JP6596282B2 - 非アルコール性脂肪性肝疾患予防用又は治療用組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎の予防用又は治療用組成物の製造方法に関する。本発明の製造方法によれば、非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎の予防用又は治療に有効な組成物を提供することができる。また、本発明の製造方法により得られる組成物は、医薬品として投与することができるだけでなく、種々の形態、例えば、健康食品や機能性食品(飲料を含む)、又は飼料として飲食物の形で与えることも可能である。
食事内容の欧米化に伴い、近年日本でも高脂肪食が問題になってきている。従来脂肪肝の主因はアルコールの過剰摂取と考えられてきたが、そのような食事内容の変化に伴い、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:Non−Alcoholic Fatty Liver Disease)が多く見られるようになってきた。
NAFLDの中でも、肝実質への脂肪沈着とともに炎症性細胞の浸潤や肝実質の障害、線維化を経て肝硬変、肝がんに至る進行性の疾患は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH:Non−Alcoholic Steatohepatitis)と呼ばれている。肥満やインスリン抵抗性、糖尿病、脂質異常症を高頻度に合併すること、内臓脂肪から分泌されるアディポサイトカインや遊離脂肪酸がNASHの発症や進展に深くかかわっていることから、NAFLD/NASHはメタボリックシンドロームの肝臓における表現型とみなされている。
NASHの詳しい進展機構は明らかでなく、その治療手段も確立されていない。これまでの研究から、肥満や内臓脂肪の増加により、肝臓へ異所性に脂肪が蓄積しリポトキシシティ(脂肪毒性)を引き起こし、脂質過酸化(酸化ストレス)が増大することにより、炎症・線維化が生じ、NASHへ進展すると考えられている。NASHの進展のカギを握る脂肪肝から炎症の過程において、特に酸化ストレスの重要性が指摘されている。そのような観点から、種々の抗酸化物質について抗NASH作用が検討されており、ビタミンE(非特許文献1)、アスタキサンチン(特許文献1)、βクリプトキサンチン(特許文献2,非特許文献2)に一定の効果があることが報告されている。また、NASHの背景にあるインスリン抵抗性を改善するPPARγアゴニストであるピオグリタゾンが脂肪性肝炎の症状を改善するとの報告もある(非特許文献1)。
国際公開2012/157289A1号 特開2014−118390号公報 特開2005−185242号公報
「ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(The New England Journal of Medicine)」(米国)2010年、第156巻、p.1675−85 「エンドクライノロジー(Endocrinology)」(米国)2015年、第362巻、p.987−99 「バイオロジカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリティン(Biological & Pharmaceutical Bulletin)」(日本)2014年、第37巻、p.1853−9 「ヘパトロジー・リサーチ(Hepatology Research)」(日本)2014年、DOI:10.1111/hepr.12432
非特許文献3及び4においては、胎盤を酵素分解して得られた胎盤抽出物を有効成分とする医薬を用いて、NASHを治療することが試みられている。しかしながら、その治療効果は十分なものではなかった。すなわち、NASHの治療方法は確立されておらず、NASHを適応症とした治療薬は承認されていない。NAFLD/NASHの最も重要な治療又は予防手段は、脂肪摂取の制限を伴う食事療法や減量であるが、その継続は困難な場合が多いことから、それを補う有効な医薬品又は食品の開発が強く望まれている。
従って、本発明の目的は、有効なNASHの予防又は治療用の薬剤又は食品を提供することである。
本発明者らは、NAFLD/NASHの予防用又は治療用組成物の製造方法について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、胎盤を、発酵微生物を用いて発酵処理することによって得られた発酵抽出プラセンタエキスと、前記発酵抽出プラセンタエキスの残渣をプロテアーゼ処理することによって得られたプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとを含む組成物により、非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎を、効果的に予防又は治療できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]以下の4工程を含む、組成物の製造方法:(1)胎盤を、発酵微生物を用いて発酵処理し、胎盤発酵分解物を得る工程、(2)前記胎盤発酵分解物を可溶性画分である発酵抽出プラセンタエキスと不溶性画分とに分離する工程、(3)前記不溶性画分を、プロテアーゼ処理し、プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを得る工程、及び(4)前記発酵抽出プラセンタエキスと前記プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとを混合し、組成物を得る工程、
[2]前記組成物が医薬組成物である、[1]に記載の方法、
[3]前記組成物が、非アルコール性脂肪性肝疾患の予防又は治療用である、[1]又は[2]に記載の方法、
[4]前記非アルコール性脂肪性肝疾患が非アルコール性脂肪性肝炎である、[3]に記載の方法、
[5]前記発酵微生物が、乳酸菌、酵母、枯草菌、及び麹菌からなる群から選択された1つ以上の微生物である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法、
[6]前記プロテアーゼが、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、コラゲナーゼ、カルボキシペプチダーゼ、及びアミノペプチダーゼからなる群から選択された1つ以上のプロテアーゼである、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法、
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により製造された、組成物、及び
[8]前記組成物が、健康食品又は機能性食品である、[7]に記載の組成物、
に関する。
なお、例えば特許文献3には、発酵菌で発酵されたプラセンタを含む健康食品が開示されている。しかしながら、この健康食品の効果は、腰痛及び関節痛の改善であった。
本発明の製造方法によれば、非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎の予防又は治療に有効な組成物を提供することができる。また、本発明の製造方法により得られる組成物により、非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎を予防又は治療することができる。
NASH誘導食を摂取したNASHモデルマウスに、本発明の組成物を経口投与した場合のマウスの体重変化を示したグラフである。 通常食摂取群(NC)、NASH誘導食摂取群(CL)、又はNASH誘導食及び本発明の組成物摂取群(CL+LPL又はCL+HPL)の平均摂餌量を示したグラフである。 NASH誘導食を摂取したNASHモデルマウスへ本発明の組成物を経口投与した場合に、血漿中のAST及びALTの改善を示したグラフである。 NASH誘導食を摂取したNASHモデルマウスへ本発明の組成物を経口投与した場合に、肝臓組織中のTG、TC及びNEFAの改善を示したグラフである。 通常食摂取群(NC)、NASH誘導食摂取群(CL)、又はNASH誘導食及び本発明の組成物摂取群(CL+LPL又はCL+HPL)の肝臓の外観及び肝臓組織切片のHE染色像を示した写真である。 NASH誘導食を摂取したNASHモデルマウスへ本発明の組成物を経口投与した場合に、肝臓組織中のSREBP−1c遺伝子、FAS遺伝子、及びSCD1遺伝子の発現の低下を示したグラフである。 NASH誘導食を摂取したNASHモデルマウスへ本発明の組成物を経口投与した場合に、肝臓組織中のPPAR alpha遺伝子、及びCptla遺伝子の発現の増加を示したグラフである。 NASH誘導食を摂取したNASHモデルマウスへ本発明の組成物を経口投与した場合に、肝臓組織中のF4/80遺伝子、TNF alpha遺伝子、IL1 beta遺伝子、及びCD11c遺伝子の発現の低下を示したグラフである。
[1]組成物の製造方法
本発明の組成物の製造方法は、(1)胎盤を、発酵微生物を用いて発酵処理し、胎盤発酵分解物を得る工程(以下、発酵処理工程と称することがある)、(2)前記胎盤発酵分解物を可溶性画分である発酵抽出プラセンタエキスと不溶性画分とに分離する工程(以下、分離工程と称することがある)、(3)前記不溶性画分を、プロテアーゼ処理し、プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを得る工程(以下、プロテアーゼ処理工程と称することがある)、及び(4)前記発酵抽出プラセンタエキスと前記プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとを混合し、組成物を得る工程(以下、混合工程と称することがある)、を含む。
(1)発酵処理工程
本発明の製造方法における発酵処理工程は、(1)胎盤を、発酵微生物を用いて発酵処理する工程であり、胎盤発酵分解物を得ることができる。
《胎盤》
発酵処理工程に用いる胎盤の由来は、特に限定されるものではないが、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、モルモット、クジラ、又はハムスター由来の胎盤を挙げることができるが、商用的な使用の観点から、ブタまたはウマの正常分娩の後産で得られた胎盤を用いることが好ましい。
《発酵微生物》
発酵微生物としては、本発明に用いることのできる発酵抽出プラセンタエキスが得られる限りにおいて、限定されるものではないが、乳酸菌、酵母、枯草菌、又は麹菌を挙げることができる。
乳酸菌としては、限定されるものではないが、例えばブルガリア菌(ラクトバチルス・デルブリュッキー)、サーモフィルス菌(ストレプトコックス・サーモフィルス)、ラクトコックス・ラクチス、若しくはラクトバチルス属の種々の乳酸桿菌、ロイコノストック属、ペディオコッカス属、テトラジェノコッカス属、又はエンテロコッカス属の乳酸菌を挙げることができる。乳酸菌は、乳酸発酵により、GABA及び/又はオルニチンなどの発酵によって得られるアミノ酸、又はロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分枝鎖アミノ酸を産生することができる。
酵母としては、限定されるものではないが、例えばサッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・ポンベ、サッカロミセス・パストリアヌ、サッカロミセス・バヤヌス、又はジゴサッカロマイセス属の酵母(ジゴサッカロマイセス・ロキシー、等)等を挙げることができる。酵母菌は、アルコール発酵により、GABA及び/又はオルニチンなどの発酵によって得られるアミノ酸、又はロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分枝鎖アミノ酸を産生することができる。
麹菌としては、限定されるものではないが、味噌醤油の製造に用いられる麹菌、例えばアスペルギルス・オリゼー、アスペルギルス・ソーヤ、アスペルギルス・ルチュエンシス等を挙げることができる。麹菌は、強いタンパク質及び炭水化物の分解能を有しており、GABA及び/又はオルニチンなどの発酵によって得られるアミノ酸、又はロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分枝鎖アミノ酸を産生することができる。
枯草菌としては、限定されるものではないが、バチルス・サチリス、又はバチルス・アムロリケファシエンス等を挙げることができる。枯草菌は、強いタンパク質及び炭水化物の分解能を有しており、GABA及び/又はオルニチンなどの発酵によって得られるアミノ酸、又はロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分枝鎖アミノ酸を産生することができる。
(発酵処理)
発酵処理は、胎盤からγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)が抽出できる限りにおいて、特に限定されるものではない。
発酵処理にける発酵微生物のエネルギー源としては、特に限定されるものではないが、糖類(例えば、ブドウ糖、白糖、黒糖、糖蜜)を挙げることができる。糖類の添加量は特に限定されるものではないが、例えば、胎盤1kgに対して、糖類を1〜50g添加して発酵処理を行うことができる。
従って、発酵温度は、本発明に用いることのできる胎盤発酵分解物が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば15℃〜45℃で行うことができ、好ましくは20℃〜35℃であり、更に好ましくは25℃〜30℃である。
また、発酵時間も、本発明に用いることのできる胎盤発酵分解物が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば6時間〜5日で行うことができ、好ましくは12時間〜4日であり、更に好ましくは1日〜3日である。比較的短い発酵と、後述のプロテアーゼ分解とを組み合わせることにより、効果的な量のγ−アミノ酪酸(GABA)及び/又はオルニチン(Orn)並びにロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分枝鎖アミノ酸を得ることができる。
充分な量のγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を得るためには、一般的に発酵温度が高い場合は反応時間が短くてもよく、逆に発酵温度が低い場合は反応時間を長くすることによって調整することができる。例えば、得られる発酵抽出プラセンタエキスに、遊離アミノ酸分析によるγ−アミノ酪酸を1重量%以上、又はオルニチンを0.4重量%以上含むように発酵処理することが好ましい。
(胎盤発酵分解物)
胎盤発酵分解物は、発酵によって得られた抽出物を含み、後述の可溶性画分である発酵抽出プラセンタエキス及び不溶性画分の残渣を含む。
(2)分離工程
分離工程(2)は、前記胎盤発酵分解物を可溶性画分である発酵抽出プラセンタエキスと不溶性画分とに分離する工程である。胎盤発酵分解液を可溶性画分と不溶性画分とに分離する方法としては、遠心分離、濾過、及び篩過分離並びにそれらを組み合わせた方法などが用いられるが、これらに限定されない。不溶性画分は、次工程であるプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを得る工程(3)に供される。
《発酵抽出プラセンタエキス》
発酵抽出プラセンタエキスは、多種類のアミノ酸を含むが、特徴的なアミノ酸としてγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を含む。発酵抽出プラセンタエキスにおけるγ−アミノ酪酸(GABA)の含有量は、特に限定されるものではないが、アミノ酸の全体量に対して好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは2重量%以上であり、更に好ましくは3重量%以上であり、更に好ましくは4重量%以上である。また、発酵抽出プラセンタエキスにおけるオルニチン(Orn)の含有量は、アミノ酸の全体量に対して好ましくは0.4重量%以上であり、より好ましくは0.8重量%以上であり、更に好ましくは1.2重量%以上であり、更に好ましくは1.6重量%以上である。なお、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)の含有量の上限は、胎盤に含まれるγ−アミノ酪酸(GABA)、オルニチン(Orn)、及びそれらの前駆物質の含有量の上限によって、決定されるため、特に限定されない。限定されるものではないが、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を含むことにより、非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎を効果的に予防又は治療することができる。また、発酵抽出プラセンタエキスは、ロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分枝鎖アミノ酸を含む。これらの分枝鎖アミノ酸により、更に非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎の予防又は治療の効果を高めることができる。
また、発酵抽出プラセンタエキスは、分子量1万以上の高分子量成分を含むものが好ましい。分子量1万以上の高分子量成分の含有量は、限定されるものではないが、好ましくは3重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上であり、更に好ましくは8重量%以上であり、最も好ましくは10重量%以上である。分子量1万以上の高分子量画分は、消化管において、胆汁酸と結合することにより胆汁酸の再吸収を抑制することができる。それによって、非アルコール性脂肪性肝疾患、特には非アルコール性脂肪肝炎の発症及び進展を抑制することができる。
分子量1万以上の高分子量成分の含有量の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは35重量%以下である。高分子量成分の含有量が多い場合、タンパク質のアミノ酸への発酵分解が少なくなり、ロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンの含有量が少なくなることがある。
《不溶性画分》
胎盤発酵分解物の不溶性画分は、前記遠心分離、濾過、及び/又は篩過分離などによって得られた固形分である。すなわち、発酵微生物によって分解されにくい固形成分を含む。
(3)プロテアーゼ処理工程
プロテアーゼ処理工程(3)は、前記不溶性画分を、プロテアーゼ処理し、プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを得る工程である。具体的には、不溶性画分に水又は緩衝液を加え、プロテアーゼを添加し、インキュベーションする。水又は緩衝液は、使用するプロアーゼによって適宜選択することができるため、特に限定されるものではないが、水、リン酸緩衝、重炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、乳酸緩衝液、酢酸緩衝液、アジピン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、フマル酸緩衝液、リンゴ酸緩衝液、Tris緩衝液、又はHEPES緩衝液などを挙げることできる。いずれの場合においても、適当量の酸又はアルカリにより至適pHに調整しても良い。水又は緩衝液の量は、不溶性画分の量及びプロテアーゼの種類によって、適宜決定することができる。
《プロテアーゼ》
プロテアーゼとしては、本発明に用いることのできるプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを得ることができる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば食品加工に用いられる種々の酵素を使用することができる。具体的には、Rhizopus sp.、Aspergilus sp.(A. saitoi, A. niger, A.等)等の微生物の産生する酸性プロテアーゼ、Aspergillus sp.(A. oryzae等)、Bacillus sp.(B. subtilis、B. amyloliquefaciens、等)、Geobacillus caldoproteolyticus、等の微生物の産生する中性プロテアーゼ、Bacillus sp.(B. subutilis、B. licheniformis、B. amyloliquefaciens等)、Aspergillus sp.(A. niger、A. oryzae、等)等の微生物の産生するアルカリプロテアーゼ、その他、Streptomyces sp.(Streptomyces griseus等)、Rhizomucor sp.(Rhizomucor miehei、Rhizomucor miehei等)、Kluyveromyces sp.(Kluyveromyces lactis等)等の微生物や、パパイヤ、パイナップル、等の植物の産生するプロテアーゼ、あるいは動物が消化酵素として産生する種々のプロテアーゼ(ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、コラゲナーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ等)を単独で、もしくは組み合わせて用いることができる。
本発明に用いるプロテアーゼは、得られるプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスに含まれる分子量500以下の低分子量成分を十分に得られる限りにおいて、限定されるものではない。
また、プロテアーゼの添加量も、それぞれのプロテアーゼの力価、分解性能に従って、適宜調整することが可能である。具体的には、例えばプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスに含まれる分子量500以下の低分子量成分の含有量が、30重量%以上となるようにプロテアーゼの添加量を調整することができる。
更に、プロテアーゼ処理の温度及び時間も、用いるプロテアーゼの種類、又はプロテアーゼの力価などによって、適宜調整することが可能である。具体的には、例えばプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスに含まれる分子量500以下の低分子量成分の含有量が、30重量%以上となるようにプロテアーゼのプロテアーゼ処理の温度及び時間を調整することができる。例えば、プロテアーゼ処理の温度25℃〜65℃で行うことができ、好ましくは30℃〜60℃、より好ましくは40〜55℃である。また、プロテアーゼ処理の時間も、特に限定されるものではないが、例えば0.5時間〜72時間で行うことができ、好ましくは1時間〜48時間、より好ましくは1時間〜24時間である。
《プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキス》
胎盤発酵分解物の不溶性画分(残渣)をプロテアーゼ処理することによって得られるプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスは、本発明の効果を得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、分子量500以下の低分子量成分を十分含むことが好ましい。分子量500以下の低分子量成分の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上であり、更に好ましくは45重量%以上であり、最も好ましくは50重量%以上である。低分子量成分が、30重量%以下であると、プロテアーゼ分解が充分でなく、本発明の効果が得られないことがある。
また、プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスは、限定されるものではないが、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を含むことが好ましい。胎盤をそのままプロテアーゼで処理した場合は、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)の抽出効率は高くないが、胎盤を発酵微生物で発酵させた後の残渣(不溶性画分)をプロテアーゼ処理することにより、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を効率よく抽出することができる。γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を含むことにより、本発明の効果を効率的に得ることができる。また、発酵微生物による発酵工程のみでは十分抽出できなかったロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分岐鎖アミノ酸についても、本工程の実施により効果的に抽出でき、本発明の効果を更に効率的に得ることにつながる。
(4)混合工程
混合工程(4)は、前記発酵抽出プラセンタエキスと前記プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとを混合し、組成物を得る工程である。前記発酵抽出プラセンタエキスと前記プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとを混合することにより、本発明の組成物は、充分な量のγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)並びにロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分岐鎖アミノ酸を含有することができる。また、分子量1万以上の高分子量成分を十分含むことができる。
混合方法は、本分野において用いられる混合方法を、限定することなく用いることができる。また、必要に応じて、混合する前に、遠心分離又は濾過などによって、不溶物を除去する工程を含むことができる。
《混合比》
前記発酵抽出プラセンタエキスと前記プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとの混合比は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、発酵抽出プラセンタエキス及びプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスの混合比は、好ましくは1:9〜9:1であり、より好ましくは2:8〜8:2であり、更に好ましくは3:7〜7:3であり、最も好ましくは4:6〜6:4である。前記の混合比であることにより、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)並びに分子量1万以上の高分子量成分をバランスよく、含むことができる。
《作用》
本発明の製造方法によって得られた発酵抽出プラセンタエキス及びプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを含む組成物が、効果的に非アルコール性脂肪性肝疾患を予防又は治療できるメカニズムは、明確に解析されているわけではないが、以下のように推定することができる。しかしながら、本発明は、以下の推定により限定されるものではない。
本発明の製造方法においては、まず胎盤を発酵微生物によって発酵させる。この発酵処理によって得られた発酵抽出プラセンタエキス(胎盤発酵分解物)は、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を多く含んでいる。これらのγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)が、非アルコール性脂肪性肝疾患に有効に作用しているものと考えられる。一方、従来のプロテアーゼ処理によって得られた抽出物は、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を含んでおらず、本発明の組成物は非アルコール性脂肪性肝疾患に有効であると考えられる。
更に、本発明においては、前記胎盤発酵分解物の残渣を、プロテアーゼ処理することによって得られるプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスもγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を多く含んでいる。前記のように、胎盤を直接プロテアーゼ処理した抽出物が、γ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を含まないのに対して、本発明のプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスがγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)を含むかは、明確ではないが、発酵微生物によって発酵された残渣にGABA及びOrnが含まれており、それをプロテアーゼ処理に用いることによって、効率よくγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)が抽出されたと考えられる。従って、本発明において、発酵処理工程(1)の後に、プロテアーゼ処理工程(3)を行うことは、重要である。
更に、発酵抽出プラセンタエキスは、分子量1万以上の高分子量成分を含んでいるが、胎盤を直接プロテアーゼ処理した抽出物には、分子量1万以上の高分子量成分が含まれていない。この高分子成分を含むことにより、本発明の顕著な効果が得られるものと考えられる。
また、本発明の製造方法により得られる発酵・プロテアーゼ分解プラセンタエキスには、従来のプロテアーゼ分解プロテアーゼエキスと同等の分岐鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)が含まれており、従来品で期待される抗NASH作用についても併せて保持していることが期待される。これらのロイシン、イソロイシン、及び/又はバリンなどの分枝鎖アミノ酸は、発酵微生物による発酵処理及びプロテアーゼによる処理行うことにより、効率よく抽出することができる。
なお、本発明の製造方法においては、プロテアーゼ分解により抽出したプラセンタエキスを、微生物を用いた発酵にさらに供することはできない。タンパク質分解酵素により、プロテアーゼ分解により抽出したプラセンタエキス成分の組成が微生物を用いた発酵により変質してしまうからである。
[2]組成物
本発明の組成物は、前記の製造方法によって製造することができるが、前記製造方法によって製造されたものに限定されるものではない。本発明の組成物は、具体的には前記発酵抽出プラセンタエキス及びプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを含むことができるが、他の成分を含んでもよい。また、本発明の組成物は、医薬組成物、又は健康食品として用いることができる。医薬組成物としては、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:Non−Alcoholic Fatty Liver Disease)に有効であり、特には非アルコール性脂肪肝炎(NASH:Non−Alcoholic Steatohepatitis)に有効である。
本発明の製造方法により得られる組成物の投与剤型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与のクリーム、若しくは点眼薬などの非経口剤を挙げることができるが、特には経口剤が好ましい。
経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を用いて、常法に従って製造することができる。
非経口投与方法としては、注射(皮下、静脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなかで、注射剤が最も好適に用いられる。
例えば、注射剤の調製においては、有効成分としての前記画分の他に、例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤などを任意に用いることができる。
また、本発明による組成物は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本発明による組成物をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療又は予防すべき組織中に外科的に移植することができる。
《健康食品》
本発明の製造方法により得られる組成物は、種々の形態、例えば、健康食品(好ましくは機能性食品)又は飼料として与えることも可能である。なお、前記食品には飲料が含まれる。
本明細書において「健康食品」とは、健康に何らかの効果を与えるか、あるいは、効果を期待することができる食品を意味し、「機能性食品」とは、前記「健康食品」の中でも、種々の生体調節機能(例えば、消化器系、循環器系、内分泌系、免疫系、又は神経系などの生理系統の調節機能)を充分に発現することができるように設計及び加工された食品を意味する。
本発明の健康食品としては、非アルコール性脂肪肝炎および/または非アルコール性脂肪性肝疾患予防又は治療機能を有するものが好ましい。
本発明の健康食品は、有効成分として、細菌発酵抽出プラセンタエキスとプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとを含有すること以外は、一般的な健康食品と同様に調製することができる。例えば、食品として摂取可能な物質に、有効量の前記有効成分を含有させることにより、本発明の健康食品を調製することができる。前記有効量は、食品の形状若しくは種類、又はそれを摂取する個体の症状、年齢、体重等の種々の要因に応じて適宜決定することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:非アルコール性脂肪性肝疾患予防又は治療用組成物の製造》
ブタの正常分娩の際に後産として得られた胎盤約20kgに酵母(Zygosaccharomyces sp.)及び乳酸菌(Pediococcus sp.)を加え、更にブドウ糖約300gを加えた上で、1日間静置培養し、胎盤発酵分解液を得た。培養上清と残渣を篩過及び遠心分離で分離し、上清はエバポレーターで濃縮後、0.2μmのフィルターで濾過滅菌し発酵抽出プラセンタエキスを得た(約2.6kg)。残渣(約4.5kg)には、等量の水とプロテアーゼ(天野エンザイム製)を添加し、2時間プロテアーゼ分解した。加熱滅菌後篩過したところ、残渣は27gであり、これは仕込みに用いた前工程の残渣4.5kgの約0.5%であった。残渣を取り除いて得たプロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを、前述の発酵抽出プラセンタエキスと混合し、凍結乾燥することにより、パウダー状の非アルコール性脂肪肝炎および/または非アルコール性脂肪性肝疾患予防用又は治療用組成物を約1.1kg得た。
なお、発酵抽出プラセンタエキスをそのまま凍結乾燥するとパウダー状組成物約500gが得られたので、発酵工程及びプロテアーゼ分解工程のそれぞれで約50%ずつプラセンタエキスが抽出されたことになる。すなわち、細菌による発酵工程の後で、残渣をプロテアーゼ分解することにより発酵抽出による特徴と、プロテアーゼ分解による特徴とを併せ持つ抽出物を余すことなく取得することができることが分かった。
《比較例1》
ブタ胎盤約20kgに、水6.7kgとプロテアーゼ(天野エンザイム製)を加え、5時間反応させた。加熱・滅菌後篩過し、エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥することにより、直接プロテアーゼ分解プラセンタエキス、約1.2kgを得た。
《参考例1〜12及び比較例2》
ブタ胎盤100gまたは500gスケールで、種々の発酵微生物によるエキス抽出を実施した。発酵微生物としては、パン酵母(サッカロマイセス・セルビシエ)(参考例1〜4)、ヨーグルト用乳酸菌類混合物(乳酸菌5種+酵母1種)(参考例5)、醤油用麹菌(アスペルギルス・ソーヤ種)(参考例6〜9)、醤油用乳酸菌(ペディオコッカス属)(参考例6〜9)、醤油用酵母(ジゴサッカロマイセス属)(参考例6〜9)、ケフィア用種菌(参考例10〜12)、である。発酵は菌種により1日または2日実施し、発酵後の抽出液を加熱滅菌後、遠心濾過し、総窒素量測定及び遊離アミノ酸分析に供した。実施例7及び8は、醤油用麹菌で1日培養後に、醤油用乳酸菌及び醤油用酵母で1日培養した。実施例9及び10は、醤油用麹菌、醤油用乳酸菌、及び醤油用酵母の混合物で1日培養した。また、比較例2は、微生物による培養を行わず、ブタ胎盤から熱湯で抽出を行ったものである。
《分析例1:遊離アミノ酸分析》
実施例1の発酵抽出プラセンタエキス(A)、プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスの凍結乾燥粉末(B)、(A)及び(B)を合わせた本発明の組成物(C)、及び比較例1で得られた胎盤を直接プロテアーゼ分解して得た直接プロテアーゼ分解プラセンタエキスの凍結乾燥粉末(D)、のそれぞれについて、遊離アミノ酸組成分析を行った。結果を表1に示す。各サンプル0.1gを取り、スルホサリチル酸試液を加えて20mLとし10分間激しく振り混ぜたのち、室温で4時間放置した。この溶液を2mL取り、クエン酸リチウム緩衝液(pH2.98)を加え20mLとした後、0.22μmのメンブランフィルターで濾過し試料溶液とした。この液50μLを用いてアミノ酸自動分析計を用いて測定した。A、B、C、及びDの各サンプルで、遊離アミノ酸量(粉末重量あたり;nmole/g)の分布に極端に大きな違いはないことが分かった。また、本発明の組成物(C)には直接プロテアーゼ分解プラセンタエキス(D)に含まれているアミノ酸はすべて含まれていた。逆に、発酵工程を含む(A)、(B)、及び(C)においては、(D)に含まれていないγ−アミノ酪酸(GABA)及びオルニチン(Orn)が検出された。(D)に多く含まれているアルギニンの量が、(A)、(B)、及び(C)のそれぞれにおいて少ないが、これは微生物によるオルニチンの合成のために消費された可能性がある。
参考例1〜12及び比較例2において得られた種々の発酵微生物を用いて調製したプラセンタエキスについて、遊離アミノ酸分析を実施した。併せてケルダール法による総窒素量の分析も実地した。結果は表2に示した。表2には、遊離アミノ酸の内、GABA及オルニチン量についても特にピックアップして示した。いずれの発酵菌を使用しても、発酵無に比べて総窒素量及び遊離アミノ酸の合計量が顕著に増加することが分かった。このことから、いずれの菌種を用いても遊離アミノ酸に代表される可溶性のプラセンタエキスが抽出されることが分かる。また、発酵時に炭素源としてグルコースを添加することで、総窒素量及び遊離アミノ酸合計量が増加傾向にあり、特にパン酵母及びケフィア用種菌での検討において、GABA及び/又はオルニチン量の増加が顕著であった。
《分析例2:分子量分布解析》
上記の本発明の組成物(C)、及び、発酵抽出プラセンタエキス(A)、発酵残渣のプロテアーゼ分解物(B)、及び直接プロテアーゼ分解プラセンタエキス(D)についてゲル濾過HPLCの手法を用いて分子量分布を調べた。各サンプルを精製水に約5%の濃度に溶解し、フィルター濾過により不溶物を取り除いた後分析に供した。分子量標準物質としては、チトクロムC(分子量12327)、インスリンB鎖(分子量3496)、Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Gly(分子量360.32)、Gly−Gly−Gly(分子量189.17)、Gly(分子量75.07)の混合物を用いた(各濃度は、それぞれ0.192mg/mL、0.2mg/mL、0168mg/mL、0.28mg/mL、及び0.86mg/mL)。試料液は20μL、標準液は10μL打ち込むことでゲル濾過HPLC分析を実施した。測定条件は以下の通りである。

使用機器:Agilent 1100(検出波長=214 nm)
カラム:SuperdexTM Peptide 10/300GL(GEヘルスケアジャパン)
カラム温度:室温
移動相:20 mM リン酸緩衝液pH7.2(250 mM塩化ナトリウム含)
流量:9.5 mL/min
分析時間:45分

分子量は、標準液での保持時間データを用いて作成した校正曲線より求めた。
表3にそれぞれの分子量範囲におけるクロマト面積を示した。遊離アミノ酸の分子量領域に相当する500以下の領域については、いずれのサンプルも全体の50%近く、あるいはそれ以上を占めた。この結果は、遊離アミノ酸分析でいずれも同等の遊離アミノ酸が認められることと一致する。(A)においては、500以下の割合は更に多目だが、恐らくアミノ酸以外にも発酵に伴う低分子を含有しているためであると思われる。一方、分子量500−10,000の領域(オリゴペプチド、ペプチド、低分子タンパク質の分子量に相当する領域)については、発酵抽出エキス(A)よりも、プロテアーゼ分解で得られた画分を含む(B)、(C)、及び(D)の方が多い傾向であった。しかし、分子量が10,000より大きい成分(タンパク質領域)については、本発明の組成物(C)、及び発酵工程を経た成分を含むもの(A)、(B)の方が、直接プロテアーゼ分解プラセンタエキスの凍結乾燥粉末(D)よりも多く含まれていることが分かった。この結果は、微生物を用いて直接胎盤からエキスを抽出することにより、胎盤を直接プロテアーゼ分解をすることでは得られない高分子領域の成分を含むプラセンタエキスを製造することができることを示している。このようなプラセンタエキスは、発酵工程とプロテアーゼ分解工程の順番を逆にする方法では得ることができないものである。
《分析例3:発酵分解液のメタボローム解析》
発酵工程で特徴的に産生される低分子成分を明らかにするために、発酵抽出プラセンタエキス(A)と、直接プロテアーゼ分解プラセンタエキス(D)について、メタボローム解析を実施した。各サンプル100mgを超純水10mLに溶解し、メタボローム解析用溶液を調製した。内部標準物質の濃度が10μMになるように調製したメタノール溶液450μLに、メタボローム解析用溶液100μLを添加して撹拌した。これにのクロロホルム500μL及び超純水100μLを加えて撹拌し、遠心分離を行った。遠心分離後、水層を限外ろ過チューブ(Milipore、ウルトラフリーMC PLHCC HMT遠心式フィルターユニット 5kDa)に400μL×1移し取った。これを遠心し、限外ろ過処理を行った。濾液を乾固させ、再び50μLの超純水に溶解して測定に供した。
測定は、キャピラリー電気泳動/飛行時間型質量分析(CE−TOFMS)の手法で、カチオンモード及びアニオンモードの両者で分析した。分析条件は以下に示す通りである。

陽イオン性代謝物質(カチオンモード)
装置
Agilent CE-TOFMS system(Agilent Technologies社)
Capillary:Fused silica capillary i.d. 50μm×80 cm
測定条件
Run buffer:Cation Buffer Solution(p/n:H3301-1001)
Rinse buffer:Cation Buffer Solution(p/n:H3301-1001)
Sample injection:Pressure injection 50 mbar, 10sec
CE voltage:Positive, 27 kV
MS ionization:ESI positive
MS capillary voltage:4,000 V
MS scan range:m/z 50-1,000
Sheath liquid:HMT Sheath Liquid(p/n:H3301-1020)

陰イオン性代謝物(アニオンモード)
装置
Agilent CE-TOFMS system(Agilent Technologies社)
Capillary:Fused silica capillary i.d. 50μm×80 cm
測定条件
Run buffer:Anion Buffer Solution(p/n:H3302-1021)
Rinse buffer:Anion Buffer Solution(p/n:H3302-1022)
Sample injection:Pressure injection 50 mbar, 25sec
CE voltage:Positive, 30 kV
MS ionization:ESI negative
MS capillary voltage:3,500 V
MS scan range:m/z 50-1,000
Sheath liquid:HMT Sheath Liquid(p/n:H3301-1020)

CE−TOFMSで検出されたピークは自動積分ソフトウェアにより自動抽出され、ピーク情報として質量電荷比(m/z)、泳動時間(migration time:MT)、及びピーク面積が計算された。得られたピーク面積値は、内部標準物質の面積を用いて相対面積値(=[目的のピークの面積値]/[内部標準物質の面積値×試料量])に変換された。Na+、K+等のアダクトイオン、脱水、脱アンモウム等のアーティファクトを精査後、m/z及びMTの値を用いて、試料間のピークの照合・整列化を行った。検出されたピークについて、HMT代謝物質データベース(ヒューマンメタボロームテクノロジーズ社のデータベース)との照合を行い、ピークの同定を実施した。本解析の結果、発酵抽出プラセンタエキス(A)において標準物質に対する相対ピーク面積が1以上で、かつ、発酵抽出プラセンタエキス(A)において直接プロテアーゼ分解プラセンタエキス(D)よりも10倍以上多く検出された代謝物を表4にまとめた。発酵工程を含めることにより、例えばここに例示される、γ−アミノ酪酸、オルニチン、2−アミノ酪酸、N−アセチルグルコサミン、コハク酸、乳酸といったプロテアーゼ分解のみでは得ることができない成分を含むプラセンタエキスを調製できることが分かった。発酵抽出プラセンタエキス(A)でのγ−アミノ酪酸及びオルニチンの検出は、遊離アミノ酸分析の結果とも符合する。
《分析例4:胆汁酸結合活性》
(A)の乾燥粉末、及び(D)の乾燥粉末のそれぞれの胆汁酸結合活性を調べた。
各凍結乾燥粉末各70mgを1.5mLマイクロチューブ内で1.25mMタウロコール酸ナトリウム水溶液(10mMリン酸緩衝液、pH6.8)1.4mLと混合し、37℃で2.5時間インキュベートした。インキュベート後、遠心分離(12,000rpm、10分間、4℃)を行い、0.22μmのフィルターで濾過後、分子量カットオフ10,000の遠心式限外ろ過膜にて高分子画分を得た。高分子画分をリン酸緩衝液で3回洗浄後、500μLのリン酸緩衝液に再溶解し、残留したタウロコール酸ナトリウムの濃度を、酵素反応法(和光純薬製、胆汁酸テストワコーを使用)により定量した。
結果を表5に示した。プロテーゼのみで製造したプラセンタエキスで処理した際には高分子画分に残った胆汁酸の濃度はコントロールと変わらなかったが、発酵・プロテアーゼ分解プラセンタエキス(D)においては高分子画分に残る胆汁酸の濃度が有意に高かった。
《分析例5:マウスモデルによるNASH発症抑制活性の評価》
材料及び方法
(材料)
NASHを誘導する特殊飼料である高コレステロール・高脂肪食(以下、CLと略す)を用いた。CLはオリエンタル酵母製(ココアバター40%、コレステロール1.25%、コール酸Na 0.5%、CRF−1 58.25%)で、これをベースに、本発明の組成物を0.1%又は0.3%を混合し、固形化して作成した。
(動物試験デザイン)
雄性7週齢C57BL/6Lマウス(日本SLC)を1週間馴化させた後、通常食群(NC、n=8)、CL食群(CL、n=10)、CL食+0.1%プラセンタエキス(CL+L−PL、n=8)、CL食+0.3%プラセンタエキス(CL+H−PL、n=8)の4群に分け、それぞれの飼料を12週間、経口自由摂取させた。
(評価項目)
体重(飼料摂取12週後まで)、飼料摂取量(最初の8日間)を測定した。飼料摂取12週後に安楽死させたのち、血液(血漿)、肝臓組織を採取した。各試料を用いて以下の項目の測定を行った。
血漿:肝機能(アラニンアミノ基転移酵素(ALT)、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)。
肝臓組織:脂質(トリグリセリド(TG)、総コレステロール(TC)、非エステル化脂肪酸(NEFAs))、各種遺伝子発現(リアルタイムPCR法にて測定;使用したプライマーは表6に示した)。
(統計解析)
実験群間の比較は、t検定で実施した。
結果
(体重推移及び摂餌量)
図1及び図2に、それぞれ体重の推移と一日当たりの平均摂餌量を示した。体重変化については、CL摂取群はFPプラセンタエキス配合の如何に係らず、NC摂取群に比して体重増加が遅い傾向があったが、CL摂取の各群間で大きな違いは認められなかった。
平均摂餌量については、NC群よりもCL群の方が有意に少なかった。そこにFPプラセンタエキスを配合することにより、減少した摂餌量が増加する傾向であった。以上の結果は、摂餌量の変化(いわゆる食べ過ぎ)によって、以下述べる脂肪肝状態及び脂肪肝炎状態の発症を説明することができないことを示している。
(血漿を用いたAST及びALTの測定)
各種の餌を12週間摂取させたのちの血液中のAST及びALTを測定した結果を図3に示す。AST、ALTともにCL群においてNC群に比して有意に増加しており、肝炎症状が引き起こされたことが分かる。しかし、このような変化はFPプラセンタエキスをCLに配合することにより用量依存的に改善した。
(肝臓の脂肪状態)
各種の餌を12週間摂取させたのちに肝臓を取りだし、組織中のトリグリセリド(TG)、総コレステロール(TC)、及び非エステル化脂肪酸(NEFA)の量を測定した。結果を図4に示した。また、各群の代表的な肝臓表面の像及びヘマトキシリン/エオシン染色した組織切片像を図5に示した。
図4に示されるように、CL群においてはNC群に比して、肝臓組織中のTG、TC、及びNEFAのいずれも著明に増加することが分かった。しかし、CL中にFPプラセンタエキスを配合することによって、用量依存的にこれらの増加が改善した。
図5の上段に示されるように、上記結果は、肝臓の外観像からも見て取れた。NC群においてはきれいな赤い肝臓表面の色を呈しているが、CL群においては脂肪肝状態を反映して著明に白っぽい色を呈する。しかし、CLにFPプラセンタエキスを配合するとこの白味が薄らぎ、0.3%配合群ではほぼNC群と同様の赤みを呈した。
これらの変化は、肝臓組織切片の顕微鏡による観察からも確認された(図5、下段)。肝臓組織を切り出し、切片作製後、ヘマトキシリン・エオシン染色を行い検鏡した結果、NC群においては脂肪組織を反映する白い空隙はほとんど観察されなかったのに対し、CL群においては、多くの白い空隙が観察された。しかし、CLにFPプラセンタエキスを配合することにより、この空隙は激減した。
(肝臓における各種遺伝子発現の変化)
各種餌を12週間摂取させた後に肝臓を取りだし、組織中の各種遺伝子発現をリアルタイムPCR法により調べた。脂質合成及びトリグリセリド合成に係る遺伝子発現の結果を図6に、脂肪酸の代謝に関わる遺伝子発現の結果を図7に、炎症性サイトカインの遺伝子発現の結果を図8に、それぞれ示した。
CL群においては、脂質及びトリグリセリド合成に関わる遺伝子の内、SREBP−1c及びSCD1の発現は有意に上昇し、FASについても上昇傾向であった(図6)。しかし、CLにFPプラセンタエキスを配合することにより、用量依存的にこれらの発現が低下する傾向であった。一方、脂肪の代謝に関わる遺伝子であるPPARα及びCpt1については逆にCL群においてNC群に比して有意に発現が低下した(図7)。しかし、この低下はCLにFPプラセンタエキスを配合することにより、用量依存的に回復した。更に、肝炎の指標として測定した炎症性サイトカイン遺伝子(F4/80、TNFα、IL−1β、及びCD11c)の発現については、CL群においていずれも発現上昇していることが分かった(図8)。しかし、これらの発現上昇も、CLにFPプラセンタエキスを配合することにより、用量依存的に低下した。
以上の結果は、高コレステロール餌(CL)によりNASH状態が惹起されること、及びそのNASH状態がCLにFPプラセンタエキスを配合することで顕著に、用量依存的に改善することを示している。すなわち、FPプラセンタは経口摂取によりNASHの発症を予防する効果を発揮することが示唆された。
本発明の製造方法により製造される組成物は、非アルコール性脂肪肝炎および/または非アルコール性脂肪性肝疾患予防用又は治療に有効である。

Claims (8)

  1. 以下の4工程を含む、組成物の製造方法:
    (1)胎盤を、発酵微生物を用いて発酵処理し、胎盤発酵分解物を得る工程、
    (2)前記胎盤発酵分解物を可溶性画分である発酵抽出プラセンタエキスと不溶性画分とに分離する工程、
    (3)前記不溶性画分を、プロテアーゼ処理し、プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスを得る工程、及び
    (4)前記発酵抽出プラセンタエキスと前記プロテアーゼ分解抽出プラセンタエキスとを混合し、組成物を得る工程。
  2. 前記組成物が医薬組成物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組成物が、非アルコール性脂肪性肝疾患の予防又は治療用である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記非アルコール性脂肪性肝疾患が非アルコール性脂肪性肝炎である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記発酵微生物が、乳酸菌、酵母、枯草菌、及び麹菌からなる群から選択された1つ以上の微生物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記プロテアーゼが、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、コラゲナーゼ、カルボキシペプチダーゼ、及びアミノペプチダーゼからなる群から選択された1つ以上のプロテアーゼである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された、組成物。
  8. 前記組成物が、健康食品又は機能性食品である、請求項7に記載の組成物。
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