JP4556706B2 - ピンミラーカッタの取付機構 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載されているピンミラーカッタの取付機構を図6及び図7に基づいて説明すると、ピンミラーカッタ101は、中心軸線Pを中心とした略円環状を為すカッタ本体102と、このカッタ本体102が嵌合され、図示しない加工機に固定されている略円環状を為すアダプタ部103とを備えている。
また、カッタ本体102の内周部には、切刃を有する複数のインサート(図示せず)が、内周部の周面と両側面側とに回転方向に間隔を置いて千鳥状に配設されている。
他方、アダプタ部103側には、段付き部Lとは逆にアダプタ部103の一方の側面103aから他方の側面103bに向けて一段後退する段付き部Mが環状に形成されており、これら段付き部Lと段付き部Mとは、嵌合可能且つ面接触により係合可能とされている。
カッタ本体102とアダプタ部103とは、キー部材107により回転方向Rの方向に位置決めされている。
このキー部材107は、カッタ本体102に形成された係合溝102dと、アダプタ部103の係合溝102dと対応する位置に形成された係合溝103fとに跨って嵌挿されている。
図6及び図7に示されるように、クランパ105は平面視略半月状を為し、周縁部を直線状に切り欠いた切欠部105aを有すると共に、本体105bの周縁の一部からクランパ105の径方向に突出して形成されたフランジ部105cを備えており、これら本体105bとフランジ部105cとは、カッタ本体102の外周側に一方の側面102aから凹設して形成されたカッタ凹部102cと、アダプタ部103の内周側に一方の側面103aから凹設して形成されたアダプタ凹部103cとにより画成される円状凹部109内に配設されている。
また、アダプタ部103の他方の側面103b側には、クランパ105を円状凹部109内に配設した状態で、第1の貫通孔105fと同軸に雌ネジ103eが形成されており、取付ボルト106の頭部106aがザグリ穴105eに収容されると共に、取付ボルト106のネジ部106bが第1の貫通孔105fを通って雌ネジ103eに螺着され、これにより、クランパ105は円状凹部109内で回動可能に支持される。
なお、取付ボルト106には、止め輪121が、取付ボルト106がクランパ105から抜けないようにするために、クランパ105とアダプタ部103との間に配置されている。
アダプタ部103の他方の側面103bからは、先端部122aが前記アダプタ凹部103cに突出するようにストッパ部材122が取り付けられ、このストッパ部材122の先端部122aは溝部105hに収容されている。
なお、ストッパ部材122の先端部122aは、クランパ105が第1の位置X1にあるときは溝部105hの一の端壁に当接され、クランパ105が第2の位置X2にあるときは溝部105hの他の端壁に当接されている。
また、バネ(弾性部材)124が、付勢部材123とアダプタ凹部103cの側壁面103dとの間に圧縮して介装されており、付勢部材123を取付ボルト106の頭部106aに付勢してクランパ105の回転運動に所定の抵抗力が生じるようになされている。
かかる自動化の要請を実現しようとすると、例えば前述した図6において、クランパ105の取付ボルト106を緩めてアンクランプ状態となっているときにクランパ105が自由に回動してしまうと極めて不都合となる。
すなわち、アンクランプ状態のときには、クランパ105のフランジ部105cは、アダプタ部103の径方向内側に突出しない第1の位置X1で停止されている必要があり、仮に、クランパ105が自由に回動して、フランジ部105cがアダプタ部103の径方向内側に突出した第2の位置X2に停止してしまうと、カッタ本体102をアダプタ部103に取り付けようとしたときに、カッタ本体102と前記フランジ部105cとが干渉してしまう。
しかしながら、特許文献1に記載されているピンミラーカッタの取付機構においては、バネ124の一方の座面をアダプタ凹部103cの側壁面103dに押し付けて摺接させることによりクランパ105に抵抗力を付与する構成となっており、クランパ105を回動させるためには、そのための回動手段を設けるか、あるいは作業者が手で回動させなければならず、カッタ本体102のアダプタ部103への着脱の自動化を行う際の支障となる。
また、側壁面103dと当該座面とが片当たり等により摩耗し、甚だしくはバネ124が破損して前記抵抗力が失われてしまうという問題があった。
従って、クランパを回動させるための回動手段を設けたり作業者が手で回動させる必要が無く、カッタ本体のアダプタ部への着脱の自動化を容易に達成することができる。
また、弾性部材の座面が摺接されることは無いので、取付ボルトと付勢部材との間に安定した摩擦力を発生させることができると共に、弾性部材の損傷を防止することができる。
また、より好ましくは、前記ボス部を、前記アダプタ凹部に更に凹設されたザグリ部に収容するようにすることで(請求項3)、カッタ本体及びアダプタ部の一方の側面からのクランパの突出高さを一層低減することができる。
図1は本実施形態により取り付けられたピンミラーカッタの一部を示す平面図、図2は図1のA−A線視断面、図3は図1のB−B線視断面、図4は図1のC−C線視断面図、及び図5は図1のD−D線視断面図である。
また、カッタ本体2の内周部には、切刃を有する複数のインサート4が、内周部の周面と両側面側とに回転方向に間隔を置いて千鳥状に配設されている。
他方、アダプタ部3側には、段付き部Jとは逆に、カッタ本体2の前記一方の側面2aと同じ方向を向くアダプタ部3の一方の側面3aから他方の側面3bに向けて一段後退する段付き部Kが環状に形成されており、これら段付き部Jと段付き部Kとは、嵌合可能且つ面接触により係合可能とされている。
また、円周方向に間隔を置いて複数箇所(図1では1つのみ記載)に設けられたクランパ5が取付ボルト6によりアダプタ部3に取り付けられており、カッタ本体2は、これらクランパ5を介してアダプタ部3に固定されている。
なお、この状態においてピンミラーカッタ1の駆動も可能であるが、さらにカッタ本体2をアダプタ部3に強固に固定する場合には、適宜の締結手段が用いられる。
他方、アダプタ部3の内周部には、前記段付き部Kの一方の側面3a側に、前記位置決め凸部7に対応して、やはり本実施の形態においては45°回転対称で8箇所(図1では1つのみ記載)に、外方に向けて凹む位置決め凹部8が形成されており、この位置決め凹部8は、上述したカッタ本体2の位置決め凸部7と係合可能な形状とされている。
カッタ本体2に形成された位置決め凸部7は、中心軸線P(図1参照)に直交するように形成された位置決め凸部底面7aから立ち上がり形成される回転方向Rに対して後方側の第1の位置決め凸部側壁面7bと、回転方向Rに対して前方側の第2の位置決め凸部側壁面7cとを備えている。
第1の位置決め凸部側壁面7bは、中心軸線Pに対して平行に形成されており、第2の位置決め凸部側壁面7cは、位置決め凸部底面7aからカッタ本体2の一方の側面2a側に向かうに従い回転方向Rの前方側に向けて傾斜して形成されている。
第1の位置決め凹部側壁面8bは、中心軸線Pに対して平行に形成されており、第2の位置決め凹部側壁面8cは、第2の位置決め凸部側壁面7cと等しい角度で位置決め凹部底面8aからアダプタ部3の一方の側面3a側に向かうに従い、回転方向Rの前方側に向けて傾斜して形成されている。
また、第1の位置決め凸部側壁面7bと第1の位置決め凹部側壁面8b、及び第2の位置決め凸部側壁面7cと第2の位置決め凹部側壁面8cとがそれぞれ密着して係合するように構成されている。
クランパ5は、図1に示されるように、平面視において円板の周縁部を直線状に切り欠いた切欠部5aを有する略半月状に形成されたフランジ部5bを備えており、このフランジ部5bは、カッタ本体2の外周側に一方の側面2aから凹設して形成されたカッタ凹部2cと、アダプタ部3の内周側に一方の側面3aから凹設して形成されたアダプタ凹部3cとにより画成される円状凹部9内に配設されている。
更に、フランジ部5bには、上面5dからボス部5cに向けてザグリ穴5eが凹設されると共に、このザグリ穴5eの中心からボス部5cの中心を貫通する貫通孔5fが形成されている。
なお、取付ボルト6には、止め輪21が、取付ボルト6がクランパ5から抜けないようにするために、クランパ5とアダプタ部3との間に配置されている。
アダプタ部3の他方の側面3bからは、先端部22aが前記アダプタ凹部3cに突出するようにストッパ部材22がねじ込まれて取り付けられ、このストッパ部材22の先端部22aは溝部5hに収容されている。
なお、ストッパ部材22の先端部22aは、クランパ5が第1の位置X1にあるときは溝部5hの一の端壁に当接され、クランパ5が第2の位置X2にあるときは溝部5hの他の端壁に当接されている。
下穴5mのザグリ穴5e側の開口端側には円柱状の付勢部材23が嵌挿されている。
また、バネ(弾性部材)24が、付勢部材23とネジ穴5kに螺合されたスクリュー25との間に圧縮して介装されており、付勢部材23を取付ボルト6の頭部6aに付勢している。
このとき、前記第2の位置X2と前記第1の位置X1との間では、ストッパ部材22の先端部22aは前記一の端壁と前記他の端壁との間にあるので、クランパ5の回動は規制されず、クランパ5も、取付ボルト6の頭部6aと付勢部材23の先端との間の付勢に伴う摩擦力によって取付ボルト6と共に回転方向Sとは逆方向に回動される。
その後、カッタ本体2をアダプタ部3に向けて前進させ、カッタ本体2は、その中心軸線Pがアダプタ部3の回転軸線と一致させられると共に、回転方向Rにも位置決めされてアダプタ部3に取り付けられる。
前述したように、取付ボルト6が緩められた状態にあるときは、ストッパ部材22の先端部22aは溝部5hの前記一の端壁に当接されて、クランパ5は、前記第1の位置X1で停止されている。
この状態から取付ボルト6を締め付けるときは、取付ボルト6を回転方向Sに回動する。
このとき、前記第1の位置X1と前記第2の位置X2との間では、ストッパ部材22の先端部22aは前記一の端壁と前記他の端壁との間にあるので、クランパ5の回動は規制されず、クランパ5も、取付ボルト6の頭部6aと付勢部材23との間の摩擦力によって取付ボルト6と共に回転方向Sに回動される。
なお、この状態においてピンミラーカッタ1の駆動も可能であるが、さらにカッタ本体2をアダプタ部3に強固に固定する場合には、適宜の締結手段が用いられる。
このとき、位置決め凹部8の幅は後退方向に広く形成されているので、カッタ本体2を、スムーズにアダプタ部3から取り外すことができる。
なお、これらカッタ本体2のアダプタ部3への搬送、位置決め、搬出及び取付ボルト6の回動操作等は図示しないハンドリング装置により自動的に行われる。
また、バネ24の座面が摺接されることは無いので、取付ボルト6の頭部6aと付勢部材23との間に安定した摩擦力を発生させることができると共に、バネ24の損傷を防止することができる。
更に、ボス部5cを、アダプタ凹部3cに更に凹設されたザグリ部3dに収容するようにしたので、カッタ本体2及びアダプタ部3の一方の側面2a,3aからのクランパ5の突出高さを一層低減することができる。
また、カッタ本体2側の第2の位置決め凸部側壁面7cの傾斜面と、アダプタ部3側の第2の位置決め凹部側壁面8cの傾斜面とが係合されることにより、カッタ本体2側の第1の位置決め凸部側壁面7bと、アダプタ部3側の第1の位置決め凹部側壁面8bとが当接されるので、カッタ本体2は、回転方向Rの方向に一層精度良く位置決めされる。
更に本実施の形態によれば、クランパ5のフランジ部5bに、バネ24により取付ボルト6の方向へ付勢された付勢部材23を設けているので、クランパ5の自由な回動が規制されるので、カッタ本体2とアダプタ部3との着脱の自動化に一層好適である。
また、本発明は、上述の実施例に限らず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
Claims (3)
- 円環状をなすと共に切刃が配列されたカッタ本体が、加工機の回転駆動させられるアダプタ部に着脱自在に装着され、これらカッタ本体とアダプタ部とを前記カッタ本体の中心軸線回りに一体回転させることによって前記切刃で切削を行うピンミラーカッタの取付機構において、
前記アダプタ部には、前記カッタ本体が装着される箇所に、該カッタ本体を前記中心軸線方向にクランプして取り付けるクランパが、前記中心軸線を中心とした円周方向に間隔を置いて複数箇所に回動可能に設けられ、
前記クランパは、該クランパの回動の中心となる軸線の方向からみて円板の周縁部を直線状に切り欠いた切欠部を有する形状に形成され、この切欠部が前記アダプタ部の径方向内側に向けられて前記カッタ本体が前記アダプタ部から取り外し可能とされる第1の位置と、前記切欠部が前記アダプタ部の径方向外側に向けられて前記カッタ本体が前記アダプタ部に固定される第2の位置との間で回動可能に取付ボルトにより取り付けられており、
更に前記クランパが、前記取付ボルトが挿通される貫通孔と、この貫通孔に開口される収容穴とを備えており、
この収容穴には、先端が前記取付ボルトの外周部と当接される円柱状の付勢部材と、前記クランパに支持されてこの付勢部材を前記取付ボルト側に付勢する弾性部材が挿入されていることを特徴とするピンミラーカッタの取付機構。 - 前記クランパが、前記切欠部及び前記収容穴が形成されたフランジ部と、このフランジ部と同軸に突設され、前記貫通孔が形成されたボス部とを備えており、
前記フランジ部が、前記カッタ本体の中心軸線の方向を向く側面のうち一方の側面から凹設して該カッタ本体の外周側に形成されたカッタ凹部と、このカッタ本体の一方の側面と同じ方向を向く前記アダプタ部の一方の側面から凹設して該アダプタ部の内周側に形成されたアダプタ凹部とで画成される円状凹部により囲繞されることを特徴とする請求項1に記載のピンミラーカッタの取付機構。 - 前記ボス部が、前記アダプタ凹部に更に凹設されたザグリ部に収容されることを特徴とする請求項2に記載のピンミラーカッタの取付機構。
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2005
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