JP3174611B2 - 免疫賦活組成物 - Google Patents
免疫賦活組成物Info
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るものであり、更に詳細には、乳酸菌菌体の細胞質画分
及び/又はその含有物を含有してなる、生体内の免疫系
を賦活せしめる能力にすぐれた組成物に関するものであ
る。
医薬タイプで使用するほか、免疫賦活用の飲料、食品、
栄養食品、機能性食品、特定保健用食品、ドリンク剤等
飲食品タイプで使用し、食物アレルゲンや常在細菌フロ
ーラ等の抗原性物質、あるいは、ウイルスや病原菌等の
感染性微生物に対する生体防御能を生体に付与するのに
広く利用することができる。
年様々な報告がなされており、免疫賦活の機作や菌種に
よる生理活性の差などが徐々に明らかにされている(廣
田哲二、New Food Industry,Vo
l.32,No.10,P9(1990))。しかし、
これらの報告のほとんどはまだ、乳酸菌菌体が生体に与
える影響をin vitroおよびin vivoで解
析しただけのものであり、乳酸菌菌体中の有効成分につ
いて検討した研究は数少ない。さらに、これらの数少な
い研究においても対象とされているのは、菌体の細胞壁
画分や菌体の生産する多糖体である(C.I.Park
ら,Milchwissenschaft,46,87
(1991);H.Yasuiら、J.Dairy S
ci.,74,1187(1991);M.Nagao
kaら,J.Biochem.,108,568(19
90);北澤春樹ら,酪農化学・食品の研究,40,A
−261,(1991))。このように、乳酸菌菌体の
細胞質画分については検討がなされておらず、ましてや
細胞質画分に免疫賦活成分が含有されていること、そし
て、その成分を利用して現実に免疫賦活が行われること
については、全く何の知見も得られていないのが現状で
ある。
ン、リゾチーム、補体等の感染防御物質を多数含有して
おり、このことが腸管免疫系の未発達な新生児にとって
母乳が最良の栄養源であるといわれる理由の1つになっ
ている。母乳が不足したり、与えられない場合にその代
用品として使用される育児用調製粉乳についても、生体
防御機能の付与を目的として近年ラクトフェリンなどの
物質が添加されている。
れている物質の1つであり、ロシアのBakhtiya
rovaらは、ビフィズス菌を添加した調製粉乳を授乳
された新生児は、その糞便中のIgA抗体量およびリゾ
チーム含有量が菌体を添加しない調製粉乳を授乳された
新生児に比べて2倍以上になったことを報告している
(Izvestiya Vysshikh Ucheb
nykh Zavedenii,Pishchevay
a Tekhnologiya No.1,P35(1
988))。しかし、Bakhtiyarovaらが調
製粉乳に用いたビフィズス菌は耐熱性のビフィズス菌
(すなわち、ビフィズス菌の生菌)と記されているだけ
で、菌体中の有効成分はもちろん、ビフィズス菌の使用
菌株についても何ら明らかにされていない。一方、国内
でもビフィズス菌含有ミルクの使用例は報告されている
が、マクロファージの非特異的貪食細胞に及ぼす影響や
赤血球系造血能に及ぼす影響を検討しているだけであっ
て、投与した菌体の腸管免疫系に与える影響および菌体
中の有効成分は全く不明である(関根ら,治療学,Vo
l.14,No.5,P691(1985))。
生理作用の有効成分としては、細胞壁あるいは分泌多糖
のみがこれまで重視されており、それらを分画する過程
で生じる細胞質画分については特に注目されてこなかっ
た。しかし、菌体全体から見ると細胞質の占める割合は
細胞壁より多く、その有効的な活用が問題である。
代表される乳酸菌を育児用粉乳に応用して新生児に生体
防御能を賦与させようとする試みの中でも、菌体中の何
が実際に腸管免疫系に作用しているのか十分解明されな
いままになっている。これでは乳酸菌の育児用粉乳その
他へのより一層の利用を図ることには自ら限度がある。
有効に利用するためになされたものであって、本発明者
らは、各種乳酸菌の菌体を細胞壁と細胞質に分画し、各
画分の免疫担当細胞に与える影響を鋭意研究したとこ
ろ、細胞質画分が細胞壁画分と同等以上の免疫賦活作用
を示すことを見い出し、本発明を完成するに至った。
体に経口投与した場合、腸管免疫系の要であるパイエル
板リンパ細胞を賦活化する乳酸菌菌体中の活性画分につ
いて鋭意研究した。その結果、菌体の細胞質画分が特に
高い活性を示すことを見いだすと同時に、菌体を投与さ
れた生体の腸管(小腸内容物および小腸壁)において、
菌体非投与の場合に比べて有意に高いIgA抗体が産生
されることを見いだし本発明を完成するに至った。
て、上記のような免疫賦活に関する有用性をはじめて発
見し、この新知見に基づき更に研究の結果完成されたも
のであって、乳酸菌菌体の細胞質画分を有効成分とする
免疫賦活組成物をその基本的技術思想とするものであ
る。
は、細胞壁分解酵素を菌体に作用させるか、フレンチプ
レスあるいは超音波破砕装置などで菌体を機械的に処理
し、遠心分離後上清を回収すればよい。この場合、細胞
質画分を分画する前の乳酸菌は生菌でも死菌でもよい。
なおさらにトリクロロ酢酸処理や塩析処理により細胞質
画分中の蛋白質、ペプチド、あるいはそれらを構成成分
の1つとして含む化合物(糖蛋白質、リポ蛋白質など)
を精製できれば一層望ましい。本発明において、細胞質
画分としては、上記した乳酸菌菌体の破砕からその分
画、精製に至る各段階における生成物がすべて包含され
るほか、細胞質画分含有物も、本組成物の構成成分のひ
とつとして使用できる。
れを遠心分離して得られる上清、これを更に遠心分離し
て得られる上清、これを凍結乾燥してなる狭義の細胞質
画分、これを分画、精製、トリクロロ酢酸処理、塩析処
理等して得られる蛋白質複合体(蛋白質、リポ蛋白質、
糖蛋白質等)、同じくペプチド複合体(ペプチド、糖ペ
プチド等)等が、細胞質画分の具体例として挙げられ
る。また、狭義及び広義の細胞質画分を希釈、濃縮、乾
燥処理したものも自由に使用することができる。
有するものがすべて細胞質画分含有物として使用できる
ほか、細胞質画分含有物としては、乳酸菌菌体、その処
理物も使用できる。乳酸菌菌体処理物としては、菌体含
有物質(乳酸菌菌体、培地及び培養上清を含有する乳酸
菌培養物;同培養物から培地成分を除去してなる同培養
液;同培養物から菌体と培地成分とを除去してなる同上
清等)、菌体壁を機械的、化学的、及び/又は(微)生
物学的に破砕して得られる菌体破砕物が広く使用するこ
とができる。また、菌体含有物質、菌体破砕物の沈澱画
分、希釈、濃縮、及び/又は乾燥物も使用可能である。
なお、分散性等に問題が生じない限り、上記した細胞質
画分を単離して使用することなく細胞質画分含有物を食
品や医薬品等へ使用してもさしつかえないし、むしろそ
のほうが経口投与時の消化酵素による上記免疫賦活剤の
分解を防ぐことができ、免疫賦活成分が活性の高い状態
で腸管免疫系に作用できる場合も多い。なお、乳酸菌は
生菌、死菌のいずれも使用可能である。
属する微生物であれば特に限定されることなくすべての
微生物が使用可能であって、市販菌や乳酸菌使用飲食品
ないし医薬に使用されている乳酸菌も適宜使用できる。
本発明において使用可能な乳酸菌の非限定例としては、
次のものが挙げられる:ラクトバチルス属(Lacto
bacillus acidophilus ATCC
11506,L.lactis IFO 12522
等);ビフィドバクテリウム属(Bifidobact
erium longum ATCC 15708
等);ペディオコッカス属(Pediococcus
cerevisiae ATCC 8042等);スト
レプトコッカス属(Streptococcus fa
eciumATCC 8043等);ロイコノストック
属(Leuconostoc mesenteroid
es IFO 3426等)その他。
細胞質画分及び/又はその含有物を一種又は二種以上有
効成分としてなるものであって、飲食品または医薬とし
て用いるものである。これらの有効成分を食品として使
用する場合には、それ(ら)をそのまま添加したり、他
の食品ないしは食品成分と併用したりして適宜常法にし
たがって使用できる。また、医薬として使用する場合に
は、経口又は非経口投与することができる。経口投与の
場合には、例えば常法にしたがい、錠剤、顆粒剤、粉末
剤、カプセル剤、散剤とすることができ、又、非経口投
与の場合には、例えば注射薬製剤、点滴剤、坐剤等とし
て使用することができる。
ために毒性が全くないか又は極めて低く、きわめて安全
である(LD50>3000mg/kg皮下、>5000
mg/kg経口:いずれもラット)。
明する。
15708をEG液体培地(光岡知足著“腸内菌の世
界”(叢文社1980))に接種し、嫌気条件下、37
℃で18時間培養した。培養終了後、遠心分離により菌
体を回収し、冷却した生理食塩水で3回洗浄し、蒸留水
に懸濁した。この懸濁液を出力100Wの超音波破砕機
で20分間処理し、処理液を1,000Gの遠心分離に
かけ、未破壊の菌体を沈澱として除去した。次に上清を
30,000Gの遠心分離にかけ、上清(細胞質画分)
と沈澱(細胞壁画分)に再度かけた。上清はそのまま凍
結乾燥して細胞質画分とし、沈澱はトリプシンおよびD
NA,RNA分解酵素で処理した後、遠心洗浄し、凍結
乾燥して、細胞壁画分とした。
て、マイトジェン活性を次のようにして測定した。C3
H/HeJマウス脾細胞を採取、洗浄した後、同系マウ
ス血清1%を含むRPMI1640培地に浮遊させた。
これらの細胞を96穴平底プレートを用い、上記細胞質
および細胞壁画分の存在下(1〜100μg/wel
l)、1%同系マウス血清を含むRPMI1640培地
で5%CO2/Air条件下、37℃72時間それぞれ
培養した(5×105個/well)。次に1.0μC
i3H−チミジンを添加し、20時間後 3H−チミジン
の細胞への取り込みをシンチレーションカウンターで測
定した。コントロールは培地に何も物質を添加しなかっ
た場合の細胞の3H−チミジン取り込みカウント数(c
pm)とし、これを各サンプルのwellのカウント数
(cpm)から引いた値(Δcpm)で結果(図1)を
表わした。
ongumの細胞質にも細胞壁と同等以上のマイトジェ
ン活性が見られた。なお、卵白アルブミン(OVA)は
ネガティブコントロールである。
リウム・ロンガムATCC 15707、ラクトバチル
スアシドフィラスIFO 3953、ラクトバチルス・
デルブリッキ・サブスピーシズ・ラクティスATCC
12315の菌体を培養し、超音波破砕、遠心処理を施
して各菌株の細胞質画分を得た。
ン感作T細胞に対する細胞増殖活性を次のように測定し
た。BALB/cマウスにKurisakiらの方法
(Eur.J.Immunol.Vol.16,P23
6,1986)で卵白アルブミン(OVA)を皮下免疫
し、OVA感作T細胞を得た。これらの細胞を、実施例
1と同様の方法で各菌株の細胞質画分の存在下(2〜1
00μg/ml)培養し、細胞増殖を3H−チミジンの
取り込みにより調べた。結果は、培地に何も物質を添加
しなかったwellのカウント数(コントロールのカウ
ント数)を1とした場合の各サンプルのwellのカウ
ント数(刺激係数:SI)で表わした。
株の細胞質はネガティブコントロールとして用いたβ−
ラクトグロブリン(β−LG)に比べて有意に高い細胞
増殖活性を示した。特にビフィドバクテリウム・ロンガ
ムの2菌株はポジティブコントロールとして用いたグラ
ム陰性菌由来の免疫賦活物質であるリポ多糖類(LP
S)にほぼ匹敵する活性を示した。
15708を2.0×1011個/g含有する菌体粉末
を5%含有する乳清蛋白質(WPI)固型飼料を作製
し、マウス(BALB/c,5W,雌)8匹を飼育した
(WPI固型飼料の組成はAIN−76に準拠)。2週
間後にパイエル板をマウスの小腸から無菌的に取り出
し、スライドガラスで緩やかにティースしてsingl
e cellとした。これらの細胞を96穴平底プレー
トを用い実施例1で調製したビフィドバクテリウム・ロ
ンガムATCC 15708の細胞質および細胞壁画分
の存在下(1〜100μg/ml)、37℃48時間培
養した(その他の条件は実施例1と同じ)。次に1.0
μCi3H−チミジンを添加し、20時間後 3H−チミ
ジンの細胞への取り込みをシンチレーションカウンター
で測定した。その結果を図3に示した。結果の表示は図
1と同じ形式によった。
細胞質画分はパイエル板リンパ細胞に対して強い細胞増
殖活性を有した。これに対し、菌体の細胞壁画分は細胞
増殖活性を示さず、ネガティブコントロールの卵白アル
ブミンによる応答(Δcpm)とほぼ同じ応答であっ
た。このことから菌体が経口投与された場合その細胞質
が腸管免疫系を強く刺激することが明らかとなった。
ウム・ロンガムATCC 15708を2週間経口投与
したBALB/cマウスよりパイエル板リンパ細胞を得
た。これらの細胞をビフィドバクテリウム・ロンガムA
TCC 15708の細胞質のトリプシン分解物(0,
1,5,24時間分解)の存在下、実施例3と同様の条
件で培養し、細胞増殖を3H−チミジンの取り込みによ
り調べた。細胞質のトリプシン分解物は、pH8.5の
緩衝液中で所定の時間(0〜24時間)トリプシン(S
igma)をE/S比1:100で作用させ、トリプシ
ンを加熱失活後、脱塩、凍結乾燥することにより調製し
た。細胞質のトリプシン処理に伴う活性の変化を図4に
示した。結果の表示は図1と同じ形式によった。
質の細胞増殖活性は、トリプシン処理時間の延長ととも
に低下した。このことより、細胞質中の蛋白質およびペ
プチド、あるいはそれらの各種複合体(糖蛋白質、リポ
蛋白質など)が本免疫賦活剤の活性の主体であることが
明らかとなった。
キモトリプシン(Sigma)を用い、細胞質のキモト
リプシン処理に伴う活性の変化を調べた。ただし、酵素
処理時間は、0,5,24時間とした。その結果を図5
に示した。
質の細胞増殖活性はキモトリプシン処理時間の延長とと
もに低下した。このことにより、実施例4と同様に、細
胞質中の蛋白質およびペプチド、あるいはそれらの各種
複合体(糖蛋白質、リポ蛋白質など)が本免疫賦活剤の
活性の主体であることが明らかとなった。
・ロンガムATCC 15708を増殖させた培養液を
4000Gで2.0×10 11 個/mlにまで遠心濃縮
し、得られた沈澱画分に遠心前と同量の脱イオン水を加
え、均一に沈澱を分散させた後、HTST殺菌を行っ
た。その後再び遠心分離を行い、沈澱画分を回収し、凍
結乾燥菌体粉末を得た。粉末中のB.longum菌体
数は約8.0×1011個/g相当であった。この粉末を
市販の育児用調製粉乳(明治乳業(株)製)に0.1%
配合した。
ドフィルスIFO 3953を増殖させた培養液を30
00Gで1.5×10 11 個/mlにまで遠心濃縮し得ら
れた沈澱画分をHTST殺菌後、凍結乾燥した。この凍
結乾燥菌体粉末中のL.acidophilus菌体数
は約4.0×1011個/g相当であった。この粉末を市
販の育児用調製粉乳(明治乳業(株)製)に0.05%
配合した。
製造するに当り、乳酸菌菌体由来の細胞質画分は、上記
した使用量を1例として使用することができるが、本発
明においては、粉乳1g当り、1.0×104個以上、
好ましくは1.0×106〜1.0×1012個の乳酸菌
菌体由来の細胞質画分を使用すればよい。しかしなが
ら、該細胞質画分は天然物由来のものであるので安全で
あり、したがって上記範囲よりも多量に使用しても何ら
差し支えはないし、また、予防ないし保健を目的とする
場合は、上記範囲よりも少量使用してもよい。また、育
児用粉乳以外の飲食品を調製する場合も、上記範囲を参
考にして細胞質画分の使用量を定めればよい。
3953の加熱死菌体を5×1010個/飼料1g含有す
る乳清蛋白質(WPI)固型飼料を作製し、実施例3と
同様にして菌体投与マウスのパイエル板リンパ細胞に対
するL.acidophilusIFO 3953の細
胞壁および細胞質画分の細胞増殖活性を菌体経口投与開
始後2週間目に調べた。
L.acidophilusIFO3953の細胞質画
分はパイエル板リンパ細胞に対し強い増殖活性を示した
一方、細胞壁画分はnegative control
として用いたOVAより若干強い活性しか示さなかっ
た。
CC 15708を含有する乳清蛋白質(WPI)固型
飼料でマウス7匹(BALB/c,5W,雌)を飼育し
た。4週間後にマウスから小腸部分を取り出し、露木ら
の方法(光岡知足編,“腸内フローラの研究方法論”,
P.157(学会出版センター1989))に従って小
腸内容物および小腸壁抽出液を得た。これらの試料中の
IgA抗体価を抗マウスIgAモノクローナル抗体(関
東化学)を用いてELISA法で測定した。また対照と
してB.longumATCC 15708を含まない
だけで他は同一組成のWPI固型飼料で上記と同様に飼
育したマウスより得た小腸内容物および小腸壁抽出液中
のIgA抗体価を同様に調べた。
酸菌菌体の細胞質画分によるパイエル板リンパ細胞の活
性化の結果、腸管でのIgA抗体価が対照に比べ高まっ
ていることが明らかになった。
匹を7匹ずつ3群に分け、実施例3および実施例8で使
用したB.longum菌体入りWPI固型飼料および
L.acidophilus菌体入りWPI固型飼料を
そのうちの2群にそれぞれ与えて飼育した。残りの一群
は同一組成でこれらの菌体を含まないWPI固型飼料で
飼育した。1年後、各群のマウスから小腸部分を取り出
し、実施例9と同様の方法で小腸壁抽出液を得た。これ
らの試料中の抗β−ラクトグロブリンIgA抗体価およ
び抗LPS IgA抗体価をELISA法で測定した。
乳酸菌菌体の細胞質画分によるパイエル板リンパ細胞の
活性化の結果、WPI中の食物アレルゲンと言われるβ
−ラクトグロブリン、および大腸菌などのグラム陰性菌
のLPSに対する腸管でのIgA抗体価が対照に比べて
高まっていることが明らかになった。
g、コーンスターチと乳糖の当量混合物30gに、実施
例1で得た細胞質画分を50g加えて充分に混合した。
混合物を100等分して袋に詰め、1袋1.5gのステ
ィック状免疫賦活用栄養健康食品を100袋製造した。
バクテリウム属菌にかえてペディオコッカス・セレビシ
エーATCC8042を用いて得た細胞質画分を用い、
またビタミンC20gにかえてビタミンCとクエン酸の
当量混合物20gを用いたほかは、実施例11と同様の
処理をくり返し、充分に乾燥せしめた後、免疫賦活用栄
養健康食品を製造した。
(1)実施例1においてビフィドバクテリウム属菌にか
えてストレプトコッカス・ファエシウムATCC804
3を用いて得た細胞質画分の硫安塩析処理物の凍結乾燥
物50g、(2)ラクトース90g、(3)コーンスタ
ーチ29g、(4)ステアリン酸マグネシウム1g。
17g)を混合し、(3)(但し7g)から調製したペ
ーストとともに顆粒化した。得られた顆粒に(3)(但
し5g)と(4)を加えてよく混合し、この混合物を圧
縮錠剤機により圧縮して、1錠あたり細胞質画分を10
mg含有する錠剤1000個を製造した。
なるが、0.1〜1500mg/kg/dayで1日1
〜4回投与する。本発明において用いる細胞質画分は本
来食品由来のものであるので、既述のように安全性には
ほとんど問題はなく、したがって上記容量をこえて投与
しても差し支えはない。また、健康の維持、増進、保
健、栄養剤等としてこれを利用する場合は、上記容量よ
りも少ない量を長期間に亘って服用すればよい。また、
既述のように本発明に係る錠剤は、経口投与以外の方法
でも投与することができるが、静脈投与および筋肉投与
の場合は0.01〜1200mg/kg/dayであ
る。
得た細胞質画分10g、(2)塩化ナトリウム8g、
(3)クロロブタノール4g、(4)炭酸水素ナトリウ
ム1g。
れを500mlの点滴ビン2本に分注し、免疫賦活輸液
を製造した。
の免疫賦活作用の活性主体として従来から研究されてき
た細胞壁画分や菌体の分泌する多糖体と異なり、細胞質
画分を有効成分とする。したがって、各種免疫担当細胞
への作用メカニズムも従来から研究されてきた上記各物
質とは異なる可能性が大であり、乳酸菌由来の安全性の
高い免疫賦活剤として食品および医薬品へ広く応用でき
る。
常在細菌フローラなどの抗原性物質、あるいはウィルス
や病原菌などの感染性微生物に対して生体防御能を高め
る乳酸菌菌体の細胞質画分を有効成分として飲食品とし
て直接用いたり、あるいは飲食品に配合することによ
り、これらの抗原性物質あるいは感染性微生物によって
引き起こされる各種疾病の予防ないし治療に役立つ飲食
品を供給することができる。例えば細胞質画分を育児用
粉乳に配合することによって、これらの抗原性物質ある
いは感染性微生物によって引き起こされる人工栄養児等
の各種疾病の予防にきわめて有効な育児用粉乳を製造す
ることができる。
分のマイトジェン活性を比較した図である。
ミン感作T細胞の細胞増殖の促進を示した図である。
促進(実施例3)を示した図である。
促進に与える細胞質画分のトリプシン処理の影響を示し
た図である。
促進に与える細胞質画分のキモトリプシン処理の影響を
示した図である。
細胞増殖の促進(実施例8)を示した図である。
A産生の誘導を示した図である。
gA産生の誘導を示した図である。
体投与群 L:Lactobacillus acidophil
us菌体投与群 C:対照群
Claims (9)
- 【請求項1】 乳酸菌の菌体の破砕後、遠心分離によっ
て細胞壁画分を除去して得られた上清もしくはその処理
物を含有することを特徴とする免疫賦活剤。 - 【請求項2】 上清の処理物が、上清を希釈、濃縮、分
画、精製、及び/又は乾燥してなるものであることを特
徴とする請求項1に記載の免疫賦活剤。 - 【請求項3】 乳酸菌が、ラクトバチルス(Lacto
bacillus)、ビフィドバクテリウム(Bifi
dobacterium)、ペディオコッカス(Ped
iococcus)、ストレプトコッカス(Strep
tococcus)、ロイコノストック(Leucon
ostoc)の各属に属する1種または2種以上である
ことを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか1項に
記載の免疫賦活剤。 - 【請求項4】 乳酸菌の菌体の破砕後、遠心分離によっ
て細胞壁画分を除去して得られた上清もしくはその処理
物を含有することを特徴とする免疫賦活用飲食品。 - 【請求項5】 上清の処理物が、上清を希釈、濃縮、分
画、精製、及び/又は乾燥してなるものであることを特
徴とする請求項4に記載の免疫賦活用飲食品。 - 【請求項6】 乳酸菌が、ラクトバチルス(Lacto
bacillus)、ビフィドバクテリウム(Bifi
dobacterium)、ペディオコッカス(Ped
iococcus)、ストレプトコッカス(Strep
tococcus)、ロイコノストック(Leucon
ostoc)の各属に属する1種または2種以上である
ことを特徴とする請求項4〜請求項5のいずれか1項に
記載の免疫賦活用飲食品。 - 【請求項7】 免疫賦活用飲食品が乳製品であることを
特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の
免疫賦活用飲食品。 - 【請求項8】 乳製品が育児用乳及び/又は育児用粉乳
であることを特徴とする請求項7に記載の免疫賦活用飲
食品。 - 【請求項9】 上清もしくはその処理物の含有におい
て、1.0×106〜1.0×1012個の乳酸菌菌体由
来の細胞質画分を粉乳1g当たりに含有せしめることを
特徴とする請求項8に記載の免疫賦活用飲食品。
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