JP2018038717A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化が可能であり、強度が高く、且つ、ボールの捕まりが良好なゴルフクラブシャフトの提供。【解決手段】チップ端Tpから16インチ隔てた地点P16におけるEI値がE16とされ、地点P16におけるシャフト厚みがT16とされ、チップ端Tpから6インチ隔てた地点P6におけるEI値がE6とされ、地点P6におけるシャフト厚みがT6とされる。シャフト6では、E16が2.4(kgf・m2)以上であり、E6が2.7(kgf・m2)以下であり、E16/E6が0.95以上1.50以下であり、E6/T6が1.9以下であり、E16/T16が3.0以上である。地点P16を中心とした±4インチの領域の少なくともいずれかに、引張弾性率が30(t/mm2)以上40(t/mm2)以下の繊維を含む高弾性部分補強層が配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ゴルフクラブシャフトに関する。
いわゆるカーボンシャフトでは、軽量性と高強度とが得られる。このシャフトでは、シャフト全体の厚みを小さくして軽量性を確保しつつ、チップ部分の厚みを大きくして強度を確保するのが一般的である。軽量なシャフトにより、スイングが速くなる。
更なる付加価値を目的として、シャフトの剛性分布を工夫したシャフトが提案されている。
特開2011−92319号公報は、曲げ剛性分布が第1極大値と第2極大値とを有するシャフトを開示する。第1極大値はチップ端から250〜350mmの範囲に位置し、第2極大値はチップ端から400〜600mmの範囲に位置する。特開2009−291405号公報及び特開2005−152613号公報に記載の発明でも、曲げ剛性分布が規定されている。
特開2011−92319号公報 特開2009−291405号公報 特開2005−152613号公報
従来のシャフトでは、ヘッドスピードは増大するものの、捕まりが悪いことが判明した。この原因について鋭意検討した結果、ダウンスイング中の、しかも比較的インパクトに近いタイミングにおいて、シャフトのしなり戻りが不足していることが判明した。この結果、振り遅れの状態が生じ、捕まりが悪化し、打球がスライスとなることが分かった。この振り遅れを解消するために、高弾性のプリプレグをシャフトの全長に亘って配置し、曲げ剛性を高めることが考えられるが、その場合、シャフト強度が低下しやすい。
本発明者が鋭意検討した結果、新たな構造が、高強度を維持しつつ捕まりを改善しうることを見出した。
本発明の目的は、軽量化が可能であり、強度が高く、且つ、ボールの捕まりが良好なゴルフクラブシャフトの提供にある。
好ましいシャフトは、複数の繊維強化層により形成されている。このシャフトは、チップ端とバット端とを備えている。前記チップ端から16インチ隔てた地点P16におけるEI値がE16(kgf・m)とされる。前記地点P16におけるシャフト厚みがT16(mm)とされる。前記チップ端から6インチ隔てた地点P6におけるEI値がE6(kgf・m)とされる。前記地点P6におけるシャフト厚みがT6(mm)とされる。E16が2.4(kgf・m)以上である。E6が2.7(kgf・m)以下である。E16/E6が0.95以上1.50以下である。E6/T6が1.9以下である。E16/T16が3.0以上である。前記地点P16を中心とした±4インチの領域の少なくともいずれかに、引張弾性率が30(t/mm)以上40(t/mm)以下の繊維を含む高弾性部分補強層が配置されている。
好ましくは、前記地点P6を中心とした±4インチの領域の少なくともいずれかに、ガラス繊維を含むガラス部分補強層が配置されている。
好ましくは、前記ガラス部分補強層が、シャフト厚みを二等分する半径方向位置よりも内側に配置されている。
好ましくは、最内層が前記ガラス部分補強層である。
好ましくは、前記地点P6を中心とした±4インチの領域の少なくともいずれかに、引張弾性率が10(t/mm)以下のピッチ系炭素繊維を含む低弾性部分補強層が配置されている。
好ましくは、前記低弾性部分補強層が、シャフト厚みを二等分する半径方向位置よりも外側に配置されている。
好ましくは、前記低弾性部分補強層が、最外層に隣接した半径方向位置に配置されている。
軽量化が可能であり、強度が高く、且つ、ボールの捕まりが良好なゴルフクラブシャフトが得られうる。
図1は、第1実施形態のシャフトを備えたゴルフクラブを示す。 図2は、第1実施形態のシャフトの展開図である。 図3は、第2実施形態(実施例11)のシャフトの展開図である。 図4は、第3実施形態(実施例12)のシャフトの展開図である。 図5は、第4実施形態(実施例13)のシャフトの展開図である。 図6は、EI値の測定方法を示す概略図である。 図7は、3点曲げ強度の測定方法を示す概略図である。 図8は、衝撃吸収エネルギーの測定方法を示す概略図である。 図9は、衝撃吸収エネルギーの測定において得られた波形の一例である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
なお、本願において、「軸方向」とはシャフトの軸方向を意味する。本願において、「領域」とは軸方向における領域を意味する。本願において、「半径方向」とは、シャフトの半径方向を意味する。本願において、「内側」とは、半径方向における内側を意味する。本願において、「外側」とは、半径方向における外側を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブ2を示す。ゴルフクラブ2は、ヘッド4と、シャフト6と、グリップ8とを備えている。シャフト6のチップ部分に、ヘッド4が取り付けられている。シャフト6のバット部分に、グリップ8が取り付けられている。ヘッド4は中空構造を有する。ヘッド4は、ウッド型である。ゴルフクラブ2は、ドライバー(1番ウッド)である。
後述の通り、本発明では、捕まりのよいゴルフクラブが得られる。クラブ長さが長いほど、ヘッドが返りにくい傾向にある。このため、クラブ長さが長いほど、本発明の効果が際立つ。この観点から、ゴルフクラブ2の長さは、43インチ以上が好ましく、44インチ以上がより好ましく、45インチ以上がより好ましい。振りやすさの観点から、ゴルフクラブ2の長さは、48インチ以下が好ましく、47インチ以下がより好ましい。飛距離の観点から、好ましいヘッド4は、ウッド型ゴルフクラブヘッドである。好ましくは、ゴルフクラブ2は、ウッド型ゴルフクラブである。
なお、ゴルフクラブ2の長さは、R&A(Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews;全英ゴルフ協会)が定めるゴルフ規則「付属規則II クラブのデザイン」の「1 クラブ」における「1c 長さ」の記載に準拠して測定される。この長さの測定は、クラブを水平面に置き、この水平面に対する角度が60度である平面にソールを当てて行われる。このクラブ長さの測定法は、60度法と称されている。
図1において両矢印Lsで示されているのは、シャフト長さである。シャフト長さLsは、チップ端Tpとバット端Btとの間の距離である。この距離は、軸方向に沿って測定される。後述の通り、本発明は、スイング中におけるシャフトの撓りを制御しうる。クラブ長さが長いほど、シャフトが撓りやすいので、本発明の効果が際立つ。この観点から、シャフト6の長さは、42インチ以上が好ましく、43ンチ以上がより好ましく、44インチ以上がより好ましい。振りやすさの観点から、シャフト6の長さは、47インチ以下が好ましく、46インチ以下がより好ましく、45インチ以下がより好ましい。飛距離の観点から、好ましいヘッド4は、ウッド型ゴルフクラブヘッドである。好ましくは、ゴルフクラブ2は、ウッド型ゴルフクラブである。
図1が示すように、シャフト6は、チップ端Tpとバット端Btとを有する。ゴルフクラブ2において、チップ端Tpは、ヘッド4の内部に位置している。ゴルフクラブ2において、バット端Btは、グリップ8の内部に位置している。
ヘッド4のホーゼル孔に、シャフト6の先端部が挿入されている。シャフト6において、ホーゼル孔に挿入されている部分の軸方向長さは、通常、25mm以上70mm以下である。
シャフト6は、繊維強化樹脂層の積層体である。シャフト6は、複数の繊維強化層により形成されている。シャフト6は、いわゆるカーボンシャフトである。シャフト6は、管状体である。
シャフト6は、巻回されたプリプレグシートを硬化させることによって成形されている。典型的なプリプレグシートでは、繊維は実質的に一方向に配向している。このようなプリプレグは、UDプリプレグとも称される。「UD」とは、ユニディレクションの略である。UDプリプレグでないプリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートに含まれる繊維が編まれていてもよい。
上記プリプレグシートは、繊維と樹脂とを有している。この樹脂は、マトリクス樹脂とも称される。典型的には、この繊維は炭素繊維である。典型的には、このマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂である。
シャフト6は、いわゆるシートワインディング製法により製造されている。プリプレグにおいて、マトリクス樹脂は、半硬化状態にある。シャフト6は、プリプレグシートが巻回され且つ硬化されてなる。
マトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。典型的なマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂が挙げられる。シャフト強度の観点から、好ましいマトリクス樹脂は、エポキシ樹脂である。
繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維及び炭化ケイ素繊維が例示される。これらの繊維の2種以上が併用されてもよい。シャフトの強度の観点から、好ましい繊維は、炭素繊維及びガラス繊維である。
図2は、シャフト6を構成するプリプレグシートの展開図(積層構成図)である。
シャフト6は、複数のシートにより構成されている。シャフト6は、第1シートs1から第9シートs9までの、9枚のシートにより構成されている。この展開図は、シャフトを構成するシートを、シャフトの半径方向内側から順に示している。これらのシートは、展開図において上側に位置しているシートから順に、巻回される。この展開図において、図面の左右方向は、シャフト軸方向と一致する。この展開図において、図面の右側は、シャフトのチップ端Tp側である。この展開図において、図面の左側は、シャフトのバット端Bt側である。
この展開図は、各シートの巻き付け順序のみならず、各シートのシャフト軸方向における配置をも示している。例えば図2において、第1シートs1の端は、チップ端Tpに位置している。
本願では、「層」という文言と、「シート」という文言とが用いられる。「層」は、巻回された後における称呼である。これに対して「シート」は、巻回される前における称呼である。「層」は、「シート」が巻回されることによって形成される。即ち、巻回された「シート」が、「層」を形成する。また、本願では、層とシートとで同じ符号が用いられる。例えば、シートs1によって形成された層は、層s1である。
シャフト6は、ストレート層と、バイアス層を有する。シャフト6は、フープ層を有していない。本願の展開図において、各シートには、繊維の配向角度Afが記載されている。この配向角度Afは、シャフト軸方向に対する角度である。
シャフト6は、2層のバイアス層を有する。シャフト6は、2層以上のストレート層を有する。
「0°」と記載されているシートが、ストレート層を構成している。ストレート層を構成するシートは、ストレートシートとも称される。
ストレート層は、上記角度Afが実質的に0°とされた層である。巻き付けの際の誤差等に起因して、通常、上記角度Afは、完全には0°とはならない。通常、ストレート層では、絶対角度θaが10°以下である。絶対角度θaとは、上記配向角度Afの絶対値である。例えば、絶対角度θaが10°以下とは、角度Afが−10°以上+10°以下であることを意味する。
図2の実施形態において、ストレートシートは、シートs1、シートs4、シートs5、シートs6、シートs7、シートs8及びシートs9である。
バイアス層は、シャフトの捻れ剛性及び捻れ強度との相関が高い。好ましくは、バイアスシートは、繊維の配向が互いに逆方向に傾斜した2枚のシートs2,s3を含む。捻れ剛性の観点から、バイアス層の絶対角度θaは、好ましくは15°以上であり、より好ましくは25°以上であり、更に好ましくは40°以上である。捻れ剛性及び曲げ剛性の観点から、バイアス層の絶対角度θaは、好ましくは60°以下であり、より好ましくは50°以下である。
シャフト6において、バイアス層を構成するシートは、第2シートs2及び第3シートs3である。シートs2は、第1バイアスシートとも称される。シートs3は、第2バイアスシートとも称される。上述の通り、図2には、シート毎に、上記角度Afが記載されている。角度Afにおけるプラス(+)及びマイナス(−)は、バイアスシートの繊維が互いに逆方向に傾斜していることを示している。本願において、バイアス層を構成するシートは、単にバイアスシートとも称される。シートs2及びシートs3は、後述される合体シートを構成する。
図2では、シートs3の繊維の傾斜方向が、シートs2の繊維の傾斜方向に等しい。しかし、シートs3は、裏返されて、シートs2に貼り付けられる。この結果、シートs2の角度Afと、シートs3の角度Afとは、互いに逆方向となる。この点を考慮して、図2の実施形態では、シートs2の角度Afが+45度と表記され、シートs3の角度Afが−45度と表記されている。
シャフト6は、フープ層を有さない。シャフト6は、フープ層を有していても良い。好ましくは、フープ層における上記絶対角度θaは、シャフト軸線に対して実質的に90°とされる。ただし、巻き付けの際の誤差等に起因して、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に90°とはならない場合がある。通常、フープ層では、上記角度Afが−90°以上−80°以下、又は、80°以上90°以下である。換言すれば、通常、フープ層では、上記絶対角度θaが80°以上90°以下である。
1枚のシートから形成される層の数は限定されない。例えば、シートのプライ数が1であるとき、このシートは、周方向において1周巻かれる。シートのプライ数が1であるとき、このシートは、シャフトの周方向の全ての位置で、1つの層を形成する。
例えば、シートのプライ数が2であるとき、このシートは、周方向において2周巻かれる。シートのプライ数が2であるとき、このシートは、シャフトの周方向の全ての位置で、2つの層を形成する。
例えば、シートのプライ数が1.5であるとき、このシートは、周方向において1.5周巻かれる。シートのプライ数が1.5であるとき、このシートは、0〜180°の周方向位置で1つの層を形成し、180°〜360°の周方向位置では2つの層を形成する。
皺等の巻回不良を抑制する観点から、幅が広すぎるシートは好ましくない。この観点から、1枚のバイアスシートのプライ数は、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。巻回工程の作業効率の観点から、1枚のバイアスシートのプライ数は、1以上が好ましい。
皺等の巻回不良を抑制する観点から、幅が広すぎるシートは好ましくない。この観点から、1枚のストレートシートのプライ数は、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がより好ましい。巻回工程の作業効率の観点から、1枚のストレートシートのプライ数は、1以上が好ましい。全てのストレートシートにおいて、上記プライ数が1であってもよい。
全長シートでは、巻回不良が生じやすい。巻回不良を抑制する観点から、好ましくは、全ての全長ストレートシートにおいて、1枚のシートのプライ数は2以下である。全ての全長ストレートシートにおいて、上記プライ数が1であってもよい。
上述の通り、本願では、繊維の配向角度によって、シート及び層が分類される。更に、本願では、シャフト軸方向の長さによって、シート及び層が分類される。
本願において、シャフト軸方向の略全体に配置される層が、全長層と称される。本願において、シャフト軸方向の略全体に配置されるシートが、全長シートと称される。巻回された全長シートが、全長層を形成する。
チップ端Tpから軸方向に20mm隔てた地点がTp1とされ、チップ端Tpから地点Tp1までの領域が第1領域とされる。また、バット端Btから軸方向に100mm隔てた地点がBt1とされ、バット端Btから地点Bt1までの領域が第2領域とされる。上記第1領域及び上記第2領域が、シャフトの性能に与える影響は、限定的である。この観点から、全長シートは、上記第1領域及び上記第2領域に存在していなくてもよい。好ましくは、全長シートは、チップ端Tpからバット端Btにまで延びている。換言すれば、全長シートは、シャフト軸方向の全体に配置されているのが好ましい。
本願において、シャフト軸方向において部分的に配置される層が、部分層又は部分補強層と称される。本願では、「部分補強層」は、「部分層」と同義である。層本願において、シャフト軸方向において部分的に配置されるシートが、部分シート又は部分補強シートと称される。巻回された部分シートが、部分層を形成する。部分シートの軸方向長さは、全長シートの軸方向長さよりも短い。好ましくは、部分シートの軸方向長さは、シャフト全長の半分以下である。
本願では、ストレート層である全長層が、全長ストレート層と称される。図2の実施形態において、全長ストレート層は、層s5、層s6及び層s7である。全長ストレートシートは、シートs5、シートs6及びシートs7である。
本願では、ストレート層である部分層が、部分ストレート層と称される。図2の実施形態において、部分ストレート層は、層s1、層s4、層s8及び層s9である。部分ストレートシートは、シートs1、シートs4、シートs8及びシートs9である。
本願では、バット部分層との文言が用いられる。このバット部分層として、バット部分ストレート層及びバット部分バイアス層が挙げられる。図2の実施形態において、バット部分層は設けられていない。バット部分層が設けられてもよい。
本願では、チップ部分層との文言が用いられる。チップ部分層(チップ部分シート)とチップ端Tpとの間の軸方向距離Dt(図2参照)は、40mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましく、20mm以下がより好ましく、0mmがより好ましい。本実施形態では、この距離Dtは0mmである。
このチップ部分層として、チップ部分ストレート層が挙げられる。図2の実施形態において、チップ部分ストレート層は、層s1、層s4、層s8及び層s9である。チップ部分ストレートシートは、シートs1、シートs4、シートs8及びシートs9である。チップ部分層は、シャフト6の先端部分の強度を高める。
図2に示されるシートを用いて、シートワインディング製法により、シャフト6が作製される。
以下に、このシャフト6の製造工程の概略が説明される。
[シャフト製造工程の概略]
(1)裁断工程
裁断工程では、プリプレグシートが所望の形状に裁断される。この工程により、図2に示された各シートが切り出される。
裁断は、裁断機によりなされてもよい。裁断は、手作業でなされてもよい。手作業の場合、例えば、カッターナイフが用いられる。
(2)貼り合わせ工程
貼り合わせ工程では、前述した3つの合体シートが作製される。
貼り合わせ工程では、加熱又はプレスが用いられてもよい。より好ましくは、加熱とプレスとが併用される。後述する巻回工程において、合体シートの巻き付け作業中に、シート間のズレが生じうる。このズレは、巻き付け精度を低下させる。加熱及びプレスは、シート間の接着力を向上させる。加熱及びプレスは、巻回工程におけるシート間のズレを抑制する。
(3)巻回工程
巻回工程では、マンドレルが用意される。典型的なマンドレルは、金属製である。このマンドレルに、離型剤が塗布される。更に、このマンドレルに、粘着性を有する樹脂が塗布される。この樹脂は、タッキングレジンとも称される。このマンドレルに、裁断されたシートが巻回される。このタッキングレジンにより、シート端部をマンドレルに貼り付けることが容易とされている。
シートは、展開図に記載されている順番で、巻回される。展開図で上側にあるシートほど、先に巻回される。上記貼り合わせに係るシートは、合体シートの状態で、巻回される。
この巻回工程により、巻回体が得られる。この巻回体は、マンドレルの外側にプリプレグシートが巻き付けられてなる。巻回は、例えば、平面上で巻回対象物を転がすことにより、達成される。この巻回は、手作業によりなされてもよいし、機械によりなされてもよい。この機械は、ローリングマシンと称される。
(4)テープラッピング工程
テープラッピング工程では、上記巻回体の外周面にテープが巻き付けられる。このテープは、ラッピングテープとも称される。このテープは、張力を付与されつつ巻き付けられる。このテープにより、巻回体に圧力が加えられる。この圧力はボイドを低減させる。
(5)硬化工程
硬化工程では、テープラッピングがなされた後の巻回体が加熱される。この加熱により、マトリクス樹脂が硬化する。この硬化の過程で、マトリクス樹脂が一時的に流動化する。このマトリクス樹脂の流動化により、シート間又はシート内の空気が排出されうる。ラッピングテープの圧力(締め付け力)により、この空気の排出が促進されている。この硬化により、硬化積層体が得られる。
(6)マンドレルの引き抜き工程及びラッピングテープの除去工程
硬化工程の後、マンドレルの引き抜き工程とラッピングテープの除去工程とがなされる。ラッピングテープの除去工程の能率を向上させる観点から、マンドレルの引き抜き工程の後にラッピングテープの除去工程がなされるのが好ましい。
(7)両端カット工程
この工程では、硬化積層体の両端部がカットされる。このカットにより、チップ端Tpの端面及びバット端Btの端面が、平坦とされる。
なお、理解を容易とするため、本願の全ての展開図では、両端カット後のシートが示されている。実際には、裁断時の寸法において、両端カットが考慮される。すなわち、実際には、両端カットがなされる部分の寸法が付加されて、裁断がなされる。
(8)研磨工程
この工程では、硬化積層体の表面が研磨される。硬化積層体の表面には、螺旋状の凹凸が存在する。この凹凸は、ラッピングテープの跡である。研磨により、この凹凸が消滅し、表面が平滑とされる。好ましくは、研磨工程では、全体研磨と先端部分研磨とが実施される。
(9)塗装工程
研磨工程後の硬化積層体が、塗装される。
以上のような工程により、シャフト6が得られる。シャフト6は、軽量で且つ強度に優れる。
シャフトのチップ部分の強度の観点から、チップ部分層の軸方向長さは、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、150mm以上がより好ましい。シャフトの軽量化の観点から、チップ部分層の軸方向長さは、550mm以下が好ましく、400mm以下がより好ましく、300mm以下がより好ましい。
本実施形態では、炭素繊維強化プリプレグ及びガラス繊維強化プリプレグが用いられている。炭素繊維として、PAN系及びピッチ系が例示される。
本願では、以下のような用語が用いられる。
チップ端Tpから16インチ隔てた地点が、P16とも称される。
前記地点P16におけるEI値が、E16(kgf・m)とも称される。
前記地点P16におけるシャフト厚みが、T16(mm)とも称される。シャフト厚みとは、シャフトの内面と外面との間の半径方向距離である。換言すれば、シャフト厚みは、[(シャフト外径−シャフト内径)/2]である。
チップ端Tpから6インチ隔てた地点が、P6とも称される。
前記地点P6におけるEI値が、E6(kgf・m)とも称される。
前記地点P6におけるシャフト厚みが、T6(mm)とも称される。
本願では、地点P16を中心とした±4インチの領域が、RG16とも称される。地点P16を中心とした±4インチの領域とは、チップ端Tpから12インチの地点から、チップ端Tpから20インチの地点までの領域である。好ましくは、領域RG16は、地点P16を中心とした±3インチの領域である。より好ましくは、領域RG16は、地点P16を中心とした±2インチの領域である。より好ましくは、領域RG16は、地点P16を中心とした±1インチの領域である。
本願では、地点P6を中心とした±4インチの領域が、RG6とも称される。地点P6を中心とした±4インチの領域とは、チップ端Tpから2インチの地点から、チップ端Tpから10インチの地点までの領域である。好ましくは、領域RG6は、地点P6を中心とした±3インチの領域である。より好ましくは、領域RG6は、地点P6を中心とした±2インチの領域である。より好ましくは、領域RG6は、地点P6を中心とした±1インチの領域である。
本願では、引張弾性率が30(t/mm)以上40(t/mm)以下の繊維を含む部分層が、高弾性部分補強層とも称される。この繊維は、好ましくは、炭素繊維である。好ましくは、高弾性部分補強層は、炭素繊維強化層である。好ましくは、この炭素繊維は、PAN系炭素繊維である。
本願では、ガラス繊維を含む部分層が、ガラス部分補強層とも称される。ガラス部分補強層は、ガラス繊維強化層である。好ましくは、ガラス部分補強層は、ストレート層である。
本願では、引張弾性率が10(t/mm)以下のピッチ系炭素繊維を含む部分層が、低弾性部分補強層とも称される。低弾性部分補強層は、ピッチ系炭素繊維強化層である。好ましくは、低弾性部分補強層は、ストレート層である。
従来のシャフトでは、軽量化によりヘッドスピードが高まるもの、打球がスライスとなりやすいことが分かった。ヘッドスピードが速くなるため、ダウンスイングの開始からインパクトまでの時間が短くなり、結果としてフェースが返りきらないことが想定された。この問題を解決するため、本発明者は鋭意検討した。その結果、本発明が有効であることが判明した。
捕まりを良くする観点から、地点P16の曲げ剛性E16を2.4(kgf・m)以上とするのが有効であることが分かった。この効果が生じる理由は、ダウンスイング中におけるシャフトの挙動にあると推測される。
ダウンスイングでは、先ず、コック(手首の折れ)が溜まったままクラブが振り下ろされる。次に、このコックがリリースされると同時に、リストターンがなされる。即ち、コックリリース局面が到来する。このコックリリース局面で、コックのリリースと共にフェース面が返り、インパクトを迎える。フェースターンが充分になされ、インパクトでフェース面がスクエアになれば、スライス等のサイドスピンは生じず、大きな飛距離が得られる。フェースターンが不足すれば、インパクトでフェース面が開き、スライスが生じる。このスライスにより、飛距離が低下する。なお、フェースターンが過剰である場合、インパクトでフェース面が閉じ、フックが生じる。このフックも、飛距離を低下させる。
ダウンスイングの初期段階では、シャフトのうちグリップ近傍に大きな曲げ変形が生じる。ダウンスイングにおいて大きな曲げ変形が生じる部分が、本願においてベンディングポイントとも称される。ダウンスイングの進行につれて、しなり戻りが生じ、ベンディングポイントは徐々にチップ側に移動する。
コックリリース局面を迎えるのは、ダウンスイング中の、比較的インパクトに近いタイミングである。コックリリース局面を迎えるのは、ダウンスイングの後半と考えられる。したがって、コックリリース局面においては、上記ベンディングポイントが比較的チップ寄りに移動していると考えられる。
このコックリリース局面では、コックのリリースとヘッドターンとが生じ、ヘッドに大きな加速度が生じる。このため、ヘッドが遅れる方向へのシャフトの撓りが生じやすくなり、しなり戻りが遅れる。この結果、振り遅れの状態となり、フェースが返りきらないままインパクトを迎える。
この状況を改善するためには、コックリリース局面におけるベンディングポイントの近傍で曲げ剛性を高めるのが好ましいと推測された。この推測に基づき、曲げ剛性E16を高めたところ、良好な捕まりが得られた。この効果が、E16効果とも称される。
捕まりを改善する観点から、E16は、2.4(kgf・m)以上が好ましく、2.6(kgf・m)以上がより好ましく、2.8(kgf・m)以上がより好ましい。E16が過大である場合、シャフトの撓りが不足し、ヘッドスピードが低下しうる。この観点から、E16は、4.2(kgf・m)以下が好ましく、4.0(kgf・m)以下がより好ましく、3.8(kgf・m)以下がより好ましい。
チップ端Tpから6インチの地点P6は、チップ端Tpに近い。この地点P6における剛性E6が抑制されることで、シャフト6のチップ部がスイング進行方向に撓り、ヘッドが返りやすい。この効果が、E6効果とも称される。このE6効果と、前述したE16効果とで、相乗効果が生まれる。この相乗効果により、捕まりが更に良好となりうる。
捕まりの観点から、E6は、2.7(kgf・m)以下が好ましく、2.6(kgf・m)以下がより好ましく、2.5(kgf・m)以下がより好ましい。E6が過小である場合、シャフトのチップ部分の強度が不足することがある。この観点から、E6は、1.8(kgf・m)以上が好ましく、2.0(kgf・m)以上がより好ましく、2.2(kgf・m)以上がより好ましい。
上述の相乗効果を高めるためには、E16が大きく且つE6が小さいのが好ましい。即ち、E16/E6は大きいほうが好ましい。この観点から、E16/E6は、0.95以上が好ましく、1.05以上がより好ましく、1.15以上がより好ましい。E16/E6が過大である場合、E16が過大となったり、E6が過小となったりしやすい。この観点から、E16/E6は、1.50以下が好ましく、1.40以下がより好ましく、1.30以下がより好ましい。
上述の通り、T6(mm)は、地点P6におけるシャフト厚みである。強度の観点から、T6は、1.10mm以上が好ましく、1.20mm以上がより好ましく、1.30mm以上がより好ましい。過大なE6を防止する観点から、T6は、1.80mm以下が好ましく、1.70mm以下がより好ましく、1.60mm以下がより好ましい。
シャフト6では、領域RG6における強度を確保しつつ、E6を抑制するのが好ましい。捕まりと高強度との両立の観点から、E6/T6は、1.9以下が好ましく、1.85以下がより好ましい。E6/T6が過小である場合、E6が過小となったり、T6が過大となったりしやすい。この観点から、E6/T6は、1.50以上が好ましく、1.60以上がより好ましく、1.70以上がより好ましい。
上述の通り、T16(mm)は、地点P16におけるシャフト厚みである。軽量性の観点から、T16は、1.40mm以下が好ましく、1.30mm以下がより好ましく、1.20mm以下がより好ましい。強度の観点から、T16は、0.60mm以上が好ましく、0.70mm以上がより好ましく、0.80mm以上がより好ましい。
シャフト6では、軽量性を維持しつつ、E16を高めるのが好ましい。高いE16と軽量性との両立の観点から、E16/T16は、3.0以上が好ましく、3.1以上がより好ましく、3.2以上がより好ましい。E16/T16が過大である場合、E16が過大となったり、T16が過小となったりしやすい。この観点から、E16/T16は、4.5以下が好ましく、4.3以下がより好ましく、4.1以下がより好ましい。
好ましくは、領域RG16の少なくともいずれかに、高弾性部分補強層が配置される。この高弾性部分補強層の補強繊維は、引張弾性率が30(t/mm)以上40(t/mm)以下の繊維である。
図2の実施形態では、シートs4が、高弾性部分補強層である。この高弾性部分補強層s4は、チップ端Tpと、地点P6と、地点P16とを含むように配置されている。高弾性部分補強層は、領域RG16の剛性を高める。高弾性部分補強層は、領域RG16を補強している。この観点から、この高弾性部分補強層は、16インチ領域補強層とも称される。図2の実施形態では、シートs4が、16インチ領域補強層である。
この高弾性部分補強層により、軽量性を維持しつつ、E16を高めることができる。E16を高めるために、高弾性部分補強層は、領域RG16の少なくともいずれかに配置されればよい。例えば、高弾性部分補強層は、領域RG16の一部のみに配置されてもよい。高弾性部分補強層の設置領域は、必ずしも、P16を含まなくても良い。領域RG16の少なくとも一部に高弾性部分補強層が配置されていれば、E16を高める効果が生じうる。
高弾性部分補強層(16インチ領域補強層)の配置の形態として、以下の(a1)から(a9)が例示される。なお、地点P12とは、チップ端Tpから12インチ隔てた地点を意味し、地点P20とは、チップ端Tpから20インチ隔てた地点を意味する。
(a1)高弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、高弾性部分補強層のバット側の端は地点P16よりもバット側に位置する。
(a2)高弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpと地点P6との間に位置し、高弾性部分補強層のバット側の端は地点P16よりもバット側に位置する。
(a3)高弾性部分補強層のチップ側の端は地点P6と地点P16との間に位置し、高弾性部分補強層のバット側の端は地点P16よりもバット側に位置する。
(a4)高弾性部分補強層のチップ側の端は地点P6と地点P16との間に位置し、高弾性部分補強層のバット側の端は地点P16と地点P20との間に位置する。
(a5)高弾性部分補強層のチップ側の端は地点P16と地点P20との間に位置し、高弾性部分補強層のバット側の端も地点P16と地点P20との間に位置する。
(a6)高弾性部分補強層のチップ側の端は地点P12と地点P16との間に位置し、高弾性部分補強層のバット側の端も地点P12と地点P16との間に位置する。
(a7)高弾性部分補強層のチップ側の端は地点P12と地点P16との間に位置し、高弾性部分補強層のバット側の端は地点P16よりもバット側に位置する。
(a8)高弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、高弾性部分補強層のバット側の端は地点P20と地点P16との間に位置する。
(a9)高弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、高弾性部分補強層のバット側の端は地点P16と地点P12との間に位置する。
E16を高める観点から、高弾性部分補強層における繊維の引張弾性率は、30(t/mm)以上が好ましく、31(t/mm)以上がより好ましく、33(t/mm)以上がより好ましい。強度の観点から、高弾性部分補強層における繊維の引張弾性率は、40(t/mm)以下が好ましく、38(t/mm)以下がより好ましく、36(t/mm)以下がより好ましい。
好ましくは、領域RG6の少なくともいずれかに、ガラス部分補強層が配置される。このガラス部分補強層の補強繊維は、ガラス繊維である。ガラス繊維の引張弾性率は、通常、7(t/mm)以上8(t/mm)以下である。
図2の実施形態では、シートs1が、ガラス部分補強層である。ガラス部分補強層s1は、最内層である。ガラス部分補強層s1は、チップ端Tpから地点P6までの範囲に配置されている。ガラス部分補強層s1のチップ側の端は、チップ端Tpに位置する。
このガラス部分補強層により、E6を抑制してチップ部を柔らかくしながら、強度を高めることができる。ガラス部分補強層は、領域RG6の少なくともいずれかに配置されればよい。例えば、ガラス部分補強層は、領域RG6の一部のみに配置されてもよい。ガラス部分補強層の設置領域は、必ずしも、P6を含まなくても良い。領域RG6の少なくとも一部にガラス部分補強層が配置されていれば、E6を抑制しつつ強度を高める効果が生じうる。
ガラス部分補強層の配置の形態として、以下の(b1)から(b8)が例示される。なお、地点P2とは、チップ端Tpから2インチ隔てた地点を意味し、地点P10とは、チップ端Tpから10インチ隔てた地点を意味する。
(b1)ガラス部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、ガラス部分補強層のバット側の端は地点P6よりもバット側に位置する。
(b2)ガラス部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、ガラス部分補強層のバット側の端は地点P10よりもバット側に位置する。
(b3)ガラス部分補強層のチップ側の端は地点P6と地点P10との間に位置し、ガラス部分補強層のバット側の端も地点P6と地点P10との間に位置する。
(b4)ガラス部分補強層のチップ側の端は地点P2と地点P6との間に位置し、ガラス部分補強層のバット側の端も地点P2と地点P6との間に位置する。
(b5)ガラス部分補強層のチップ側の端は地点P2と地点P6との間に位置し、ガラス部分補強層のバット側の端は地点P6と地点P10との間に位置する。
(b6)ガラス部分補強層のチップ側の端は地点P2と地点P6との間に位置し、ガラス部分補強層のバット側の端は地点P6よりもバット側に位置する。
(b7)ガラス部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、ガラス部分補強層のバット側の端は地点P10と地点P6との間に位置する。
(b8)ガラス部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、ガラス部分補強層のバット側の端は地点P6と地点P2との間に位置する。
ガラス繊維の引張弾性率は低い。このため、ガラス部分補強層は、E6を小さくするのに寄与する。また、ガラス繊維は、引張強度は高くないものの、衝撃吸収エネルギーの向上に寄与する。この衝撃吸収エネルギーを高めることで、実際の打撃において、破壊に至るまでのエネルギーが増大する。結果として、実際の使用におけるシャフトの強度が高まる。
E6を抑制しつつ、衝撃吸収エネルギーを高める観点から、ガラス部分補強層は、半径方向の内側に配置されるのが好ましい。この観点から、ガラス部分補強層は、シャフト厚みを二等分する半径方向位置よりも内側に配置されるのが好ましい。同じ観点から、シャフト6の最内層がガラス部分補強層であるのがより好ましい。図2の実施形態では、シャフト6の最内層がガラス部分補強層s1である。
好ましくは、領域RG6の少なくともいずれかに、引張弾性率が10(t/mm)以下のピッチ系炭素繊維を含む低弾性部分補強層が配置される。低弾性部分補強層の補強繊維は、引張弾性率が10(t/mm)以下のピッチ系炭素繊維である。
図2の実施形態では、シートs8が、低弾性部分補強層である。この低弾性部分補強層s8は、最外層を構成するシートs9に隣接した径方向位置に配置されている。換言すれば、この低弾性部分補強層s8は、最外層s9の一層内側に配置されている。この低弾性部分補強層s8は、最外層(を構成するシート)s9のみに覆われている。低弾性部分補強層s8のチップ側の端は、チップ端Tpに位置する。
この低弾性部分補強層により、E6を抑制してチップ部を柔らかくしながら、強度を高めることができる。低弾性部分補強層は、領域RG6の少なくともいずれかに配置されればよい。例えば、低弾性部分補強層は、領域RG6の一部のみに配置されてもよい。低弾性部分補強層の設置領域は、必ずしも、P6を含まなくても良い。領域RG6の少なくとも一部に低弾性部分補強層が配置されていれば、E6を抑制しつつ強度を高める効果が生じうる。
低弾性部分補強層とガラス部分補強層との相乗効果により、E6を抑制しつつ強度を高める効果は更に高まる。
低弾性部分補強層の配置の形態として、以下の(c1)から(c8)が例示される。
(c1)低弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、低弾性部分補強層のバット側の端は地点P6よりもバット側に位置する。
(c2)低弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、低弾性部分補強層のバット側の端は地点P10よりもバット側に位置する。
(c3)低弾性部分補強層のチップ側の端は地点P6と地点P10との間に位置し、低弾性部分補強層のバット側の端も地点P6と地点P10との間に位置する。
(c4)低弾性部分補強層のチップ側の端は地点P2と地点P6との間に位置し、低弾性部分補強層のバット側の端も地点P2と地点P6との間に位置する。
(c5)低弾性部分補強層のチップ側の端は地点P2と地点P6との間に位置し、低弾性部分補強層のバット側の端は地点P6と地点P10との間に位置する。
(c6)低弾性部分補強層のチップ側の端は地点P2と地点P6との間に位置し、低弾性部分補強層のバット側の端は地点P6よりもバット側に位置する。
(c7)低弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、低弾性部分補強層のバット側の端は地点P10と地点P6との間に位置する。
(c8)低弾性部分補強層のチップ側の端はチップ端Tpに位置し、低弾性部分補強層のバット側の端は地点P6と地点P2との間に位置する。
低弾性部分補強層における繊維の引張弾性率の下限値は特に限定されない。入手の容易性の観点から、低弾性部分補強層における繊維の引張弾性率は、5(t/mm)以上が好ましく、8(t/mm)以上がより好ましく、9(t/mm)以上がより好ましい。
E6を抑制しつつ、衝撃吸収エネルギーを高める観点から、低弾性部分補強層は、半径方向の外側に配置されるのが好ましい。この観点から、低弾性部分補強層は、シャフト厚みを二等分する半径方向位置よりも外側に配置されるのが好ましい。同じ観点から、シャフト6の最外層の1層内側が低弾性部分補強層であるのがより好ましい。換言すれば、低弾性部分補強層が、最外層に隣接した半径方向位置に配置されているのが好ましい。即ち、最外層(を構成するシート)を除くと、低弾性部分補強層が半径方向の最も外側に位置するのが好ましい。図2の実施形態にもこの構成が採用されている。
図2において両矢印Ft1で示されるのは、ガラス部分補強層の軸方向長さである。衝撃吸収エネルギーを高める観点から、長さFt1は、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、150mm以上がより好ましい。シャフトの軽量化の観点から、長さFt1は、300mm以下が好ましく、250mm以下がより好ましく、200mm以下がより好ましい。
図2において両矢印Ft2で示されるのは、高弾性部分補強層(16インチ領域補強層)の軸方向長さである。しなり戻りを促進して捕まりを良くする観点から、長さFt2は、300mm以上が好ましく、350mm以上がより好ましく、400mm以上がより好ましい。長さFt2が過大である場合、剛性が高くなる領域が広くなりすぎて、前述したE16効果が得られにくくなる。この観点、及び、シャフトの軽量化の観点から、長さFt2は、550mm以下が好ましく、500mm以下がより好ましく、450mm以下がより好ましい。
前述のE16効果を高めるには、領域RG16よりもバット側の部分に高弾性部分補強層が配置されていないのが好ましい。この観点から、高弾性部分補強層は、地点P22よりもバット側の領域に存在しないのが好ましく、地点P21よりもバット側の領域に存在しないのがより好ましく、地点P20よりもバット側の領域に存在しないのがより好ましい。なお、地点P22とは、チップ端Tpから22インチ隔てた地点を意味し、地点P21とは、チップ端Tpから21インチ隔てた地点を意味する。
図2において両矢印Ft3で示されるのは、低弾性部分補強層の軸方向長さである。衝撃吸収エネルギーを高める観点から、長さFt3は、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、150mm以上がより好ましい。シャフトの軽量化の観点から、長さFt3は、300mm以下が好ましく、250mm以下がより好ましく、200mm以下がより好ましい。
本発明のシャフトは、軽量であっても捕まりが良く、且つ強度が高い。よって、軽量なシャフトにおいて本発明の効果が際立つ。この観点から、シャフト重量は、68g以下が好ましく、67g以下がより好ましく、66g以下がより好ましく、65g以下がより好ましく、64g以下がより好ましく、63g以下がより好ましく、62g以下がより好ましい。設計自由度の観点から、シャフト重量は、40g以上が好ましく、50g以上がより好ましく、55g以上がより好ましい。
以下の表1及び表2は、使用可能なプリプレグの例を示す。これらのプリプレグは市販されている。
Figure 2018038717

Figure 2018038717

以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
上述したシャフト6の製造工程と同様にして、実施例1のシャフトを得た。実施例1の積層構成は、図2に示される通りとされた。実施例1では、各シートに、以下の材料が用いられた。
・第1シートs1:三菱レイヨン社製の「GE352H−160S」
・第2シートs2:三菱レイヨン社製の「HRX350C−110S」
・第3シートs3:三菱レイヨン社製の「HRX350C−110S」
・第4シートs4:東レ社製の「17045G−10」
・第5シートs5:三菱レイヨン社製の「MRX350C−100S」
・第6シートs6:三菱レイヨン社製の「MRX350C−100S」
・第7シートs7:東レ社製の「3225S−15」
・第8シートs8:日本グラファイトファイバー社製の「E1026A−09N」
・第9シートs9:東レ社製の「3225S−10」
得られたシャフトに、ドライバー用ヘッド及びグリップを装着して、実施例1に係るゴルフクラブを得た。ヘッドとして、ダンロップスポーツ社製の「スリクソンZ545ドライバー」のヘッド(ロフト10.5°)が用いられた。
実施例1の仕様と評価結果が、下記の表3から8のそれぞれに示される。比較の容易性の観点から、以下の表3から8では、全ての表に実施例1の仕様及び評価結果が記載されている。
なお、以下の表3から8において、領域RG6におけるガラス部分補強層の使用の有無が、○又は×で示されている。○は使用されていることを意味し、×は使用されていないことを意味する。また、以下の表3から8において、領域RG6における低弾性部分補強層の使用の有無が、○又は×で示されている。○は使用されていることを意味し、×は使用されていないことを意味する。
[実施例2−3及び比較例1−2]
図2の積層構成において使用されるプリプレグ及びそれらの寸法を適切に選択し、表3に示される仕様とした他は、実施例1と同様にして、実施例2−3及び比較例1−2を得た。これらの評価結果が、下記の表3に示される。
なお、実施例1では、図2のシートs4として、繊維弾性率が33(t/mm)のプリプレグが用いられた。これに対して、比較例1では、図2のシートs4として、繊維弾性率が24(t/mm)のプリプレグが用いられた。実施例2では、図2のシートs4として、繊維弾性率が30(t/mm)のプリプレグが用いられた。実施例3では、図2のシートs4として、繊維弾性率が40(t/mm)のプリプレグが用いられた。比較例2では、図2のシートs4として、繊維弾性率が46(t/mm)のプリプレグが用いられた。
[実施例4−5及び比較例3−4]
図2の積層構成において使用されるプリプレグ及びそれらの寸法を適切に選択し、表4に示される仕様とした他は、実施例1と同様にして、実施例4−5及び比較例3−4を得た。これらの評価結果が、下記の表4に示される。この表4では、厚みT6が変化している。
[実施例6−8及び比較例5]
図2の積層構成において使用されるプリプレグ及びそれらの寸法を適切に選択し、表5に示される仕様とした他は、実施例1と同様にして、実施例6−8及び比較例5を得た。これらの評価結果が、下記の表5に示される。この表5では、厚みT16が変化している。
[実施例9−10及び比較例6−7]
図2の積層構成において使用されるプリプレグ及びそれらの寸法を適切に選択し、表6に示される仕様とした他は、実施例1と同様にして、実施例9−10及び比較例6−7を得た。これらの評価結果が、下記の表6に示される。この表6では、厚みT6及び厚みT16が変化している。
[比較例8−10]
図2の積層構成において使用されるプリプレグ及びそれらの寸法を適切に選択し、表7に示される仕様とした他は、実施例1と同様にして、比較例8−10を得た。これらの評価結果が、下記の表7に示される。
比較例8では、図2のシートs1が、ガラス部分補強層から、炭素繊維で補強された部分層に置換された。この炭素繊維の引張弾性率は、24(t/mm)であった。
比較例9では、図2のシートs1が、ガラス部分補強層から、炭素繊維で補強された部分層に置換された。この炭素繊維の引張弾性率は、24(t/mm)であった。加えて、比較例9では、図2のシートs8が、低弾性部分補強層から、引張弾性率が24(t/mm)のPAN系炭素繊維で補強された部分層に置換された。このPAN系炭素繊維の引張弾性率は、24(t/mm)であった。
比較例10では、図2のシートs4として、繊維弾性率が24(t/mm)のプリプレグが用いられ、厚みT16が大きくされた。
[実施例11]
実施例11の積層構成が、図3に示される。シートs1とシートs8との間で積層順序を入れ替えた他は実施例1と同様にして、実施例11を得た。結果として、実施例11では、ガラス部分補強層が外側(最外層s9に隣接する位置)とされ、低弾性部分補強層が内側(最内層)とされた。実施例11の仕様及び評価結果が、下記の表8に示されている。
[実施例12]
実施例12の積層構成が、図4に示される。ガラス部分補強層の積層順序を第1シートs1から第4シートs4に変更した他は実施例1と同様にして、実施例12を得た。結果として、実施例12では、ガラス部分補強層が、シートs3(高弾性部分補強層)とシートs5(最も内側の全長ストレート層)との間に位置していた。実施例12の仕様及び評価結果が、下記の表8に示されている。
[実施例13]
実施例13の積層構成が、図5に示される。低弾性部分補強層の積層順序を第8シートs8から第5シートs5に変更した他は実施例1と同様にして、実施例13を得た。結果として、実施例13では、低弾性部分補強層が、シートs4(高弾性部分補強層)とシートs6(最も内側の全長ストレート層)との間に位置していた。実施例13の仕様及び評価結果が、下記の表8に示されている。
Figure 2018038717

Figure 2018038717

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Figure 2018038717

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評価方法は、次の通りである。
[実打テスト]
右利きである10名のテスターが、実打を行った。10名のテスターのハンディキャップは、10から20の間であった。ボールとして、ダンロップスポーツ社製の「スリクソンZ−STAR」が用いられた。各テスターが、各クラブで、10回ずつ打撃を行った。
この実打テストでは、ヘッドスピード、飛距離キャリー、及び、落下地点左右位置が計測された。飛距離キャリーとは、ボールの落下地点における飛距離である。落下地点左右位置とは、落下地点の目標方向からのズレ距離である。右にズレた場合はプラスの値とされ、左にズレた場合はマイナスの値とされた。よって、落下地点左右位置がプラスの値であることは、捕まりが悪く打球がスライスしたことを意味する。また、落下地点左右位置がマイナスであることは、捕まりが過剰であり打球がフックしたことを意味する。スライスを抑制し飛距離を高まる観点から、捕まりが良好であるのが好ましいが、捕まりが過剰である場合も、飛距離が低下する。よって、落下地点左右位置が0に近いほど、好ましい。全員による全てのショットの平均値が、上記表3から8に示される。
[EI(曲げ剛性)]
図6は、曲げ剛性EIの測定方法を概略的に示す。EIは、インテスコ製2020型(最大荷重500kg)の万能材料試験機を用いて測定される。第1支持点T1と第2支持点T2とにより、シャフト6が下方から支持される。この支持を維持しながら、測定点T3に上方から荷重Fzを加える。荷重Fzの向きは、鉛直方向下向きである。点T1と点T2との間の距離は200mmである。測定点T3の位置は、点T1と点T2の間を二等分する位置である。荷重Fzを加えたときのたわみ量Hが測定される。荷重Fzは、圧子R1により与えられる。圧子R1の先端は、曲率半径を5mmとする円筒面である。圧子R1の下方への移動速度は5mm/分である。荷重Fz1が20kgf(196N)に達した時点で圧子R1の移動を終了し、そのときのたわみ量Hが測定される。たわみ量Hは、鉛直方向における点T3の変位量である。EIは、次式にて算出される。
EI(kgf・m)=Fz×L/(48×H)
ただし、Fzは最大荷重(kgf)であり、Lは支持点間距離(m)であり、Hはたわみ量(m)である。最大荷重Fzは20kgfであり、支持点間距離Lは0.2mである。
[3点曲げ強度]
図7は、この3点曲げ強度試験の測定方法を示す。この3点曲げ強度は、SG式3点曲げ強度試験に準拠して測定された。この試験は、日本の製品安全協会により定められている。測定点は、A点とAB中間点とが測定された。A点は、上記試験で定められており、チップ端Tpから175mm隔てた地点である。AB中間点は、上記試験で規定されたA点とB点との間の中間点であり、チップ端Tpから350mm隔てた地点である。A点は、地点P6に近く、領域RG6に含まれる。AB中間点は、地点P16に近く、領域RG16に含まれる。
図7が示すように、2つの支持点e1、e2においてシャフト6を下方から支持しつつ、荷重点e3において、圧子22により、上方から下方に向かって、荷重Fを加えた。圧子22の先端部には、シリコンゴム24を装着した。荷重点e3の位置は、支持点e1と支持点e2とを二等分する位置であった。荷重点e3が、測定点である。上記スパンSは、300mmであった。シャフト6が破損したときの荷重Fの値(ピーク値)が測定された。上記図3から8には、この測定値が、実施例1の値を100%とする百分率で示されている。
[衝撃吸収エネルギー]
図8は、衝撃吸収エネルギーの測定方法を示す。片持ち曲げ方式で衝撃試験を行った。測定装置50として、米倉製作所製の落錘型衝撃試験機(IITM−18)を用いた。シャフトの先端Tpから50mmまでの先端部を固定治具52に固定した。固定端から100mmの位置に、600gの錘Wを、1500mm上方から衝突させた。錘Wには加速度計54が取り付けられた。加速度計54は、AD変換器56を介してFFTアナライザー58に接続された。FFT処理により、計測波形が得られた。この測定により、変位Dと衝撃曲げ荷重Lとが計測され、破壊が開示されるまでの衝撃吸収エネルギーが算出された。この値が、上記表3から8で示される。
図9は、計測された波形の一例である。この波形は、変位D(mm)と衝撃曲げ荷重L(kgf)との関係を示すグラフである。この図9のグラフにおいて、ハッチングで示される部分の面積が、衝撃吸収エネルギーEm(J)を示している。
表3が示すように、実施例1から3は、捕まりが良く、飛距離も大きい。比較例1では、領域RG16に配置されている部分補強層の繊維弾性率が低く、E16/T16が小さい。このため、捕まりが悪く、飛距離が低下している。比較例2では、領域RG16に配置されている部分補強層の繊維弾性率が高く、E16/T16が大きい。このため、捕まりが過剰となり、飛距離が低下している。
表4が示すように、実施例4と5は、A点の強度が異なるものの、捕まり及び飛距離が良好である。比較例3では、厚みT6及びE6が小さく、E16/E6が大きい。このため、捕まりが過剰となっている。比較例4では、厚みT6が大きく、E6が過大である。このため、シャフト重量が大きくヘッドスピードが低下している。
表5が示すように、実施例6から8では、T16及びシャフト重量の相違等によりヘッドスピードが相違しているものの、捕まりは良好である。比較例5では、T16が小さく、E16が小さく、E16/E6及びE16/T16も小さい。このため、捕まりが悪く、AB中間点の強度も低い。
表6が示すように、実施例9及び10では、シャフト重量の相違等によりヘッドスピードが相違しているものの、捕まりは良好である。比較例6では、E16/E6が大きく、捕まりが過剰である。比較例7では、E16/E6が小さく、捕まりが悪い。
表7が示すように、比較例8では、ガラス部分補強層が無いため、衝撃吸収エネルギーが小さい。比較例9では、ガラス部分補強層及び低弾性部分補強層が無いため、衝撃吸収エネルギーが更に小さい。比較例10では、T16が大きく、シャフト重量が大きい。また、E16/T16が小さい。このため、ヘッドスピード及び飛距離が低下している。
表8が示すように、実施例11では、ガラス部分補強層が外側に、且つ、低弾性部分補強層が内側に配置されているため、衝撃吸収エネルギーが若干低い。実施例12では、ガラス部分補強層が外側に移動しているため、衝撃吸収エネルギーが実施例1と比べて低い。実施例13では、低弾性部分補強層が内側に移動しているため、衝撃吸収エネルギーが実施例1と比べて低い。
このように、実施例は、比較例に比べて高評価である。本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたシャフトは、あらゆるゴルフクラブに用いられ得る。
2・・・ゴルフクラブ
4・・・ヘッド
6・・・シャフト
8・・・グリップ
s1〜s9・・・プリプレグシート(層)
Tp・・・シャフトのチップ端
Bt・・・シャフトのバット端

Claims (7)

  1. 複数の繊維強化層により形成されており、
    チップ端とバット端とを備えており、
    前記チップ端から16インチ隔てた地点P16におけるEI値がE16(kgf・m)とされ、
    前記地点P16におけるシャフト厚みがT16(mm)とされ、
    前記チップ端から6インチ隔てた地点P6におけるEI値がE6(kgf・m)とされ、
    前記地点P6におけるシャフト厚みがT6(mm)とされるとき、
    E16が2.4(kgf・m)以上であり、
    E6が2.7(kgf・m)以下であり、
    E16/E6が0.95以上1.50以下であり、
    E6/T6が1.9以下であり、
    E16/T16が3.0以上であり、
    前記地点P16を中心とした±4インチの領域の少なくともいずれかに、引張弾性率が30(t/mm)以上40(t/mm)以下の繊維を含む高弾性部分補強層が配置されているゴルフクラブシャフト。
  2. 前記地点P6を中心とした±4インチの領域の少なくともいずれかに、ガラス繊維を含むガラス部分補強層が配置されている請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 前記ガラス部分補強層が、シャフト厚みを二等分する半径方向位置よりも内側に配置されている請求項2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 最内層が前記ガラス部分補強層である請求項3に記載のゴルフクラブシャフト。
  5. 前記地点P6を中心とした±4インチの領域の少なくともいずれかに、引張弾性率が10(t/mm)以下のピッチ系炭素繊維を含む低弾性部分補強層が配置されている請求項1から4のいずれかに記載のゴルフクラブシャフト。
  6. 前記低弾性部分補強層が、シャフト厚みを二等分する半径方向位置よりも外側に配置されている請求項5に記載のゴルフクラブシャフト。
  7. 前記低弾性部分補強層が、最外層に隣接した半径方向位置に配置されている請求項6に記載のゴルフクラブシャフト。
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