JP6614557B2 - クマザサ醗酵物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、クマザサ醗酵物の製造方法に関し、より詳細には、麹菌を用いたクマザサ醗酵物の製造方法及びその製造方法により得られたクマザサ醗酵物に関する。
クマザサは、山地に群生する大型の葉を持つササ属の総称であり、中国の後漢頃に作られた「神農本草経」に収載されて以来、「傷寒論」等の漢方処方中で古くから頻用されている。クマザサには種々の薬効が認められ、葉の部分等が生薬として用いられる。わが国においても、クマザサは、火傷、犬咬傷、吐血、喀血、利尿渋滞を治癒する民間薬として応用されている(非特許文献1〜3)。クマザサの便通改善、腸内環境改善、ナチュラルキラー細胞活性化、抗炎症作用、抗ストレス作用等も報告されている(非特許文献4〜8)。近年、クマザサの上記機能性を利用した乾燥粉末や抽出エキスが、サプリメント、青汁、飲料等の形態の機能性食品原料として製造及び販売されている。
クマザサの葉や茎から抽出、濃縮したエキスについては、様々な生理機能の報告がある(特許文献1〜3)。クマザサの葉や茎の乾燥粉末では、便通改善や腸内細菌叢の改善に由来する免疫賦活作用以外の生理活性機能が低いことが課題となっている。
クマザサから抽出したエキスを酵母や乳酸菌、枯草菌等の微生物を用いて醗酵させた醗酵物は、新たな機能性が付与されるという報告(特許文献4〜8)がある。一方、クマザサの茎や葉そのものを微生物で醗酵させたものについては、クマザサの醗酵物の新規な機能性の発現や醗酵によるクマザサ含有成分の増大や変換に関する事例は見当たらない(特許文献9〜11)。
特開平5−184339号公報 特開平10−276719号公報 特開2000−44481号公報 特開2006−232763号公報 特開2006−298871号公報 特開2012−12363号公報 特開2012−85591号公報 特開2016−136913号公報 特開2006−42780号公報 特開2006−137703号公報 国際公開2016/093104
難波恒雄ら、「中国産淡竹葉について」、生薬学会誌、34、p280−291、(1980) 青山政和、「ササ成分の薬理作用」、北海道林産試験場報告、9(6)、p1−8、(1995) 青山政和、「ササ成分の薬理作用」、木材工業、50(10)、p450−454、(1995) 原高明ら、「ナチュラルキラー細胞活性及び腸内環境に対する『クマイザサ粉末錠』の効果」、FOOD FUNCTION、6(1)、p2−7、(2010) 原高明ら、「ブタ腸内菌叢に対するクマイザサ葉粉末の効果」、FOOD FUNCTION、5(2)、p69−72、(2009) 原高明ら、「エンドトキシン誘発炎症性サイトカイン産生In Vitro及び胃粘膜損傷In Vivoに対するSan STAGEの効果」、FOOD FUNCTION、2(1)、p1−4、(2006) 小池田崇史ら、「便秘傾向者の排便状況、腸内菌叢及びNK細胞活性に対する『San STAGEソフトカプセル』摂取効果」新薬と臨牀、56(2)、p163−170、(2007) 小池田崇史ら、「ダイエットストレス誘発不定愁訴及びBMI指標に対する『San STAGE』摂取の効果」新薬と臨牀、55(7)、p1200−1206、(2006)
上記実情に鑑み、本発明の課題は、クマザサの未醗酵物と比較して様々な生理活性機能が期待されるクマザサ醗酵物の製造方法及びその醗酵物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、麹菌と醗酵助剤を用いてクマザサを醗酵させることにより、クマザサ中には存在しない遊離アミノ酸や生理活性成分が新規に生成され、また、クマザサの既存のアミノ酸や生理活性成分が醗酵前よりも増量されたクマザサ醗酵物が得られることを発見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、クマザサの葉及び/又は茎を、麹菌及び醗酵助剤の存在下で醗酵させることを含む、クマザサ醗酵物の製造方法を提供する。
前記麹菌は、アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・リュークエンシス及びアスぺルギルス・リュークエンシス・ミュータント・カワチの少なくとも一種を含むことが好ましい。
前記アスペルギルス・オリゼは、アスペルギルス・オリゼAOK139株(FERM AP‐20562)を含むことが好ましい。
前記醗酵助剤として米澱粉を添加することが好ましい。
前記醗酵工程は、例えば、温度28〜30℃、相対湿度85〜90%の条件下で40〜50時間醗酵させる。
前記醗酵工程の醗酵の開始から18〜30時間後に、前記クマザサ、麹菌及び醗酵助剤の混合物を攪拌することを含むことが好ましい。
前記醗酵工程の醗酵の開始前にクマザサ、麹菌及び醗酵助剤の混合物に散水を行うことを含むことが好ましい。
本発明は、また、上記クマザサ醗酵物の製造方法で得られたクマザサ醗酵物を提供する。
前記クマザサ醗酵物は、特にメチオニン、スタキドリン、メチルコハク酸、ホモセリン、N−アセチルセリン、キサンチン、イノシン及びキシリトールの少なくも一種を含有する。
前記クマザサ醗酵物は、特に醗酵前のクマザサと比べて、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、ピログルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、トリプトファン、オルニチン、ウリジン、グアノシン、リボフラビン、アラビトール及びエリスリトールの少なくとも一種が増量されている。
本発明は、また、上記クマザサ醗酵物を含む機能性食品を提供する。
クマザサは、従来使用されていた酵母、乳酸菌や枯草菌では醗酵させることが困難であった。一方、麹菌及び醗酵助剤を用いる本発明の製造方法によれば、クマザサを容易に醗酵させることができる。
しかも、本発明の製造方法により得られるクマザサ醗酵物は、醗酵前のクマザサでは得られないメチオニン、スタキドリン、メチルコハク酸、ホモセリン、N−アセチルセリン、キサンチン、イノシン及びキシリトール等のアミノ酸及び機能性成分を新規に含む。
さらに、前記クマザサ醗酵物は、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、ピログルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、トリプトファン、オルニチン、ウリジン、グアノシン、リボフラビン、アラビトール、エリスリトール等のクマザサ中のアミノ酸及び機能性成分の濃度を醗酵前よりも増大する。
上記新規又は増量されたアミノ酸や機能性成分は、栄養学的及び生理活性機能を有するため、上記クマザサ醗酵物を含む食品は、栄養学的及び生理活性機能に基づいた用途を有する機能性食品として利用が期待される。
本発明に従う実施例6のクマザサ醗酵物及び対照の遊離アミノ酸量の測定結果を示す。実施例6(図1のクマザサ+ライスミール+AOK139株)では、醗酵させていない対照(図1のクマザサ+ライスミール)と比べて、Metが新たに生成し、Lys、His、Phe、Tyr、Leu、Ile、Val、Ala、Gly、Pro、Glu、Ser、Thr、Asp、及びTrpが増加しており、Gluの増加量が特に大きかった。 本発明に従う実施例7及び8のクマザサ醗酵物、並びに対照の遊離アミノ酸量の測定結果を示す。実施例7(図2のクマザサ+マツノリン+焼酎用白こうじ)及び実施例8(図2のクマザサ+マツノリン+焼酎用黒こうじ)は、醗酵させていない対照(図2のクマザサ+マツノリン)と比べて、各種遊離アミノ酸量が増加していた。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.465とスタキドリン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により新たに生成したピーク465は、スタキドリンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.89とアルギニン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク89は、アルギニンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.584とグルタミン酸標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク584は、グルタミン酸であることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.4493とトリプトファン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク4493は、トリプトファンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.2119とアデノシン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク2119は、アデノシンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.1853とチロシン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク1853は、チロシンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.160とリジン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク160は、リジンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.1822とロイシン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク1822は、ロイシンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.2825とフェニルアラニン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク2825は、フェニルアラニンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.1014とイソロイシン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク1014は、イソロイシンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.7386とリボフラミン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク7386は、リボフラミンであることが確認された。 本発明のクマザサ醗酵物をHPLCで分離したピークNo.2323とグアノシン標準品のMS2フラグメントスペクトルを示す。両者の対比から、醗酵により増量したピーク2323は、グアノシンであることが確認された。
以下に示す本発明の実施の形態により、本発明を詳細に説明する。本発明のクマザサ醗酵物の製造方法は、クマザサの葉及び/又は茎を、麹菌及び醗酵助剤の存在下で醗酵させる工程を必須に含む。
クマザサ生息地からクマザサを採取し、クマザサの茎及び/又は葉の部分(以下、クマザサ原料という)を選別する。クマザサ原料に占める葉部分の割合の下限は、通常、50質量%であり、好ましくは70質量%であり、特に好ましくは90質量%である。原料に占める葉部分の割合が50質量%より低過ぎると、醗酵時間が長期化する、醗酵が進まない等の問題を生じる場合がある。葉部分の割合の上限は、特に制限されない。クマザサの茎を有効利用して廃棄物を出さない点で、原料に占める葉部分の割合の上限は、好ましくは70質量%である。
クマザサ原料を適宜、洗浄し、その後、水分を通常、10%以下まで、好ましくは8%以下まで乾燥する。
上記乾燥物を、通常、8mm以下、好ましくは5mm以下に粗粉砕すると、以下の蒸煮工程を効率よく進められる。
クマザサの粗粉砕品に等量の水を加えて、通常、0.5〜2時間、好ましくは1時間程度放置して、葉及び茎に水分を吸収させる。
上記クマザサ原料を殺菌するために蒸煮する。蒸煮条件は、常圧下では、通常、90〜100℃の温度で、0.5〜1時間である。蒸煮を加圧下で行ってもよく、その場合、蒸煮温度及び蒸煮時間は、圧力に依存する。蒸煮されたクマザサ原料を、通常、40℃以下、好ましくは35℃まで冷却する。
上記蒸煮物を例えば500g/枚、木製の麹蓋又はプラスチックトレイに盛る。醗酵用種菌としての麹菌(以下、種麹ともいう)を無菌条件下のクマザサ原料に散布する。
本発明に使用する麹菌の例には、アスペルギルス・オリゼAOK139株(FERM AP‐20562)、吟味、白麹しらかみ等のアスぺルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae);焼酎用白麹等のアスぺルギルス・リュークエンシス・ミュータント・カワチ(Aspergillus luchuensis mut. Kawachii);焼酎用黒麹等のアスぺルギルス・リュークエンシス(Aspergillus luchuensis);並びにアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)を含む。好ましい麹菌は、アスぺルギルス・オリゼ、アスペルギルス・リュークエンシス及びアスぺルギルス・リュークエンシス・ミュータント・カワチである。アスぺルギルス・オリゼAOK139株が、麹菌の菌糸生育度が高く、新規な遊離アミノ酸や生理活性成分を生成し、また、クマザサに含まれる既存の遊離アミノ酸や生理活性成分を増量する点で特に好ましい。
クマザサ原料に対する種麹の割合は、通常、0.1〜1%でよく、好ましくは0.3〜0.8%であり、特に好ましくは0.5%程度である。
上記蒸煮物に、醗酵助剤を添加する。醗酵助剤としては、米、ジャガイモ、トウモロコシ、小麦、豆、サツマイモ、タピオカ、ワラビ、葛等に由来する澱粉、炭酸カルシウム、コハク酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。好ましくは澱粉であり、さらに好ましくはアルファー化澱粉であり、特に好ましくはアルファー化米澱粉である。
醗酵助剤の添加量は、クマザサ原料に対して、通常、0.1〜5質量%でよく、好ましくは0.25〜4.5質量%である。醗酵助剤の添加量が、0.1質量%より、低すぎると、麹菌の生育が遅れ、その結果、醗酵が進まなくなる。逆に、添加量が5質量%より多すぎても、クマザサ自体の醗酵が進まなくなる場合がある。
麹菌及び醗酵助剤の散布されたクマザサ原料の上を保湿布で覆い、醗酵を開始させる。醗酵工程の温度は、通常、25〜40℃でよく、好ましくは温度28〜30℃である。相対湿度は、通常、70〜100%でよく、好ましくは85〜90%である。醗酵時間は、通常、30〜60時間でよく、好ましくは40〜50時間である。
クマザサの醗酵を促進させるために、醗酵工程の開始から18〜30時間後、好ましくは24〜26時間後に混合物の撹拌を行うことが好ましい。さらに、クマザサの醗酵開始前にクマザサ、麹菌及び醗酵助剤の混合物に散水を行うことが好ましい。
醗酵終了後、醗酵物を例えば100℃の温度で60分間放置する、あるいは例えば−20℃の温度で急速冷凍することにより、麹菌を殺菌して麹菌の生育を停止させる。
本発明は、また、上記クマザサ醗酵物の製造方法で得られた醗酵物を提供する。本発明のクマザサ醗酵物は、醗酵前には検出されない成分であるメチオニン、スタキドリン、メチルコハク酸、ホモセリン、N−アセチルセリン、キサンチン、イノシン及びキシリトールを含有する。
前記クマザサ醗酵物は、また、醗酵前のクマザサと比べて、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、ピログルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、トリプトファン、オルニチン等のアミノ酸;ウリジン、グアノシン等のヌクレオチド;リボフラビン、アラビトール、エリスリトール等の糖;シュウ酸等の有機酸が増加する。
上記成分の内、メチオニンには、肝機能改善、アレルギー症状緩和、抗うつ、老化防止、育毛作用等;スタキドリンには、抗ぜんそく、抗老化、抗炎症、抗がん作用等;イノシンには、脳機能改善、神経疾患予防・改善作用等;ウリジンには、認知力増強作用等;キシリトールには、虫歯予防、骨粗鬆症予防、中耳炎予防、肌保湿作用等;リジンには、疲労回復、集中力増強、肝機能改善、ヘルペス予防・改善、脳卒中抑制、育毛作用等;ヒスチジンには、成長促進、抗ストレス、抗肥満、脳神経保護作用等;フェニルアラニンには、抗うつ、白斑改善作用等;チロシンには、抗うつ、集中力増強、抗ストレス、白髪予防作用等;ロイシンには、筋肉増強、肝機能改善、抗ストレス、育毛作用等;イソロイシンには、疲労回復、神経機能正常化、糖尿病予防、肝機能改善、育毛、皮膚の健康維持、新生児生存率上昇、成長促進作用等;バリンには、運動中の筋肉消耗低減作用等;アラニンには、肝機能改善、持久力向上、肌質改善作用等;グリシンには、抗うつ、肌質改善作用等;プロリンには、関節通改善、肌質改善、脂肪燃焼作用等;グルタミン酸には、解毒、利尿、脳機能改善、脂肪蓄積抑制、肌質改善、血圧低下作用等;ピログルタミン酸には、記憶力・認知力改善作用等;セリンには、脳機能改善、睡眠の質改善、肌質改善・美白、アルツハイマー予防作用等;スレオニンには、脊髄痙縮改善作用等;アスパラギンには、新陳代謝促進、疲労回復、持久力向上、排尿改善作用等;アスパラギン酸には、疲労回復、代謝活性化、解毒、肌質改善作用等;トリプトファンには、不眠解消、PMF(月経前症候群)改善、抗老化、鎮痛、集中力増強、記憶力増強作用等;オルニチンには、疲労回復、肝機能改善、新陳代謝改善、睡眠の質向上作用等;リボフラビンには、成長促進、生活習慣病予防・改善、抗肥満、抗糖尿、粘膜・皮膚の健康維持作用等;アラビトールには、保湿作用等;並びにエリスリトールには、虫歯予防、口臭予防、血糖値上昇抑制作用等の各種生理活性機能が報告されている。したがって、本発明は、上記クマザサ醗酵物を含み、上記新規及び増量成分の生理活性機能に基づいて上記用途を有する機能性食品を提供する。
上記機能性食品は、機能性食品に汎用される助剤を添加可能である。そのような助剤の例として、汎用の賦形剤、抗酸化剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、ビタミン、アミノ酸、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、粘稠剤、溶解補助剤、コーティング剤、可塑剤、界面活性剤、水、アルコール類、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料、香料、着色剤等が挙げられる。
上記機能性食品の形態は、特に制限がなく、例えば、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤、チュアブル錠、ドロップ、水剤、シロップ、ゼリー等が挙げられる。
上記機能性食品中のクマザサ醗酵物の含有量は、通常0.01〜100質量%でよく、好ましくは0.1〜98質量%である。
本発明の機能性食品の1日当たりの摂取量は、クマザサ醗酵物の摂取量(乾燥重量)として、通常、10g〜1mgでよく、好ましくは、8g〜10mg、さらに好ましくは5g〜10mgである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその技術が限定されるものではない。
〔実施例1〜5〕
表1に示す食品産業用麹菌5菌株を株式会社秋田今野商店から入手し、次の選抜試験を行った。まず、クマザサ(北海道の山中より採取)から茎及び葉の部分を選別することによりクマザサ原料を用意した。クマザサ原料中の葉の占める割合は、約70質量%であった。上記クマザサ原料を洗浄し、その後、水分を10%以下まで乾燥した。乾燥物を5mm以下に粗粉砕した。
上記粗粉砕品300gに等量の水を加えて1時間放置して水分を吸収させた後、100℃で1時間蒸煮した。蒸煮したものを40℃以下まで冷却後、無菌条件下で、蒸煮原料に対し0.25%の上記麹菌の種麹を混合した。また、醗酵助剤として0.25%のアルファー化ジャガイモ澱粉(製品名マツノリン、松谷化学工業株式会社製)を混合した群も設定した。混合物40gをシャーレに移し、温度28℃、相対湿度80%で50時間培養した。また、醗酵開始から約26時間後に混合物の撹拌を行った。醗酵終了後、醗酵物を速やかに−20℃の温度で冷凍して麹菌による醗酵を停止させた。菌糸の生育度を目視で観察して、以下の判定基準で醗酵物を評価した。
判定基準
+++:菌糸の生育が非常に良好、
++:菌糸の生育が良好、
+:菌糸の生育がわずかに認められる、
−:菌糸の生育が認められない
表1に示す通り、菌糸の生育度の目視観察の結果、比較例のように醗酵助剤を添加しない系ではいずれの麹菌を用いても菌糸の生育は認められなかったが、実施例のように醗酵助剤を添加した系ではいずれの麹菌を用いても菌糸の生育が認められた。これから、クマザサの醗酵には、麹菌による醗酵の際に醗酵助剤の添加が必要なことを確認された。
麹菌の種類の違いと菌糸の生育度の関係を見ると、白麹しらかみ及び吟味では菌糸の生育が認められ、焼酎用白こうじ及び焼酎用黒こうじでは良好な菌糸の生育が認められ、そしてAOK139株では非常に良好な菌糸の生育が認められた。クマザサの醗酵用麹菌として、AOK139株、焼酎用白こうじ及び焼酎用黒こうじが好ましく、特に好ましくはAOK139株であるといえる。
〔実施例6〜8〕
実施例1〜3で使用したアスペルギルス・オリゼAOK139株、焼酎用白こうじ、及び焼酎用黒こうじを用いて、クマザサ醗酵試験を行った。実施例1で調製したクマザサ粗粉砕品300gに等量の水を加え1時間放置し水分を吸収させた後、100℃で1時間蒸煮した。蒸煮したものを40℃以下まで冷却後、無菌条件下で、蒸煮原料に対し0.25%の麹菌の種麹と0.25%の醗酵助剤としてアルファー化米粉澱粉(製品名ライスミール、株式会社樋口松之助商店製)、又はアルファー化ジャガイモ澱粉(製品名マツノリン、松谷化学工業株式会社製)を混合した。混合物をシャーレに移し28℃、相対湿度80%で50時間培養した。醗酵開始から約26時間後に混合物の撹拌を行った。醗酵終了後、速やかに冷凍して麹菌の醗酵を停止させた。醗酵させていない対照として、種麹を接種しない以外は実施例と同様の手順で試験を行った。
醗酵物と対照のクマザサ醗酵物中の栄養成分及びクエン酸の分析を(一般財団法人)日本食品分析センターにおいて行った。結果を表2に示す。
表2に示す通り、実施例6(AOK139株+アルファー化米粉澱粉)は、醗酵させていない対照と比べて、糖質と脂質が減少し、特に糖質が大きく減少する一方で、たんぱく質、食物繊維及び灰分が増加した。これらの結果から、アスペルギルス・オリゼAOK139株は、クマザサに含まれる糖質及び脂質を利用して菌体量が増加し、その結果、たんぱく質、食物繊維及び灰分が増加したものと考えられた。クエン酸に関しては、麹菌での醗酵で変化がなかった。
実施例7(焼酎用白こうじ+アルファー化ジャガイモ澱粉)及び実施例8(焼酎用黒こうじ+アルファー化ジャガイモ澱粉)は、醗酵させていない対照と比べて糖質が減少し、特に実施例8(焼酎用黒こうじ)の方が糖質の減少量が大きかった一方で、たんぱく質、食物繊維及び灰分が増加した。これらの結果から、焼酎用白こうじ及び焼酎用黒麹は、クマザサに含まれる糖質及び脂質を利用して菌体量が増加し、その結果、たんぱく質、食物繊維及び灰分が増加したものと考えられた。なお、クエン酸に関しては、麹菌での醗酵で変化がなかった。
実施例6〜8を対比すると、アスペルギルス・オリゼAOK139株+醗酵助剤としてα化米粉澱粉を使用した実施例6の変化量が最も大きかった。クマザサ醗酵物の栄養成分の増大の観点から、アスペルギルス・オリゼAOK139株+α化米粉澱粉の組み合わせが好ましいといえる。
図1に、実施例6のクマザサ醗酵物及び対照の遊離アミノ酸量の測定結果を示す。図1に示す通り、実施例6(図1のクマザサ+ライスミール+AOK139株)では、醗酵させていない対照(図1のクマザサ+ライスミール)と比べて、メチオニン(Met)が新たに生成し、リジン(Lys)、ヒスチジン(His)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、プロリン(Pro)、グルタミン酸(Glu)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、アスパラギン酸(Asp)、及びトリプトファン(Trp)が増加しており、特にグルタミン酸の増加量が極めて大きかった。
図2に、実施例7及び8のクマザサ醗酵物、並びに対照の遊離アミノ酸量の測定結果を示す。図2に示す通り、実施例7(図2のクマザサ+マツノリン+焼酎用白こうじ)及び実施例8(図2のクマザサ+マツノリン+焼酎用黒こうじ)は、醗酵させていない対照(図2のクマザサ+マツノリン)と比べて、各種遊離アミノ酸量が増加していた。
実施例6〜8を対比すると、アスペルギルス・オリゼAOK139株+醗酵助剤としてα化米粉澱粉を使用した実施例6の方が、遊離アミノ酸量が大きく、これから、アスペルギルス・オリゼAOK139株+α化米粉澱粉の組み合わせは、クマザサのたんぱく質をアミノ酸に効率よく分解できるという結果が得られた。クマザサを効率的に醗酵させるために、麹菌の中でもAOK139株が最も適することが確認された。
〔実施例9〕
以下に示す(a)〜(e)のいずれかの操作を行った。操作後、クマザサ醗酵物の栄養成分及びアミノ酸の分析を、実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
(a) 実施例1で調製したクマザサ粗粉砕品3,000gに等量の水を加えて1時間放置し水分を吸収させた後、100℃で1時間蒸煮した。蒸煮したものを40℃以下まで冷却後、無菌条件下で、蒸煮原料に対し0.5%のアスペルギルス・オリゼAOK139株の種麹と醗酵助剤として4.5%のα化米粉澱粉(製品名ライスミール、株式会社樋口松之助商店製)を混合した。混合物を500g/枚、木製の麹蓋又はプラスチックトレイに盛り保湿布を乗せ、28〜30℃、相対湿度85〜90%の条件下で40〜50時間醗酵させた。醗酵開始から約24時間後に、混合物の撹拌を行った。
(b) (a)において、醗酵開始から約24時間後に混合物の撹拌を行った後、保湿布に散水を行った、
(c) (a)において、醗酵中に撹拌を行わなかった以外は、(a)と同様の操作を実施した、
(d) (a)において、醗酵開始前に混合物に散水を行ってから、(a)と同様の操作を実施した、
(e) (a)において、プラスチックトレイを使用した以外は、(a)と同様の操作を実施した
表3に示す通り、操作(a)木製の麹蓋を使用し醗酵開始から24時間後に撹拌、(d)木製の麹蓋を使用し醗酵開始前に混合物へ散水し醗酵開始から24時間後に撹拌、(e)プラスチックトレイを使用し醗酵開始から24時間後に撹拌では、糖質の減少量が大きく、クマザサが効率的に醗酵していることが確認された。一方、操作(c)醗酵中に撹拌を行わなかったでは、糖質の減少量が比較的低かった。これらの結果から、醗酵中の撹拌が醗酵を進める上で重要であることが確認された。
操作(b)の醗酵開始から約24時間後に混合物の撹拌を行った後、保湿布に散水を行った場合、撹拌したにもかかわらず糖質の減少量が小さくなっていることから、撹拌後の通気も重要であることが推定された。以上のことから、麹菌を用いてクマザサを効率よく醗酵させるためには、クマザサ、麹菌及び醗酵助剤の混合物に散水すること、及び醗酵中に撹拌の操作を実施することが好ましいことが判明した。
〔実施例10〕
実施例1で調製したクマザサ粗粉砕品3,000gに等量の水を加えて1時間放置し水分を吸収させた後、100℃で1時間蒸煮した。蒸煮したものを40℃以下まで冷却後、無菌条件下で、蒸煮原料に対し0.5%のAOK139株の種麹と醗酵助剤として4.5%のアルファー化米粉澱粉(製品名ライスミール、株式会社樋口松之助商店製)を混合した。混合物をシャーレに移し28℃、相対湿度80%で50時間培養した。また、醗酵開始から約26時間後に混合物の撹拌を行った。醗酵終了後、速やかに冷凍し麹菌の醗酵を停止させた。また、蒸煮したものに醗酵助剤と種麹を接種し速やかに冷凍し、醗酵を行わなかったものを対照とした。以上の醗酵物及び対照をそれぞれ3区作成した。
以下の方法及び解析により、対照に比べて醗酵後に5倍以上量が増加した成分と醗酵により新たに生成した成分の同定を行った。
(分析試料調製方法)
試料に破砕用ジルコニアビーズ及びメタノールを加え、振とう破砕装置を用いて化合物を抽出し、抽出液をフィルター及びスピンカラムを用いて不溶物や低極性成分を除去した。また、試料無しについて同様の抽出操作を行いmock試料とした。
(分析条件)
HPLC:Agilent 1200 series
カラム:TSKgel ODS−100V 5μm 3×50mm(TOSOH)
カラム温度:40℃
溶離液:
A液・・・0.1%ギ酸添加水、
B液・・・0.1%ギ酸添加アセトニトリル
グラジエント条件(経過時間[min]:B%):0min・・・3%、15min・・・97%、20.1min・・・3%
流速:0.4 mL/min
インジェクション量:5 μL
精密質量分析計:LTQ ORBITRAP XL(Thermo fisher scientific)
イオン化法:ESIポジティブモード
Massレンジ:100−150 m/z
スキャンイベント(イベント1から5までの全工程を3秒間隔でデータ取得:
イベント1:ORBITRAPでのフルスキャン
イベント2:フルスキャンで検出された最もイオン強度が高いイオンをイオントラップでMSMS測定
イベント3:フルスキャンで検出された2番目にイオン強度が高いイオンをイオントラップでMSMS測定
イベント4:フルスキャンで検出された3番目にイオン強度が高いイオンをイオントラップでMSMS測定
イベント5:フルスキャンで検出された4番目にイオン強度が高いイオンをイオントラップでMSMS測定
Photo Diode Array測定レンジ:190−950 nm
(解析条件)
質量分析装置から出力されるLCMS全データをテキストファイルに変換し、化合物ピークの網羅的検出、精密質量計算、化合物ピーク強度の計算、共溶出ピークの関連付け、MSMSデータの紐付け、13C/12Cの計算、イオン化モードを予測し、試料間で化合物ピークを溶出時間、精密質量、MSMSパターンを比較整列化した。ピーク強度がmock試料のピーク強度の2倍未満であった化合物ピークを除去した後、化合物ピークの平均精密質量について化合物の標品データとの照合を行った。結果を表4及び図3〜14に示す。
分析の結果、23,498個のピークが得られ、醗酵により新たに生成したピークが1,350個、そして醗酵により成分が増加(ピーク面積が増加)したピークが3,137個得られた。醗酵により新たに生成したピークのうち、MS2フラグメントスペクトルでスタキドリンの標準品スペクトルと一致したものが確認された(表4、図3)。
醗酵により成分が増加したピークのうち、標準品のMS2フラグメントスペクトルと一致したものが11成分確認され、一致した化合物名はアルギニン、グルタミン酸、トリプトファン、アデノシン、チロシン、リジン、ロイシン、フェニルアラニン、イソロイシン、リボフラビン、グアノシンであった(表4、図4〜14)。以上の結果から、本発明の製造方法により、新規成分としてスタキドリンが生成し、そしてアルギニン、グルタミン酸、トリプトファン、アデノシン、チロシン、リジン、ロイシン、フェニルアラニン、イソロイシン、リボフラビン、及びグアノシンが増加することが確認された。
〔実施例11〕
実施例1で調製したクマザサ粗粉砕品3,000gに等量の水を加えて1時間放置し水分を吸収させた後、100℃で1時間蒸煮した。蒸煮したものを40℃以下まで冷却後、無菌条件下で、蒸煮原料に対し0.5%のAOK139株の種麹と醗酵助剤として4.5%のアルファー化米粉澱粉(製品名ライスミール、株式会社樋口松之助商店製)を混合した。混合物をシャーレに移し28℃、相対湿度80%で50時間培養した。また、醗酵開始から約26時間後に混合物の撹拌を行った。醗酵終了後、速やかに冷凍し麹菌の醗酵を停止させた。また、蒸煮したものに醗酵助剤と種麹を接種し速やかに冷凍し、醗酵を行わなかったものを対照とした。以上の醗酵物及び対照をそれぞれ3区作成した。
以下の方法及び解析により、対照に比べて醗酵後に5倍以上量が増加した成分と醗酵により新たに生成した成分の同定を行った。
(抽出試料調製方法)
試料に破砕用ジルコニアビーズ及びメタノールを加え、振とう破砕装置を用いて試料の破砕を行った。内部標準試薬としてRibitolを添加し、メタノール濃度を80%に調整後、70℃で15分間加熱した。上清を別の容器に取り、残渣にクロロホルムを加え混和後、上清を別の容器にとっておいたものと合わせ、水を添加し激しく撹拌後、遠心処理後の上層を抽出試料とした。
(誘導体化方法)
抽出試料の一部をNガス吹付により乾固処理を行い、N2BOX内でMethoxylamine−hydrocholorideを添加し30℃で90分間加熱後、N−methyl−N−(trimethylsilyl)−trifluoroacetamideを添加し37℃で30分間加熱し測定用試料とした。
(分析条件)
GCMS:SHIMADZU QP−2010 Ultra
カラム:DB−5 30m 0.250mm 1.00μm(Agilent Technologies)
気化室温度:280℃
オーブン温度:100℃(Duration 4min)−Rate 4℃/min−320℃(Duration 8min)
連結部温度:280℃
イオン源温度:200℃
イオン化法:EI
試料導入法:Splitless
Flow Rate:39cm/sec(1.1kL/min)
Scan Speed:2000u/sec
Mass Range:m/z=42−600
インジェクション量:1 μL
(解析条件)
各化合物において予め登録した保持時間範囲内で、かつ特異的なマスクの的グラム上からピーク形状を判別しピークを検出した。化合物の推定は検出ピークと化合物ライブラリーとのマススペクトルの一致性と、予め化合物毎に登録された特異的なマスフラグメントの強度比の一致性及び登録保持時間の比較により同等性90%以上のものを標準品と同等であると判定した。結果を表5に示す。
分析の結果、428個の化合物ライブラリーと平均保持時間が一致したピークが112個得られ、そのうち化合物ライブラリーのマススペクトルと特異的なマスフラグメントの強度比が90%以上一致したものが50個確認された。50個のなかで醗酵により8成分(メチルコハク酸、ホモセリン、N−アセチルセリン、キシリトール、リジン、キサンチン、トリプトファン、イノシン)が新規に生成し、15成分(オルニチン、イソロイシン、スレオニン、フェニルアラニン、グルタミン酸、アラビトール、グリシン、アスパラギン酸、シュウ酸、セリン、アスパラギン、エリスリトール、ピログルタミン酸、ウリジン、アラニン)が2倍以上増加したことを確認した(表5)。
本発明によれば、難分解性のクマザサの葉及び茎から栄養学的及び生理活性機能が優れたクマザサ醗酵物が得られる。本発明のクマザサ醗酵物を含む機能性食品は、環境科学分野、食品分野、健康科学分野等において有用性を有する。

Claims (11)

  1. クマザサの葉及び/又は茎麹菌及び醗酵助剤を散布して醗酵させることを含むクマザサ醗酵物の製造方法であって、前記麹菌はアスペルギルス・オリゼAOK139株(FERM AP‐20562)、アスペルギルス・リュークエンシス及びアスぺルギルス・リュークエンシス・ミュータント・カワチの少なくとも一種を含むことを特徴とする、前記クマザサ醗酵物の製造方法。
  2. 前記クマザサの葉及び/又は茎に前記麹菌及び前記発酵助剤を散布する工程の前に、前記クマザサの葉及び/又は茎の乾燥物を8mm以下に粗粉砕することを含む、請求項1に記載のクマザサ醗酵物の製造方法。
  3. 前記アスペルギルス・オリゼAOK139株(FERM AP‐20562)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のクマザサ醗酵物の製造方法。
  4. 前記醗酵助剤として米澱粉を添加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のクマザサ醗酵物の製造方法。
  5. 前記醗酵工程を、温度28〜30℃、相対湿度85〜90%の条件下で40〜50時間醗酵させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のクマザサ醗酵物の製造方法。
  6. 前記醗酵工程の醗酵の開始から18〜30時間後に、前記クマザサ、麹菌及び醗酵助剤の混合物を攪拌することを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のクマザサ醗酵物の製造方法。
  7. 前記醗酵工程の醗酵の開始前にクマザサ、麹菌及び醗酵助剤の混合物に散水を行うことを含む、請求項1〜6のいずれかに記載のクマザサ醗酵物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のクマザサ醗酵物の製造方法で得られたクマザサ醗酵物。
  9. メチオニン、スタキドリン、メチルコハク酸、ホモセリン、N−アセチルセリン、キサンチン、イノシン及びキシリトールの少なくも一種を含有する、請求項8に記載のクマザサ醗酵物。
  10. 前記醗酵前のクマザサと比べて、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、ピログルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、トリプトファン、オルニチン、ウリジン、グアノシン、リボフラビン、アラビトール及びエリスリトールの少なくとも一種が増量されている、請求項8又は9に記載のクマザサ醗酵物。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載のクマザサ醗酵物を含む機能性食品。
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