JP2915791B2 - プランジカッターと切断方法 - Google Patents

プランジカッターと切断方法

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JP2915791B2
JP2915791B2 JP13163494A JP13163494A JP2915791B2 JP 2915791 B2 JP2915791 B2 JP 2915791B2 JP 13163494 A JP13163494 A JP 13163494A JP 13163494 A JP13163494 A JP 13163494A JP 2915791 B2 JP2915791 B2 JP 2915791B2
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国夫 岡田
芳己 平田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリート等の
コンクリート構造物の切断、石材の切り出し等(以下、
単にコンクリート構造物の切断についていうが、これに
は石材の切り出し等を含むものとする)に用いるプラン
ジカッターに関し、ことにコンクリート構造物を水平切
断するのに適したプランジカッターと、該プランジカッ
ターによるコンクリート構造物の切断方法に関する。
【0002】
【従来技術】コンクリート構造物を切断する方法には、
ウォータージェットにより水圧を利用して切断する方
法、火炎ジェットを吹付けて切断する方法、鉄筋コンク
リート構造物に通したダイヤモンドワイヤーを循環走行
させて切断する方法、コアドリルにより孔を連続的に穿
けていく方法などが知られるが、このうち、ウォーター
ジェットによる切断方法は、切断能力が劣るうえ、大き
な機械設備を必要とし、また切断面が放射状に広がる等
の難点があり、火炎ジェットによる切断方法は、危険が
伴う上、ウォータージェットによる切断と同様、切断面
が放射状に広がる難点がある。
【0003】ダイヤモンドワイヤーによる切断は、前者
に比べ、切断能力は優るが、切断中、ワイヤーソーが破
断し易く、破断による作業の中断や、ワイヤーソーの跳
ね飛びによる作業者への危険性がつきまとうほか、大き
な機械設備を要し、コスト高となる難点がある。また、
コアドリルにより孔を連続的に穿けていく方法は、大き
な機械設備は要しないが、多数の孔を連続して穿けてい
かねばならないため、切断にかなりな時間がかゝり、加
工コストが高くなる難点がある。
【0004】コンクリート構造物を切断する方法にはこ
のほか、図1に示すように、角柱よりなるスライドポー
ル1と、スライドポール1にスライド可能に装着され、
ピニオンラック機構によりスライドポール1に沿って送
られるスライドブロック2と、スライドブロック2に固
定支持されるプランジパイプ3と、プランジパイプ端に
取着されるプランジカッター本体4と、プランジカッタ
ー本体4に内蔵されるモータにより回転駆動される丸鋸
形のブレード5とよりなるプランジカッターを用い、コ
ンクリート構造物6にコアドリル等により円形孔7を穿
設したのち、この円形孔7を案内孔として回転するブレ
ード5を切込ませる方法が知られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コアドリル等により穿
設した円形孔を案内孔としてプランジカッターのブレー
ドを切込ませる方法は、切断時間が短縮し、加工コスト
を低減させることができる利点があるが、切込み量の深
い切断を行うときには、始めから支柱の長い大型のプラ
ンジカッターを用いるか、或いは切断途中でプランジパ
イプを継ぎ足す必要がある。しかしながら、前者の大型
プランジカッターは重量があって取扱いが容易でなく、
また図1に示すように、コンクリート構造物を水平に切
断する場合、スライドブロック2によりプランジカッタ
ー本体1までの距離lが長くなるため、プランジパイプ
3がプランジカッター本体1のブレード5更にはプラン
ジパイプ自体の重量により下方に撓み、その結果、ブレ
ード5がコンクリート構造物と接触して、その摩擦抵抗
によりスムースな切込みができなくなっていた。
【0006】また、後者のプランジパイプを継ぎ足すの
は手間がかゝり面倒であった。本発明は、上記の問題を
解消し、コンパクトでプランジパイプを継ぎ足す必要の
ないプランジカッターと、該プランジカッターによるコ
ンクリート構造物の切断方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題の解決手段】本発明のプランジカッターは、固定
ベースより突設されるスライドポールと、スライドポー
ルにスライド可能に装着され、ピニオンラック機構によ
りスライドポールに沿って送られるスライドブロック
と、スライドブロックに止着されるプランジパイプと、
プランジパイプ端に取着されるプランジカッター本体
と、プランジカッター本体に軸支され、プランジカッタ
ー本体に内蔵のモータにより回転駆動されるブレードと
よりなるプランジカッターにおいて、スライドブロック
とプランジパイプを係脱可能に止着する止着手段を設け
たことを特徴とし、このプランジカッターを用いたコン
クリート構造物の切断方法は、スライドブロックでプラ
ンジカッター本体に近いプランジパイプを止着し、水平
に支持されるスライドポールに沿って一定量前進させて
回転駆動されるブレードによりコンクリート構造物に切
込みを水平に一定量入れたのち、止着手段による止着を
解除してスライドブロックをスライドポールに沿って後
退させ、止着位置を変えて止着したのち、スライドポー
ルに沿った前進を繰返すことを特徴とする。
【0008】
【作用】プランジパイプへの止着位置を変えて前進を繰
返すことにより、スライドブロックの前進量を少なくす
ることができ、スライドポールの長さを短くすることが
できる。また、図1に示すように、スライドブロック2
により片持ばり状に支持されるプランジパイプ3端のブ
レード5での撓みは、スライドブロック2とブレード5
との間の長さlの3乗(l3 )に比例するため、プラン
ジカッター本体5近くのプランジパイプを止着し、lが
小さいと、ブレード5の撓みはほとんどなく、したがっ
てコンクリート構造物との接触による摩擦抵抗もない
か、ほとんどない。またプランジパイプへの止着位置
も、一回で大幅に変えるよりも、数回に分けて小刻みに
変え、撓みを段階的に変化させる方がコンクリート構造
物とのトータルの摩擦抵抗が少なくなり、動力が少なく
なる。
【0009】なお、本発明で用いられる止着手段として
は、ネジ止めによる固定、抱き締め金具のネジによる締
結、ピンの抜き差しによる連結などが例として挙げら
れ、このうち、ピンの抜き差しによる係脱では、エアシ
リンダーやソレノイド等の使用による自動化が可能とな
る。
【0010】
【実施例】固定ベース11より立設される角柱のスライ
ドポール1には、一側にラック12が添設されている。
スライドポール1を転動するローラによりスライドポー
ルにスライド可能に装着されるスライドブロック2は、
ラック12と噛合するピニオン(図示しない)を有し、
ハンドル13の回動操作によりピニオンを回転させる
と、スライドブロック2がスライドポール1に沿い昇降
するようになっており、ハンドル13の回動をピニオン
に伝える伝動機構中には、図示していないが、非接触式
の電磁クラッチが設けられ、伝動を断続できるようにな
っている。
【0011】スライドブロック2は、下端にプランジカ
ッター本体1と、該本体1に軸着されるブレード5を備
えた角柱のプランジパイプ3を抱き締め固定する抱き締
め金具14を有しており、ナット15を捩込んだり、弛
めたりすることによってプランジパイプ3への取付位置
を変えることができるようになっている。図2に示す符
号16は、下端が固定ベース11に、上端がプランジパ
イプ3に取着されるカバーである。
【0012】本実施例のプランジカッターは以上のよう
に構成され、次にこのプランジカッターによるコンクリ
ート構造物6の水平切断について図4〜図7により説明
する。コンクリート構造物6の側面に先ず、コアドリル
を用いてプランジカッター本体1を案内する水平な円形
孔7を形成する。次にこの円形孔7に隣接したコンクリ
ート構造物6の側面に、抱き締め金具14でプランジパ
イプ3をプランジカッター本体1に隣接した箇所で抱き
締め固定したプランジカッターの固定ベース11を、プ
ランジカッター本体1が円形孔7と合うように位置決め
して固定する(図4)。
【0013】以上のようにセットしたのち、プランジカ
ッター本体内のモータを起動してブレード5を回転駆動
させ、ハンドル13を回動操作してブレード5をコンク
リート構造物6の側面に当て、切込みを開始する。スラ
イドブロック2がスライドポール端に達するまで、切込
みが進行すると(図5)、一旦ナット15を弛めて抱き
締め金具14によるプランジパイプ3への固定を解除
し、スライドブロック2を元の位置まで後退させて再び
固定する(図6)。この間、ブレード5は安全のため、
回転を止めておくのがよいが、回転を続けておいてもよ
い。
【0014】次にハンドル13を回動操作して再びスラ
イドブロック2がスライドポール端に達するまで切込み
を行う(図7)。
【0015】
【発明の効果】本発明のプランジカッターによれば、ス
ライドブロックのプランジパイプへの止着位置を変えら
れるようにしたことにより、プランジパイプへの止着位
置を変えてはプランジパイプを繰り出すことができるよ
うになり、そのためスライドブロックのストローク及び
スライドポールの長さを短くしてプランジカッターを小
型でコンパクトにすることができ、また、プランジカッ
ターは小型でコンパクトであってもプランジパイプを長
くするだけで、切込みを深くすることもできる。
【0016】また、本発明のプランジカッターを用いて
水平切断すれば、当初はブレードに近い箇所を固定して
切断するため、ブレードの撓みが少なくなり、その結
果、ブレードとコンクリート構造物との接触による摩擦
抵抗も少なく、スムースな回転が得られ、切断に要する
動力を少なくすることができる。また、プランジパイプ
への止着位置を段階的に変えて前進を繰返す作業を複数
回行うようにすれば、止着位置を一回で大幅に変えるよ
りも切断に要する動力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プランジカッターで水平切断する場合を示す
図。
【図2】 本発明に係るプランジカッターの側面図。
【図3】 同プランジカッターの要部の斜視図。
【図4】 水平切断を行うため、同プランジカッターを
固定した状態を示す図。
【図5】 スライドブロックが前進端に達したときを示
す図。
【図6】 プランジパイプへの止着位置を変えて後退さ
せたときを示す図。
【図7】 スライドブロックが前進端に達したときを示
す図。
【符号の説明】
1・・・スライドポール 2・・・スラ
イドブロック 3・・・プランジパイプ 4・・・プラ
ンジカッター本体 5・・・ブレード 6・・・コン
クリート構造物 7・・・円形孔 14・・・抱
き締め金具 15・・・ナット 16・・・カ
バー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−178660(JP,A) 特開 平6−136968(JP,A) 特公 昭63−65791(JP,B2) 実公 昭56−34117(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 23/08 B28D 1/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定ベースより突設されるスライドポー
    ルと、スライドポールにスライド可能に装着され、ピニ
    オンラック機構によりスライドポールに沿って送られる
    スライドブロックと、スライドブロックに止着されるプ
    ランジパイプと、プランジパイプ端に取着されるプラン
    ジカッター本体と、プランジカッター本体に軸支され、
    プランジカッター本体に内蔵のモータにより回転駆動さ
    れるブレードとよりなるプランジカッターにおいて、ス
    ライドブロックとプランジパイプを係脱可能に止着する
    止着手段を設けたことを特徴とするプランジカッター。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプランジカッターを用い
    て、水平切断する方法において、スライドブロックでプ
    ランジカッター本体に近いプランジパイプを止着し、水
    平に支持されるスライドポールに沿って一定量前進させ
    て回転駆動されるブレードによりコンクリート構造物に
    切込みを水平に一定量入れたのち、止着手段による止着
    を解除してスライドブロックをスライドポールに沿って
    後退させ、止着位置を変えて止着したのち、スライドポ
    ールに沿った前進を繰返すことを特徴とする切断方法。
  3. 【請求項3】 プランジパイプへの止着位置を変えて前
    進を繰返す作業が複数回行われる請求項2記載の切断方
    法。
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