JP6602463B2 - Cr基二相合金及びその製造物 - Google Patents

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Description

本発明はCr基を含有する二相合金に関する。
石油・天然ガス井用の機器材料はしばしば塩化物イオンを含んだ、また腐食性ガスの二酸化炭素(CO)、硫化水素(HS)を含む酸性化した非常に厳しい腐食環境に曝される。このような過酷な腐食環境に曝される材料は、例えば、廃棄物プラント、化学プラント、原子力プラント及び原子力再処理施設等の構成機器の材料においても見出せる。これらの機器材料に要求される特性としては、一般に良好な耐食性及び強度がある。また製品の摺動部材料においては、耐摩耗性も追加的に要求される。
このような性能を持つ機器材料としては、従来、腐食環境の厳しさに応じて低合金鋼、ステンレス鋼、Ni基合金等が使用された。材料選択において、より高い耐食性に加えてさらに良好な強度特性(高耐力、靭性確保)とコスト優位性が要求される時、ステンレス鋼がより優位となる。Ni基合金は高価なNiを主体とすることで、コスト優位性が劣る。耐摩耗性が求められる場合は、耐食性母相に硬質相が析出した合金、例えば、肉盛材として広くCo基合金のステライト等が使用されている。
ステンレス鋼では、耐食性及び強度特性のバランスで二相ステンレス鋼が優位となる。一般に二相ステンレス鋼はCr、Ni、Mo、Nを含有して耐食性を確保しているが、さらにその耐食性の改善ためにCuを含有させた二相ステンレス鋼(例えば特許文献1、2参照)が開示されている。しかし、より厳しい腐食環境下で、構造材料のさらなる長寿命化、信頼性の確保の面からその適用を考えた場合、二相ステンレス鋼の持つ耐食性、強度の更なる向上、改善が必要である。また、腐食環境下で使用される摺動部材として二相ステンレス鋼は、その耐摩耗性は十分期待できない。
一方で耐食性、耐熱性を高めるために、60質量%を超えるCrを含み、結晶構造が体心立方構造のフェライト単相であるCr基合金が開示されている(特許文献3、4及び5参照)が、これらのCr基合金は,耐食性及び耐摩耗性は期待できるが、強度的には延性がなく、非常に脆性的である。
特開平4−72013号公報 WO2013/058274A1 特開平04−301048号公報 特開平04−301049号公報 特開平08−291355号公報
従来のFe基の二相ステンレス鋼(例えば、特許文献1〜2参照)及びフェライト単相のCr基合金(例えば、特許文献3〜5参照)においては、厳しい腐食環境下に対応してそれら材料の耐食性、強度、さらに耐摩耗性を改善するニーズ、課題がある。また、これらの特性を満たし、価格的にもNi基合金よりも安価なCrを主たる成分とする合金は見当たらない。
そこで本発明は、安価なCrを主たる成分とし、その高Cr化による高耐食化をさらに効果的に向上させるCu等の元素を添加することで、厳しい腐食環境下においても二相ステンレス鋼やCr基単相合金の従来材料よりも耐食性、耐力、靭性等の強度特性及び耐摩耗性に優れたフェライト相とオーステナイト相の二相合金を提供することを課題とする。
本発明者らは、Crを33質量%以上含む主要なCr−Ni−Fe組成にCu等を含有したCr基二相合金を異なる製造プロセスを用いて作製した。すなわち溶解―鋳造の工程で作製したインゴットをマスターインゴットとして、1)その後該マスターインゴットの熱間鍛造―溶体化を含む熱処理の工程、2)該マスターインゴットを再溶解―鋳造の工程、及び3)該マスターインゴットを再溶解―ガスアトマイズの工程で、Cuを含むフェライト及びオーステナイトの二相組織の合金を作製して、それらの耐食性、機械的性質及び耐摩耗性の評価を実施し、本発明に到達した。
本発明はフェライト相およびオーステナイト相の二相が混在するCr基二相合金であって、前記Cr基二相合金の化学組成は、主要成分と副成分と不純物と第一随意副成分と第二随意副成分とからなり、前記主要成分は、33質量%以上65質量%以下のCrと、18質量%以上40質量%以下のNiと、10質量%以上33質量%以下のFeとからなり、前記副成分は、0.1質量%以上2質量%以下のMnと、0.1質量%以上1.0質量%以下のSiと、0.005質量%以上0.05質量%以下のAlと、0.1質量%以上5.0質量%以下のCuとからなり、前記不純物は、0質量%超0.04質量%以下のPと、0質量%超0.01質量%以下のSと、0質量%超0.03質量%以下のCと、0質量%超0.02質量%以下のNと、0質量%超0.03質量%以下のOとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、安価なCrを主たる成分とし、高腐食環境下においても従来よりも耐食性、靭性等の強度特性、さらに耐摩耗性に優れる二相合金を提供することができる。
本発明の実施形態に係る二相合金の製造方法の内、熱間加工を説明するための工程図である。 本発明の実施形態に係る二相合金の製造方法の内、鋳造を説明するための工程図である。 本発明の実施形態に係る二相合金の製造方法の内、粉末化を説明するための工程図である。 熱間加工により製造した二相合金の光学顕微鏡写真である。 鋳造により製造した二相合金の光学顕微鏡写真である。 粉末肉盛溶接した二相合金の光学顕微鏡写真である。
次に、本発明の実施形態の二相合金について詳細に説明する。
<二相合金>
本発明の実施形態の二相合金は、Crを主たる成分とするCr−Ni−Feの組成に耐食性をより高めるCu等の元素を含有した二相合金である。この二相合金は、主たる相組織としてフェライト相とオーステナイト相との二相で形成され、Ni、Fe、Mn、Si、Al,Cu,Mo等を所定量含有し、残部がCr及び不可避の不純物からなる。また強度、耐食性に影響を及ぼすC、N、Oを制御するためにV、Nb、Ta及びTiのうちの少なくとも一種が添加される。以下、この二相合金の各構成について説明する。
<材料組織>
本実施形態の二相合金における材料組織は、フェライト相及びオーステナイト相の二相組織である。該二相組織は、後記する異なる製造方法、すなわちマスターインゴットの熱加工、鋳造あるいはガスアトマイズの工程を経て、形成される。ところで、熱間加工物の材料組織と鋳造物あるいはガスアトマイズ粉末を用いた肉盛材の材料組織は相違する。前者では、基本的に成分偏析の十分な解消と組織の微細化が促進されるが、後者は成分偏析を許容する凝固組織を基本とする。
一般に結晶構造的に体心立方構造のフェライト単相のCr基合金は、より高強度であり、また耐摩耗性に優位であるが、靭性に劣る。特にC,N及びOの含有量が増加すると塑性変形能が敏感に低下する特徴を有する。面心立方構造のオーステナイト単相のNi基合金は延性があり、靭性に優れているが、高コストとなる。
これに対して本実施形態の二相合金は、Crを主たる成分とするとともにフェライト相及びオーステナイト相からなり、高Cr濃度及びCuの添加に起因する高耐食性を有し、靭性を含む強度と耐摩耗性に優れ、なお経済性にも優れる。
本実施形態の二相合金におけるフェライト相の占有率(以下、単に「フェライト率」と称する)は10%以上、95%以下、それに対応してオーステナイト相の占有率は、5%以上、90%以下の範囲でそれぞれ設定することができる。オーステナイト相を保有するためにフェライト率を95%以下にするのは、靭性の確保のためである。フェライト率がより高い組織は、組成としてCr濃度がより高く、また例えば肉盛溶接の場合のように急冷凝固した組織において観察される。
この設定された相分率の範囲を実現できるように、本実施形態の二相合金の化学組成範囲が決められる。この化学組成範囲は、特に主成分であるCr及びNiの含有量の間で調整される。ここで、熱加工工程で製造される該二相合金において、溶体化温度が1100℃以上でフェライト率が95%を超える場合は、800〜1000℃の範囲で相比調整の熱処理を実施して、フェライト率95%以下を維持することができる。
他方、鋳造あるいはガスアトマイズの工程で製造される該二相合金の組織は、1100℃以上のより高温で形成された組織の影響を受けた凝固組織となるために、高Cr含有量の二相合金では、フェライト率がより増加する。それゆえ、上記既定のフェライト率を95%以下に維持するために、下記<化学組成>に示すように、概してCr含有率を減じ、Ni含有量を増加させることが必要である。ただ、熱処理が可能な鋳造物では800〜1000℃の範囲でフェライト及びオーステナイト相間の比率を調整を調整すること(相比調整)で、確実にフェライト率95%以下を確保することができる。
なお、本実施形態での「フェライト率」は、EBSP(Electron BackScattering Pattern)解析から得られたフェライト占有量[%]である。
ちなみに、本実施形態の二相合金におけるフェライト率は、耐食性と良好な靭性を含む強度特性の両立を確保する点から、20%以上、70%以下がより望ましい。
また、本実施形態での二相合金には、例えば二相ステンレス鋼において、フェライト相からの相変態によって析出するシグマ(σ)相等の硬質の異相を含まないものが望ましいが、機械的特性等の諸特性を著しく害さない程度で含む場合には許容される。
<化学組成>
次に、本実施形態の二相合金における化学組成の数値範囲の限定理由について説明する。なお各成分の含有量は質量%で示す。
Crは残部の成分であり、二相合金の構成成分の内最大の濃度を有するが、本実施形態のCr−Ni−Fe系の二相合金においては、組織的には高強度のCr基フェライト相形成元素であり、固溶元素としては耐食性を高める。
Crの含有量は、後記する溶体化温度1050〜1250℃におけるこれら主要3元系の熱平衡状態組織としてフェライト相及びオーステナイト相の二相組織を形成するように設定される。
Crの含有量は、Ni,Feの主要成分の量、Mn、Si、Al、Cu、Mo、P、S、C、N、O、V等の活性元素等のマイナー成分の量、及び不可避不純物量も考慮して、33%以上が望ましい。Crの含有量を33%以上に設定することで、高濃度Cr化して二相合金の耐食性をより高めることができる。
また、Crの含有量は、熱間加工工程で製造される二相合金では65%以下が望ましい。Crの含有量を65%以下に設定することで、高耐力と高硬度を維持しながら二相合金により優れた靭性を付与することができる。他方、鋳造あるいはガスアトマイズの工程で製造される二相合金では、特に高Cr濃度組成において、高フェライト率の組織となるため、フェライト率95%以下を維持するためにCrの含有量は減少して、60%以下が好ましい。
本実施例では、Cr基二相合金の化学組成は、主要成分と副成分と不純物と第一随意副成分と第二随意副成分とからなるものとした。主要成分はCrとNiとFeで構成し、副成分はMnとSiとAlとCuで構成し、不純物はPとSとCとNとOで構成し、第一随意副成分はMoで構成し、第二随意副成分はVとNbとTaとTiで構成する。
Niは、オーステナイト相を安定化させるとともに溶体化処理でフェライト相との二相状態を維持する。また、Niは、二相合金に、耐食性に加え、延性と靱性の確保を付与する。
Niの含有量は、熱間加工工程で製造される二相合金では、18%以上に設定される。これにより後記する溶体化温度でのオーステナイト相の占有率は、10%以上となり、組織の靭性をより高めることに寄与する。他方、鋳造あるいはガスアトマイズの工程で製造される二相合金では、上記したように高フェライト率の組織となるため、フェライト率95%以下を維持するためにNiの含有量は増加して、23%以上が好ましい。また、Niの含有量は、40%以下に設定される。これにより、後記する溶体化温度でのフェライト率は、10%以上となる。
Feの含有量は、10%以上に設定される。これによりFeより高価なNi,Crの含有量を減じ、また二相合金の溶融急冷過程で、強度特性に悪影響が懸念される金属間化合物の生成が抑制される。
また、Feの含有量は、33%以下に設定される。一般にCr−Ni−Feの三元系合金においては、Feの濃度が増加すると、800℃を中心とした温度域でσ相が生成するが、本実施形態の二相合金では、Feの含有量が33%以下に設定されることでσ相の生成を抑制する。
Ni成分とFe成分との合計含有率は、37質量%以上65質量%以下が好ましい。合計含有率が37質量%未満になると、二相合金の延性・靱性が不十分になる。一方、合計含有率が65質量%超になると、機械的強度が大きく低下する。
Mnの含有量は、0.1%以上に設定される。これにより二相合金の脱硫、脱酸が行われ、二相合金は、その強度及び靱性が向上する。好ましい下限値は0.3%である。
また、Mnの含有量は、2.0%以下に設定される。これにより粗大なMnSを形成することで起こる耐食性及び強度の劣化を抑制し、また二相合金の耐炭酸ガス腐食性能が良好に維持される。
Siの含有量は、0.1%以上に設定される。これにより二相合金の脱酸が行われ、二相合金は、その強度及び靭性が向上する。好ましい下限値は0.3%である。
また、Siの含有量は、1.0%以下に設定される。これにより後記する熱間鍛造工程の効果が充分に発揮され、また二相合金の靱性が良好に維持される。
Alの含有量は、0.005%以上に設定される。これによりMn,Siと合わせて脱酸作用が向上する。より好ましい下限値は0.008%である。
またAlの含有量は、0.05%以下に設定される。本発明のCr基二相合金においては酸素量の低減は熱間鍛造性及び本発明の合金の靭性確保の点で必須である。製造時できるだけ含有酸素量を低減させる一方で、多量のAlの含有で形成されるAl及びAlNは合金の靭性を阻害するため、それらの生成量はできるだけ抑制されるべきで、好ましくは0.05%以下である。
Cuの含有量は、Moと同様に本発明のCr基二相合金の耐食性を高める元素であり、必要に応じて同時に含有させ、協調的に効果を高めることができる。含有させる場合は、耐食性向上のためには0.1%以上に設定される。Cuの含有はオーステナイト相を安定化させるが、過剰の含有は熱間加工時に、特にフェライト相にてCu析出物を生成して加工性を低下させるために、5.0%以下が望ましく、好ましくは3.0%以下である。
Moの含有量は、Cr基二相合金の耐食性を高める元素であり、特に、不動態皮膜の安定化に効果的で、耐孔食性がより期待されることから、必要に応じて同時に含有させ、協調的に効果を高めることができる。含有させる場合は、耐食性向上のためには0.1%以上に設定される。一方でMoの含有はフェライト相を安定化させるが、さらに高濃度の含有は、シグマ相の生成及び熱加工時の金属間化合物の生成の可能性を含み、より加工性、耐食性を低下させるために、3%以下が望ましく、好ましくは2%以下である。
Pの含有量は、二相合金に0.04%以下に設定される。Pは、耐食性、溶接性及び加工性を劣化させる元素であり、製造上できる限り制限する必要がある。Pの含有量を0.04%以下に設定することで、結晶粒界にPが偏析することが防止され、二相合金の靱性及び粒界の耐食性が良好に維持される。
また、より高清浄な精錬及び製造プロセスを活用することで、P含有量はより低減できる。これによってPの下限値は、分析の検出限界以下であり、二相合金中に含有されない、すなわち、0%であっても良い。
Sの含有量は、0.01%以下に設定される。Sは、MnS等の硫化物を生成して耐食性及び加工性を劣化させる元素であり、製造上できる限り制限する必要がある。Sの含有量を0.01%以下に設定することで、硫化物量を低減して耐孔食性及び靱性が良好に維持される。
また、より高清浄な精錬及び製造プロセスを活用することで、S含有量はより低減できる。これによってSの下限値は、分析の検出限界以下であり、二相合金中に含有されない、すなわち、0%であっても良い。
Cは、その濃度の増加においては低濃度でCの固溶硬化をもたらし、特にフェライト相の塑性変形を大きく阻害化する。高濃度では、特にCr炭化物を形成させ、かつその周辺で局所的にCr濃度減少を引き起こすことで耐食性を低下させる。また炭化物は、多くなれば、靭性を低下させる。加えて、V、Nb、Ta及びTiの活性元素の添加の場合、できるだけそれらの炭化物の形成量を押さえるためにも、C含有量は低減することが望ましく、0.03%以下が好適である。
また、より高清浄な精錬及び製造プロセスを活用することで、C含有量はより低減できる。これによってCの下限値は、分析の検出限界以下であり、二相合金中に含有されない、すなわち、0%であっても良い。
Nは、その濃度の増加においてはNの固溶硬化及び耐食性の向上をもたらすが、より高濃度ではCr等の窒化物の形成で靭性の低下が懸念される。下記の熱間加工の製造工程で作製される本発明の二相合金においては、加工性を確保するためにも、Nの含有量は0.02%以下とすることが望ましい。また、より高清浄な精錬及び製造プロセスを活用することで、Nの含有量はより低減できる。これによってNの下限値は、分析の検出限界以下であり、二相合金中に含有されない、すなわち、0%であっても良い。
他方、鋳造工程あるいはガスアトマイズ工程で製造される本発明の二相合金の鋳造物あるいは粉末においては、上記の製造雰囲気が例え不活性ガス雰囲気であっても、不可避なNの混入を考慮しなければならず、含有量は増加し、その上限は0.04%、また下限値は0.005%と設定される。
Oは、二相合金中の金属元素と酸化物を形成し易く、O含有量の増加に伴う酸化物の増加で靭性の低下が懸念される。下記の熱間加工の製造工程で作製される本発明の二相合金においては、加工性を確保するためにも、Oの含有量は0.03%以下とすることが望ましい。また、より高清浄な精錬及び製造プロセスを活用することで、Oの含有量はより低減できる。これによってOの下限値は、分析の検出限界以下であり、二相合金中に含有されない、すなわち、0%であっても良い。
他方、鋳造工程あるいはガスアトマイズ工程で製造される本発明の二相合金の鋳造物あるいは粉末においては、上記の製造雰囲気が例え不活性ガス雰囲気であっても、不可避なOの混入を十分考慮しなければならず、含有量は増加し、その上限は0.05%、また下限値は0.005%と設定される。
Vは、ガス不純物であるC、N及びOと結合してそれぞれの化合物を形成し、ガス不純物を集合、固定化する。この母材を清浄化する作用は靭性の改善に効果的である。しかし、Vの過剰添加においては、Vが他の成分元素と反応して、その金属間化合物が形成し易すくなり、靭性低下の懸念を起こす。固定化を超える余剰のVをできるだけ抑えた製造上の好適なV添加量は、原子%でC、N及びOの原子%合計の0.8倍以上、2倍以下の範囲が好適である。Vと同時にNb、Ta及びTiのうち少なくとも一種以上を添加する場合も、Vを含めた合計で0.8倍以上、2倍以下の範囲が望ましい。
Nbは、ガス不純物であるC、N及びOと結合してそれぞれの化合物を形成し、ガス不純物を集合、固定化する。この母材を清浄化する作用は靭性の改善に効果的である。しかし、Nbの過剰添加においては、Nbが他の成分元素と反応して、その金属間化合物が形成し易すくなり、靭性低下の懸念を起こす。
固定化を超える余剰のNbをできるだけ抑えた製造上の好適なNb添加量は、原子%でC、N及びOの原子%合計の0.8倍以上、2倍以下の範囲が好適である。Nbと同時にV、Ta及びTiのうち少なくとも一種以上を添加する場合も、Nbを含めた合計で0.8倍以上、2倍以下の範囲が望ましい。
Taは、ガス不純物であるC、N及びOと結合してそれぞれの化合物を形成し、ガス不純物を集合、安定化する。この母材を清浄化する作用は靭性の改善に効果的である。しかし、Taの過剰添加においては、Taが他の成分元素と反応して、その金属間化合物が形成し易すくなり、靭性低下の懸念を起こす。固定化を超える余剰のTaをできるだけ抑えた製造上の好適なTa添加量は、原子%でC、N及びOの原子%合計の0.8倍以上、2倍以下の範囲が好適である。Taと同時にV、Nb及びTiのうち少なくとも一種以上を添加する場合も、Taを含めた合計で0.8倍以上、2倍以下の範囲が望ましい。
Tiは、ガス不純物であるC、N及びOと結合してそれぞれの化合物を形成し、ガス不純物を集合、安定化する。この母材を清浄化する作用は靭性の改善に効果的である。しかし、Tiの過剰添加においては、Tiが他の成分元素と反応して、その金属間化合物が形成し易すくなり、靭性低下の懸念を起こす。
固定化を超える余剰のTiをできるだけ抑えた製造上の好適なTi添加量は、原子%でC、N及びOの原子%合計の0.8倍以上、2倍以下の範囲が好適である。Tiと同時にV、Nb及びTaのうち少なくとも一種以上を添加する場合も、Tiを含めた合計で0.8倍以上、2倍以下の範囲が望ましい。
<二相合金の製造方法>
次に、本実施形態の二相合金の製造方法について説明する。本発明の二相合金は、最終の材料形態として、一連の製造工程である溶解―インゴット形成―熱間鍛造―溶体化処理工程等で製造される熱間加工物、上記マスターインゴットの再溶解により鋳造物及びアトマイズプロセスによる粉末として提供される。
<熱間加工>
図1は、本実施形態に係る二相合金の製造方法を説明するための工程図である。
図1に示すように、この製造方法では、材料としての前記のCr,Ni、Fe、Mn、Si、Al、Cu、Mo、並びに必要に応じてV、Nb、Ta、及びTiのうちの少なくとも一種以上の所定量が高周波真空溶解炉にて溶製され、合金化される(ステップF1)。なお、この工程で使用される溶解炉は、高周波真空溶解炉に限定されずに、本発明では他の溶解炉を使用することもできる。
次いで、所定の金型を使用した鋳造によりインゴットが形成される(ステップF2)。得られたインゴットは以下の二相合金の鋳造物及び粉末製造のマスターインゴットとしても使用できる。続いてこのインゴットには、熱間鍛造処理が行われる(ステップF3)。この工程では、インゴットに対して、プレス鍛造機またはハンマ鍛造機を使用した熱間鍛造が施され、求められる製品形状にすることができる。熱間鍛造の温度は、1050〜1250℃程度に設定される。熱間鍛造でインゴット中の成分偏析の解消と組織の微細化を促進できる。さらに、その後の熱加工処理として、例えば、板状の二相合金を望むのであれば1050℃以上の温度域で熱間圧延を、また管状の二相合金を望むのであれば、上記温度域で熱間押出しを実施してもよい。
次に、上記熱間鍛造物には、溶体化熱処理工程が実施される(ステップF4)。この溶体化熱処理によって、基本的に二相合金の組織が決定される。溶体化熱処理の温度は、構成原子の十分な固溶化と熱間加工後に残留する転位等の格子欠陥の消滅を目的に、1050〜1250℃の範囲内が望ましく、1100〜1200℃が好適である。この溶体化温度範囲の設定で二相合金のフェライト率は十分に10〜95%とすることができる。
さらに、強度の改善のために溶体化熱処理後に追加熱処理として、所謂時効熱処理を行い(ステップF5)、フェライト相からオーステナイト相へ、また高Ni側ではオーステナイト相からフェライト相への相変態を促進させる。これによってそれらの相比を10〜95%の範囲の望ましい値に調整できる。この時効熱処理の条件は、相比調整の度合いに応じて、溶体化温度を1050〜1250℃として、時効処理温度は800〜1000℃、時効時間は0.5〜6時間とするのが望ましい。なお、より高Cr濃度の二相合金では、1150℃以上の溶体化温度で、フェライト率が90%を超えることが予想されるが、時効熱処理によって上記の規定の相比に調整できる。
これによって溶体化処理合金において、フェライト率が概ね30%以上の二相合金では量的にフェライト相を減じ、オーステナイト相を増やして、二相合金の伸び、靱性の改善ができる。フェライト率が概ね30%以下でオーステナイト相がより優勢な合金では、時効によってオーステナイト相が減じてフェライト相が増加する場合には耐力、引張強さの向上を改善できる。
一方、活性元素添加二相合金に対しては、溶体化熱処理が行われた後、前記と同様の時効熱処理工程が実施されて(ステップF5)、一連の二相合金の製造方法が終了する。この時効熱処理で活性元素とC,N及びOとの適切な時効反応、すなわちこれらの化合物の析出を生じさせることができる。また同時に前記の相比調整ができる。この時効熱処理の条件は溶体化温度を1050〜1250℃として、時効処理温度は800〜1000℃、時効時間は0.5〜6時間とするのが望ましい。
このような二相合金の製造方法における最終熱処理工程は、望ましい耐食性、強度特性に応じて、溶体化熱処理工程であってもよいし、また溶体化熱処理後の時効熱処理工程まで含めて実施してもよい。
また、このような二相合金の製造方法によれば、インゴットの熱間鍛造工程及びその後の熱処理工程が実施されて、これにより鋳造欠陥や、合金元素の偏析を含みフェライト相の占有率の高い粗大な二相の鋳造凝固組織が破壊される。そして、化学組成的に及び組織的に均質で、熱力学的に、より安定な二相組織を有する本実施形態の二相合金が得られる。
前記のV、Nb、Ta、及びTiのうちの少なくとも一種以上を含む二相合金においては、前記の熱処理工程を実施することで、前記のC、N及びOのより効率的な安定化を達成することができる。
前記所定の化学組成からなるインゴットを、前記所定の条件で熱間鍛造及び熱処理を行って得られる本実施形態に係る二相合金は、Crを主たる成分とするフェライト相とオーステナイト相との二相で形成される。このような本実施形態の二相合金は、安価なCrを主たる成分とし、油井等の高腐食環境下においても従来よりも耐食性、靭性等の強度特性に優れる。
<鋳造>
図2は、本実施形態に係る二相合金鋳造物の製造方法を説明するための工程図である。
図1の工程のうちステップF2で鋳造したマスターインゴットを素材として、高周波あるいは誘導炉等の溶解炉で再溶解し(ステップC1)、その後、鋳型に鋳造して(ステップC2)、鋳造物を製造する。溶解及び鋳造の雰囲気は用途に応じて、大気、不活性ガスあるいは真空中とすることができるが、酸化等の汚染をできるだけ防止するには不活性ガスあるいは真空中のクリーン鋳造が好ましい。
鋳造物は凝固組織であり、成分元素の偏析等を改善するために鋳造後、さらに付加的な熱処理を実施することができる。これにより望ましい耐食性、強度特性を得ることができる。具体的には、該鋳造物は、構成成分の均質化等のための溶体化、あるいはその後に時効を含む熱処理を実施できる(ステップC3)。溶体化熱処理の温度は、1050〜1250℃程度が望ましく、1100〜1200℃が好適である。また、相比調整及び活性元素添加の二相合金に対して、活性元素とC,N及びOとの適切な時効反応促進のための時効熱処理を実施する場合は、溶体化温度を1050〜1250℃として、時効処理温度は800〜1000℃、時効時間は0.5〜6時間とするのが望ましい。
図5は、鋳造により製造した二相合金の光学顕微鏡写真である。
<粉末化>
図3は、本実施形態に係る二相合金粉末の製造方法を説明するための工程図である。
図1の工程のうちステップF2で鋳造したマスターインゴットを素材として高周波あるいは誘導炉等の溶解炉で再溶解し(ステップA1)、不活性ガスのArあるいはHeを用いたガスアトマイズ法により低酸素量の二相合金粉末を得ることができる(ステップA2)。その後、これらの粉末は50〜200μmの範囲程度に分級されて(ステップA3)、本発明の二相合金粉末として供される。二相合金粉末サイズの範囲は用途に応じて分級調整して変えることができる。二相合金粉末の組織は、液相近くの温度からの急冷凝固組織であるために、特に一部の高Cr(55%以上)及び低Ni(25%以下)の組成の合金粉末においては、よりフェライト相リッチとなり易く、上記のフェライト率の規定範囲である95%以下を必ずしも満足できなくなる。しかし、これらの合金粉末が用途に応じてその後熱加工された二相合金製造物となり、上記規定範囲を満足できる組織となる場合は、フェライト率95%以上の合金粉末は許容される。用途先として、例えば、肉盛用、3Dプリンタ用あるいは焼結用等の二相合金粉末として提供できる。
図6は、粉末肉盛溶接した二相合金の光学顕微鏡写真である。
このような二相合金は、油井の高腐食環境下で用いられる圧縮機、ポンプ等の機器の構成材料として、例えば、摺動部として好適に使用することができる。また、二相合金は、このような機器材料に使用されるほか、アンビリカル、海水淡水化プラント、LNG気化器等の海水環境の構造材料、各種化学プラント等の構造材料としても使用することができる。
次に、本発明の二相合金の効果を検証した実施例について説明する。
<熱間加工合金>
(実施例1〜22)
ここでは、本発明のV等の活性元素を含有しない熱間加工二相合金について検証した。実施例1〜22に供される合金番号A1〜A16の合金の化学組成を表1に示す。以下、これら合金の製造詳細を示す。高周波真空溶解炉(減圧下のAr雰囲気、溶解温度1500℃以上)によって溶解し、これら合金のマスターインゴットを製造した。
Figure 0006602463
得られたインゴットについて熱間鍛造を行った。熱間鍛造は、引張試験で絞りが60%以上となる温度域の1250〜1050℃で実施した。鍛造割れは発生しなかった。この鍛造条件は後記の熱間鍛造に関わる全ての実施例及び比較例の合金についても同様に適用された。次いで、溶体化処理は大部分の二相合金では1100℃で60分間保持した後、水冷の条件で実施されたが、A6(実施例7〜9)、A11(実施例15〜17),A15(実施例21)の合金に対しては、1100、1200あるいは1250℃で実施し、相比調整のために、その後900〜1000℃で60分間保持した後、水冷の条件で、追加の時効熱処理を実施した。このような工程で表1に示す化学組成を有する合金番号A1〜A16の合金を製造した。
Figure 0006602463
合金番号A1〜A16の合金は、Crを主たる成分とし、Cuを質量%で0.11〜4.65まで含有するCr基合金であり、フェライト相と、オーステナイト相とからなる二相合金であった。また合金番号A14〜A16の合金はさらにMoを含有した。実施例1〜22(合金番号A1〜A16)の合金のフェライト率を表2に示す。なお、本実施形態でのフェライト率は、EBSP解析から得られたフェライト率[%]で示している。フェライト率はCr濃度の増加と共に増加する傾向にあった。また上記時効処理した実施例7〜9、15〜17、21では、時効でフェライト率は減少し、フェライト相中に相変態により二次のオーステナイト相が微細に析出した組織となった。
図4は、実施例13で製造した合金番号A10の二相合金の光学顕微鏡写真である。この光学顕微鏡写真は、実施例13の二相合金の表面を鏡面研磨し、シュウ酸水溶液中で電界エッチングを行った後、観察したものである。
図4に示すように、熱間鍛造後に1100℃で溶体化処理した実施例13の合金の組織は、明色のオーステナイト相P1と暗色のフェライト相P2とから成り、各相内にはそれぞれ微細なフェライト及びオーステナイト相を含んでいた。同様の組織が熱加工した本発明の他の二相合金でも認められた。さらにFe成分量が多く、σ相生成の可能性がある合金番号A9及びA11の合金が、σ相生成の有無を調査するために、さらに800℃で60分間熱処理された。熱処理後のこれらの合金はX線回折で分析されて、σ相が生成していないことが確認された。このことは下記のMo含有の事例を除いた、Cu及びV等の活性化元素の添加を含む、他の実施例の合金においても、800℃周りの中間温度域でσ相が生成し難いことを示す。Fe量が高く、Moを多く含む合金番号16の合金では、溶体化処理でσ相は確認されないが、その後の800℃時効ではσ相の生成が確認された。
また、表2に示すように本実施例1〜22(合金番号A1〜A16)の合金について、強度試験、腐食試験及び摩耗試験が実施された。
(強度試験)
ビッカース硬さ、また引張試験を行って0.2%耐力、引張強さ及び塑性伸びが測定された。ビッカース硬さは、ビッカース硬度計にて、荷重1kg、荷重付加時間15秒の条件で実施し、5測定の平均値として得られた。
引張試験は、直径4.0mm、平行部長さ20mmの寸法の試験片を使用して23℃の室温下で行われた。歪速度は3×10−4/sとした。引張試験には各合金で3試料が供され、測定値の平均が得られた。応力−歪曲線において降伏点前あるいは正の加工硬化を持つ流動応力の途中で後記するように試験片が脆性破断した場合には、耐力あるいは引張強さに代えて破断応力が定義された。これらの測定結果を表2に示す。但し、表2中の「*」印は、耐力あるいは引張強さに代えて求められた破断応力の値である。塑性伸びは、A:15%以上、B:5〜15%未満、C:0.2〜5.0%未満及びD:0.2%未満と評価して、測定結果を表2に示す。
(腐食試験)
腐食試験は耐孔食性及び耐酸化性に対して実施した。まず耐孔食特性は、JIS G0577(2005)に準拠して評価した。具体的には、実施例1〜22の各合金から10mm×10mmの面積の分極試験片を各2個採取して下記試験を実施し、耐孔食性を評価した。分極試験片をすきま腐食防止電極に装着した。すきま腐食防止電極を用いて、アノード分極曲線を測定し、腐食電流密度が100μA/cmに対応する平均の電位を測定した。照合電極には、飽和甘こう電極を使用した。測定後、孔食発生の有無を光学顕微鏡で確認した。
次に耐酸化性においては、JISG0591(2000)に準拠して、硫酸中の腐食速度により評価した。実施例1〜22の合金から厚さ3mm×幅1.30mm×長さ40mmの試験片を各2個採取して、沸騰した5%硫酸中で6時間の浸漬試験を実施し、耐硫酸性を評価した。試験前後の各試験片の重量を測定し、腐食による平均の重量減少速度m[g/(m・h)]を測定した。実施例1〜22の各合金に対する硫酸中の重量減少速度
を以下の区分A〜Dに分類して耐硫酸性を評価した。A:m<0.1、B:0.1≦m<0.3、C:0.3≦m<0.5及びD:0.5≦m。この評価結果を表2に示す。
(摩耗試験)
アブレシブ摩耗試験により耐摩耗性を評価した。実施例1〜22の合金から直径10mm×長さ20mmの円柱ピン形状の試験片を各2個採取して摩耗試験に供した。摩耗試験はPin−on−Disk型摩擦摩耗試験機を使用した。試験方法は以下である。ディスクに粒度240の耐水研磨紙(固定片)を取り付け、回転数200rpmでディスクを回転させ、試験片のピン(可動片)を荷重4kgfで耐水研磨紙に押し付けて、耐水研磨紙の最外周から中心に向けて移動させて摩耗試験を実施した。同様の試験を3枚の耐水研磨紙を使用して継続して実施した。最外摺動径は156mmであり、ピンの合計の移動距離は約6mであった。以上から室温22±2℃、大気雰囲気の条件で、2試料における摩耗によるピン長さの平均の減少変化量を摩耗量として測定した。
下記の表6に示すようにステライトNo.6(合金番号C19)粉末の肉盛材(比較例11)に対応する寸法減少量は0.088mmであった。この値を100として、実施例1〜22の二相合金におけるそれぞれの寸法減少量の相対値を求め、それらを耐アブレシブ摩耗性の評価として表2に示した。
以下の他の実施例、比較例の合金に対しても同様の強度試験、腐食試験及び摩耗試験が実施された。
(比較例1〜5)
実施例1〜22に対する比較例1〜5に供される合金番号A17〜A21の合金の化学組成を表1に示す。前記合金番号A1〜A16の合金と同様の工程を実施して合金番号A17〜A21の合金を製造した。
合金番号A17及びA18の合金は、Cuを含有しないCr基二相合金である。合金番号A19及び20の合金は、Cuを含まず、それぞれCrを主たる成分とするフェライト単相のCr基合金であり、またNiを主たる成分とするオーステナイト単相のNi基合金である。合金番号A21の合金はCu含有の二相ステンレス鋼である。これらの合金について、実施例の合金番号1〜16の二相合金と同様に、フェライト率を測定した。その測定結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例3の合金(合金番号A19)のフェライト率は、100%で、フェライト単相であり、比較例4の合金(合金番号A20)のフェライト率は、0%で、オーステナイト単相であることが確認された。また比較例5(合金番号A21)はフェライト率43%の二相鋼であった。
また、強度試験は比較例1〜4の合金、腐食試験は比較例1〜5の合金及び摩耗試験は比較例1〜4の合金に対して実施した。それらの結果を表2に示す。
(実施例23〜38)
Figure 0006602463
ここでは、本発明のV等の活性元素を含有する熱間加工合金について検証した。実施例23〜38に供される合金番号B1〜B14の合金の化学組成を表3に示す。高周波真空溶解炉によって、溶解し、合金番号B1〜B14の合金のマスターインゴットをそれぞれ製造した。なお、表3中のかっこ内の数字は、C、N及びOの合計原子%に対する、V、Nb、Ta及びTiのそれぞれの倍数である。B8合金ではNb及びTiの同時添加であるが、その倍率はそれぞれ0.51及び0.49で、合計1.00倍の添加となった。
得られたインゴットに対して熱間鍛造処理及び溶体化熱処理を合金番号A1〜A21の合金と同様の条件で行った。その後さらに全合金種に時効熱処理を行った。
Figure 0006602463
時効熱処理は、表4に示すように、合金番号B6では800,900及び1000℃の温度で、他の合金では全て900℃で60分間保持した後、水冷の条件で行った。これによりC、N及びOは、V、Nb、Ta及びTiの活性元素との反応で安定化され、同時に相比の調整も行われて、合金番号B1〜B14の合金の実施例23〜38が得られた。
このように活性元素で安定化した合金番号B1〜B14の合金は、Crを主たる成分とし、Cuを質量%で0.11〜4.53まで含有するCr基合金であり、フェライト相と、オーステナイト相とからなる二相合金であった。また合金番号B14の合金はさらにMoを含有した。合金番号B1〜B14の合金のフェライト率を表4に示す。なお、本実施形態でのフェライト率は、実施例1〜22と同様にEBSP解析で得られたものである。さらに、σ相生成の有無を調査するために、Fe成分量が多く、σ相生成の可能性がある合金番号B12及びB13の合金が、800℃で60分間熱処理された。これらの熱処理合金はX線回折で分析されて、Aシリーズの合金と同様にσ相が生成していないことが確認された。このことは実施例のBシリーズ合金において、800℃周りの中間温度域でσ相が生成し難いことを示す。
また、強度試験、耐食試験及び摩耗試験は本実施例23〜38(合金番号B1〜B14)の合金に対して実施した。それらの結果を表4に示す。
<鋳造合金、粉末合金>
(実施例39〜51)
ここでは、本発明の二相合金鋳造物及び粉末合金について検証した。まず、本発明の二相合金の鋳造物である実施例39〜46に供される合金番号C1〜C8の合金の化学組成を表5に示す。
Figure 0006602463
まず合金番号A4、5及び8の合金のマスターインゴットをAr雰囲気中で、微量のCu及びAlと必要に応じて調合されたMoを添加して、再溶解し、該溶湯を、上部に押湯部を有する水冷式の銅製金型に鋳込むことで、それぞれ合金番号C1〜C4の合金の鋳造物が製造された。鋳込まれたインゴットの寸法は外径40mm、長さ100mmであった。次に合金番号A4、5、8及び10の合金のマスターインゴットを再溶解するときに、微量のCuおよびAlと調合されたV,Nb、Ta及びTiのうち少なくとも一種以上を同時添加して、溶解し、その後同様に上記寸法に鋳込んだ合金番号C5〜C8の合金の鋳造物を製造した。合金番号C5の合金では1100℃、1時間の溶体化処理を、また合金番号C8では1200℃、1時間の溶体化処理とその後の900℃、1時間の時効処理を実施して実施例43及び46とした。
Figure 0006602463
作製したインゴットの下部でかつ中央部から試験片を採取して、組織調査、ビッカース硬さ測定、強度試験、腐食試験及び摩耗試験に供した。実施例39〜46(合金番号C1〜8)の合金のフェライト率、ビッカース硬さ、強度特性、腐食試験及び摩耗試験の結果を表6に示す。
次に、本発明の二相合金の粉末合金である実施例47〜51に供される合金番号C9〜C13の合金の化学組成を表5に示す。まず、合金番号A4および5の合金のマスターインゴットをAr雰囲気中で、微量のCu及びAlを添加して再溶解し、ガスアトマイズ法で粉末化して、合金番号C9およびC10の粉末合金を得た。さらに合金番号A4、5及び10の合金のマスターインゴットに、微量のCu及びAlと必要に応じて調合されたMo、さらにV,Nb、Ta及びTiのうち少なくとも一種以上を同時添加して溶解し、ガスアトマイズ法で粉末化して、合金番号C11〜C13の粉末合金を得た。分級によって粒径が50〜200μmの範囲の各金粉末を得た。これらの粉末合金は、粉末プラズマ肉盛溶接法で市販のSUS304鋼の表面に、5mm程度の厚さまで肉盛された。肉盛溶接条件は、アーク電流120A,電圧25V及び溶接速度9cm/分であった。
本発明の二相合金の肉盛部の表面から、組織調査、ビッカース硬さ測定、腐食試験及び摩耗試験用の試験片を採取して、それらの特性が評価された。実施例47〜51(合金番号C9〜C13)の合金の上記特性結果を表6に示す。
(比較例6〜11)
実施例39〜51に対する比較例6〜11として供される合金番号C14〜C19の合金の化学組成を表5に示す。Cuを含まない合金番号A17のCr基二相合金、A19のCr基フェライト単一相合金とCuを含むA21の二相鋼をマスターインゴットとして前記と同様の鋳造工程により合金番号C14~C16の合金が製造された。また同じ合金番号A17及びA19の合金のマスターインゴット、及び市販のステライトNo.6を再溶解して、前記と同様のガスアトマイズ工程で合金番号C17〜C19の粉末合金が製造された。
上記鋳造物の合金、及び粉末合金から作製される肉盛材から採取された試験片を用いて、対比される実施例39〜46の鋳造物二相合金及び実施例47〜51の肉盛材と同様の計測及び試験を実施した。その結果を比較例6〜11として表6に示す。
次に本発明の二相合金の強度、耐食性及び耐摩耗性の評価結果について説明する。
[強度の評価]
ビッカース硬さは、フェライト率の増加にともなって直線的に増加した。また、ビッカース硬さは、フェライト率が概ね40%以上になると400以上となった。
耐力は、フェライト率の増加にともなって増加した。表2あるいは表4に示すように、時効処理によってフェライト率を減少させることで高すぎる耐力を減少させることもできた。これは下記の延性の改善に寄与する。
塑性伸びは、フェライト率が60%を超えると、耐力の増加に反比例するように5.0%以下になり(C評価)、フェライト率100%のフェライト単相合金では降伏点前で破断した(D評価)。
Cr量を減少させるかあるいは800〜1000℃の時効熱処理でフェライト相を減少させた二相合金では20%を超える伸びを示した。
また表4に示すように、V等の活性元素を添加した二相合金では、表2の活性元素を含まない二相合金と比較して、明確に塑性伸びは増加する傾向にあった。表2及び4から、後者ではA評価が増加した。他方、鋳造工程で製造された二相合金(合金番号C1〜C8)では,高温からの急冷凝固組織のためにフェライト率がより高くなり、伸びを低下させた。
[耐食性の評価]
耐孔食性は、Cuを含む二相合金でと比較例1〜10の合金で、良好な結果が得られた。すなわち、腐食電流密度が100μA/cmに対応する電位はいずれも電位1000mV(vs. SHE)以上であり、これ以上の電位では過不動態域における酸素発生となった。また、孔食発生は全ての試験された合金で認められなかった。他方、比較例11のステライトにおいては電位400mV(vs. SHE)で腐食電流密度が100μA/cmがを超えた。
耐硫酸性は、表2,4及び6に示すように、質量%で0.1から4.65のCuを含む二相合金で、腐食による平均の重量減少速度のm値は、0.1g/(m・h)より小さい最良のA区分の評価であった。Cu添加無しの二相合金である比較例1及び2は、B評価であり、耐食性に対するCu添加の効果が確認された。またCuとMoが共存する合金においても、0.1g/(m・h)より小さい最良のA区分の評価が得られた。
他方、Cu添加二相ステンレス鋼の比較例5及び8では、それぞれB及びC評価であった。比較例11のステライトNo.6においては、重量減少速度は152g/(m・h)であり、耐硫酸性は悪い。
以上の耐孔食性、耐硫酸性に関する腐食試験の結果から、Crを主たる成分とする二相合金の耐食性は良好と評価されるが、さらにCu添加によって二相合金の耐硫酸性がより高まり、総合的に高耐食化がより図られたと言える。
[耐摩耗性の評価]
耐摩耗性は、ステライトNo.6の摩耗量を100にした時の相対値として示され、概ね硬さの増加、すなわちフェライト相の増加に反比例して減少し、オーステナイト単相合金の比較例4(合金番号A20)を除いて、いずれもステライトNo.6よりも耐摩耗性に優れる。
このように本発明の熱間加工物、鋳造物及び粉末で成形した肉盛材の二相合金は、硬質のフェライト相を有することでいずれも効果的に耐アブレシブ摩耗性を向上できる。
以上のように高Cr化して、フェライト単相ではなく、実施例のフェライト及びオーステナイト相から成る二相合金にすることにより、材料特性として、強度と伸びの確保を可能にし、また構成元素にCuを含むことにより高い耐食性を有することができ、さらに硬質のフェライト相を含むことで耐摩耗性の向上を図ることができる。
このような総合的、多面的な良特性を有する二相合金は、熱間加工物、鋳造物および粉末より成形される肉盛材として利用され、特に厳しい腐食環境に供される機器材料として好適である。
以上のような本発明の実施例の二相合金は、安価なCrを主たる成分とし、油井等の高腐食環境下においても従来よりも強度、耐食性と耐摩耗性の総合面で優れていることが検証された。
P1 オースナイト相
P2 フェライト相

Claims (7)

  1. フェライト相およびオーステナイト相の二相が混在するCr基二相合金であって、
    前記Cr基二相合金の化学組成は、主要成分と副成分と不純物と第一随意副成分と第二随意副成分とからなり、
    前記主要成分は、33質量%以上65質量%以下のCrと、18質量%以上40質量%以下のNiと、10質量%以上33質量%以下のFeとからなり、
    前記副成分は、0.1質量%以上2質量%以下のMnと、0.1質量%以上1.0質量%以下のSiと、0.005質量%以上0.05質量%以下のAlと、0.1質量%以上5.0質量%以下のCuとからなり、
    前記不純物は、0質量%超0.04質量%以下のPと、0質量%超0.01質量%以下のSと、0質量%超0.03質量%以下のCと、0質量%超0.02質量%以下のNと、0質量%超0.03質量%以下のOとを含み、
    前記第一随意副成分は、0.1質量%以上3.0質量%以下のMoであり、
    前記第二随意副成分は、V、Nb、TaおよびTiのうちの少なくとも一種からなり、前記V、Nb、TaおよびTiの合計原子含有率が、前記C、NおよびOの合計原子含有率の0.8倍以上2倍以下の範囲であり、
    前記フェライト相の占有率が10%以上95%以下であることを特徴とするCr基二相合金。
  2. 請求項1に記載のCr基二相合金において、
    前記Niの成分範囲は23質量%以上40質量%以下であることを特徴とするCr基二相合金。
  3. 二相合金を用いた製造物であって、
    前記二相合金が、請求項1に記載のCr基二相合金であることを特徴とする二相合金製造物。
  4. 二相合金を用いた製造物であって、
    前記二相合金が、請求項に記載のCr基二相合金であることを特徴とする二相合金製造物。
  5. 請求項に記載の二相合金製造物において、
    前記製造物が鍛造組織を有する成形体であることを特徴とする二相合金製造物。
  6. 請求項に記載の二相合金製造物において、
    前記製造物が鋳造組織を有する成形体であることを特徴とする二相合金製造物。
  7. 請求項に記載の二相合金製造物において、
    前記製造物が粉体であることを特徴とする二相合金製造物。
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