JP6597021B2 - 電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本技術は、電池の製造方法に関する。
携帯型電子機器の電源として、リチウムイオン二次電池が重要なデバイスとして注目されてきている。近年では、ウェアラブル機器をはじめとする小型機器にリチウムイオン二次電池を搭載するため、電池のエネルギー密度を向上することが要求されている。高いエネルギー密度を有するリチウム二次電池を実現するためには、電極内における活物質充填率を向上することが望まれる。しかし、活物質充填率を向上すると、電解液が電極に浸透しにくくなる傾向がある。電極に対する電解液の含浸が不十分な電池では、容量やサイクル特性をはじめとする電池特性が著しく低下することが知られている。
そこで、特許文献1では、電極に対する電解液の含浸を促進するために、静水圧を加えながら、組み立てた二次電池を加熱する工程を備える二次電池の製造方法が提案されている。
特開2003−086251号公報
本技術の目的は、電極に対する電解液の含浸を促進させることができる電池の製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本技術は、正極と負極と電解液を含む電解質とが柔軟性を有する外装部材により封止された電池を加圧しながら加熱したのち、常温または常温以下の温度で等方圧プレスすることを含む電池の製造方法である。
以上説明したように、本技術によれば、電極に対する電解液の含浸を促進させることができる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る電池の一構成例を示す分解斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った巻回電極体の断面図である。 図3Aは、等方圧プレス工程を説明するための概略図である。図3Bは、等方圧プレス工程の変形例を説明するための概略図である。 図4は、実施例1、比較例1の電池の放電曲線を示すグラフである。 図5Aは、実施例1、比較例1の電池の出力特性を示すグラフである。図5Bは、実施例2、比較例2の電池のサイクル特性を示すグラフである。 図6は、実施例3、比較例3の電池のサイクル特性を示すグラフである。 図7Aは、実施例4、5の電池の重負荷放電時の放電曲線を示すグラフである。図7Bは、実施例2、比較例2、比較例4のサイクル特性を示すグラフである。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 第1の実施形態
1.1 電池の構成
1.2 電池の製造方法
1.3 効果
1.4 変形例
2 第2の実施形態
<1 第1の実施形態>
[1.1 電池の構成]
図1に示すように、本技術の第1の実施形態に係る電池10は、いわゆる扁平型または角型のリチウムイオンポリマー電池であり、正極リード11および負極リード12が取り付けられた電池素子としての巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード11および負極リード12は、それぞれ、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード11および負極リード12は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)またはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、柔軟性を有するラミネートフィルムからなる。外装部材30は、例えば、熱融着樹脂層、金属層、表面保護層を順次積層した構成を有する。なお、熱融着樹脂層側の面が、巻回電極体20を収容する側の面となる。この熱融着樹脂層の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が挙げられる。金属層の材料としては、例えばアルミニウムが挙げられる。表面保護層の材料としては、例えばナイロン(Ny)が挙げられる。具体的には例えば、外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設され、各外縁部が融着または接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極リード11および負極リード12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極リード11および負極リード12に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。あるいは、アルミニウム製フィルムを心材として、その片面または両面に高分子フィルムを積層したラミネートフィルムを用いてもよい。
また、外装部材30としては、外観の美しさの点から、有色層をさらに備えるもの、および/または、熱融着樹脂層および表面保護層のうちから選ばれる少なくとも一種の層に着色材を含むものを用いてもよい。熱融着樹脂層と金属層との間、および表面保護層と金属層との間の少なくとも一方に接着層が設けられている場合には、その接着層が着色材を含むようにしてもよい。
図2に示すように、巻回電極体20は、正極21と負極22とをセパレータ23および電解質層24を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
(正極)
正極21は、正極集電体21Aの片面または両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質層21Bは、必要に応じて添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、導電剤および結着剤のうちの少なくとも1種を用いることができる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物またはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(A)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(B)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(C)、式(D)もしくは式(E)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(F)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(G)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)またはLieFePO4(e≒1)などがある。
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z ・・・(A)
(但し、式(A)中、M1は、ニッケル、マンガンを除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
LiaM2bPO4 ・・・(B)
(但し、式(B)中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
LifMn(1-g-h)NigM3h(2-j)k ・・・(C)
(但し、式(C)中、M3は、コバルト、マグネシウム(Mg)、アルミニウム、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄、銅、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M4n(2-p)q ・・・(D)
(但し、式(D)中、M4は、コバルト、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M5s(2-t)u ・・・(E)
(但し、式(E)中、M5は、ニッケル、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM6wxy ・・・(F)
(但し、式(F)中、M6は、コバルト、ニッケル、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM7PO4 ・・・(G)
(但し、式(G)中、M7は、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、ニオブ(Nb)、銅、亜鉛、モリブデン、カルシウム、ストロンチウム、タングステンおよびジルコニウムからなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどのリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)などの樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体などから選択される少なくとも1種が用いられる。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックまたはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、それらのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料または導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。
(負極)
負極22は、負極集電体22Aの片面または両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層22Bと正極活物質層21Bとが対向するように配置されている。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、リチウムを吸蔵および放出することが可能な1種または2種以上の負極活物質を含んでいる。負極活物質層22Bは、必要に応じて結着剤や導電剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
なお、この非水電解質電池では、負極22または負極活物質の電気化学当量が、正極21の電気化学当量よりも大きくなっており、理論上、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないようになっていることが好ましい。
負極活物質としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維または活性炭などの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスまたは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
また、高容量化が可能な他の負極活物質としては、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素(例えば、合金、化合物または混合物)として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本技術において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物またはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような負極活物質としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム、ホウ素、アルミニウム、チタン、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
負極活物質としては、短周期型周期表における4B族の金属元素または半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、より好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。このような負極活物質としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)およびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素または炭素を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、Sn系の負極活物質としては、コバルトと、スズと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるSnCoC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素、鉄、ニッケル、クロム、インジウム、ニオブ、ゲルマニウム、チタン、モリブデン、アルミニウム、リン(P)、ガリウムまたはビスマスが好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このSnCoC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このSnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズなどが凝集または結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集または結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
その他の負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物または高分子化合物なども挙げられる。金属酸化物としては、例えば、チタン酸リチウム(Li4Ti512)などのチタンとリチウムとを含むリチウムチタン酸化物、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデンなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロールなどが挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、スチレンブタジエンゴムおよびカルボキシメチルセルロースなどの樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体などから選択される少なくとも1種が用いられる。導電剤としては、正極活物質層21Bと同様の炭素材料などを用いることができる。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの樹脂製の多孔質膜によって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特にポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。他にも、化学的安定性を備えた樹脂を、ポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合またはブレンド化した材料を用いることができる。あるいは、多孔質膜は、ポリプロピレン層と、ポリエチレン層と、ポリプロピレン層とを順次に積層した3層以上の構造を有していてもよい。
また、セパレータ23は、基材である多孔質膜の片面または両面に樹脂層が設けられていてもよい。樹脂層は、無機物が担持された多孔性のマトリックス樹脂層である。これにより、耐酸化性を得ることができ、セパレータ23の劣化を抑制できる。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ポリテトラフルオロエチレンなどを用いることができ、また、これらの共重合体を用いることも可能である。
無機物としては、金属、半導体、またはこれらの酸化物、窒化物を挙げることができる。例えば、金属としては、アルミニウム、チタンなどを挙げることができ、半導体としては、ケイ素、ホウ素などを挙げることができる。また、無機物としては、実質的に導電性がなく、熱容量の大きいものが好ましい。熱容量が大きいと、電流発熱時のヒートシンクとして有用であり、電池の熱暴走をより抑制することが可能になるからである。このような無機物としては、アルミナ(Al23)、ベーマイト(アルミナの一水和物)、タルク、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiOx)などの酸化物または窒化物が挙げられる。なお、上述した無機物は、基材としての多孔質膜に含有されていてもよい。
無機物の粒径としては、1nm〜10μmの範囲内が好ましい。1nmより小さいと、入手が困難であり、また入手できたとしてもコスト的に見合わない。10μmより大きいと電極間距離が大きくなり、限られたスペースで活物質充填量が十分得られず電池容量が低くなる。
樹脂層は、例えば、次のようにして形成することができる。すなわち、マトリックス樹脂、溶媒および無機物からなるスラリーを基材(多孔質膜)上に塗布し、マトリックス樹脂の貧溶媒且つ上記溶媒の親溶媒浴中を通過させて相分離させ、その後、乾燥させる。
(電解質層)
電解質層24は、非水電解液と、この非水電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、高分子化合物は非水電解液により膨潤されている。高分子化合物の含有比率は適宜調整可能である。特にゲル状の電解質とする場合には、高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。
非水電解液は、例えば、溶媒と電解質塩とを含んでいる。溶媒としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、エチレンスルフィト、およびビストリフルオロメチルスルホニルイミドトリメチルヘキシルアンモニウムなどの常温溶融塩が挙げられる。中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルおよびエチレンスルフィトからなる群のうちの少なくとも1種を混合して用いるようにすれば、優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。電解質層24が、電池特性を向上するために、公知の添加剤を含んでいてもよい。
電解質塩は、1種または2種以上の材料を混合して含んでいてもよい。電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(Li(C25SO2)2N)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSO3CF3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CF3SO22N)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SO2CF33)、塩化リチウム(LiCl)および臭化リチウム(LiBr)が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンまたはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的な安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンまたはポリエチレンオキサイドが好ましい。
なお、セパレータ23の樹脂層の説明で述べた無機物と同様の無機物が、電解質層24に含まれていてもよい。より耐熱性を向上できるからである。
この電池10は、完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)が、例えば、例えば2.80V以上6.00V以下または3.60V以上6.00V以下、好ましくは4.25V以上6.00V以下または4.20V以上4.50V以下、さらに好ましくは4.30V以上4.55V以下の範囲内になるように設計されていてもよい。完全充電時における開回路電圧が、例えば正極活物質として層状岩塩型リチウム複合酸化物などを用いた電池において4.25V以上とされる場合は、4.20Vの電池と比較して、同じ正極活物質であっても単位質量当たりのリチウムの放出量が多くなるので、それに応じて正極活物質と負極活物質との量が調整され、高いエネルギー密度が得られるようになっている。
上述の構成を有する電池10では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
[1.2 電池の製造方法]
次に、本技術の第1の実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。
(正極の作製工程)
正極21を次にようにして作製する。まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成し、正極21を形成する。
(負極の作製工程)
負極22を次にようにして作製する。まず、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。負極活物質として、ケイ素を含むもの、またはケイ素粉末と炭素粉末とを含むものを用いた場合に、後述の等方圧プレス工程により得られる効果が顕著になる。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
(電解質層の形成工程)
次に、マトリックス高分子と、電解液と、希釈溶剤とを含む電解質溶液を調製する。次に、この電解質溶液を、上述のようにして得られた正極21および負極22のそれぞれに均一に塗布して含浸させる。その後、希釈溶剤を気化させて除去することにより、電解質層24を形成する。
(巻回工程)
次に、正極集電体21Aの端部に正極リード11を溶接により取り付けると共に、負極集電体22Aの端部に負極リード12を溶接により取り付ける。次に、電解質層24が形成された正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体20を形成する。
(封止工程)
次に、例えば、柔軟性を有する外装部材30の間に巻回電極体20を挟み込み、外装部材30の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封止する。その際、正極リード11および負極リード12と外装部材30との間には密着フィルム31を挿入する。これにより、外装部材30により外装された電池(以下「外装電池」という。)が得られる。なお、外装部材30に予めエンボス成型を施し、巻回電極体20を収容する収容空間としての凹部を形成しておいてもよい。
(ヒートプレス工程)
次に、ヒートプレスにより外装電池を成型する。より具体的には、外装電池を加圧しながら、常温より高い温度で加熱する。これにより、電解質層24を構成する電解質および電解質層24に含まれる電解液(以下「電解質など」という。)を正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bに含浸させるとともに、電解質層24と正極21および負極22との密着性を高めることができる。また、正極活物質同士および負極活物質同士の密着性を高め、正極活物質および負極活物質の接触抵抗を低下させることができる。
本工程における加圧は、等方圧プレスであることが好ましい。電解質層24と正極21および負極22とをむらなく密着させることができるからである。ここで、等方圧プレスとは、3次元的に均一またはほぼ均一な圧力を加える方法をいう。等方圧プレスの圧力は、大気圧よりも大きく200MPa以下とすることが好ましい。加圧装置の性能上200MPaよりも大きくすることは難しく、また、200MPaより大きくしなくても十分に効果が得られるからである。なお、本明細書において、等方圧プレスの圧力は、外装電池に対して実際に加わる圧力の値を示している。
本工程における加熱温度は、90℃以上120℃以下とすることが好ましい。すなわち、等方圧プレスに用いる媒体を、90℃以上120℃以下の範囲内の温度に加熱することが好ましい。加熱温度90℃以上であると、正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bに対する電解質などの含浸を更に高めることができる。一方、加熱温度が120℃を超えると、電解質層24に含まれる非水溶媒の一部が分解してガスが発生し、外装電池に膨れが生じるおそれがある。また、加熱によるダメージで電池特性が低下するおそれがある。
(一軸プレス工程)
次に、必要に応じて、外装電池を一軸加圧するようにしてもよい。例えば、外装電池の主面に加圧板を押しつけて外装電池を一軸加圧するようにしてもよい。これにより、ヒートプレス工程によって生じた外装電池の歪みを矯正し、電解質層24と正極21および負極22との密着性をより向上させることができると共に、正極電極活物質同士および負極活物質同士の密着性をより向上させることができるからである。一軸加圧する際の温度は、特に限定されず、常温でもよい。温度は外装電池の歪みの矯正に寄与しないからである。また、一軸加圧の圧力は、0.5MPa以上3MPa以下の範囲内とすることが好ましい。圧力が小さいと目的とする歪み矯正効果を得にくく、また、圧力を3MPaよりも大きくしなくても十分に効果を得ることができるからである。更に、外装部材30の耐久性も考慮するとこの範囲内とすることが好ましい。なお、本明細書において、一軸加圧の圧力は、外装電池に対して実際に加わる圧力の値を示している。
(等方圧プレス工程)
次に、図3Aに示すように、外装電池10Aを容器40に収容したのち、図示しない媒体供給部を介して容器40内に媒体41を供給し、常温または常温以下の温度で外装電池10Aを等方圧プレスする。これにより、電解質などを正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bに十分に含浸させることができる。以上により、目的とする電池10が得られる。
なお、上述のヒートプレス工程においても、電解質などを正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bに含浸させることはできるが、ヒートプレス工程のみでは電解質などを十分に含浸させることは困難である。電解質などを十分に含浸させるためには、ヒートプレス工程後に、等方圧プレス工程をさらに備える必要がある。
ここでは、20℃±15℃(5〜35℃)の温度範囲を“常温”と規定(JIS Z 8703参照)する。また、等方圧プレスとは、3次元的に均一またはほぼ均一な圧力を加える方法をいう。したがって、等方圧プレスには、外装電池10Aの表面に加わる圧力が完全に均一である場合のみならず、外装電池10Aの表面に加わる圧力が位置によってある程度ばらつきがある場合も含まれる。なお、本工程は電解質などの含浸を目的とする工程であるため、外装電池10Aの成形などを主たる目的とする上述のヒートプレス工程のように、外装電池10Aを加熱する必要はない。また、等方圧プレスの際に外装電池10Aを加熱すると、外装電池10Aの特性低下を招くおそれがあるので、本工程においては、上述のように外装電池10Aを常温または常温以下の温度で等方圧プレスしている。
常温以下の温度で外装電池10Aを等方圧プレスする場合には、その温度の下限値は、電解質などの流動性が失われ、正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bに対する電解質などの含浸が困難となる温度より高い温度に設定することが好ましく、例えば0℃を超える温度に設定される。
等方圧プレスに用いる媒体41は、流体であればよく、具体的には、気体、液体、ゲルまたは固体などを用いることが可能であり、これらの媒体のうちでも気体が好ましい。等方圧プレス後に外装電池10Aの表面に残留した媒体を除去する除去工程(例えば洗浄工程)などを備える必要がなく、生産性に優れるからである。気体としては、例えば、空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスなどを用いることができる。液体としては、例えば、水、不燃性の絶縁性油または熱可塑性の液状合成樹脂などを用いることができる。固体としては、例えば、粉体を用いることができる。粉体としては、例えば、炭化ケイ素(SiC)またはアルミナ(Al23)などのセラミックス粉を用いることができる。なお、媒体41が気体である場合には、コンプレッサなどの媒体供給部が気体を圧縮して、圧縮空気などの圧縮気体として容器40に供給することが好ましい。
等方圧プレスの圧力は、0.5MPa以上1.0MPa以下であることが好ましい。等方圧プレスの圧力が0.5MPa未満であると、正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bに対する電解質などの含浸を十分に促進させることができなくなるおそれがある。一方、等方圧プレスの圧力が1.0MPaを超えると、大掛かりな設備が必要となるおそれがある。また、1.0MPaより大きくしなくても十分に効果が得られる。なお、0.5MPaは、大気圧を大きく超える圧力であり、外装電池10Aの内部をいかに効率的に真空封閉したとしても到達できない圧力差であり、真空処理よりも電解質などの含浸が効果的に進行する。
等方圧プレスのプレス時間は、好ましくは60秒以上300秒以下、より好ましくは60秒以上180秒以下である。プレス時間が60秒以上であると、電解質などの含浸を更に高めることができる。一方、プレス時間が300秒以下であると、等方圧プレス工程を設けたことによる生産性の低下を抑制できる。
[1.3 効果]
第1の実施形態の電池の製造方法では、巻回電極体20をフィルム状の外装部材30により封止し、ヒートプレスにより成型した後に、外装電池10Aを密閉した容器40などに収容し、常温または常温以下の温度で等方圧プレスを外装電池10Aに施す。これにより、電解質などを正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bに十分に含浸させることができる。したがって、電池10の高容量化、高出力特性化および高サイクル特性化を実現することができる。また、等方圧プレスは、常温または常温以下の温度で施されるため、電池特性の低下を招くことがない。
また、成型工程としてのヒートプレス工程を経ても電解質などの含浸が進行しなかった部分があった場合には、等方圧プレス工程により、その部分に対する電解質などの含浸を促進させることができる。また、電池10の特性のばらつきを低減し、歩留まりを改善できる。
本実施形態の電池の製造方法は、一般的な活物質充填率を有するリチウムイオンポリマー電池などの製造に対しても適用可能であるが、高い活物質充填率を有するリチウムイオンポリマー電池などの製造に適用した場合に、特に特性改善の効果が顕著である。
本実施形態の電池の製造方法は、負極活物質としてケイ素を含有する負極22を備える電池10の製造に適用した場合に、特性改善の効果が顕著である。負極活物質としてケイ素を含有する負極22においては、その充填率に拘わらず、電解質などの含浸が進行しにくくなる傾向があるからである。
[1.4 変形例]
図3Bに示すように、等方圧プレス工程において、容器40に複数の外装電池10Aを収容して、常温または常温以下の温度で、複数の外装電池10Aを等方圧プレスするようにしてもよい。これにより、短時間で複数の外装電池10Aを同時に処理できるので、生産性を向上することができる。
第1の実施形態では、電池が扁平型または角型である場合を例として説明したが、電池の形状はこれに限定されるものではなく、電池が湾曲形状や屈曲形状などを有していてもよい。
第1の実施形態では、剛性を有する電池を例として説明したが、フレキシブル電池であってもよい。
第1の実施形態では、電池素子が巻回電極構造を有するものである場合を例として説明したが、電池素子の構成はこれに限定されるものではない。例えば、電池素子がスタック型電極構造を有するもの、または正極および負極をセパレータを介して折り畳んだ構造を有するものなどであってもよい。
第1の実施形態では、正極リードおよび負極リードが、外装材の同一の辺から同一方向に導出されている構成を例として説明したが、正極リードおよび負極リードの構成はこれに限定されるものではない。例えば、正極リードおよび負極リードが、外装材の異なる辺から異なる方向に導出されていてもよい。
第1の実施形態では、電解質が、非水電解液と、この非水電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含むものである場合を例として説明したが、電解質が、液状の電解質、すなわち電解液であってもよい。
第1の実施形態では、リチウムイオンポリマー電池に対して本技術を適用した例を示したが、本技術はこの種の電池に限定されるものではなく、電池素子を柔軟性を有する外装材により外装する構成を有する電池であれば、本技術を適用可能である。また、本技術は、二次電池に限定されるものではなく、一次電池に適用することも可能である。
第1の実施形態では、外装電池に等方圧プレスを施す場合を例として説明したが、外装電池の厚み方向に一軸加圧を施して電解質などの含浸を促進させるようにしてもよい。但し、電池素子の全体にむらなく電解質などを含浸させるためには、等方圧プレスが好ましい。
<2 第2の実施形態>
以下、本技術の第2の実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。なお、第1の実施形態と対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
(正極、負極の作製工程)
まず、上述の第1の実施形態と同様にして正極21および負極22を作製し、正極21および負極22に正極リード11および負極リード12を取り付ける。
(巻回工程)
次に、正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して、巻回体を形成する。
(封止工程)
次に、この巻回体を外装部材30に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、袋状の外装部材30内に巻回体を収納する。次に、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材30の内部に注入する。次に、電解質用組成物を外装部材30内に注入したのち、外装部材30の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。これにより、外装電池10Aが得られる。
(ヒートプレス工程)
次に、外装電池10Aを加圧しながら、常温より高い温度で加熱する。これにより、電解質用組成物に含まれるモノマーが重合されて高分子化合物となり、ゲル状の電解質層24が形成される。次に、必要に応じ外装電池10Aを一軸加圧するようにしてもよい。
(等方圧プレス工程)
次に、上述の第1の実施形態と同様にして、常温または常温以下の温度で、外装電池10Aを等方圧プレスする。以上により、目的とする電池10が得られる。
第2の実施形態の電池の製造方法では、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例について以下の順序で説明する。
i 等方圧プレスを施した電池(Si含有負極)の出力特性
ii 等方圧プレスを施した電池(Si含有負極)のサイクル特性
iii 等方圧プレスを施した電池(黒鉛含有負極)のサイクル特性および出力特性のばらつき
iv 異なる圧力の等方圧プレスを施した電池(黒鉛含有負極)の出力特性
v 等方圧プレスを施しつつ加温した電池(Si含有負極)のサイクル特性
<i 等方圧プレスを施した電池(Si含有負極)の出力特性>
(実施例1)
(正極の作製工程)
正極を次にようにして作製した。まず、炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO3)とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃で5時間焼成することにより、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を得た。次に、上述のようにして得られたリチウムコバルト複合酸化物91質量部と、導電剤としてグラファイト6質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合することにより正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとした。次に、帯状のアルミニウム箔(12μm厚)からなる正極集電体の両面に正極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層を形成した。次に、正極集電体の一端に、アルミニウム製の正極リードを溶接して取り付けた。
(負極の作製工程)
負極を次のようにして作製した。まず、負極活物質としてケイ素粉末および黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンとを、ケイ素粉末:黒鉛粉末:ポリフッ化ビニリデン=10:85:5(質量比)で混合して負極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の負極合剤スラリーとした。次に、帯状の銅箔(15μm厚)からなる負極集電体の両面に負極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、負極活物質層を形成した。次に、負極集電体の一端に、ニッケル製の負極リードを取り付けた。
(ゲル状電解質層の形成工程)
ゲル状電解質層を次のように作製した。まず、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)をEC:PC=6:4の体積比で混合して混合溶媒を調製した後、この混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0kmol/kgの割合で溶解して電解液を調製した。次に、ヘキサフルオロプロピレンが6.9%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、電解液と、希釈溶剤としてジメチルカーボネート(DMC)とを、ポリフッ化ビニリデン:電解液:DMC=1:6:12の質量比で混合し、撹拌、溶解させてゾル状の電解質溶液を得た。次に、得られたゾル状の電解質溶液を正極および負極の両面に均一に塗布した。次に、塗布した溶液を乾燥させて溶剤を除去し、正極および負極の両面にゲル状電解質層を形成した。
(巻回工程)
次に、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の正極と、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の負極とを、セパレータを介して積層し、長手方向に巻回することにより、扁平型の電池素子を作製した。
(電池素子の封止工程)
次に、外装部材として、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムを準備した。次に、このアルミラミネートフィルムのポリエチレンフィルム側の面のうち、長辺を2等分する折り返し部により2分割される一方の領域に、エンボス成型を施し、収容空間としてのエンボス成型部を形成した。
次に、エンボス成型部に電池素子を収容し、アルミラミネートフィルムを上記折り返し部を堺にして折り返して、アルミラミネートフィルムの対向する辺同士を、正極リードおよび負極リードを挟むようにして重ね合わせた。その際、正極リードおよび負極リードとアルミラミネートフィルムとの間には密着フィルムを挿入した。次に、重ね合わせたラミネートフィルムのポリエチレンフィルム同士を熱融着により貼り合わせ、電池素子をラミネートフィルムにより封止した。これにより、扁平型の外装電池が得られた。
(ヒートプレス工程)
次に、外装電池を加圧しながら加温することにより、電池素子を構成する正極、負極、およびセパレータを一体化させた。
(等方圧プレス工程)
次に、常温において、1MPaの高圧気体による等方圧プレスを外装電池に対して施した。プレス時間は、120秒とした。以上により、目的とする電池が得られた。なお、この電池は、正極活物質量と負極活物質量との調整により、完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)が4.35Vになるように設計された。
(比較例1)
等方圧プレス工程を省略する以外のことは、実施例1と同様にして電池を得た。
(出力特性)
上述のようにして得られた実施例1、比較例1の電池の出力特性を、次のようにして評価した。まず、放電レート0.1Cでの放電曲線および放電容量を以下の充放電条件により求めた。
充電:1C、4.35V、1/20Ccutの定電流定電圧充電
放電:0.1C、3Vの定電流放電
なお、充電において“1C”は、電池の定格容量を1時間で定電流充電する電流値のことである。一方、放電において“1C”は、電池の定格容量を1時間で定電流放電する電流値のことである。放電において“0.1C”は、電池の定格容量を10時間で定電流放電する電流値のことである。
次に、放電レートを0.2C、0.5C、1C、2Cとする以外のことは、上述の“0.1Cでの放電曲線および放電容量”の求め方と同様にして、0.2C、0.5C、1C、2Cでの放電曲線および放電容量を求めた。なお、“0.2C”、“0.5C”、“2C”とはそれぞれ、電池の定格容量を5時間、2時間、0.5時間で定電流放電する電流値である。
図4は、実施例1、比較例1の電池の放電曲線であり、横軸を放電容量、縦軸を電圧としている。“C”は放電負荷を表しており、数値が大きいほど大電流を流している条件となる。等方圧プレスを施した電池では、放電容量の増加に対する電圧の降下が抑制されており、優れた出力特性が得られている。
図5Aは、放電レート(放電負荷)に対して放電容量をプロットしたものである。等方圧プレスを施した電池では、いずれの負荷でも高い放電容量が得られている。放電レート2Cという非常に高い放電負荷においても高い放電容量が維持されており、放電容量に顕著な改善が見られる。一方、等方圧プレスを施さなかった電池では、放電負荷が高くなるほど放電容量が低下し、放電負荷が1Cを超えると、急激に放電容量が低下する傾向を示している。
<ii 等方圧プレスを施した電池(Si含有負極)のサイクル特性>
(実施例2)
負極の作成工程において、負極活物質としてケイ素粉末および黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンとを、ケイ素粉末:黒鉛粉末:ポリフッ化ビニリデン=3:92:5(質量比)で混合して負極合剤とする以外のことは、実施例1と同様にして電池を得た。
(比較例2)
等方圧プレス工程を省略する以外のことは、実施例2と同様にして電池を得た。
(サイクル特性)
上述のようにして得られた実施例2、比較例2の電池のサイクル特性を次のようにして評価した。まず、各サイクルの放電容量を以下の充放電条件により求めた。
充電:1C、4.35V、1/20Ccutの定電流定電圧充電
放電:0.5C、3Vの定電流放電
次に、それらの放電容量を以下の式に代入することにより、サイクル容量維持率を求めた。
サイクル容量維持率(%)=[(nサイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)]×100
但し、nは、1以上の整数である。
図5Bは、実施例2、比較例2の電池のサイクル容量維持率の測定結果を示す。この結果から以下のことがわかる。等方圧プレスを施した電池では、等方圧プレスを施さなかった電池に比べて高いサイクル容量維持率が得られる。したがって、等方圧プレスを電池に施すことにより、サイクル特性を改善することができる。
<iii 等方圧プレスを施した電池(黒鉛含有負極)のサイクル特性および出力特性のばらつき>
(実施例3)
負極の作製工程において、人造黒鉛95質量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン5質量%とを均一に混合して負極合剤とする以外のことは、実施例1と同様にして電池を得た。
(比較例3)
等方圧プレス工程を省略する以外のことは、実施例3と同様にして電池を得た。
(サイクル特性)
上述のようにして得られた実施例3、比較例3の電池のサイクル特性を、各サイクルの放電容量を以下の充放電条件により求めること以外は上述の“実施例2、比較例2のサイクル特性の評価方法”と同様にして評価した。
充電:0.7C、4.35V、1/20Ccutの定電流定電圧充電
放電:0.5C、3Vの定電流放電
図6は、実施例3、比較例3の電池のサイクル容量維持率の測定結果を示す。この結果から以下のことがわかる。黒鉛含有負極を用いた電池においても、Si含有負極を用いた電池と同様に、等方圧プレスを電池に施すことによりサイクル特性を改善することができる。
(出力特性のばらつき)
上述のようにして得られた実施例3、比較例3の電池の出力特性のばらつきを次のようにして評価した。まず、実施例3、比較例3の電池をそれぞれ3個準備して、それらの電池について放電電流値660mAでの放電容量を以下の充放電条件により求めた。
充電:0.7C、4.35V、1/20Ccutの定電流定電圧充電
放電:660mA、3Vの定電流放電
次に、放電電流値を1650mA、2310mA、3000mAとする以外のことは上述の“660mAでの放電容量”を求め方と同様にして、1650mA、2310mA、3000mAでの放電容量を求めた。
上記評価から、等方圧プレスを施さなかった電池の出力特性が個々ばらついてしまうのに対し、等方圧プレスを施した電池の出力特性が3個ともほぼ等しくなるという結果が得られた。したがって、等方圧プレスを電池に施すことにより、出力特性のばらつきを低減することができる。
<iv 異なる圧力の等方圧プレスを施した電池(黒鉛含有負極)の出力特性>
(実施例4)
常温において、0.5MPaの高圧気体による等方圧プレスを施す以外のことは、実施例3と同様にして電池を得た。
(実施例5)
常温において、0.9MPaの高圧気体による等方圧プレスを施す以外のことは、実施例3と同様にして電池を得た。
(出力特性)
上述のようにして得られた実施例4、5の電池の重負荷放電時の放電曲線を、以下の充放電条件により求めた。
充電:0.7C、4.35V、1/20Ccutの定電流定電圧充電
放電:3C、3Vの定電流放電
図7Aは、実施例4、5の電池の重負荷放電時の放電曲線を示す。図7Aから、0.9MPaの等方圧プレスを施した電池では、0.5MPaの等方圧プレスを施した電池よりも出力特性が改善していることがわかる。
<v 等方圧プレスを施しつつ加温した電池(Si含有負極)のサイクル特性>
(比較例4)
次に、1MPaの高圧気体による等方圧プレスを施しつつ、100℃の温度で加温する以外のことは、実施例2と同様にして電池を得た。
(サイクル特性)
上述のようにして得られた比較例4の電池のサイクル特性を、上述の“実施例2、比較例2のサイクル特性の評価方法”と同様にして評価した。
図7Bは、実施例2、比較例2、比較例4のサイクル特性を示すグラフである。この結果から以下のことがわかる。等方圧プレスを施しつつ、加温した電池では、等方圧プレスを施さなかった電池に比べてサイクル特性を改善することができるが、等方圧プレスを施しつつ、加温しなかった電池に比べて改善の度合いが小さい。これは、加温により電池がダメージを受けたためと考えられる。
以上、本技術の実施形態およびその変形例、ならびに実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
正極と負極と電解質とが柔軟性を有する外装部材により封止された電池を、常温または常温以下の温度で等方圧プレスすることを含む電池の製造方法。
(2)
前記等方圧プレスの前に、前記電池を成型することをさらに含む(1)に記載の電池の製造方法。
(3)
前記等方圧プレスの前に、前記電池を加圧しながら加熱することをさらに含む(1)に記載の電池の製造方法。
(4)
前記等方圧プレスの圧力は、0.5MPa以上1.0MPa以下である(1)から(3)のいずれかに記載の電池の製造方法。
(5)
前記等方圧プレスが、気体による等方圧プレスである(1)から(4)のいずれかに記載の電池の製造方法。
(6)
前記負極は、負極活物質としてケイ素を含む(1)から(5)のいずれかに記載の電池の製造方法。
(7)
前記電解質は、電解液と前記電解液を保持する化合物とを含んでいる(1)から(6)のいずれかに記載の電池の製造方法。
(8)
前記外装部材は、ラミネートフィルムである(1)から(7)のいずれかに記載の電池の製造方法。
10 電池
11 正極リード
12 負極リード
20 巻回電極体
21 正極
21A 正極集電体
21B 正極活物質層
22 負極
22A 負極集電体
22B 負極活物質層
23 セパレータ
24 電解質層
25 保護テープ
30 外装部材
31 密着フィルム

Claims (7)

  1. 正極と負極と電解液を含む電解質とが柔軟性を有する外装部材により封止された電池を加圧しながら加熱したのち、常温または常温以下の温度で等方圧プレスすることを含む電池の製造方法。
  2. 前記電池を加圧しながら加熱することにより、前記電池を成型す請求項1に記載の電池の製造方法。
  3. 前記等方圧プレスの圧力は、0.5MPa以上1.0MPa以下である請求項1に記載の電池の製造方法。
  4. 前記等方圧プレスが、気体による等方圧プレスである請求項1に記載の電池の製造方法。
  5. 前記負極は、負極活物質としてケイ素を含む請求項1に記載の電池の製造方法。
  6. 前記電解質は、記電解液を保持する化合物含んでいる請求項1に記載の電池の製造方法。
  7. 前記外装部材は、ラミネートフィルムである請求項1に記載の電池の製造方法。
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