JP6602052B2 - プリント装置 - Google Patents
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Description
図1に、本発明の実施形態に係るプリント装置1の内部構成についての斜視図を示す。また、図2に、図1に示したプリント装置本体の縦断面についての断面図を示す。プリント装置1は、インクジェット方式のプリントヘッド3が往復移動しながらシートにインク滴を吐出してシリアルスキャン方式でプリントを行う。プリントヘッド3がキャリッジ4に搭載され、キャリッジ4はキャリッジガイドに支持されている。キャリッジガイドは、プリントヘッド3が往復移動を行う主走査方向に沿って延びて配置され、キャリッジ4がキャリッジガイドに沿った主走査方向に沿って移動が可能に構成されている。
プラテン9の構成について以下に説明する。図3に、プリントヘッド3からのインク滴の吐出によって画像を形成する際にシートを支持するプラテン9の形状についての斜視図を示す。また、図4に、プラテン9のうち、シートを支持するシート支持部14について拡大した斜視図を示す。プラテン9は、シート搬送方向に沿って、搬送ローラ7と排紙ローラ10の間の位置に配置されている。
図5に、プリントヘッド3からのインク滴の吐出によって画像を形成する際の、シートの先端部、プリントヘッド3の吐出口形成面3−a及びシート支持部14の間の位置関係について示した説明図を示す。また、図6に、画像を形成する際の、シートの後端部、プリントヘッド3吐出口形成面3−a及びシート支持部14の間の位置関係について示した説明図を示す。シート2が、給紙された後にシート支持面13を覆う位置まで搬送されると、シート支持面13がシートで覆われることによって、吸着凹部17に負圧を発生させることができる。給紙されて搬送されたシート2の位置がずれても確実にシートを吸着凹部17に吸着させるために、このシート支持面13より少しはみ出した状態までシートを搬送している。
プラテン9には、シートの外側に吐出されたプリントに関与しないインクを受容するための溝形状のインク受容部31、34が形成されている。シートに縁無しプリントを行うには、シートの端部よりも外側までインクを吐出してプリントを行う必要がある。シートの搬送方向の下流側(前方)あるいは上流側(後方)の端部について縁無しプリントを行う際には、シートの搬送方向の端部よりも外側までインク滴が吐出されて、シートの搬送方向の端部までプリントが行われる必要がある。また、シートの幅方向の端部について縁無しプリントを行う際には、シートの幅方向の端部よりも外側までインク滴が吐出されて、シートの幅方向の端部までプリントが行われる。縁無しプリントを行うには、シートの端部だけでなくシートの端部よりも外側の領域にプリントに関与しないインク滴が吐出される必要がある。このことから、シートの端部よりも外側の領域でシートから外れたインク滴を受け入れるためのインク受容部(インク打ち捨て部)が形成されている。
前述の分割されたシート支持部14の周辺のインク受容部31とインク受容部34の内部には、シートの外側に打ち捨てられたインクを受容可能なインク滴着弾部材35が配置されている。インク滴着弾部材35は、インク受容部31及びインク受容部34の内部に打ち捨てられたインク滴を受け止め、一旦保持する。インク着弾部材35の材質は、発泡ウレタンのようなスポンジ状のシート材で構成するのが望ましい。これにより、インク滴着弾部材35に着弾したインクが漏れること無く保持される。また、着弾したインクは、スポンジ内に一旦保持され、そこからインク貯留部もしくはインク排出口へ導かれるように構成されている。
前述のように、シート支持部14のシート支持面13の内側には、吸着凹部17が配置されている。シート支持部14が、複数のシートサイズに従って分割された構成である場合には、シート支持面13の大きさによっては、吸着凹部17の面積が小さくなってしまい、シートの吸着効果が少ないシート支持面も存在することになる。本実施形態では2L幅サイズシート支持面42、半切幅サイズシート支持面43のシート端に相当するシート支持面13が小さくなっているので、シート吸着のための吸引口18を省略した形状になっている。これは、シート支持面42、43に吸引口を形成したとしても、吸着が弱くなることにより、シート支持面13から浮いたシートと吸着部の隙間からインクミストが吸い込まれ易くなることによる。そのため、該当の吸引口18を削除することで、シートの裏面にインクミストが付着することを防ぐことができる。また、対応するシートサイズによっては、シート支持面13が大きいので、吸引口18の数を増やすことや、吸引口18の径を大きくすることが行われてもよい。
図9に、シート支持部に設けられた空気流入路についての断面図を示す。インク受容部31の外側には、搬送ローラ7、排紙ローラ10までシートを支持するための補助のためのシート支持部として、搬送ローラ側には上流シート支持部32(第3のシート支持部)が設けられている。さらに排紙ローラ側には下流シート支持部33(第2のシート支持部)が設けられている。上流シート支持部32及び下流シート支持部33には、シートの搬送方向(Y)に延びたシート支持リブ32−a、33−aが、シートの幅方向に複数形成されている。上流シート支持部32及び下流シート支持部33は、これらのシート支持リブ32−a、33−aの高さがシート支持部14(第1のシート支持部)のシート支持面13の高さと同じとなるように形成されている。
図10は搬送ローラ対とプラテンの断面を示した図である。搬送ローラ7とピンチローラ8のローラ接点における搬送ローラニップ接線40が、上流シート支持部のシート支持面32−bと交差(40−a)するように配置されている。プリント開始位置まで搬送されたシートの先端をシート支持部14のシート支持面13に確実に接触させることで、効率よく負圧を発生させシートを吸着できる。同様に、排紙ローラ10と拍車11のローラ接点における排紙ローラニップ接線41は、下流シート支持部のシート支持面33−bと交差(41−a)するように配置されている。プリントが終わった後でシートの後端が最後までシート支持面13に接触させることで、効率のよい吸着状態の姿勢をより長く保持することができる。以上のように、シートを効率よく支持面13に吸着させ、シートの浮きを支持面13に吸着させる領域の全域で低減させることができる。
図11はプラテン筺体内部の断面を示した図である。前述のシート支持部14の下方内部は、周囲をプラテン外周壁20によって囲まれ、吸引ファン19の駆動によって生じた気流を流通させるダクト空間27が形成されている。ダクト空間27の開口側の端部にはシート支持部14が形成され、その下に配置されるダクト空間27を形成するプラテン外周壁20、カバー部品23及びベース部品24によって画成されている。ダクト空間27は、開口側の第一負圧室としてプラテン側空間22と、吸引ファン19側の第二負圧室としてのファン側空間25とを備えている。ファン側空間25は、上面に第一の開口23−aを設けたカバー部品23と、下面に第二の開口24−aを設けたベース部品24によって画成されている。
図12に、本実施形態におけるプリント装置1の制御回路についてのブロック図を示す。プリント装置本体を制御するCPU101には、プリントヘッド3のインク吐出を制御するヘッド駆動回路102が接続されている。また、CPU101には、各機構を動作させるモータ(キャリッジモータ104、搬送ローラモータ105、給紙ローラモータ106、吸引ファン19等)を駆動制御するモータ駆動回路103が接続されている。
次に、本実施形態におけるプリント装置1によるプリント動作について説明する。本実施形態では、シートの種類に応じて、シートへのプリントを開始させる際のシート位置及びシートへのプリントを終了させる際のシート位置を変更させる。本実施形態のプリント装置は縁無しプリントと、縁有りプリントとの二つのプリント形式を有している。また、それぞれのプリント形式に対し、光沢紙等の剛性の比較的高いシートに対してプリントを行う場合と、普通紙等の剛性の比較的低いシートに対してプリントを行う場合とがある。このように、プリントの行われるケースとして、計4パターンのケースに分けられる。そして、4パターンのケースごとに、それぞれプリントモードが設定される。
フォト光沢紙といった高い剛性を有するシートに対し縁無しプリント動作を行う場合(図18のS404)について説明する。図22のフローチャートによりプリント装置1及びシートの動作を示し、以下に図を用いて説明する。図13(a)は給紙中のシートの先端部がシート支持部を通過する時の状態のシート位置を示した図である。給紙トレイ5に積載されたシート2は、1枚ずつ分離され、搬送ローラ7まで給紙され、さらに搬送ローラ7でプラテン9まで搬送される(S201)。
次に、普通紙等の比較的剛性の低いシートに対し縁無しプリントを行う場合(図18のS405)について説明する。普通紙のように相対的に低剛性のシートに対して、インクの打ち込み量の多い縁無しプリントが行われると、図17に示されるように、インクを吸ったシートの先端縁2−a付近が下向きにカールする場合がある。とくに、シートが、シート支持部14上で、吸引口からの吸引によってシート支持面13に吸着される場合には、吸引によってシートのカールの程度が大きくなりやすい。シートのカールの程度が大きくなると、シートの先端縁2−aがインク受容部31に落ち込み易くなる。シートの先端縁2−aがインク受容部31に落ち込んだ状態からさらにシートの搬送が進められていくと、先端縁2−aがインク受容部31に引っ掛かって、そこでシートに搬送ジャムが発生する。
次に、普通紙等の剛性の低いシートに対し縁有りプリントを行う際のプリント動作(図18のS402)について説明する。普通紙のような剛性が低いシートに対して、インクの打ち込み量の多い縁有りプリントを行うときには、縁無しプリントの場合と同様に、シートの先端縁2−a付近が下向きのカールが発生する場合がある。その場合、縁無しプリントと同様に、シート支持部14にシート2を吸着させる制御を行わないか、もしくは吸着力を抑える制御を行うことでジャムの発生を抑制することはできる。しかしながら、そうすると、シート2がプラテン9から浮き易くなってしまい、プリントヘッド3とシートとが接触して互いに擦れるヘッド擦れが発生する可能性がある。その対策として、縁有りプリントの行われる場合には、プリントが開始される直前の状態のシート位置(プリント開始位置)が変更される。これにより、シートが浮き上がってしまうことに対し対応することが可能である。
次に、フォト光沢紙等の剛性が比較的高いシートに対し縁有りプリントが行われる場合(図18のS402)について説明する。高品質なフォト画像がプリント可能な剛性が高いシートはカールが生じ難いので、シートの先端縁2−aがシート支持面33−aによって支持されなくてもよい。従って、シートの先端縁2−aがシート支持面33−aによって支持されずに、先端縁2−aがインク受容部31上に突出した状態でプリントが開始されてもよい。また、縁有りプリントが行われるので、シートに余白を形成する分のスペースが確保されている。従って、先端縁2−aがシート支持面33−aによって支持された状態からプリントが開始されてもよい。このように、シートの先端縁2−aが、インク受容部31上、あるいはシート支持面33−a上のいずれにある状態からでも、プリント動作を開始することができる。
本実施形態では、縁有りプリントが行われる場合には、剛性の高いシートと剛性の低いシートとのいずれのシートに対してプリントが行われる場合においてもシートがシート支持面33−a上に配置された状態で、プリント動作が開始される。シート2を搬送ローラ7によってプリント開始位置まで搬送した際の先端縁2−aの位置は、ある程度ばらつく可能性があり、先端縁2−aの位置が搬送方向に前後することがある。その要因は、不図示の給紙機構から搬送ローラ7へとシート2を搬送したときの受け渡し時に発生する誤差などである。
図14(b)は排紙中のシートの後端部がシート支持部を通過する状態のシート位置を示した図である。プリントが終わった後では、シートは排紙ローラ10で搬送され、シートの後端は下流シート支持リブ33に支持されながら下流のインク受容部を超えて排紙される。また、プリント工程の中で、シロッコファンの吸引強度を変えたり、ON/OFFを切り替えたりすることも可能であり、必要な場合に必要な駆動で吸引することで、最適な吸着力をシートに対して制御することができる。
14 シート支持部(第1のシート支持部)
31 インク受容部
31―f 下流側インク受容部
31―g 上流側インク受容部
32 上流シート支持部(第3のシート支持部)
33 下流シート支持部(第2のシート支持部)
Claims (7)
- シートを第1方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラにより搬送されるシートにインクを吐出する吐出動作を実行するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドと対向する位置に配され前記搬送ローラにより搬送されるシートを支持する第1の支持部と、
前記第1の支持部よりも前記第1方向の下流に設けられ、前記搬送ローラにより搬送されるシートを支持せず、前記プリントヘッドから吐出されたインクを受ける第1のインク受容部と、
前記第1のインク受容部よりも前記第1方向の下流に設けられ、前記搬送ローラにより搬送されるシートを支持する第2の支持部と、
前記第1の支持部に設けられた吸引口と接続される吸引手段と、を備え、前記吸引手段により前記第1の支持部に対してシートを吸引した状態で前記吐出動作を行うプリント装置であって、
シート先端に余白を設けてプリントする縁有りプリントを実行する場合は、当該シート先端が前記第2の支持部によって支持された状態から前記吐出動作を開始し、
シート先端に余白を設けることなくプリントする縁無しプリントを実行する場合は、当該シート先端が前記第1のインク受容部の上方に位置し前記第2の支持部によって支持されない状態から前記吐出動作を開始する
ことを特徴とするプリント装置。 - 前記第1方向において前記第1の支持部より上流に設けられシート端部を検知するセンサと、
前記センサの検知結果に基づいて前記搬送ローラの搬送誤差を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された搬送誤差に基づいて前記搬送ローラの駆動量を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。 - 前記プリントヘッドを搭載し前記第1方向と交差する第2方向に移動するキャリッジを備え、
前記センサは前記キャリッジに設けられることを特徴とする請求項2に記載のプリント装置。 - 前記センサは、第1位置と、前記第2方向において前記第1位置から所定距離離れた第2位置と、においてシート端部を検知することを特徴とする請求項3に記載のプリント装置。
- 前記縁有りプリントを実行する場合は、前記縁無しプリントを実行する場合よりも前記吸引手段の駆動力を弱くすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプリント装置。
- 第1シートに対して前記縁無しプリントを実行する場合は、前記第1シートよりも低剛性の第2シートに対して前記縁無しプリントを実行する場合よりも前記吸引手段の駆動力を強くすることを特徴とする請求項5に記載のプリント装置。
- 前記第1の支持部よりも前記第1方向の上流に設けられ、前記搬送ローラにより搬送されるシートを支持せず、前記プリントヘッドから吐出されたインクを受ける第2のインク受容部と、
前記第2のインク受容部よりも前記第1方向の上流に設けられ、前記搬送ローラにより搬送されるシートを支持する第3の支持部と、をさらに備え、
シート後端に余白を設けてプリントする場合は、当該シート後端が前記第3の支持部によって支持された状態から前記吐出動作を開始し、
シート後端に余白を設けることなくプリントする場合は、当該シート後端が前記第2のインク受容部の上方に位置し前記第3の支持部によって支持されない状態から前記吐出動作を開始する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のプリント装置。
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