JP6601583B1 - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】高性能なゴルフクラブシャフトの提供。【解決手段】シャフト6は、複数の繊維強化層s1〜s11を備えている。複数の繊維強化層s1〜s11が、複数のフープ層s3、s5、s7、s9と、複数のストレート層s1、s6、s8、s10、s11とを含んでいる。前記複数のストレート層が、少なくとも1つの全長ストレート層を含んでいる。少なくとも2つの前記フープ層及び少なくとも2つの前記ストレート層において、前記フープ層と前記ストレート層とが交互に積層されている。複数のフープ層が、第1バット部分フープ層s5と、第1バット部分フープ層s5よりも軸方向に長い第2バット部分フープ層s7とを含んでいてもよい。第1バット部分フープ層s5の目付が、第2バット部分フープ層s7の目付よりも大きくてもよい。【選択図】図3

Description

本発明は、ゴルフクラブシャフトに関する。
高性能な軽量シャフトが求められている。特許第4125920号公報は、高弾性高強度強化繊維を有するプリプレグが積層された軽量シャフトを開示する。
特許第4125920号公報
本発明者は、ゴルフクラブシャフトの更なる改善について、鋭意検討した。その結果、より高い性能を達成しうる新たな構成を見いだすに至った。
本開示は、高性能なゴルフクラブシャフトを提供するものである。
一つの態様では、ゴルフクラブシャフトは、複数の繊維強化層を備えている。前記複数の繊維強化層が、複数のフープ層と、複数のストレート層とを含んでいる。前記複数のストレート層が、少なくとも1つの全長ストレート層を含んでいる。少なくとも2つの前記フープ層及び少なくとも2つの前記ストレート層において、前記フープ層と前記ストレート層とが交互に積層されている。
一つの側面として、高性能なゴルフクラブシャフトが得られうる。
図1は、一実施形態に係るシャフトが装着されたゴルフクラブを示す。 図2は、図1のクラブに用いられているシャフトを示す。 図3は、図2のシャフトの積層構成を示す展開図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
なお、本願において、「軸方向」とは、シャフトの軸方向を意味する。本願において、「周方向」とは、シャフトの周方向を意味する。本願において「内側」とは、シャフトの半径方向における内側を意味する。本願において「外側」とは、シャフトの半径方向における外側を意味する。
図1は、一実施形態に係るシャフト6を備えたゴルフクラブ2を示す。図2は、シャフト6を示す。ゴルフクラブ2は、ヘッド4と、シャフト6と、グリップ8とを備えている。シャフト6のチップ部に、ヘッド4が取り付けられている。シャフト6のバット部に、グリップ8が取り付けられている。シャフト6は、軸線(中心線)z1を有する。シャフト6の軸方向は、軸線z1の方向である。
図1において両矢印Lsで示されるのは、シャフト6の長さである。ゴルフクラブ2は、ドライバー(1番ウッド)である。シャフト6は、ドライバー用である。ドライバー用シャフトの長さLsは、通常、43インチ以上47インチ以下である。本開示のシャフト6の長さは限定されない。シャフト6が装着されるクラブの番手は限定されない。
シャフト6は、繊維強化樹脂層の積層体である。シャフト6は、管状体である。シャフト6は中空構造を有する。シャフト6は、チップ端Tpとバット端Btとを有する。ゴルフクラブ2において、チップ端Tpは、ヘッド4の内部に位置している。バット端Btは、グリップ8の内部に位置している。
シャフト6は、いわゆるカーボンシャフトである。好ましくは、シャフト6は、巻回されたプリプレグシートを硬化させてなる。このプリプレグシートでは、繊維は実質的に一方向に配向している。このように繊維が実質的に一方向に配向したプリプレグは、UDプリプレグとも称される。「UD」とは、ユニディレクションの略である。UDプリプレグ以外のプリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートに含まれる繊維が編まれていてもよい。
プリプレグシートは、繊維と樹脂とを有している。この樹脂は、マトリクス樹脂とも称される。典型的には、この繊維は炭素繊維である。典型的には、このマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂である。
シャフト6は、いわゆるシートワインディング製法により製造されている。プリプレグにおいて、マトリクス樹脂は、半硬化状態にある。シャフト6は、プリプレグシートが巻回され且つ硬化されてなる。
プリプレグシートのマトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂の他、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等も用いられ得る。シャフト強度の観点から、マトリクス樹脂は、エポキシ樹脂が好ましい。
図3は、シャフト6を構成するプリプレグシートの展開図(積層構成図)である。
シャフト6は、複数のシートにより構成されている。シャフト6は、第1シートs1から第11シートs11までの、11枚のシートにより構成されている。この展開図は、シャフトを構成するシートを、シャフトの半径方向内側から順に示している。これらのシートは、展開図において上側に位置しているシートから順に、巻回される。この展開図において、図面の左右方向は、シャフトの軸方向と一致する。
この展開図は、各シートの巻き付け順序のみならず、各シートのシャフト軸方向における配置をも示している。例えば図3において、第1シートs1の端は、チップ端Tpに位置している。例えば図3おいて、第5シートs5の端は、バット端Btに位置している。
本願では、「層」という文言と、「シート」という文言とが用いられる。「層」は、巻回された後における称呼である。これに対して「シート」は、巻回される前における称呼である。「層」は、「シート」が巻回されることによって形成される。即ち、巻回された「シート」が、「層」を形成する。また、本願では、層とシートとで同じ符号が用いられる。例えば、シートs1によって形成された層は、層s1である。
シャフト6は、ストレート層と、バイアス層と、フープ層とを有する。本願の展開図において、各シートには、繊維の配向角度が記載されている。この配向角度は、シャフト軸方向に対する角度である。
シャフト6は、複数のストレート層を有する。「0°」と記載されているシートが、ストレート層を構成している。ストレート層を構成するシートは、ストレートシートとも称される。
ストレート層は、繊維の配向角度が実質的に0°とされた層である。巻き付けの際の誤差等に起因して、通常、上記配向角度は、完全には0°とはならない。通常、ストレート層では、絶対角度が10°以下である。絶対角度とは、上記配向角度の絶対値である。例えば、絶対角度が10°以下とは、配向角度が−10°以上+10°以下であることを意味する。
図3の実施形態において、ストレートシートは、シートs1、シートs6、シートs8、シートs10及びシートs11である。
シャフト6は、複数のバイアス層を有する。「−45°」及び「+45°」と標記されているシートが、バイアス層を構成している。シャフト6は、2層のバイアス層を有する。3層以上のバイアス層が設けられてもよい。
バイアス層は、シャフトの捻れ剛性及び捻れ強度との相関が高い。好ましくは、バイアスシートは、繊維の配向が互いに逆方向に傾斜した2枚のシートペアを含む。捻れ剛性の観点から、バイアス層の繊維の絶対角度は、好ましくは15°以上であり、より好ましくは25°以上であり、更に好ましくは40°以上である。捻れ剛性及び曲げ剛性の観点から、バイアス層の繊維の絶対角度は、好ましくは60°以下であり、より好ましくは50°以下である。本実施形態では、バイアス層の繊維の絶対角度は45°である。
シャフト6において、バイアス層を構成するシートは、第2シートs2及び第4シートs4である。上述の通り、図3には、シート毎に、上記配向角度が記載されている。この配向角度におけるプラス(+)及びマイナス(−)は、バイアスシートの繊維が互いに逆方向に傾斜していることを示している。本願において、バイアス層を構成するシートは、単にバイアスシートとも称される。シートs2及びシートs4は、後述される合体シートを構成する。
図3では、シートs4の繊維の傾斜方向が、シートs2の繊維の傾斜方向に等しい。しかし、シートs4は、裏返されて、シートs2に貼り付けられる。この結果、シートs2の配向角度と、シートs4の配向角度とは、互いに逆方向となる。この点を考慮して、図3の実施形態では、シートs2の配向角度が−45度と表記され、シートs4の配向角度が+45度と表記されている。
シャフト6は、複数のフープ層を有する。シャフト6は、4つのフープ層を有する。シャフト6において、フープ層は、層s3、層s5、層s7及び層s9である。シャフト6において、フープ層を構成するシートは、第3シートs3、第5シートs5、第7シートs7及び第9シートs9である。本願において、フープ層を構成するシートは、フープシートとも称される。
好ましくは、フープ層における絶対角度は、シャフト軸方向に対して実質的に90°とされる。ただし、巻き付けの際の誤差等に起因して、繊維の配向はシャフト軸方向に対して完全に90°とはならない場合がある。通常、フープ層では、上記配向角度が−90°以上−80°以下、又は、80°以上90°以下である。換言すれば、通常、フープ層では、上記絶対角度が80°以上90°以下である。
1枚のシートのプライ数(巻回数)は限定されない。例えば、シートのプライ数が1であるとき、このシートは、周方向において1周巻かれる。例えば、シートのプライ数が2であるとき、このシートは、周方向において2周巻かれる。例えば、シートのプライ数が1.5であるとき、このシートは、周方向において1.5周巻かれる。
皺等の巻回不良を抑制する観点から、幅が広すぎるシートは好ましくない。この観点から、1枚のバイアスシートのプライ数は、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。巻回工程の作業効率の観点から、1枚のバイアスシートのプライ数は、1以上が好ましい。
皺等の巻回不良を抑制する観点から、幅が広すぎるシートは好ましくない。この観点から、1枚のストレートシートのプライ数は、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がより好ましい。巻回工程の作業効率の観点から、1枚のストレートシートのプライ数は、1以上が好ましい。全てのストレートシートにおいて、上記プライ数が1であってもよい。
全長シートでは、巻回不良が生じやすい。巻回不良を抑制する観点から、全ての全長ストレートシートにおいて、1枚のシートのプライ数は2以下であるのが好ましい。全ての全長ストレートシートにおいて、上記プライ数が1であってもよい。
皺等の巻回不良を抑制する観点から、幅が広すぎるシートは好ましくない。この観点から、1枚のフープシートのプライ数は、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がより好ましい。巻回工程の作業効率の観点から、1枚のフープシートのプライ数は、1以上が好ましい。全てのフープシート(フープ層)において、上記プライ数が2以下であってもよい。全てのフープシート(フープ層)において、上記プライ数が1であってもよい。
全長シートでは、巻回不良が生じやすい。巻回不良を抑制する観点から、全ての全長フープシートにおいて、1枚のシートのプライ数は2以下であるのが好ましい。全ての全長フープシートにおいて、上記プライ数が1であってもよい。
図示しないが、使用される前のプリプレグシートは、カバーシートにより挟まれている。通常、このカバーシートは、離型紙及び樹脂フィルムである。使用される前のプリプレグシートは、離型紙と樹脂フィルムとで挟まれている。プリプレグシートの一方の面には離型紙が貼られており、プリプレグシートの他方の面には樹脂フィルムが貼られている。以下において、離型紙が貼り付けられている面が「離型紙側の面」とも称され、樹脂フィルムが貼り付けられている面が「フィルム側の面」とも称される。
本願の展開図は、フィルム側の面が表側とされた図である。即ち、図3において、図面の表側がフィルム側の面であり、図面の裏側が離型紙側の面である。
プリプレグシートを巻回するには、先ず、樹脂フィルムが剥がされる。樹脂フィルムが剥がされることにより、フィルム側の面が露出する。この露出面は、タック性(粘着性)を有する。このタック性は、マトリクス樹脂に起因する。即ち、このマトリクス樹脂が半硬化状態であるため、粘着性が発現する。この露出したフィルム側の面の縁部が、巻き始め縁部とも称される。次に、巻き始め縁部が、巻回対象物に貼り付けられる。マトリクス樹脂の粘着性により、この巻き始め縁部の貼り付けが円滑になされうる。巻回対象物とは、マンドレル、又はマンドレルに他のプリプレグシートが巻き付けられてなる巻回物である。次に、離型紙が剥がされる。次に、巻回対象物が回転されて、プリプレグシートが巻回対象物に巻き付けられる。このように、樹脂フィルムが剥がされて、巻き始め縁部が巻回対象物に貼り付けられた後に、離型紙が剥がされる。この手順により、シートの皺や巻き付け不良が抑制される。なぜなら、離型紙が貼り付けられたシートは、離型紙に支持されているため、皺となりにくいからである。離型紙は、樹脂フィルムと比較して、曲げ剛性が高い。
図3の実施形態では、一部のシートが合体シートとされる。合体シートは、2枚以上のシートが貼り合わされることによって形成される。全てのフープシートは、合体シートの状態で、巻回される。この巻回方法により、フープシートの巻き付け不良が抑制される。
上述の通り、本願では、繊維の配向角度によって、シート及び層が分類される。更に、本願では、軸方向長さによって、シート及び層が分類される。
本願において、シャフト6の軸方向の略全体に配置される層が、全長層と称される。本願において、軸方向の略全体に配置されるシートが、全長シートと称される。巻回された全長シートが、全長層を形成する。
チップ端Tpから軸方向に20mmまでの領域が第1領域とされる。また、バット端Btから軸方向に100mmまでの領域が第2領域とされる。上記第1領域及び上記第2領域が、シャフトの性能に与える影響は、限定的である。この観点から、全長シートは、上記第1領域及び上記第2領域に存在していなくてもよい。好ましくは、全長シートは、チップ端Tpからバット端Btにまで延びている。換言すれば、全長シートは、シャフト軸方向の全体に配置されているのが好ましい。
本願において、シャフト軸方向において部分的に配置される層が、部分層と称される。本願において、シャフト軸方向において部分的に配置されるシートが、部分シートと称される。巻回された部分シートが、部分層を形成する。部分シートの軸方向長さは、全長シートの軸方向長さよりも短い。好ましくは、部分シートの軸方向長さは、シャフト全長の半分以下である。
本願では、ストレート層である全長層が、全長ストレート層と称される。図3の実施形態において、全長ストレート層は、層s6、層s8及び層s10である。全長ストレートシートは、シートs6、シートs8及びシートs10である。
本願では、フープ層である全長層が、全長フープ層と称される。図3の実施形態において、全長フープ層は、層s3及び層s9である。全長フープシートは、シートs3及びシートs9である。
本願では、ストレート層である部分層が、部分ストレート層と称される。図3の実施形態において、部分ストレート層は、層s1及び層s11である。部分ストレートシートは、シートs1及びシートs11である。
本願では、フープ層である部分層が、部分フープ層と称される。図3の実施形態において、部分フープ層は、層s5及び層s7である。部分フープシートは、シートs5及びシートs7である。
本願では、バット部分層との文言が用いられる。このバット部分層として、バット部分ストレート層及びバット部分フープ層が挙げられる。図3の実施形態において、バット部分ストレート層は存在しない。
図3の実施形態は、バット部分フープ層s5及びバット部分フープ層s7を有する。バット部分フープ層s5の一端はバット端Btに位置する。バット部分フープ層s7の一端はバット端Btに位置する。図3の実施形態は、複数のバット部分フープ層s5、s7を有する。
バット部分層(バット部分シート)とバット端Btとの間の軸方向距離は、100mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましく、0mmがより好ましい。本実施形態では、全てのバット部分層において、この距離は0mmである。
本願では、チップ部分層との文言が用いられる。チップ部分層(チップ部分シート)とチップ端Tpとの間の軸方向距離は、40mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましく、20mm以下がより好ましく、0mmがより好ましい。本実施形態では、全てのチップ部分層において、この距離は0mmである。
このチップ部分層として、チップ部分ストレート層が挙げられる。図3の実施形態において、チップ部分ストレート層は、層s1及び層s11である。チップ部分ストレートシートは、シートs1及びシートs11である。
図3に示されるシートを用いて、シートワインディング製法により、シャフト6が作製される。
以下に、このシャフト6の製造工程の概略が説明される。
[シャフト製造工程の概略]
(1)裁断工程
裁断工程では、プリプレグシートが所望の形状に裁断される。この工程により、図3に示された各シートが切り出される。
裁断は、裁断機によりなされてもよい。裁断は、手作業でなされてもよい。手作業の場合、例えば、カッターナイフが用いられる。
(2)貼り合わせ工程
貼り合わせ工程では、前述した合体シートが作製される。シャフト6では、シートs2、シートs3及びシートs4が貼り合わされて、合体シートs234が作成される。また、シートs5とシートs6とが貼り合わされて、合体シートs56が作成される。また、シートs7とシートs8とが貼り合わされて、合体シートs78が作成される。また、シートs9とシートs10とが貼り合わされて、合体シートs910が作成される。
貼り合わせ工程では、加熱又はプレスが用いられてもよい。より好ましくは、加熱とプレスとが併用される。後述する巻回工程において、合体シートの巻き付け作業中に、シート間のズレが生じうる。このズレは、巻き付け精度を低下させる。加熱及びプレスは、シート間の接着力を向上させる。加熱及びプレスは、巻回工程におけるシート間のズレを抑制する。
(3)巻回工程
巻回工程では、マンドレルが用意される。典型的なマンドレルは、金属製である。このマンドレルに、離型剤が塗布される。更に、このマンドレルに、粘着性を有する樹脂が塗布される。この樹脂は、タッキングレジンとも称される。このマンドレルに、裁断されたシートが巻回される。このタッキングレジンにより、シート端部をマンドレルに貼り付けることが容易とされている。
シートは、展開図に記載されている順番で、巻回される。展開図で上側にあるシートほど、先に巻回される。上記貼り合わせに係るシートは、合体シートの状態で、巻回される。樹脂含有率が低いシートでは、タック性が不足し、巻回の作業性が低下する。樹脂含有率が低いシートは、樹脂含有率が高いシートと組み合わされた合体シートとされることで、巻回の作業性が向上する。
この巻回工程により、巻回体が得られる。この巻回体は、マンドレルの外側にプリプレグシートが巻き付けられてなる。巻回は、例えば、平面上で巻回対象物を転がすことにより、達成される。この巻回は、手作業によりなされてもよいし、機械によりなされてもよい。この機械は、ローリングマシンと称される。
(4)テープラッピング工程
テープラッピング工程では、上記巻回体の外周面にテープが巻き付けられる。このテープは、ラッピングテープとも称される。このテープは、張力を付与されつつ巻き付けられる。このテープにより、巻回体に圧力が加えられる。この圧力により、ボイドが排出されうる。
(5)硬化工程
硬化工程では、テープラッピングがなされた後の巻回体が加熱される。この加熱により、マトリクス樹脂が硬化する。この硬化の過程で、マトリクス樹脂が一時的に流動化する。このマトリクス樹脂の流動化により、シート間及びシート内のボイドが排出されうる。ラッピングテープの圧力(締め付け力)により、このボイドの排出が促進されている。この硬化により、硬化積層体が得られる。
(6)マンドレルの引き抜き工程及びラッピングテープの除去工程
硬化工程の後、マンドレルの引き抜き工程とラッピングテープの除去工程とがなされる。ラッピングテープの除去工程の能率を向上させる観点から、マンドレルの引き抜き工程の後にラッピングテープの除去工程がなされるのが好ましい。
(7)両端カット工程
この工程では、硬化積層体の両端部がカットされる。このカットにより、チップ端Tpの端面及びバット端Btの端面が、平坦とされる。
なお、理解を容易とするため、本願の展開図では、両端カット後のシートが示されている。実際には、裁断時の寸法において、両端カットが考慮される。すなわち、実際には、両端カットがなされる部分の寸法が付加されて、裁断がなされる。
(8)研磨工程
この工程では、硬化積層体の表面が研磨される。硬化積層体の表面には、螺旋状の凹凸が存在する。この凹凸は、ラッピングテープの跡である。研磨により、この凹凸が消滅し、表面が滑らかとされる。また、硬化積層体の表面は光沢面であり、塗装が密着しない。研磨により、硬化積層体の表面は、塗装が密着する研磨面となる。好ましくは、研磨工程では、全体研磨と先端部分研磨とが実施される。
(9)塗装工程
研磨工程後の硬化積層体が、塗装される。
以上のような工程により、シャフト6が得られる。
本開示のシャフトでは、2つのフープ層及び2つのストレート層において、フープ層とストレート層とが交互に積層されている。シャフト6では、2つのフープ層s5、s7及び2つのストレート層s6、s8において、フープ層とストレート層とが交互に配置されている。具体的には、内側から、フープ層s5、ストレート層s6、フープ層s7及びストレート層s8の順で配置されている。
前述の通り、これらの交互配置では、フープシートとストレートシートとが貼り合わされた合体シートが2枚用いられている。即ち、合体シートs56に外側に合体シートs57が巻かれることで、上記交互配置が達成されている。上記交互配置により、フープシートとストレートシートとをセットで巻回することが可能となる。樹脂含有率が少ないストレートシートを樹脂含有率が多いフープシートと共に巻回することで、巻回工程が円滑となり、作業性が向上する。
フープシートは、軸方向に対して垂直に繊維が配向しており、軸方向には樹脂で繋がっているだけなので、軸方向の力で裂けやすい。フープシートを単独で巻回すると、皺や裂けが生じやすい。フープシートをストレートシートと合体した合体シートで巻回することで、高精度でフープ層を形成することができる。更に、巻回工程における作業性が向上する。
上記交互配置では、ストレート層の樹脂含有率が、フープ層の樹脂含有率よりも低い。樹脂含有率が低いと、ボイドが生じやすい。前述の通り、硬化工程では、マトリクス樹脂が一時的に流動化し、ボイドが排出されうる。しかし、マトリクス樹脂が少ないと、ボイドを排出する効果が減少する。上記交互配置により、ストレート層にフープ層が隣接している。よって、樹脂含有率が低いストレート層に、樹脂含有率が高いフープ層から、マトリクス樹脂が補われる。この結果、樹脂含有率が低いストレート層においてボイドが排出されやすくなる(ボイド低減効果)。
シャフト6では、2つのバット部分フープ層及び2つの全長ストレート層において、バット部分フープ層と全長ストレート層とが交互に積層されている。すなわち、シャフト6では、2つのバット部分フープ層s5、s7及び2つの全長ストレート層s6、s8において、バット部分フープ層と全長ストレート層とが交互に配置されている。更に、第1バット部分フープ層s5と第2バット部分フープ層s7とで長さが相違している。このため、バット端Btに近づくにつれてフープ層が多くなり、潰し強度が不足しやすい部分においてボイド低減効果を高めることができる。また、シャフト後端部の撓りを維持したまま、シャフト後端部に重量を集中し、シャフトの重心をバット端Btに近づけることができる。後端部の撓りとバット端Bt寄りの重心とにより、振りやすさが高まる。更に、バット部分フープ層s5、s7により、シャフト先端部におけるフープ層が削減され、シャフトが軽量化されている。
第1バット部分フープ層s5の樹脂含有率は、第2バット部分フープ層s7の樹脂含有率よりも低い。より短い第1バット部分フープ層s5の樹脂含有率を下げ、第1バット部分フープ層s5の繊維含有率を高めることで、バット端Btに近づくほど潰れ強度が補強され得る。
第2バット部分フープ層s7は、低Rc層s6と低Rc層s8とで挟まれている。低Rc層s6と低Rc層s8とで挟まれた部分では、樹脂が不足しやすい。このため、第2バット部分フープ層s7の樹脂含有率を高くして、ボイド低減効果を高めている。一方、第1バット部分フープ層s5は、その外側に低Rc層s6が配置されているのに対して、その内側の層s4は、低Rc層ではない。換言すれば、第1バット部分フープ層s5の内側に隣接して、樹脂含有率が20%を超える層が配置されている。よってこの場合は、低Rc層で挟まれている場合と比べると、樹脂は多い。この点に鑑み、第1バット部分フープ層s5では、第2バット部分フープ層s7よりも樹脂含有率が低くされ、繊維含有率が高められている。このように、長さ及び樹脂含有率が異なる第1バット部分フープ層s5と第2バット部分フープ層s7とにより、潰し強度とボイド低減効果との最適なバランスが達成されている。
なお、繊維弾性率とは、その層に含まれる繊維の引張弾性率を意味する。
更に、シャフト6では、3つのフープ層及び3つのストレート層において、フープ層とストレート層とが交互に積層されている。すなわち、シャフト6では、3つのフープ層s5、s7、s9及び3つのストレート層s6、s8、s10において、フープ層とストレート層とが交互に配置されている。具体的には、内側から、フープ層s5、ストレート層s6、フープ層s7、ストレート層s8、フープ層s9及びストレート層s10の順で配置されている。フープ層とストレート層とのセットが3つされることで、上記ボイド低減効果が更に高まる。
本開示のシャフトでは、複数のフープ層が、第1バット部分フープ層と、前記第1バット部分フープ層よりも軸方向に長い第2バット部分フープ層とを含んでいる。シャフト6では、層s5が、第1バット部分フープ層とされうる。シャフト6では、層s7が、第2バット部分フープ層とされうる。第1バット部分フープ層s5は、第2バット部分フープ層s7よりも内側に配置されている。第1バット部分フープ層s5は、第2バット部分フープ層s7よりも外側に配置されていてもよい。第1バット部分フープ層s5の目付が、第2バット部分フープ層s7の目付よりも大きい。
第1バット部分フープ層s5の繊維弾性率は、第2バット部分フープ層s7の繊維弾性率よりも小さい。フープ層は、軸方向に対して繊維が直角に配向しているため、巻きにくい。目付が多くなると、更に巻きにくい。目付が多い第1バット部分フープ層s5では、繊維弾性率を小さくすることで、巻きやすさが高められている。一方、第2バット部分フープ層s7は、目付が比較的小さいので、第1バット部分フープ層s5よりは巻きやすい。このため、第2バット部分フープ層s7の繊維弾性率は高くされている。高い繊維弾性率により潰し剛性が効果的に高められている。
シャフト6は、チップ端Tpに向かって細くなるテーパー形状を有している。直径の大きな後端部では、潰し強度が低下しやすい。第2バット部分フープ層s7よりも短い第1バット部分フープ層s5の目付を大きくすることで、より直径が大きい部分の潰し強度を効果的に高めることができる。バット部分ストレート層を用いることでも、後端部の強度を高めることができるが、後端部の撓りが少なくなり、飛距離性能が低下しうる。
第1バット部分フープ層s5の目付を大きくすることで、シャフト6の重心をバット端Bt寄りとすることができる。このシャフト6は、クラブの振りやすさを向上させうる。
第1バット部分フープ層s5の目付がM1(g/m)とされ、第2バット部分フープ層s7の目付がM2(g/m)とされる。上記効果を高める観点から、M1/M2は、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上がより好ましく、2.8以上がより好ましく、3.0以上がより好ましい。シャフトの軽量化の観点から、過大なM1は好ましくない。この観点から、M1/M2は、6.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、4.0以下がより好ましい。
図3において両矢印L1で示されているのは、第1バット部分フープ層s5の長さである。長さL1は、シャフト軸方向に沿って測定される。図3において両矢印L2で示されているのは、第2バット部分フープ層s7の長さである。長さL2は、シャフト軸方向に沿って測定される。上述した長さの相違に起因する効果を高める観点から、L2/L1は、1.5以上が好ましく、1.7以上がより好ましく、1.8以上がより好ましい。過小なL1及び過大なL2を防止する観点から、L2/L1は、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下がより好ましい。長さL1は150mm以上350mm以下が好ましく、長さL2は400mm以上600mm以下が好ましい。
本開示のシャフトでは、複数のフープ層が、第1全長フープ層と、第2全長フープ層とを含んでいる。シャフト6では、層s3が、第1全長フープ層とされうる。シャフト6では、層s9が、第2全長フープ層とされうる。第1全長フープ層s3の目付は、第2全長フープ層s9の目付と同じである。
本開示のシャフトでは、第1全長フープ層と第2全長フープ層との間に、少なくとも1つの全長ストレート層が配置されている。シャフト6では、第1全長フープ層s3と第2全長フープ層s9との間に、全長ストレート層s6及び全長ストレート層s8が配置されている。すなわち、シャフト6では、第1全長フープ層s3と第2全長フープ層s9との間に、2つの全長ストレート層が配置されている。
全長フープ層同士の目付を同一とし、且つそれらの間に全長ストレート層を配置することで、各繊維層の負担を均一に近づけることができ、応力を効果的に分散することができる。このため、シャフトの強度が向上する。
全ての層s1から11は、樹脂含有率を有している。樹脂含有率は、全体重量に対する樹脂の重量の割合である。この樹脂含有率は、プリプレグのスペックとして示されている。全ての前記フープ層における樹脂含有率の最小値がRf(%)とされ、全ての前記ストレート層における樹脂含有率の最大値がRs(%)とされる。シャフト6では、RfがRs以上である。
ストレート層の樹脂含有率Rsを小さくすることで、軽量なシャフトが得られうる。フープ層の樹脂含有率Rfを大きくすることで、前述のボイド低減効果が得られる。
本開示のシャフトでは、複数の繊維強化層が、樹脂含有率が20%以下の低Rc層と、樹脂含有率が24%以上の高Rc層とを含んでいる。シャフト6では、層s6及び層s8が、低Rc層である。シャフト6では、層s1、層s3、層s5、層s7、層s9、層s10及び層s11が、高Rc層である。全てのフープ層は、高Rc層である。
なお、プリプレグの取り扱い性の観点から、低Rc層の樹脂含有率は、18%以上が好ましい。シャフト強度の観点から、高Rc層の樹脂含有率は、50%以下が好ましい。
本開示のシャフトでは、全ての低Rc層において、低Rc層に隣接した内側又は外側の少なくとも一方に高Rc層が配置されている。シャフト6では、低Rc層s6の内側に高Rc層s5が配置されており、低Rc層s6の外側に高Rc層s7が配置されている。また、低Rc層s8の内側に高Rc層s7が配置されており、低Rc層s8の外側に高Rc層s9が配置されている。
低Rc層に高Rc層を隣接させることで、前述のボイド低減効果が更に向上しうる。
シャフト6は、樹脂含有率が30%以上の超高Rc層を含む。シャフト6では、層s1、層s3、層s7及び層s9が、超高Rc層である。第1バット部分フープ層s5以外のフープ層は、超高Rc層である。超高Rc層の樹脂含有率は、50%以下が好ましい。
本開示のシャフトでは、全ての低Rc層において、低Rc層に隣接した内側又は外側の少なくとも一方に超高Rc層が配置されている。シャフト6では、低Rc層s6の外側に超高Rc層s7が配置されている。また、低Rc層s8の内側に超高Rc層s7が配置されており、低Rc層s8の外側に超高Rc層s9が配置されている。低Rc層に超高Rc層を隣接させることで、前述のボイド低減効果が更に向上しうる。
本開示のシャフトは、繊維弾性率が33t/mm以上であり且つ繊維の引張強度が670kgf/mm以上である高弾性高強度層を含む。シャフト6では、高弾性高強度層は、層s6及び層s8である。これらの高弾性高強度層s6、s8は、低Rc層でもある。高弾性高強度層s6、s8は、ストレート層である。高弾性高強度層s6、s8は、全長ストレート層である。
高弾性高強度層s6、s8の重量がWhとされる。全てのストレート層の総重量が、Wsとされる。軽量で高強度なシャフトを得る観点から、Wh/Wsは、0.45以上が好ましく、0.46以上がより好ましく、0.47以上がより好ましく、0.48以上がより好ましい。コストの観点から、Wh/Wsは、0.8以下が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.6以下がより好ましい。
全長ストレート層である高弾性高強度層s6、s8の重量がFhとされる。全ての全長ストレート層の総重量が、Fsとされる。軽量で高強度なシャフトを得る観点から、Fh/Fsは、0.60以上が好ましく、0.61以上がより好ましく、0.62以上がより好ましく、0.63以上がより好ましい。コストの観点から、Fh/Fsは、0.9以下が好ましく、0.85以下がより好ましく、0.8以下がより好ましい。
本開示のシャフトでは、全ての高弾性高強度層において、高弾性高強度層に隣接した内側又は外側の少なくとも一方に高Rc層が配置されている。シャフト6では、高弾性高強度層s6の内側に高Rc層s5が配置されており、高弾性高強度層s6の外側に高Rc層s7が配置されている。また、高弾性高強度層s8の内側に高Rc層s7が配置されており、高弾性高強度層s8の外側に高Rc層s9が配置されている。この構成により、高弾性高強度層におけるボイド低減効果が高まり、高弾性高強度層の優れた特性がボイドによって損なわれることが抑制される。
本開示のシャフトでは、全ての高弾性高強度層において、高弾性高強度層に隣接した内側又は外側の少なくとも一方に超高Rc層が配置されている。シャフト6では、高弾性高強度層s6の外側に超高Rc層s7が配置されている。また、高弾性高強度層s8の内側に超高Rc層s7が配置されており、高弾性高強度層s8の外側に超高Rc層s9が配置されている。この構成により、高弾性高強度層におけるボイド低減効果が高まり、高弾性高強度層の優れた特性がボイドによって損なわれることが抑制される。
本開示のシャフトでは、2つのフープ層及び2つの高弾性高強度層において、フープ層と高弾性高強度層とが交互に積層されている。シャフト6では、2つのフープ層s5、s7及び2つの高弾性高強度層s6、s8において、フープ層と高弾性高強度層とが交互に配置されている。具体的には、内側から、フープ層s5、高弾性高強度層s6、フープ層s7及び高弾性高強度層s8の順で配置されている。
最外層の全長ストレート層s10は、高弾性高強度層ではない。最外層の全長ストレート層s10は、研磨工程で研磨される。高弾性高強度層s6、s8は、最外層ではなく、研磨されない。よって、高弾性高強度層s6、s8の効果が最大限に発揮されうる。
高弾性高強度層を有するシャフト6は、軽量であっても強度に優れ、且つ適度なシャフトフレックスが得られる。この観点から、シャフトの重量は、40g以下が好ましい。設計上の制約から、シャフトの重量は、30g以上が好ましく、32g以上がより好ましく、34g以上が更に好ましい。
下記の表1及び表2は、使用可能なプリプレグの例である。市販されているこれらのプリプレグから適切なものが選択されうる。
Figure 0006601583
Figure 0006601583
[実施例1]
上述された手順により、シャフトが作製された。積層構成は、図3の通りとされた。上述の通り、各フープ層は、それぞれ、合体シートs234、合体シートs56、合体シートs78及び合体シートs910の形で巻回された。層s6及び層s8は、低Rc層且つ高弾性高強度層とされた。シートs6及びシートs8として、樹脂含有率が18%であり繊維が東レ社製のT1100Gであるプリプレグが用いられた。第1バット部分フープ層s5の目付は、133g/mであった。M1/M2は3.1であった。全長ストレート層s10の繊維弾性率は24t/mmであった。シャフト重量は40gであった。樹脂含有率に関して、前記最小値Rf(%)は前記最大値Rs(%)よりも大きくされた。実施例1の仕様及び評価結果が、下記の表3で示される。
なお、表3における「交互配置のセット数」とは、フープ層とストレート層とが交互配置された部分における、フープ層とストレート層とのセットの数である。図3の実施形態では、このセット数が3つである。表3におけるM1/M2は、第1バット部分フープ層s5の目付M1と、第2バット部分フープ層s7の目付M2(g/m)との比である。表3におけるFh/Fsは、全長ストレート層である高弾性高強度層の重量Fhと、全ての全長ストレート層の総重量Fsとの比である。
[実施例2]
第1バット部分フープ層s5が除去された他は実施例1と同じにして、実施例2のシャフトを得た。なお、シャフト重量が実施例1と同じになるように、全長ストレート層s10の重量が付加された。実施例2の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
[実施例3]
巻回の順序を変更し、第2全長フープ層s9を第1全長フープ層s3の次に巻回した他は実施例1と同じにして、実施例3のシャフトを得た。巻回工程では、2枚のフープ層を2枚のバイアス層とで合体シートを作成し、この合体シートが巻回された。実施例3の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
[実施例4]
第1バット部分フープ層s5の目付を小さくして第2バット部分フープ層s7の目付と同じにした他は実施例1と同じにして、実施例4のシャフトを得た。なお、シャフト重量が実施例1と同じになるように、全長ストレート層s10の重量が付加された。実施例4の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
[実施例5]
全ての高弾性高強度層s6,s8が非高弾性高強度層に置換された他は実施例1と同じにして、実施例5のシャフトを得た。この非高弾性高強度層として、繊維弾性率が24t/mmであり繊維の引張強度が500kgf/mmの材料が用いられた。実施例5の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
[実施例6]
高弾性高強度層s8が非高弾性高強度層に置換された他は実施例1と同じにして、実施例6のシャフトを得た。この非高弾性高強度層として、繊維弾性率が24t/mmであり繊維の引張強度が500kgf/mmの材料が用いられた。実施例6の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
[比較例1]
第1バット部分フープ層s5が除去され、且つ、第2全長フープ層s9が第1全長フープ層s3の次に巻回された他は実施例1と同じにして、比較例1のシャフトを得た。巻回工程では、2枚のフープ層を2枚のバイアス層とで合体シートを作成し、この合体シートが巻回された。なお、シャフト重量が実施例1と同じになるように、全長ストレート層s10の重量が調整された。比較例1の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
Figure 0006601583
[評価方法]
評価方法は、次の通りである。
[ボイドの量]
バット端Btから175mmの位置でシャフトを切断し、この切断面を顕微鏡で観察して、画像中におけるボイドの面積を計測した。比較例1を100としたときの指数が、上記表3で示されている。
[潰し破壊強度]
潰し破壊強度は、チップ端Tpから550mm、650mm、750mm、850mm及び950mmの各位置において、各位置を中心として軸方向幅が10mmである輪切りのサンプルを切り出した。これらのサンプルについて、潰し破壊強度を測定した。測定には、INTESCO社製の万能試験機(220X型)が用いられた。上面が水平な平面である受け治具の上にサンプルを置き、このサンプルを圧子治具で圧縮した。圧子治具を鉛直方向下側に下降させてサンプルを圧縮し、完全破壊時の荷重を測定した。サンプルは、半径方向(断面潰れ方向)に圧縮された。サンプルを押圧する面である圧子治具の下面は、前記受け治具の上面に平行な平面とされた。圧子治具の下降スピードは、5mm/minとされた。上記5箇所の測定値の平均が、そのシャフトの潰し破壊強度とされた。比較例1を100としたときの指数が、上記表3で示されている。
[3点曲げ破壊強度]
3点曲げ破壊強度は、日本の製品安全協会が定めるゴルフクラブ用シャフトの認定基準および基準確認方法に準拠して測定された。この基準におけるC点(バット端Btから175mmの地点)が測定された。比較例1を100としたときの指数が、上記表3で示されている。
[作業性]
作業時間に基づいて、巻回工程の作業性が評価された。A、B及びCの3段階で評価された。Aが最も作業性が高いことを示し、Cが最も作業性が低いことを示し、Bはそれらの中間であることを示す。この評価結果が上記表3に示されている。
これらの評価結果が示すように、本開示のシャフトの優位性は明らかである。
上述した実施形態に関して、以下の付記を開示する。
[付記1]
複数の繊維強化層を備えており、
前記複数の繊維強化層が、複数のフープ層と、複数のストレート層とを含んでおり、
前記複数のストレート層が、少なくとも1つの全長ストレート層を含んでおり、
少なくとも2つの前記フープ層及び少なくとも2つの前記ストレート層において、前記フープ層と前記ストレート層とが交互に積層されているゴルフクラブシャフト。
[付記2]
前記複数のフープ層が、第1バット部分フープ層と、前記第1バット部分フープ層よりも軸方向に長い第2バット部分フープ層とを含んでおり、
前記第1バット部分フープ層の目付が、前記第2バット部分フープ層の目付よりも大きい付記1に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記3]
前記第1バット部分フープ層の樹脂含有率が、前記第2バット部分フープ層の樹脂含有率よりも小さい付記2に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記4]
前記第2バット部分フープ層の内側及び外側に隣接して、樹脂含有率が20%以下の低Rc層が配置されており、
前記第1バット部分フープ層の内側又は外側に隣接して、樹脂含有率が20%を超える層が配置されている付記3に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記5]
前記複数のフープ層が、第1全長フープ層と、第2全長フープ層とを更に含んでおり、
前記第1全長フープ層の目付が、前記第2全長フープ層の目付と同じであり、
前記第1全長フープ層と前記第2全長フープ層との間に、前記全長ストレート層が配置されている付記1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記6]
全ての前記フープ層における樹脂含有率の最小値がRf(%)とされ、全ての前記ストレート層における樹脂含有率の最大値がRs(%)とされるとき、
RfがRs以上である付記1から5のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記7]
前記複数の繊維強化層が、樹脂含有率が20%以下の低Rc層と、樹脂含有率が24%以上の高Rc層とを含んでおり、
全ての前記低Rc層において、前記低Rc層に隣接した内側又は外側の少なくとも一方に前記高Rc層が配置されている付記1から6のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記8]
複数の繊維強化層を備えており、
前記複数の繊維強化層が、複数のフープ層と、複数のストレート層とを含んでおり、
前記複数のストレート層が、繊維弾性率が33t/mm以上であり且つ繊維の引張強度が670kgf/mm以上である高弾性高強度層を含むゴルフクラブシャフト。
[付記9]
前記複数のストレート層が、複数の全長ストレート層を含み。
前記全長ストレート層が、前記高弾性高強度層を含み、
全長ストレート層である高弾性高強度層の重量がFhとされ、全ての全長ストレート層の総重量がFsとされるとき、Fh/Fsが0.60以上である付記8に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記10]
前記高弾性高強度層が、樹脂含有率が20%以下の低Rc層である付記8又は9に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記11]
高弾性高強度層が全長ストレート層である付記8から10のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記12]
シャフト重量が40g以下である付記8から11のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記13]
前記高弾性高強度層が複数設けられており、
少なくとも2つの前記フープ層及び少なくとも2つの前記高弾性高強度層において、前記フープ層と前記高弾性高強度層とが交互に積層されている付記8から12のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
2・・・ゴルフクラブ
4・・・ヘッド
6・・・シャフト
8・・・グリップ
Tp・・・シャフトのチップ端
Bt・・・シャフトのバット端
s1〜s11・・・プリプレグシート

Claims (5)

  1. 複数の繊維強化層を備えており、
    前記複数の繊維強化層が、複数のフープ層と、複数のストレート層とを含んでおり、
    前記複数のストレート層が、少なくとも1つの全長ストレート層を含んでおり、
    少なくとも2つの前記フープ層及び少なくとも2つの前記ストレート層において、前記フープ層と前記ストレート層とが交互に積層されており、
    前記複数のフープ層が、第1バット部分フープ層と、前記第1バット部分フープ層よりも軸方向に長い第2バット部分フープ層とを含んでおり、
    前記第1バット部分フープ層の目付が、前記第2バット部分フープ層の目付よりも大きく、
    前記第1バット部分フープ層の樹脂含有率が、前記第2バット部分フープ層の樹脂含有率よりも小さいゴルフクラブシャフト。
  2. 前記複数の繊維強化層が、樹脂含有率が20%以下の低Rc層と、樹脂含有率が20%を超える層とを含んでおり、
    前記第2バット部分フープ層の内側及び外側に隣接して、前記低Rc層が配置されており、
    前記第1バット部分フープ層の内側又は外側に隣接して、樹脂含有率が20%を超える前記層が配置されている請求項に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 前記複数のフープ層が、第1全長フープ層と、第2全長フープ層とを更に含んでおり、
    前記第1全長フープ層の目付が、前記第2全長フープ層の目付と同じであり、
    前記第1全長フープ層と前記第2全長フープ層との間に、前記全長ストレート層が配置されている請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 全ての前記フープ層における樹脂含有率の最小値がRf(%)とされ、全ての前記ストレート層における樹脂含有率の最大値がRs(%)とされるとき、
    RfがRs以上である請求項1からのいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  5. 前記複数の繊維強化層が、樹脂含有率が20%以下の低Rc層と、樹脂含有率が24%以上の高Rc層とを含んでおり、
    全ての前記低Rc層において、前記低Rc層に隣接した内側又は外側の少なくとも一方に前記高Rc層が配置されている請求項1からのいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
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