JP6604260B2 - 吸収性物品の製造装置および製造方法 - Google Patents

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本件は、吸収性物品を製造する装置および方法に関する。
従来、紙おむつや生理用ナプキンといった吸収性物品が知られている。吸収性物品には、着用者から排泄される尿や経血などの液体を吸収する吸収マットが設けられている。この吸収マットが着用者の肌面に沿って追従することで、排泄された液体の漏れが抑えられ、吸収マットに液体が確実に吸収される。よって、着用者の快適性を向上させることができる。
そこで、着用者に対する吸収マットの追従性を向上させる技術が開発されている。
たとえば、吸収マットをプレスする一対のロールそれぞれの外周で連続的に延びる凸部を設け、各ロールの凸部どうしが互いにずらされて配置された吸収性物品の製造装置が提案されている。言い換えれば、一方のロールの凸部と他方のロールの凹部とが互いに対向して何れも周方向に沿って連続的に延びている。この製造装置によれば、各ロールの凸部や凹部でプレスされた吸収マットは、複数の可撓軸が形成されて形状が変化しやすくなり、着用者に対する吸収マットの追従性が向上するとされる(特許文献1参照)。
特開平7-213552号公報
ところで、ロールに延設された凸部で吸収マットをプレスすれば、溝状のパターンが成形される。この場合には、吸収マットにおいて溝状のパターンが着用者に対して非接触となり、液体の拡散性や通気性が高められる。このように着用者の快適性を向上させるには、パターンの形状を保持するために、ロールの凸部で吸収マットを強くプレスすることが必要となる。
しかしながら、ロールの凸部によってプレスされた吸収マットでは、パターンが硬化することで、着用者に対する吸収マットの追従性が低下するおそれがある。他方、プレスが抑えられた吸収マットでは、パターンの硬化は抑えられるものの、パターンの形状が崩れやすくなり、液体の拡散性や通気性などが損なわれるおそれがある。
本件で示す吸収性物品の製造装置および製造方法は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、着用者の快適性を確保した吸収性物品の製造を目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する吸収性物品の製造装置は、パルプに混合された高吸水性樹脂を有する吸収マットを第一ロールと第二ロールとの間に挟んで溝状のパターンをプレスして成形する。
この吸収性物品の製造装置は、凸部と対向部と凹部とを備える。
前記凸部は、前記第一ロールの外周において前記パターンに対応した形状に突設され、前記吸収マットの一部をプレスして前記パターンを成形する。
前記対向部は、前記第二ロールの外周において前記凸部と対向して前記パターンに対応した形状であって前記第二ロールの外周と連続して凹凸無く設けられ、前記凸部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスする。
前記凹部は、前記第二ロールの外周において前記対向部の側方に前記第二ロールの周方向および軸方向の少なくとも何れかに断続的に凹設される。
(2)前記パターンは、互いに交差する第一パターンおよび第二パターンを有することが好ましい。
(3)さらに、前記凹部は、前記第一パターンと前記第二パターンとの交差箇所を成形する前記対向部の側方に配置されることが好ましい。
(4)前記第一ロールおよび前記第二ロールは、シートが積層された前記吸収マットに前記パターンを成形することが好ましい。
(5)前記凹部は、前記対向部に隣接して設けられることが好ましい。
(6)前記対向部のうち前記凹部が側方に凹設された凸対向部と前記凸部のうち前記凸対向部に対向する突合凸部との少なくとも何れか一方は、プレス方向に向かうほど周方向断面積が小さくなる先細り形状に設けられることが好ましい。
(7)ここで開示する吸収性物品の製造方法は、上記した吸収性物品の製造装置を用いて吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法である。
この吸収性物品の製造方法のプレス工程には、第一プレス工程と第二プレス工程とが含まれる。
前記プレス工程は、前記第一ロールおよび前記第二ロールを回転させて前記第一ロールの前記凸部と前記第二ロールの前記対向部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスして前記パターンを成形する。
前記第一プレス工程は、側方に前記凹部が凹設された前記対向部と前記凸部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスする。
前記第二プレス工程は、側方に前記凹部が凹設されていない前記対向部と前記凸部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスする。
なお、前記プレス工程では、前記第一プレス工程と前記第二プレス工程とが順次実施されることが好ましい。この場合には、吸収性物品の製造装置において、前記対向部の側方に、前記第二ロールの周方向に断続的に前記凹部が凹設される。
本件で示す吸収性物品の製造装置によれば、凹部が対向部の側方に断続的に凹設されているため、吸収マットのプレス時に、対向部の側方に凹部が設けられたプレス箇所では、高吸水性樹脂が側方へ移動(逃げ)やすくなって硬化が抑えられ、また、対向部の側方に凹部が設けられていないプレス箇所では、高吸水性樹脂が側方へ移動しにくくなって吸収マットの一体化が促進される。したがって、パターンの形状を保持しつつ着用者に対する吸収マットの追従性を確保することができる。よって、着用者の快適性を確保した吸収性物品を製造することができる。
本件で示す吸収性物品の製造方法によっても、上述した作用および効果を得ることができる。
吸収マットにパターンをプレスして成形するロールを示す斜視図である。 ロールの外周に設けられた凸部ならびに対向部および凹部を展開した平面図である。 吸収マットのプレス手順(吸収性物品の製造方法)を示すフローチャートである。 図2の要部断面図であり、(A)は第一位相αまたは第二位相βの断面を示し、(B)は第三位相γの断面を示す。 変形例の第一凸部(突合凸部)および第一対向部(凸対向部)を示す要部断面図である。
図面を参照して、実施形態としての吸収性物品の製造装置および製造方法について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
本実施形態に示す装置および方法で製造される吸収性物品は、着用者に装着され、尿や経血といった液体を吸収するものである。吸収性物品としては、テープ型やパンツ型の紙おむつ(いわゆる「使い捨て紙おむつ」),尿パッド,生理用ナプキン,パンティーライナーなどが挙げられる。これらの吸収性物品には、着用者から排泄される液体を吸収する吸収マットが設けられる。
本実施形態では、吸収マットをロールでプレスして溝状のパターンを成形する装置を説明する。
この装置については、ロールの軸心を基準に軸方向,径方向および周方向を定め、吸収マットの搬送方向を基準に上流および下流を定める。また、吸収マットについては、着用者の肌に向かう側(装着された状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着された状態で外側)を非肌面側とし、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、搬送方向に直交する方向を幅方向とする。そのほか、重力の作用方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。
[I.一実施形態]
[1.吸収マット]
まず、図1を参照して、吸収性物品に設けられる吸収マット4を説明する。図1に例示する吸収マット4は、上側が肌面側であり、下側が非肌面側であり、上下方向が厚み方向である。
吸収マット4は、液体を吸収して保持するマット状の部材である。この吸収マット4では、粉砕あるいは解繊されたパルプ(いわゆる「フラッフパルプ」)4aに高吸水性樹脂(いわゆるSAP〈Superabsorbent polymer〉,高吸水性高分子あるいは高吸水性ポリマーとも称される)4bが混合されている。たとえば、パルプ4aによって拡散された液体を高吸水性樹脂4bが吸収し保持する。
さらに、吸収マット4では、一部の高吸水性樹脂4bが凝集している。凝集した高吸水性樹脂4bは、たとえば400μmあるいは600μm程度の外寸となってパルプ4aに混合されている。
ここでは、ラップシートで被包されたうえで肌面側にトップシート(シート)が積層された帯状の吸収マット4を例示して説明する。
ラップシートで被包された吸収マット4は、定形性が確保され、更にトップシートが積層された吸収マット4は、着用者に対する触感や吸液性が高められる。ラップシートとしては、ティッシュや不織布を用いることができる。ティッシュのほうが不織布よりも形状の追従性がよいことから、ティッシュをラップシートに用いることが好ましい。トップシートとしては、織布,不織布や多孔質フィルムを用いることができる。
この吸収マット4には、溝状のパターン3がプレス(圧縮)によって成形される。
ここでは、格子状のパターン3を例に挙げて具体的に説明する。
パターン3の格子は、互いに交差する第一パターン31および第二パターン32によって構成される。パターン31,32のそれぞれには、直線状に延びる複数の溝が平行に設けられている。
具体的には、吸収マット4を肌面側から視て、搬送方向の上流側を12時とするとともに下流側を6時とし、幅方向の一方を3時とするとともに他方を9時とすれば、1時半と7時半とを結ぶ方向に第一パターン31が延びて設けられ、また、10時半と4時半とを結ぶ方向に第二パターン32が延びて設けられる。
ただし、少なくとも互いに交差して第一パターン31および第二パターン32が設けられればよい。たとえば、1時や2時と7時や8時とを結ぶ方向に第一パターン31が設けられてもよく、10時や11時と4時や5時とを結ぶ方向に第二パターン32が設けられてもよい。
このパターン3には、幅方向に二つの交差箇所PC1,PC2が並んで設けられる第一箇所Aと、幅方向に三つの交差箇所PC3,PC4,PC5が並んで設けられる第二箇所Bとが設けられる。これらの箇所A,Bは、搬送方向に沿って交互に並んで設けられる。
詳細に言えば、第一交差箇所PC1と第二交差箇所PC2とが幅方向に隣接する。同様に、第三交差箇所PC3と第四交差箇所PC4とが幅方向に隣接し、また、第四交差箇所PC4と第五交差箇所PC5とが幅方向に隣接する。
なお、第一箇所Aの交差箇所PC1,PC2と、この第一箇所Aよりも上流または下流の第一箇所A′の交差箇所PC1′,PC2′とは、搬送方向に隣接する。同様に、第二箇所Bの交差箇所PC3,PC4,PC5と、この第二箇所Bよりも上流または下流の第二箇所B′の交差箇所PC3′,PC4′,PC5′とは、搬送方向に隣接する。
以下、上記した隣接する二つの交差箇所を「隣接交差箇所」と呼ぶ。
[2.ロール]
つぎに、吸収マット4を間に挟んでパターン3をプレスして成形する一対のロール10,20を説明する。
一対のロール10,20は、互いに平行であって幅方向に延びる軸心C1,C2を中心として回転するプレスロールである。これらのロール10,20は、吸収マット4の搬送速度に応じた周速で回転する。
ここでは、上下に二つのロール10,20が配置される。具体的には、搬送される吸収マット4に対して上方にアッパロール(第一ロール)10が配置され、下方にロアロール(第二ロール)20が配置されている。アッパロール10は、吸収マット4をプレスするロールであり、ロアロール20は、アッパロール10による吸収マット4のプレスを受け止めるプレス受け(アンビル)ロールである。アッパロール10の下方であってロアロール20の上方において、搬送される吸収マット4が挟まれる。
アッパロール10の外周には、吸収マット4の一部をプレスしてパターン3を成形する凸部11が設けられている。この凸部11は、成形するパターン3に対応した形状に突出して設けられたプレス型である。凸部11としては、金属製のプレス型(金型)やゴム製のプレス型(ゴム型)を用いることができる。ここでは、アッパロール10の外周で全周に亘って凸部11が設けられる。
ロアロール20の外周には、吸収マット4のプレス箇所で凸部11に対向する対向部21(パターン3と対応する輪郭を一点鎖線で示す)が設けられている。なお、対向部21の輪郭は、パターン3と対応するが、ロアロール20の外周面にあらわれるものではないので、一点鎖線で示している。すなわち、プレス箇所では、吸収マット4に対して上方に凸部11が位置するとともに下方に対向部21が位置する。この対向部21は、ロアロール20の外周に沿う曲面状であって、パターン3に対応した形状に設けられている。吸収マット4うち、対向部21と凸部11との間に挟み込まれた一部がプレスされる。このプレス箇所には、パターン3が成形される。
なお、図2では、対向部21の輪郭(一点鎖線で示す)と凸部11の輪郭(二点鎖線で示す)とが重複することから、図示の便宜を図るために対向部21よりも凸部11をやや小さく示している。
さらに、ロアロール20の外周には、対向部21の側方に断続的に凹設された凹部22が設けられている。凹設された凹部22は、対向部21に隣接して配置される。ここでいう「隣接」は、対向部21と凹部22との間に他のものが介在せずに隣り合うことを意味する。
図2に示すように、凹部22は、パターン3のうち交差箇所PC1,PC2,PC3,PC4,PC5を成形する対向部21の側方にそれぞれ配置されている。ここでは、対向部21に対して軸方向側方に凹部22が設けられる。
さらに、凹部22は、隣接交差箇所を結ぶように延設されている。ここでは、軸方向に結ぶ仮想線L1,L2上に凹部22が延設されている。
具体的に言えば、第一箇所Aに対応する第一位相αでは、第一仮想線L1上で三つの凹部221,222,223が軸方向に並んで設けられる。詳細には、第一凹部221と第二凹部222との間に第一交差箇所PC1をプレス成形する対向部21が設けられ、第二凹部222と第三凹部223との間に第二交差箇所PC2をプレス成形する対向部21が設けられる。
また、第二箇所Bに対応する第二位相βでは、第二仮想線L2上で四つの凹部224,225,226,227が軸方向に並んで設けられる。詳細には、第四凹部224と第五凹部225との間に第三交差箇所PC3をプレス成形する対向部21が設けられ、第五凹部225と第六凹部226との間に第四交差箇所PC4をプレス成形する対向部21が設けられ、第六凹部226と第七凹部227との間に第五交差箇所PC5をプレス成形する対向部21が設けられる。
なお、第一位相αと第二位相βとの間の第三位相γのように、パターン3のうち交差箇所PC1,PC2,PC3,PC4,PC5以外の箇所を成形する対向部21の側方には、凹部22が設けられていない。そのため、凹部22は、ロアロール20の周方向において断続的に凹設されている。
図4(A)に示すように、側方に凹部22が設けられた対向部21は、相対的に凸状となる。これに対して、側方に凹部22が設けられていない対向部21は、図4(B)に示すように、ロアロール20の外周と連続して凹凸無く設けられる。
そのため、対向部21は、側方に凹部22が設けられた第一対向部(凸対向部)211と、側方に凹部22が設けられていない第二対向部212とに大別される。同様に、アッパロール10の凸部11についても、第一対向部211に対向する第一凸部(突合凸部)111と、第二対向部212に対向する第二凸部112とに大別される。
第一凸部111と第一対向部211とで挟まれる領域(以下「第一プレス領域」という)D1の側方には、アッパロール10とロアロール20とで囲まれる第一キャビティS1が形成される。この第一キャビティS1は、第一プレス領域D1に対して側方ならびにその上方および下方(径方向)の何れにも形成される。
また、第二凸部112と第二対向部212とで挟まれる領域(以下「第二プレス領域」という)D2の側方には、アッパロール10とロアロール20とで囲まれる第二キャビティS2が形成される。この第二キャビティS2は、第二プレス領域D2の側方およびその上方のみに形成され、第二プレス領域D2の側方の下方には形成されない。
すなわち、第二キャビティS2を下方に拡大した空間が第一キャビティS1に対応する。
つぎに、吸収マット4にパターンをプレス成形して、吸収性物品を製造する方法を説明する。この製造方法は、上述した製造装置で吸収性物品を製造する方法である。
この製造方法では、プレス工程が実施される。
このプレス工程は、ロール10,20を回転させてアッパロール10の凸部11とロアロール20の対向部21との間に吸収マット4の一部を挟み込んでプレスしてパターン3を成形する。
さらに、プレス工程には、図3に示すように、第一プレス工程(ステップA10)と第二プレス工程(ステップA20)とが含まれる。ロアロール20の周方向において凹部22が断続的に凹設されていることから、プレス工程では、第一プレス工程と第二プレス工程とが順次実施される。具体的には、第一プレス工程の後に第二プレス工程が実施され、その後に再び第一プレス工程が実施されることを繰り返す。
[3.作用および効果]
〈作用〉
つづいて、吸収マット4にパターン3がプレス成形されるときの作用を説明する。
ロール10,20が第一位相αまたは第二位相βをなす場合には、図4(A)に示すように、第一凸部111と第一対向部211との間で吸収マット4の一部が挟み込まれてプレスされる。
このとき、第二キャビティS2が下方に拡大された空間の第一キャビティS1が第一プレス領域D1の側方に設けられることから、プレスされる吸収マット4の拘束が抑えられる。そのため、吸収マット4に混合された高吸水性樹脂4bの拘束も抑えられる。たとえば、第一プレス領域D1で凝集した高吸水性樹脂4bがプレスされると、凝集した高吸水性樹脂4bが破砕されて第一キャビティS1に移動する。
したがって、第一プレス領域D1には、凝集した高吸水性樹脂4bが残留しにくい。よって、第一プレス領域D1で成形されるパターン3の硬化が抑えられる。
これに対し、ロール10,20が第三位相γをなす場合には、図4(B)に示すように、第二プレス領域D2で吸収マット4の一部が挟み込まれてプレスされる。
このとき、第一キャビティS1が上方に縮小された空間の第二キャビティS2が第二プレス領域D2の側方に設けられることから、プレスされる吸収マット4が拘束される。そのため、吸収マット4に混合された高吸水性樹脂4bも拘束される。たとえば、第二プレス領域D2で凝集した高吸水性樹脂4bがプレスされると、この高吸水性樹脂4bが破砕されて残留する。
したがって、破砕された高吸水性樹脂4bによって、プレスされた吸収マット4の一体化が促進されるとともに復元が抑えられる。
第一プレス領域D1および第二プレス領域D2のそれぞれで成形されたパターン3を比較すれば、第二プレス領域D2よりも第一プレス領域D1で成形されたパターン3の硬化が抑えられ、第一プレス領域D1よりも第二プレス領域D2でプレスされた吸収マット4の復元が抑えられる。敷衍して言えば、パターン3に硬度と吸収マット4の復元度合いとのそれぞれに強弱が付けられる。
〈効果〉
つぎに、本実施形態で示す吸収性物品の製造装置および製造方法によって得られる効果を説明する。
(1)対向部21の側方で断続的に凹設された凹部22により、硬化が抑えられた部分と吸収マット4の復元が抑えられた部分とをパターン3に成形することができる。
硬化の抑えられたパターン3によって、着用者に対する吸収マット4の追従性を確保することができる。さらに、吸収マット4の復元が抑えられることで、パターン3の形状を保持することができる。
着用者に対する吸収マット4の追従性が確保されることで、吸収性物品のフィット性を向上させることができ、更には、液体の漏れを抑えることができる。そのうえ、パターン3の形状が保持されることで、液体の拡散性や通気性を確保することができる。
したがって、着用者の快適性を確保した吸収性物品を製造することができる。
なお、本実施形態で示す吸収性物品の製造方法によっても、上述した作用および効果を得ることができる。
(2)互いに交差する第一パターン31および第二パターン32がパターン3に設けられるため、吸収マット4は、第一パターン31に沿って折れ曲がりやすいうえに、第一パターン31に交差する第二パターンに沿って折れ曲がりやすい。よって、着用者に対する吸収性物品のフィット性を確実に向上させることができる。
(3)パターン31,32の交差箇所PC1,PC2,PC3,PC4,PC5は、溝が開くように吸収マット4が変形しやすいことから、パターン31,32の溝底に着用者の肌面が進入して接触するおそれがある。このように着用者の触感に大きく影響しうる交差箇所PC1,PC2,PC3,PC4,PC5は、凹部22が側方に配置された第一対向部211と第一凸部111とでプレス成形されることで硬化が抑えられる。よって、着用者の触感を改善することができる。
(4)上述した通り、第二プレス領域D2で凝集した高吸水性樹脂4bがプレスされたときに、粉砕された高吸水性樹脂4bによって吸収マット4の一体化が促進される。この吸収マット4は、ラップシートで被包され、肌面側にトップシートが積層されているため、パルプ4aの一体化が促進されるだけでなく、パルプ4aとラップシートあるいはトップシートとの一体化も促進される。したがって、吸収性物品におけるラップシートあるいはトップシートの浮き上がりを抑えることができる。延いては、吸収性物品の品質を高めることができる。
(5)対向部21に隣接して凹部22が設けられているため、対向部からやや離隔して凹部が設けられた構造に比較して、第一キャビティS1が対向部21の直ぐ側方に形成される。そのため、第一プレス領域D1でプレスされる吸収マット4の拘束を確実に抑えて、交差箇所PC1,PC2,PC3,PC4,PC5に高吸水性樹脂4bを残留しにくくすることができる。よって、パターン3における交差箇所PC1,PC2,PC3,PC4,PC5の硬化を確実に抑えることができる。
そのほか、隣接交差箇所を軸方向に結ぶ仮想線L1,L2上に凹部22が延設されているため、交差箇所PC1,PC2,PC3,PC4,PC5それぞれの側方が個別に凹設された構造に比較して、凹部22の形成コストを低減させることができる。
[II.その他]
最後に、本実施形態のその他の変形例について述べる。
たとえば、図5に示すように、アッパロール10′の第一凸部111′とロアロール20′の第一対向部211′との少なくとも何れか一方が先細り形状に設けられてもよい。ここでいう「先細り形状」は、プレス方向(ここでは第一凸部111の下方および第一対向部211の上方)に向かうほど周方向断面積が小さくなるテーパー形状を意味する。この場合には、高吸水性樹脂4bを第一キャビティS1へ更に移動させやすくすることができ、第一プレス領域D1で成形されるパターン3の硬化を一層抑えることができる。
そのほか、パターン3がプレス成形される吸収マット4は、帯状のものに限らず、搬送方向において所定の寸法に切断されていてもよい。この場合には、断続的に搬送される吸収マットに合わせて、ロールの凸部,対向部,凹部を周方向に一部に設けることで、装置コストを低減させることができる。
また、パターン3がプレス成形される吸収マット4は、トップシートが積層されていなくてもよいし、ラップシートで被包されていなくてもよい。
なお、パターン3には、格子状に限らず、単数または複数の直線状もしくは曲線状といったさまざまな形状のものを採用することができる。たとえば、対向部の側方に凹部が凹設されていないロアロールによって搬送方向に沿う直線状のパターンが成形される吸収マットは、幅方向には折れ曲がりやすいものの搬送方向には折れ曲がり難い。これに対して、対向部の側方に凹部を断続的に凹設されたロアロールによってパターンが成形された吸収マットは、硬度に強弱が付けられ、搬送方向にも折れ曲がりやすくなる。このように、吸収マットにおける折れ曲がり特性の異方性を抑えることができる。
10,10′ アッパロール(第一ロール)
11 凸部
111,111′ 第一凸部(突合凸部)
112 第二凸部
20,20′ ロアロール(第二ロール)
21 対向部
211,211′ 第一対向部(凸対向部)
212 第二対向部
22 凹部
3 パターン
31 第一パターン
32 第二パターン
4 吸収マット
4a パルプ
4b 高吸水性樹脂
A 第一箇所
B 第二箇所
1,C2 軸心
1 第一プレス領域
2 第二プレス領域
C1 第一交差箇所
C2 第二交差箇所
C3 第三交差箇所
C4 第四交差箇所
C5 第五交差箇所
1 第一キャビティ
2 第二キャビティ
α 第一位相
β 第二位相
γ 第三位相

Claims (7)

  1. パルプに混合された高吸水性樹脂を有する吸収マットを第一ロールと第二ロールとの間に挟んで溝状のパターンをプレスして成形する吸収性物品の製造装置であって、
    前記第一ロールの外周において前記パターンに対応した形状に突設され、前記吸収マットの一部をプレスして前記パターンを成形する凸部と、
    前記第二ロールの外周において前記凸部と対向して前記パターンに対応した形状であって前記第二ロールの外周と連続して凹凸無く設けられ、前記凸部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスする対向部と、
    前記第二ロールの外周において前記対向部の側方に前記第二ロールの周方向および軸方向の少なくとも何れかに断続的に凹設された凹部と
    を備えたことを特徴とする吸収性物品の製造装置。
  2. 前記パターンは、互いに交差する第一パターンおよび第二パターンを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載された吸収性物品の製造装置。
  3. 前記凹部は、前記第一パターンと前記第二パターンとの交差箇所を成形する前記対向部の側方に配置された
    ことを特徴とする請求項2に記載された吸収性物品の製造装置。
  4. 前記第一ロールおよび前記第二ロールは、シートが積層された前記吸収マットに前記パターンを成形する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載された吸収性物品の製造装置。
  5. 前記凹部は、前記対向部に隣接して設けられた
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載された吸収性物品の製造装置。
  6. 前記対向部のうち前記凹部が側方に凹設された凸対向部と前記凸部のうち前記凸対向部に対向する突合凸部との少なくとも何れか一方は、プレス方向に向かうほど周方向断面積が小さくなる先細り形状に設けられた
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載された吸収性物品の製造装置。
  7. 請求項1に記載された吸収性物品の製造装置を用いて吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法であって、
    前記第一ロールおよび前記第二ロールを回転させて前記第一ロールの前記凸部と前記第二ロールの前記対向部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスして前記パターンを成形するプレス工程が、
    側方に前記凹部が凹設された前記対向部と前記凸部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスする第一プレス工程と、
    側方に前記凹部が凹設されていない前記対向部と前記凸部との間に前記吸収マットの一部を挟み込んでプレスする第二プレス工程とを含む
    ことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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