JP3127357U - ツールホルダ - Google Patents

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宏志 栗林
智幸 中沢
博樹 中島
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Abstract

【課題】ツールホルダに対し刃物を簡易かつ迅速にクランプ及びアンクランプする。
【解決手段】先端に刃物締付用ナット3と工具係合用溝2aとを有するスピンドル2と、平行キー8aを一端に有した伝動軸8と、伝動軸の他端とスピンドルとにキーとキー溝を介し取り付けられた原動側と従動側の傘歯車とを具備する。伝動軸と原動側傘歯車とに、平行キーと原動側傘歯車の歯とが一定の位相関係となるようにキー溝が形成され、スピンドルと従動側傘歯車とに、工具係合用溝と従動側傘歯車の歯溝とが一定の位相関係となるようにキー溝が形成される。両傘歯車が一定の位相関係で噛み合わされ、平行キーが所定の向きとなった状態でスピンドルの工具係合用溝に嵌り込む固定具18がハウジング1に着脱自在に取り付けられる。一本のスパナ11で簡易にクランプ・アンクランプができる。
【選択図】図4

Description

本考案は、刃物を簡易に着脱することができるツールホルダに関する。
旋盤のターレットに装着されるツールホルダは、図9に示すように、そのハウジング1内から外部に突出するスピンドル2を有する。スピンドル2の先端には、刃物締付用ナット3が設けられる。図示しない刃物のシャンクをスピンドル2の先端から挿入し、刃物締付用ナット3を締付方向に回すと、リテーナ4を介してコレット5が縮径し、刃物を固定する。逆に刃物締付用ナット3を緩み方向に回すと、リテーナ4を介してコレット5が拡径し、刃物を解放する。このように、刃物締付用ナット3を右回り又は左回りに回すことで、刃物がスピンドル2に固定され又はスピンドル2から解放される。
また、ハウジング1からはスピンドル2にハウジング1内の二つの噛み合う傘歯車を介して動力を伝達する伝動軸8がスピンドルに直交する方向に突出する。この伝動軸8の始端に平行キー8aが形成される。図2及び図3に示すように、旋盤のターレット内には環状にレール9が配置され、このレール溝9aに平行キー8aが嵌り込む。ターレットが旋回すると、ツールホルダが他のツールホルダと共に移動し、各ツールホルダの平行キー8aがレール溝9a内を滑る。レール9は駆動ポジションにおいて途切れており、所望のツールホルダの平行キー8aがレール溝9aから離脱して旋盤の駆動軸に連結される。駆動軸が回転すると、伝動軸8からスピンドル2へと回転が伝達され、スピンドル2に把持された刃物が回転して図示しないワークを加工する。
刃物は必要に応じて交換され、図10に示すようにその交換作業のために二本のスパナ10,11が用いられる。図10は刃物を締め付ける場合を示しており、図示しない刃物をスピンドル2に差し込んだうえで、作業者が一方のスパナ10をスピンドル2の先端に形成された工具係合用溝2aに引っ掛けてこのスパナ10を一方の手で固定し、他方のスパナ11を刃物締付用ナット3の工具係合用溝3aに引っ掛け、このスパナ11を他方の手により矢印aで示す締付方向に回す。これにより、刃物がスピンドル2にクランプされる。
刃物を交換する場合は、図10中、二本のスパナ10,11の向きを前回と逆にして、スピンドル2のスパナ係合用溝2aと刃物締付用ナット3のスパナ係合用溝3aにそれぞれ引っ掛け、一方のスパナ10を一方の手で固定し、他方のスパナ11を他方の手により把持する。そして、前回と逆に刃物締付用ナット3を緩め方向に回して刃物をアンクランプし、刃物をコレット5から抜き取り、他の刃物をコレット5内に挿入する。その後、スパナ10,11を逆向きに装着し、刃物締付用ナット3を締付方向に回して刃物をスピンドル2にクランプする。
刃物をツールホルダに着脱するに際し、上記二本のスパナ10,11を用いるほか、刃物着脱用装置を用いる場合もある(例えば、特許文献1参照)。これは、刃物着脱用装置本体の円筒部内に、切替レバーの操作により切り替え可能な一方向クラッチを設けてなるもので、一方向クラッチ内にツールホルダを挿入し、切替レバーの操作により一方向クラッチを緩み方向で固定にし、一本のスパナで刃物締付用ナットを緩み方向に回すと、刃物をアンクランプすることができる。また、切替レバーの操作により一方向クラッチを締付方向で切り替え、スパナで刃物締付用ナットを締付方向に回すと、刃物をクランプすることができる。
特開2004−58164号公報
図9に示したように、平行キー8aに対するスピンドル2の位置関係が定かでないため図10に示したように、ターレットに装着されたツールホルダに対して刃物を着脱する場合、二本のスパナ10,11をスピンドル2と刃物締付用ナット3とに取り付けて両手で操作しなければならない。また、二本のスパナ10,11をスピンドル2と刃物締付用ナット3とに適正な間隔で取り付けるのは機械内での作業空間が狭いことから困難であることが多く、そのため刃物の着脱に煩雑な作業を強いられる。スピンドル2と刃物締付用ナット3には、それぞれスパナ係合用溝2a,3aが所定のピッチで多数形成されているのであるが、作業空間が狭いことからスパナ10,11を適正位置に取り付けるのは難しい場合が多い。
また、図9及び図10に示したように、特に駆動部が平行キー8aを採用している場合、平行キー8aが駆動ポジションを外れたレール溝9a内にあるときに刃物を交換しようとすると、スピンドル2と刃物締付用ナット3に係止したスパナ10,11に対する力の掛け具合により、平行キー8aがレール溝9aの表面に強く押し付けられてレール溝9aが損傷し、あるいはスペースの関係で一本のスパナしか使用することができないときはレール溝9aを回り止めとして使用することでレール溝9aが損傷し、その結果ターレットの旋回時にツールホルダの円滑な移動が困難になる。
また、特許文献1で開示される刃物着脱用装置は、図9に示すようなツールホルダに対して使用することができず、またこのようなツールホルダをターレットに装着したままで使用することができない。
従って、本考案はこのような問題点を解消することができる手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本考案は以下の構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る考案は、先端に刃物締付用ナット(3)と工具係合用溝(2a)とを有するスピンドル(2)と、工作機械内のレール溝(9a)に嵌り込む平行キー(8a)を一端に有した、上記スピンドル(2)に交差する方向に伸びる伝動軸(8)と、この伝動軸(8)の他端と上記スピンドル(2)とにキー(16)及びキー溝(14,17a,17b)を介してそれぞれ取り付けられた互いに噛み合う原動側と従動側の傘歯車(6,7)とを具備し、上記スピンドル(2)、伝動軸(8)及び傘歯車(6,7)がハウジング(1)内に収納されたツールホルダにおいて、上記伝動軸(8)と上記原動側傘歯車(6)とに、上記平行キー(8a)と上記原動側傘歯車(6)の歯又は歯溝とが一定の位相関係となるように原動側傘歯車固定用キー溝(14)が形成され、上記スピンドル(2)と上記従動側傘歯車(7)とに、上記工具係合用溝(2a)と上記従動側傘歯車(7)の歯溝又は歯とが一定の位相関係となるように従動側傘歯車固定用キー溝(17a,17b)が形成され、上記原動側傘歯車(6)と上記従動側傘歯車(7)とが一定の位相関係で噛み合わされ、上記平行キー(8a)が所定の向きとなった状態で上記スピンドル(2)の工具係合用溝(2a)に嵌り込む固定具(18,22,25)が、上記ハウジング(1)に着脱自在に取り付けられたことを特徴とする。
また、請求項2に係る考案は、請求項1に記載のツールホルダにおいて、平行キー(8a)がレール溝(9a)と嵌合した状態で、スピンドル(2)の工具係合用溝(2a)に嵌り込む固定具(18,22,25)がハウジング(1)に着脱自在に取り付けられたことを特徴とする。
また、請求項3に係る考案は、請求項1に記載のツールホルダにおいて、固定具(18)がピン(18c)及びピン孔(19)を介してハウジング(1)に着脱自在に取り付けられ、固定具(18)がハウジング(1)に取り付けられると同時に工具係合用溝(2a)に嵌り込む突起(18b)が固定具(18)に一体的に設けられたことを特徴とする。
また、請求項4に係る考案は、請求項1に記載のツールホルダにおいて、固定具(22)がハウジング(1)に着脱自在に取り付けられ、この固定具(22)に突起(22b)がスライド自在に設けられ、この突起(22b)が固定具(22)上でスライドすることにより工具係合用溝(2a)に対して係脱可能としたことを特徴とする。
また、請求項5に係る考案は、請求項1に記載のツールホルダにおいて、固定具(25)がハウジング(1)に対する嵌合部(25a)と、工具係合用溝(2a)に対する嵌合突起(25b)とを一体的に備えたことを特徴とする。
請求項1に係る考案によれば、スピンドル(2)の工具係合用溝(2a)はハウジング(1)に対して常に位置関係を確認することができる一定の位置に静止し、この静止したスピンドル(2)の工具係合用溝(2a)に対し固定具(18,22,25)を嵌め込むと共にこの固定具(18,22,25)をハウジング(1)の一定位置に取り付けることで、スピンドル(2)をハウジング(1)に対し回らないように固定することができる。従って、刃物(15)の着脱に際し一本のスパナ等の工具(11)のみで刃物締付用ナット(3)を締めたり緩めたりすることができ、刃物(15)の着脱作業を簡易かつ迅速に行うことができる。また、他の種類、サイズ、機種のツールホルダとの間で平行キー(8a)と工具係合用溝(2a)とを同じ位相に合わせておくことにより、ツールホルダ間で同じ固定具(18,22,25)を共用することができすこぶる経済的である。
請求項2に係る考案によれば、刃物(15)の着脱に際して刃物締付用ナット(3)を締めたり緩めたりしても、それによる平行キー(8a)の回動をできるだけ少なくすることができ、従って平行キー(8a)によるターレットのレール溝(9a)の損傷を防止することができる。
請求項3に係る考案によれば、スピンドル(2)を所定位置に簡易に固定することができる。
請求項4に係る考案によれば、突起(22b)を固定具(22)上でスライドさせるだけの簡易な操作で、突起(22b)を工具係合用溝(2a)に迅速かつ正確に差し込むことができる。
請求項5に係る考案によれば、嵌合部(25a)をハウジング(1)に当てる操作により嵌合突起(25b)を工具係合用溝(2a)に嵌め込むことができる。従って、スピンドル(2)の固定を簡易かつ迅速に行うことができる。
以下、図面を参照して考案を実施するための最良の形態について説明する。
<実施の形態1>
このツールホルダは、図示しない旋盤のターレットに取り付けられるもので、図1乃至図3に示すように、ターレットに固定されるハウジング1を備える。図示のツールホルダは各種存在するツールホルダのうちの一例であり、各種の刃物を保持した他のツールホルダと共にターレットに装着される。
ツールホルダのハウジング1内には、旋盤側から動力を受け取る伝動軸8と、伝動軸8から動力が伝達される主軸としてのスピンドル2とが配置される。伝動軸8とスピンドル2とはそれらの中心線が直角に交差するように配置され、それぞれベアリング12,13を介してハウジング1に回転自在に支持される。ハウジング1におけるスピンドル2が突出する箇所にはベアリング押え部1bが複数本のボルト1cで固定され、ハウジング1と一体化される。伝動軸8の一端はハウジング1外に突出し、そこには図示しない旋盤側の駆動軸に連結される平行キー8aが形成される。伝動軸8のハウジング1内に入り込んだ他端には原動側傘歯車6がキー(図示せず)及びキー溝14(傘歯車側のキー溝は図示せず)により固定される。スピンドル2の一端はハウジング1外に突出し、そこには刃物15を着脱するためのチャックが設けられる。スピンドル2のハウジング1内に入り込んだ箇所には、上記原動側傘歯車6と噛み合う従動側傘歯車7がキー16及びキー溝17a,17bにより固定される。
伝動軸8の一端の平行キー8aは、図2及び図3に示すように、ターレットの内部で旋盤のフレーム側に固定された環状レール9のレール溝9aにスライド可能に嵌り込む。ターレットが旋回すると、ツールホルダが他のツールホルダと共に移動し、各ツールホルダの平行キー8aがレール溝9a内を滑る。レール9は駆動ポジションにおいて途切れており、所望のツールホルダの平行キー8aがレール溝9aから離脱して旋盤側の図示しない駆動軸に連結される。駆動軸が回転すると、伝動軸8からスピンドル2へと回転が伝達され、スピンドル2のチャックに把持された刃物15がワークを加工する。
チャックは、図2及び図3に示すように、スピンドル2の空洞内に収納されたコレット5と、コレット5の先端側テーパ面に被さるリテーナ4と、リテーナ4及びコレット5に跨るように被さり、リテーナ4にボール結合し、スピンドル2の先端に螺合する刃物締付用ナット3とを有する。刃物15のシャンクをスピンドル2の先端からコレット5内に挿入し、刃物締付用ナット3を図4に示す締付方向aに回すと、リテーナ4を介してコレット5が縮径し、刃物15のシャンクを締め付けて固定する(クランプ)。逆に刃物締付用ナット3を緩め方向に回すと、コレット5がリテーナ4から解放されて拡径し、刃物15のシャンクを緩めて解放する(アンクランプ)。このように、刃物締付用ナット3を右回り又は左回りに回すことで、刃物15がスピンドル2のチャックにクランプされ又はスピンドル2のチャックからアンクランプされる。図1乃至図3に示すように、この刃物15のクランプ及びアンクランプの作業に使用する工具係合用溝2a,3aが、従来と同様にスピンドル2の先端部におけるフランジの外周と、刃物締付用ナット3の外周とに、それぞれ一定の角度ピッチで数箇所にわたって形成される。
ツールホルダのチャックに把持された刃物15は必要に応じて他の刃物と交換され、その交換に際し、ツールホルダがターレットから取り外された状態で刃物15がアンクランプ及びクランプされるほか、ツールホルダがターレットに装着された状態でアンクランプ及びクランプされる。
この刃物15のアンクランプ及びクランプを、ターレットに装着されるすべてのツールホルダについて、図4に示すように、一本のスパナ11と一つの共通する固定具18を使用して行うことができるように、ツールホルダの伝動系は次のように位相合わせされている。
すなわち、図2及び図3に示すように、伝動軸8と原動側傘歯車6とには、平行キー8aと原動側傘歯車6の歯又は歯溝とが一定の位相関係となるように原動側傘歯車固定用のキー溝14(傘歯車側のキー溝は図示せず)が形成され、スピンドル2と従動側傘歯車7とには、工具係合用溝2aと従動側傘歯車7の歯溝又は歯とが一定の位相関係となるように従動側傘歯車固定用のキー溝17a,17bが形成され、原動側傘歯車6と従動側傘歯車7とが一定の位相関係で噛み合わされている。
望ましくはその一例として、伝動軸8には、平行キー8aの平行面間と伝動軸8の軸心とを通る平面が伝動軸8の周面と交差する線上に原動側傘歯車固定用キー溝14が形成される。
また、原動側傘歯車側のキー溝(図示せず)は、原動側傘歯車6の歯又は歯溝との間で一定の位相関係となるように形成される。この原動側傘歯車側のキー溝は、まず原動側傘歯車6の素材にこのキー溝を加工し、次いでキー溝基準の治具に素材を取り付けて歯切り盤に治具ごと装着したうえで歯切りを行うことにより、歯又は歯溝と一定の位相関係にすることができる。歯が曲がり歯の場合は、傘歯車のピッチ円錐における所定の径位置における歯又は歯溝を基準とすることで位相関係を一致させることができる。
これにより、上記平行キー8aと伝動軸8の軸心とを通る平面が図3の紙面に垂直になるように伝動軸8を紙面に平行に配置すると、伝動軸8の周面と上記平面との交差線上にキー溝14が位置することになり、原動側傘歯車6の歯又は歯溝も上記平面上に位置することになる。
また、スピンドル2には、その先端の工具係合用溝2aとスピンドル2の軸心とを含んだ平面がスピンドル2の周面と交差する線上に従動側傘歯車固定用キー溝17aが形成される。従動側傘歯車のキー溝17bは、従動側傘歯車7の歯溝又は歯との間で一定の位相関係となるように形成される。
従動側傘歯車7と原動側傘歯車6との噛み合い関係から、上記原動側傘歯車6のキー溝(図示せず)が歯と位相関係を保つようにした場合は、従動側傘歯車7ではキー溝17bを歯溝と位相関係を保つように逆の関係にする必要がある。
上述した原動側傘歯車6の場合と同様にして、この従動側傘歯車7のキー溝17bは、まず従動側傘歯車7の素材にこのキー溝17bを加工し、次いでキー溝基準の治具に素材を取り付けて歯切り盤に治具ごと装着したうえで歯切りを行うことにより、歯又は歯溝と一定の位相関係とすることができる。歯が曲がり歯の場合も上記と同様である。
これにより、上記平面が図3の紙面と平行になるようにスピンドル2を紙面に平行に配置すると、スピンドル2の周面と上記平面との交差線上にキー溝17a,17bが位置することになり、従動側傘歯車7の歯溝又は歯も上記平面上に位置することになる。
上記原動側と従動側の傘歯車6,7の歯同士は、上述したように歯と歯溝を逆にした位相関係となっているので、図3に示すごとく噛み合わせることで伝動軸8とスピンドル2は両者の軸心をそれぞれ含んだ上記平面が直交するように配置されることになる。
このようにツールホルダの伝動系が位相合わせされていることから、平行キー8aが図1乃至図3に示すようにスピンドル2に直交する平面に平行に延びるような姿勢に定められると、スピンドル2の一つの工具係合用溝2aがハウジング1におけるスピンドル2の直下に来ることになる。従来のツールホルダでは、図9に示すように、スピンドル2の工具係合用溝2aのハウジング1に対する位置はまったく問題とされず、ツールホルダ間でまったく異なった位置となっていたが、この実施の形態では平行キー8aの位置及び向きが定まると直ちにスピンドル2の工具係合用溝2aの位置を知ることができる。また、異なるツールホルダ間で同様な位相合わせを行っておくことにより、異なるツールホルダ間でも常に同じ位置にスピンドル2の工具係合用溝2aの位置を定めることができる。
刃物15のクランプ及びアンクランプは、図2及び図3に示すように、平行キー8aがレール9のレール溝9aに嵌り込んだ状態でも、レール溝9aから外れた状態でも行うことができる。
刃物15のクランプ及びアンクランプを行う際は、図4乃至図6に示すように、固定具18がハウジング1に取り付けられ、スピンドル2の工具係合用溝2aに嵌め込まれる。
固定具18は、図6に示すように、ハウジング1におけるスピンドル2が突出する先端面に当てられる板状本体18aと、板状本体18aからスピンドル2の工具係合用溝2aに向かって突出する突起18bと、板状本体18aからハウジング1の先端面へと突出するピン18cとを具備する。
ハウジング1の先端面には上記ピン18cが挿入されるピン孔19が設けられる。ピン孔19は具体的にはベアリング押え部1bに形成され、固定具18の突起18bが上記スピンドル2の直下に来た一つの工具係合用溝2aに嵌り込みうるような位置に設けられる。
固定具18が、図6に示すピン孔19が形成されたハウジング1の先端面に向かって押し付けられ、ピン18cがピン孔19に挿入されると、図4及び図5に示す如く固定具18がハウジング1に固定され、その突起18bがスピンドル2の工具係合用溝2aに嵌り込む。これにより、スピンドル2がハウジング1に対して回らないように固定され、刃物締付用ナット3の工具係合用溝3aにスパナ11を掛けて刃物締付用ナット3を回すことにより、刃物15がクランプされ又はアンクランプされる。
固定具18の突起18bとスピンドル2の工具係合用溝2aとの間の遊びは、傘歯車6,7のバックラッシと、平行キー8aのレール溝9a内での遊びとを加えた値よりも小さく設定される。これにより、刃物15のクランプ・アンクランプ時におけるスピンドル2の動きが伝動軸8に伝わったとしても、平行キー8aの回転は更に低減し、平行キー8aはレール溝9aに接触しないか、或いは接触したとしても接触圧は小さいのでレール溝9aの損傷は回避される。
なお、図4乃至図6中、符号20は板状本体18aに挿通される固定ネジ、符号21はハウジング1の先端面に形成されたネジ孔をそれぞれ示す。固定ネジ20をネジ孔21に螺合させることで固定具18をハウジング1に強固に固定することができる。これらは必要に応じて設けられる。
刃物15のクランプ・アンクランプが終了すると、固定具18はハウジング1から取り外され、ツールホルダは図1の状態に戻される。
次に、上記ツールホルダの作用について説明する。
(1)ツールホルダの伝動系は上述したように位相合わせされていることから、図3に示すように、伝動軸8の平行キー8aがターレットのレール溝9aに嵌り込んでいるものとすると、図2に示すように、スピンドル2の一つの工具係合用溝2aはスピンドル2の軸心とターレット及びレール9の軸心とを含む平面上に来る。
(2)図示しないターレットに装着された空のツールホルダに対して刃物15をクランプする場合、作業者が図6に示すように固定具18を用意し、図5に示すようにハウジング1の先端面であるベアリング押え部1bの先端面にあてがう。その際、固定具18のピン18cがハウジング1のピン孔19に入り込むと同時に、固定具18の突起18bが上記一つの工具係合用溝2aに嵌り込む。これにより、ハウジング1に対するスピンドル2の双方向での回転が固定される。
(3)図1又は図3に示すように、刃物15のシャンクをチャックのコレット5内に挿入する。
(4)続いて作業者が、図4及び図5に示すように、スパナ11を刃物締付用ナット3の所望のスパナ係合用溝3aに掛けて、矢印aで示す締付方向すなわち右回りに刃物締付用ナット3を回すと、停止したスピンドル2上で刃物締付用ナット3が締付方向に回転しつつリテーナ4を伴って螺進する。これにより、コレット5が縮径し、刃物15のシャンクを締め付けてスピンドル2上に固定する。
このように刃物締付用ナット3を回す際に、スピンドル2が回り止め状態となっているので、図3中、伝動軸8の平行キー8aがレール溝9a内で回転することなく停止し、あるいはごくわずかに回転し、従って平行キー8aの角が強く当ることによるレール溝9aの損傷が防止される。
(5)スパナ11を刃物締付用ナット3から外し、固定具18をハウジング1から取り外すことで、刃物15の装着が完了し、刃物15による切削作業が可能になる。
(6)次に、ターレット上のツールホルダから刃物15をアンクランプする場合は、上記(2)と同様にして作業者が固定具18をハウジング1の前部に装着する。
(7)上記(4)と同様に作業者が、刃物締付用ナット3の所望のスパナ係合用溝3aにスパナ11を掛ける。ただし、この場合は図4及び図5に示す向きとは逆向きにスパナを掛けて、矢印aと反対方向の緩み方向すなわち左回りに刃物締付用ナット3を回す。これにより、停止したスピンドル2上で刃物締付用ナット3が緩み方向に回転しつつリテーナ4を伴って上記(4)とは逆に螺退する。この結果、コレット5が拡径し、刃物のシャンクをスピンドル2上で解放する。
この刃物締付用ナット3を緩める際にも、スピンドル2が回り止め状態となっているので、図3中、伝動軸8の平行キー8aがレール溝9a内で回転することなく停止し、あるいはごくわずか回転し、従って平行キー8aの角が強く当ることによるレール溝9aの損傷が防止される。
(8)刃物15のシャンクをチャックのコレット5から抜き取る。
(9)上記(3)〜(5)と同様な操作により新たな刃物をスピンドル2に装着する。
<実施の形態2>
図7(A)(B)に示すように、この実施の形態2では、実施の形態1で使用した固定具とは異なる構造の固定具22が使用される。
この固定具22は、ハウジング1のベアリング押え部1bにおけるスピンドル2が突出する先端面に当てられる板状本体22aと、板状本体22aからスピンドル2の工具係合用溝2aに向かってスライド可能な突起22bとを具備する。板状本体22aはハウジング1の先端面に固定ネジ23で着脱自在に固定される。突起22bはスライド棒として板状本体22aのスライド用孔24に挿入される。スライド棒の先端が突起22bとしてスピンドル2の直下の一つの工具係合用溝2aに対し出入可能である。スライド棒の後端には摘み片22cが固定され、ハウジング1の先端面に形成されたガイド溝1aに摘み片22cが嵌り込んでいる。
図7(A)のように固定具22の板状本体22aがハウジング1の先端面に固定され、摘み片22cがガイド溝1aに挿入されることで固定具22のツールホルダに対する装着が完了する。次に、図7(B)のように摘み片22cをガイド溝1a内でスライドさせることで突起22bの先端を工具係合用溝2aに挿入する。
これにより、スピンドル2がハウジング1に対して回らないように固定され、実施の形態1の場合と同様に刃物締付用ナット3の工具係合用溝3aにスパナ11(図4参照)を掛けて刃物締付用ナット3を回すことにより、刃物15(図1参照)をクランプ又はアンクランプすることができる。
なお、この実施の形態2において実施の形態1と同じ部分には同一符号を用いて示すことで重複した説明を省略する。
<実施の形態3>
図8(A)(B)に示すように、この実施の形態3では、実施の形態1,2で使用した固定具18,22とは異なる構造の固定具25が使用される。
この固定具25は、ハウジング1のベアリング押え部1bに対する嵌合部25aと、工具係合用溝2aに対する嵌合突起25bとを一体的に備えた構成となっている。
図8(A)(B)に示すように、固定具25をハウジング1の前部であるベアリング押え部1bに被せ、嵌合部25aをハウジング1に嵌めるようにすると、嵌合突起25bがスピンドル2の工具係合用溝2aに自動的に嵌り込む。この状態で刃物締付用ナット3は固定具25から前方に突出する。
これにより、スピンドル2がハウジング1に対して回らないように固定され、実施の形態1,2の場合と同様に刃物締付用ナット3の工具係合用溝3aにスパナ11(図4参照)を掛けて刃物締付用ナット3を回すことにより、刃物15(図1参照)をクランプ又はアンクランプすることができる。
なお、この実施の形態3において実施の形態1、2と同じ部分には同一符号を用いて示すことで重複した説明を省略する。
以上、本考案の望ましい実施の形態について説明したが、本考案は上記実施の形態1〜3に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能である。例えば実施の形態1、2では平行キーがレール溝内に入り込んだときのような向きにあるときに工具係合用溝の一つと固定具の固定位置とがスピンドルの直下に来るようにしたが、スピンドルの直下に限らず他の位置に設定することも可能である。また、工具係合用溝の一つがスピンドルの直下に来るようにした場合においても、固定具の固定位置は他の工具係合用溝に対応させるようにすることも可能である。
本考案の実施の形態1に係るツールホルダの斜視図である。 ツールホルダの正面図である。 図2中、III−III線矢視断面図である。 ツールホルダに固定具及びスパナを装着した状態を示す斜視図である。 図4中、要部の拡大図である。 図5中、固定具及びスパナを装着する前の状態を示す斜視図である。 本考案の実施の形態2を示す斜視図であり、(A)は固定具が非作動状態に置かれたとき、(B)は固定具が作動状態に置かれたときを示す。 本考案の実施の形態3を示す斜視図であり、(A)は固定具が非作動状態に置かれたとき、(B)は固定具が作動状態に置かれたときを示す。 従来のツールホルダの斜視図である。 図9中に示すツールホルダに二本のスパナを装着した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1…ハウジング
2…スピンドル
2a…工具係合用溝
3…刃物締付用ナット
6…原動側傘歯車
7…従動側傘歯車
8…伝動軸
8a…平行キー
9a…レール溝
14…原動側傘歯車固定用キー溝
16…キー
17a,17b…従動側傘歯車固定用キー溝
18,22,25…固定具
18b…突起
18c…ピン
19…ピン孔
22b…突起
25a…嵌合部
25b…嵌合突起

Claims (5)

  1. 先端に刃物締付用ナットと工具係合用溝とを有するスピンドルと、工作機械内のレール溝に嵌り込む平行キーを一端に有した、上記スピンドルに交差する方向に伸びる伝動軸と、この伝動軸の他端と上記スピンドルとにキー及びキー溝を介してそれぞれ取り付けられた互いに噛み合う原動側と従動側の傘歯車とを具備し、上記スピンドル、伝動軸及び傘歯車がハウジング内に収納されたツールホルダにおいて、上記伝動軸と上記原動側傘歯車とに、上記平行キーと上記原動側傘歯車の歯又は歯溝とが一定の位相関係となるように原動側傘歯車固定用キー溝が形成され、上記スピンドルと上記従動側傘歯車とに、上記工具係合用溝と上記従動側傘歯車の歯溝又は歯とが一定の位相関係となるように従動側傘歯車固定用キー溝が形成され、上記原動側傘歯車と上記従動側傘歯車とが一定の位相関係で噛み合わされ、上記平行キーが所定の向きとなった状態で上記スピンドルの工具係合用溝に嵌り込む固定具が、上記ハウジングに着脱自在に取り付けられたことを特徴とするツールホルダ。
  2. 請求項1に記載のツールホルダにおいて、平行キーがレール溝と嵌合した状態で、スピンドルの工具係合用溝に嵌り込む固定具がハウジングに着脱自在に取り付けられたことを特徴とするツールホルダ。
  3. 請求項1に記載のツールホルダにおいて、固定具がピン及びピン孔を介してハウジングに着脱自在に取り付けられ、固定具がハウジングに取り付けられると同時に工具係合用溝に嵌り込む突起が固定具に一体的に設けられたことを特徴とするツールホルダ。
  4. 請求項1に記載のツールホルダにおいて、固定具がハウジングに着脱自在に取り付けられ、この固定具に突起がスライド自在に設けられ、この突起が固定具上でスライドすることにより工具係合用溝に対して係脱可能としたことを特徴とするツールホルダ。
  5. 請求項1に記載のツールホルダにおいて、固定具がハウジングに対する嵌合部と、工具係合用溝に対する嵌合突起とを一体的に備えたことを特徴とするツールホルダ。
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