JP6599706B2 - 操舵支援制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、先行車両への追従操舵制御においては、自車両の前方を撮像するカメラ等の自律センサにより先行車両の位置を検出し、該先行車両の位置と自車両との横方向における位置偏差を算出し、該位置偏差に基づき操舵についての制御目標値を算出し、該制御目標値に基づき操舵機構を駆動する。
このように操作に応じた操舵制御の停止時に上記のようなタイムラグを設けてしまうと、運転者が自ら操舵を行いたい場合に操舵の違和感を与えてしまう虞がある。
以下、実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は実施の形態の操舵支援制御装置を含む車載システム1の要部を示している。
実施の形態の操舵支援制御装置は、少なくとも撮像ユニット10と操舵ECU(Electronic Control Unit)21とを有して構成される。図1では、この操舵支援制御装置によって操舵支援制御が行われる対象としてのステアリング機構30を示し、また、操舵支援制御に用いるセンサ類として、車速センサ15、ヨーレートセンサ16、及び舵角センサ17を示している。さらに操舵支援制御の関連部位として表示部22、発音部23を示している。
撮像ユニット10には、車速を検出する車速センサ15、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ16、及び、ステアリング舵角を検出する舵角センサ17が接続され、画像処理部12や運転支援制御部13はこれらセンサによる検出信号を入力可能とされている。
画像処理部12は、撮像部11L、11Rが自車両の前方を撮像して得た撮像画像データとしての各フレーム画像データを内部メモリに格納していく。そして各フレームとしての2つの撮像画像データに基づき、外部環境として自車両前方に存在する物体を認識するための各種処理を実行する。例えば、道路上に形成された車線(走行レーンを仕切る線:例えば白線やオレンジ線等)、先行車両や障害物などの立体物等の認識を行う。また、検出された車線の情報に基づき、自車両の進行路(自車進行路)を推定する。
なお、先行車両以外の立体物位置、車線位置、自車進行路位置についても、上記のX−Z座標系上の座標位置として算出され、記憶される。
本実施の形態の操舵支援制御に関しては、検出された車線に係る情報(自車進行路等を含む)や先行車両情報等が運転支援制御部13に入力される。
運転支援制御部13は、例えば、自車両前方の車線に基づいて、操舵角をドライバ(運転者)とは独立して設定することにより、自車両を自車進行路の中央に維持する車線維持制御や、自車進行路からの逸脱(自車進行路の車線に対する自車両の逸脱)を防止する車線逸脱制御等の操舵支援制御(操舵制御)を行うことが可能である。
また、本実施の形態の運転支援制御部13は、操舵に係る運転支援制御として、先行車両に対して自車両の横方向位置を追従させる追従操舵制御を行う。
特に、上述した追従操舵制御時において運転支援制御部13は、例えば目標操舵角θTGを下記[式1]に基づき算出し、該目標操舵角θTGに応じたステアリング指示電流値を得る。
θTG=G(v)×x/z …[式1]
ただし、xは自車両と先行車両との横方向位置偏差(図2参照:以下単に「横位置偏差」とも表記する)、zは先行車両との車間距離、G(v)は自車速に応じた舵角補正ゲインである。「x/z」の項は、図2に示す角度θS(先行車両への追従に要するヨー角)を三角関数に基づき簡略的に表した項である。舵角補正ゲインG(v)は、自車速によってヨーレートと舵角の関係が変化することを加味して自車速に応じた関数としている。
なお、横位置偏差xは、図2に示すように自車両位置がX−Z座標系における原点位置とされる場合には、上述した先行車両情報(先行車位置の情報)として画像処理部12が算出し運転支援制御部13に入力される。
当該不能条件が成立した場合、運転支援制御部13は操舵制御を停止する。なお、操舵制御の停止時における挙動については後述する。
操舵ECU21は、舵角センサ17の検出信号から取得されるステアリング舵角の情報に基づき、該ステアリング舵角に応じた操舵のアシストトルクが得られるようにするためのステアリング指示電流値を求め、該指示電流値に基づき電動モータ42を駆動する。これにより、運転者による操舵をアシストするパワーステアリング制御が実現される。
なお、運転者は、運転支援制御部13による操舵制御の実行時においても操舵操作を行うことが可能とされているが、このように操舵制御中に手動操舵が行われた際には、操舵ECU21において運転支援制御部13からのステアリング指示電流値と上記のように求められたパワーステアリング制御のためのステアリング指示電流値とが合算され、合算された電流値に基づいて電動モータ42が駆動される。
ステアリング機構30は、ステアリング軸32が、図示しない車体フレームにステアリングコラム33を介して回動自在に支持されている。ステアリング軸32の一端は運転席側に延出され、このステアリング軸32の一端部には、ステアリングホイール34が取り付けられている。ステアリング軸32の他端はエンジンルーム側に延出され、このステアリング軸32の他端部にはピニオン軸35が連結されている。
エンジンルームには、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス36が配設され、このステアリングギヤボックス36には、ラック軸37が往復移動自在に挿通支持されている。ラック軸37の途中にはラック(図示せず)が設けられ、このラックに対し、ピニオン軸35に設けられたピニオン(図示せず)が噛合することにより、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が構成されている。
表示部22は、例えばマイクロコンピュータによる表示制御ユニットと表示デバイスを包括的に示している。表示デバイスとは、例えば運転者の前方に設置されたメータパネル内に設けられるスピードメータやタコメータ等の各種メータやMFD(Multi Function Display)、その他運転者に情報提示を行うためのデバイスである。表示部22では、操舵支援に関しては、警告表示や操舵制御の作動/停止を運転者に知覚させるための表示が行われる。
図3は、実施の形態の操舵制御停止手法について説明するための図である。
図3Aは、追従操舵制御を運転者の操作に基づいて停止する場合におけるステアリング指示電流値の変化特性を表している。
図中、時点t1において追従操舵制御の停止を指示する操作が検出された場合、運転支援制御部13は、ステアリング指示電流値を第一の期間P1をかけて最小値(本例では「0」)まで減少させる。具体的に、第一の期間P1においては、ステアリング指示電流値を停止操作検出時点から所要の維持期間Pm1にわたって維持(操作検出時点での電流値に維持)した後、最小値まで漸減する。
本例において、第一の期間P1は、例えば1sec以下の期間に設定されている。
当該制御不能条件の成立が図中の時点t2であったとすると、運転支援制御部13は、時点t2から第一の期間P1よりも長い第二の期間P2をかけてステアリング指示電流値を最小値まで減少させる。本例の場合、第二の期間P2においては、ステアリング指示電流値を当該制御不能条件の成立時点(成立が判定された時点)から所要の維持期間Pm2にわって維持した後、漸減する。
本例では、カーブ路走行時における操舵制御状態から手動操舵状態への切り替えが安全に行われることを考慮して、第二の期間P2における維持期間Pm2の長さ、及び漸減傾きθ2を横G(横方向加速度)に相関する指標値に基づいて設定する。具体的に、横Gに相関する指標値としては、例えば不能条件成立判定時の自車速、走行中のカーブ路の曲率、ステアリング指示電流値、ヨーレート、或いは横Gそのもの等を挙げることができる。
例えばこれら何れかの横Gに相関する指標値に基づき横Gが大きいと推測される場合には、その大きさに応じて、維持期間Pm2を長くし、漸減傾きθ2を小さく(緩やかに)する。すなわち、自車速の値の大きさ、走行中のカーブ路の曲率の大きさ、ステアリング指示電流値の大きさ、ヨーレートの大きさに応じて、維持期間Pm2を長くし、漸減傾きθ2を小さくする。
この点から理解されるように、横Gの大きさ、換言すればセルフアライニングトルクの大きさに応じて維持期間Pm2を可変設定することは、手動操舵への切り替えがより安全に行われるようにする上で望ましい。
従って、上記のように横Gの大きさに応じて漸減傾きθ2を可変的に設定することで、運転者が感じるステアリングの重さが急激に増大してしまうことをより強固に防止することが可能となり、手動操舵への切り替えがより安全に行われるようにすることができる。
このような維持期間Pm2における通知を行うことで、舵の戻りがない安全なタイミングで運転者による手動操舵が開始される可能性を高めることができる。すなわち、安全性のさらなる向上が図られる。
上記により説明した実施の形態としての操舵制御停止手法を実現するために実行すべき具体的な処理の手順を図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
なお、これら図4及び図5に示す処理は、運転支援制御部13が例えば内蔵するROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに基づき実行するものである。図4及び図5に示す処理は、例えば追従操舵制御の開始に応じて実行される。
図4において、運転支援制御部13はステップS101で、追従操舵制御の停止操作が検出されたか否かを判定し、該停止操作が検出されていなければステップS101の判定処理を再度実行する。該判定は、操作情報SDに基づき行う。
図5において、運転支援制御部13はステップS201で、制御不能条件が成立したか否かを判定し、該制御不能条件が成立していなければステップS201の判定処理を再度実行する。
該ステップS201の判定としては、前述のように、画像処理部12により検出中であった先行車両が非検出となることや、追従操舵制御に要するセンサが故障する等、予め設定された操舵制御の不能条件の成立有無を判定する。
なお、自車両がカーブ路走行中でない状態で制御不能条件が成立した場合の挙動としては、操作に応じた追従操舵制御の停止時と同様とすることに限定されず、例えば第一の期間P1<第三の期間<第二の期間P2の関係を満たすように設定した第三の期間をかけてステアリング指示電流値を最小値まで減少させる等、他の挙動とすることもできる。
また、自車両がカーブ路走行中でない状態で制御不能条件が成立した場合においても、ステアリング指示電流値の維持期間において運転者に対する通知を行うことができる。
これにより、カーブ路走行中における追従操舵制御の停止に伴い運転者が感じるステアリングの重さの変化を横Gの大きさに応じて緩やかにすることが可能となり、安全性のさらなる向上を図ることができる。
これにより、手動操舵への切り替え時における運転者の操舵違和感の緩和を図ることができる。
なお、運転者による保舵の有無は、例えばステアリングホイール34に設けたセンサ(例えばステアリングホイール34への接触を検出可能なセンサ)等により判定すればよい。或いは、運転者による操舵トルクの入力有無を判定してもよい。
上記のように実施の形態の操舵支援制御装置は、センサ(例えば撮像部11L、11R)による検出信号に基づき自車両と操舵追従対象との横方向位置偏差を算出する位置偏差算出部(例えば画像処理部12)と、横方向位置偏差に基づき操舵についての制御目標値(例えばステアリング指示電流値)を算出する目標値算出部(例えば運転支援制御部13)と、制御目標値に基づき操舵機構を駆動する操舵駆動部(例えば操舵ECU21)と、センサ、位置偏差算出部、目標値算出部、及び操舵駆動部を有して形成される操舵制御系の動作を制御する制御部(例えば運転支援制御部13)とを備えている。
そして、制御部は、操舵制御系により実現される操舵制御の停止を指示する操作入力が行われた場合は、制御目標値を第一の期間をかけて最小値まで減少させ、自車両がカーブ路を走行中に操舵制御の不能条件が成立した場合は、制御目標値を第一の期間よりも長い第二の期間をかけて最小値まで減少させている。
従って、運転者意思に応じた手動操舵への切り替え時における操舵違和感の緩和と、制御不能条件の成立に応じた手動操舵への切り替え時の安全性の向上との両立を図ることができる。
従って、舵の戻りがない安全なタイミングで運転者による手動操舵が開始されるように図ることができ、安全性の向上が図られる。
従って、舵の戻りがない安全なタイミングで手動操舵が開始される可能性を高めることができ、安全性のさらなる向上が図られる。
なお、本発明は上記により説明した具体例に限定されず、各種の変形例が考えられる。
例えば、上記では、運転支援制御部13が目標操舵角θTGからステアリング指示電流値を求め、該ステアリング指示電流値を操舵ECU21に出力する構成を例示したが、操舵ECU21が運転支援制御部13から出力された目標操舵角θTGに基づきステアリング指示電流値を求める構成とすることもできる。この場合、ステアリング指示電流値の維持や漸減の処理主体は操舵ECU21となる。なおこの場合において、カーブ路走行中か否かの判定、制御不能条件の成立有無の判定は運転支援制御部13、操舵ECU21の何れが行ってもよい。
ここで、GPSセンサによる位置検出結果に基づき横方向位置偏差を求める手法としては、例えば操舵追従対象が先行車両である場合には、自車両位置を自車両に設けられたGPSセンサで検出し、先行車両位置については該先行車両に設けられたGPSセンサによる位置検出情報を車車間通信により取得し、それらの位置情報に基づき算出する手法を挙げることができる。或いは、操舵追従対象が自車進行路の車線とされる場合には、自車両位置を自車両に設けられたGPSセンサで検出し、車線位置を自車両位置に基づき地図情報から取得し、これら自車両・車線の位置情報に基づき横方向位置偏差を算出する手法を挙げることができる。
なお、車車間通信を利用して横方向位置偏差を求める場合、操舵制御の不能条件には車車間通信の途絶や通信部の故障、さらには通信相手車両におけるGPSセンサの故障等も含まれる。
Claims (5)
- センサによる検出信号に基づき自車両と操舵追従対象との横方向位置偏差を算出する位置偏差算出部と、
前記横方向位置偏差に基づき操舵についての制御目標値を算出する目標値算出部と、
前記制御目標値に基づき操舵機構を駆動する操舵駆動部と、
前記センサ、前記位置偏差算出部、前記目標値算出部、及び前記操舵駆動部を有して形成される操舵制御系の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記操舵制御系により実現される操舵制御の停止を指示する操作入力が行われた場合は、前記制御目標値を第一の期間をかけて最小値まで減少させ、自車両がカーブ路を走行中に前記操舵制御の不能条件が成立した場合は、前記制御目標値を前記第一の期間よりも長い第二の期間をかけて最小値まで減少させると共に、
前記第一の期間においては、前記制御目標値を前記操作入力の検出時の値で維持させる第一の維持期間の経過後、前記最小値まで漸減させ、前記第二の期間においては、前記制御目標値を前記不能条件の成立時の値で維持させる第二の維持期間の経過後、前記最小値まで漸減させ、
前記第二の維持期間が前記第一の維持期間よりも長くされた
操舵支援制御装置。 - 前記第二の期間における前記制御目標値の漸減期間が、前記第一の期間における前記制御目標値の漸減期間よりも長くされた
請求項1に記載の操舵支援制御装置。 - 前記制御部は、
前記第二の維持期間において運転者に対する通知を行う
請求項1又は請求項2に記載の操舵支援制御装置。 - 前記制御部は、
前記第二の維持期間の長さ又は前記第二の期間における前記制御目標値の漸減特性を自車両に作用する横方向加速度に相関する指標値に応じて設定する
請求項1から請求項3の何れかに記載の操舵支援制御装置。 - 前記制御部は、
前記第二の維持期間の長さ又は前記第二の期間における前記制御目標値の漸減特性を運転者による保舵の有無に応じて変化させる
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の操舵支援制御装置。
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