JP6600826B2 - フローティングチャック - Google Patents

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Description

この発明は、フローティングチャックに係り、詳しくはダイヤフラム構造を有するフローティングチャックに関するものである。
近年、円筒形のワークを加工する場合には、チャック爪でワークを把持し、回転させるチャック機構が用いられている。チャック機構にセットされるワークの両端には、ほぼ中心部にセンター部材が接続される円錐状の穴が形成されており、その両端の穴に、対向する一対のセンター部材の先端を、両側から挿入することで、旋盤にワークがセットされる。ワークの一端は、チャック機構で把持されるとともに、チャック機構を介してワークに回転が伝達され、切削加工が行われる。
ここで、セットされるワークは、既述のとおり両端に穴が形成されており、この両端の穴を繋ぐ回転軸が、加工後の製品の中心線となる。しかし、加工前においては、ワークの中心に穴が形成されているとは限らない。つまり、加工時の誤差によって、ワークの中心から若干外れた位置に穴が設けられていることが多い。このため、センター部材で位置決めされワークを、センター部材の周囲に等間隔で配置されたチャック爪によってクランプすると、各チャック爪からワークに伝達されるクランプ力が不均等となり、ワークを確実に把持することができないといった問題があった。特に、このような問題は、ダイヤフラム構造を有するチャック機構において顕著であった。
このような問題点を解決するため、チャック爪がワーク中心の偏芯に応じて移動可能としたフローティングチャック構造が提案されている。このフローティングチャック構造は、例えば、特許文献1に記載のように、チャック機構のベース部にフローティング支持部を介して配置されたバッキングプレートに、複数のチャック爪を配置し、パッキングプレートの中心部をワークの方向へ押し出し変形させることによって、チャック爪を開いてアンクランプ位置とし、ワークをセットした後、バッキングプレートの戻り変形によってワークをクランプする構成となっている。
特開2003−145326号
しかしながら、特許文献1に記載の構成においては、ワークの把持力は、バッキングプレートの戻り変形力のみに基づいて発生するので、把持力をより強く設定することが困難である。このため、チャックを高速で回転させた場合、チャック爪に遠心力が外方向に加わって、チャック爪によるワークの把持力が低下した場合、ワーク把持力を補強することがでないといった問題があった。
この発明は、チャック爪によるワークのクランプが、より確実に可能となるフローティングチャックを提供することを目的とするものである。
上記目的を解決するための本発明は、以下の構成を有する。
(1)チャック本体と、
チャック本体に取り付けられ、厚肉の外周端部と、中心部に設けられた基端接続部と、前記周端部と前記基端接続部の間に設けられた薄肉のダイヤフラム部と、該ダイヤフラム部に設けられたチャック爪取付部とを有するフローティング把持部材と、
該フローティング把持部材の外周端部に先端側から係合しつつチャック本体に付設されるとともに、該フローティング把持部材を回転軸に対して垂直な平面内において、前記チャック本体に対して相対的に移動可能に保持する保持部材と、
前記チャック本体と前記フローティング把持部材の間に介在し、フローティング把持部材の相対移動を可能としつつチャック本体の回転を前記フローティング把持部材に伝達する回転伝達部と、
チャック本体内に設けられたシリンダ内に収容されるとともに、前記基端接続部に接続されて、前記基端接続部を回転軸方向に進退させるピストンとを有し、
前記ピストンと前記基端接続部との間の接続部は、バイヨネット構造であることを特徴とするフローティングチャック。
(2)フローティング把持部材と保持部材の間には弾性材よりなる復帰部材が介在されている上記(1)に記載のフローティングチャック。
(3)前記回転伝達部は、前記フローティング把持部材の外周端部に形成された挿通孔と、
該挿通孔内を挿通し前記チャック本体に基端が固定されている係止部材とを有する上記(1)又は(2)に記載のフローティングチャック。
(4)前記回転伝達部は、前記フローティング把持部材の外周面又は基端側面に形成された凸部又は凹部と、チャック本体又は保持部材に側に形成され、前記フローティング把持部材側に形成された凸部又は凹部に係合する凹部又は凸部とを有している上記(1)又は(2)に記載のフローティングチャック。
請求項1に記載の発明によれば、フローティング把持部材がバイヨネット構造によりピストンと接続されているので、ピストンとの接続部によって、フローティング把持部材の移動が緩衝されることなく、ワークの状態に応じて把持するために適正な位置に移動することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、ワークの把持を解除した場合には、復帰部材の弾性変形が元に戻ることにより、自動的にフローティング把持部材が初期位置に復帰することができる。
請求項3に記載の発明によれば、係止部材と挿通孔を介してチャック本体の回転がフローティング把持部材に伝達される。
請求項4に記載の発明によれば、チャック本体とフローティング把持部材との間に介在する凹凸による係合によって、チャック本体の回転がフローティング把持部材に伝達される。
本発明のフローティングチャックの全体断面側面図である。 本発明のフローティングチャックの全体分解斜視図である。 本発明のフローティング把持部材の周端部部分断面図である。 本発明のフローティング把持部材の基端側底面図である。 本発明のフローティング把持部材とピストン本体との接続部分の断面側面図である。 他の構成例を示すフローティングチャックの全体平面図である。 他の構成例を示すフローティングチャックの全体平面図である。 同じくフローティング把持部材の周端部部分断面図である。
以下、本発明のフローティングチャックについて、添付図面に基づいて詳説する。図1は、本発明のフローティングチャック1の全体側面図、図2は、同じく分解斜視図である。フローティングチャック1は、例えば、NC旋盤、NCマシンニングセンタ等の回転切削加工において、ワークを固定する装置として用いられる。フローティングチャック1は、回転駆動する装置に基端部が固定され、先端部にワークを把持する。このような状態で、フローティングチャック1は、回転軸線上に把持するワークとともに回転し、回転するワークにバイト等の加工具を押し付けることによって、ワークに対する加工が行われる。
このようなフローティングチャック1は、チャック本体2と、チャック本体2に対して先端側端面に配置された複数のチャック爪4a〜4fと、該チャック爪4a〜4fが配置されるフローティング把持部材3と、先端側端面内で移動可能な状態で、該フローティング把持部材3の外周端を覆いつつ保持する保持部材8と、フローティング把持部材3に対して変形力を加えてチャック爪4a〜4fを把持状態と把持待機状態とに切り替えるアクチュエータとを有している。
チャック本体2は、全体として回転軸Oを軸心とする円筒形状となっており、円盤状の部材を回転軸方向に重ねることで構成されており、基端側から蓋体5、第1シリンダ部材6、第2シリンダ部材7、保持部材8が重ねられて構成されている。そして、第1シリンダ部材6内には第1シリンダ61が、第2シリンダ部材7内には第2シリンダ71がそれぞれ形成されている。蓋体5は、円盤状に形成された蓋体本体51と、蓋体本体51の中心部からチャックの先端方向に延設された軸部52とを有し、軸部52の軸心部には、軸線方向に形成され、軸部52の両端に開口する空洞521が形成されている。
軸部52には、ピストン本体9が軸方向に往復動自在に外装されている。ピストン本体9は、円盤状の第1ピストン部91が基端側に設けられ、同じく円盤状の第2ピストン部92が先端側に設けられている。さらに、ピストン本体9の先端部には、フローティング把持部材3が接続される先端接続部93が設けられている。第1ピストン部91、第2ピストン部92及び先端接続部93は、ピストン本体9に設けられているので、一体として軸方向に往復動する。またピストン本体9の軸心部には、軸部52が挿通する軸部挿通部96が形成されている。
蓋体5には、第1シリンダ部材6が重ねられて接続固定されている。第1シリンダ部材6は、蓋体5と同じ外周径を有する円筒形状であって、内側に第1シリンダ61が形成され、該第1シリンダ61の基端側開口部を閉鎖するように、蓋体5が接続されている。また、第1シリンダ61内には、ピストン本体9の第1ピストン部91が収容されている。第1ピストン部91は、第1シリンダ61内を、チャック本体2の回転軸方向に往復動する。第1シリンダ部材6の中央部には、ピストン本体9の軸部94が気密を維持しつつ挿通可能な挿通部62が形成されている。第1シリンダ部材6の基端側端面には、外周端に沿ってネジ穴が形成され、該ネジ穴に螺合させられるボルト64によって、蓋体5が締着されている。
第1シリンダ部材6の先端側には、第2シリンダ部材7が接続固定されている。第2シリンダ部材7は、第1シリンダ部材6と同じ外周径を有する円筒形状であって、内側に第2シリンダ71が形成され、該第2シリンダ71の基端側開口部を閉鎖するように、第1シリンダ部材6の先端側端面が接続されている。第2シリンダ71には、第2ピストン部92が収容され、第2シリンダ71の中央部には、ピストン本体9の軸部95が気密を維持しつつ挿通可能な挿通部72が形成されている。
蓋体5の先端側端面と、第1ピストン部91の基端側端面との間に画成される空間によってアンクランプ用圧力空間65が形成され、第1ピストン部91の先端側端面と第1シリンダ61の先端側内壁との間に画成される空間によってクランプ用圧力空間66が形成される。第2ピストン部92の基端側端面と第1シリンダ部材6の先端側端面との間に画成される空間によってアンクランプ用圧力空間74が形成され、第2シリンダ部材7の先端側隔壁73と、第2ピストン部92の先端側端面との間に画成される空間によってクランプ用圧力空間75が形成される。
このアンクランプ用圧力空間65、74に流体を圧入することによって、ピストン本体9が先端方向に押し出される。このクランプ用圧力空間66、75に流体を圧入することによって、ピストン本体9が基端方向に引き込まれる。第2シリンダ部材7の先端側端面には、外周端に沿って輪状の保持部材8がボルトによって締着固定されている。保持部材8の内壁には段部81が形成されており、先端側の小径部82と、基端側の大径部83が設けられている。このような保持部材8の内側には、フローティング把持部材3が収容されている。
フローティング把持部材3は、円盤状に形成されており、図3に示されているように、外周部31の外周端面には、保持部材8の小径部82に嵌め合わされる外周小径部311と、同じく大径部83に嵌め合わされる外径大径部312と、外周小径部311と外径大径部312の間に形成される外周段部313とを有している。外周小径部311には、外周端面の全周に渡って弾性材料よりなる第1復帰部材314が設けられており、第1復帰部材314は外周小径部311と小径部82の間に介挿された状態で配置されている。
大径部83に対する外径大径部312の径寸法及び小径部82に対する外径小径部311の径寸法は、それぞれ外周小径部311と外径大径部312の寸法が若干小さく設定されている。このため、フローティング把持部材3は、保持部材8の内側で、回転軸線Oに対して直角をなす平面内で自在に移動可能に保持されている。但し、フローティング把持部材3の移動可能距離は、ワークの加工誤差を吸収して移動可能な範囲で設定されており、段部313の幅よりも十分小さく設定されるので、フローティング把持部材3は保持部材8の内側から外れることはない。
フローティング把持部材3の外周端部31には、ボルト挿通孔32が等間隔で複数形成されており、該ボルト挿通孔32には、第2シリンダ部材7の先端側端面に螺合するボルト321が挿通する。ボルト挿通孔32と、ボルト挿通孔32を挿通しているボルト321との間にも微小の隙間があり、該隙間の範囲内でフローティング把持部材3は自在に移動可能に構成されている。ボルト挿通孔32とボルト321の軸部分によって、回転伝達部が構成される。また、ボルト321のヘッド段部321aが、ボルト挿通孔32の内側段部32aに重なる構成となっているので、ボルト321が保持部材としての機能も発揮する。ボルト321のヘッド段部321aと、ボルト挿通孔32の内側段部32aとの間及び、フローティング把持部材3の周端部基端面39と、第2シリンダ部材7の先端側端面70との間には、フローティング把持部材3が先端側端面70に沿って移動可能な程度の隙間が設けられている。
フローティング把持部材3をチャック本体2側に保持しつつ、かつ回転軸Oに対して垂直な平面内で移動可能に保持する手段としては、フローティング把持部材3の外周端に被せられる輪状の保持部材8の他、ボルト挿通孔32に挿通するボルト321も、同様な機能を発揮する。従って、例えば、輪状の保持部材8を省略し、外周溝部321bに弾性材料からなるOリングを外装したボルト321を用いて保持部材とすることも可能である。外周溝部321bに外装される弾性材料は、第3の復帰部材として機能する。
フローティング把持部材3の中心部には、軸部52の先端部が挿通する軸部挿通部33が設けられ、該軸部挿通部33の基端部には、ピストン本体9の先端接続部93に接続される基端接続部34が設けられている。中心部の軸部挿通部33と周端外周部分との間には、ダイヤフラム部としての薄肉部36が形成され、該薄肉部36には、回転軸心Oを中心とする円周状に等間隔で配置されたチャック爪取付部35a〜35fが設けられている。チャック爪取付部35a〜35fは、薄肉部36に比較して肉厚に形成され、チャック爪4a〜4fを取り付けるためのピン孔やボルト孔が形成されている。また、チャック爪取付部35a〜35fには、チャック爪取付基台41a〜41fを介して、チャック爪4a〜4fがそれぞれ着脱自在に取り付けられている。
軸部挿通部33、チャック爪取付部35a〜35f及び外周部31の肉厚に比較して、薄肉部36の肉厚は薄く形成されており、該薄肉部36が変形してダイヤフラムと同様の機能を発揮する。即ち、後述するように軸部挿通部33を回転軸に沿って先端方向又は基端方向に外力を加えることで、薄肉部36が弾性変形する。具体的には、先端方向に押し出すことで、薄肉部36は、中央部が先端方向に膨らむように凸状に変形し、基端方向に引き込むことで、中央部が基端方向に凹むように凹状に変形する。この薄肉部36の変形によって、薄肉部36内において円周方向に等間隔で配置されているチャック爪取付部35a〜35fの取付面の角度が変化し、チャック爪4a〜4fが、外側に開き、あるいは内側に蕾まる。なお、軸部挿通部33の内周面には、内周方向に弾性材料からなる第2復帰部材331が埋設されている。
ピストン本体9の先端接続部93と、フローティング把持部材3の基端接続部34の構成について説明する。図4は、フローティング把持部材3の基端側からの平面図、図5は、先端接続部93と基端接続部34の接続部分を示す断面図である。ピストン本体9の先端接続部93は、ピストン本体9の先端面において、回転軸Oを中心として軸部挿通部96を拡径した収容部931と、該収容部931の内壁開口端部に突設された複数個の内側係合部932a、932b、932c、932dを有している。各内側係合部932a、932b、932c、932dは、それぞれ周方向の長さが同じであり、その周方向の長さと略同じ長さの間隔で、配置されている。
フローティング把持部材3において軸部挿通部33の基端接続部34は、基端面外周端から外側に突設された複数個の外側係合部342a、342b、342c、342dを有している。この外側係合部342a、342b、342c、342dは、それぞれ周方向の長さが同じであり、その周方向の長さと略同じ長さの間隔で、配置されている。また、外側係合部342a、342b、342c、342dの外側端形状は、回転軸Oを中心とする円の外周線上に位置し、収容部931の内周線と略一致している。また、外側係合部342a、342b、342c、342dの軸方向の厚さは、収容部931内において、内側係合部932a、932b、932c、932dの下面と収容部931の底面933との距離に略一致している。更に、各内側係合部932a、932b、932c、932dの周方向の長さは、外側係合部342a、342b、342c、342dの周方向の各間隔と略同じであり、各外側係合部342a、342b、342c、342dの周方向の長さは、内側係合部932a、932b、932c、932dの周方向の各間隔と略同じである。
このような構成とすることによって、一方の接続部の係合部の位置が他方の接続部の係合部の隙間に合致するように、ピストン本体9と、フローティング把持部材3の相対位置を調整し、その後接続部同士を近付けて合体させ、相対位置を回転軸を中心として回転させる(この実施形態では、45度回転させる)。これによって、外側係合部342a、342b、342c、342dと、内側係合部932a、932b、932c、932dが重なりあい、ピストン本体9の接続部93とフローティング把持部材3の接続部34とが、軸方向に一体として移動できるように接合される。以上のような構成は、いわゆるバイヨネット構造として機能する。
ワークの形状等に応じてチャック爪の数を変更する場合には、所望の数のチャック爪が取り付けられるフローティング把持部材に変更する必要が生じる。この場合には、既述の通り、バイヨネット構造となっているので、フローティング把持部材の着脱が容易であり、作業効率が向上する。なお、既述の実施形態において、ピストン本体9の先端接続部93と、フローティング把持部材3の基端接続部34の関係は、先端接続部93が雌形状、基端接続部34が雄形状となっているが、この逆に先端接続部93が雄形状、基端接続部34が雌形状となっていてもよい。
このようなバイヨネット構造におけるピストン本体9の接続部93とフローティング把持部材3の接続部34との間の嵌め合いは、保持部材3とフローティング把持部材3との間の嵌め合いと同程度またはそれ以上に緩い嵌め合いの程度に構成されている。このように構成されていることによって、ワークをチャック爪で把持した際に、自動求心するためにフローティング把持部材3が移動した場合、ピストン本体9との接続部分が干渉して、移動を妨げるといった不都合が生じない。回転軸部52の先端には、ワークの基端が接続されるセンター部材53が固定されており、ワークの基端中心部が、先端が鋭角状の中心突起部531に接続される。
以上のように構成されたフローティングチャック1の作用について説明する。 待機位置においては、フローティング把持部材3の中心は、回転軸Oに重なっており、同時に各チャック爪4a〜4fの中心線の交差する位置は、回転軸Oに重なっている。アンクランプ用圧力空間65、74の操作気体(例えば空気)の圧力を上げることによって、第1ピストン部91が押され、ピストン本体9が先端方向に押し出される。これによって、ピストン本体9の先端接続部93の底面933が、フローティング把持部材3の基端接続部34の基端面341を先端方向へ押し出し、薄肉部36が先端側に膨らむように変形する。
この変形によって、チャック爪4a〜4fの先端部が相互に離れるように外側に開く。次に、ワークをチャック爪4a〜4fの先端部の中心位置に挿入し、ワーク基端を中心突起部531に突き合わせ、圧力空間65の圧力を元に戻す。先端方向に加えられているピストン本体9からの圧力が解除されることにより、薄肉部36の弾性変形が戻り、薄肉部36は元の状態に戻る。薄肉部36の戻りによって、チャック爪4a〜4fは元の位置に復帰する。この際、回転中心が中心突起部531で規定されているワークの外周が偏心している場合には、通常のチャックでは、ワーク外周面に接触するチャック爪先端に加わる接触圧は、同じにならず、チャック爪が確実にワークを把持することが困難となる。しかし、フローティング把持部材3は、チャック本体2に対して移動可能であるので、各チャック爪の先端に加わる接触圧が各チャックで均一となるような位置に移動する。
つまり、ピストン本体9からの圧力が解除されてチャック爪4a〜4fが元の位置に復帰すると同時に、待機位置からフローティング把持部材3が移動して、チャック爪4a〜4fの各先端に発生する接触圧のバランスにより、フローティング把持部材3は適正な位置に自動的に移動する。フローティング把持部材3の移動にともなって、第1復帰部材314と第2復帰部材331(第3復帰部材)は弾性変形する。この際、基端接続部34と先端接続部93との接続構造は、バイヨネット構造となっており、相互の嵌め合いは、フローティング把持部材3の移動を許容できる程度に緩いものとなっているので、先端接続部93がフローティング把持部材3の移動を妨げることはない。
フローティング把持部材3の位置が定まった後、クランプ用圧力空間66、75の圧力を上げることによって、ピストン本体9が基端方向に後退する。これにより、基端接続部34が先端接続部93によって、基端方向に引き込まれて、薄肉部36が基端方向に凹むように変形する。薄肉部36の変形によって、チャック爪4a〜4fの先端が相互に近接する方向に向けて移動する圧力が作用する。即ち、ワークに対するチャック爪4a〜4f先端の接触圧が上がる。この状態を維持しつつ、チャック1を回転させると、圧力空間74の圧力によってワークに対するチャック爪4a〜4f先端の接触圧が十分に維持されているので、遠心力でワークの把持が緩む不都合が抑制される。
また、チャック本体2を回転させると、チャック本体2に螺号させられているボルト321がボルト挿通孔32を介して、フローティング把持部材3に回転を確実に伝達し、チャック本体2とフローティング把持部材3とは、一体として回転する。ボルト321とボルト挿通孔32によって、回転伝達部が構成される。チャック1の回転駆動中においても、基端接続部34と先端接続部93との確実な接続によって、ワークに対するチャック爪4a〜4f先端の接触圧は、緩むことなく確実に維持される。ワークを取り外す場合には、クランプ用圧力空間66、75への加圧を解除し、アンクランプ用圧力空間65、74を加圧する。
これにより、ピストン本体9が先端方向に押し出され、チャック爪4a〜4fが外側に開き、ワークの取り外しが可能となる。アンクランプ用圧力空間65、74の加圧を解除すると、薄肉部36の弾性変形が元の状態に戻り、フローティング把持部材3は第1復帰部材314と第2復帰部材331(及び第3復帰部材)の弾性によって、元の位置に復帰する。なお、復帰部材314、331は、加工時に、クーラント液や切削クズなどがチャック内に侵入することを防止する作用も有する。以上のとおり、ワークのクランプとアンクランプを、操作気体の圧力を調整することによって自動的に行うことが可能となり、ワークの交換を自動化することができる。
回転伝達部の他の構成について説明する。図6に示されているように、フローティング把持部材3の外周小径部311の端面には凹部37a〜37fが形成されている。一方、外周小径部311に対向する、保持部材8の内周面小径部82には、凹部37a〜37fに対応する位置に、凹部37a〜37fに嵌め合わされる凸部84a〜84fが形成されている。凹部37a〜37fと凸部84a〜84fの嵌め合いは、ワークの加工誤差を吸収してフローティング把持部材3が移動可能となる範囲で、隙間が生じるように設定されている。チャック本体2が回転すると、凹部37a〜37fと凸部84a〜84fの嵌め合いによって、回転がフローティング把持部材3に伝達される。凹部は保持部材8側に、凸部はフローティング把持部材3側に設けられていてもよい。
凸部の凹部が設けられる位置は、図7及び図8に示されているとおり、フローティング把持部材3の周端部基端面39とチャック本体2の先端側端面70との間に設けられていてもよい。先端側端面70には、円周方向に等間隔で凸部76a〜76fが設けられており、周端部基端面39には円周方向に等間隔で凹部38a〜38fが設けられ、凸部76a〜76fの対向する位置に、凸部76a〜76fに嵌め合わされる凹部38a〜38fが設けられている。
凹部38a〜38fと凸部76a〜76fの嵌め合いは、ワークの加工誤差を吸収してフローティング把持部材3が移動可能となる範囲で、隙間が生じるように設定されている。チャック本体2が回転すると、凹部38a〜38fと凸部76a〜76fの嵌め合いによって、回転がフローティング把持部材3に伝達される。凹部は先端側端面70側に、凸部はフローティング把持部材3側に設けられていてもよい。
1 フローティングチャック
2 チャック本体
3 フローティング把持部材
31 外周端
33 軸部挿通部
34 基端接続部
36 薄肉部(ダイヤフラム部)
4a〜4f チャック爪
5 蓋体
6 第1シリンダ部材
65 圧力空間
7 第2シリンダ部材
74 圧力空間
8 保持部材
9 ピストン本体
93 先端接続部

Claims (4)

  1. チャック本体と、
    チャック本体に取り付けられ、厚肉の外周端部と、中心部に設けられた基端接続部と、前記周端部と前記基端接続部の間に設けられた薄肉のダイヤフラム部と、該ダイヤフラム部に設けられたチャック爪取付部とを有するフローティング把持部材と、
    該フローティング把持部材の外周端部に先端側から係合しつつチャック本体に付設されるとともに、該フローティング把持部材を回転軸に対して垂直な平面内において、前記チャック本体に対して相対的に移動可能に保持する保持部材と、
    前記チャック本体と前記フローティング把持部材の間に介在し、フローティング把持部材の相対移動を可能としつつチャック本体の回転を前記フローティング把持部材に伝達する回転伝達部と、
    チャック本体内に設けられたシリンダ内に収容されるとともに、前記基端接続部に接続されて、前記基端接続部を回転軸方向に進退させるピストンとを有し、
    前記ピストンと前記基端接続部との間の接続部は、バイヨネット構造であることを特徴とするフローティングチャック。
  2. フローティング把持部材と保持部材の間には弾性材よりなる復帰部材が介在されている請求項1に記載のフローティングチャック。
  3. 前記回転伝達部は、前記フローティング把持部材の外周端部に形成された挿通孔と、
    該挿通孔内を挿通し前記チャック本体に基端が固定されている係止部材とを有する請求項1又は2に記載のフローティングチャック。
  4. 前記回転伝達部は、前記フローティング把持部材の外周面又は基端側面に形成された凸部又は凹部と、チャック本体又は保持部材に側に形成され、前記フローティング把持部材側に形成された凸部又は凹部に係合する凹部又は凸部とを有している請求項1又は2に記載のフローティングチャック。
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