と噛合する小径ギヤ120を回転させる。このように構成することで、小径ギヤ120に連結されたシャフト形状の下軸121は、上軸19に対して2倍の速度で回転する。かま12と下軸121は、下軸121に小径ギヤ120が勘合されていない軸端で連結されており、かま12は、主軸モータ14が回転することで、縫い針11が上下動を行う速度の二倍の速さで回転する。このとき、かま12の剣先は、縫い針11が下降して被縫製物に挿針され、下死点に到達した後から上死点に向かって上昇している最中に、縫い針11の針孔に通された上糸が形成する輪を捕捉する。全回転かまの構成は、周知の技術であるため、拡大図を用いた説明は省略する。
[天秤13]
天秤13は、ベルクランクの形状をした金属素材の剛体であり、一端には上糸を挿通するための小孔122が設けられ、その他端は上軸19に連結されたクランク111に対し回動可能に接続されている。ベルクランク形状における屈曲部には、一端がアーム1に対して回動可能に接続された天秤ロッド123の他端が連結される。このように構成することで、主軸モータ14と同期して回動する上軸19により天秤13は駆動され、縫い針11と天秤13の上下動の1周期が等しくなる。天秤13の小孔122は、通常、縫い針11の上死点よりも主軸モータの回転角度が60°遅れたときに上死点に到達するよう駆動される。この天秤13の構成は、周知の技術であるため、拡大図による説明は省略する。
[中押さえ15]
次に、図3を用いて実施の形態1に係る中押さえ15の駆動機構について説明する。図3に示すように、中押さえの駆動機構は、中押さえ15と、中押さえモータ16と、中押さえモータ16に装着された回転情報検出器124と、ピニオン125と、ラック126と、スライドガイド127と、スライダ128と、中押さえ棒抱き129と、中押さえ棒130と、で構成される。中押さえモータ16には、固定子に対する回転子の角度、角速度および角加速度といった情報を検出する回転情報検出器124が取り付けられる。実施の形態1では、回転情報検出器124が固定子に対する回転子の角度を検出する光学式エンコーダであるものとして記載する。中押さえモータ16は、アーム1に固定されるサーボモータであり、回転子には、小口径の円形歯車であるピニオン125の中心に設けられた小円状の穴が勘合されている。ピニオン125の歯はラック126の歯と噛合し、中押さえモータ16の回転子の回転運動をラック126の並進運動に変換する。ラック126は、スライドガイド127により鉛直方向へ運動するよう案内されるスライダ128に連結される。スライダ128には、中押さえ棒抱き129がボルトで締結されており、中押さえ棒130が中押さえ棒抱き129に挿通されて締め固められている。中押さえ15は、中押さえ棒130の先端に取り付けられており、中押さえ棒130が上下方向に移動することで中押さえ15が上下方向に駆動される。
実施の形態1では、中押さえモータ16に回転型のサーボモータ、すなわち環状の固定子および円柱状の回転子を備える回転電機を使用し、ラックとピニオンにより回転子の回転運動を中押さえ15の並進運動へ変換するが、ミシン100の第2の駆動源は、サーボモータまたはステッピングモータといった回転電機に限定されず、コストを無視した技術的な観点で言えば、複数のリニアモータ、平面モータまたは球面モータといったアクチュエータであってもよい。例えば、リニアモータを使用すれば、回転と並進の変換機構を使用する必要がなくなるので、機械系の構成をより簡略化できる。なお実施の形態3において後述する中押さえの圧力制御を実施する際には、リニアモータを使用した方が望ましい。リニアモータを使用した場合、ラックとピニオンとの間のバックラッシといった非線形な特性をもたないためである。
[送り機構P2]
次に、図4を用いて実施の形態1に係るミシン100の送り機構P2について説明する。図4に示すように、送り機構P2は、X軸モータ21と、Y軸モータ22と、X軸駆動機構23と、Y軸駆動機構24と、移動レース25と、保持装置26とを備える。送り機構P2は、ミシン100の被縫製物を搬送する位置決め手段である。
送り機構P2の駆動源であるX軸モータ21とY軸モータ22は、ベッド2の側面に装着されるサーボモータであり、それぞれX軸駆動機構23とY軸駆動機構24を駆動する。移動レース25は、X軸駆動機構23およびY軸駆動機構24により駆動される可動部であり、縫い針11の上下運動と直交する水平面内でX軸方向およびY軸方向に位置決めされる。X軸モータ21には、固定子に対する回転子の角度、角速度および角加速度といった情報を検出する回転情報検出器27が取り付けられている。Y軸モータ22には、固定子に対する回転子の角度、角速度および角加速度といった情報を検出する回転情報検出器28が取り付けられている。実施の形態1では、回転情報検出器27,28が固定子に対する回転子の角度を検出する光学式エンコーダであるものとして記載する。
実施の形態1では、X軸駆動機構23およびY軸駆動機構24が、X軸モータおよびY軸モータの回転子にカップリングを介して連結されるシャフトと、シャフトに結合される駆動プーリと、駆動プーリと従動プーリを結合するタイミングベルトと、により構成されるが、これに限定されることはなく、他にボールねじ機構またはボールスプライン機構を使用できることは言うまでもない。また、X軸モータ21とY軸モータ22は、サーボモータまたはステッピングモータといった回転電機でなく、コストを無視した技術的な観点で言えば、複数のリニアモータ、平面モータまたは球面モータといったアクチュエータであってもよい。
移動レース25は、被縫製物を保持しX軸およびY軸方向に搬送する保持装置26と連結され、被縫製物が縫い針に対して所定の場所に位置決めされるようX軸モータ21とY軸モータ22により駆動される。実施の形態1における保持装置26は、送り板である送り板29と、外押さえ210と、押さえ台211と、エアシリンダ212と、で構成されるが、これに限定されることはなく、例えばロボットハンドを代表とする、滑り板4の上面で被縫製物を保持し搬送できる装置であれば良い。
移動レース25と連結される保持装置26の送り板29は、図1に示す滑り板4の上面に配置される。送り板29は、保持装置26が水平方向に位置決めされるときに、滑り板4の上面で滑らかに案内される。このため滑り板4と送り板29は、滑り板4と送り板29との間の摩擦係数が小さくなるよう材質を選定することが望ましい。
また、移動レース25は、移動レース25と外押さえ210を剛に連結する押さえ台211に接続されている。
保持装置26による被縫製物の保持は、送り板29と外押さえ210との間に被縫製物を配置して、送り板29に対して外押さえ210が鉛直上方より下方に向かって押下することにより実施される。実施の形態1では、このときの保持力を確保するため、エアシリンダ212により圧力を調整する空圧式プレスを使用するが、これに限定されることなく、電磁式プレスまたは油圧式プレスといった他の手段を使用しても良い。
次に、図5を用いて実施の形態1に係るミシン100の制御構成について説明する。図5は実施の形態1に係るミシンの制御構成を示すブロック図である。ミシン100の制御構成を説明する前にミシン100の動作概要を説明すると、ミシン100では、フットスイッチ33が押下されたとき、フットスイッチ33から出力される保持信号が制御盤32Aに送られる。この保持信号によりエアシリンダ212が作動し、被縫製物が図4に示す送り板29と外押さえ210の間で挟持される。その後、フットスイッチ33が押下され、フットスイッチ33から出力される動作開始信号が制御盤32Aに送られると、縫い機構P1および送り機構P2の駆動源である主軸モータ14と、中押さえモータ16と、X軸モータ21と、Y軸モータ22が作動し、ミシン100の使用者が操作盤31を用いて予め指定した被縫製物の位置に、ミシン100が縫い目を形成し始める。
[操作盤31の回路構成]
図5に示すように、ミシン100の操作盤31は、表示器311と、プロセッサ312と、縫製パターンデータD1と縫製圧力データD2を記憶する記憶装置313と、入力装置314と、で構成される。ミシン100の使用者は、表示器311を参照しながら押下式のボタンまたはタッチパネルで構成される入力装置314を操作して、一針毎の縫製パターンデータD1と被縫製物の反発力に応じて作成する縫製圧力データD2とを入力する。これらのデータは操作盤31の記憶装置313に保存される。操作盤31のオペレーティングシステムは、プロセッサ312により運用される。
操作盤31で作成された縫製パターンデータD1と縫製圧力データD2は、プロセッサ312により縫製指令信号として制御盤32Aへ伝送される。縫製パターンデータD1は、主軸モータ14と、中押さえモータ16と、X軸モータ21と、Y軸モータ22との駆動パターンを決めるデータである。縫製圧力データD2は、中押さえモータ16が被縫製物を下方に押圧する際の駆動パターンを決めるデータである。なお、縫製圧力データD2は、主に伸縮性がある被縫製物を縫製する際において、中押さえ15の押圧精度を改善するために設定する。このため、縫製圧力データD2は、数理モデルまたは計測器を用いて被縫製物の反発力を予め入力できる場合に設定し、伸縮性がない場合または反発力が不明な場合、設定しなくても良い。また記憶装置313は、操作盤31の内部に設けられたものに限定されない。記憶装置313は、有線または無線の手段を問わず、通信器で接続された操作盤31の外部に存在する記憶装置でもよい。記憶装置を使用することで、縫製パターンの作成、編集および複製が容易となる。
[制御盤32Aの回路構成]
図5に示すように、ミシン100を制御する制御盤32Aは、少なくとも指令生成装置321と、主軸モータ制御演算回路322と、中押さえモータ制御演算回路323と、X軸モータ制御演算回路324と、Y軸モータ制御演算回路325と、を含む。これらの他に、縫製作業の完了時に糸切りを行うソレノイド、糸が無くなったことを知らせる通知用センサ、送り機構が原点復帰を行うための位置センサを駆動する制御回路および電源回路を備える場合もあるが、これらについては本発明の効果に直接関係しないので説明を省略する。
制御盤32Aは、操作盤31のプロセッサ312が出力する縫製指令信号と、フットスイッチ33が出力する保持信号および動作開始信号と、主軸モータ14の回転情報検出器18が出力する主軸回転信号と、中押さえモータ16の回転情報検出器124が出力する中押さえ回転信号と、X軸モータ21の回転情報検出器27が出力するX軸回転信号と、Y軸モータ22の回転情報検出器28が出力するY軸回転信号と、を入力する。制御盤32Aは、これらの信号に基づいて、主軸モータ14を駆動する主軸動作信号と、中押さえモータ16を駆動する中押さえ動作信号と、X軸モータ21を駆動するX軸動作信号と、Y軸モータ22を駆動するY軸動作信号と、エアシリンダ212を駆動する保持指令信号と、を出力する。
指令生成装置321は、操作盤31のプロセッサ312が出力する縫製指令信号と、フットスイッチ33が出力する保持信号および動作開始信号と、を入力として、主軸指令信号と、中押さえ指令信号と、X軸指令信号と、Y軸指令信号と、保持指令信号と、を出力する。主軸指令信号と、中押さえ指令信号と、X軸指令信号と、Y軸指令信号は、それぞれ主軸モータ14と、中押さえモータ16と、X軸モータ21と、Y軸モータ22の回転角度を指定する電気信号であり、縫製パターンデータD1に応じて指令生成装置321で計算される。保持指令信号は、被縫製物が送り板29と外押さえ210の間で挟持されるようエアシリンダの圧力を指定する電気信号である。動作開始指令信号は、指令生成装置321が主軸指令信号と、中押さえ指令信号と、X軸指令信号と、Y軸指令信号とを、それぞれ主軸モータ制御演算回路322と、中押さえモータ制御演算回路323と、X軸モータ制御演算回路324と、Y軸モータ制御演算回路325と、に向けて送信し始めるタイミングを指定する電気信号である。
主軸モータ制御演算回路322は、主軸指令信号と主軸回転信号を入力として、主軸指令信号と主軸回転信号の差分が0になるよう主軸モータ14を回転させる主軸動作信号を出力する。このため、主軸モータ制御演算回路322は、比例演算を行う比例補償器、積分演算を行う積分補償器、微分演算を行う微分補償器の内、少なくとも1つを含む。実施の形態1においては、比例補償器および積分補償器によるPI制御を主軸モータ制御演算回路322に採用するものとして記載する。
中押さえモータ制御演算回路323は、中押さえ指令信号と、中押さえ回転信号と、を入力として、中押さえ指令信号と中押さえ回転信号の差分が0になるよう中押さえモータ16を回転させる。このため、中押さえモータ制御演算回路323は、比例演算を行う比例補償器、積分演算を行う積分補償器、微分演算を行う微分補償器の内、少なくとも1つを含む。実施の形態1においては、比例補償器および積分補償器によるPI制御を中押さえモータ制御演算回路323に採用するものとして記載する。
X軸モータ制御演算回路324は、X軸指令信号とX軸回転信号を入力として、X軸指令信号とX軸回転信号の差分が0になるようX軸モータ21を回転させるX軸動作信号を出力する。このため、X軸モータ制御演算回路324は、比例演算を行う比例補償器、積分演算を行う積分補償器、微分演算を行う微分補償器の内、少なくとも1つを含む。実施の形態1においては、比例補償器および積分補償器によるPI制御をX軸モータ制御演算回路324に採用するものとして記載する。
Y軸モータ制御演算回路325は、Y軸指令信号とY軸回転信号を入力として、Y軸指令信号とY軸回転信号の差分が0になるようY軸モータを回転させるY軸動作信号を出力する。このため、Y軸モータ制御演算回路325は、比例演算を行う比例補償器、積分演算を行う積分補償器、微分演算を行う微分補償器の内、少なくとも1つを含む。実施の形態1においては、比例補償器および積分補償器によるPI制御をY軸モータ制御演算回路325に採用するものとして記載する。
次に、図6と図7を用いて、縫い針11と、かま12と、中押さえ15と、天秤13と、X軸モータ21と、Y軸モータ22と、が動作するタイミングについて説明する。
図6は実施の形態1に係るミシンを従来の駆動パターンで動作させた際のタイミングチャートである。図7は実施の形態1に係るミシンを本発明の駆動パターンで動作させた際のタイミングチャートである。
図6には上から順に、主軸モータ14の回転角度に対する縫い針11の位置と、主軸モータ14の回転角度に対するかま12の回転角度と、主軸モータ14の回転角度に対する中押さえ15の位置と、主軸モータ14の回転角度に対する天秤13の位置と、主軸モータ14の回転角度に対するX軸モータ21の位置と、主軸モータ14の回転角度に対するY軸モータ22の位置とが示される。
図6に示すように、ミシン100の縫い針11と、かま12と、中押さえ15と、天秤13と、X軸モータ21と、Y軸モータ22は、主軸モータ14の回転角度に応じて、動作するタイミングの同期が取られている。以降、制御装置P3で駆動するミシン100の縫い針11と、かま12と、中押さえ15と、天秤13と、X軸モータ21と、Y軸モータ22と、を総称して被駆動体と記載する。
ただし図6には従来の駆動パターンで被駆動体を制御したときの波形が示され、図7には実施の形態1に係る駆動パターンで被駆動体を制御したときの波形が示される。波形は、n針以上(n≧3)の縫製動作を繰り返し行った際の(n−1)針目以降における被駆動体の駆動波形である。(n−1)針目では一枚の被縫製物Оb1に縫い目を形成し、n針目以降では被縫製物Ob1とOb2を縫合する際の被駆動体の駆動パターンを示している。
[従来の駆動パターンで駆動する場合]
まず、本発明の特徴を明らかにするため、ミシン100の被駆動体を従来の駆動パターンで駆動する場合を示す。以下では、この一例として、特許文献2に示されるように針が下死点から上動して、かま12の剣先が上糸を掬う時に中押さえ15が被縫製物を押圧する場合について記載する。
従来の駆動パターンでは、より具体的に、送り機構P2の保持装置26が被縫製物を所定の位置に停止し搬送を終えた後、縫い針11とかま12が協調して上糸と下糸とが絡み合うときに中押さえ15が被縫製物を押圧する。この場合、(n−1)針目における中押さえ15の位置波形は、主軸モータ14の回転角度に対して正弦波を描く。
図6の最上段に示すように、主軸モータ14で駆動される縫い針11の位置波形は、(n−1)針目の縫製を開始する前に主軸モータ14の回転角度がa=0°(=360°)のときに上死点となるよう、主軸動作信号に基づき制御される。縫い針11は、主軸モータ14が回転することにより上死点から下降を始め、主軸モータ14の回転角度がbのときに被縫製物Ob1へ挿針され、回転角度がc=180°のときに下死点となる。回転角度がdのタイミングでかま12の剣先が、縫い針11の針孔に通された上糸に形成される輪を捕捉することで、上糸と下糸が絡み合う。
図6では、主軸モータ14の回転角度がdのタイミングにおける縫い針11の位置を黒塗りの丸印で示しており、以降ではこのタイミングのことを、縫い針11とかま12の出会い、と記載する。そして縫い針11は、主軸モータ14の回転角度がeのときに被縫製物Ob1から抜針され、その後さらに上昇し、主軸モータ14の回転角度がa′のときにn針目の縫製を開始する上死点となる。
縫い針11は、n針目以降では、被縫製物Ob1とOb2を縫合する。n針目では、縫い針11が主軸モータ14の回転角度a′=0°で上死点、b′で挿針、c′=180°で下死点、d′で針とかまの出会い、e′で抜針、そしてa″=360°で(n+1)針目の上死点となるよう制御される。
しかしながら、縫い針11の位置波形は、(n−1)針目のときに振幅lhの正弦波となるよう調整されるので、被縫製物Ob2が特に分厚い場合は、(n−1)針目のaからbまでの期間よりも、n針目のa′からb′までの期間が短くなり、(n−1)針目のdからeまでの期間よりも、n針目のd′からe′までの期間が長くなる。ゆえに、縫い針11は、n針目のb′からe′までの挿針時間th′が、(n−1)針目のbからeまでの挿針時間thよりも長くなるよう駆動される。
次に、図6の上から二段目は、主軸モータ14の回転角度に対応するかま12の回転角度を示しており、これは振幅をlkとする正弦波となる。全回転かまを採用する場合は、かま12の回転角度波形の周波数が縫い針11の位置波形に比べて二倍となる。図6の二段目における黒塗りの丸印は、針とかまの出会いのタイミングを示しており、主軸モータ14の回転角度がdまたはd′のときに、上糸に形成されるループをかま12の剣先が捕捉する。捕捉された上糸は、かま12が主軸モータ14の回転角度aから一回転半する主軸モータ14の回転角度iで、かま12による捕捉から解除され始める。かま12は(n−1)針目とn針目とで同じ動作をする。
次に、図6の上から三段目は、中押さえ15を従来の駆動パターン、すなわち主軸モータ14の回転角度に対して正弦波の軌跡となる駆動パターンで動作させる場合の位置波形である。この場合、中押さえ15は図中の白塗りの丸印で示すように、針とかまの出会いのとき、すなわち主軸モータ14の回転角度がdのときに下死点に到達し、後述する本発明の駆動パターンを採用する場合に比べて僅かな期間dtоの期間に被縫製物Ob1を滑り板4の上面に対して押圧する。しかしながら、このように中押さえ15の運動軌跡を(n−1)針目で振幅がloとなるよう調整すると、n針目で被縫製物Ob1とOb2の縫合を行う際は、中押さえ15が被縫製物Ob2の厚みに対応できず、縫製パターンデータD1を入力したミシン100の使用者の意図に反して、中押さえ15が、主軸モータ14の回転角度がfからgまでの期間tо′の間に、被縫製物Ob1とOb2を押圧することとなる。この場合は、中押さえ15が上死点からlo′下降し、被縫製物Ob2に衝突することで停止するため、被縫製物Ob2の表面に傷をつけてしまうことがある。この衝突を回避するには、n針目で振幅をlo′とする正弦波状の駆動パターンに変更すれば良いが、振幅を変更する場合は、振幅を変更しない場合に比べて、中押さえ15が被縫製物を押圧する期間to′は短くなる。
次に、図6の上から四段目は、主軸モータ14の回転角度に対応する天秤13の小孔122部分の運動軌跡である。天秤13の小孔122は(n−1)針目とn針目とで同じ動作をする。具体的に、小孔122は、主軸モータ14の1回転を1周期とし、主軸モータ14の回転角度h(=h′)のタイミングで上死点となり、回転角度i(=i′)のタイミングで下死点となる。
天秤13の小孔122が上死点となる主軸モータ14の回転角度hは、天秤13および天秤ロッド123が揺動する回転中心を機械的に調整することで、主軸モータ14が回転し始めてから縫い針11が被縫製物Ob1またはOb2に挿針されるまでの間、すなわち主軸モータ14の回転角度がaからbまでの間、またはa′からb′までの間になるよう調整されている。実施の形態1では、主軸モータ14の回転角度aまたはa′から60°回転した角度を、天秤13の小孔122の上死点となる回転角度hまたはh′とする。
一方、小孔122が下死点となる主軸モータ14の回転角度iは、かま12の回転角度がaまたはa′から1回転半したタイミングとする。なぜならば、主軸モータ14の回転角度iのときに、かま12による上糸の捕捉が解除され始めるためである。仮に、かま12による上糸の捕捉が解除される前に天秤13の小孔122を引き上げた場合は、天秤13が上昇する際に生じるテンションに上糸が耐えきれず、上糸がほつれる、または上糸が切断されてしまう。具体的に、実施の形態1では、主軸モータ14の回転角度iが270°のときに天秤13が下死点となる。
この現象を回避するため、天秤13の上死点と下死点は上記のように設定される。(n−1)針目では、天秤13に設けられた小孔122が上死点から下死点まで下降する間の主軸モータ14の回転角度tdと、小孔122が下死点から上死点まで上昇するときの主軸モータ14の回転角度tuとの間には、td>tuの関係がある。また、n針目も同様に、小孔122が上死点から下死点まで下降する際の主軸モータ14の回転角度td′と下死点から上死点までの回転角度tu′の間には、td′>tu′の関係がある。
次に、図6の上から五段目は、X軸モータ21で駆動される保持装置26のX軸方向の位置波形である。図中の記号lxは、1針毎にX軸方向へ移動する保持装置26の移動距離である。保持装置26は、縫い針11が被縫製物Ob1に挿針されている間は静止し、縫い針11が被縫製物Ob1から抜針された後、再び被縫製物Ob2に挿針されるまでの間に移動するよう駆動される。
具体的に、X軸モータ21は、主軸モータ14の回転角度がbからb′になるまでの期間を1周期として、(n−1)針目で縫い針11が被縫製物Ob1へ挿針される主軸モータ14の回転角度bまでの期間tmに回転し、主軸モータ14の回転角度bから縫い針11が被縫製物Ob1から抜針される主軸モータ14の回転角度eまでの期間tsの間に静止する。その後、n針目の縫製を行うため、(n−1)針目で縫い針11が抜針される主軸モータ14の回転角度eから、n針目で縫い針11が被縫製物Ob2へ挿針される回転角度b′までの期間tm′の間に回転し、その後、n針目に縫い針11が被縫製物Ob2から抜針されるまでの期間ts′の間で静止する。
次に、図6の上から六段目は、Y軸モータ22で駆動される保持装置26のY軸方向の位置波形である。図中の記号lyは、1針毎にY軸方向へ移動する保持装置26の移動距離である。X軸方向の駆動パターンと同様に、保持装置26は、縫い針11が被縫製物Ob1に挿針されている間は静止し、縫い針11が被縫製物Ob1から抜針された後、再び被縫製物Ob2に挿針されるまでの間に移動するよう駆動される。
具体的には、Y軸モータ22は、主軸モータ14の回転角度がbからb′になるまでの期間を1周期として、(n−1)針目で縫い針11が被縫製物Оb1に挿針される回転角度bまでの期間tmに回転し、回転角度bから縫い針11が被縫製物Оb1から抜針される回転角度eまでの期間tsの間に静止する。その後、Y軸モータ22は、n針目の縫製を行うため、(n−1)針目で抜針される主軸モータ14の回転角度eからn針目で、縫い針11が被縫製物Оb2に挿針される回転角度b′までの期間tm′の間に回転し、その後、n針目に縫い針11が被縫製物Оb2から抜針されるまでの期間ts′の間で静止する。
このように、ミシン100の被駆動体を従来の駆動パターンで駆動する一例では、針とかま12の出会いのときに中押さえ15が被縫製物を押圧するよう、主軸モータ14の回転角度に対して中押さえを正弦波状の軌跡で駆動していた。このため、上糸と下糸が絡まず縫い目が形成されない現象である目飛びの発生率を低下させることができた。しかしながら、天秤13に設けられた小孔122が上昇する間に中押さえ15が被縫製物を押圧するよう中押さえモータ16を駆動していないので、天秤13による上糸の引き上げ力が1針毎にばらつき、縫い目の縫締めが不十分な場合がある。そこで本発明では、中押さえモータ16を駆動する方法を次のように変更する。
[本発明の駆動パターンで駆動する場合]
図7では、三段目に示す中押さえ15の運動軌跡と、五段目に示すX軸モータ21で駆動される保持装置26のX軸方向の位置波形と、六段目に示すY軸モータ22で駆動される保持装置26のY軸方向の位置波形とが図6と異なり、主軸モータ14で駆動する縫い針11と天秤13の位置波形は図6と同じである。図6と同様の部分については、説明を省略する。
図7の最上段に示す縫い針11の位置波形と二段目に示すかま12の回転角度波形は、図6と同じである。黒塗りの丸印は、針とかまの出会いのタイミングを示している。
次に、図7の三段目に示す中押さえ15の運動軌跡について説明する。(n−1)針目において中押さえ15は、中押さえモータ16が回転することによって上死点または停止位置から下降を始めた後、X軸モータ21とY軸モータ22の回転による保持装置26の搬送が完了した後から縫い針11が被縫製物に挿針されるまでの間に、被縫製物Ob1の上面へ当接するよう駆動される。被縫製物Ob1には伸縮性がないので、中押さえ15が下降して被縫製物Ob1に当接したときの高さで中押さえ15は被縫製物Ob1を押圧する。また、中押さえ15は、縫い針11が被縫製物Ob1に挿針される前から被縫製物Ob1を押圧し、天秤13が上死点に到達した後に被縫製物Ob1から上昇する。このときの中押さえ15の下降量と上昇量はloであり、少なくとも主軸モータ14の回転角度bからh′までの期間toの間に被縫製物Ob1を押圧する。よって、実施の形態1に係る駆動パターンで駆動される中押さえ15は、(n−1)針目において、縫い針11の挿針時と、縫い針11の下死点と、縫い針11とかま12の出会いと、縫い針11の抜針時と、天秤13が下死点から上死点まで上昇する間に被縫製物Ob1を押圧し、中押さえ15が下降して被縫製物Ob1に当接した位置で一定の高さを保つ。このときの高さは、被縫製物Ob1を設置する送り板29の上面に被縫製物Ob1の厚さを加算した高さとなる。n針目についても(n−1)針目と同様に、中押さえ15は、中押さえモータ16が回転することによって上死点から下降を始めた後、保持装置26の搬送が完了した後から縫い針11が被縫製物Ob2に挿針されるまでの間に、被縫製物Ob2へ当接する。被縫製物Ob2へ当接した後は、中押さえ15は、中押さえモータ16の回転角度の制御に基づき、縫い針11が被縫製物Ob2に挿針される前から被縫製物Ob2に当接し、天秤13が上死点に到達した後に被縫製物Ob2から上昇する。被縫製物Ob1およびOb2には伸縮性がないので、中押さえ15が下降して被縫製物Ob2に当接したときの高さで、中押さえ15は被縫製物Ob1およびOb2を押圧する。また、中押さえ15は、縫い針11が被縫製物Ob2に挿針される前から被縫製物Ob1およびOb2を押圧し、天秤13が上死点に到達した後に被縫製物Ob2から上昇する。
このときの中押さえ15の下降量と上昇量はlo′であり、少なくとも主軸モータ14の回転角度b′からh″までの期間to′の間に被縫製物Ob2を押圧する。よって、n針目では、(n−1)針目に比べて中押さえ15の下降量がloからlo′へ変化し、押圧期間がtoとto′へ変化する。
中押さえ15の下降量loおよびlo′は、被縫製物の厚さに応じて変化するパラメータであり、縫製パターンデータD1として予め入力しておく必要がある。滑り板4に対する中押さえ15の上死点の高さが固定されている場合は、被縫製物の厚さを入力すれば、loおよびlo′を計算により算出することができる。一方、押圧期間toおよびto′も被縫製物の厚さによって変化するが、主軸モータ14の回転角度b,b′,h′,h″が被縫製物の厚さに応じて正弦波関数を用いて算出できるため、toおよびto′については予め入力する必要はない。
このように、実施の形態1に係る駆動パターンで駆動される中押さえ15は、n針目においても、縫い針11の挿針時と、縫い針11の下死点と、縫い針11とかま12の出会いと、縫い針11の抜針時と、天秤13が下死点から上死点まで上昇する間に被縫製物Ob1およびOb2を押圧し、中押さえ15が下降して被縫製物Ob2に当接した位置で一定の高さを保つ。このときの高さは、被縫製物Ob1およびOb2を設置する送り板29の上面に被縫製物Ob1およびOb2の厚さを加算した高さとなる。
次に、図7の上から四段目は、主軸モータ14の回転角度に対応する天秤13の運動軌跡である。これは、図6と同じであるため、説明を省略する。
次に、図7の上から五段目は、X軸モータ21で駆動される保持装置26のX軸方向の位置波形である。図中の記号lxは、1針毎にX軸方向へ移動する保持装置26の移動距離である。保持装置26は、縫い針11が被縫製物Ob1に挿針されている間と、中押さえ15が被縫製物Ob1またはOb2を押圧している間には静止するよう駆動される。このため、X軸モータ21は、主軸モータ14がhからbまで回転する間、およびh′からb′まで回転する間に保持装置26の位置決めを行う。
次に、図7の上から六段目は、Y軸モータ22で駆動される保持装置26のY軸方向の位置波形である。X軸モータのときと同様に、Y軸モータ22は、主軸モータ14がhからbまで回転する間、およびh′からb′まで回転する間に保持装置26の位置決めを行う。
[実施の形態1の効果]
このようにすることで、実施の形態1に係るミシン100の中押さえ15は、縫い針11の挿針時と、縫い針11の下死点と、縫い針11とかま12の出会いの時と、縫い針11の抜針時と、天秤13が下死点から上死点まで上昇する間に被縫製物Ob1およびOb2を押圧することができる。よって、実施の形態1に係るミシン100は、縫い針11の挿針時および抜針時に被縫製物に対して縫い針11が水平方向に揺動する針振れと、縫い針11の上昇時に被縫製物Ob1およびOb2と縫い針11との間の摩擦により発生する被縫製物Ob1およびOb2のばたつきおよび浮き上がりと、天秤13による縫い目の縫締め精度を改善することができる。
また、実施の形態1に係るミシン100は、縫い針11を駆動する主軸モータ14に対して中押さえモータ16を独立に駆動する。つまり、縫い針11の動作に対して中押さえ15を独立に駆動できるので、主軸モータ14と中押さえ15とを接続する機構が不要である。よって、ミシン100の使用者は、機械系の調整を施すことなく中押さえモータ16の位置指令を変更することにより、中押さえ15の下降量および上昇量を変更でき、また中押さえ15による押圧期間を変更できる。なお、実施の形態1において、縫い針11とかま12と天秤13は、主軸モータ14を駆動源としたが、それぞれが独立に設けられた駆動源により駆動されてもよい。
また実施の形態1に係るミシン100の指令生成装置は、かまが上糸の捕捉を解除した後から天秤の動作にともない小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、被縫製物の表面に対して中押さえを一定の高さで停止させる駆動源の駆動信号を生成する。よって、駆動源は、かまが上糸の捕捉を解除した後から天秤の動作にともない小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、被縫製物の表面に対して中押さえを一定の高さで停止させるように中押さえを駆動する。このようにすることで、被縫製物が設置される台座の上面に対して一定の高さで停止するように駆動源が中押さえを駆動する場合に比べて、被縫製物の表面を傷つける可能性を低下させ、被縫製物の浮き上がりおよびばたつきを抑圧できる。
実施の形態2.
図8は実施の形態2に係るミシンの駆動パターンを示すタイミングチャートである。実施の形態2に係るミシン100は、ミシン100の中押さえ15とX軸モータ21とY軸モータ22を駆動するタイミングチャートが実施の形態1に係るミシン100と異なり、その他の駆動パターンおよび構成については実施の形態1に係るミシン100と同じである。このため、同様の部分については説明を省略する。
図8の最上段に示す縫い針11の位置波形と、二段目に示すかま12の回転角度波形は、図7と同じである。図中の黒塗りの丸印は、縫い針11とかま12の出会いのタイミングを示している。
次に、図8の三段目に示す中押さえ15の運動軌跡について説明する。(n−1)針目において、中押さえ15は、中押さえモータ16が回転することによって上死点から下降を始めた後、X軸モータ21とY軸モータ22の回転による保持装置26の搬送が完了した後から縫い針11が被縫製物Ob1に挿針されるまでの間に、被縫製物Ob1へ当接する。被縫製物Ob1には伸縮性がないので、中押さえ15が下降して被縫製物Ob1に当接した高さで中押さえ15は被縫製物Ob1を押圧する。また、中押さえ15は、縫い針11が被縫製物Ob1に挿針される前から被縫製物Ob1を押圧し、縫い針11が被縫製物Ob1に抜針された後に被縫製物Ob1から上昇する。このときの中押さえ15の下降量はloであり、上昇量はdloである。上昇量dloは、縫い針11の針孔に挿通された上糸が被縫製物Ob1の上面に引き上げられた後、保持装置がX軸モータ21とY軸モータ22の回転により搬送されるときに、中押さえ15と被縫製物Ob1との間で上糸が挟まれない空隙を設ける量である。
中押さえ15は、被縫製物Ob1からdlo上昇した後、天秤13がn針目の上死点に到達する主軸モータ14の回転角度がh′に達するまで一定の高さを保つ。すなわち、中押さえ15は、天秤13が下死点から上死点へ向かって移動している間に、被縫製物Ob1を押圧した位置からdlo上昇した高さで一定の高さを保つ。その後、中押さえ15は、被縫製物Ob2との衝突を回避するためdlo上昇した位置から、さらに被縫製物Ob2の厚さ以上の距離flo上昇し、n針目の動作に移行する。
n針目では、中押さえ15は中押さえモータ16が回転することによって上死点から下降を始めた後に、X軸モータ21とY軸モータ22の回転が停止して保持装置26の搬送が完了した後から縫い針11が被縫製物Ob2に挿針されるまでの間に、被縫製物Ob2へ当接するよう駆動される。
被縫製物Ob1およびOb2には伸縮性がないので、中押さえ15が下降して被縫製物Ob2に当接したときの高さで、中押さえ15は被縫製物Ob1およびOb2を押圧する。また、中押さえ15は、縫い針11が被縫製物Ob2に挿針される前から被縫製物Ob2を押圧し、縫い針11が被縫製物Ob2より抜針された後に被縫製物Ob2から上昇する。このときの中押さえ15の下降量はlo′であり、上昇量dloは(n−1)針目と同様である。中押さえ15は、被縫製物Ob2を押圧した位置からdlo上昇した後、天秤13がn針目の上死点に到達する主軸モータの回転角度h″まで一定の高さを保つ。すなわち、中押さえ15は、天秤13が下死点から上死点へ向かって移動している間に、被縫製物Ob2を押圧した位置からdlo上昇した位置で一定の高さを保つ。その後、中押さえ15は、(n+1)針目の動作に移行するが、(n+1)針目にn針目と同じ厚さの被縫製物Ob1とOb2を縫合するのであれば、(n−1)針目のようにdlo上昇した位置からさらに上昇しなくても構わない。
以上のように、中押さえ15は、少なくとも主軸モータ14の回転角度bからeまでの期間ta、およびb′からe′までの期間ta′の間に被縫製物Ob1およびOb2を押圧する。よって、縫い針11の挿針時と、縫い針11の下死点と、縫い針11とかま12の出会いの時と、縫い針11の抜針時と、に被縫製物Ob1およびOb2を押圧し、天秤13が下死点から上死点まで上昇する間には、被縫製物Ob1またはOb2からdlo上昇した位置で一定の高さを保つ。
次に、図8の上から四段目は、主軸モータ14の回転角度に対応する天秤13の運動軌跡である。これは、図7と同じであるため、説明を省略する。
次に、図8の上から五段目は、X軸モータ21で駆動される保持装置26のX軸方向の位置波形である。図中の記号lxは、1針毎にX軸方向へ移動する保持装置26の移動距離である。実施の形態2において、保持装置26は、図6の五段目と同様に、縫い針11が被縫製物Ob1またはOb2に挿針されている間に静止するよう駆動される。
次に、図8の上から六段目は、Y軸モータ22で駆動される保持装置26のY軸方向の位置波形である。図中の記号lyは、1針毎にX軸方向へ移動する保持装置26の移動距離である。実施の形態2において、保持装置26は、図6の六段目と同様に、縫い針11が被縫製物Ob1またはOb2に挿針されている間に静止するよう駆動される。
[実施の形態2の効果]
実施の形態2に係るミシンは、(n―1)針目では主軸モータ14の回転角度がeからh′までの期間、n針目ではe′からh″までの期間に被縫製物と中押さえの間に上糸が通る空隙を設けるよう上昇する。上昇量dtoは、被縫製物の浮き上がりおよびばたつきを抑えるため、上糸の直径以上の長さで、上糸が摺動自在に通る範囲で可能な限り小さいことが望ましい。すなわち、指令生成装置321は、かま12が上糸の捕捉を解除した後から天秤13の動作にともない小孔122が上昇して上死点に到達するまでの期間に、被縫製物の表面から上糸の直径以上の距離を移動した位置で中押さえ15を一定の高さで停止させる。よって、駆動源は、かま12が上糸の捕捉を解除した後から天秤13の動作にともない小孔122が上昇して上死点に到達するまでの期間に、被縫製物の表面から上糸の直径以上の距離を移動した位置で停止するように中押さえ15を駆動する。このようにすることで、縫い針11を被縫製物Ob1およびOb2から抜針した直後に保持装置26を搬送しても、上糸は空隙を通過するので被縫製物Ob1またはOb2と中押さえ15の間に上糸が挟まり、上糸がほつれたり擦り切れたりすることを防止しつつ、天秤13による縫い目の縫締り効果を向上させることができる。
また、実施の形態2に係る駆動パターンは、保持装置26による被縫製物Ob1およびOb2の搬送時間、すなわちX軸モータ21とY軸モータ22の駆動時間を長くすることができるので、特にミシン100が大型で、かつ送り機構P2により駆動される移動レース25および保持装置26の重量が大きい場合に、ミシン100の縫製速度を向上することができる。
さらに、送り機構P2により被縫製物Ob1およびOb2を水平方向に搬送しながら天秤13を引き上げた方が、送り機構P2による搬送を行わない場合に比べて、被縫製物Ob1およびOb2と天秤13との距離を引き離すことができ、天秤13による縫い目の縫締め効果を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、中押さえモータ16が圧力制御方式により駆動され、中押さえ15が伸縮性のない被縫製物Ob1およびOb2を押圧する場合と、伸縮性のある被縫製物Ob3およびOb4を押圧する場合について記載する。
実施の形態3に係るミシン100は、中押さえ15が被縫製物Ob3およびOb4を押圧する際に、中押さえモータ制御演算回路323による中押さえモータ16の制御方式を位置制御方式から圧力制御方式へと変更する。このようにすることで、制御装置P3は縫製圧力データD2へ入力した被縫製物Ob3およびOb4の圧力情報をもとに指令生成装置321で計算した圧力指令信号、または圧力推定回路326で推定した被縫製物Ob3およびOb4の推定圧力信号に基づき中押さえモータ16を駆動する。よって、実施の形態3に係るミシン100は、実施の形態1または2に係るミシン100と異なり、制御盤32Aの代わりに制御盤32Bを備える。その他については、実施の形態1または2に係るミシン100と同じであるので、同様の部分については説明を省略する。
まず、図9を用いて実施の形態3に係るミシン100の制御盤32Bの構成について説明する。図9は実施の形態3に係るミシンの制御盤の制御構成を示すブロック図である。図9に示すように制御盤32Bは、指令生成装置321と、主軸モータ制御演算回路322と、中押さえモータ制御演算回路323と、X軸モータ制御演算回路324と、Y軸モータ制御演算回路325と、圧力推定回路326と、で構成される。
制御盤32Bの指令生成装置321は、縫製指令信号と、保持信号と、動作開始信号と、を入力として、主軸指令信号と、中押さえ指令信号と、圧力指令信号と、X軸指令信号と、Y軸指令信号と、保持指令信号と、を出力する。圧力指令信号は、中押さえモータのトルクを指定する電気信号であり、縫製圧力データD2に応じて指令生成装置321で計算される。制御盤32Bの主軸モータ制御演算回路322と、X軸モータ制御演算回路324と、Y軸モータ制御演算回路325は制御盤32Aと同じである。
制御盤32Bの中押さえモータ制御演算回路323は、中押さえ指令信号と、中押さえ回転信号と、圧力指令信号と、圧力推定信号と、を入力として、中押さえモータ16を回転させる中押さえ動作信号を出力する。中押さえモータ制御演算回路323は、減算器327と、偏差抑制補償器328と、スイッチ329と、で構成される。
減算器327は、中押さえ指令信号から中押さえ回転信号を減算した信号を偏差信号として出力する。
偏差抑制補償器328は、偏差信号を入力として、偏差信号が0になるよう中押さえモータ16を駆動する偏差抑制信号を出力する。このため、偏差抑制補償器328は、比例演算を行う比例補償器、積分演算を行う積分補償器、微分演算を行う微分補償器の内、少なくとも1つを含む。実施の形態3では、偏差抑制補償器328がPI補償器であるものとして記載する。
スイッチ329は、偏差抑制信号と、圧力指令信号と、圧力推定信号と、を入力として、中押さえ15が上死点から下降して被縫製物Ob3またはOb4に当接するまでの間は偏差抑制信号を出力する。中押さえ15が被縫製物Ob3またはOb4に当接した後は、圧力指令信号または圧力推定信号を出力するようスイッチ329を切り替えることで、中押さえ15が被縫製物Ob3およびOb4を滑り板4に向かって下方へ押圧するように中押さえモータ16を駆動する中押さえ動作信号を出力する。
このとき、スイッチ329は、縫製圧力データD2が設定されている場合には圧力指令信号を選択し、縫製圧力データD2が設定されていない場合には圧力推定信号を選択する。その後、スイッチ329は、中押さえ15が被縫製物から上死点まで上昇する際に偏差抑制信号を出力するよう切り替える。中押さえモータ16は、スイッチ329が偏差抑制信号を選択している間は位置制御方式で駆動され、スイッチ329が圧力指令信号または圧力推定信号を選択している間は圧力制御方式で駆動される。
制御盤32Bの圧力推定回路326は、中押さえ動作信号と中押さえ回転信号を入力とし、中押さえ15が被縫製物に当接する際に被縫製物の反発力を推定した信号を圧力推定信号として出力する。ひいては、圧力推定回路326は、中押さえモータ16の回転子に加わる外乱を推定する。このため、圧力推定回路326は、中押さえモータ16に加わるトルクから中押さえモータ16の回転角度までの伝達特性の逆特性にローパス特性を付与した伝達関数を有する機械特性補償器と、当該ローパス特性を中押さえ動作信号に対して付与するローパスフィルタと、機械特性補償器の出力信号とローパスフィルタの出力信号との差を計算する減算器と、を備える。
次に、図10を用いて、実施の形態3に係るミシン100の中押さえ15が圧力制御方式により伸縮性のない被縫製物Ob1およびOb2を押圧する場合と、伸縮性のある被縫製物Ob3およびOb4を押圧する場合の動作について記載する。
図10は実施の形態3に係るミシンの中押さえの動作図である。実施の形態3に係るミシン100の中押さえ15は、主軸モータの回転角度に対し図7または図8に示す軌跡で動作するが、特に図10は、中押さえ15が縫い針11とかま12の出会いの時、すなわち、主軸モータ14の回転角度がdおよびd′の時の動作を表している。
[伸縮性の無い被縫製物を押圧する場合]
図10の上段に基づき、中押さえ15が伸縮性の無い被縫製物Ob1およびOb2を圧力制御方式により押圧する場合について説明する。まず、中押さえ15が上方から下降して被縫製物Ob1またはOb2の表面に当接するまでの間は、スイッチ329が偏差抑制信号を選択する。この間、中押さえモータ16は位置制御方式により駆動される。次に、中押さえ15が被縫製物Ob1またはOb2の表面に当接した後は、スイッチ329を圧力指令信号または圧力推定信号へと切り替え、中押さえモータ16が圧力制御方式で駆動されるよう変更する。このようにすることで、被縫製物Ob1およびOb2は、中押さえ15により滑り板4に向かって下方に押さえ付けられる。このとき、被縫製物Ob1およびOb2には伸縮性がないので、中押さえの最下点の高さは、主軸モータの回転角度がdのときは被縫製物Ob1の上面、d′のときは被縫製物Ob2の上面となる。
中押さえ15が被縫製物Ob1またはOb2に当接したか否かの判断については、偏差信号が0に収束するタイミングで判断しても良いし、圧力推定信号または中押さえ動作信号にインパルス状の外乱が重畳するタイミングで判断しても良い。
そして、図7または図8の駆動パターンに基づき駆動される中押さえ15が、被縫製物Ob1およびOb2を押圧した後から上死点まで上昇する、または被縫製物Ob1とOb2の表面からdlo上昇する際は、スイッチ329が偏差抑制信号を選択するよう切り替える。このとき、スイッチ329を切り替えるタイミングは、中押さえ指令信号に基づき判断することができ、図7では主軸モータ14の回転角度がh′およびh″のとき、図8では主軸モータ14の回転角度がeおよびe′のときである。
[伸縮性のある被縫製物を押圧する場合]
図10の下段に示すように、伸縮性のある被縫製物Ob3およびOb4を押圧する場合も、まず位置制御方式を選択し、被縫製物Ob3およびOb4の表面に当接するまで中押さえ15が下降するよう駆動される。次に、中押さえ15が被縫製物Ob3およびOb4の表面に当接した後は、スイッチ329が切り替わり、圧力指令信号または圧力推定信号に基づく圧力制御方式により、中押さえ15が被縫製物Ob3およびOb4を押圧するよう駆動する。被縫製物Ob3およびOb4には伸縮性があるため、中押さえ15が最下点となる高さは、主軸モータの回転角度がdのときと、d′のときで異なる。主軸モータの回転角度がdのときは、被縫製物Ob3の表面から距離dc1下降した位置となり、主軸モータの回転角度がd′のときは被縫製物Ob4の表面から距離dc2下降した位置となる。被縫製物に中押さえ15が当接したか否かについては、偏差信号が0に収束するタイミングで判断しても良いし、圧力推定信号および中押さえ動作信号にインパルス状の外乱が重畳するタイミングで判断しても良い。
そして、図7または図8の駆動パターンに基づき、中押さえ15が被縫製物Ob3およびOb4を押圧した位置から上死点まで上昇する際、または中押さえ15が被縫製物Ob3およびOb4を押圧した位置からdlo上昇する際は、スイッチ329が偏差抑制信号を選択するよう切り替える。中押さえ15が被縫製物から上昇するタイミングは、伸縮性の無い被縫製物Ob1およびOb2を押圧する場合と同様である。
[実施の形態3の効果]
このように、実施の形態3に示したミシン100は、中押さえ15が下降および上昇する間は位置制御方式で中押さえモータ16を駆動し、被縫製物を押圧する間はトルク制御方式で中押さえモータ16を駆動する。このため、伸縮性のある被縫製物を縫製する場合であっても、ばねを代表とする機械部品、すなわち弾性体の復元力を利用して弾性エネルギーを蓄積する機械要素を用いることなく、針棒上下運動の1周期の間に中押さえが多様な伸縮性を有する被縫製物を精度よく押さえている期間を長くすることができる。よって、実施の形態1の図7に示したように、特に天秤13が下死点から上死点に向かって上昇する間に中押さえ15が被縫製物を押圧する場合において、多様な伸縮性をもつ被縫製物に形成される縫い目の縫締りを改善することができる。
なお、圧力推定回路326の代わりに、中押さえ15または被縫製物Ob3およびOb4に貼付したロードセルまたは圧電素子といった圧力センサを用いて、被縫製物の反発力を直接検出した信号を圧力推定信号としても良い。
また、被縫製物の反発力を推定する際に、中押さえモータ16の回転子に装着したトルクセンサを用いても良い。
また、被縫製物の反発力を推定する際に、ホール素子およびシャント抵抗で構成される電流センサで計測した中押さえモータ16の巻線に流れる電流値を用いても良い。
また、スイッチ329の代わりに、偏差抑制信号と圧力指令信号と推定圧力信号を入力として、偏差抑制信号を圧力指令信号または推定圧力信号と等しくなるよう第2の駆動源の出力を一定の値で制限する出力制限器を使用することができる。この場合、出力制限器は、中押さえ15が下降して被縫製物に当接するまでは出力の制限を行わずに偏差抑制信号をそのまま出力し、その後、中押さえ15が被縫製物に当接した後は、偏差抑制信号が圧力指令信号または推定圧力信号を超えないよう出力を制限する。このようにすることで、中押さえ15が被縫製物を一定の圧力で押圧するよう中押さえモータ16を制御することができ、スイッチ329を使用する場合に比べて、制御方式の切り替えによる中押さえ動作信号の急激な変化を緩和できる。
また、距離dc1とdc2がdloよりも大きい場合は、押圧された被縫製物Ob3およびOb4の復元力によって、中押さえ15がdlo上昇しても上糸が中押さえ15と被縫製物Ob3またはOb4との間に挟まれる状況となる。この状況下で保持装置が搬送され、上糸がほつれたり、摺り切れたりする場合は、中押さえが被縫製物Ob3およびOb4を押圧した位置からでなく、被縫製物Ob3およびOb4の表面から、中押さえ15をdloだけ上昇させれば良い。
また、被縫製物が特に柔らかく、中押さえ15が被縫製物に衝突することにより停止しても支障がない場合は、中押さえ15の下降量loおよびlo′を予め指定せず、中押さえ15が台座である滑り板4または送り板29の上面に対して一定の高さで停止するよう中押さえモータ16を駆動しても良い。中押さえの停止位置を、被縫製物が設置される台座を基準とすることで、特に柔らかい被縫製物を縫製する場合に、被縫製物の厚さに応じて中押さえ15の下降量loおよびlo′を指定する手間を省くことができる。
また指令生成装置は、小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、中押さえが特定の圧力で被縫製物を押圧する位置で中押さえを一定の高さで停止させる駆動源の駆動信号を生成する。よって、駆動源は、小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、中押さえが特定の圧力で被縫製物を押圧した位置で停止するように中押さえを駆動する。このようにすることで、圧縮性のある様々な被縫製物の浮き上がりおよびばたつきを抑制することができる。
また指令生成装置は、小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、中押さえが特定の圧力で被縫製物を押圧した位置から上糸の直径以上の距離を移動した位置で中押さえを一定の高さで停止させる前記駆動源の駆動信号を生成する。よって、駆動源は、中押さえが特定の圧力で被縫製物を押圧した位置から上糸の直径以上の距離を移動した位置で停止するように中押さえを駆動する。このようにすることで、圧縮性のある様々な被縫製物の浮き上がりおよびばたつきを抑制することができる。また位置決め手段が被縫製物を搬送できる期間を長くすることができる。
また特定の圧力は、被縫製物に貼付した圧力センサと、中押さえに貼付した圧力センサと、駆動源の状態量を検出するセンサとの、いずれか1つまたは複数を用いて求められる。これらのセンサを使用することで、圧力制御系の信頼性を向上することができる。
以上に説明したように実施の形態1から3に係るミシン100は、かまが上糸の捕捉を解除した後から天秤の動作にともない小孔が上昇する期間に、中押さえを一定の高さで停止させる駆動源の駆動信号を生成するように構成されている。この構成により、中押さえの動作を変更することで、被縫製物に形成される縫い目の縫締りを改善することができる。
以上の実施の形態1から実施の形態3に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 アーム、2 ベッド、3 支持脚、4 滑り板、11 縫い針、13 天秤、14 主軸モータ、15 中押さえ、16 中押さえモータ、17 糸調子器、18,27,28,124 回転情報検出器、19 上軸、21 X軸モータ、22 Y軸モータ、23 X軸駆動機構、24 Y軸駆動機構、25 移動レース、26 保持装置、29 送り板、31 操作盤、32A,32B 制御盤、33 フットスイッチ、100 ミシン、110 カップリング、111 クランク、112 針棒クランク、113 連接棒、115 針棒、116 上軸プーリ、117 タイミングベルト、118 下軸プーリ、119 大径ギヤ、120 小径ギヤ、121 下軸、122 小孔、123 天秤ロッド、125 ピニオン、126 ラック、127 スライドガイド、128 スライダ、130 中押さえ棒、210 外押さえ、211 押さえ台、212 エアシリンダ、311 表示器、312 プロセッサ、313 記憶装置、314 入力装置、321 指令生成装置、322 主軸モータ制御演算回路、323 中押さえモータ制御演算回路、324 X軸モータ制御演算回路、325 Y軸モータ制御演算回路、326 圧力推定回路、327 減算器、328 偏差抑制補償器、329 スイッチ。

Claims (8)

  1. 上糸を挿通した針孔を有し主軸モータにより駆動される縫い針と、
    前記上糸を捕捉することで前記上糸と下糸とを絡ませる剣先を有するかまと、
    前記上糸を挿通した小孔を有し、前記小孔が下死点から上死点まで上昇することにより前記上糸を縫製対象である被縫製物から引き上げる天秤と、
    前記縫い針の動作と独立に駆動され前記被縫製物の浮き上がりを防止する中押さえと、
    前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇する期間に、前記中押さえを一定の高さで停止させるように前記中押さえを駆動し、前記主軸モータとは独立に駆動される駆動源と、
    を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 前記主軸モータの回転運動によって前記縫い針が動作し、
    前記主軸モータは、前記主軸モータの回転角度を指定する主軸指令信号に前記主軸モータの回転角度を検出した主軸回転信号が追従するように駆動され、
    前記駆動源は中押さえモータであって、前記中押さえモータの回転運動によって前記中押さえが動作し、
    前記中押さえモータは、前記中押さえモータの回転角度を指定する中押さえ指令信号に前記中押さえモータの回転角度を検出した中押さえ回転信号が追従するように駆動されることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記駆動源は、前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、前記被縫製物が設置される台座の上面に対して一定の高さで停止するように前記中押さえを駆動することを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
  4. 前記駆動源は、前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、前記被縫製物の表面に対して一定の高さで停止するように前記中押さえを駆動することを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
  5. 前記駆動源は、前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、前記被縫製物の表面から前記上糸の直径以上の距離を移動した位置で停止するように前記中押さえを駆動することを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
  6. 前記駆動源は、前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、前記中押さえが特定の圧力で前記被縫製物を押圧した位置で停止するように前記中押さえを駆動することを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
  7. 前記駆動源は、前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇して上死点に到達するまでの期間に、前記中押さえが特定の圧力で前記被縫製物を押圧した位置から前記上糸の直径以上の距離を移動した位置で停止するように前記中押さえを駆動することを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
  8. 前記特定の圧力は、前記被縫製物に貼付した圧力センサと、前記中押さえに貼付した圧力センサと、前記駆動源の状態量を検出するセンサとの、いずれか1つまたは複数を用いて求めることを特徴とする請求項またはに記載のミシン。
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