JP6602928B1 - コンクリート構造物の切除方法 - Google Patents
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Description
橋桁BGの橋床BFと橋台BAの前面上端部との間には、温度変化による橋桁BGの伸縮を許容するため隙間Gが設けてあり、かつ隙間Gがあっても車両の通行を妨げないように伸縮継手EJが取付けられている。
しかるに、橋桁BGと橋台BA前面の間の隙間Gは狭く、通常数センチから数十センチしかない。したがって、通常の機械工具が入らないので、切除工事に大きな制約があった。
しかるに、この工法では、劣化コンクリートの全量をはつるには時間がかかるので、工期が長くなる。はつり面が粗面となるので、改修工事に手間がかかる、などの問題があった。
第2発明のコンクリート構造物の切除方法は、第1発明において、前記横切り切断機は、丸のこと、該丸のこを支持して水平面内で揺動させる揺動アームと、該丸のこの回転駆動部と、レールに沿って走行する走行部とを含んで構成されており、前記レールを前記橋台の前面と前記橋桁との間に固定し、該レール上を走行させながら、前記揺動アームを揺動させて前記丸のこを前記橋台に切り込ませることを特徴とする。
a)橋台の前面上部の角部を除去するための切断予定部分に縦方向の切り溝を入れたうえで、橋台に形成された複数ラインの縦方向の切り溝に対して、順次に横方向の切り溝を入れる。こうすることで、切除予定の角部をブロック状に切り離しすことができ橋台から除去できる。また、橋台の前面の空間に挿入できる横切り切断機を用いて丸のこで切断するので橋桁との間に狭い隙間しかない場合でも能率のよい切り込みを行える。このため、橋台の前面上部を角ブロック状に短い工期で切断することができる。
b)縦切りを切断予定位置までの間で複数ライン入れておくと、横切りを一気に深く入れる必要なく、浅い横切りを行えば、上方にある角部の一部ずつを上方に取り出せる。このため、極端に大きな丸のこを用いなくても深い横切りが行える。
c)横切りは切断予定位置での切り込みだけでよいので、工数を少なくできる。
第2発明によれば、機械力で横切り作業を行うので能率よく短時間で作業を行える。また、横切り切断機をレール上で走行させると丸のこが横方向に移動するので、幅の広い橋台でも切断作業を短時間で行える。
(1)本発明の切除方法の適用対象
本発明の切除方法の主たる適用対象は、図11および図12に例示する橋台BAであるが、それ以外のコンクリート構造物であっても角部を有し切除を要するものであれば、どのようなコンクリート構造物にも適用できる。
本発明の切除方法は、ブロック状のコンクリート構造物において、上面と前面に面する角部を角ブロック状に切除する方法であって、以下の工程からなる。
・前記角部の上面から下向きに縦方向に切り溝を入れる縦切り工程I、
・前記角部の前面から奥側に向けて横方向に切り溝を入れる横切り工程II、
・前記縦切り工程と前記横切り工程によって切り離された角部を除去する除去工程III
そして、前記横切り工程IIIは、前記コンクリート構造物の前面と他の構造物との間の空間に挿入される横切り切断機7を用いて実施する。
(3−1)縦切りの切断機
図7に示すように、縦切り切断機3は、丸のこ31を支持し回転させる回転軸32およびモータ等の駆動源と、丸のこ31の切り込み深さを調整する調整機構と、走行路上を走行する車輪33および走行駆動源たる原動機などを備えている。この縦切り切断機3を走行させながら、適宜の切り込み深さで丸のこ31を回転させると、縦方向の切り溝を入れる縦切りが行える。
図8〜図10に示すように、横切り切断機7は、丸のこ71を備え、この丸のこ71を回転させるモータ等の駆動源と、丸のこ71を水平面内で揺動させる揺動アーム72およびその駆動源と、走行車輪73とその駆動源を機体74に備えている。走行車輪73は後述するレール8の側面に当った状態で転動するサイドローラである。
上記レール8は図9〜図10に示されるように、狭い作業空間内に設置されるものであり、断面角状の棒状部材である。このレール8は1mから数m位の長さのレール本体81と、このレール本体81の両端の連結部82とからなる。レール本体81を連結部82でつなぐと、湾曲した側溝内にも配置でき、各レール本体81の重量は軽くなるので設置工事が容易に行える。
連結部82の連結構造は任意でよいが、直列連結したときの連結角度を任意に変更できるようにしておけば曲がった改修対象側溝にでも使用できるので好ましい。
図10に示すように、左右の突張り片83,83を対向する壁面間に入れて間隔調整体84で突張らせると、対向する壁面間にレール8を固定できる。そして、レール8に横切り切断機7の走行車輪73を沿わせてセットすると、横切り切断機7はレール8上を走行することができる。
以下に縦切り工程Iを図1に基づき説明し、横切り工程IIを図2〜図5に基づき説明し、除去工程IIIを図6に基づき説明する。
前記縦切り工程Iでは、図7に示す縦切り切断機3を用いるのが好ましい。
この縦切り切断機3を用いることで、機械力で縦切り作業を行えるので、能率よく短時間で縦切り工程を実施できる。
図1に示すように、角部(ブロック状)の廃棄部を切り離すための縦切り工程Iは、橋台BAの前面から所定の寸法だけ奥行き方向に離間した奥行き方向切断位置に至るまでの間で、複数ラインの縦向きの切り溝を平行に入れる。図では、3本の縦切り溝VC1,VC2,VC3(各切り込み線を一括して示すときは符号VCを用いる)が示されている。なお、図に示すVC3は、奥行き側切断位置に形成された縦切り溝である。
縦切りを奥行き側切断位置までの間で複数本入れておくと、横切りを一気に深く入れる必要なく、浅い横切りを行うつど上方にある角部Bs(図6参照)の一部ずつ上方に取り出せる。このため、極端に大きな丸のこを用いることなく深い横切りが行える。
図2に示すように、橋台BAから切除する廃棄部、つまり縦切り溝VC1,VC2,VC3の下端部分を横方向に切断する横切り工程IIを実施する。
横切り工程IIは、橋台BAの上面から所定の深さ寸法にある深さ方向切断位置において、横向きの切り込みを入れることを特徴とする。この横切りを行う深さ方向切断位置(上下方向の高さ)は、縦切り工程Iで入れられた縦向きの切り込みVC(図1参照)の下端に対応する位置である。
横切り切断機7をレール8上で走行させると丸のこ71が前後方向(図2では紙面の表裏方向、図3では紙面の上下方向)に移動するので、横切りを橋台BAの幅方向に向けて実施できる。この横切りは機械力によって行われるので、幅の広い橋台BAでも切断作業を短時間で行える。
数工程に分けると、1回当りの切込み負荷が小さくなるので、横切り切断機7の負担を軽くできる。
切り込み深さは、丸のこ71の直径に依存して変化する。小径の丸のこ71を使うと浅くしか切り込めないが、狭い空間でも切り込み作業ができる。大径の丸のこ71を使うと深く切り込めるが、狭い空間では使用不能の場合がある。
そこで、最初に小径の丸のこ71で浅く切り込みを入れておき、次に大径の丸のこ71で深く切り込みを入れる工法を用いてもよい。
また、同じ横切り切断機7を使って、丸のこ71のみを大径のものや小径のものを使い分けてもよい。
図5は、橋台に対する2回目の横切り作業を行っている状態を示している。符号HC2は、2回目の横切りの切り込み深さを示している。
このようにして、数工程を用いて切り込み深さを深くしていけば、容易に予定していた奥行き側切断位置まで横切りを行うことができる。
廃棄部Bsの除去は、クレーン等の任意の機械で吊り上げて撤去すればよい。
II 横切り工程
III 除去工程
3 縦切り切断機
7 横切り切断機
Claims (2)
- ブロック状のコンクリート構造物である橋台において、上面と橋桁に対向する前面で囲まれた角部を角ブロック状に切除する方法であって、
前記角部の上面から下向きに縦方向に切り溝を入れる縦切り工程と、
前記角部の前面から奥側に向けて横方向に切り溝を入れる横切り工程と、
前記縦切り工程と前記横切り工程によって切り離された角部を除去する除去工程とからなり、
前記縦切り工程は、前記橋台の前面から所定の寸法だけ奥行き方向に離間した奥行き方向切断位置に至るまでの間で、複数ラインの縦向きの切り込みを平行に入れる工程であり、
前記横切り工程は、前記橋台に形成された複数ラインの縦方向の切り溝に対して、順次に横向きの切込みを入れる工程であり、
前記横切り工程は、前記橋台の前面と橋桁との間の空間に挿入される横切り切断機を用いて実施する
ことを特徴とするコンクリート構造物における角部の切除方法。 - 前記横切り切断機は、丸のこと、該丸のこを支持して水平面内で揺動させる揺動アームと、該丸のこの回転駆動部と、レールに沿って走行する走行部とを含んで構成されており、
前記レールを前記橋台の前面と前記橋桁との間に固定し、該レール上を走行させながら、前記揺動アームを揺動させて前記丸のこを前記橋台に切り込ませる
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の切除方法。
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