JP6601648B1 - チップ状電子部品 - Google Patents

チップ状電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP6601648B1
JP6601648B1 JP2019518005A JP2019518005A JP6601648B1 JP 6601648 B1 JP6601648 B1 JP 6601648B1 JP 2019518005 A JP2019518005 A JP 2019518005A JP 2019518005 A JP2019518005 A JP 2019518005A JP 6601648 B1 JP6601648 B1 JP 6601648B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode layer
face electrode
particles
chip
whisker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019518005A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019131352A1 (ja
Inventor
岩村 栄治
栄治 岩村
石井 裕一
裕一 石井
浩克 伊藤
浩克 伊藤
尚弘 高嶋
尚弘 高嶋
健 笠島
健 笠島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Pelnox Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Pelnox Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd, Pelnox Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP6601648B1 publication Critical patent/JP6601648B1/ja
Publication of JPWO2019131352A1 publication Critical patent/JPWO2019131352A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C1/00Details
    • H01C1/14Terminals or tapping points or electrodes specially adapted for resistors; Arrangements of terminals or tapping points or electrodes on resistors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C1/00Details
    • H01C1/01Mounting; Supporting
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C17/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing resistors
    • H01C17/006Apparatus or processes specially adapted for manufacturing resistors adapted for manufacturing resistor chips

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Details Of Resistors (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)

Abstract

本発明の1つのチップ状電子部品100は、基板10と、基板10の端面上に配置された端面電極層980とを備えている。ここで、端面電極層80は、導電性物質(a’)(但し、カーボン(a)を該導電性物質(a’)の一種として含む)と、該導電性物質(a’)によって被覆されたウイスカ状粒子(b)と、導電性を有するフレーク状粒子(c)と、分子量が450以上800未満の4官能ヒドロキシフェニル型のエポキシ樹脂(d)と、を含む混合材料により構成されている。加えて、前述のウイスカ状粒子(b)を1としたときの前述のフレーク状粒子(c)の質量比が、3/7以上9以下である。

Description

本発明は、チップ状電子部品に関する。
近年における電気機器に対する小型化、高効率化、及び高出力化の要求に伴って、該電気機器が達成すべき技術的課題は、益々高度化している。例えば、リジット基板上に設けられた金属電極とはんだを介して接合されているチップ状電子部品は、はんだ接合時又は高温環境での使用時での耐性が求められる。
図5に示すように、一般的なチップ抵抗器900は、セラミック基板(代表的には、アルミナ製)910上に形成された抵抗体950と、抵抗体950を被覆するガラス材料層960と、さらにガラス材料層960を被覆する保護膜970を有する。加えて、チップ抵抗器900は、セラミック基板(代表的には、アルミナ製)910の一部の平面、一部の底面、及び端面(側面上)に、抵抗体950と電気的に接続した金属電極層920と、金属電極層920と電気的及び機械的に接続したニッケルめっき層930及び錫めっき層940を備えている。なお、金属電極層920とニッケルめっき層930との間に、導電性微粒子を含んだ樹脂電極層980が形成される場合もある(特許文献1)。また、樹脂電極層980に用いられる導電性ペースト中の銀粉含有量が低くても高い導電性が得られる導電性ペーストが開示されている。(特許文献2)。
ここで、樹脂電極層を用いずに金属のみによって電極を形成した場合は、基板上に表面実装されて使用されると、上述の高温環境又は温度サイクルによる負荷、あるいは機械的な負荷によって、各層が積層された電極領域のみならずセラミック基板(代表的には、アルミナ製)910内部、又は該基板とチップ状抵抗器を接合するはんだ金属部にまでクラックが生じ得る。このクラックは、チップ抵抗器の電気特性を悪化させる原因となり得る。
特開平4−257211号公報 特開2004−111057号公報
上述のとおり、チップ状電子部品に対する高温又は温度変化の負荷への耐性を高めることに対する要求は強まっている。例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板等のリジット基板上に設けられた金属電極とはんだを介して接合されているチップ状電子部品は、はんだ接合時の高温(代表的には、200℃超)環境下に耐え得ることが求められる。また、最近では、該チップ状電子部品が車載用として採用される場合には、AEC(Automotive Electronics Council)−Q200において全ての電装に適用される受動部品を対象に規定されている、G0グレードに相当する−50℃〜150℃の間の温度サイクルへの耐性及び、使用時の繰り返しの機械的振動に対する耐性が要求される。
しかしながら、温度的又は機械的な負荷に対する緩衝材としての役割を果たし得る上述の樹脂電極層を用いたとしても、苛酷な温度および機械的な負荷環境下であっても高い信頼性を保持し得る、チップ状電子部品の研究及び開発は、未だ道半ばといえる。
本発明は、上述の少なくとも1つの技術課題を解決することにより、苛酷な環境下であっても高い信頼性を保持し得る、樹脂電極層を備えたチップ状電子部品の実現に大きく貢献し得る。
本発明者らが鋭意研究と分析を重ねた結果、本発明者らは、金属電極層とめっき層との間に導電性微粒子を含有する樹脂電極層を端面電極層の一部として配置した場合に、該端面電極層が以下の特性を備えることが、上述の技術課題の少なくとも一部を解決し得ることを見出した。
(a)該端面電極層が、導電性と適度な剛性に加えて、さらに適度な柔軟性を備えること。
(b)耐熱分解性に優れた母材の樹脂を選定すること。
(c)異質な複数種の導電性微粒子を、適切な比率で混合すること。
(d)適切な種類の該樹脂と該導電性微粒子とを混合することにより、チップ状電子部品としての性能を阻害しない程度に十分な導電性を発揮し得ること。
上述の知見に基づいて、本発明者らがさらに研究と分析に取り組むとともに、試行錯誤を重ねた。その結果、本発明者らは、ある特定の低分子量のエポキシ樹脂と特殊な硬化剤と特定の導電性微粒子とを採用することによって上述の(a)〜(c)の特性を満たし得ることを見出した。具体的には、本願発明者らが見出した特定のエポキシ樹脂を採用すれば、低分子量であっても耐熱分解性に優れ、特殊な硬化剤と組み合わせることによって、比較的高温の環境下においては適度な剛性を保持するだけでなく、比較的低温の環境下において柔軟性を備えた母材としての役割を果たし得る。
また、エポキシ樹脂成分を低分子量にすることにより、その硬化時には導電性微粒子が塗膜の表面に適度に露出して、金属電極層との界面の機械的な強度を改善するとともに、過酷な温度及び機械的な負荷環境においても使用できる高い耐久性を実現し得る。加えて、導電性微粒子としてのウイスカ状粒子とフレーク状粒子とを適切な比率で混合すること、及び適切な種類の母材の樹脂と該導電性微粒子との混合を行うことによって、下記の(x)及び(y)という高い信頼性を有し得る、樹脂電極層(端面電極層)を備えたチップ状電子部品を実現した。本発明は上述の視点に基づいて創出された。
(x)樹脂電極層として有効な導電性を維持しつつ、苛酷な環境下であっても該樹脂電極層内部における破壊を防ぐ。
(y)比較的高温の環境下においても基材やニッケルめっき電極層と高い接合強度を維持して界面での破壊を生じさせない。
本発明の1つのチップ状電子部品は、基板と、該基板の端面上に配置された端面電極層とを備えている。また該チップ状電子部品においては、前述の端面電極層が、導電性物質(a’)(但し、カーボン(a)を該導電性物質(a’)の一種として含む)と、該導電性物質(a’)によって被覆されたウイスカ状粒子(b)と、導電性を有するフレーク状粒子(c)と、分子量が450以上800未満の4官能ヒドロキシフェニル型のエポキシ樹脂(d)と、を含む混合材料により構成されている。さらに、該チップ状電子部品においては、前述のウイスカ状粒子(b)を1としたときの前述のフレーク状粒子(c)の質量比が、3/7以上9以下である。
このチップ状電子部品によれば、端面電極層(樹脂電極層)の熱分解を抑制することにより、はんだ接合時の負荷又は熱サイクルの負荷に基づく、空洞(ボイド)の発生及び/又は端面電極層とめっき層又はアルミナ基材との間の剥離の発生を確度高く抑制又は防止し得る。これは、高い導電性を保持しつつ、下地であるセラミック基材又は上部に形成されるめっき金属に対する密着性を確保した「導電性粒子」と、高温環境下においても化学的及び機械的に安定であって、且つ衝撃や大きな変形負荷に耐える機械的な剛性と、応力の繰り返し負荷に対して適度に変形して破壊を防ぐ柔軟性とが調和した「樹脂成分」との作用によるものであると言える。加えて、本発明の1つのチップ状電子部品によれば、高温下においても、端面電極層とめっき層又はアルミナ基材との間の高い接着力を保持し低温状態と高温状態が繰り返されることで生じる熱衝撃や熱疲労に対してはんだ接合部を含むチップ状電子部品の破壊を防止し得る。
ところで、本願においては、「膜」は「層」とも表現される。従って、本願において「膜」という表現には「層」の意味が含まれ、「層」という表現には「膜」の意味が含まれる。
本発明の1つのチップ状電子部品によれば、はんだ接合時の負荷又は熱サイクルの負荷に基づく、空洞(ボイド)の発生及び/又は端面電極層とめっき層又はアルミナ基材との間の剥離の発生を確度高く抑制又は防止し得る。加えて、本発明の1つのチップ状電子部品によれば、高温下においても、端面電極層とめっき層又はアルミナ基材との間の高い接着力を保持し、低温状態と高温状態が繰り返されることで生じる熱衝撃や熱疲労に対して、はんだ接合部を含むチップ状電子部品の破壊を確度高く防止し得る。
本実施形態のチップ抵抗器100の断面模式図である。 第1の実施形態の端面電極層(混合材料により構成されている層)を倍率1500倍で観察したときに、該端面電極層の0.075mm×0.057mmの無作為に選んだ平面視の視野中におけるSEM像である。 比較例6の端面電極層(混合材料により構成されている層)を倍率1500倍で観察したときに、該端面電極層の0.075mm×0.057mmの無作為に選んだ平面視の視野中におけるSEM像である。 第1の実施形態の端面電極層(混合材料により構成されている層)を倍率1000倍で観察したときに、該端面電極層の0.125mm×0.034mmの無作為に選んだ視野中における断面SEM像である。 第1の実施形態の端面電極層の最表面に露出するウイスカ状粒子とフレーク状粒子とを合わせた面積分率に対する、チップ抵抗器における、めっき層又はセラミック基材と端面電極層との界面、あるいは端面電極層内部(凝集)破壊発生率を示す図である。 従来のチップ抵抗器の断面模式図である。
10,910 基材
20,920 金属電極層
30,930 ニッケルめっき層
40,940 錫めっき層
50,950 抵抗体
60,960 ガラス材料層
70,970 保護膜
80,980 端面電極層
82a,82b ウイスカ状粒子
84a,84b フレーク状粒子
100,900 チップ抵抗器
以下に、本発明の実施形態であるチップ状電子部品の一例であるチップ抵抗器100、及びチップ抵抗器100の一部を構成する、混合材料により構成される端面電極層80の一例について詳細に述べる。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態のチップ抵抗器100の断面模式図である。チップ抵抗器100は、アルミナ基材10上に形成された抵抗体50と、抵抗体50を被覆するガラス材料層60と、さらにガラス材料層60を被覆する保護膜70を有する。加えて、チップ抵抗器100は、アルミナ基材10の一部の平面及び一部の底面上に、抵抗体50と電気的に接続した金属電極層20と、金属電極層20と電気的及び機械的に接合したニッケルめっき層30及び錫めっき層40を備えている。また、アルミナ基材10の端面上には、金属電極層20と電気的に接続する端面電極層80が配置される。なお、アルミナ基材10の端面については、ニッケルめっき層及び錫めっき層が、端面電極層80を覆う。
また、本実施形態の端面電極層80は、導電性物質(a’)(但し、カーボン(a)を該導電性物質(a’)の一種として含む)と、該導電性物質(a’)によって被覆されたウイスカ状粒子(b)と、導電性を有するフレーク状粒子(c)と、分子量が450以上800未満の4官能ヒドロキシフェニル型のエポキシ樹脂(d)と、を含む混合材料により構成されている。
加えて、本実施形態のチップ抵抗器100においては、上述のウイスカ状粒子(b)を1としたときの上述のフレーク状粒子(c)の質量比が、3/7以上9以下である。
次に、端面電極層80を形成するための混合材料についてより詳細に説明する。
本実施形態の混合材料の構成材料の一つである導電性物質(a’)は、カーボン(a)を含有する。このカーボン(a)は、特に1g当たりの表面積が800平方メートル以上のカーボン粉末である。また、該導電性物質(a’)は、該カーボン(a)に加えて、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Pt、及びはんだ(代表的には、Sn−3Ag−0.5Cu合金であるが、これに限定されない。)からなる群から選択される少なくとも1種を含有し得る。
また、該混合材料の構成材料の他の一つである、上述の導電性物質(a’)によって被覆されたウイスカ状粒子(b)は、代表的には、導電性物質の一例である銀の膜によって被覆されたウイスカ状の無機フィラー(例えば、チタン酸カリウム)である。なお、該無機フィラーとしてチタン酸カリウムが採用される場合の代表的な形状は、平均繊維径0.3〜0.6μm、平均繊維長5〜30μm、及びアスペクト比8.3〜100である。また、本実施形態の効果が奏される他の導電性物質の膜によって被覆されたウイスカ状のチタン酸カリウムは、採用し得る他の一態様である。
また、該混合材料の構成材料の他の一つである、導電性を有するフレーク状粒子(c)は、代表的には、球状の銀粒子をボールミル等で塑性加工して製造されたものである。なお、該フレーク状粒子(c)の形状やサイズは特に限定されないが、代表的な該フレーク状粒子(c)のアスペクト比は2以上である。また、該フレーク状粒子(c)は、平板状粒子又は鱗片状粒子と呼ばれることがある。前述の銀粒子の代替物として、銀合金、銅合金、及び/又はニッケル合金の粉末が採用され得る。加えて、銀、銅、ニッケル、又は銅合金をコアとしてめっき等により銀をその表面にコーティングしたフレーク状導電粉末でもよい。
また、該混合材料の他の一つである、分子量が450以上800未満の4官能ヒドロキシフェニル型のエポキシ樹脂(d)は、代表的には、下記の化学式によって示される、エポキシ樹脂である。本実施形態のエポキシ樹脂(d)は、その分子量の低さを利用して、適当な架橋性の硬化剤と該エポキシ樹脂(d)との組み合わせによる剛直かつ柔軟で耐久性の高いネットワークポリマーを形成し得る。その結果、該エポキシ樹脂(d)は、熱的に安定で、かつ分子間の滑りを防ぎつつ適度な変形能を有することにより、応力緩和又は疲労破壊に対して高い耐久性と耐熱分解性に優れた母材の樹脂としての役割を果たし得る。加えて、該エポキシ樹脂(d)は、例えば、−50℃以下の低温、又は150℃を越える高温の条件下においても、適度な剛性及び適度な柔軟性を有し得る。
さらに、該混合材料は、硬化剤(e)及び硬化触媒(f)をさらに含むことによって好適な性能を発揮し得る。代表的な硬化剤(e)の例は、活性開始温度が110℃以上のイミダゾール系硬化剤(但し、トリアジン骨格を持つものを除く)及び/又はジシアンジアミドである。該イミダゾール系硬化剤の代表的な例は、フェニルイミダゾール、又はシアノイミダゾールである。また、硬化触媒(f)の一例としては、ジオクチル錫ジラウレート又は、2−エチルヘキシル酸第一錫等に代表される錫(Sn)系の硬化触媒、あるいは、トリフェニルホスフィン又はトリパラトリルホスフィンに代表される燐(P)系の硬化触媒である。なお、イミダゾール系硬化剤とジシアンジアミドは、共存させた場合には相互に硬化促進の効果を有する。
該混合材料が、さらに、基材や金属と樹脂との密着性を向上させるためにシランカップリング剤、ベンゾトリアーゾール、及び/又は各種金属キレート物質等を密着性付与剤として含有することは好適な一態様である。また、該混合材料が、さらに、ペースト状物質の粘弾性特性を制御して塗布性を改善するために、微小な各種無機微粒子を含有することは他の好適な一態様である。また、該混合材料が、さらに、端面電極層80の表面の平滑性を改善するために表面活性剤等のレベリング剤を適当量含有することは他の好適な一態様である。
上述の各成分を含有する混合材料は、ニーダーミキサー、プラネタリーミキサー、及び/又は三本ロール等の公知の混練工程を経て、均一なペースト状の分散体として用いられる。さらに、該ペースト状の混合材料は、ディップ転写、ローラー転写、スタンプ転写、スクリーン印刷等の公知の塗布・転写技術を用いて、例えば、アルミナ基材10が備える金属電極層20と電気的に接続するようにアルミナ基材10の端面上に塗布又は印刷することにより、図1に示すような端面電極層80が形成される。
このときの基材端面中央部における端面電極層80の厚みは特に制限はない。なお、代表的な3216サイズのアルミナ基材における厚みは、最大で約25μm〜約30μmであり、代表的な1005サイズのアルミナ基材における厚みは、最大で約15μm〜約20μm程度である。その結果、アルミナ基材10の少なくとも端面上に端面電極層80が配置される。なお、抵抗体50と電気的に接続する金属電極層20と電気的及び機械的に接合し、金属電極層20又は端面電極層80を覆うように設けられるニッケルめっき層30及び錫めっき層40の形成のために、公知の形成方法を採用することができる。
上述の各成分を含有する混合材料を、例えば、アルミナ基材10が備える金属電極層20と電気的に接続するようにアルミナ基材10の端面上に塗布又は印刷することにより、図1に示すような端面電極層80が形成される。その結果、アルミナ基材10の少なくとも端面上に端面電極層80が配置される。なお、抵抗体50と電気的に接続する金属電極層20と電気的及び機械的に接合し、金属電極層20又は端面電極層80を覆うように設けられるニッケルめっき層30及び錫めっき層40の形成のために、公知の形成方法を採用することができる。
本実施形態のチップ抵抗器100の構成を採用することにより、苛酷な環境下であっても高い信頼性を有する樹脂電極層(端面電極層80)を備えるチップ抵抗器を実現し得る。具体的には、本実施形態のチップ抵抗器100は、はんだ接合時の負荷又は熱サイクルの負荷に基づく、空洞(ボイド)の発生及び/又は端面電極層80とめっき層(例えば、ニッケルめっき層30)又はアルミナ基材10との間の剥離の発生を確度高く抑制又は防止し得る。加えて、本実施形態のチップ抵抗器100は、高温下においても、端面電極層80とめっき層(例えば、ニッケルめっき層30)又はアルミナ基材10との間の高い接着力を保持し得る。
なお、本実施形態においては、端面電極層80がニッケルめっき層30及び錫めっき層40によって覆われているが、端面電極層80を覆う導電層は、ニッケルめっき層30及び錫めっき層40に限定されない。例えば、端面電極層80を覆う導電層が単層であっても複層であっても良い。また、該単層又は該複層の材質が、例えば、銅(Cu),クロム(Cr),鉛(Pb),亜鉛(Zn),インジウム(In),ビスマス(Bi),金(Au),銀(Ag),パラジウム(Pd),白金(Pt)から選ばれる少なくとも1つの金属又はこれらの合金であることは、採用し得る他の一態様である。また、該導電層の形成方法として、公知の形成方法を採用することができる。
ここで、本願発明者らは、導電性微粒子としてのウイスカ状粒子とフレーク状粒子とが上述の数値範囲に示される適切な比率で混合されることによって、導電性を保持とともに、端面電極層80のさらに上部に形成される金属めっき層との高い接合性を実現し得ることを見出した。なお、端面電極層80中に存在する樹脂成分が適切な体積率であって、且つ端面電極層80の最表面において導電成分が適度に露出することで、上述の高い接合性が得られると考えられる。その結果、端面電極層80としての適度な剛性及び適度な柔軟性が確度高く実現され得る。なお、上述のウイスカ状粒子とフレーク状粒子との適切な混合によって得られる技術的効果を阻害しない程度に、上述の導電性物質(a’)の形状に特に制限はなく、球状等の粒子を採用し得る。
なお、端面電極層80における上述の適度な剛性は、端面電極層80としての衝突又は落下等の衝撃力、あるいは振動等の繰り返し負荷に対する機械的な耐久性又は熱負荷を受けた際の熱応力等に対する耐久性の向上に貢献していると考えられる。また、上述の適度な柔軟性は、端面電極層80としての低温状態と高温状態との双方に繰り返し曝露された際に生じる熱歪を吸収するとともに、端面電極層80の近傍で発生したクラックの端面電極層80内への進展を防止することによって、チップ状電子部品(代表的には、チップ抵抗器100)全体の耐久性の向上に貢献していると考えられる。加えて、上述のウイスカ状粒子(b)を1としたときの上述のフレーク状粒子(c)の質量比が、1以上9以下であれば、導電性を保持しつつ、端面電極層80内部におけるボイドの発生が防止され、端面電極層80としての適度な剛性及び適度な柔軟性がより確度高く実現され得る観点から好ましい。加えて、種々の工法に適合し得る汎用的な塗布性の観点を更に考慮すると、上述のウイスカ状粒子(b)を1としたときの上述のフレーク状粒子(c)の質量比が、1以上5以下であることがさらに好ましい。
チップ抵抗器100が備えるめっき層(例えば、ニッケルめっき層30)と端面電極層80とが電気的に接続するように、端面電極層80(混合材料により構成されている層)の最表面からウイスカ状粒子(b)及び/又はフレーク状粒子(c)が突出する又は露出する状態を作り出すことが、苛酷な環境下においても端面電極層80とニッケルめっき層30との間での剥離又は破壊を防ぎつつ、端面電極層80の導電性を確度高く発揮させると考えられる。ここで、この突出又は露出の状況を適切に調整することができれば、上述の本実施形態の効果がより確度高く奏され得ることを本発明らは知得した。
具体的には、本発明者らは、SEM(走査電子顕微鏡)を用いて端面電極層80の微小領域を詳細に分析した。
図2Aは、本実施形態の端面電極層80(混合材料により構成されている層)を倍率1500倍で観察したときに、端面電極層80の0.075mm×0.057mmの無作為に選んだ平面視の視野中におけるSEM像である。なお、参考図として、後述する比較例6の端面電極層(混合材料により構成されている層)を倍率1500倍で観察したときに、該端面電極層の0.075mm×0.057mmの無作為に選んだ平面視の視野中におけるSEM像が図2Bに示されている。
また、図3は、本実施形態の端面電極層80(混合材料により構成されている層)を倍率1000倍で観察したときに、端面電極層80の0.125mm×0.034mmの無作為に選んだ視野中における断面SEM像である。また、図4は、端面電極層の最表面に露出するウイスカ状粒子とフレーク状粒子とを合わせた面積分率に対する、チップ抵抗器における、めっき層又はセラミック基材と端面電極層との界面、あるいは端面電極層内部(凝集)破壊発生率を示す図である。
図2A及び図3に代表される、端面電極層80の微小領域に関する調査と分析結果、及び図4に示す結果から、次の(X)及び(Y)のうち少なくとも1つの条件を満たすことによって、本実施形態の効果をより確度高く奏し得るとの知見が得られた。
(X)SEMにより倍率1500倍で観察したときに、端面電極層80の0.075mm×0.057mmの無作為に選んだ視野中における、ウイスカ状粒子(b)82a及びフレーク状粒子(c)84aが、本実施形態の端面電極層80(混合材料により構成されている層)の最表面に露出する面積分率が、30%以上である領域を含むこと。なお、より確度高く破壊を抑制する又は防止する観点から言えば、該面積分率が31.5%以上であることが好ましく、さらに確度高く破壊を生じさせない観点から言えば、該面積分率が33.0%以上である領域を含むこと。
(Y)本実施形態の端面電極層80(混合材料により構成されている層)を断面SEMにより倍率1000倍で観察したときに、端面電極層80の0.125mm×0.034mmの無作為に選んだ視野中において、端面電極層80の最表面に露出するウイスカ状粒子(b)82a及びフレーク状粒子(c)84aと、チップ抵抗器100が備えるニッケルめっき層30とが接する間隔が、10μm以下である領域を含むこと。
一方、図2Bに示す比較例においては、ウイスカ状粒子(b)82b及びフレーク状粒子(c)84bが疎らにしか存在せず、図2Aとの差は一目瞭然である。
また、本発明者らがさらに前述の断面SEM写真を用いてウイスカ状粒子82aとフレーク状粒子82bの面積率を求め、導電性、接着強度等の関係の調査と分析を進めた。その結果、本実施形態の端面電極層80(混合材料により構成されている層)における、ウイスカ状粒子(b)82a及びフレーク状粒子(c)84aの体積率が7%以上25%以下であることは、好適な一態様であることが分かった。具体的には、そのような数値範囲の体積率が採用されることにより、端面電極層80中に適切な体積率の樹脂成分が存在することができ、且つ端面電極層80の最表面において導電成分が適度に露出し得る。従って、前述の体積率の範囲は、より確度高く、高い導電性を保持しつつ、基材や金属電極層(めっき層を含む)との密着性/接合強度を高め得るとの知見が得られた。
<チップ抵抗器及び端面電極層の性能評価>
以下に、本実施形態のチップ抵抗器100及び端面電極層80の各種性能評価及びその結果について説明する。
1.端面電極層の貯蔵弾性率
本発明者らは、本実施形態の端面電極層80(混合材料により構成されている層)の試料及び比較例の混合材料の試料の貯蔵弾性率(Pa)の温度依存性の評価を、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツル株式会社製、型式:DMS6100)を用いて行った。該貯蔵弾性率の評価結果は、表1A、表1B及び表2に示されている。
この貯蔵弾性率の評価結果を分析したところ、−55℃以上155℃以下の温度範囲において、端面電極層80の貯蔵弾性率が、10Pa以上1010Pa以下(より、限定的には、10Pa以上10Pa以下)であることが分かった。表1A及び表1Bに示すような温度依存性の低い、換言すれば、温度変化に影響され難い端面電極層80が得られたことは特筆に値する。従って、端面電極層80の貯蔵弾性率が、10Pa以上1010Pa以下(より、限定的には、10Pa以上10Pa以下)であることによって、より確度高く、高い剛性と柔軟性とのバランスがとれた機械的特性を発揮し得ることが確認された。
2.端面電極層の1質量%の減少温度
さらに本発明者らは、本実施形態の端面電極層80を構成する上述の混合材料の試料及び比較例の混合材料の試料の、示差熱・熱重量同時測定による1質量%(樹脂換算における1質量%)が減少又は分解する温度について分析を行った。該減少温度の評価結果は、表1A、表1B及び表2に示されている。
具体的には、本実施形態の端面電極層80を代表する混合材料の試料を、示差熱・熱重量同時測定装置(セイコーインスツル株式会社製、型式:TG/DTA6200)を用いて、窒素雰囲気中、温度範囲25℃〜320℃、及び昇温速度10℃/分の条件下において、該試料の示差熱・熱重量同時測定(TG/DTA測定)を行った。この測定により、該試料の樹脂換算における1質量%が減少又は分解する温度を測定した。
その結果、端面電極層80の樹脂換算における1質量%減少温度が、250℃以上(より、好ましくは260℃以上)であることにより、より確度高く、端面電極層80内でのボイドの発生を防止し、かつはんだ付け時の熱劣化を防止して端面電極層界面近傍や内部における剥離や破壊を抑制又は防止し得るという知見が得られた。なお、該観点から言えば、前述の1質量%減少温度は高いほど好ましいが、一方で、一般的に耐熱性が高い物質は、弾性率が高く、熱等の影響による僅かな歪でも破壊を起こし易い、いわゆる脆い性質を持つことになる。そこで、敢えて上限値を示すとすれば、例えば320℃以下である。
3.はんだ付け耐性
当該評価においては、端面電極層80又は比較例の混合材料を備えた3216サイズのチップ抵抗器100を製造した。そこで、ガラスエポキシ基板上に設置された銅電極パッド上に、Sn−Ag(3%)−Cu(0.5%)からなる鉛フリーはんだ(荒川化学製、型式:VAPY LF219)を用いて、窒素雰囲気下において最大温度300℃、及び270℃ではんだ付けを行うことにより試料(サンプル)を作製した。
はんだ付け後のチップ抵抗器100の長手方向の断面を切り出し、光学顕微鏡又はSEMを用いて、端面電極層と基材又はニッケルめっき層との界面、あるいは端面電極層80の内部において、クラック、剥離、又は破壊の有無を評価した。当該評価は、少なくとも10個以上のチップ抵抗器100に対して同様に行われた。該はんだ付け耐性の評価結果は、表3A、表3B、及び表4に示されている。また、評価結果の表示方法は次のとおりである。
○:クラック・剥離・破壊が認めらない。
△:クラック・剥離・破壊が認められたサンプル数が10%以下である。
×:クラック・剥離・破壊が認められたサンプル数が10%を越える。
4.ヒートサイクル熱衝撃耐性
当該評価においては、端面電極層80又は比較例の混合材料を備えた3216サイズのチップ抵抗器100(定格1kΩの抵抗器)を製造した。そこで、ガラスエポキシ基板上に設置された銅電極パッド上に、Sn−Ag(3%)−Cu(0.5%)からなる鉛フリーはんだ(荒川化学製、型式:VAPY LF219)を用いて、窒素雰囲気下において最大温度約240℃ではんだ付けを行うことにより試料を作製した。
該試料を、液槽式のヒートサイクル試験機(エスペック株式会社製、液槽冷熱衝撃装置、型式TSB−51)に入れ、低温側(−55℃×30分)と、高温側(155℃×30分)との間の繰り返し温度履歴を5000サイクル与えた。なお、当該評価においては、抵抗値が初期に対して10%以上増加した試料は不合格と判定した。また、当該評価は、少なくとも150個以上の試料に対して同様に行われた。該ヒートサイクル熱衝撃耐性の評価結果は、表3A、表3B、及び表4に示されている。また、評価結果の表示方法は次のとおりである。
○:不合格サンプルが0個
△:不合格サンプルが20%以下
×:不合格サンプルが20%を超える
5.チップ抵抗器における、めっき/端面電極層界面のダイシア強度(die shear strength)
また、本発明者らは、本実施形態の端面電極層80(混合材料により構成されている層)又は比較例の混合材料と、ニッケルめっきとの界面におけるダイシア強度(剪断負荷に対する接合強度)の温度依存性の評価を行った。評価はセラミック基材状に端面電極層80を構成する混合材料及び比較例の混合材料をスクリーン印刷で塗布し、その上にニッケルめっきを施したシリコンチップを搭載した後、175℃×15分にて熱硬化させて接合したものについて、ホットプレート上で前述のサンプル温度を制御しつつ、一般的なダイシェア試験機(Daga Precision Industries社製 型式 Series4000PA2A)を用いて、せん断破壊させたときの破壊強度を測定した。該ダイシア強度の評価結果は、「接着強度」として表3A、表3B、及び表4に示されている。また、評価結果の表示方法は次のとおりである。
○:ダイシェア強度が4N/mm以上
△:ダイシェア強度が2N/mm以上、4N/mm未満
×:ダイシェア強度が2N/mm未満
このダイシア強度の評価結果を分析したところ、100℃以上200℃以下の高温領域において、比較用混合材料に比べてダイシア強度が低下し難いことが明らかとなった。より具体的には、前述の高温領域において、4N/mm以上のダイシア強度を有し得ることが確認された。従って、端面電極層80のダイシア強度としてが、特に高温領域においても十分な接合強度が確保されていることが確認された。
6.体積抵抗率
当該評価においては、端面電極層80を構成する混合材料及び比較例の混合材料を、ガラス基板(長さ約77mm×幅約27mm×厚さ約1.5mm)上に、ステンシルマスク(長さ約35mm×幅約22mm×厚さ約0.2mm)を用いて印刷した。印刷された該ガラス基板を恒温槽に入れた後、175℃で15分間加熱し、溶剤を揮発させるとともに、熱硬化させることによって、硬化物(電極)を作製した。この硬化物に対して、4端子(探針)法により、室温における比抵抗を測定した。該体積抵抗率の評価結果は、表3A、表3B、及び表4に示されている。なお、数値が小さいほど、該硬化物(電極)の電気伝導性が良好であることを意味する。
7.ボイド評価
当該評価においては、端面電極層80を構成する混合材料及び比較例の混合材料を、ガラス基板(長さ約77mm×幅約27mm×厚さ約1.5mm)上に、ステンシルマスク(長さ約35mm×幅約22mm×厚さ約0.2mm)を用いて印刷した。印刷された該ガラス基板を恒温槽に入れた後、175℃で15分間加熱し、溶剤を揮発させるとともに、熱硬化させることによって、硬化物(電極)を作製した。該硬化物に対して、任意の箇所において横断面を切り出し、光学顕微鏡による観察(倍率200倍による観察)を行った。当該評価は、少なくとも3個以上の試料に対して同様に行われた。該ボイド評価の評価結果は、表3A、表3B、及び表4に示されている。
○:塗膜中にボイドが認められない。
△:塗膜中に微小なボイドが数個程度である。
×:塗膜中に顕著に大きなボイドが認められる、もしくは比較的に大きなポイドが10個以上ある。
上述のとおり、本実施形態の端面電極層80を備えることにより、苛酷な環境下であっても高い信頼性を備えるチップ抵抗器100を実現した。具体的には、以下の(1)〜(3)の効果を奏し得る。
(1)端面電極層80の熱分解を抑制し、めっき層との間の空洞(ボイド)の発生、又ははんだが飛び散りの発生を確度高く防止又は抑制することができる。
(2)はんだ接合時の負荷又は熱サイクルの負荷に基づく端面電極層80とめっき層又はアルミナ基材との間の剥離、及び/又は、端面電極層内部又はハンダ接合部の剥離あるいは破壊を確度高く抑制又は防止することができる。
(3)実装基板にはんだ付けされた状態で、常温のみならず、−55℃以下の低温、又は150℃を越える高温の条件下においても、端面電極層80がめっき層又は基材との間の十分な接着強度を発揮し得る。
上述のとおり、本実施形態の端面電極層80を備えることにより、苛酷な環境下であっても高い信頼性を備えるチップ抵抗器100を実現した。具体的には、以下の(1)〜(3)の効果を奏し得る。
(1)端面電極層80とめっき層との間の空洞(ボイド)の発生、又ははんだが飛び散りの発生を確度高く防止又は抑制することができる。
(2)はんだ接合時の負荷又は熱サイクルの負荷に基づく端面電極層80とめっき層又はアルミナ基材との間の剥離を確度高く抑制又は防止することができる。
(3)実装基板にはんだ付けされた状態で、常温のみならず、−55℃以下の低温、又は150℃を越える高温の条件下においても、端面電極層80がめっき層又は基材との間の十分な接着強度を発揮し得る。
[実施例]
以下に、実施例及び比較例を示して上述の各実施形態について、より具体的に説明する。但し、これらの実施例は、上述の実施形態の例示のみを目的として開示されるものであり、上述の実施形態を限定するものではない。なお、各実施例及び比較例における各成分(各原料)の各数値は、「質量部」を意味し、「%」は「体積率」の評価項目を除き、「質量%」を意味する。
<混合材料の調製>
各実施例(1〜22)及び比較例(1〜9)に示す第1の実施形態の混合材料は、実施例1を例にとると、以下のように製造される。なお、上述のとおり、第1の実施形態の端面電極層80は、該混合材料により構成される。
カーボン(1gあたりの表面積1200平方メートル以上)、チタン酸カリウムに銀を被覆したウイスカ状粒子(平均繊維径約0.3μm、平均繊維長約30μm、アスペクト比約60)、平均粒子径約4μmであってアスペクト比が20以上の銀からなるフレーク状粒子、数平均分子量約620の4官能ヒドロキシフェニル型エポキシ樹脂、活性開始温度が約130℃のイミダゾール系硬化剤、及び溶剤としてのエチルカルビトールを、表1A及び表1Bの実施例1に示す配合部数にて、ニーダーミキサーを用いて撹拌混合する。その後、三本ロールによって導電性粒子をペースト中に均一分散させた。
該ペーストを、予め、定格1kΩに相当する抵抗体と、銀からなる金属電極層と、抵抗体の保護膜とが形成された3216サイズのアルミナ基材の両端面に、該端面の中央付近において硬化後の厚みが約20μmとなるように、ローラー転写法を用いて塗膜を形成した。その後、乾燥炉にて175℃で15分間の熱硬化により、端面電極層を形成した。その後、電解メッキにより、該端面電極層の上にニッケルめっき層を約15μmと、更にその上に錫めっき層を約50μm形成することにより、チップ抵抗器を得た。
表1A及び表1Bは、実施例1〜22の混合材料の各成分を示している。また、表2は、比較例1〜9の各成分を示している。
より詳細には、実施例2〜11については、実施例1に対してウイスカ状粒子とフレーク状粒子の比率、及び混合材料により構成されている層中の体積分率が変更されている。また、実施例12の成分は、活性開始温度が110℃以上(具体的には、活性開始温度約147℃)の実施例1とは異なるイミダゾール系硬化剤を使用した点を除いて、実施例1の成分と同様である。また、実施例13の成分は、分子量を変更した実施例1とは異なるヒドロキシフェニル型エポキシ樹脂(数平均分子量約770)を使用した点を除いて、実施例1の成分と同様である。
また、実施例14の成分は、硬化剤としてジシアンジアミドと硬化触媒(f)としてイミダゾール系硬化剤を使用した点を除いて実施例1の成分と同様である。また、実施例15及び16の成分は、実施例1の成分に加えて、さらに硬化触媒(f)を使用した点を除いて、実施例1の成分と同様である。また、実施例17〜22の成分は、導電性物質(a’)として、それぞれ、Cu、Ni、Sn、Au、Pt、又ははんだ(この実施例においては、Sn−3Ag−0.5Cu合金)を添加した点を除いて、実施例1の成分と同様である。
また、比較例については、次の通りである。比較例1の成分は、カーボンが含まれていない点を除いて、実施例1の成分と同様である。また、比較例2及び3の成分は、それぞれ、ウイスカ状粒子を1としたときのフレーク状粒子の質量比が、9以上(具体的には、12)、又は3/7未満(具体的には、0.24)である点を除いて、実施例1の成分と同様である。比較例4の成分は、数平均分子量が800超(具体的には、数平均分子量約1700)のヒドロキシフェニル型エポキシ樹脂が採用されている点を除いて、実施例1の成分と同様である。また、比較例5の成分は、ヒドロキシフェニル型以外のビスフェノールA型のエポキシ樹脂(質量平均分子量は約50000)が採用されている点を除いて、実施例1の成分と同様である。また、比較例6の成分は、ヒドロキシフェニル型以外のビスフェノールA型のエポキシ樹脂(質量平均分子量は約5500)とノボラック型のエポキシ樹脂とが採用されている点を除いて、実施例1の成分と同様である。また、比較例7の成分は、活性開始温度が110℃未満(具体的には、活性開始温度約83℃)の実施例1とは異なるイミダゾール系硬化剤を使用した点を除いて、実施例1の成分と同様である。比較例8の成分は、イミダゾール系硬化剤又はジシアンジアミドとは異なる硬化剤(例えば、フェノール系)を使用した点を除いて、実施例1の成分と同様である。また、比較例9の成分は、混合材料により構成されている層中の、ウイスカ状粒子及びフレーク状粒子の体積率が25%超(具体的には、27%)である点を除いて、実施例1の成分と同様である。
上述の各実施例、及び各比較例について、
(i)混合材料により構成されている層のはんだ付け耐熱性(300℃及び270℃)、
(ii)混合材料により構成されている層の−55℃と155℃との間でのヒートサイクル熱衝撃性、
(iii)160℃及び200℃における混合材料により構成されている層とセラミック基材との界面の接着強度、あるいはニッケルめっき層との接着強度、
(iv)混合材料により構成されている層の体積抵抗率、
及び
(v)混合材料により構成されている層中の空洞(ボイド)の有無、
について評価及び分析を行った。
表1A、表1B、表3A、及び表3Bは、上述の各実施例の各評価及び分析結果である。また、表2及び表4は、上述の各比較例の各評価及び分析結果である。なお、比較例7については、試料を作製した後、短時間で増粘してゲル化したため、各測定及び評価を行うことができなかった。
表1A、表1B、表3A、及び表3Bに示すように、本実施形態の端面電極層を備えることにより、苛酷な環境下であっても高い信頼性を備えるチップ抵抗器100を実現し得る。
なお、上述の実施形態又は各実施例の開示は、その実施形態又は実施例の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、上述の実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
上述の実施形態のチップ状電子部品は、主に電子部品又はその一部として利用され得る。

Claims (9)

  1. 基板と、該基板の端面上に配置された端面電極層とを備え、
    前記端面電極層が、
    導電性物質(a’)(但し、カーボン(a)を該導電性物質(a’)の一種として含む)と、
    前記導電性物質(a’)によって被覆されたウイスカ状粒子(b)と、
    導電性を有するフレーク状粒子(c)と、
    エポキシ樹脂(d)と、を含むとともに、
    前記エポキシ樹脂(d)が、分子量が450以上800未満の4官能ヒドロキシフェニル型のエポキシ樹脂からなる混合材料により構成され、
    前記ウイスカ状粒子(b)を1としたときの前記フレーク状粒子(c)の質量比が、3/7以上9以下であり、
    前記端面電極層における、前記ウイスカ状粒子(b)及び前記フレーク状粒子(c)の体積率が、7%以上25%以下である、
    チップ状電子部品。
  2. 基板と、該基板の端面上に配置された端面電極層とを備え、
    前記端面電極層が、
    導電性物質(a’)(但し、カーボン(a)を該導電性物質(a’)の一種として含む)と、
    前記導電性物質(a’)によって被覆されたウイスカ状粒子(b)と、
    導電性を有するフレーク状粒子(c)と、
    分子量が450以上800未満の4官能ヒドロキシフェニル型のエポキシ樹脂(d)と、
    を含む混合材料により構成され、
    前記ウイスカ状粒子(b)を1としたときの前記フレーク状粒子(c)の質量比が、3/7以上9以下であり、
    前記端面電極層における、前記ウイスカ状粒子(b)及び前記フレーク状粒子(c)の体積率が、7%以上25%以下であり、
    前記端面電極層をSEMにより倍率1500倍で観察したときに、前記端面電極層の0.075mm×0.057mmの無作為に選んだ視野中における、前記ウイスカ状粒子(b)及び前記フレーク状粒子(c)が、前記端面電極層の最表面に露出する面積分率が、30%以上である領域を含む、
    チップ状電子部品。
  3. 前記導電性物質(a’)が、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Pt、及びはんだからなる群から選択される少なくとも1種と、前記カーボン(a)とからなる、
    請求項1又は請求項2に記載のチップ状電子部品。
  4. 硬化剤(e)及び硬化触媒(f)をさらに含む、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のチップ状電子部品。
  5. 前記硬化剤(e)が、活性開始温度が110℃以上のイミダゾール系硬化剤(但し、トリアジン骨格を持つものを除く)、及び/又はジシアンジアミドである、
    請求項4に記載のチップ状電子部品。
  6. 前記端面電極層をSEMにより倍率1500倍で観察したときに、前記端面電極層の0.075mm×0.057mmの無作為に選んだ視野中における、前記ウイスカ状粒子(b)及び前記フレーク状粒子(c)が、前記端面電極層の最表面に露出する面積分率が、30%以上である領域を含む、
    請求項1、又は請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のチップ状電子部品。
  7. 前記端面電極層を断面SEMにより倍率1000倍で観察したときに、前記端面電極層の0.125mm×0.034mmの無作為に選んだ視野中における、前記端面電極層の最表面に露出する前記ウイスカ状粒子(b)及び前記フレーク状粒子(c)と、前記チップ状電子部品が備えるめっき層とが接する間隔が、10μm以下である領域を含む、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のチップ状電子部品。
  8. −55℃以上155℃以下の温度範囲において、前記端面電極層の貯蔵弾性率が、10Pa以上1010Pa以下である、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のチップ状電子部品。
  9. 前記端面電極層の樹脂換算における1質量%減少温度が、250℃以上である、
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のチップ状電子部品。
JP2019518005A 2017-12-25 2018-12-18 チップ状電子部品 Active JP6601648B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017247249 2017-12-25
JP2017247249 2017-12-25
PCT/JP2018/046661 WO2019131352A1 (ja) 2017-12-25 2018-12-18 チップ状電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6601648B1 true JP6601648B1 (ja) 2019-11-06
JPWO2019131352A1 JPWO2019131352A1 (ja) 2020-01-16

Family

ID=67067363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019518005A Active JP6601648B1 (ja) 2017-12-25 2018-12-18 チップ状電子部品

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11081263B2 (ja)
JP (1) JP6601648B1 (ja)
CN (1) CN110199362B (ja)
TW (1) TWI770338B (ja)
WO (1) WO2019131352A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020013908A (ja) * 2018-07-18 2020-01-23 住友電工デバイス・イノベーション株式会社 電子部品の実装構造
WO2023112667A1 (ja) * 2021-12-13 2023-06-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 電子部品

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04257211A (ja) 1991-02-08 1992-09-11 Murata Mfg Co Ltd チップ型電子部品
JP3955805B2 (ja) 2002-09-13 2007-08-08 ペルノックス株式会社 導電性ペースト組成物
US7794628B2 (en) * 2005-09-15 2010-09-14 Panasonic Corporation Chip-shaped electronic component
JP2007234828A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Tdk Corp 電子部品及びその製造方法
JP5204623B2 (ja) * 2008-10-31 2013-06-05 ナミックス株式会社 外部電極用導電性ペースト、及びそれを用いて形成した外部電極を備えた積層セラミック電子部品
JP5705123B2 (ja) * 2009-10-21 2015-04-22 国立大学法人京都大学 ポリマー複合微粒子を用いた高分子固体電解質を用いた電気化学デバイス
JP5732884B2 (ja) * 2011-02-09 2015-06-10 富士通株式会社 半導体装置及びその製造方法、電源装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN110199362A (zh) 2019-09-03
US11081263B2 (en) 2021-08-03
US20200126695A1 (en) 2020-04-23
JPWO2019131352A1 (ja) 2020-01-16
TWI770338B (zh) 2022-07-11
WO2019131352A1 (ja) 2019-07-04
TW201930428A (zh) 2019-08-01
CN110199362B (zh) 2021-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101225497B1 (ko) 도전성 접착제와 그 제조 방법 및 이를 포함하는 전자 장치
US8222751B2 (en) Electroconductive bonding material and electronic apparatus
KR101807876B1 (ko) 외부 전극용 도전성 페이스트, 및 그것을 이용하여 형성한 외부 전극을 구비한 적층 세라믹 전자 부품
JPWO2011114747A1 (ja) 導電接続部材
EP3144939B1 (en) Conductive paste and multilayer substrate using same
TW201011088A (en) Conductive adhesive and LED substrate using it
JP6203783B2 (ja) 導電性接着剤および電子基板の製造方法
JP6601648B1 (ja) チップ状電子部品
WO2014051149A1 (ja) 導電性接着剤
KR102114802B1 (ko) 이방성 도전 필름, 접속 방법 및 접합체
CN109509569B (zh) 电极的连接方法及电子基板的制造方法
KR20120004967A (ko) 도전성 미립자, 이방성 도전 재료, 및 접속 구조체
JP2012142223A (ja) 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体
JP5584615B2 (ja) 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体
EP2309830B1 (en) Plating film, printed wiring board, and module substrate
JP5850621B2 (ja) 異方性導電ペースト、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP5522390B2 (ja) 導電性ペースト組成物および導電接着方法
JP2009024149A (ja) 接着剤及び接合体
JP3540830B2 (ja) 接着性組成物
JP2001107020A (ja) 導電性接着剤
JP2017069027A (ja) 導電性ペースト、電子部品及び積層セラミックコンデンサ
JP5573557B2 (ja) 接合方法及び接合体
JP2009049308A (ja) 電子部品の実装構造
JP2002270641A (ja) ベアチップ用異方導電性フィルム
JP2001298248A (ja) 金属ベース回路基板およびそれを用いたモジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190402

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190402

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6601648

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250