JP6602281B2 - 足場構造 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の支柱間に梁部材が連結され、一部の梁部材間に踏み板が架設されている足場構造に関するものである。
建物の周囲に仮設される足場としては、図8(a)に示すように、外周面に断面コ字形のホルダ5H,5Lが設けられた支柱Pを立設し、図8(b)に示すように、長棒状の本体101の両端部から同一方向に同一の楔部105が延出している梁部材100で、隣接する支柱Pを連結している足場が一般的である。支柱Pは、四つのホルダ5H,5Lからなる連結ポイント5を、高さ方向に複数備えている。四つのホルダ5H,5Lは同一の形状であり、一つの連結ポイント5において、平面視(立設した支柱を真上から見た状態)で90度間隔に配置されている。同一線上にある一対のホルダ5Lは、これと直交する同一線上にある他の一対のホルダ5Hと、ホルダの高さにほぼ等しい距離だけ上下にずれている。
従って、隣接している支柱のそれぞれにおいて同じ高さにあるホルダ同士を、ホルダに楔部を挿入することによって梁部材で連結すると、梁部材が延びる方向は直交する二方向となる。これら二方向に延びる複数の梁部材は、足場の骨組みを構成すると共に、建物の壁面に直交する方向の梁部材の一部には踏み板が架け渡され、建物の壁面に平行な梁部材の一部で、踏み板より高い位置にあるものは手摺りとして使用される。
建物の角部を介して隣接している壁面に沿って足場が組まれる場合、すなわち、足場が直角に曲がるコーナー部を有する場合、従来では次のような問題があった。一般的な足場では、図6に示すように、足場を構築するすべての支柱Pを、ホルダ5H,5Lの方向が同一となるように立設する。つまり、支柱Pが一つの連結ポイント5に備える二対のホルダ5H,5Lのうち、高い位置にある一対のホルダ5Hを「高ホルダ5H」と称し、低い位置にある一対のホルダ5Lを「低ホルダ5L」と称すると、足場内の全ての支柱Pについて、一対の高ホルダ5Hを結ぶ直線は同一の方向(図示、X方向)であり、一対の低ホルダ5Lを結ぶ直線は同一の方向(図示、Y方向)である。従って、例えば、隣接する支柱Pの高ホルダ5H同士を連結している梁部材100の方向は、角部を介して隣接している壁面の一方に対しては平行であるが、壁面の他方に対しては直交する方向となる。
そのため、従来の足場では、建物の角部を介して隣接している壁面の一方に沿って組まれた部分の足場で、踏み板6が架設される梁部材100(壁面に直交する方向の梁部材100)が高ホルダ5H同士を連結している場合、角部を介して隣接している壁面の他方に沿って組まれた部分の足場では、踏み板6が架設される梁部材100は低ホルダ5L同士を連結している。図3(c)に示すように、高ホルダ5H同士を連結している梁部材100と低ホルダ5L同士を連結している梁部材100とでは、その高さに両ホルダ5H,5Lの高さの差に相当する差ができる。つまり、足場のコーナー部においては、隣接する踏み板6に段差ができてしまう。
同様に、建物の角部を介して隣接している壁面の一方に沿って組まれた部分の足場で、壁面に平行な方向の梁部材100が低ホルダ5L同士を連結している場合、角部を介して隣接している壁面の他方に沿って組まれた部分の足場では、壁面に平行な方向な梁部材100は高ホルダ5H同士を連結している。そのため、足場のコーナー部を介して、手摺りの高さも相違してしまう。足場を移動しながら作業を行う作業者にとって、踏み板6や手摺りの高さが移動の途中で変化することは、望ましいことではない。
そこで、本出願人は過去に、コーナー部で踏み板に段差ができず、手摺りの高さも同一となる足場構造、及び、該足場構造に使用される梁部材を提案している(特許文献1,2参照)。この足場構造では、建物の角部を介して隣接している壁面の一方に沿って組まれた部分の足場と、壁面の他方に沿って組まれた部分の足場とで、支柱Pの向きを異ならせる。具体的には、図7に示すように、足場における全ての支柱Pについて、低ホルダ5Lを建物の壁面に対面させる。これにより、基本的には、隣接する壁面の何れに沿う部分の足場においても、踏み板6が架設される梁部材100(壁面に直交する方向の梁部材)は低ホルダ5L同士を連結することとなると共に、手摺りとなる梁部材100は高ホルダ5H同士を連結することとなるため、踏み板6及び手摺りの高さがそれぞれ同一となる。
ただし、コーナー部で支柱Pの向きが90度変わることにより、コーナー部では、一端は低ホルダ5Lに連結されて他端は高ホルダ5Hに連結されなければならない梁部材が生じることとなる。そこで、特許文献1,2の技術では、従来の梁部材100、すなわち、長棒状の本体101の両端から同一の楔部105が同一方向に延出している梁部材100に加えて、特殊な梁部材9を使用する。この梁部材9は、長棒状の本体90の一端に上下方向に均等な長さで延出している第一の楔部91を備えると共に、本体90に対して上下方向の一方にオフセットされている第二の楔部92を他端に備えるものである。第一の楔部91において上下にそれぞれ延出している部分は、従来の梁部材100の楔部105と同一である。
このような構成の梁部材9に踏み板6を架設する場合は、低ホルダ5Lに第一の楔部91を挿入すると共に、第二の楔部92において短く延出している方を高ホルダ5Hに挿入する。これにより、この梁部材9の高さを、低ホルダ5L同士を連結している他の梁部材100と、同一の高さにすることができる。一方、梁部材9を手摺りとして使用する場合は、梁部材9を上下反転させ、高ホルダ5Hに第一の楔部91を挿入すると共に、第二の楔部92において長く延出している方を低ホルダ5Lに挿入する。これにより、この梁部材9の高さを、高ホルダ5H同士を連結している他の梁部材100と、同一の高さにすることができる。
しかしながら、特許文献1,2の技術では、足場における部分によって支柱Pの向きを異ならせる必要があることに加え、梁部材9に踏み板6を架設する場合と、手摺りとして梁部材9を使用する場合とで、第二の楔部92を挿入するホルダの高さが異なり、梁部材9を上下反転させる必要があるなど、足場を構築する作業が複雑であった。そのため、踏み板及び手摺りの高さをそれぞれ同一とすることができる足場を、より単純な作業で構築することに対する要請があった。
特許第5174851号公報 特許第5411804号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、より単純な作業で、踏み板及び手摺りの高さをそれぞれコーナー部を介して同一とすることができる足場構造の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる足場構造は、
「上下に連通する断面コ字形のホルダの四つが、外周面に90度間隔で配置されている連結ポイントを高さ方向に複数備えている支柱であって、四つの前記ホルダが、同一線上にある一対の低ホルダと、該低ホルダより高い位置で同一線上にある他の一対の高ホルダとからなる支柱と、
長棒状の第一本体の両端から、形状及び大きさが同一である第一楔部の一対が、同一方向に延出している第一梁部材と、
長棒状の第二本体の両端から、形状及び大きさが同一である第二楔部の一対が、同一方向に延出している第二梁部材であり、前記第二楔部それぞれの基部が前記第二本体の端面の一部に取り付けられていることにより、前記基部を除く前記第二楔部それぞれと前記端面との間に、前記第二楔部の先端が向かう方向に開口しているスリットが形成されている第二梁部材と、を具備し、
足場を構成する前記支柱の全てが、前記低ホルダ及び前記高ホルダの向きが同一となるように立設されており、
隣接する前記支柱の前記低ホルダ同士が、前記低ホルダに前記第一楔部を挿入した前記第一梁部材で連結されていると共に、
隣接する前記支柱の前記高ホルダ同士を連結する梁部材のうち、少なくとも踏み板が架設される梁部材として、前記高ホルダに前記第二楔部を挿入した前記第二梁部材が使用されており、
前記高ホルダの側壁を前記スリットに挿入しつつ、前記高ホルダに前記第二楔部を挿入している前記第二梁部材の高さは、この高ホルダと同一高さの前記連結ポイントに属する前記低ホルダに前記第一楔部を挿入している前記第一梁部材の高さと等しい」
ことを特徴とするものである。なお、以下では、「高ホルダ」と「低ホルダ」とを特に区別する必要がない場合に、単に「ホルダ」と称することがある。
「支柱」としては、図8(a)を用いて上述した従来の支柱を使用することができ、「第一梁部材」としては、図8(b)を用いて上述した従来の梁部材を使用することができる。
更に、本構成の足場構造では、全ての支柱を、高ホルダ及び低ホルダの向きが同一となるように立設することも、図6を用いて上述した従来の足場構造と同じである。従って、従来の足場構造と同様に、建物の角部を介して隣接している壁面に沿って足場が組まれる場合、すなわち、足場が直角に曲がるコーナー部を有する場合、壁面の一方に直交する方向に延びる梁部材と、壁面の他方に直交する方向に延びる梁部材とで、連結されるホルダの高さが異なる点も、従来の足場構造と同様である。壁面に直交する梁部材には、踏み板が架設されるものがあるため、そのままではコーナー部で踏み板に段差ができてしまう。当然ながら、壁面の一方に平行な梁部材と、壁面の他方に平行な梁部材とで、連結されるホルダの高さが異なる点も、従来の足場構造と同様である。壁面に平行な梁部材には、手摺りとして使用されるものがあるため、そのままではコーナー部を介して手摺りの高さが異なってしまう。
そこで、本構成の足場構造では、特徴的な構成の「第二梁部材」を使用する。第二梁部材は、長棒状の本体の両端から、形状及び大きさが同一である楔部(第二楔部)の一対が延出している点では、従来の梁部材と同様であるが、本体の端面と第二楔部との間に、第二楔部の先端が向かう方向に開口しているスリットを有している。そのため、第二楔部をホルダに挿入する際、ホルダの側壁をスリットに挿入することが可能である。これにより、第二楔部をホルダに挿入した第二梁部材の高さは、このようなスリットが無い第一梁部材の第一楔部を、同じホルダに挿入した場合の高さより低くなる。そして、本構成では更に、「高ホルダの側壁をスリットに挿入しつつ、高ホルダに第二楔部を挿入している第二梁部材の高さ」が、「この高ホルダと同一高さの連結ポイントに属する低ホルダに第一楔部を挿入している第一梁部材の高さ」と等しくなるように設定される。
加えて、本構成の足場構造では、隣接する支柱の低ホルダ同士を連結している梁部材を第一梁部材とする。これにより、建物の角部を介して隣接している壁面に沿って組まれている足場では、壁面の一方に沿う足場部分(以下、「第一足場部分」と称する)において壁面に直交する方向となる梁部材は、踏み板が架設される梁部材を含めて全て低ホルダ同士を連結している第一梁部材となり、壁面の他方に沿う足場部分(以下、「第二足場部分」と称する)において壁面に直交する方向となる梁部材は、踏み板が架設される梁部材を含めて全て、高ホルダ同士を連結する梁部材である。従って、第二足場部分で、壁面に直交する方向に高ホルダ同士を連結している梁部材のうち、少なくとも踏み板が架設される梁部材を第二梁部材とすれば、足場において踏み板が架設される全ての梁部材の高さが等しくなるため、コーナー部で踏み板に段差が生じない足場構造となる。
また、第二足場部分で壁面に平行な方向となる梁部材は、手摺りとして使用される梁部材を含めて全て低ホルダ同士を連結している第一梁部材となり、第一足場部分において壁面に平行な方向となる梁部材は、手摺りとして使用される梁部材を含めて全て、高ホルダ同士を連結する梁部材である。そのため、第一足場部分で、壁面に平行に高ホルダ同士を連結している梁部材のうち、手摺りとして使用される梁部材についても第二梁部材とすれば、足場において手摺りとして使用される全ての梁部材の高さが等しくなる。
従って、本構成の足場構造は、支柱の向きは全て同一とすれば良いことに加え、隣接する支柱の低ホルダ同士を連結する梁部材は全て第一梁部材とすれば良く、第一梁部材としては従来の梁部材を使用可能である。そして、隣接する支柱の高ホルダ同士を連結する梁部材のうち、踏み板が架設される梁部材を含めて、第一梁部材と同じ高さにしたい梁部材のみに、第二梁部材を使用すれば良い。加えて、第二梁部材は、特許文献1,2の梁部材9とは異なり、両端の楔部が同一であり、踏み板を架設する場合と手摺りとして使用する場合とで上下反転させる必要がない。そのため、本構成の足場部材によれば、極めて単純な作業で、踏み板及び手摺りの高さをそれぞれ同一とすることができる。
なお、図7を用いて説明した特許文献1,2の足場構造では、踏み板6を架設する梁部材でも手摺りとして使用される梁部材でもなく、単に足場の骨組みとして機能し、隣接する梁部材と高さを揃える必要がない梁部材であっても、コーナー部では特殊な構成の梁部材9を使用する必要があった。これに対し、本構成の足場構造では、高ホルダ同士を連結している梁部材のうち、低ホルダ同士を連結している第一梁部材と同じ高さにしたい梁部材のみに、第二梁部材を使用すれば足りるという利点を有している。
次に、本発明にかかる足場構造に使用される梁部材は、
「長棒状の本体と、
形状及び大きさが同一であり、前記本体の両端からそれぞれ同一方向に延出している一対の楔部と、を具備し、
前記楔部それぞれの基部が、前記本体の端面の一部に取り付けられていることにより、前記基部を除く前記楔部それぞれと前記端面との間に、前記楔部の先端が向かう方向に開口しているスリットが形成されている」ものである。
これは、上記の足場構造に使用される第二梁部材の構成である。このような特殊な構成の梁部材を使用することにより、上述したように、踏み板が架設される全ての梁部材の高さが等しい足場構造、及び、更に手摺りとして使用される全ての梁部材の高さが等しい足場構造を、構築することができる。
以上のように、本発明の効果として、より単純な作業で、踏み板及び手摺りの高さをそれぞれコーナー部を介して同一とすることができる足場構造を、提供することができる。
本発明の一実施形態である足場構造に使用される梁部材(第二梁部材)の側面図である。 図1の梁部材の斜視図である。 (a)高ホルダに連結された図1の梁部材と、同一高さの連結ポイントに属する低ホルダに連結された従来の梁部材(第一梁部材)の高さの関係を示す図であり、(b)図1の梁部材の高さの設定を説明する図であり、(c)従来の梁部材を同一高さの連結ポイントに属する高ホルダと低ホルダに連結した場合の高さの関係を示す図である。 本発明の一実施形態である足場構造であり、隣接する支柱の高ホルダ同士を連結する梁部材のうち、踏み板が連結される梁部材に図1の梁部材を使用した足場構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態である足場構造であり、図4の構成に加え、隣接する支柱の高ホルダ同士を連結する梁部材のうち、手摺りとして使用される梁部材にも図1の梁部材を使用した足場構造を示す斜視図である。 従来の梁部材のみを使用した従来の足場構造を示す斜視図である。 特許文献1,2の足場構造を示す斜視図である。 (a)従来の支柱の斜視図であり、(b)従来の梁部材の側面図である。
以下、本発明の一実施形態である足場構造、及び、該足場構造に使用される梁部材について、主に図1乃至図5を用いて説明する。
本実施形態の足場構造は、支柱P、梁部材100、梁部材10、及び、踏み板6を使用して構築される。支柱Pは、図8(a)を用いて上述した従来の支柱と同一の構成であり、上下に連通する断面コ字形のホルダ5H,5Lの四つが、外周面に90度間隔で配置されている連結ポイント5を、高さ方向に複数備えているものである。一つの連結ポイント5において四つのホルダ5H,5Lは、同一線上にある一対の低ホルダ5Lと、低ホルダ5Lより高い位置で同一線上にある他の一対の高ホルダ5Hとからなる。低ホルダ5Lと高ホルダ5Hは、支柱Pにおける位置が相違するのみで、形状及び大きさは同一である。
梁部材100は、本発明の「第一梁部材」に相当し、図8(b)を用いて上述した従来の梁部材である。すなわち、梁部材100は、長棒状の本体101の両端から、形状及び大きさが同一である楔部105の一対が、同一方向に延出しているものである。
梁部材10は、本発明の「第二梁部材」に相当し、図1,2に示すように、長棒状の本体11の両端から、形状及び大きさが同一である楔部15の一対が、同一方向に延出しているものであって、楔部15それぞれの基部15bが本体11の端面の一部に取り付けられていることにより、基部15bを除く楔部15それぞれと本体11の端面との間に、楔部15の先端が向かう方向に開口しているスリット17が形成されている。この梁部材10は、隣接する支柱Pの高ホルダ5H同士を連結する梁部材の一部として、使用される。梁部材10の楔部15のうち高ホルダ5Hに挿入される部分は、高ホルダ5Hの内周面に沿う形状及び大きさであり、梁部材100の楔部105のうちホルダ5H,5Lに挿入される部分と、形状及び大きさが同一である。
上記の構成により、梁部材10では、楔部15をホルダ5Hに挿入する際、ホルダ5Hの側壁をスリット17に挿入することが可能である。これにより、楔部15をホルダ5Hに挿入した梁部材10の高さは、このようなスリットが無い梁部材100の楔部105を、同じホルダ5Hに挿入した場合の高さより低くなる。加えて、本実施形態では、図3(a)に示すように、高ホルダ5Hの側壁をスリット17に挿入しつつ、高ホルダ5Hに楔部15を挿入している状態の梁部材10の高さが、この高ホルダ5Hと同一高さの連結ポイント5に属する低ホルダ5Lに楔部105を挿入している状態の梁部材100の高さと、等しくなるように設定されている。
つまり、図3(b)に示すように、高ホルダ5Hに連結された状態の梁部材10において、高ホルダ5Hの上端辺から梁部材10の本体11の上端辺までの距離L1が、低ホルダ5Lに連結された状態の梁部材100において、低ホルダ5Lの上端辺から梁部材100の本体101の上端辺までの距離L2から、高ホルダ5Hの高さh(低ホルダ5Lの高さに等しい)と、高ホルダ5Hの下端辺と低ホルダ5Lの上端辺との距離dとを差し引いた距離(L1=L2−h−d)となるように、スリット17の長さ(本体11に対する基部15bの位置)が設定される。
踏み板6は、従前より使用されている一般的な踏み板であり、長方形の板材の一対の短辺のそれぞれに、梁部材に引き掛けるフックを備えている。
本実施形態の足場構造では、図4に示すように、全ての支柱Pを、高ホルダ5H及び低ホルダ5Lの向きが同一となるように立設する。ここでは、高ホルダ5HがX方向の線上にあり、X方向に直交するY方向の線上に低ホルダ5Lが位置する場合を図示している。このように、全ての支柱Pの向きを同一とすると、建物の角部を介して隣接している壁面に沿って足場が組まれることによって、図示のように、コーナー部を介して直角をなしている第一足場部分1aと第二足場部分1bとから足場がなる場合、第一足場部分1aで壁面に直交する方向に延びる梁部材は、隣接する支柱Pの低ホルダ5L同士を連結することとなり、第二足場部分1bで壁面に直交する方向に延びる梁部材は、隣接する支柱Pの高ホルダ5H同士を連結することとなる。また、第一足場部分1aで壁面に平行な方向に延びる梁部材は、隣接する支柱Pの高ホルダ5H同士連結することとなり、第二足場部分1bで壁面に平行な方向に延びる梁部材は、隣接する支柱Pの低ホルダ5L同士を連結することとなる。
本実施形態の足場構造では、隣接する支柱Pの低ホルダ5L同士を連結している全ての梁部材として、従来の梁部材100を使用する。これにより、第一足場部分1aにおいて壁面に直交する方向となる梁部材は、踏み板6が架設される梁部材を含めて全て低ホルダ5L同士を連結している梁部材100となり、第二足場部1bにおいて壁面に直交する方向となる梁部材は、踏み板6が架設される梁部材を含めて全てが、高ホルダ5H同士を連結している。従って、第二足場部分1bにおいて、壁面に直交する方向に高ホルダ5H同士を連結している梁部材のうち、少なくとも踏み板6が架設される梁部材を梁部材10とすれば、第一足場部分1aにおいて低ホルダ5L同士を連結している梁部材100と高さが等しくなるため、コーナー部で踏み板6に段差が生じない足場構造となる。
一方、第二足場部分1bで壁面に平行な方向となる梁部材は、手摺りとして使用される梁部材を含めて全て低ホルダ5L同士を連結している梁部材100となり、第一足場部分1aにおいて壁面に平行な方向となる梁部材は、手摺りとして使用される梁部材を含めて全て、高ホルダ5H同士を連結する梁部材である。図4に示す足場構造は、高ホルダ5H同士を連結している梁部材のうち、踏み板6が架設される梁部材を除く全ての梁部材に従来の梁部材100を使用している例であり、手摺りとして使用される梁部材は、コーナー部を介して高さが変化している。
これに対し、図5に示す足場構造は、図4に示した足場構造に加え、第一足場部分1aで、高ホルダ5H同士を連結している梁部材(壁面に平行な梁部材)のうち、手摺りとして使用される梁部材についても梁部材10を使用している例である。このようにすることにより、足場において手摺りとして使用される全ての梁部材の高さが、同一となる。
以上のように、図4及び図5の足場構造は、支柱Pの向きは全て同一とすれば良いことに加え、隣接する支柱Pの低ホルダ5L同士を連結する梁部材は全て、従来の梁部材100を使用する。そして、図4の足場構造では、隣接する支柱Pの高ホルダ5H同士を連結する梁部材のうち、踏み板6が架設される梁部材のみに梁部材10を使用するという極めて単純な作業で、踏み板6の高さをコーナー部を介して同一とすることができる。
また、図5の足場構造では、図4の足場構造に加えて、隣接する支柱Pの高ホルダ5H同士を連結する梁部材のうち、手摺りとして使用される梁部材にも梁部材10を使用するという極めて単純な作業で、踏み板6及び手摺りの高さを、それぞれコーナー部を介して同一とすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、図5の足場構造では、手摺りとして使用される梁部材として、支柱Pにおいて下から四つ目の連結ポイント5に属する高ホルダ5H同士を連結している梁部材に、梁部材10を使用する場合を例示した。これに限定されず、第一足場部分1aにおいて、踏み板6より高い位置で高ホルダ5H同士を連結している梁部材の全てを梁部材10とすることができる。これにより、踏み板6より高い位置で、コーナー部を介して壁面に平行な方向に延びる梁部材の全てを、同一の高さとすることができる。
5 連結ポイント
5H 高ホルダ(ホルダ)
5L 低ホルダ(ホルダ)
10 梁部材(第二梁部材)
11 本体(第二本体)
15 楔部(第二楔部)
15b 基部
17 スリット
100 梁部材(第一梁部材、従来の梁部材)
101 本体(第一本体)
105 楔部(第一楔部)
P 支柱

Claims (1)

  1. 上下に連通する断面コ字形のホルダの四つが、外周面に90度間隔で配置されている連結ポイントを高さ方向に複数備えている支柱であって、四つの前記ホルダが、同一線上にある一対の低ホルダと、該低ホルダより高い位置で同一線上にある他の一対の高ホルダとからなる支柱と、
    長棒状の第一本体の両端から、形状及び大きさが同一である第一楔部の一対が、同一方向に延出している第一梁部材と、
    長棒状の第二本体の両端から、形状及び大きさが同一である第二楔部の一対が、同一方向に延出している第二梁部材であり、前記第二楔部それぞれの基部が前記第二本体の端面の一部に取り付けられていることにより、前記基部を除く前記第二楔部それぞれと前記端面との間に、前記第二楔部の先端が向かう方向に開口しているスリットが形成されている第二梁部材と、を具備し、
    足場を構成する前記支柱の全てが、前記低ホルダ及び前記高ホルダの向きが同一となるように立設されており、
    隣接する前記支柱の前記低ホルダ同士が、前記低ホルダに前記第一楔部を挿入した前記第一梁部材で連結されていると共に、
    隣接する前記支柱の前記高ホルダ同士を連結する梁部材のうち、少なくとも踏み板が架設される梁部材として、前記高ホルダに前記第二楔部を挿入した前記第二梁部材が使用されており、
    前記高ホルダの側壁を前記スリットに挿入しつつ、前記高ホルダに前記第二楔部を挿入している前記第二梁部材の高さは、この高ホルダと同一高さの前記連結ポイントに属する前記低ホルダに前記第一楔部を挿入している前記第一梁部材の高さと等しい
    ことを特徴とする足場構造。
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