JP2003221342A - 肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物及び該組成物の製造方法 - Google Patents

肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物及び該組成物の製造方法

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JP2003221342A JP2002218104A JP2002218104A JP2003221342A JP 2003221342 A JP2003221342 A JP 2003221342A JP 2002218104 A JP2002218104 A JP 2002218104A JP 2002218104 A JP2002218104 A JP 2002218104A JP 2003221342 A JP2003221342 A JP 2003221342A
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Toshiro Omori
俊郎 大森
Satoshi Mochizuki
聡 望月
Kei Hayashi
圭 林
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Sanwa Shurui Co Ltd
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Sanwa Shurui Co Ltd
Omugi Hakko Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大麦焼酎蒸留残液を培地に使用して納豆
菌を培養することにより、肝炎の発症抑制作用及び治癒
作用を有する組成物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】大麦を原料とする焼酎の製造において副成
する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ酸、ポリ
フェノール、有機酸、及びグリセロールを含有する液体
分を得、該液体分にアルカリを添加して該液体分に含ま
れる酸を実質的に中和処理して調製液を得、該調製液を
培地に使用してBacillus subtilisに属する納豆菌を培
養することにより培養液を得、該培養液を固液分離する
ことにより得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない液
体分からなる肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する
組成物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、大麦を原料とす
る焼酎製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分
離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリ
セロールを含有する液体分を得、該液体分にアルカリを
添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して
調製液を得、該調製液を培地に使用して納豆菌を培養す
ることにより培養液を得、該培養液を固液分離すること
により得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分
からなる肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成
物及びその製造方法に関する。本発明は、前記肝炎の発
症抑制作用及び治癒作用を有する組成物からなる食品及
び医薬品を包含する。
【0002】
【従来の技術】肝障害の一つである肝炎は、主に、ウイ
ルス、アルコール、及び薬物によって引き起こされる
が、その中で最も多いのは、ウイルスを原因とするウイ
ルス性肝炎である。このウイルス性肝炎は肝臓に肝炎ウ
イルスが住みつくことによって引き起こされ、特にB型
肝炎とC型肝炎は、肝硬変や肝臓がんへの移行率が極め
て高いことが知られている。
【0003】日本醸造協会誌、Vol.95, No.9, 706(200
0)(以下、「文献1」と略称する)には、大麦焼酎を製
造する際に副成される大麦焼酎蒸留残液が、ウイルス性
肝炎と同様の症状を呈することが知られているD-ガラク
トサミン誘発性肝炎に対する発症抑制作用を有し、該作
用は大麦焼酎蒸留残液を遠心分離に付すことにより得ら
れる液体分に認められる旨記載されている。また、日本
栄養・食糧学会総会講演要旨集、Vol.53, 53(1999)
(以下、「文献2」と略称する)には、該大麦焼酎蒸留
残液がオロチン酸投与によるラットの肝臓への脂質の蓄
積を抑制する作用を有する旨記載されている。更に、医
学と生物学・第119巻・第5号(1989年11月10日)(以
下、「文献3」と略称する)には、Bacillus subtilisに
属する納豆菌が脂肪肝の発症抑制作用を有することが報
告されている。即ち、納豆菌の凍結乾燥菌を含有する飼
料を予め摂取したハツカネズミは、脂肪肝を誘発するコ
レステロール・コール酸添加飼料の摂取後においても、
GPT(glutamic pyruvic transaminase)の上昇が強く抑
制され、GPTよりは弱いがGOT(glutamic oxaloacetic
transaminase)の上昇もかなり強く抑制されることが報
告されている。なお、文献3において使用した納豆菌に
ついては、その培養方法に関する記載が全くないことか
ら、その培養においては従来から納豆菌の培養において
一般的に用いられる肉エキス培地或いは大豆煮汁培地な
どが使用されたものと解される。文献3は、納豆菌菌体
が脂肪肝の発症抑制作用を有することを教示するもので
あるが、納豆菌菌体が肝炎の発症抑制作用を有するか否
かについては触れるところは全くない。また、文献3に
は、納豆菌を培養することにより得られる納豆菌培養
液、或いは該納豆菌培養液を固液分離することにより得
られる実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分が肝炎の
発症抑制作用及び治癒作用を有するか否かについては、
示唆すらも全くない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに文献1には、D-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症抑
制作用が大麦焼酎蒸留残液から分取した液体分に認めら
れる旨記載されているが、該液体分中の如何なる成分が
D-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症抑制作用に寄与する
かについては触れるところは全くない。文献1の記載か
ら、大麦焼酎蒸留残液が肝炎の発症抑制作用を有するこ
とが理解される。このことから、大麦焼酎蒸留残液を用
いて該大麦焼酎蒸留残液が有する所望の肝炎の発症抑制
作用を得るためには、該大麦焼酎蒸留残液から分取した
液体分の凍結乾燥物であってもそれを多量に摂取しなけ
ればならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】特開2000-342247号公報
には、大麦焼酎蒸留残液が、酵母、乳酸菌、及びビフィ
ズス菌の増殖促進効果に優れた培地の原料として使用で
きる旨記載されている。この記載に鑑みて本発明者ら
は、該大麦焼酎蒸留残液を培地に使用して、文献3の記
載からして脂肪肝の発症抑制作用を有することが知られ
ている納豆菌を培養することが可能ではないかと予測
し、さらにその場合において得られる納豆菌培養液が、
大麦焼酎蒸留残液よりもさらに優れた肝炎の発症抑制作
用を示すのではないかとの推測に立って、実験を介して
鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、大麦を
原料とする焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残
液を固液分離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機
酸、及びグリセロールを含有する液体分を得、該液体分
にアルカリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に
中和処理して調製液を得、該調製液を培地に使用してBa
cillus subtilisに属する納豆菌を培養することにより
納豆菌培養液を得、該納豆菌培養液を固体分と液体分と
に固液分離することにより得られる液体分が大麦焼酎蒸
留残液から分取した液体分を卓越する肝炎の発症抑制作
用を有することを見出した。更に本発明者らは、前記固
液分離により得られる納豆菌菌体からなる固体分は肝炎
の発症抑制作用を有さないのに対して、該固液分離によ
り得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分は、
未だ知られていない絶大な肝炎の発症抑制作用及び治癒
作用を有し、食品或いは医薬品としての使用に好適なも
のであることを見出した。
【0006】本発明は、このような発明に基づいて完成
に至ったものである。本発明の目的は、肝炎の発症抑制
作用を有することが知られている大麦焼酎蒸留残液を培
地に使用してBacillus subtilisに属する納豆菌を培養
することにより得られる納豆菌培養液から分取した実質
的に納豆菌菌体を含有しない液体分からなる、当該大麦
焼酎蒸留残液から分取した液体分を卓越する肝炎の発症
抑制作用を有し且つ優れた肝炎治癒作用を有する組成物
を提供することにある。本発明の他の目的は、該組成物
の製造方法を提供することにある。本発明の更なる目的
は、該組成物からなる食品及び医薬品を提供することに
ある。
【0007】本発明者らは、上述した従来技術に鑑みて
実験を介して鋭意検討を行った。即ち、上述の特開2000
-342247号公報に記載されているように、大麦焼酎蒸留
残液が、酵母、乳酸菌、及びビフィズス菌の増殖促進効
果に優れた培地の原料として使用できることから、本発
明者らは、第1段階として、大麦を原料とする焼酎の製
造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、
アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロール
を含有する液体分を得、該液体分にアルカリを添加して
該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して調製液を
得、該調製液のみを培地に用いてBacillus subtilisに
属する納豆菌の培養を行い、納豆菌培養液(A)を得
た。なお、その際対照として、従来から納豆菌の培養の
際に一般的に用いられている肉エキス培地を使用して前
記納豆菌の培養を行い、納豆菌培養液(B)を得た。そ
れぞれの納豆菌培養において、各培養液中の生菌数の経
時変化を測定した。得られた結果を図1に示す。図1に示
す結果から明らかなように、他の栄養成分を全く添加し
ていない該大麦焼酎蒸留残液の液体分からなる培地を使
用した場合の方が、肉エキス培地を使用した場合より
も、得られる培養液中の生菌数が著しく高まることが判
明した。このことから、該大麦焼酎蒸留残液の液体分が
納豆菌の培養に適した優れた培地であることが判明し
た。
【0008】そこで、前記納豆菌培養液(A)が、上述
したように、大麦焼酎蒸留残液を単独使用した場合より
もさらに優れた肝炎の発症抑制作用を示すのではないか
との推測に立ち、本発明者らは、第2段階として、上記
納豆菌培養液(A)の凍結乾燥物粉末(A-1)、上記納豆
菌培養液(B)の凍結乾燥物粉末(B-1)、及び大麦焼酎
蒸留残液から分取した液体分(C)の凍結乾燥物粉末(C
-1)を用意し、これらの凍結乾燥物粉末のそれぞれを別
々の飼料に2重量%混和させて一定期間ラットに自由摂
取させた後、該ラットの腹腔内にD-ガラクトサミンを投
与し、所定時間経過後に、血清中のGOT及びGPTを測定し
た。その結果、血清中のGOT及びGPTの値は、いずれの凍
結乾燥物粉末を摂取させた場合においても、低下する傾
向を示した。但し、前記納豆菌培養液(B)の凍結乾燥
物粉末(B-1)を2重量%含む飼料の場合は、そのGOT及
びGPTの値が低下する程度は小なるものであった。一
方、大麦焼酎蒸留残液から分取した液体分(C)の凍結
乾燥物粉末(C-1)を2重量%含む飼料、及び前記納豆菌
培養液(A)の凍結乾燥物粉末(A-1)を2重量%含む飼
料の場合は、そのGOT及びGPTの値が低下する程度は大な
るものであった。特に前記納豆菌培養液(A)の凍結乾
燥物粉末(A-1)を2重量%含む飼料の場合には、正常値
に極めて近似した値を示した。
【0009】以上のことから、大麦焼酎蒸留残液の液体
分を培地に使用することにより得た納豆菌培養液(A)
は、従来から肝炎の発症抑制作用を有することが知られ
ている大麦焼酎蒸留残液の液体分(C)と比較して、明
らかに勝った肝炎抑制作用を有することが判明した。
尚、肉エキス培地(従来の納豆菌培養用培地)を使用し
た上記納豆菌培養液(B)は、医学と生物学・第119巻・
第5号(1989年11月10日)(文献3)に記載された脂肪肝
の発症抑制作用を有する納豆菌菌体に相当する試料と言
える。上述の通り、該納豆菌培養液(B)が有する肝炎
の発症抑制作用は、上記納豆菌培養液(A)及び上記大
麦焼酎蒸留残液の液体分(C)よりも極めて小なるもの
であった。このことから、前記脂肪肝の発症抑制作用を
有する納豆菌菌体(即ち、従来の納豆菌培養用培地上で
培養した納豆菌菌体)が有する肝炎の発症抑制作用は極
めて小なるものであると推察された。
【0010】そこで、本発明者らは、第3段階として、
大麦焼酎蒸留残液の液体分(C)を培地に使用すること
により得た卓越した肝炎抑制作用を有する納豆菌培養液
(A)を遠心分離に付して実質的に納豆菌を含有しない
液体分(Aa)と納豆菌菌体からなる固体分(Ab)とに分
取し、該液体分(Aa)と該固体分(Ab)をそれぞれ別々
に凍結乾燥に付して液体分(Aa)の凍結乾燥物粉末(Aa
-1)及び固体分(Ab)の凍結乾燥物粉末(Ab-1)を得
た。該凍結乾燥物粉末(Aa-1)及び該凍結乾燥物粉末
(Ab-1)のそれぞれを別々の飼料に2重量%混和させて
一定期間ラットに自由摂取させた後、該ラットの腹腔内
にD-ガラクトサミンを投与し、所定時間経過後に、血清
中のGOT及びGPTを測定することにより、これらの肝炎発
症抑制作用を観察するための実験を行った。その結果、
血清中のGOT及びGPTの値は、いずれの場合においても低
下する傾向を示した。但し、前記凍結乾燥物粉末(Ab-
1)を2重量%含む飼料の場合は、そのGOT及びGPTの値が
低下する程度が小なるものであったのに対して、前記凍
結乾燥物粉末(Aa-1)を2重量%含む飼料の場合は、そ
のGOT及びGPTの値が低下する程度は極めて大なるもので
あり、正常値に極めて近似した値を示した。即ち、上記
納豆菌培養液(A)について、該納豆菌培養液から分取
した納豆菌菌体からなる固体分(Ab)の有する肝炎抑制
作用は、前記納豆菌培養液(B)、即ち従来からその脂
肪肝発症抑制作用が知られている納豆菌菌体(従来の納
豆菌培養用培地で培養した納豆菌菌体)と同程度の小な
るものであったが、前記納豆菌培養液(A)から分取し
た実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分(Aa)の有す
る肝炎抑制作用は、前記納豆菌培養液(A)と実質的に
同程度若しくはそれ以上の卓越したものであることが判
った。
【0011】更に、本発明者らは、第4段階として、次
の実験を介して、ラットに標準飼料を一定期間自由摂取
させた後、該ラットの腹腔内にD-ガラクトサミンを投与
した後、対照食を摂取させる対照食群、該対照食に含ま
れる成分の一部を上記納豆菌培養液(A)から分取した
実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分(Aa)の凍結乾
燥物粉末(Aa-1)2重量%で代替した試験食を摂取させ
る試験食群、の2群に分け、ラットにこれらの飼料を一
定期間自由摂食させた後、血清中のGOT及びGPTを測定し
た。その結果、対照食群においてはGOT及びGPTが顕著に
高い値を示したのに対して、前記凍結乾燥物粉末(Aa-
1)を2重量%含む飼料を摂取したラットにおいては、GO
T及びGPTが正常値に極めて近似した値を示した。即ち、
上記納豆菌培養液(A)から分取した実質的に納豆菌菌
体を含有しない液体分(Aa)の凍結乾燥物粉末(Aa-1)
は、D-ガラクトサミン投与により発症した肝炎を治癒す
る作用を有することが判った。
【0012】以上の実験結果から、大麦を原料とする焼
酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離
して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセ
ロールを含有する液体分を得、該液体分にアルカリを添
加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して調
製液を得、該調製液を培地に使用してBacillus subtili
sに属する納豆菌を培養することにより培養液を得、該
培養液を固液分離することにより得られる実質的に納豆
菌菌体を含有しない液体分が、大麦焼酎蒸留残液及び納
豆菌菌体(従来の納豆菌培養用培地で培養した納豆菌菌
体)を卓越する肝炎の発症抑制作用を有し、且つ、優れ
た肝炎の治癒作用を有することが判明した。これらの事
実から、大麦を原料とする焼酎の製造において副成する
大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ酸、ポリフェ
ノール、有機酸、及びグリセロールを含有する液体分を
得、該液体分にアルカリを添加して該液体分に含まれる
酸を実質的に中和処理して調製液を得、該調製液を培地
に使用してBacillus subtilisに属する納豆菌を培養す
ることにより得られる培養液は、肝炎の発症抑制及び治
癒に寄与する成分を含有し、該成分は、前記納豆菌培養
液を固液分離することにより得られる実質的に納豆菌菌
体を含有しない液体分中に含有されることが判明した。
そして当該納豆菌培養液(即ち、該実質的に納豆菌菌体
を含有しない液体分)が有する肝炎の発症抑制作用及び
治癒作用は、大麦焼酎蒸留残液及び納豆菌菌体(従来の
納豆菌培養用培地で培養した納豆菌菌体)の有する肝炎
の抑制作用を明らかに上回ることから、当該肝炎の発症
抑制及び治癒に寄与する成分が、大麦焼酎蒸留残液の液
体分を培地に使用して納豆菌を培養する際に、特異的に
著量生成されることが推察された。
【0013】上述したように本発明者らは、大麦を原料
とする焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を
固液分離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及
びグリセロールを含有する液体分を得、該液体分にアル
カリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処
理して調製液を得、該調製液を培地に使用してBacillus
subtilisに属する納豆菌を培養することにより納豆菌
培養液を得、該納豆菌培養液を固液分離することにより
得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からな
る組成物が、優れた肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を
有することを見出した。大麦焼酎蒸留残液から分取した
液体分を培地に使用してBacillus subtilisに属する納
豆菌を培養することにより得られる納豆菌培養液から分
取した実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分について
のこの発見は、今までに全く例のない新事実であり、該
液体分を治療目的で食品或いは医薬として使用できると
いう該液体分の有用な用途を創出するものである。よっ
て本発明の目的は、大麦焼酎蒸留残液から分取した液体
分を培地に使用してBacillus subtilisに属する納豆菌
を培養することにより得られる納豆菌培養液から分取し
た実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からなる肝炎
の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、該組成物の製造方法
を提供することにある。本発明の更なる目的は、該組成
物からなる食品及び医薬を提供することにある。
【0014】
【実施態様例】本発明は上記目的を達成するものであ
り、肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物及
びその製造方法を提供する。即ち、大麦を原料とする焼
酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離
して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセ
ロールを含有する液体分を得、該液体分にアルカリを添
加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して調
製液を得、該調製液を培地に使用してBacillus subtili
sに属する納豆菌を培養することにより納豆菌培養液を
得、該納豆菌培養液を固液分離することにより得られる
実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からなる肝炎の
発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物及びその製造
方法を提供する。また、本発明は、前記組成物からなる
食品及び医薬を提供する。
【0015】以下に、本発明の好ましい態様について述
べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。本
発明の肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物
を得るに際しての製造方法は、大麦を使用する蒸留酒の
製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離し
て、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロ
ールを含有する液体分を得る第1の工程、該液体分にア
ルカリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和
処理して調製液を得る第2の工程、該調製液を培地に用
いてBacillus subtilisに属する納豆菌を培養して培養
液を得る第3の工程、及び該培養液を固液分離すること
により実質的に納豆菌菌体を含まない液体分を得る第4
の工程からなるものである。以下に、本発明の組成物の
製造方法を実施する際に使用する、大麦を原料とする焼
酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液、及び各工
程について詳述する。
【0016】本発明において言う大麦焼酎蒸留残液は、
大麦又は精白大麦を原料として大麦麹、及び蒸麦を製造
し、得られた大麦麹、及び蒸麦中に含まれるでんぷんを
麹、及び/又は酵素剤を使用して糖化し、さらに酵母に
よるアルコール発酵を行い熟成もろみを得、該熟成もろ
みを減圧蒸留または常圧蒸留等の蒸留装置を用いて蒸留
する際に蒸留残渣として副成するもの、即ち、大麦焼酎
の蒸留残液を意味する。また、米焼酎、甘藷焼酎、そば
焼酎の製造においても、これらの焼酎製造において原料
の一部として大麦を使用する場合に副成する焼酎蒸留残
液も本発明において言う大麦焼酎蒸留残液に包含され
る。
【0017】本発明において、大麦焼酎蒸留残液を得る
に際して、大麦焼酎の製造に用いる大麦麹は、通常の大
麦焼酎製造において行われている製麹条件で製造すれば
よく、用いる麹菌株としては、一般的に大麦焼酎製造で
使用する白麹菌(Aspergillus kawachii)が好ましい。
或いは泡盛製造で使用する黒麹菌(Aspergillus awamor
i)及び清酒製造等で使用する黄麹(Aspergillus oryza
e)などのAspergillus属の菌株を用いることもできる。
また大麦焼酎の製造に用いる酵母は、一般的に焼酎製造
の際に使用する各種の焼酎醸造用酵母を使用することが
できる。
【0018】このように本発明において、納豆菌を培養
する際に使用する大麦焼酎蒸留残液の液体分からなる培
地は、大麦、大麦麹、及び酵母に由来する成分を含有す
るものである。即ち、本発明において使用する大麦焼酎
蒸留残液の液体分からなる培地は、従来の納豆菌の製造
に用いられる、肉エキス培地及び大豆煮汁培地とは全く
異なるものである。この点具体的には、表1に示すよう
に、本発明において用いる大麦を使用する焼酎製造で副
成する大麦焼酎蒸留残液は、粗タンパク質(食品のタン
パク質量を測定する場合、窒素含量を測定し、その値に
窒素-タンパク質換算計数を乗じて算出した量のこと)が
約4%であり、主なアミノ酸として、プロリン、ロイシ
ン、アルギニン、アラニン、及びグルタミン酸を含有す
る。且つ、該大麦焼酎蒸留残液は、焼酎製造における発
酵過程において生産されるグリセロール、クエン酸、酢
酸、及び乳酸、あるいは大麦に由来するポリフェノール
などの納豆菌の培養に好ましい栄養成分を含有する。よ
って本発明の製造方法において使用する培地は、従来の
納豆菌の培養において使用する培地とは明白に異なる別
異のものである。
【0019】本発明において、蒸留酒の製造における蒸
留工程で得られた大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、ア
ミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロールを
含有する液体分を得る第1の工程は、大麦焼酎蒸留残液
から原料大麦、麹あるいは麦芽由来の水不溶性の発酵残
渣を除去し、液体分を得ることを目的として行うもので
ある。この第1の工程における当該固液分離は、スクリ
ュープレス方式やローラープレス方式の固液分離方法を
介するか、或いはろ過圧搾式の固液分離機を用いて行う
ことが出来る。第1の工程で得られた前記液体分にアル
カリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処
理して調製液を得る第2の工程においては、前記アルカ
リとして,水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用
することができる。
【0020】第2の工程で得られる前記調製液を培地に
用いてBacillus subtilisに属する納豆菌を培養する第3
の工程においては、前記納豆菌として公知の納豆菌を用
いることができる。そうした納豆菌の具体例としては、
市販納豆菌である成瀬菌、宮城野菌、及び高橋菌等を挙
げることができる。これらの他に、MK-7(メナキノン-
7)生産能の高い納豆菌菌株を用いることもできる。上
記培地を用いた該納豆菌の培養は、公知の液体培養法に
より行うことができるが、好ましくは、ジャーファーメ
ンターなどを用いた通気攪拌培養により、培養温度40℃
〜50℃の温度範囲で行うことが望ましい。この際、培養
中の培養液のpH値は水酸化ナトリウム等を用いて7.0程
度に保持するのが好ましい。
【0021】第3の工程において得られる納豆菌の培養
液を固液分離することにより実質的に納豆菌菌体を含ま
ない液体分を得る第4の工程は、該培養液から納豆菌菌
体を除去するのはもちろんのこと、水不溶性の残渣等の
SS分を除去することも目的として行うものである。この
第4の工程においては、遠心分離機、セラミックろ過装
置、あるいはろ過圧搾機等を用いることができる。この
ようにして得られる本発明の組成物である上記実質的に
納豆菌菌体を含まない液体分はそのままの状態で、或い
は該液体分を凍結乾燥等に付すことにより乾燥物粉末に
して、所望の肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する
食品又は医薬として使用することが出来る。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが,本発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0023】以下の実施例に供する目的で大麦焼酎の製
造を行った。原料としては、大麦(70%精白)を用い
た。
【麹の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸した
後、40℃まで放冷し、大麦トンあたり1kgの種麹(白麹
菌)を接種し、38℃、RH95%で24時間、32℃、RH92%で20
時間保持することにより、大麦麹を製造した。
【蒸麦の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸し
た後、40℃まで放冷することにより、蒸麦を製造した。
【大麦焼酎製造及び大麦焼酎蒸留残液の取得】1次仕込
みでは前述の方法で製造した大麦麹(大麦として3ト
ン)に、水3.6キロリットル及び酵母として焼酎酵母の
培養菌体1kg(湿重量)を加えて1次もろみを得、得られ
た1次もろみを5日間の発酵(1段目の発酵)に付した。
次いで、2次仕込みでは、上記1段目の発酵を終えた1次
もろみに、水11.4キロリットル、前述の方法で製造した
蒸麦(大麦として7トン)を加えて11日間の発酵(2段目
の発酵)に付した。発酵温度は1次仕込み、2次仕込みと
も25℃とした。上記2段目の発酵を終えた2次もろみを常
法により単式蒸留に付し、大麦焼酎10キロリットルと大
麦焼酎蒸留残液15キロリットルを得た。該大麦焼酎蒸留
残液を以下の実施例に用いた。
【0024】
【実施例1】1.大麦焼酎蒸留残液からの培地の調製 大麦焼酎製造の蒸留工程で得られた前記大麦焼酎蒸留残
液1キロリットルを信和エンジニアリング(株)製のス
クリュープレス方式の固液分離機で固液分離して約0.8
キロリットルの液体分を得,該液体分に水酸化ナトリウ
ムを加えてそのpH値を7.0に調整して約0.9キロリットル
の調製液を得た。得られた調製液を、121℃、15分間の
条件で滅菌処理を行い納豆菌培養用の培地を得た。 2.納豆菌の前培養 肉エキス10gとペプトン10gを蒸留水1Lに溶解し、得られ
た溶液に水酸化ナトリウムを添加してそのpH値を7.0に
調整後、121℃、15分間の条件で滅菌処理を行い肉エキ
ス培地を得た。該肉エキス培地5mlと市販納豆菌の宮城
野菌1白金耳を試験管に導入して攪拌し、42℃で15時間
振とう培養して納豆菌前培養液を得た。 3.納豆菌の本培養 2L容ジャーファーメンターに、上記1.で調整した培地1
Lと上記2.で得た納豆菌前培養液5mlを導入し、通気量
0.2vvm、攪拌速度300rpm、培養温度42℃の条件で、14日
間培養を行い、納豆菌培養液を得た。該納豆菌培養液を
8000rpm、10minの条件で遠心分離に付し、さらに0.45μ
mのフィルター処理に付すことにより液体分を得、該液
体分0.89Lを真空凍結乾燥機を用いて凍結乾燥に付し、
凍結乾燥物 73gを得た。得られた凍結乾燥物を粉砕処理
に付して、濃褐色を呈する粉末(即ち、本発明の組成
物)を得た。
【0025】
【比較例1】上記大麦焼酎製造の蒸留工程で得られた上
記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離
に付し、さらに0.45μmのフィルター処理に付すことに
より大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分2.
5Lを真空凍結乾燥機を用いて凍結乾燥に付し、得られた
凍結乾燥物150gを得た。得られた凍結乾燥物を粉砕処理
に付して、褐色を呈する粉末を得た。
【0026】
【比較例2】1.肉エキス培地の調製 肉エキス10gとペプトン10gを蒸留水1Lに溶解し、得られ
た溶液に水酸化ナトリウムを添加してそのpH値を7.0に
調整後、121℃、15分間の条件で滅菌処理を行い肉エキ
ス培地を得た。 2.納豆菌の前培養 肉エキス10gとペプトン10gを蒸留水1Lに溶解し、得られ
た溶液に水酸化ナトリウムを添加してそのpH値を7.0に
調整後、121℃、15分間の条件で滅菌処理を行い肉エキ
ス培地を得た。該肉エキス培地5mlと市販納豆菌の宮城
野菌1白金耳を試験管に導入して攪拌し、42℃で15時間
振とう培養して納豆菌前培養液を得た。 3.納豆菌の本培養 2L容ジャーファーメンターに、上記1.で調整した肉エ
キス培地1Lと上記2.で得た納豆菌前培養液5mlを導入
し、通気量0.2vvm、攪拌速度300rpm、培養温度42℃の条
件で、14日間培養を行い、納豆菌培養液0.87Lを得た。
該納豆菌培養液0.87Lを真空凍結乾燥機を用いて凍結乾
燥に付し、凍結乾燥物 13gを得た。得られた凍結乾燥物
を粉砕処理に付し、褐色を呈する粉末を得た。
【0027】実施例1で得られた本発明の組成物(粉
末)、比較例1で得られた大麦焼酎蒸留残液液体分の凍
結乾燥物粉末、及び比較例2で得られた肉エキス培地を
用いることにより得た納豆菌培養液の凍結乾燥物粉末の
それぞれを以下の試験例1に供し、肝炎の発症抑制作用
を評価した。
【0028】
【試験例1】本発明の組成物が有するD-ガラクトサミン
投与による肝炎に対する発症抑制作用を明らかにするた
めに以下の試験を行った。即ち、5週令のWistar系雄性
ラットを1群9匹として、対照食を摂取させる対照食群、
該対照食に含まれる成分の一部を実施例1で得た本発明
の組成物2重量%で代替した試験食Aを摂取させる試験食
A群、該対照食に含まれる成分の一部を比較例1で得た大
麦焼酎蒸留残液液体分の凍結乾燥物粉末2重量%で代替
した試験食Bを摂取させる試験食B群、及び該対照食に含
まれる成分の一部を比較例2で得た肉エキス培地を使用
することにより得た納豆菌培養液の液体分の凍結乾燥物
粉末2重量%で代替した試験食Cを摂取させる試験食C
群、の4群に分け、それぞれの群に表2に示す組成の飼料
を水道水と共に15日間自由摂取させて飼育した。実験食
投与14日目にD-ガラクトサミンを350mg/kg体重となるよ
うにラットの腹腔内に投与し、22時間後にラットを屠殺
後、血液を採取し、これを遠心分離して血清を得、得ら
れた血清について、血清中のGOT及びGPTを測定するとと
もに、肝臓の病理組織学的検索を行った。
【0029】
【評価1】血清中のGOT及びGPTの測定結果を図2及び図3
に示す。図2及び図3に示す結果から以下の事実が判明し
た。GOT及びGPTは、対照食群が顕著に高い値を示した
が、試験食A群、試験食B群、及び試験食C群は対照食群
よりも低下する傾向を示した。但し、試験食C群はGOT及
びGPTの値が低下する程度は小なるものであったのに対
して、試験食A群及び試験食B群は対照食群に比べてGOT
及びGPTの値が低下する程度は大なるものであった。特
に試験食A群の方が試験食B群よりも正常値に極めて近似
した値を示した。肝臓の病理組織学的検索では、対照食
群の肝小葉中心体に強くみられた肝細胞の変成・壊死が
試験食A群ではほとんど認められなかった。即ち、大麦
焼酎蒸留残液液体分から得た本発明の組成物を混合した
試験食A群においては、D-ガラクトサミンによって誘発
される肝炎の発症が著しく抑制された。この結果から、
本発明の組成物は、大麦焼酎蒸留残液液体分よりもさら
に強力な肝炎の発症抑制作用を有していることが明らか
となった。
【0030】実施例1で得られた本発明の組成物を以下
の試験例2に供し、該組成物が有する肝炎に対する治癒
作用を評価した。
【0031】
【試験例2】D-ガラクトサミン投与により発生した肝炎
に対して本発明の組成物が有する治癒作用を明らかにす
るために以下の試験を行った。即ち、5週令のWistar系
雄性ラット18匹に標準飼料を投与して1週間予備飼育
後、D-ガラクトサミンを350mg/kg体重となるようにラッ
トの腹腔内に投与し、1群9匹として、対照食を摂取させ
る対照食群、及び該対照食に含まれる成分の一部を実施
例1で得た本発明の組成物2重量%で代替した試験食を摂
取させる試験食群、の2群に分け、それぞれの群に表3に
示す組成の飼料を水道水と共に3日間自由摂取させて飼
育した後、ラットを屠殺後、血液を採取し、これを遠心
分離して血清を得、得られた血清について、血清中のGO
T及びGPTを測定するとともに、肝臓の病理組織学的検索
を行った。
【0032】
【評価2】血清中のGOT及びGPTの測定結果を図4及び図5
に示す。図4及び図5に示す結果から以下の事実が判明し
た。GOT及びGPTは、対照食群が顕著に高い値を示したの
に対して、試験食群は対照食群に比べて有意に低い値を
示した。肝臓の病理組織学的検索では、対照食群の肝小
葉中心体に強くみられた肝細胞の変成・壊死が試験食群
ではわずかしか認められなかった。即ち、大麦焼酎蒸留
残液液体分から得た本発明の組成物を混合した試験食群
においては、D-ガラクトサミンによって誘発される肝炎
が顕著に治癒された。この結果から、本発明の組成物
は、 D-ガラクトサミン投与により発生した肝炎に対し
て優れた治癒作用を有していることが判明した。
【0033】以上、試験例に述べた結果から明らかなよ
うに、本発明の組成物は大麦焼酎蒸留残液から分取した
液体分を卓越した優れた肝炎の発症抑制作用を有し、該
大麦焼酎蒸留残液の液体分に比べて極めて少量の投与
で、D-ガラクトサミン投与による肝炎の発症を強力に抑
制することが判明した。さらに上述した試験例2の結果
から明らかなように、本発明の組成物は、D-ガラクトサ
ミン投与により発症した肝炎を顕著に治癒することが判
明した。
【0034】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の大麦を原
料とする焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液
を固液分離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、
及びグリセロールを含有する液体分を得、該液体分にア
ルカリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和
処理して調製液を得、該調製液を培地に使用してBacill
us subtilisに属する納豆菌を培養することにより培養
液を得、該培養液を固液分離することにより得られる実
質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からなる組成物
は、肝炎の発症に対しての著しい抑制及び治癒作用を有
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】大麦焼酎蒸留残液の液体分及び肉エキス培地を
培地に使用して納豆菌を培養した時の各培養液中に含ま
れる生菌数の経時変化を示すグラフである。
【図2】試験例1におけるラット血清中のGOTを示すグラ
フである。
【図3】試験例1におけるラット血清中のGPTを示すグラ
フである。
【図4】試験例2におけるラット血清中のGOTを示すグラ
フである。
【図5】試験例2におけるラット血清中のGPTを示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 聡 大分県大分市田室町6−31−603 サーパ ス田室 (72)発明者 林 圭 大分県宇佐市大字山本2231−1 三和酒類 株式会社内 Fターム(参考) 4B018 MD49 MD88 MD93 ME14 MF01 MF13 4B064 AH19 CA02 CE01 CE08 DA01 4C087 AA01 AA02 AA03 BC65 CA10 NA05 ZA75

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大麦を原料とする焼酎の製造において副成
    する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ酸、ポリ
    フェノール、有機酸、及びグリセロールを含有する液体
    分を得、該液体分にアルカリを添加して該液体分に含ま
    れる酸を実質的に中和処理して調製液を得、該調製液を
    培地に使用してBacillus subtilisに属する納豆菌を培
    養することにより培養液を得、該培養液を固液分離する
    ことにより得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない液
    体分からなる肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の組成物からなる食品。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の組成物からなる医薬品。
  4. 【請求項4】前記実質的に納豆菌菌体を含有しない液体
    分を凍結乾燥して得られる粉末からなるものである請求
    項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】大麦を原料とする焼酎の製造において副成
    する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ酸、ポリ
    フェノール、有機酸、及びグリセロールを含有する液体
    分を得る工程、該液体分にアルカリを添加して該液体分
    に含まれる酸を実質的に中和処理して調製液を得る工
    程、該調製液を培地に使用してBacillus subtilisに属
    する納豆菌を培養することにより培養液を得る工程、及
    び該培養液を固液分離することにより得られる実質的に
    納豆菌菌体を含有しない液体分を得る工程を含むことを
    特徴とする前記実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分
    からなる肝炎の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】前記実質的に納豆菌菌体を含有しない液体
    分を凍結乾燥する工程を更に有する請求項5に記載の組
    成物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004061090A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Sanwa Shurui Co., Ltd. ナチュラルキラー細胞を賦活化する作用を有する組成物及びその製造方法、及び前記組成物を使用して賦活化したナチュラルキラー細胞を含有する組成物及びその製造方法
JP2006211983A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 焼酎粕濃縮液の製造方法
JP2007084504A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Sanwa Shiyurui Kk 大麦を発酵に付したものを有効成分とする血管新生阻害の作用を有する組成物
JP2019528688A (ja) * 2016-08-12 2019-10-17 エムディー ヘルスケア インコーポレイテッドMd Healthcare Inc. バチルス属細菌由来ナノ小胞およびその用途

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