JP5522390B2 - 導電性ペースト組成物および導電接着方法 - Google Patents

導電性ペースト組成物および導電接着方法 Download PDF

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本発明は、導電性ペースト組成物および導電接着方法に関する。
プリント回路基板や蓄電デバイスの金属配線接続において、安価で生産性が良好な導電性ペースト組成物を用いる接続方法が普及している。具体的には、導電性ペースト組成物を金属配線に塗布して別の端子と接着し加熱する接続方法がある。このような導電性ペースト組成物は、エポキシ樹脂や、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂をバインダー樹脂として用い、このバインダー樹脂を有機溶剤に溶解させるとともに、これに銀粉、銅粉等の導電性粉体を分散させて、ペースト状にしたものである(例えば特許文献1など)。
導電性粉体として銀粉を用いた導電性ペースト組成物は、銅配線を低抵抗で接着することができるため広く用いられている。しかしながら、アルミニウム配線をこのようなペースト組成物により接続する場合、アルミニウム配線の表面が酸化して絶縁膜が形成されているため、導電性が不十分となる場合があった。このため、ペースト組成物にアルミニウムと合金化する金属を添加し、当該接着部へ金属を拡散させて合金化することにより酸化皮膜を除去し、低抵抗化することで接続を行う方法が提案されている(例えば特許文献2)。しかしながら、この方法では接合部を500℃程度に加熱する必要があるため適応範囲が限定され、しかも接合部周辺のアルミ配線が合金化により脆くなるなどの問題があった。
ペースト組成物を用いずにアルミニウム配線を低抵抗で接着する方法としては、例えば接着面へ超音波を照射して溶着させる超音波溶接法や、接合部に大電流を流すことによって生ずる抵抗熱で接合部を加熱し同時に大きな圧力を与えて金属を溶接する抵抗溶接法などが一般的に利用されている。しかしながら、このような方法は複数の端子を同時に一括して接続することが困難であるうえに、電子部品の種類によっては使用できず、さらに、専用の高価な装置を用いる必要がある。このためアルミニウムを低抵抗で接着する方法として、超音波溶接法や抵抗溶接法程度の導電性を確保することのできる、簡便な方法の開発が要求されていた。
特開平11−66955号公報 特開平8−153415号公報
本発明は、上記問題に鑑み、低抵抗なアルミ配線接着を達成することのできる導電性ペースト組成物およびそれを用いたアルミニウム配線の導電接着方法を提供することを目的の一つとする。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかる導電性ペースト組成物の一態様は、
アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、
導電性を有する第1粒子と、
前記第1粒子を構成する材料よりも硬度が大きい材料で構成された第2粒子と、
硬化性化合物と、
を含有することを特徴とする。
本適用例の導電性ペースト組成物によれば、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。
[適用例2]
本発明にかかる導電性ペースト組成物の一態様は、
アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、
導電性を有する第1粒子と、
前記第1粒子の平均一次粒子径よりも大きい平均一次粒子径を有する第3粒子と、
硬化性化合物と、
を含有することを特徴とする。
本適用例の導電性ペースト組成物によれば、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記第1粒子の材質が、銀、銅、金、鉛、すず、プラチナ、パラジウム、アルミニウム、インジウム、ビスマス、アンチモン、カーボンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、
前記第2粒子または前記第3粒子の材質が、ニッケル、コバルト、鉄、ロジウム、タングステン、チタン、クロム、モリブデン、ロジウム、イリジウムからなる群から選択される少なくとも一種を含有することができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、
前記第2粒子または前記第3粒子の材質が、ダイヤモンド、金属炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属酸化窒化物からなる群から選択される少なくとも一種を含有することができる。
[適用例6]
本発明にかかる導電接着方法の一態様は、
表面にアルミニウムが配置された第1導電部材の当該表面に、適用例1ないし適用例5のいずれか一例に記載の導電性ペースト組成物を塗布する工程と、
第2導電部材を、前記導電性ペースト組成物を介して、前記第1導電部材の前記表面に対向させて配置する工程と、
前記第1導電部材および前記第2導電部材が接近するように外力を印加する工程と、
を備えることを特徴とする。
本適用例の導電接着方法によれば、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。
本発明にかかるアルミニウム接着用導電性ペースト組成物によれば、低抵抗なアルミ配線の導電性接着が達成できる。また、本発明にかかる導電接着方法によれば、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。さらに、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1.1.導電性ペースト組成物
本実施形態の導電性ペースト組成物は、アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、第1粒子と、第2粒子と、硬化性化合物と、を含有する。
1.1.1.第1粒子
本実施形態の導電性ペースト組成物に含有される第1粒子は、導電性を有する。第1粒子は、導電性ペースト組成物に粉体として配合される。以下、本明細書では、第1粒子からなる粉体のことを第1粉体と称することがある。また、本明細書において「第1粒子の平均一次粒子径」という場合は、「第1粉体における第1粒子の一次粒子の平均粒子径」のことを指すものとし、「第1粒子の粒子径」という場合は、「第1粒子の一次粒子の粒子径」のことを指すものとする。
第1粒子としては、導電性を有する材質で構成されるかぎり限定されず、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、鉛(Pb)、すず(Sn)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの金属またはカーボン、およびこれらの金属の合金を含む粒子を挙げることができる。また、第1粒子は、従来の導電性ペースト組成物において使用されているものを用いてもよい。第1粒子の材質としては、上記例示した金属等の中でも、最も電気抵抗が小さく、熱伝導率の高いAgを含有することが特に好ましい。
第1粒子の一次粒子の形状としては、特に制限されるものではないが、具体的には、球状、粒状、板状、鱗片状、ウイスカー状、棒状、フィラメント状、フレーク状等が挙げられる。また、第1粉体における第1粒子の形状は前記のいずれか一種である必要はなく、2種以上の異なる形状が含まれていてもよい。第1粒子の一次粒子の形状としては、加熱硬化後の導電性がより良好となることから、鱗片状であることがより好ましい。
第1粒子は、第1粉体中で、あるいは、導電性ペースト組成物中で、単独粒子として存在していても良いし、凝集粒子(例えば、二次粒子)の形態で存在していてもよい。
第1粒子の一次粒子の粒子径は、特に限定されないが、例えば、0.01μm〜30μmであることが好ましい。また、第1粒子の一次粒子の粒子径は、導電性ペースト組成物が硬化したときに、より高い密度で第1粒子が充填された状態を形成することができ、導電性ペースト組成物の導電性を向上させることができる観点から、0.05μm〜20μmであることがより好ましい。
また、第1粒子の平均一次粒子径(第1粉体における第1粒子の一次粒子の平均粒子径)は、メジアン径(中位径)(d50)として、0.1μm〜10μmであることが好ましい。ここで、メジアン径(d50)とは、質量または個数基準の粒径加積曲線において、縦軸を規格化(測定された粒子の総質量または総個数を1と)したときに、縦軸の値が50%(0.50)となるときの、横軸の値すなわち粒子の直径のことをいう。
第1粒子の平均一次粒子径を求めるための粒径加積曲線は、例えば、電子顕微鏡法(透過型または走査型)によって測定することができる。この方法は、電子顕微鏡写真から個々の第1粒子の一次粒子の大きさを計測するもので、当該写真を、例えば画像処理して計測することにより、第1粉体における第1粒子の粒径加積曲線を求めることができる。より具体的には、例えば、個々の粒子の短軸径と長軸径を計測し、その面積と等しい円の直径(円相当直径)を算術的に求める。そして、一定の視野から例えば50個以上の粒子をランダムに選択してそれぞれの粒子径を求める方法が挙げられる。また、この方法は、試料が粉体の状態であっても、ペースト組成物中に分散された状態であっても適宜に切断面等を観察することにより適用することができる。さらに、ペースト組成物中に第1粒子以外の粒子(例えば第2粒子)が含有されている場合でも、電子顕微鏡画像上で、粒子を選別するか、EDX分析などのマッピング等により、粒子を選別することができるため、目的の粒子の粒径加積曲線を求めることができる。また、この測定における信頼性を高めたい場合には、計測する粒子の個数を増して求めるとよい。
上記は、第1粒子の平均一次粒子径を求めるための粒径加積曲線を求める手法の一例であるが、これと物理的あるいは統計的に等価の値を得られる測定方法であれば、粒径加積曲線を求める手法は特に限定されない。
本実施形態の導電性ペースト組成物には、複数種の第1粒子(第1粉体)を含有させてもよい。すなわち第1粒子の粒子径は、均一である必要はなく、異なる粒子径を有する第1粒子を混合して使用することもできる。具体的には、平均一次粒子径が、10〜30μmの第1粒子と、平均一次粒子径が0.1〜10μmの第1粒子とを混合使用することができる。この場合は、第1粉体における第1粒子の平均一次粒子径は、いわゆる二山分布となりうるが、このような場合でも、第1粒子の平均一次粒子径(d50)を規定することが可能である。
このように粒子径が異なる複数の第1粒子を使用すると、導電性ペースト組成物において、粒子径の大きい第1粒子の間に、粒子径が小さい第1粒子が入り込むように配置させることができる。その結果、導電性ペースト組成物中で、より高密度で第1粒子を充填することができるためさらに好ましい。
第1粒子の比表面積は、第1粉体を測定した統計的な値として、好ましくは1.5〜5.0m/gであり、さらに好ましくは1.5〜4.0m/gである。第1粒子の比表面積が前記範囲であると、導電性ペースト組成物を用いて接続されたアルミ配線の導電性をさらに向上させることができる。また、第1粒子の比表面積が前記範囲であると、導電性ペースト組成物中で第1粒子の凝集を抑制することができ、安定した分散状態を得ることができる。なお、ここでいう比表面積とは、例えば、導電性ペースト組成物に含有される第1粒子(第1粉体)のBET法により求められる平均値とすることができる。
第1粒子の機能の一つとしては、導電性ペースト組成物に導電性を付与し、アルミニウムと他の導電部材との間を電気的に導通させることが挙げられる。
第1粒子の含有量としては特に限定されず、得られる導電性ペースト組成物全体量100質量%に対して第1粒子が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
1.1.2.第2粒子
本実施形態の導電性ペースト組成物に含有される第2粒子は、導電性ペースト組成物に粉体として配合される。以下、本明細書では、第2粒子からなる粉体のことを第2粉体と称することがある。また、本明細書において「第2粒子の平均一次粒子径」という場合は、「第2粉体における第2粒子の一次粒子の平均粒子径」のことを指すものとし、「第2粒子の粒子径」という場合は、「第2粒子の一次粒子の粒子径」のことを指すものとする。なお、第2粒子は、導電性を有しても有さなくてもよい。
第2粒子は、上述の第1粒子を構成する材料よりも硬度が大きい材料で構成される。したがって、第2粒子は、配合される第1粒子とは異なる材質を含有する。第2粒子の材質としては、特に限定されず、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、タングステン(Ta)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)などの金属、およびこれらの合金を挙げることができる。また、第2粒子の材質としては、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの金属炭化物、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)などの金属酸化物、窒化ケイ素などの金属窒化物、および酸化窒化ケイ素などの金属酸化窒化物からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。さらに、第2粒子としては、各種の焼結体(セラミックス)の粉体であってもよい。また、本実施形態の導電性ペースト組成物には、異なる材質の複数種の第2粒子(第2粉体)を含有させてもよい。
第2粒子の機能の一つとしては、アルミニウムの表面に形成される自然酸化膜(酸化アルミニウムなどの薄膜)を破壊し、酸化されていないアルミニウム面を露出させることが挙げられる。これにより、アルミニウムと第1粒子との間の導電性を向上させることができる。このため、第2粒子は、原理的には、アルミニウム表面に形成される自然酸化膜を破壊する程度の硬度を有する材料により構成されていることがより好ましい。ただし、第2粒子は、アルミニウム表面に形成される自然酸化膜よりも硬度が小さくても、自然酸化膜の厚みや密度によっては、これを破壊することができるため、自然酸化膜よりも硬度の小さい材料で構成されてもよい。
第2粒子の粒子径は、特に限定されないが、例えば、0.5μm〜150μmであることができる。また、第2粒子の粒子径は、1μm〜100μmであると、アルミニウム表面に形成される自然酸化膜を破壊しやすく、より導電性ペースト組成物によって形成される導電接続の導電性を向上させることができるためより好ましい。
第2粒子の含有量としては特に限定されず、得られる導電性ペースト組成物全体量100質量%に対して第2粒子が5質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
1.1.3.材料の硬度
本実施形態において、第1粒子を構成する材料の硬度、および第2粒子を構成する材料の硬度は、JIS規格Z2244「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準拠した方法で測定することにより評価することができる。なお、第1粒子や第2粒子の粉末の硬度を直接的に測定する必要はなく、それぞれの粒子と同種の材料を例えば薄膜状にした試験片を上記JIS規格に準拠した方法で測定することにより硬度を評価、測定することができる。
代表的な材料のビッカース硬度(Hv)は、
銀(Ag):26
銅(Cu):46
金(Au):26
鉛(Pb):5
すず(Sn):30
プラチナ(Pt):41
パラジウム(Pd):41
アルミニウム(Al):25
インジウム(In):3
ニッケル(Ni):96
コバルト(Co):124
鉄(Fe):110
ロジウム(Rh):101
タングステン(W):350
チタン(Ti):120
クロム(Cr):400
モリブデン(Mo):147
ロジウム(Rh):101
イリジウム(Ir):220
ダイヤモンド:10000
アルミナ(酸化アルミニウム):1800
ジルコニア(酸化ジルコニウム):1280
シリカ(酸化ケイ素):1200
などである。
本実施形態の導電性ペースト組成物では、第1粒子を構成する材料よりもビッカース硬度の大きい材料が第2粒子を構成する材料として選択される。
1.1.4.硬化性化合物
本実施形態の導電性ペースト組成物に含有される硬化性化合物としては、硬化性(反応等により流動性が低下する性質)を有するかぎり特に限定されない。硬化性化合物の一例としては、熱硬化性を有する化合物が挙げられ、熱硬化により高分子化する化合物が挙げられる。熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、フェノール化合物、メラミン化合物、尿素化合物、グアナミン化合物、不飽和ポリエステル化合物、アミノ−アルキド系化合物、シリコーン系化合物等が挙げられ、これらの化合物は熱硬化されることにより、それぞれエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ−アルキド系樹脂、シリコーン系樹脂等と称される重合体を形成することができる。また、本実施形態の導電性ペースト組成物に含有される硬化性化合物としては、各種のペースト組成物において従来から使用されているものを用いてもよい。
硬化性化合物は、一種単独または二種以上を組合わせて用いてもよい。硬化性化合物として熱硬化性樹脂を採用する場合には、上記例示した化合物のうち、耐熱性や機械的特性がより優れていることから、エポキシ化合物を用いることが特に好ましい。エポキシ化合物の具体例としては、例えば、硬化されたときに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などを生成する類のエポキシ化合物を挙げることができる。
硬化性化合物として熱硬化性化合物を用いる場合には、上記例示したうち、室温(25℃)ないし200℃の範囲の温度に加熱することにより、10分〜24時間の時間範囲で硬化するものが好ましい。熱硬化性化合物は、さらに好ましくは、100℃〜180℃の範囲の温度に加熱することにより、20分〜12時間の時間範囲で硬化するものがよい。このような条件を満たす熱硬化性化合物を用いると、生産性が向上するとともに、アルミニウムまたは他の導電部材を有する基板等に対する加熱の影響を少なくすることができる。なお、熱硬化性化合物の加熱温度や硬化に要する時間は、熱硬化性化合物の種類の選定により調節できるが、その他にも、例えば、重合開始剤を添加し、当該重合開始剤の種類を適宜に選定することによって調節することができる。
硬化性化合物の添加量としては、例えば、導電性ペースト組成物100質量%に対して、5〜20質量%の範囲の値とすることが好ましい。硬化性化合物の添加量が前記範囲であると、接着性を向上させることができる。また、硬化性化合物の添加量が前記範囲であると、導電性ペースト組成物の硬化後の導電性の低下を抑制することができる。
1.1.5.その他の成分
1.1.5.1.溶剤
本実施形態の導電性ペースト組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、導電性ペーストに組成物において従来から使用されているものであれば、特にその種類は制限されるものではない。溶剤としては、第1粒子および第2粒子の少なくとも一方との親和性が良好であるものを選択することがより好ましい。これにより、導電性ペースト組成物に適度な粘性を付与することができ、乾燥されることによって容易に蒸発除去することができる。
本実施形態の導電性ペースト組成物に含有されうる溶剤としては、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系の有機溶剤を挙げることができる。このような溶剤の具体例としては、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸−n−プロピル、乳酸−n−ブチル、乳酸イソプロピルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類などを例示することができる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
導電性ペースト組成物に溶剤を含有させる場合、その含有量は限定されず、例えば、導電性ペースト組成物の固形分の全体量を100質量%としたときに、1〜90質量%とすることができる。導電性ペースト組成物に溶剤を配合することにより、例えば、膜形成性(流動性や可塑性)をより良好にすることができる。また、溶剤の使用量が前記範囲であると、導電性ペースト組成物を塗布した場合の乾燥も容易に行うことができる。溶剤の使用量は、導電性ペースト組成物の固形分の全体量を100質量%としたときに、1〜80質量%とすることがより好ましく、2〜50質量%とすることがさらに好ましい。
1.1.5.2.その他添加剤
本実施形態の導電性ペースト組成物には、上記の他にも添加剤を含有させることができる。添加剤の種類としては、制限されるものではないが、例えば、可塑剤、現像促進剤、接着助剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、架橋剤、光重合開始剤、光酸発生剤、熱重合開始剤、熱酸発生剤などの各種添加剤を例示することができる。また、添加剤としては、各種のペースト組成物において従来から使用されているものを制限無く用いることができる。
1.1.6.導電性ペースト組成物の製造方法
本実施形態の導電性ペースト組成物は、一例として、第1粒子(第1粉体)と硬化性化合物とを含有する組成物へ、第2粒子(第2粉体)を添加することにより製造することができる。第1粒子(第1粉体)と硬化性化合物とを含有する組成物としては、例えば、ドータイト(藤倉化成株式会社製)や3300シリーズ(株式会社スリーボンド製)等の市販の製品を使用してもよい。
1.1.7.作用効果等
本実施形態にかかる導電性ペースト組成物は、導電性を有する第1粒子と、第1粒子を構成する材料よりも硬度の大きい材料で構成された第2粒子とを含む。そのため、本実施形態にかかる導電性ペースト組成物によれば、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。すなわち、本実施形態にかかる導電性ペースト組成物によれば、第1粒子を構成する材料よりも硬度の大きい材料で構成された第2粒子によって、アルミニウムの表面に存在する酸化膜を破壊し、アルミニウムの金属を露出させることができる。そして、導電性を有する第1粒子と、アルミニウムの金属とを電気的に接触させることができるため、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。なお、本実施形態の導電性ペースト組成物によれば、例えばアルミニウムの表面の酸化膜等を除去するための工程などを要さず、また、溶接機などの特殊な装置を用いることなく、容易に良好な導電接着を行うことができる。
1.2.導電接着方法
本実施形態の導電接着方法は、アルミニウムを表面に有する第1導電部材と、導電性を有する第2導電部材とを、互いに導電性を有するように接着する方法である。本実施形態の導電接着方法は、表面にアルミニウムが配置された第1導電部材の当該表面に上述の導電性ペースト組成物を塗布する工程と、第2導電部材を、導電性ペースト組成物を介して、第1導電部材の表面に対向させて配置する工程と、第1導電部材および第2導電部材が接近するように外力を印加する工程と、を含む。
1.2.1.第1導電部材
第1導電部材は、アルミニウムによって表面の少なくとも一部が形成された部材である。第1導電部材は、例えば、蓄電デバイスにおける電極または端子、あるいは、チップや回路基板等に形成された各種の端子であることができる。第1導電部材の形状は、特に制限されないが、後述する第2導電部材と対向させる面は、平坦であることが好ましい。第1導電部材の第2導電部材と対向させる面(本実施形態の導電接着方法によって接着を行う部位)にはアルミニウムによって形成された表面を有する。
第1導電部材のアルミニウムによって形成された表面は、例えば大気に曝されると、酸化アルミニウムを主成分とする自然酸化膜と称する被膜が形成される。ここで、本明細書において、「アルミニウムによって形成された表面」との表現は、自然酸化膜が形成されていない表面と、自然酸化膜が形成された状態の表面との両者を含んで表現しているものとする。第1導電部材のアルミニウムによって形成された表面に存在する自然酸化膜は、アルミニウム金属に比較して導電性が小さい。
1.2.2.第2導電部材
第2導電部材は、導電性を有する。第2導電部材は、例えば、蓄電デバイスにおける電極または端子、あるいは、チップや回路基板などに形成された各種の端子であることができる。第2導電部材の材質は特に限定されない。第2導電部材の材質としては、例えば、銅、金、タングステン、白金などが挙げられる。さらに、第2導電部材は、アルミニウムで形成されていてもよい。第2導電部材の形状は、特に制限されないが、第1導電部材と対向させる面は、平坦であることが好ましい。
1.2.3.導電性ペースト組成物を塗布する工程
本実施形態の導電接着方法において、表面にアルミニウムが配置された第1導電部材の当該表面に上述の導電性ペースト組成物を塗布する工程は、例えば、ディスペンサー法、印刷法、インクジェット法、刷毛等による塗布など、公知の方法で行うことができる。
1.2.4.第1導電部材の表面に対向させて第2導電部材を配置する工程
本実施形態の導電接着方法において、第2導電部材を、導電性ペースト組成物を介して、第1導電部材の表面に対向させて配置する工程は、例えば、治具等を用いて徒手によって行ってもよいし、実装装置などを用いて行ってもよい。本工程により、第1導電部材のアルミニウムによって形成された表面と、第2導電部材の接着面とが対向するように配置される。これにより、第1導電部材および第2導電部材の間に、導電性ペースト組成物が配置される。なお、導電性ペースト組成物が塗布された第1導電部材を、第2導電部材に対して対向するように操作、配置してもよい。
1.2.5.外力を印加する工程
次に、第1導電部材および第2導電部材が接近するように外力を印加する。外力の印加方法としては特に制限はなく、例えば、治具等を用いて徒手によって印加してもよいし、実装装置などを用いて印加してもよい。
外力の大きさとしては、第1導電部材および第2導電部材の間に配置された導電性ペースト組成物に圧力が印加されれば十分である。外力の大きさとしては、例えば、1g/cmないし100g/cmの圧力が導電性ペースト組成物に印加される程度とすることができる。また、本工程では、第1導電部材および第2導電部材の位置が接近しなくても、外力の印加方向が両者を接近させる方向にとなっていればよい。さらに、本工程では、外力は一定の大きさで印加されてもよいし、外力の大きさが振動する態様で印加されてもよい。
また、外力は、第1導電部材および第2導電部材を擦り合わせる方向の成分を有してもよい。この場合も外力は一定の大きさで印加されてもよいし、擦り合わせる面内で揺動する態様で印加されてもよい。このようにすれば、第1導電部材のアルミニウムの表面の酸化膜等を擦過することができるため、第1導電部材および第2導電部材を、より低抵抗に接着させることができる。
1.2.6.作用効果等
本実施形態の導電接着方法によれば、アルミニウムを表面に有する第1導電部材と、導電性を有する第2導電部材とを、良好な導電性を付与して接着することができ、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。すなわち、本実施形態にかかる導電接着方法によれば、上述の導電性ペースト組成物を使用するため、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。なお、本実施形態の導電接着方法によれば、例えばアルミニウムの表面の酸化物等を除去する工程などの、他の工程を付加することなく、また、溶接機などの特殊な装置を用いることなく、良好な導電性を有する接着を行うことができる。なお、本実施形態の導電接着方法は、第2導電部材の第1導電部材と対向する表面にアルミニウムの表面が形成されていても、第2導電部材に対しても上記第1導電部材に対する効果と同様の効果を得ることができる。
2.第2実施形態
2.1.導電性ペースト組成物
本実施形態の導電性ペースト組成物は、アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、第1粒子と、第3粒子と、硬化性化合物と、を含有する。
本実施形態の導電性ペースト組成物に含有される第1粒子、硬化性化合物およびその他の化合物は、第1実施形態の「1.1.1.第1粒子」、「1.1.3.硬化性化合物」および「1.1.4.その他の成分」の項で述べたと同様であるため、詳細な説明を省略する。
2.1.1.第3粒子
本実施形態の導電性ペースト組成物に含有される第3粒子は、導電性ペースト組成物に粉体として配合される。以下、本明細書では、第3粒子からなる粉体のことを第3粉体と称することがある。また、本明細書において「第3粒子の平均一次粒子径」という場合は、「第3粉体における第3粒子の一次粒子の平均粒子径」のことを指すものとし、「第3粒子の粒子径」という場合は、「第3粒子の一次粒子の粒子径」のことを指すものとする。なお、第3粒子は、導電性を有しても有さなくてもよい。
第3粒子の材質は、特に限定されず、第1粒子と同じ材質であっても、異なる材質であってもよい。第3粒子の材質の具体例としては、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、鉛(Pb)、すず(Sn)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、タングステン(Ta)、チタン(Ti)、クロム(Cr)などの金属、およびこれらの金属の合金、もしくは、カーボン(C)を挙げることができる。また、第3粒子の材質としては、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの金属炭化物、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、窒化ケイ素などの金属窒化物、および酸化窒化ケイ素などの金属酸化窒化物からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。さらに、第3粒子としては、各種の焼結体(セラミックス)の粉体であってもよい。第3粒子の材質は、硬度が大きいほど好ましく、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、タングステン(Ta)、チタン(Ti)、クロム(Cr)などの金属、およびこれらの合金、並びに、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの金属炭化物、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、窒化ケイ素などの金属窒化物、および酸化窒化ケイ素などの金属酸化窒化物からなる群より選択される少なくとも一種とすることが好ましい。なお、第3粒子の硬度に関しては、第1実施形態の「1.1.2.第2粒子」で述べたと同様に評価することができる。また、本実施形態の導電性ペースト組成物には、異なる材質の複数種の第3粒子(第3粉体)を含有させてもよい。
第3粒子の機能の一つとしては、アルミニウムの表面に形成される自然酸化膜(酸化アルミニウムなどの薄膜)を破壊し、酸化されていないアルミニウム面を露出させることが挙げられる。これにより、アルミニウムと第1粒子との間の導電性を向上させることができ、その結果、本願発明の導電性ペースト組成物を使用してアルミニウムの導電接着が可能となる。第3粒子は、原理的には、接着工程で加圧する際に、第1粒子よりも大きな圧力でアルミニウム表面に形成される自然酸化膜に接触できる。したがって、本実施形態の導電性ペースト組成物において、第3粒子は、平均一次粒子径が第1粒子の平均一次粒子径よりも大きいものが選択される。
例えば、第1粒子の平均一次粒子径が、0.5μmである場合には、第3粒子の平均一次粒子径が、1μm〜100μmの範囲の第3粒子が選択される。第3粒子の平均一次粒子径がこのように選択されると、接着対象であるアルミニウム表面の酸化皮膜の破壊を効果的に行うことができ、低抵抗の導電接続を形成することができる。また、第3粒子の粒子径は、均一である必要はなく、異なる粒子径を有する第3粒子を混合して使用することもできる。
第3粒子の含有量としては特に限定されず、得られる導電性ペースト組成物全体量100質量%に対して第2粒子が5質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
2.1.2.作用効果等
本実施形態にかかる導電性ペースト組成物は、導電性を有する第1粒子と、第1粒子の平均一次粒子径よりも大きい平均一次粒子径を有する第3粒子とを含む。そのため、本実施形態にかかる導電性ペースト組成物によれば、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。すなわち、本実施形態にかかる導電性ペースト組成物によれば、第1粒子の平均一次粒子径よりも大きい平均一次粒子径を有する第3粒子によって、アルミニウムの表面に存在する酸化膜を破壊してアルミニウムの金属を露出させることができる。そして、導電性を有する第1粒子と、アルミニウムの金属とを電気的に接触させることができるため、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。なお、本実施形態の導電性ペースト組成物によれば、例えばアルミニウムの表面の酸化物等を除去する工程などの、他の工程を付加することなく、また、溶接機などの特殊な装置を用いることなく、良好な導電性を有する接着を行うことができる。
2.2.導電接着方法
本実施形態の導電接着方法は、第1実施形態で述べた「1.2.導電接着方法」と同様である。すなわち、本実施形態の導電接着方法は、アルミニウムを表面に有する第1導電部材と、導電性を有する第2導電部材とを、導電性を有するように接着する方法である。本実施形態の導電接着方法は、表面にアルミニウムが配置された第1導電部材の当該表面に上述の導電性ペースト組成物を塗布する工程と、第2導電部材を、導電性ペースト組成物を介して、第1導電部材の表面に対向させて配置する工程と、第1導電部材および第2導電部材が接近するように外力を印加する工程と、を含む。
本実施形態の導電接着方法によれば、アルミニウムを表面に有する第1導電部材と、導電性を有する第2導電部材とを、良好な導電性を付与して接着することができ、低抵抗なアルミ配線接着を達成することができる。
3.実施例および比較例
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。また、実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
3.1.導電性ペースト組成物の作製
[実施例1〜6]
藤倉化成株式会社製の市販ペースト組成物であるドータイトFA−333(第1粒子=Ag、硬化性化合物=ポリエステル化合物)70質量部へ、第2粒子あるいは第3粒子として表に示す平均一次粒子径を有するNi粒子を30質量部添加し、攪拌して本願発明の導電性ペースト組成物を作製した。
なお、平均一次粒子径40μmのNi粒子はシェリット・インターナショナル社より市販されている粒子を、平均一次粒子径13μmあるいは9μmのNi粒子は、ヴァーレ・インコ・ジャパン株式会社より市販されている粒子を、平均一次粒子径16μmのタングステン粒子は日本タングステン株式会社より市販されている粒子を、平均一次粒子径80μmのアルミナ粒子は日本軽金属株式会社より市販されている粒子を、平均一次粒子径10μmのシリカ粒子は扶桑化学株式会社より市販されている粒子を、それぞれ使用した。
[実施例7]
田中貴金属製のペースト組成物(第1粒子=Au、硬化性化合物=ポリエステル化合物)を使用した以外は実施例1〜6と同様に導電性ペースト組成物を作製した。
[実施例8]
田中貴金属製のペースト組成物(第1粒子=パラジウム、硬化性化合物=ポリエステル化合物)を使用した以外は実施例1〜6と同様に導電性ペースト組成物を作製した。
[実施例9〜11]
市販のペースト組成物であるドータイトXA−874(藤倉化成株式会社製、第1粒子=Ag、硬化性化合物=エポキシ化合物)を使用した以外は実施例1〜3と同様に導電性ペースト組成物を作製した。
[比較例1〜4]
第2粒子および第3粒子をいずれも添加しないこと以外は実施例と同様に市販のペースト組成物を使用した。
3.2.導電性の測定
導電性ペースト組成物を幅6mm長さ30mm厚み0.03mmのアルミニウム箔の端部の幅6mm長さ1.5mmに厚み50μmの薄膜となるように塗布した後、同じ形状の別のアルミニウム箔の端部の幅6mm長さ1.5mmを重ねて、接着部を別の厚み2mmのアルミニウム板で挟み込み接着部を20g/cmで加圧した。これを実施例1は120℃で10分、実施例2〜5は150℃で30分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がった後、加圧して挟み込んだアルミニウム板を外し、導電性ペースト組成物を塗布して接着した二枚のアルミ箔の端をそれぞれ導電性測定器(4点法:HP4338A、ヒューレッドパッカード社製)に接続し、電気抵抗率を測定した。
なお、銀、金、およびパラジウムの電気抵抗率は、それぞれ、1.6×10−8Ωm、2.2×10−8Ωm、および9.9×10−8Ωmである。
3.3.他の方法によるアルミニウム接着
3.3.1.超音波溶接法[実験例1]
2枚のアルミニウム箔の端部を重ねて超音波溶接機(2000ea、ブランソン社製)を用いて超音波溶接を行い、接着した2枚のアルミ箔の端をそれぞれ導電性測定器(4点法:HP4338A、ヒューレッドパッカード社製)に接続し、電気抵抗率を測定した。その結果、電気抵抗率は、2.8×10−8Ωmであった。
3.3.2.抵抗溶接法[実験例2]
2枚のアルミニウム箔の端部を重ねて抵抗溶接機(NBW−08、ナグシステム社製)を用いて抵抗溶接を行い、接着した2枚のアルミ箔の端をそれぞれ導電性測定器(4点法:HP4338A、ヒューレッドパッカード社製)に接続し、電気抵抗率を測定した。その結果、電気抵抗率は、2.7×10−8Ωmであった。
3.4.評価結果
実施例、比較例および実験例の結果をまとめて表1に示した。
Figure 0005522390
表1より、実施例1〜7、9〜11の導電性ペースト組成物は、いずれも超音波溶接(実験例1)および抵抗溶接(実験例2)と比較して同オーダーの電気抵抗率を示すことがわかる。また、実施例8の導電性ペースト組成物についても、超音波溶接(実験例1)および抵抗溶接(実験例2)と比較して遜色のない電気抵抗率を示した。
このことから、超音波溶接法や抵抗溶接法で必要となる特殊な装置を必要とせず、導電性組成物の塗布する簡便な方法により、小さい抵抗率のアルミニウム接着を行うことができることが判明した。
また、実施例1〜6および9〜11の導電性ペースト組成物は、それぞれ同じ第1粒子を用いた比較例1および2のペースト組成物に対して、1〜2桁小さい電気抵抗率を示し、また、実施例7および8の導電性ペースト組成物は、それぞれ同じ第1粒子を用いた比較例3および4のペースト組成物に対して、1〜2桁小さい電気抵抗率を示した。すなわち、第2粒子または第3粒子が添加された実施例の導電性ペースト組成物は、第2粒子および第3粒子のいずれもが添加されていない比較例のペースト組成物よりも、桁違いに小さい電気抵抗率を示すことがわかった。
さらに、実施例5および6の導電性ペースト組成物は、比較対象となる比較例1のペースト組成物と比較して、2桁小さい電気抵抗率を示している。このことは、本発明の導電性ペースト組成物では、導電性を有さない第2粒子または第3粒子を用いても、電気抵抗率を著しく大きくすることにはならないことを示唆している。すなわち、実施例5および6の導電性ペースト組成物と、比較例1のペースト組成物の結果からも、第2粒子または第3粒子によって、アルミニウムの表面の絶縁膜が破壊され、優れた導電接着が達成されたものと推定される。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の導電性ペースト組成物は、簡易な工程で容易に良好な導電性接着を行うことができるため、蓄電デバイス、電子デバイスおよび回路基板などの製造プロセスに好適に使用できる。

Claims (6)

  1. アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、
    導電性を有する第1粒子と、
    前記第1粒子を構成する材料よりも硬度が大きい材料で構成された第2粒子と、
    硬化性化合物と、
    を含有し、
    前記第2粒子の材質が、ニッケル、コバルト、鉄、タングステン、チタン、クロム、モリブデン、ロジウム、イリジウムからなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする、導電性ペースト組成物。
  2. アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、
    導電性を有する第1粒子と、
    前記第1粒子の平均一次粒子径よりも大きい平均一次粒子径を有する第3粒子と、
    硬化性化合物と、
    を含有し、
    前記第3粒子の材質が、ニッケル、コバルト、鉄、タングステン、チタン、クロム、モリブデン、ロジウム、イリジウムからなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする、導電性ペースト組成物。
  3. アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、
    導電性を有する第1粒子と、
    前記第1粒子を構成する材料よりも硬度が大きい材料で構成された第2粒子と、
    硬化性化合物と、
    を含有し、
    前記第2粒子の材質が、ダイヤモンド、金属炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属酸化窒化物からなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする、導電性ペースト組成物。
  4. アルミニウムを導電接着するための導電性ペースト組成物であって、
    導電性を有する第1粒子と、
    前記第1粒子の平均一次粒子径よりも大きい平均一次粒子径を有する第3粒子と、
    硬化性化合物と、
    を含有し、
    前記第3粒子の材質が、ダイヤモンド、金属炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属酸化窒化物からなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする、導電性ペースト組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記第1粒子の材質が、銀、銅、金、鉛、すず、プラチナ、パラジウム、アルミニウム、インジウム、ビスマス、アンチモン、カーボンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする、導電性ペースト組成物。
  6. 表面にアルミニウムが配置された第1導電部材の当該表面に、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の導電性ペースト組成物を塗布する工程と、
    第2導電部材を、前記導電性ペースト組成物を介して、前記第1導電部材の前記表面に対向させて配置する工程と、
    前記第1導電部材および前記第2導電部材が接近するように外力を印加する工程と、
    を備えることを特徴とする、導電接着方法。
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